JP2002102947A - 車体パネルの成形方法 - Google Patents
車体パネルの成形方法Info
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- JP2002102947A JP2002102947A JP2000297331A JP2000297331A JP2002102947A JP 2002102947 A JP2002102947 A JP 2002102947A JP 2000297331 A JP2000297331 A JP 2000297331A JP 2000297331 A JP2000297331 A JP 2000297331A JP 2002102947 A JP2002102947 A JP 2002102947A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 固定金型11並びに可動金型12と、固
定金型11の周囲に配置した少なくとも3個の位置規制
部材16,17,18(2個不図示)と、車体パネル4
2のためのブランク材と、加熱手段とを用い、加熱手段
で所定の温度に加熱した状態のブランク材を位置規制部
材16,17,18にて位置決めしつつ固定金型11に
載せ、この状態で可動金型を固定金型に合せることで、
ブランク材の周縁部を非拘束で成形する。 【効果】 周縁部を設ける必要がなく、ブランク材の表
面積を小さくすることができ、板材の歩留りが向上す
る。周縁部を除去するトリミング(縁切り)工程を省
き、工程を集約することができ、生産効率を向上させる
ことができる。
定金型11の周囲に配置した少なくとも3個の位置規制
部材16,17,18(2個不図示)と、車体パネル4
2のためのブランク材と、加熱手段とを用い、加熱手段
で所定の温度に加熱した状態のブランク材を位置規制部
材16,17,18にて位置決めしつつ固定金型11に
載せ、この状態で可動金型を固定金型に合せることで、
ブランク材の周縁部を非拘束で成形する。 【効果】 周縁部を設ける必要がなく、ブランク材の表
面積を小さくすることができ、板材の歩留りが向上す
る。周縁部を除去するトリミング(縁切り)工程を省
き、工程を集約することができ、生産効率を向上させる
ことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属の板材を用いた
車体パネルの成形方法に関する。
車体パネルの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車体パネルは板材を所望の形状に成形し
たもので、その成形方法には、例えば、特開平6−23
8378号公報「薄板材の成形装置および薄板成形体の
離型方法」に示されたものがある。同公報の段落番号
[0019]〜[0021]によれば、この薄板成形体
の離型方法は次の通りである。ただし、以下の説明は原
文の要約である。
たもので、その成形方法には、例えば、特開平6−23
8378号公報「薄板材の成形装置および薄板成形体の
離型方法」に示されたものがある。同公報の段落番号
[0019]〜[0021]によれば、この薄板成形体
の離型方法は次の通りである。ただし、以下の説明は原
文の要約である。
【0003】まず、同公報の図1の金型容器4(符号は
公報記載のものを流用した。以下同様。)と天板6との
間にアルミニウム合金製の薄板材2を配置するととも
に、金型容器4と天板6とで薄板材2の周縁部2aを挟
持する。そして、薄板材2を500℃前後に加熱し、薄
板材2と天板6との間にガスを供給して薄板材2を金型
容器4に押圧し、成形加工を施す。その後、天板6とヘ
ッド10とで周縁部2aを挟持しながら薄板材2を金型
容器4から離型させる。このように、従来の技術は、薄
板材2の周縁部2aを挟持しながら離型するようにした
ので、離型用のフォークを用いる必要がなく、作業性を
高めることができるというものである。
公報記載のものを流用した。以下同様。)と天板6との
間にアルミニウム合金製の薄板材2を配置するととも
に、金型容器4と天板6とで薄板材2の周縁部2aを挟
持する。そして、薄板材2を500℃前後に加熱し、薄
板材2と天板6との間にガスを供給して薄板材2を金型
容器4に押圧し、成形加工を施す。その後、天板6とヘ
ッド10とで周縁部2aを挟持しながら薄板材2を金型
容器4から離型させる。このように、従来の技術は、薄
板材2の周縁部2aを挟持しながら離型するようにした
ので、離型用のフォークを用いる必要がなく、作業性を
高めることができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、薄板
材2の押さえに周縁部2aを使用し、さらに、離型の際
の押し出しで周縁部2aを使用した。しかし、周縁部2
aは、最終製品としては使用しない部分であり、使用済
みとなった時点で、除去され、廃棄処分となる。高価な
アルミニウム合金製板材の廃棄量が多くなると、生産コ
ストが嵩むため、板材の歩留りを高める必要がある。ま
た、周縁部2aを除去し、輪郭を仕上げるトリミング
(縁切り)工程を設ける必要があり、加工時間が増加し
て生産効率が低下する。
材2の押さえに周縁部2aを使用し、さらに、離型の際
の押し出しで周縁部2aを使用した。しかし、周縁部2
aは、最終製品としては使用しない部分であり、使用済
みとなった時点で、除去され、廃棄処分となる。高価な
アルミニウム合金製板材の廃棄量が多くなると、生産コ
ストが嵩むため、板材の歩留りを高める必要がある。ま
た、周縁部2aを除去し、輪郭を仕上げるトリミング
(縁切り)工程を設ける必要があり、加工時間が増加し
て生産効率が低下する。
【0005】そこで、本発明の目的は、板材の歩留りを
向上させることができ、生産効率を向上させることがで
きる車体パネルの成形方法を提供することにある。
向上させることができ、生産効率を向上させることがで
きる車体パネルの成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、固定金型並びに可動金型と、固定金型の
周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材と、車体
パネルのためのブランク材と、加熱手段とを用い、加熱
手段で所定の温度に加熱した状態のブランク材を位置規
制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せ、この状態で
可動金型を固定金型に合せることで、ブランク材の周縁
部を非拘束で成形することを特徴とする。
に請求項1は、固定金型並びに可動金型と、固定金型の
周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材と、車体
パネルのためのブランク材と、加熱手段とを用い、加熱
手段で所定の温度に加熱した状態のブランク材を位置規
制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せ、この状態で
可動金型を固定金型に合せることで、ブランク材の周縁
部を非拘束で成形することを特徴とする。
【0007】ブランク材を所定温度に加熱することで、
変形を容易にした。この成形の際に、少なくとも3個の
位置規制部材でブランク材のずれを防止する。この結
果、ブランク材の縁を把持することなく、成形すること
ができる。ブランク材には挟んで押えるための周縁部が
なく、板材から無駄なくブランク材を得ることができ、
板材の歩留りは向上する。また、ブランク材に周縁部を
設ける必要はなく、ブランク材を形成する工程で輪郭を
同時に仕上げるので、トリミング工程を省くことがで
き、工程を集約して生産効率が向上する。
変形を容易にした。この成形の際に、少なくとも3個の
位置規制部材でブランク材のずれを防止する。この結
果、ブランク材の縁を把持することなく、成形すること
ができる。ブランク材には挟んで押えるための周縁部が
なく、板材から無駄なくブランク材を得ることができ、
板材の歩留りは向上する。また、ブランク材に周縁部を
設ける必要はなく、ブランク材を形成する工程で輪郭を
同時に仕上げるので、トリミング工程を省くことがで
き、工程を集約して生産効率が向上する。
【0008】請求項2は、所定温度を500〜550℃
の範囲に設定したことを特徴とする。所定温度が500
℃未満であれば、ブランク材に用いたアルミニウム合金
の温度が低過ぎ、成形荷重に対する塑性変形の抵抗が大
きく、且つ伸びが小さく、スプリングバックが発生しや
すい。また、溶体化処理による効果が期待できない。一
方、所定温度が550℃を超えると、ブランク材の温度
が高過ぎ、ブランク材が溶解し始める心配がある。ブラ
ンク材を成形する際に発生するスプリングバックをほぼ
無くし、且つ溶体化処理を実施するには、所定温度を5
00〜550℃の範囲に設定することが望ましい。
の範囲に設定したことを特徴とする。所定温度が500
℃未満であれば、ブランク材に用いたアルミニウム合金
の温度が低過ぎ、成形荷重に対する塑性変形の抵抗が大
きく、且つ伸びが小さく、スプリングバックが発生しや
すい。また、溶体化処理による効果が期待できない。一
方、所定温度が550℃を超えると、ブランク材の温度
が高過ぎ、ブランク材が溶解し始める心配がある。ブラ
ンク材を成形する際に発生するスプリングバックをほぼ
無くし、且つ溶体化処理を実施するには、所定温度を5
00〜550℃の範囲に設定することが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図1は本発明に係る車体パネル
の成形方法に用いる金型の一例の説明図であり、金型1
0は、移動しない固定金型11と、この固定金型11に
対向して移動可能な可動金型12とからなる。可動金型
12は、凹状の型13を有し、固定金型11は、型13
に合せる凸状の型14と、可動金型12の位置決めを行
うピン15,15と、位置規制部材16,17(図2参
照),18と、を有するものである。
づいて以下に説明する。図1は本発明に係る車体パネル
の成形方法に用いる金型の一例の説明図であり、金型1
0は、移動しない固定金型11と、この固定金型11に
対向して移動可能な可動金型12とからなる。可動金型
12は、凹状の型13を有し、固定金型11は、型13
に合せる凸状の型14と、可動金型12の位置決めを行
うピン15,15と、位置規制部材16,17(図2参
照),18と、を有するものである。
【0010】図2は本発明に係る固定金型の斜視図であ
り、固定金型11の中央に型14を形成し、周囲に3個
の位置規制部材16,17,18を配置したことを示
す。位置規制部材16は、型14に対してX方向の移動
を規制するものであり、位置規制部材17は、X方向及
びY方向の移動を規制するものであり、位置規制部材1
8は、Y方向の移動を規制するものである。
り、固定金型11の中央に型14を形成し、周囲に3個
の位置規制部材16,17,18を配置したことを示
す。位置規制部材16は、型14に対してX方向の移動
を規制するものであり、位置規制部材17は、X方向及
びY方向の移動を規制するものであり、位置規制部材1
8は、Y方向の移動を規制するものである。
【0011】図3は本発明に係る車体パネルの成形方法
のフローチャートであり、STはステップを示す。 ST01:ブランクホルダを有しないプレス機、固定金
型、可動金型、固定金型の周囲に配置した位置規制部
材、及び加熱手段を準備する。 ST02:ブランク材を準備する。 ST03:加熱手段でブランク材を所定の温度に加熱す
る。 ST04:加熱したブランク材を位置規制部材にて位置
決めしつつ固定金型に載せる。 ST05:可動金型を固定金型に合せ、車体パネルを成
形する。 次に、ST01〜ST05を具体的に説明する。
のフローチャートであり、STはステップを示す。 ST01:ブランクホルダを有しないプレス機、固定金
型、可動金型、固定金型の周囲に配置した位置規制部
材、及び加熱手段を準備する。 ST02:ブランク材を準備する。 ST03:加熱手段でブランク材を所定の温度に加熱す
る。 ST04:加熱したブランク材を位置規制部材にて位置
決めしつつ固定金型に載せる。 ST05:可動金型を固定金型に合せ、車体パネルを成
形する。 次に、ST01〜ST05を具体的に説明する。
【0012】図4は本発明に係る車体パネルの成形方法
の第1説明図である。まず、ブランク材21を形成す
る。アルミニウム合金製素材22からブランク材21・・
・(・・・は複数を示す。以下同様。)をブランキングで打
ち抜く。アルミニウム合金製素材22は、例えば、Al
−Mg−Si系合金(6000系)の板材である。
の第1説明図である。まず、ブランク材21を形成す
る。アルミニウム合金製素材22からブランク材21・・
・(・・・は複数を示す。以下同様。)をブランキングで打
ち抜く。アルミニウム合金製素材22は、例えば、Al
−Mg−Si系合金(6000系)の板材である。
【0013】ブランク材21は、車体パネルを成形する
ためのもので、縁23には周縁部24を設けずに、縁2
3を仕上り寸法に形成したものである。この場合、打ち
抜きと同時に縁23には、第1基準部31と、第2基準
部32と、第3基準部33とを設ける。
ためのもので、縁23には周縁部24を設けずに、縁2
3を仕上り寸法に形成したものである。この場合、打ち
抜きと同時に縁23には、第1基準部31と、第2基準
部32と、第3基準部33とを設ける。
【0014】図4に示すように、ブランク材21を形成
する工程では、ブランク材21を周縁部24のない仕上
り寸法に形成するので、ブランク材21の表面積は周縁
部24を設けた場合に比較して小さく、アルミニウム合
金製素材22からより多くのブランク材21を得ること
ができるとともに、アルミニウム合金製素材22の廃棄
量は減少し、ブランク材21を形成する際の板材の歩留
りを向上させることができる。
する工程では、ブランク材21を周縁部24のない仕上
り寸法に形成するので、ブランク材21の表面積は周縁
部24を設けた場合に比較して小さく、アルミニウム合
金製素材22からより多くのブランク材21を得ること
ができるとともに、アルミニウム合金製素材22の廃棄
量は減少し、ブランク材21を形成する際の板材の歩留
りを向上させることができる。
【0015】図5は本発明に係る車体パネルの成形方法
の第2説明図である。ブランク材21を加熱手段35で
所定の温度に加熱する。加熱手段35は、加熱炉本体3
6と、熱源37と、載せ台38とを備えたもので、載せ
台38にブランク材21を置き、所望の熱処理を実施す
るものである。
の第2説明図である。ブランク材21を加熱手段35で
所定の温度に加熱する。加熱手段35は、加熱炉本体3
6と、熱源37と、載せ台38とを備えたもので、載せ
台38にブランク材21を置き、所望の熱処理を実施す
るものである。
【0016】この加熱では、ブランク材21の所定温度
は、500〜550℃の範囲に設定した。この500〜
550℃まで所望の昇温速度で昇温する。ブランク材2
1の温度が500℃未満であれば、アルミニウム合金の
温度が低過ぎ、成形荷重に対する塑性変形の抵抗が大き
く、且つ伸びが小さく、スプリングバックが発生しやす
い。また、溶体化処理による効果が期待できない。ブラ
ンク材21の温度が550℃を超えると、アルミニウム
合金の温度が高過ぎ、アルミニウム合金が溶解し始める
心配がある。そのため、500〜550℃の範囲内で所
望の時間だけ保持した後、次工程の成形を開始する。
は、500〜550℃の範囲に設定した。この500〜
550℃まで所望の昇温速度で昇温する。ブランク材2
1の温度が500℃未満であれば、アルミニウム合金の
温度が低過ぎ、成形荷重に対する塑性変形の抵抗が大き
く、且つ伸びが小さく、スプリングバックが発生しやす
い。また、溶体化処理による効果が期待できない。ブラ
ンク材21の温度が550℃を超えると、アルミニウム
合金の温度が高過ぎ、アルミニウム合金が溶解し始める
心配がある。そのため、500〜550℃の範囲内で所
望の時間だけ保持した後、次工程の成形を開始する。
【0017】図6は本発明に係る車体パネルの成形方法
の第3説明図である。加熱したブランク材21を位置規
制部材16,17,18にて位置決めしつつ固定金型1
1に載せる。具体的には、ブランク材21の中央を凸状
の型14に置き、そして、固定金型11の位置規制部材
16にたわんだブランク材21の縁23の第1基準部3
1を突き当てる。同様に、位置規制部材17に第2基準
部32を突き当て、さらに、位置規制部材18に第3基
準部33を突き当てる。
の第3説明図である。加熱したブランク材21を位置規
制部材16,17,18にて位置決めしつつ固定金型1
1に載せる。具体的には、ブランク材21の中央を凸状
の型14に置き、そして、固定金型11の位置規制部材
16にたわんだブランク材21の縁23の第1基準部3
1を突き当てる。同様に、位置規制部材17に第2基準
部32を突き当て、さらに、位置規制部材18に第3基
準部33を突き当てる。
【0018】図7は本発明に係る車体パネルの成形方法
の第4説明図である。位置規制部材16によってブラン
ク材21のX方向(矢印方向)の動きを規制し、位置
規制部材17によってY方向(矢印方向)並びにX方
向(矢印方向)の動きを規制し、位置規制部材18に
よってY方向(矢印方向)の動きを規制することがで
きる。その結果、ブランク材21の周縁部24(図4参
照)を挟んで押える必要がなく、ブランクホルダをプレ
ス機若しくは金型に設ける必要はない。
の第4説明図である。位置規制部材16によってブラン
ク材21のX方向(矢印方向)の動きを規制し、位置
規制部材17によってY方向(矢印方向)並びにX方
向(矢印方向)の動きを規制し、位置規制部材18に
よってY方向(矢印方向)の動きを規制することがで
きる。その結果、ブランク材21の周縁部24(図4参
照)を挟んで押える必要がなく、ブランクホルダをプレ
ス機若しくは金型に設ける必要はない。
【0019】図8は本発明に係る車体パネルの成形方法
の第5説明図であり、加熱したブランク材21を位置規
制部材16,17(図7参照),18にて位置決めし
て、固定金型11に載せた状態を示す。なお、ブランク
材21は加熱した状態にあり、機械的性質は低下し、そ
のため、縁23は自重で下がる。ブランク材21の位置
を確認後、ブランクホルダを有しないプレス機41の運
転を開始する。
の第5説明図であり、加熱したブランク材21を位置規
制部材16,17(図7参照),18にて位置決めし
て、固定金型11に載せた状態を示す。なお、ブランク
材21は加熱した状態にあり、機械的性質は低下し、そ
のため、縁23は自重で下がる。ブランク材21の位置
を確認後、ブランクホルダを有しないプレス機41の運
転を開始する。
【0020】図9は本発明に係る車体パネルの成形方法
の第6説明図である。プレス機41で可動金型12を固
定金型11に合せ、車体パネル42を成形する。詳細に
は、所定の温度(500〜550℃)に保持しつつブラ
ンク材21(図8参照)を可動金型12と固定金型11
との間に挟み、所望の荷重Fで加圧し、ブランク材21
に型13並びに型14を写すとともに、ブランク材21
の周縁部24(図4参照)を非拘束で絞り成形し、車体
パネル42が完成する。
の第6説明図である。プレス機41で可動金型12を固
定金型11に合せ、車体パネル42を成形する。詳細に
は、所定の温度(500〜550℃)に保持しつつブラ
ンク材21(図8参照)を可動金型12と固定金型11
との間に挟み、所望の荷重Fで加圧し、ブランク材21
に型13並びに型14を写すとともに、ブランク材21
の周縁部24(図4参照)を非拘束で絞り成形し、車体
パネル42が完成する。
【0021】なお、図5で500℃に達した時点〜図9
の完成時点までに要する所要時間をP1とし、溶体化処
理に必要な保持時間をK1としたときに、この所要時間
P1は保持時間K1より少なく設定するのが望ましい。
の完成時点までに要する所要時間をP1とし、溶体化処
理に必要な保持時間をK1としたときに、この所要時間
P1は保持時間K1より少なく設定するのが望ましい。
【0022】この成形工程では、ブランク材21を50
0〜550℃の範囲に保持しながら成形するので、荷重
Fに対するブランク材21の塑性変形の抵抗は極めて小
さく、且つ伸びは大きく、ブランク材21のスプリング
バックはほとんど発生しない。従って、車体パネル42
の寸法精度を向上させることができる。
0〜550℃の範囲に保持しながら成形するので、荷重
Fに対するブランク材21の塑性変形の抵抗は極めて小
さく、且つ伸びは大きく、ブランク材21のスプリング
バックはほとんど発生しない。従って、車体パネル42
の寸法精度を向上させることができる。
【0023】また、ブランク材21を500〜550℃
の範囲の温度で、保持時間K1だけ保持するので、アル
ミニウム合金を溶体化処理することができ、ブランク材
21の機械的性質を向上させることができる。
の範囲の温度で、保持時間K1だけ保持するので、アル
ミニウム合金を溶体化処理することができ、ブランク材
21の機械的性質を向上させることができる。
【0024】さらに、ブランク材21を500〜550
℃の範囲に保持しながら成形するので、ブランク材21
の伸び量は大きく、ブランク材21の縁23を挟んで押
えなくても複雑な形状に成形することができるととも
に、しわの発生を防ぐことができる。
℃の範囲に保持しながら成形するので、ブランク材21
の伸び量は大きく、ブランク材21の縁23を挟んで押
えなくても複雑な形状に成形することができるととも
に、しわの発生を防ぐことができる。
【0025】一方、3個の位置規制部材16,17,1
8にブランク材21の縁23を突き当て、ブランク材2
1の位置決めを実施するので、ブランクホルダを必要と
せず、設備費の削減を図ることができる。
8にブランク材21の縁23を突き当て、ブランク材2
1の位置決めを実施するので、ブランクホルダを必要と
せず、設備費の削減を図ることができる。
【0026】また、3個の位置規制部材16,17,1
8にブランク材21の縁23を突き当て、ブランク材2
1の位置決めを実施するので、縁23からさらに周縁部
を延長する必要がなく、板材の歩留りが向上する。
8にブランク材21の縁23を突き当て、ブランク材2
1の位置決めを実施するので、縁23からさらに周縁部
を延長する必要がなく、板材の歩留りが向上する。
【0027】図10(a),(b)はブランク材の比較
図であり、(a)は比較例、(b)は実施例を示す。
(a)において、従来のブランク材101は、縁に周縁
部102を設けたものである。(b)において、本発明
の車体パネルの成形方法に用いるブランク材21は、縁
23に周縁部を設けないものである。図から明らかなよ
うにブランク材21の表面積は想像線で示すブランク材
101の表面積より小さく、廃棄量が減少するので、板
材の歩留りを向上させることができる。
図であり、(a)は比較例、(b)は実施例を示す。
(a)において、従来のブランク材101は、縁に周縁
部102を設けたものである。(b)において、本発明
の車体パネルの成形方法に用いるブランク材21は、縁
23に周縁部を設けないものである。図から明らかなよ
うにブランク材21の表面積は想像線で示すブランク材
101の表面積より小さく、廃棄量が減少するので、板
材の歩留りを向上させることができる。
【0028】また、(b)に示すように実線のブランク
材21を打ち抜くと、車体パネルの輪郭は完成するの
で、予め想像線の如くブランク材を打ち抜き、成形工程
の中途で実線の如く仕上げるトリミング(縁切り)工程
を実施する必要がない。その結果、輪郭形成の工程を1
工程に集約することができ、生産効率の向上を図ること
ができる。
材21を打ち抜くと、車体パネルの輪郭は完成するの
で、予め想像線の如くブランク材を打ち抜き、成形工程
の中途で実線の如く仕上げるトリミング(縁切り)工程
を実施する必要がない。その結果、輪郭形成の工程を1
工程に集約することができ、生産効率の向上を図ること
ができる。
【0029】尚、本発明の実施の形態に示した図4のブ
ランク材21は一例であり、自動車の外観のデザインや
車体の部位により形状は異なる。図2の3個の位置規制
部材16,17,18の配置位置は一例であり、規制す
る位置はブランク材の形状によって異なる。また、位置
規制部材16,17,18の形状、数量はその都度変え
てもよい。金型10の構成は一例であり、この構成に限
定するものではない。例えば、金型の型に加熱手段を内
蔵させてもよく、また、ピンの形態や配置位置は任意で
ある。
ランク材21は一例であり、自動車の外観のデザインや
車体の部位により形状は異なる。図2の3個の位置規制
部材16,17,18の配置位置は一例であり、規制す
る位置はブランク材の形状によって異なる。また、位置
規制部材16,17,18の形状、数量はその都度変え
てもよい。金型10の構成は一例であり、この構成に限
定するものではない。例えば、金型の型に加熱手段を内
蔵させてもよく、また、ピンの形態や配置位置は任意で
ある。
【0030】ここでは、ブランクホルダをプレス機の一
部として説明したが、ブランクホルダを金型の一部とし
て構成した場合は、「ブランクホルダを有しない金型」
を準備し、且つ使用するということになる。
部として説明したが、ブランクホルダを金型の一部とし
て構成した場合は、「ブランクホルダを有しない金型」
を準備し、且つ使用するということになる。
【0031】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、固定金型並びに可動金型と、固定
金型の周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材
と、車体パネルのためのブランク材と、加熱手段とを用
い、加熱手段で所定の温度に加熱した状態のブランク材
を位置規制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せ、こ
の状態で可動金型を固定金型に合せることで、ブランク
材の周縁部を非拘束で成形する。すなわち、ブランク材
を所定温度に加熱することで、変形を容易にした。この
成形の際に、少なくとも3個の位置規制部材でブランク
材のずれを防止する。この結果、ブランク材を挟んで押
えるための周縁部を設ける必要がなく、ブランク材の表
面積を小さくすることができる。その結果、同じ大きさ
の板材から多くのブランク材を得ることができるととも
に、板材の廃棄量は減少し、板材の歩留りを向上させる
ことができる。
する。請求項1では、固定金型並びに可動金型と、固定
金型の周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材
と、車体パネルのためのブランク材と、加熱手段とを用
い、加熱手段で所定の温度に加熱した状態のブランク材
を位置規制部材にて位置決めしつつ固定金型に載せ、こ
の状態で可動金型を固定金型に合せることで、ブランク
材の周縁部を非拘束で成形する。すなわち、ブランク材
を所定温度に加熱することで、変形を容易にした。この
成形の際に、少なくとも3個の位置規制部材でブランク
材のずれを防止する。この結果、ブランク材を挟んで押
えるための周縁部を設ける必要がなく、ブランク材の表
面積を小さくすることができる。その結果、同じ大きさ
の板材から多くのブランク材を得ることができるととも
に、板材の廃棄量は減少し、板材の歩留りを向上させる
ことができる。
【0032】また、ブランク材を位置規制部材にて位置
決めしつつ成形するので、ブランク材を挟んで押えるた
めの周縁部を設ける必要がなく、ブランク材の打ち抜き
と同時に輪郭を仕上げることができる。その結果、周縁
部を除去し、輪郭を仕上げるトリミング(縁切り)工程
を省き、工程を集約することができる。従って、生産効
率を向上させることができる。
決めしつつ成形するので、ブランク材を挟んで押えるた
めの周縁部を設ける必要がなく、ブランク材の打ち抜き
と同時に輪郭を仕上げることができる。その結果、周縁
部を除去し、輪郭を仕上げるトリミング(縁切り)工程
を省き、工程を集約することができる。従って、生産効
率を向上させることができる。
【0033】請求項2では、ブランク材の所定温度は、
500〜550℃の範囲に設定したので、ブランク材の
塑性変形の抵抗は極めて小さく、且つ伸びが大きく、ブ
ランク材のスプリングバックをほぼ無くすることができ
る。従って、車体パネルの寸法精度を向上させることが
できる。また、ブランク材の所定温度を500〜550
℃の範囲に設定したので、ブランク材を溶体化処理する
ことができ、車体パネルの機械的性質を向上させること
ができる。
500〜550℃の範囲に設定したので、ブランク材の
塑性変形の抵抗は極めて小さく、且つ伸びが大きく、ブ
ランク材のスプリングバックをほぼ無くすることができ
る。従って、車体パネルの寸法精度を向上させることが
できる。また、ブランク材の所定温度を500〜550
℃の範囲に設定したので、ブランク材を溶体化処理する
ことができ、車体パネルの機械的性質を向上させること
ができる。
【図1】本発明に係る車体パネルの成形方法に用いる金
型の一例の説明図
型の一例の説明図
【図2】本発明に係る固定金型の斜視図
【図3】本発明に係る車体パネルの成形方法のフローチ
ャート
ャート
【図4】本発明に係る車体パネルの成形方法の第1説明
図
図
【図5】本発明に係る車体パネルの成形方法の第2説明
図
図
【図6】本発明に係る車体パネルの成形方法の第3説明
図
図
【図7】本発明に係る車体パネルの成形方法の第4説明
図
図
【図8】本発明に係る車体パネルの成形方法の第5説明
図
図
【図9】本発明に係る車体パネルの成形方法の第6説明
図
図
【図10】ブランク材の比較図
11…固定金型、12…可動金型、16,17,18…
位置規制部材、21…ブランク材、24…周縁部、35
…加熱手段で、41…プレス機、42…車体パネル。
位置規制部材、21…ブランク材、24…周縁部、35
…加熱手段で、41…プレス機、42…車体パネル。
Claims (2)
- 【請求項1】 固定金型並びに可動金型と、固定金型の
周囲に配置した少なくとも3個の位置規制部材と、車体
パネルのためのブランク材と、加熱手段とを用い、 前記加熱手段で所定の温度に加熱した状態のブランク材
を前記位置規制部材にて位置決めしつつ固定金型に載
せ、この状態で可動金型を固定金型に合せることで、ブ
ランク材の周縁部を非拘束で成形することを特徴とした
車体パネルの成形方法。 - 【請求項2】 前記所定温度は、500〜550℃の範
囲に設定したことを特徴とする請求項1記載の車体パネ
ルの成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000297331A JP2002102947A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 車体パネルの成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000297331A JP2002102947A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 車体パネルの成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002102947A true JP2002102947A (ja) | 2002-04-09 |
Family
ID=18779464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000297331A Pending JP2002102947A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 車体パネルの成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002102947A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2208551A3 (de) * | 2009-01-20 | 2013-07-31 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung eines komplexen Blechformteils |
JP2013193126A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Toyota Motor Corp | 成形装置、及び成形方法 |
CN103691839A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-04-02 | 长城汽车股份有限公司 | 一种汽车梁类零件的成型方法 |
-
2000
- 2000-09-28 JP JP2000297331A patent/JP2002102947A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2208551A3 (de) * | 2009-01-20 | 2013-07-31 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung eines komplexen Blechformteils |
JP2013193126A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Toyota Motor Corp | 成形装置、及び成形方法 |
CN103691839A (zh) * | 2013-12-30 | 2014-04-02 | 长城汽车股份有限公司 | 一种汽车梁类零件的成型方法 |
CN103691839B (zh) * | 2013-12-30 | 2015-07-29 | 长城汽车股份有限公司 | 一种汽车梁类零件的成型方法 |
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