JP4471177B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
例えば、保留球が4つ留保されているときに、4つ目の保留球が大当たりに当選していると判定された場合には、1つ目の保留球から3つ目の保留球が処理されるまでの間に、4つ目の保留球が大当たりに当選しているかもしれないという期待感を遊技者に与えるような予兆演出(あるいは報知)を行う。こうした予兆演出によって、大当たりに当選するかもしれないという遊技者の期待感を早期に高めることができる。
例えば、高確率遊技状態においてのみ大当たりと判定される乱数が、高確率遊技状態にあるときに4つ目の保留球として留保されたとする。この4つ目の保留球が留保された時点では、遊技状態が高確率遊技状態であることから、高確率遊技状態におけるテーブルを用いて乱数が判定される。したがって、この判定の結果、当該4つ目の保留球は大当たりと判定され、遊技者に高い期待感を与える予兆演出が行われることとなる。
しかしながら、1つ目の保留球が、以後の遊技状態を低確率遊技状態に変更するものであった場合には、上記4つ目の保留球を処理する際の遊技状態が、低確率遊技状態となっている。そのため、上記4つ目の保留球に係る乱数は、低確率遊技状態において用いられるテーブルによって判定される。したがって、この4つ目の保留球は、最終的にハズレと判定されることとなるにも拘らず、上記1つ目の保留球が処理されて遊技状態が低確率遊技状態に変更されるまでは、当該乱数が記憶された時点における遊技状態(つまり高確率遊技状態)に基づく予兆演出が行われてしまう。すなわち、予兆演出によって高められた遊技者の期待感を裏切ることとなってしまう。
また、事前判定手段および事前再判定手段は、現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合に、以後の遊技状態を高確率遊技状態に変更するという判定結果と、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合に、以後の遊技状態を低確率遊技状態に変更するという判定結果の少なくともいずれか一方を取得するものでなければならない。
確定するまでになされる演出をいうものである。また、予兆演出は、予め設定された判定結果が取得されたときに必ず行わなければならないわけではない。例えば、上記判定結果が取得されたときに抽選を行い、予め設定された確率でのみ予兆演出を行うこととしてもよい。
特に本発明によれば、遊技状態を変更する遊技データを取得した場合には、当該遊技データに基づいた変更後の遊技状態において、変更前の遊技状態に基づいて事前判定手段により既に判定された遊技データを、変更後の遊技状態に基づいて再度判定する。これにより、事前判定手段および事前再判定手段により事前判定された遊技データの判定の正確性を高めることができ、所期のとおりに予兆演出の信頼性を保つことができる。
図1は本発明の遊技機の一例を示す正面図、図2は当該遊技機に設けられた始動口の部分拡大図である。
遊技機1は、遊技盤2を備えており、この遊技盤2の下部位置には操作ハンドル3が回動可能に設けられている。この操作ハンドル3には、その回動角度を検出するための回動角検出SW3aが設けられており、この回動角検出SW3aの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4a(図3参照)に印加される。そして、発射用ソレノイド4aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド4aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル3の回動角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上記遊技領域6には、複数の普通入賞口7が設けられている。これら各普通入賞口7には、普通入賞口検出SW7aが設けられており、この普通入賞口検出SW7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
なお、上記第1始動口9および第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出SW9aおよび第2始動口検出SW10aがそれぞれ設けられており、これら検出SWが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、検出SW9a、10aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば4個の遊技球)が払い出される。
上記大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、普通入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、および大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口12が設けられている。
具体的には、上記遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる演出表示装置13が設けられており、この演出表示装置13の右側面には、演出役物装置14,15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、上記操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
また、演出用照明装置16は、それぞれ複数のライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18(図3参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
上記第1特別図柄表示器19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのものである。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示器19に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1保留表示器22と第2保留表示器23とに表示される。なお、第1保留(U1)が1つの場合には、第1保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留(U1)が2つの場合には、第1保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留(U1)が3つの場合には、第1保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留(U1)が4つの場合には、第1保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2保留表示器23においても、上記と同様に第2保留(U2)の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1保留表示器22および第2保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
次に、図3を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。本実施形態においては、制御手段100は、主制御基板101、副制御基板102、賞球制御基板103、およびランプ制御基板104から構成されている。
また、主制御基板101の出力側には、役物作動装置25が接続されている。この役物作動装置25は、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる第2始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cとによって構成される。
すなわち、装飾図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM102dに記憶させる。
また副制御基板102の出力側には、音声出力装置18が接続されており、副制御基板102において決定したコマンドに基づいて、音声出力装置18を制御するようにしている。
図4は、遊技の進行を制御する主制御基板101のROM101bに格納された主なプログラムの一例を示し、図5は、演出を制御する副制御基板102のROM102bに格納された主なプログラムの一例を示している。なお、図4、図5に示すプログラムは、本実施形態における制御のうち、特徴的な制御を行うプログラムを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のプログラムが多数設けられている。
そして、ROM101bには、上記各プログラムによって確定されたコマンドを、副制御基板102や賞球制御基板103、または外部接続装置(不図示)に送信する出力処理プログラム260が格納されている。なお、外部接続装置とは、例えば、遊技機1に隣接して設けられ、当該遊技機1に遊技球を貸し出すための貸球装置や、遊技機1の上方に設けられ、当該遊技機1における大当たりの回数等を表示する表示装置、あるいは各遊技機の進行状況等を把握するためのホールコンピュータ等である。
また、図5に示すように、副制御基板102のROM102bには、主制御基板101から送信された後述する事前判定コマンド(事前再判定コマンド)を受信したときに機能するプログラムとして、事前判定コマンド受信時処理プログラム300が格納されている。
また、ROM102bには、各演出装置を制御するプログラムとして、演出制御プログラム340が格納されている。また、ROM102bには、演出制御プログラム340のサブプログラムとして機能する演出表示装置制御プログラム341、演出役物装置作動プログラム342、演出用照明装置制御プログラム343、音声出力装置制御プログラム344が格納されている。さらに、ROM102bには、上記演出表示装置制御プログラム341のサブプログラムとして機能する保留表示プログラム341a、装飾図柄変動表示プログラム341b、特殊キャラクター表示プログラム341cが格納されている。
上記CPU101aと、特別図柄変動表示プログラム222dとによって実行される処理が、本発明の特別図柄変動表示手段に相当する。
上記CPU101aと、事前判定処理プログラム221fとによって実行される処理が、本発明の事前判定手段に相当する。
上記CPU101aと、事前再判定処理プログラム241bとによって実行される処理が、本発明の事前再判定手段に相当する。
上記CPU102aと、演出表示装置制御プログラム341、保留表示プログラム341a、演出役物装置作動プログラム342、演出用照明装置制御プログラム343、音声出力装置制御プログラム344とによって実行される処理が、本発明の予兆演出制御手段に相当する。
主制御基板101のRAM101cは、主に図6に示す記憶領域を有している。なお、以下に列挙する記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
RAM101cには、普通図柄保留数(G)記憶領域400、普通図柄保留記憶領域401、特別図柄保留数(U)記憶領域402、特別図柄保留記憶領域403、変動回数(N)記憶領域404、高確率遊技状態基準回数(M)記憶領域405、高確率遊技状態の上限変動回数(X)記憶領域406、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408、大入賞口入球数(C)記憶領域409、遊技状態記憶領域410が設けられている。そして、遊技状態記憶領域410は、補助遊技開始フラグ記憶領域410a、時短遊技フラグ記憶領域410b、高確率遊技フラグ記憶領域410c、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410d、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410e、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fを備えている。
なお、副制御基板102のRAM102cにも、記憶領域が複数設けられているが、その具体的な構成については、後述する遊技の進行制御の説明中で行うこととする。
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、「低確率遊技状態」「高確率遊技状態」「時短遊技状態」「非時短遊技状態」「長当たり遊技状態」「短当たり遊技状態」「小当たり遊技状態」のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。ただし、遊技の進行中において、遊技状態が「低確率遊技状態」または「高確率遊技状態」である場合には、必ず「時短遊技状態」または「非時短遊技状態」となっている。つまり、「低確率遊技状態」であって、かつ「時短遊技状態」である場合と、「低確率遊技状態」であって、かつ「非時短遊技状態」である場合とが存在することとなる。なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が20/601に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利の獲得が容易となる。
なお、本実施形態においては、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を90%に設定しており、この当選確率は「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらない。したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、入賞ゲート8を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口10が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を費消せずに遊技を進行することが可能となるが、ここに「時短遊技状態」の本来の目的がある。
ただし、「時短遊技状態」において、普通図柄の抽選における当たりの当選確率を「非時短遊技状態」よりも高くすることで、「時短遊技状態」を設けた上記の目的を達成するようにしても構わない。
「長当たり遊技状態」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における大入賞口11の総開放時間は最大30秒に設定されており、この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技状態」は、大入賞口11に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技状態である。
「短当たり遊技状態」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計2回行う。ただし、各ラウンド遊技においては大入賞口11が1回のみ開放し、その開放時間が0.1秒に設定されている。この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり大入賞口11の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどなく、また、遊技球が入球したとしても、1回のラウンド遊技で1個〜2個程度しか遊技球が入球することはない。なお、この「短当たり遊技状態」においても、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
「小当たり遊技状態」においても、上記「短当たり遊技状態」と同様、大入賞口11が2回開放される。このときの大入賞口11の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技状態」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技状態」と「短当たり遊技状態」との判別を不能もしくは困難な程度に近似している。ただし、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、上記と同様に所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
そして、主制御基板101においては、RAM101cの遊技状態記憶領域410にフラグを記憶することによって、現在の遊技状態が上記のいずれの遊技状態であるのかを把握するようにしている。
また、遊技状態がある遊技状態から他の遊技状態に変更するのは、上記大当たりの抽選の結果、「大当たり」に当選した場合である。本実施形態においては複数種類の「大当たり」が設けられており、当選した「大当たり」の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する。以下に、本実施形態において設けられた「大当たり」について説明する。
本実施形態においては、「高確率時短付き長当たり」、「通常時短付き長当たり」、「高確率時短付き短当たり」、「通常時短付き短当たり」、「高確率時短無し短当たり」、「通常時短無し短当たり」の6種類の大当たりが設けられている。
このように、本実施形態においては、多量の賞球を獲得することが可能な「長当たり遊技状態」の終了後に、大当たりの当選確率が高い「高確率遊技状態」にて遊技が進行する長当たりと、大当たりの当選確率が低確率である「低確率遊技状態」にて遊技が進行する長当たりとが設けられている。
図7は、主制御基板101において実行される主なサブルーチンを示しており、CPU101aは、図示の全てのサブルーチンを0.004秒ごとに繰り返し行っている。なお、ここでは、入賞ゲート通過処理→普通図柄変動処理→第2始動口処理→始動口入球処理→特別図柄変動処理→大入賞口処理→賞球処理→出力処理、という順にサブルーチンが実行されるものとしているが、これは説明の都合によるものである。実際は、検出SWからの信号に基づいてなされる処理(入賞ゲート通過処理、始動口入球処理)→変動処理(普通図柄変動処理、特別図柄変動処理)→役物を作動させる処理(第2始動口処理、大入賞口処理)→賞球処理→出力処理、の順にサブルーチンが実行される方が望ましい。
主制御基板101のCPU101aは、まず、ROM101bから入賞ゲート通過時処理プログラム201を読み出して、図8に示す入賞ゲート通過処理を行う。
入賞ゲート通過時処理プログラム201は、ゲート検出SW8aが信号を検出したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート8を通過したか否かを判断する。ゲート検出SW8aが信号を検出していない場合、すなわち、遊技球が入賞ゲート8を通過していない場合には、入賞ゲート通過処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS101において、ゲート検出SW8aがONしていると判断した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に記憶された普通図柄の保留数(G)が4未満であるか否かを判断する。その結果、普通図柄の保留数(G)が4であった場合には、入賞ゲート通過処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
上記ステップS102において、保留数(G)が4未満であった場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に、記憶されている現在の保留数(G)に「1」を加算して記憶する。
次に、CPU101aは、入賞ゲート通過時処理プログラム201のサブプログラムである当たり乱数抽選プログラム201aを読み出して、予め用意された乱数(例えば、0〜250)から1の乱数を取得する。この当たり乱数抽選プログラム201aによって取得された乱数は、普通図柄保留記憶領域401に記憶される。
これにより、入賞ゲート通過処理が終了する。
上記のようにして入賞ゲート通過処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから普通図柄変動時処理プログラム202を読み出して、図9に示す普通図柄変動処理を行う。
普通図柄変動時処理プログラム202は、RAM101cの補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされているか否かを判断する。ここでいう「補助遊技」とは、第2始動口10が第2の態様に制御されていることを意味するものであり、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされる場合というのは、第2始動口10が第2の態様に制御されている場合である。したがって、このステップS201では、第2始動口10が第2の態様に制御されている最中であるか否かを判断することとなる。そして、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされている場合、すなわち、第2始動口10が第2の態様に制御されている場合には、普通図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS201において、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていない場合、すなわち、第2始動口10が第1の態様に制御されている場合には、普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する。
ステップS201およびステップS202の双方において「NO」と判断される場合というのは、第2始動口10が第1の態様に維持されており、また、普通図柄の変動表示も行われていない場合である。
この場合には、普通図柄保留記憶領域401に記憶された乱数に基づいて、普通図柄の変動表示を開始することができる。ただし、普通図柄保留記憶領域401に乱数が記憶されていない場合、すなわち、保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、ここでは保留数(G)が「1」以上であるか否かを判断する。その結果、保留数(G)が「0」であった場合には、普通図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
上記ステップS203において、保留数(G)が「1」以上であると判断した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
次に、CPU101aは、普通図柄変動時処理プログラム202のサブプログラムである当たり乱数判定プログラム202aを読み出して、普通図柄保留記憶領域401に記憶された当たり乱数の判定を行う。なお、複数の当たり乱数が記憶されている場合には、当該当たり乱数が記憶された順に読み出されるようにしている。
そして、ROM101bには、この当たり乱数の判定を行うテーブルが設けられており、当たり乱数判定プログラム202aは、読み出した乱数を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、「0」〜「250」の当たり乱数のうち、「0」〜「224」までの乱数が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。つまり、本実施形態においては、普通図柄の当選確率が90%程度に設定されている。
上記ステップS205における当たり乱数の判定の結果、当たりと判定された場合(ステップS206の「YES」)には当たり図柄がセットされ、ハズレと判定された場合(ステップS206の「NO」)にはハズレ図柄がセットされる。
ここでいう当たり図柄とは、上記普通図柄表示器21において最終的にLEDが点灯する図柄のことであり、ハズレ図柄とは最終的にLEDが点灯せずに消灯する図柄のことである。また、当たり図柄のセットとは、普通図柄表示器21においてLEDを点灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることであり、ハズレ図柄のセットとは、普通図柄表示器21においてLEDを消灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることである。
次に、普通図柄変動時処理プログラム202は、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされている場合というのは、遊技状態が時短遊技状態にあるときであり、上記フラグがONされていない場合というのは、遊技状態が非時短遊技状態にあるときである。
上記ステップS209において、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていると判断した場合には変動時間を3秒にセットし、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていないと判断した場合には変動時間を29秒にセットする。このステップS210またはステップS211の処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。
上記のようにして変動時間がセットされたら、普通図柄変動時処理プログラム202は、普通図柄表示器21において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示というのは、普通図柄表示器21においてLEDを所定の間隔で点滅させ、あたかも現在抽選中であるかのような印象を遊技者に与えるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS210またはステップS211において設定された時間だけ継続して行われることとなる。
また、普通図柄変動時処理プログラム202は、上記ステップS212において普通図柄の変動表示を開始するとともに、時間の計測を開始する。
これにより、普通図柄変動処理が終了する。
一方、上記ステップS202において普通図柄の変動表示中であると判断した場合、すなわち、CPU101aが普通図柄変動処理を開始したときに、普通図柄の変動表示が行われている場合には、設定された変動時間を経過したか否かを判断する。つまり、本実施形態においては、0.004秒おきに主制御基板101における全てのルーチン処理が行われる。上記ステップS202において「YES」と判断される場合というのは、当該ルーチン処理よりも前に行われたルーチン処理によって、ステップS201〜ステップS213の処理が行われた場合である。したがって、このステップS214においては、それ以前に行われたルーチン処理によって設定された変動時間(3秒または29秒)を経過したか否かを判断することとなる。その結果、設定された変動時間を経過していないと判断した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
一方、上記ステップS214において、設定された変動時間を経過したと判断した場合には、普通図柄表示器21における普通図柄の変動を停止する。このとき、普通図柄表示器21には、それ以前のルーチン処理によって設定された普通図柄(当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示する。これにより、普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
上記ステップS215において普通図柄の変動を停止したら、それ以前のルーチン処理によって設定された変動時間をリセットする。
そして、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS218において、補助遊技開始フラグ記憶領域410bにフラグをONして、普通図柄変動処理を終了する。これにより、次に実行されるサブルーチンである第2始動口処理において、補助遊技が開始されることとなる。一方、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、そのまま普通図柄変動処理を終了する。
上記のようにして普通図柄変動処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから第2始動口制御プログラム203を読み出して、図10に示す第2始動口処理を行う。
第2始動口制御プログラム203は、まず、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされているか否かを判断する。補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされている場合としては、次の2つの場合がある。1つは、当該ルーチン処理の開始時には補助遊技が開始されていないが当該ルーチン処理によって補助遊技を開始する場合である。他の1つは、当該ルーチン処理の開始時に既に補助遊技が実行されている場合である。
そして、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていないと判断した場合には、第2始動口処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS301において、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていると判断した場合には、第2始動口制御プログラム203が、補助遊技中であるか否かを判断する。すでに補助遊技が実行されている場合には、後述するステップS308の処理が行われる。
上記ステップS302において、補助遊技がまだ実行されていないと判断した場合、すなわち、上記したように、当該ルーチン処理の開始時には補助遊技が開始されていないが当該ルーチン処理によって補助遊技を開始する場合には、第2始動口制御プログラム203が、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。
上記ステップS303において時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていると判断した場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2始動口制御プログラム203が開放時間を3.5秒にセットする。一方、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていないと判断した場合には、第2始動口制御プログラム203が開放時間を0.2秒にセットする。
ここで、開放時間というのは、第2始動口10の一対の可動片10bを第2の態様に制御する時間のことである。したがって、ここでは、第2始動口10を第2の態様に所定時間制御するためのコマンドが読み出されてセットされることとなる。
上記ステップS304またはステップS305において開放時間をセットしたら、第2始動口制御プログラム203が、第2始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始する。これにより、第2始動口10が開放して第2の態様に制御されることとなる。
また、第2始動口制御プログラム203は、第2始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始するのと同時に、時間の計測を開始する。
次に、第2始動口制御プログラム203は、上記ステップS304またはステップS305において設定された開放時間を経過したか否かを判断する。なお、ステップS302において「NO」と判断され、当該ルーチン処理においてステップS303〜ステップS307の処理が行われた場合には、必ずステップS308で「NO」と判断され、次のサブルーチンが実行されることとなる。
これに対して、上記ステップS302において、補助遊技中であると判断された場合には、当該ルーチン以前のルーチンにおいて設定された開放時間を経過したと判断される場合がある。ただし、当該ルーチンの開始時において、すでに補助遊技が実行されていたとしても、設定された開放時間を経過していなければ(ステップS308の「NO」)、当該第2始動口処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
上記ステップS308において、第2始動口制御プログラム203が、設定された開放時間を経過したと判断した場合には、第2始動口開閉ソレノイド10cの通電を停止する。これにより、第2始動口10は第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となり、実行されていた補助遊技が終了することとなる。
上記のように第2始動口開閉ソレノイド10cの通電を停止したら、第2始動口制御プログラム203は、設定された開放時間をリセットする。
最後に、第2始動口制御プログラム203は、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにおけるフラグをOFFして第2始動口処理を終了し、次のサブルーチンを実行することとなる。
上記のようにして第2始動口処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから始動口入球時処理プログラム221を読み出して、図11に示す始動口入球処理を行う。
始動口入球時処理プログラム221は、第1始動口検出SW9aまたは第2始動口検出SW10aが信号を検出したか、すなわち、遊技球が第1始動口9または第2始動口10に入球したか否かを判断する。第1始動口検出SW9aおよび第2始動口検出SW10aのいずれも信号を検出していない場合、すなわち、遊技球が第1始動口9および第2始動口10のいずれにも入球していない場合には、始動口入球処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS401において、第1始動口検出SW9aまたは第2始動口検出SW10aがONしていると判断した場合には、特別図柄保留数(U)記憶領域402に記憶された特別図柄の保留数(U)が4未満であるか否かを判断する。このとき、詳しくは図示していないが、第1始動口検出SW9aがONしていると判断した場合には、第1保留(U1)が4未満であるか否かを判断し、第2始動口検出SW10aがONしていると判断した場合には、第2保留(U2)が4未満であるか否かを判断する。その結果、特別図柄の保留数(U1、U2)が上限留保個数の「4」であった場合には、始動口入球処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS402において、保留数(U)が4未満であった場合には、CPU101aが特別図柄保留数カウントプログラム221aを読み出して、特別図柄保留数(U)記憶領域402に、記憶されている現在の保留数(U)に「1」を加算して記憶する。
また、CPU101aは、変動回数カウントプログラム221bを読み出して、変動回数(N)記憶領域404に、記憶されている現在の変動回数(N)に「1」を加算して記憶する。ここでいう変動回数(N)というのは、第1始動口9および第2始動口10に遊技球が入球して獲得した大当たりの抽選の権利の合計回数、すなわち、初期状態からカウントして何回目の大当たりの抽選の権利を獲得したのかを示すものである。したがって、変動回数(N)は、これまでに行われた特別図柄の変動表示の回数を示すものではなない。例えば、電源がONされてから、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として、大当たりの抽選の権利を100回獲得し、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として、大当たりの抽選の権利を10回獲得したとする。この状態では、変動回数(N)記憶領域404に「110」というデータが記憶されている。そして、この状態からさらに第1始動口9に遊技球が入球して、大当たりの抽選の権利を獲得すると、変動回数カウントプログラム221bは、変動回数(N)記憶領域404に記憶されている「110」という値に「1」を加算して「111」というデータを記憶する。なお、保留数(U)が上限留保個数に達しており、当該入球によっては大当たりの抽選の権利を獲得することができない場合には、第1始動口9および第2始動口10に遊技球が入球しても、変動回数(N)はカウントされない。
さらに、CPU101aは、大当たり乱数抽選プログラム221cを読み出して、大当たり乱数を取得するとともに、この取得した大当たり乱数を特別図柄保留記憶領域403に記憶する。なお、大当たり乱数とは、大当たり、小当たり、ハズレのいずれかを決定するものであり、上記大当たり乱数抽選プログラム221cは、「0」〜「600」の601個の乱数から一つの大当たり乱数を無作為に抽出する。続いて、CPU101aは、図柄乱数抽選プログラム221dを読み出して、図柄乱数を取得するとともに、この取得した図柄乱数を特別図柄保留記憶領域403に記憶する。なお、図柄乱数とは、大当たりの種類(長当たり、短当たり、高確率遊技状態への移行の有無、時短遊技状態への移行の有無)、すなわち、大当たりに当選した場合に、どのような遊技価値が付与されるのかを決定するものであり、図柄乱数抽選プログラム221dは、「0」〜「250」の251個の乱数から一つの図柄乱数を無作為に抽出する。さらに、CPU101aは、リーチ乱数抽選プログラム221eを読み出して、リーチ乱数を取得するとともに、この取得したリーチ乱数を特別図柄保留記憶領域403に記憶する。なお、リーチ乱数とは、リーチ演出をするか否かを決定するものであり、リーチ乱数抽選プログラム221eは、「0」〜「250」の251個の乱数から一つのリーチ乱数を無作為に抽出する。
なお、上記大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数が、本発明の遊技データに相当する。
そして、当該ステップS405において取得された各乱数は、第1記憶部403aから順に記憶していく。例えば、第1記憶部403a〜第8記憶部403hのいずれにも乱数が記憶されていない場合には、第1記憶部403aに取得した乱数を記憶する。また、例えば、第1記憶部403a〜第4記憶部403dまで、すでに乱数が記憶されている場合には、第5記憶部403eに取得した乱数を記憶する。
そして、CPU101aは、ROM101bから事前判定処理プログラム221fを読み出して、事前判定処理を行う。この事前判定処理は図13に示すとおりである。
事前判定処理プログラム221fは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
上記ステップS407において、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判断された場合には、原則として、ステップS410において、「高確率時乱数判定テーブル」が選択される。一方、上記ステップS407において、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判断された場合には、原則として、ステップS411において、「低確率時乱数判定テーブル」が選択される。
そして、事前判定処理プログラム221fが、上記ステップS405において記憶された各乱数を、上記ステップS410またはステップS411で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定する。
図14(a)は、大当たりの当選確率、および大当たり乱数の一例を示している。また、図14(b)は、大当たりに当選した場合に付与される遊技価値の種類、すなわち大当たりの種類とその当選確率、および図柄乱数の一例を示し、図14(b−1)は、第1始動口9に遊技球が入球して取得された第1保留(U1)を判定する際のテーブルの一例、図14(b−2)は、第2始動口10に遊技球が入球して取得された第2保留(U2)を判定する際のテーブルの一例である。また、図14(b−3)は、上記大当たり乱数の判定の結果、小当たりに当選したと判定された場合に用いられるテーブルの一例であり、第1保留(U1)および第2保留(U2)の双方ともに、同じテーブルが用いられる。図14(c)は、リーチ演出の有無とその出現確率、およびリーチ乱数の一例を示している。
一方、第2保留(U2)において、上記大当たり乱数が大当たりに当選していると判定された場合には、事前判定処理プログラム221fが、図14(b−2)に示すテーブルに基づいて図柄乱数を判定し、図示の2種類の大当たりの中からいずれかの大当たりを決定する。
例えば、「高確率時短付き短当たり」に当選して時短遊技状態となった場合に、さらに「通常時短付き短当たり」や「通常時短無し短当たり」に当選してしまうと、「高確率時短付き短当たり」に当選したことによる遊技価値を享受することができず、遊技に対する遊技者の意欲が一気に減退してしまう。
そこで、上記の事態が頻繁に発生することがないよう、第2保留(U2)については、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」のいずれかのみに当選するようにしたのである。
なお、本実施形態においては、「小当たり」の種類として「小当たり1」と「小当たり2」とが設けられている。ただし、いずれの「小当たり」に当選しても、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同一であり、「小当たり1」と「小当たり2」とでは、特別図柄表示器19,20に停止表示される特別図柄のみが異なる。
本実施形態においては、大当たり乱数がハズレであると判定された場合にのみ、リーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定を行う。リーチ乱数判定テーブルは、0〜24の乱数がリーチ演出と判定され、その他の乱数がリーチ無し演出と判定される。したがって、ハズレ時には、リーチ無し演出が実行される確率が高くなる一方で、遊技者に期待感を与えるいわゆるガセリーチ演出が10%程度の確率で実行されることとなる。一方、大当たり時および小当たり時には、必ずリーチ演出が実行されるため、本実施形態においては、リーチ乱数が取得されるものの、当該リーチ乱数の判定は行わないこととしている。
ここで、リーチ乱数によって決定されるリーチ演出、リーチ無し演出というのは、演出表示装置13において行われる装飾図柄演出の態様を示すものである。つまり、特別図柄の変動表示中には、「1」〜「9」の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が、3列表示されており、後述する特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
一方、リーチ無し演出は、上記のように遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
以上説明したとおり、特別図柄保留記憶領域403に記憶された乱数が同一であったとしても、「高確率時乱数判定テーブル」を用いた場合と、「低確率時乱数判定テーブル」を用いた場合とで、異なる判定結果が得られることとなる。
そして、事前判定処理プログラム221fは、上記のようにして得られた判定結果を、事前判定情報として特別図柄保留記憶領域403の対応する記憶部に記憶する。例えば、上記ステップS405において、取得した乱数を第3記憶部403cに記憶した場合には、第3記憶部403cに事前判定情報を記憶する。ここでいう事前判定情報とは、「大当たり」「小当たり」「ハズレ」のいずれであるか、「大当たり」であった場合にはその大当たりの種類が何であるのか、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったものである。
上記ステップS407において、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判断した場合には、当該始動口入球処理において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率遊技状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。このときの事前判定処理プログラム221fの演算方法は、次のとおりである。
そして、事前判定処理プログラム221fは、上記ステップS408における(N)−(M)によって算出された演算値(L)が、所定回数(X)以下であるか否かを判断する。ここでいう所定回数(X)というのは、「高確率時当たり判定用テーブル」に基づいて大当たり乱数が判定される上限回数のことである。
つまり、当該始動口入球処理によって取得した大当たり乱数が、「高確率時当たり判定用テーブル」に基づいて判定されるのか、それとも、高確率遊技状態が終了して「低確率時当たり判定用テーブル」に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
そして、事前判定処理プログラム221fは、ステップS414の判定の結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、ステップS415において予兆コマンドをセットし、「ハズレ」であった場合には、ステップS416において通常コマンドをセットする。
ここでセットされたコマンドは、後述する出力処理(ステップS1201)において、副制御基板102に送信される。なお、これらのコマンドは、第1保留(U1)または第2保留(U2)が新たに留保されたという情報を副制御基板102に送信するものであり、「大当たり」「小当たり」「ハズレ」のいずれであるかという情報を有している。
これにより、始動口入球処理が終了し、CPU101aは次のサブルーチンを実行することとなる。
上記のようにして始動口入球処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから特別図柄変動時処理プログラム222を読み出して、図15に示す特別図柄変動処理を行う。
特別図柄変動時処理プログラム222は、まず、ROM101bの長当たり遊技開始フラグ記憶領域410d、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410e、小当たり遊技開始フラグ記憶領域401fのいずれかにフラグがONされているか、すなわち特別遊技中であるかを判断する。その結果、特別遊技中であると判断した場合には、特別図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
また、特別遊技中でない場合には、特別図柄変動時処理プログラム222が、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。
さらに、特別図柄の変動中ではない場合には、特別図柄変動時処理プログラム222が、特別図柄保留数(U)記憶領域402に記憶された特別図柄の保留数(U)が1以上であるかを判断する。より詳細には、第1保留(U1)または第2保留(U2)が少なくとも1つ留保されているかを判断する。第1保留(U1)、第2保留(U2)のいずれも記憶されていない場合には、特別図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS503において、特別図柄の保留数(U)が「1」以上であると判断した場合には、特別図柄保留数(U)記憶領域402に記憶されている値(U)から「1」を減算した新たな保留数(U)を記憶する。
続いて特別図柄変動時処理プログラム222は、特別図柄保留記憶領域403に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部403a〜第8記憶部403hに記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。例えば、第5記憶部403eに記憶されているデータは、第4記憶部403dにシフトさせる。このとき、第1記憶部403aに記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、特別図柄保留記憶領域403からは消去されることとなる。
そして、CPU101aは、ROM101bから大当たり判定処理プログラム222aを読み出して、上記ステップS505において所定の処理領域に書き込まれたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
図16に示すように、大当たり判定処理プログラム222aは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
上記ステップS601において、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判断した場合には、ステップS602において、「高確率時乱数判定テーブル」を選択する。一方、上記ステップS601において、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判断した場合には、ステップS603において、「低確率時乱数判定テーブル」を選択する。
そして、大当たり判定処理プログラム222aが、上記ステップS505において処理領域に書き込まれた大当たり乱数を、上記ステップS602またはステップS603で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定する。なお、大当たり判定処理プログラム222aによる大当たり乱数の判定は、上記ステップS414において事前判定処理プログラム221fが行う大当たり乱数の判定と同じなので、ここでは説明を省略する。
そして、上記ステップS604における大当たり乱数の判定の結果、大当たりと判定した場合には、大当たり判定処理プログラム222aが、さらに処理領域に書き込まれた図柄乱数を判定して、大当たりの種類を決定する。
上記のようにして大当たりの種類を決定したら、大当たり判定処理プログラム222aが当該大当たりの種類に対応する大当たり図柄(特別図柄)をセットする。大当たり図柄のセットとは、特別図柄の変動表示が終了する際に、決定した大当たり図柄を特別図柄表示器19,20に停止表示するための処理である。したがって、処理領域に書き込まれた各乱数が、第1保留(U1)に係る場合には特別図柄表示器19に大当たり図柄が表示されるように処理を行い、第2保留(U2)に係る場合には特別図柄表示器20に大当たり図柄が表示されるように処理を行う。
また、上記ステップS605で大当たりではないと判断した場合には、大当たり乱数の判定の結果が小当たりであるか否かを判断する(ステップS608)。その結果、小当たりであった場合には、大当たり判定処理プログラム222aが、図柄乱数の判定を行って小当たりの種類(小当たり1、小当たり2)を決定し(不図示)、当該小当たりの種類に対応する小当たり図柄(特別図柄)をセットする(ステップS609)。一方、ステップS608において、小当たりでないと判断した場合には、大当たり判定処理プログラム222aがハズレ図柄をセットする。
上記のようにして大当たり判定処理が終了したら、次にCPU101aは、変動パターン選択処理プログラム222bを読み出して、変動パターンを決定する。
図17に示すように、変動パターン選択処理プログラム222bは、上記ステップS600における大当たり判定処理の結果が大当たりであるか否かを判断する。
そして、大当たり判定処理の結果が大当たりであった場合には、大当たり用テーブルを選択してセットする。
また、上記大当たり判定処理の結果が大当たりでないと判断した場合には、さらに大当たり判定処理の結果が小当たりであるか否かを判断する。大当たり処理の結果が小当たりであった場合(ステップS703の「YES」)には、小当たり用テーブルを選択してセットする(ステップS704)。
そして、大当たり判定処理の結果が、大当たりでも小当たりでもなく、ハズレであった場合には、変動パターン選択処理プログラム222bがリーチ乱数判定テーブルに基づいて、処理領域に書き込まれたリーチ乱数の判定を行う。
その結果、リーチ有り演出と判定した場合、すなわち、リーチ乱数が「0」〜「24」であった場合には、リーチ用テーブルを選択してセットし、リーチ無し演出と判定した場合、すなわち、リーチ乱数が「25」〜「250」であった場合には、ハズレ用テーブルを選択してセットする。
次に、CPU101aは、変動乱数抽選プログラム222cを読み出して、上記リーチ乱数と同様に、「0」〜「250」から1の乱数を無作為に抽出する。
そして、変動パターン選択処理プログラム222bは、上記ステップS709で抽出した変動乱数を、上記大当たり用テーブル、小当たり用テーブル、リーチ用テーブル、ハズレ用テーブルに基づいて判定する。各テーブルは、特別図柄の変動時間と、特別図柄の変動中に行われる演出の内容を決定するものである。例えば、大当たり用テーブルは、「0」〜「10」の変動乱数を、変動時間1分のリーチ演出Aと判定し、「11」〜「20」の変動乱数を、変動時間2分のリーチ演出Bと判定する。なお、大当たり用テーブル、小当たり用テーブル、リーチ用テーブルに基づいて変動乱数を判定した場合、必ずリーチ有り演出と判定され、ハズレ用テーブルに基づいて変動乱数を判定した場合、必ずリーチ無し演出と判定される。
上記のようにして変動パターンが決定したら、変動パターン選択処理プログラム222bが上記決定のとおりにコマンドをセットし、変動パターン選択処理を終了する。
次に、特別図柄変動時処理プログラム222は、上記ステップS600およびステップS700で決定された、大当たりの判定結果および変動パターンに係る情報を副制御基板102に送信するために、演出実行コマンドをセットする。この演出実行コマンドには、少なくとも「大当たり」「小当たり」「ハズレ」の大当たりの判定結果に係る情報と、特別図柄の変動時間および演出の態様(リーチ有り演出かリーチ無し演出か)とに係る情報を有している。
そして、CPU101aは、特別図柄変動表示プログラム222dを読み出して、特別図柄表示器19または20において特別図柄の変動表示を開始する。つまり、処理領域に書き込まれた情報が、第1保留(U1)に係る場合には特別図柄表示器19を点滅させ、第2保留(U2)に係る場合には特別図柄表示器20を点滅させる。
上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄変動時処理プログラム222が、変動時間の計測を開始する。
一方、上記ステップS502において「YES」と判断する場合というのは、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(特別図柄変動処理)において、上記ステップS507およびステップS508の処理が行われ、特別図柄の変動表示が行われている場合である。したがって、この場合には、ステップS711においてセットされた変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS509において、セットされた時間を経過したと判断した場合には、特別図柄変動時処理プログラム222が、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(特別図柄変動処理)において、上記ステップS600でセットされた特別図柄を特別図柄表示器19,20に停止表示する。これにより、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
そして、特別図柄変動時処理プログラム222は、セットされている変動時間をリセットする。
上記のようにして特別図柄を停止表示することにより、大当たりの抽選結果が確定する。したがって、主制御基板101においては、大当たりの抽選結果に応じて、以後の遊技状態等を確定する必要がある。そこで、ここでは大当たりの抽選結果に応じて以後の遊技を進行すべく、変動停止中処理が行われる。
CPU101aは変動停止中処理プログラム222eを読み出して、セットされている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判断する。
上記ステップS801において、セットされている特別図柄は大当たり図柄ではないと判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合である。
現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に記憶されている(J)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(J)として記憶する。本実施形態においては、時短遊技状態に移行してから、特別図柄の変動表示が100回終了したところで、時短遊技状態が終了となる。したがって、遊技状態が時短遊技状態である場合には、変動停止中処理において、時短遊技状態の残り変動回数(J)を「1」ずつ減算して記憶するようにしている。
そして、上記残り変動回数(J)が「0」になるということは、時短遊技状態における特別図柄の変動表示が100回行われたことを意味する。したがって、残り変動回数(J)=0の場合には、変動停止中処理プログラム222eが、時短遊技フラグ記憶領域410bに記憶されているフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が時短遊技状態でない場合には、上記ステップS803〜ステップS805の処理は行われない。
変動停止中処理プログラム222eは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、変動停止中処理プログラム222eが、「N−M」を演算して演算値(L)を算出するとともに、当該演算値(L)が、高確率遊技状態の上限変動回数(X)記憶領域406に記憶されている上限変動回数(X=100)と一致するか否かを判断する。なお、ここで読み出される変動回数(N)は、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理において、ステップS505で処理領域に書き込まれた変動回数(N)であり、当該特別図柄変動処理において変動を停止した変動回数が何回目にあたるかを示している。
そして、上記演算値(L)=所定回数(X)と判断する場合というのは、高確率遊技状態になってから、特別図柄の変動表示が100回行われたことを意味する。したがって、N−M=X(100)の場合には、これら基準回数(M)および(X)をリセットする。つまり、高確率遊技状態基準回数(M)記憶領域405と、高確率遊技状態の上限変動回数(X)記憶領域406をクリアする。また、以後の遊技状態を低確率遊技状態に変更するために、高確率遊技フラグ記憶領域410cにおいてフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合には、上記ステップS807〜ステップS809の処理は行われない。
また、変動停止中処理プログラム222eは、セットされている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判断し、小当たり図柄であった場合には、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグをONして、変動停止中処理を終了する。
一方、上記ステップS801において、セットされている特別図柄が大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、その大当たり図柄が高確率の大当たり図柄であるかをさらに判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」「高確率時短付き短当たり」「高確率時短無し短当たり」のいずれかに係る図柄であるかを判断する。
上記ステップS812において、セットされている特別図柄が、高確率の大当たりに係る図柄であった場合には、変動停止中処理プログラム222eが、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグをONする。なお、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、すでにフラグがONされているため、そのままフラグをONしたままにする。
また、変動停止中処理プログラム222eは、高確率遊技状態基準回数(M)記憶領域405に、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理において、ステップS505で処理領域に書き込まれた変動回数(N)を記憶する。例えば、150回目の大当たりの抽選の権利(150回目の特別図柄の変動表示)で大当たりが確定した場合には、高確率遊技状態基準回数(M)記憶領域405に「150」と記憶する。
さらに、変動停止中処理プログラム222eは、高確率遊技状態の上限変動回数(X)記憶領域406に、以後、大当たり乱数の判定を何回まで「高確率時乱数判定テーブル」で行うのかを記憶する。本実施形態においては、上限変動回数(X)に「100」が記憶される。
これに対して、上記ステップS812において、セットされている大当たり図柄が通常の大当たり図柄であると判断した場合、つまり、セットされている特別図柄が、「通常短付き長当たり」「通常時短付き短当たり」「通常時短無し短当たり」のいずれかに係る図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、高確率遊技フラグ記憶領域410cのフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合には、もともとフラグがOFFになっているため、そのままフラグをOFFしたままにする。
また、変動停止中処理プログラム222は、高確率遊技状態基準回数(M)記憶領域405、高確率遊技状態の上限変動回数(X)記憶領域406にデータが記憶されている場合には、これら各データをリセットする。
また、変動停止中処理プログラム222eは、上記大当たり図柄が時短付きの大当たり図柄であるかをさらに判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」「通常時短付き長当たり」「高確率時短付き短当たり」「通常時短付き短当たり」のいずれかに係る図柄であるかを判断する。
上記ステップS819において、上記大当たり図柄が時短付きの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eは、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグをONする(ステップS820)とともに、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に「100」を記憶する(ステップS821)。
また、変動停止中処理プログラム222eが、上記大当たり図柄を時短無しの大当たり図柄であると判断した場合、つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」に係る図柄であると判断した場合には、時短遊技フラグ記憶領域410bにおいてフラグをOFFする(ステップS822)とともに、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に記憶されている値(J)をクリアする(ステップS823)。なお、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、もともとフラグがOFFされているため、そのままフラグをOFFしたままにする。
さらに、変動停止中処理プログラム222eは、上記大当たり図柄が長当たりの大当たり図柄であるかを判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」に係る図柄であるかを判断する。その結果、上記大当たり図柄が長当たりの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグをONする(ステップS825)。一方、上記大当たり図柄が短当たりの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグをONする(ステップS826)。
これにより、変動停止中処理および特別図柄変動処理が終了し、CPU101aは次のサブルーチンを実行することとなる。
上記のようにして特別図柄変動処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから大入賞口処理プログラム241を読み出して、図19に示す大入賞口処理を行う。
大入賞口処理プログラム241は、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされているか否かを判断する。その結果、上記いずれかの記憶領域にフラグがONされている場合には、図20に示す大当たり遊技処理を行う。
一方、上記ステップS901において、上記いずれの記憶領域にもフラグがONされていない場合には、大入賞口処理プログラム241が、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされているか否かを判断する。その結果、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされている場合には、図21に示す小当たり遊技処理を行う。これに対して、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグが記憶されていない場合には、大入賞口処理を終了し、CPU101aが次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS901において、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされていると判断した場合には、CPU101aが大当たり遊技処理プログラム241aを読み出して、図20に示す大当たり遊技処理を開始する。
大当たり遊技は、オープニングコマンドを送信することによって開始となる。このオープニングコマンドは、主制御基板101における大当たり遊技処理の開始情報を、副制御基板102に送信するためのものである。したがって、大当たり遊技処理プログラム241aは、このオープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。
上記ステップS1001において、オープニングコマンドはまだ送信されていないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、副制御基板102に送信するオープニングコマンドをセットする(ステップS1002)とともに、オープニング時間の計測を開始する(ステップS1003)。このようにして、オープニング時間の計測を開始したら、大当たり遊技処理を終了する。なお、副制御基板102が当該オープニングコマンドを受信すると、副制御基板102において大当たり遊技開始にあたってのオープニング演出が実行される。
上記ステップS1001において、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在オープニング中であるか否かを判断する。
上記ステップS1004において、現在オープニング中であると判断した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。その結果、設定時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS1005において、設定時間を経過していると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、ステップS1006において、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)をリセットする。そして、ステップS1007において、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。なお、現在オープニング中であり(ステップS1004の「YES」)、かつ、設定されたオープニング時間を経過したと判断した場合(ステップS1005の「YES」)には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には「1」を記憶することとなる。
また、大当たり遊技処理プログラム241aは、主制御基板101におけるラウンド遊技の開始情報を副制御基板102に送信すべく、ラウンド開始コマンドをセットする。また、具体的には図示していないが、このとき、大当たり遊技処理プログラム241aは、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dおよび短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eを確認する。そして、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグがONされている場合には、RAM101cの所定の記憶領域に、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間を30秒と設定し、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされている場合には、上記記憶領域に通電時間を0.1秒と設定する。なお、副制御基板102が当該ラウンド開始コマンドを受信すると、例えば「第5ラウンド」といった具合に演出用の表示が行われる。
続いて大当たり遊技処理プログラム241aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を開始して大入賞口開閉扉11bを開放する(ステップS1009)とともに、開放時間の計測を開始する(ステップS1010)。
一方、上記ステップS1004において、オープニング中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在インターバル中であるか否かを判断する。詳しくは後述するが、ここでいうインターバルとは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間に設定された休止時間のことであり、本実施形態においては2秒に設定している。したがって、インターバル中と判断された場合には、上記ステップS1005において、2秒というインターバル時間を経過したか否かを判断し、設定時間(2秒)を経過していなければ、当該大当たり遊技処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
これに対して、上記設定時間を経過している場合には、次のラウンド遊技を開始するための処理として、ステップS1007〜ステップS1010の処理を実行する。
上記ステップS1011において、インターバル中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS1024において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断し、設定時間を経過したと判断した場合には、ステップS1025において、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eに記憶されているフラグをOFFして、ステップS1026において事前再判定処理(詳細は後述する)をさらに実行した後、当該大当たり遊技処理を終了する。一方、ステップS1024において、設定時間を経過していないと判断した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
これに対して、上記ステップS1012において、エンディング中ではないと判断する場合というのは、オープニング中、インターバル中、エンディング中のいずれでもない場合、すなわち、大当たり遊技において大入賞口11の開放中ということになる。したがって、ここでは、大当たり遊技処理プログラム241aが、大入賞口検出SW11aがONしているか否かを判断し(ステップS1013)、当該検出SW11aがONしている場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)に「1」を加算して、新たに入球数(C)を記憶する(ステップS1014)。
次に、大当たり遊技処理プログラム241aは、設定された開放時間、言い換えれば、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間(長当たり遊技=30秒、短当たり遊技=0.1秒)を経過したか否かを判断する(ステップS1015)。その結果、設定時間を経過したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止する(ステップS1017)。
また、設定された開放時間内であっても、大入賞口11に所定個数(例えば9個)の遊技球が入球した場合(ステップS1016の「YES」)には、上記と同様に、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止する。
なお、設定時間が経過しておらず、また、入球数(C)が所定個数に達していない場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止したら、大当たり遊技処理プログラム241aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判断する。具体的には、長当たり遊技中である場合には、ラウンド遊技回数(R)が15回であるか否か、短当たり遊技中である場合には、ラウンド遊技回数(R)が2回であるか否かを判断する。
上記ステップS1018において、ラウンド遊技回数(R)は最大でないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、インターバル時間をセットする。本実施形態においては、ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始するまでのインターバルを2秒としているため、RAM101cの所定の記憶領域に2秒と記憶し(ステップS1019)、インターバル時間の計測を開始する(ステップS1020)。
上記ステップS1018において、ラウンド遊技回数(R)が最大に達したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)とをリセットする。
また、大当たり遊技処理プログラム241aは、大当たり遊技終了の情報を副制御基板102に送信するためにエンディングコマンドをセットする(ステップS1022)。また、このとき、RAM101cの所定の記憶領域に、エンディングに要する時間すなわちエンディング時間(例えば5秒)を記憶するとともに、エンディング時間の計測を開始する(ステップS1023)。
そして、既に説明したとおり、上記ステップS1025において、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eに記憶されているフラグをOFFすると、大当たり遊技処理プログラム241aは、事前再判定処理プログラム241bによる事前再判定処理をさらに実行する。
上記ステップS1025において、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eに記憶されているフラグがOFFになると、CPU101aは、ROM101bから事前再判定処理プログラム241bを読み出して、事前再判定処理を行う(ステップS1026)。この事前再判定処理は図21に示すとおりである。
事前再判定処理プログラム241bは、特別図柄保留記憶領域403の第1記憶部403a〜第8記憶部403hのいずれかに記憶された情報(事前判定情報を含む)があるか否かを判断する。すなわち、大当たり遊技終了後で、かつ、特別図柄の変動表示が未だ開始されていない時点において、保留球が留保されているか否かを判断する。留保された保留球が一つもないときは、そのまま事前再判定処理を終了する。
上記ステップS1027において、留保された保留球が有ると判断された場合には、事前再判定処理プログラム241bは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
また、留保された保留球がある場合、該保留球については上述したとおり、既に事前判定処理がなされている(図13等参照)。したがって、上記ステップS1028において、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判断された場合には、ステップS1029に
おいて、留保されている保留球が「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定されたか否かを判断する。すなわち、特別図柄保留記憶領域403の第1記憶部403a〜第8記憶部403hのいずれかに記憶された事前判定情報が「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定されたか判定結果であるか否かを判断する。このとき、当該事前判定情報が「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定された判定結果ではないと判断された場合には、事前再判定処理を終了する。
一方、上記ステップS1028において、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判断された場合には、ステップS1030において、留保されている保留球が「高確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定されたか否かを判断する。すなわち、特別図柄保留記憶領域403の第1記憶部403a〜第8記憶部403hのいずれかに記憶された事前判定情報が「高確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定された判定結果であるか否かを判断する。このとき、当該事前判定情報が「高確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定された判定結果ではないと判断された場合には、事前再判定処理を終了する。
上記ステップS1029において、留保されている保留球が「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定された判定結果であると判断された場合には、ステップS1031において、「高確率時乱数判定テーブル」が選択される。一方、上記ステップS1030において、留保されている保留球が「高確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定された判定結果であると判断された場合には、ステップS1032において、「低確率時乱数判定テーブル」が選択される。
そして、事前再判定処理プログラム241bが、上記ステップS1027において留保されている保留球について、上記ステップS1031またはステップS1032で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて再度判定する。
なお、事前再判定処理プログラム241bが行う乱数の判定については、既に説明した事前判定処理プログラム221fが行う乱数の判定(図14参照)と同じであるため、説明は省略する。
そして、事前再判定処理プログラム241bは、上記のようにして得られた再判定結果を、新たな事前判定情報として特別図柄保留記憶領域403の対応する記憶部に記憶する。なお、本実施形態においては、このときの再判定結果(つまり事前再判定情報)を既に特別図柄保留記憶領域403の対応する記憶部に記憶されている事前判定情報に上書きするものとしている。すなわち、事前再判定情報は、既に特別図柄保留記憶領域403の対応する記憶部に記憶されている事前判定情報に上書きされることにより、該対応する記憶部における新たな(最新の)事前判定情報となる。例えば、上記ステップS415において、事前判定情報を第3記憶部403cに記憶した場合には、第3記憶部403cに当該事前再判定情報を上書きして記憶され、これが新たな事前判定情報となる。
そして、事前再判定処理プログラム241bは、ステップS1035の判定の結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、ステップS1036において予兆コマンドをセットし、「ハズレ」であった場合には、ステップS1037において通常コマンドをセットする。
ここでセットされたコマンドについては、後述する出力処理(ステップS1206)において、副制御基板102に送信される。
これにより、大当たり遊技処理が終了し、CPU101aは次のサブルーチンを実行することとなる。
上記ステップS902において、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされていると判断した場合には、CPU101aが小当たり遊技処理プログラム241cを読み出して、図22に示す小当たり遊技処理を開始する。
小当たり遊技は、オープニングコマンドを送信することによって開始となる。このオープニングコマンドは、主制御基板101における小当たり遊技処理の開始情報を、副制御基板102に送信するためのものである。したがって、小当たり遊技処理プログラム241cは、このオープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。
上記ステップS1101において、オープニングコマンドはまだ送信されていないと判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム241cが、副制御基板102に送信するオープニングコマンドをセットする(ステップS1102)とともに、オープニング時間の計測を開始する(ステップS1103)。このようにして、オープニング時間の計測を開始したら、小当たり遊技処理を終了する。なお、副制御基板102が当該オープニングコマンドを受信すると、副制御基板102において小当たり遊技開始にあたってのオープニング演出が実行される。
上記ステップS1101において、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム241cが、現在オープニング中であるか否かを判断する。
上記ステップS1104において、現在オープニング中であると判断した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。その結果、設定時間を経過していないと判断した場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS1105において、設定時間を経過していると判断した場合には、大入賞口開閉ソレノイド11cを通電制御するためのコマンドをセットする。このコマンドは、大入賞口開閉ソレノイド11cに対して、0.1秒間の通電を2秒のインターバルをもって2回行う命令である。つまり、上記大当たり遊技処理と異なり、小当たり遊技処理においては、大入賞口開閉ソレノイド11cに対する制御、すなわち大入賞口11の開閉動作が一連の動作として行われることとなり、当該連続動作がオープニング時間を経過したところで開始となる。
また、小当たり遊技処理プログラム241cは、大入賞口作動時間の計測を開始して(ステップS1107)、当該小当たり遊技処理を終了する。
一方、上記ステップS1104において、オープニング中ではないと判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム241cが、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定された大入賞口の開閉制御を終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS1117において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断し、設定時間を経過したと判断した場合には、ステップS1118において、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fのフラグをOFFして、当該小当たり遊技処理を終了する。これに対して、ステップS1117において、設定時間を経過していないと判断した場合には、そのまま当該小当たり遊技処理を終了する。
これに対して、上記ステップS1108において、エンディング中ではないと判断した場合というのは、オープニング中、エンディング中のいずれでもない場合、すなわち、小当たり遊技において大入賞口11が連続作動中ということになる。したがって、ここでは、小当たり遊技処理プログラム241cが、大入賞口検出SW11aがONしているか否かを判断し(ステップS1109)、当該検出SW11aがONしている場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)に「1」を加算して、新たに入球数(C)を記憶する(ステップS1110)。
次に、小当たり遊技処理プログラム241cは、設定された作動時間を経過したか否かを判断する(ステップS1111)。ここでいう作動時間とは、1回目の大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間(0.1秒)+インターバル時間(2秒)+2回目の大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間(0.1秒)の合計2.2秒である。この作動時間を経過すると、大入賞口開閉ソレノイド制御が終了となる(ステップS1113)。
また、設定された開放時間内であっても、大入賞口11に所定個数(例えば9個)の遊技球が入球した場合(ステップS1112の「YES」)には、小当たり遊技処理プログラム241cが大入賞口開閉ソレノイド制御を終了する。
なお、作動時間が経過しておらず、また、入球数(C)が所定個数に達していない場合には、そのまま当該小当たり遊技処理を終了する(ステップS1112のNO)。
上記ステップS1113において、大入賞口開閉ソレノイド制御が終了したら、小当たり遊技処理プログラム241cが、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)をリセットする。
また、小当たり遊技処理プログラム241cは、小当たり遊技終了の情報を副制御基板102に送信するためにエンディングコマンドをセットする(ステップS1115)。また、このとき、RAM101cの所定の記憶領域に、エンディングに要する時間(例えば5秒)を記憶するとともに、エンディング時間の計測を開始する(ステップS1116)。
以上のようにして小当たり遊技処理が終了したら、次のサブルーチンを実行する。
出力処理プログラム260は、図23に示すように、各コマンドを副制御基板102に送信する。ステップS1201において送信される事前判定コマンドは、始動口検出SW9a,10aが遊技球の入球を検出した際に、事前判定処理においてセットされたコマンド(予兆コマンドまたは通常コマンド)である(図13参照)。
ステップS1202において送信される演出実行コマンドは、特別図柄変動処理においてセットされたコマンドである(図15参照)。
ステップS1203〜ステップS1205において送信される各コマンドは、それぞれ大当たり遊技処理中にセットされたコマンドである(図20参照)。ただし、事前再判定コマンドは除くものとしている。
ステップS1206において送信される事前判定コマンド(事前再判定コマンド)は、大当たり遊技処理における事前再判定処理においてセットされたコマンドである(図21参照)。
ステップS1207およびステップS1208において送信されるコマンドは、いずれも小当たり遊技処理中にセットされたコマンドである(図22参照)。
そして、上記各サブルーチン処理において確定した内容は、コマンドとして外部装置へ送信される。外部装置としては、例えば、遊技機1の上方に設置された表示装置があげられる。この表示装置には、大当たりの総抽選回数や、大当たりの当選回数、または高確率大当たりの当選回数等のさまざまな情報を遊技者に報知するものであり、こうした情報を遊技者に報知すべく、出力処理プログラム260は、必要な情報をコマンドとして外部装置に送信する。
図25に示すように、CPU102aは、まず、事前判定コマンド受信時処理プログラム300を読み出して、事前判定コマンド受信処理を実行する。
事前判定コマンド受信時処理プログラム300は、上記コマンド記憶装置に事前判定コマンドが記憶されているか否かを判断する。なお、この事前判定コマンドには、上記事前再判定処理が実行されたことにより事前再判定情報が新たな事前判定情報として上書きされた事前判定情報に基づく事前判定コマンド(事前再判定コマンド)も含まれている。その結果、事前判定コマンドが記憶されていない場合には、当該事前判定コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS1301において、事前判定コマンドが記憶されていると判断した場合には、事前判定コマンド受信時処理プログラム300が、RAM102cの保留状況記憶領域500に保留フラグをONする。図26に、保留状況記憶領域500の概念図を示す。
この保留状況記憶領域500は、図26(a)に示す第1保留記憶領域501と、図26(b)に示す第2保留記憶領域502とを備えている。第1保留記憶領域501は、第1記憶部501a〜第4記憶部501dの4つの記憶部を有しており、第2保留記憶領域502は、第1記憶部502a〜第4記憶部502dの4つの記憶部を有している。また、各記憶部は、図26(c)に示すように、保留フラグをON/OFFする保留フラグ領域と予兆フラグをON/OFFする予兆フラグ記憶領域とを有している。
次に、事前判定コマンド受信時処理プログラム300は、上記保留状況記憶領域500のいずれかの記憶部に予兆フラグがONされているか否かを判断する(ステップS1303)。
その結果、いずれかの記憶部に予兆フラグがONされていると判断した場合には、事前判定コマンド受信時処理プログラム300が、保留数予兆表示コマンドをセットし(ステップS1304)、いずれの記憶部にも予兆フラグがONされていないと判断した場合には、保留数通常表示コマンドをセットする(ステップS1305)。これらのコマンドは、後述する演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、第1保留U1の保留数および第2保留(U2)の保留数に係る情報を有している。また、保留数予兆コマンドには、いずれの記憶部に予兆フラグがONされているのかという情報も有している。
以上のようにして、コマンドをセットしたら、当該事前判定コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
次に、CPU102aは、ROM102bから演出実行コマンド受信時処理プログラム320を読み出して、図27に示す演出実行コマンド受信処理を実行する。
演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、RAM102cに演出実行コマンドが記憶されているか否かを判断する。その結果、演出実行コマンドが記憶されていない場合には、当該演出実行コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
上記ステップS1401において演出実行コマンドが記憶されていると判断した場合には、ROM102bに格納された複数の演出テーブルの中から、演出実行コマンドに基づいて1の演出テーブルを選択する。
演出実行コマンドは、これから変動表示が開始される特別図柄の内容、すなわち、大当たり、小当たり、ハズレのいずれに係る特別図柄の変動表示が開始されるのかという情報を有している。また、この特別図柄の変動表示の際に行われる演出が、リーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、さらにはその演出の時間に係る情報を有している。
演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、上記複数のテーブルの中から、受信した演出実行コマンドが有している情報に基づいて1の演出テーブルを選択する。例えば、受信した演出実行コマンドが、「ハズレ」「リーチ無し演出」「変動時間4秒」という情報を有している場合には、4秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
次に、CPU102aは演出乱数抽選プログラム321を読み出して、「0」〜「250」の乱数の中から1の乱数を無作為に抽出する(ステップS1403)。
そして、CPU102aは演出乱数判定処理プログラム322を読み出して、上記取得した乱数を、上記ステップS1402で決定した演出テーブルに基づいて判定する。演出テーブルにおいては、乱数と演出パターンとが対応付けられており、乱数に応じて多数の演出パターンの中から1の演出パターンを決定する。ここでは、演出表示装置13における装飾図柄パターン、演出役物装置14,15の動作パターン、演出用照明装置16の照射パターン、音声出力装置18から出力する音声パターンがそれぞれ決定される。
上記のようにして、特別図柄の変動表示中に行われる演出パターンが決定したら、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が、当該演出パターンに係る演出確定コマンドをセットする。
次に、演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、図26に示す保留状況記憶領域500のシフト処理を行う。例えば、受信した演出実行コマンドが第1保留(U1)に係る場合には、第4記憶部501dに記憶されているフラグを第3記憶部501cにシフトして記憶し、第3記憶部501cに記憶されているフラグを第2記憶部501bにシフトして記憶し、第2記憶部501bに記憶されているフラグを第1記憶部501aにシフトして記憶する。なお、第1記憶部501aに記憶されているフラグは消去することとなる。
次に、演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、保留状況記憶領域500のいずれかの記憶部に予兆フラグがONされているか否かを判断する(ステップS1407)。
その結果、いずれかの記憶部に予兆フラグがONされていると判断した場合には、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が、保留数予兆表示コマンドをセットし(ステップS1408)、いずれの記憶部にも予兆フラグがONされていないと判断した場合には、保留数通常表示コマンドをセットする(ステップS1409)。これらのコマンドは、後述する演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、第1保留(U1)の保留数および第2保留(U2)の保留数に係る情報を有している。また、保留数予兆コマンドには、いずれの記憶部に予兆フラグが記憶されているのかという情報も有している。
このように、事前判定コマンドと演出実行コマンドとを同時に受信した場合には、事前判定コマンド受信処理においてセットされたコマンドを消去したうえで、演出実行コマンド受信処理において、新たなコマンドをセットすることとなる。
また、上記ステップS1408において、いずれかの記憶部に予兆フラグが記憶されていると判断した場合には、CPU102aが特殊キャラクター抽選プログラム323を読み出して、特殊キャラクターの抽選を行う。なお、ここで決定された特殊キャラクターは、特別図柄の変動表示が開始したときに、例えば最初の2秒間だけ演出表示装置13に重畳表示される。つまり、本実施形態においては、保留数表示による予兆演出と、装飾図柄による予兆演出とが行われる。例えば、第1保留(U1)に4つの保留球が留保されており、4つ目に処理がなされる保留球が「大当たり」または「小当たり」に当選すると事前判定された場合には、その保留球の前に処理がなされる1つ目〜3つ目の保留球に基づく特別図柄の変動表示の開始時に、特殊キャラクターが2秒間重畳表示される。このように、特別図柄の変動表示の開始時に特殊キャラクターを登場させることによって、以後の保留球において大当たりに当選するかもしれないという期待感を、遊技者に継続して与えるようにしている。
また、保留球において、「大当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合と、「小当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合とで、各特殊キャラクターの登場パターンが決定される確率を異にすることが望ましい。例えば、「キャラクターAが寝ている」というパターンは、「大当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合には50%の確率で選択されるが、「小当たり」に係る事前判定情報が記憶されている場合には5%の確率で選択されるという具合に設定しておく。このようにすれば、特別図柄の変動表示の開始時に、「キャラクターAが寝ている」という演出が行われた場合に、遊技者は「大当たり」当選に対する高い期待感を抱くことになる。つまり、特殊キャラクターの登場パターンによって、大当たりへの信頼度を報知することで、演出効果をより一層高めることができる。
上記のようにして、特殊キャラクターの表示パターンが決定したら、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が、特殊キャラクター表示コマンドをセットして、演出実行コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
次に、CPU102aは、ROM102bから演出制御プログラム340を読み出して、図28に示す演出制御処理を実行する。
演出制御処理においては、まず、CPU102aが演出表示装置制御プログラム341を読み出して、演出表示装置13における画像表示を制御する。
上記事前判定コマンド受信処理または演出実行コマンド受信処理において、保留数通常表示コマンドがセットされている場合には、CPU102aが保留表示プログラム341aを読み出して、演出表示装置13に保留数通常表示制御を行う。
図29に保留数表示の一例を示す。図29(a)に示すように、演出表示装置13には、その表示領域の下方に第1保留(U1)の留保個数を表示する第1保留数表示150と、第2保留(U2)の留保個数を表示する第2保留数表示151とが表示される。図29(a)は、第1保留(U1)が1つ留保されており、第2保留(U2)が2つ留保されている状態を示している。
これに対して、図29(a)に示す状態から、副制御基板102が第1保留(U1)に係る事前判定コマンドを受信するとともに、事前判定コマンド受信処理のステップS1304において、保留数予兆表示コマンドがセットされたとする。この場合には、CPU102aが保留表示プログラム341aを読み出して、図29(c)に示すように、第1保留(U1)が2つあることを表示する。このとき、保留表示プログラム341aは、2つ目の第1保留(U1)をキャラクターによって表示する。
したがって、演出表示装置13において、キャラクターによる保留数表示が行われると、遊技者は大当たりに対する高い期待感を抱くこととなり、高い演出効果を発揮することが可能となる。なお、本実施形態においては、「大当たり」または「小当たり」の場合に予兆演出を行うこととしたが、「ハズレ」の場合にも所定の確率でキャラクターによる保留表示を行うことがより望ましい。
この装飾図柄の変動表示は、上記演出実行コマンド受信処理のステップS1405でセットされた演出確定コマンドに基づいて制御される。つまり、演出確定コマンドがセットされた場合には、装飾図柄変動表示プログラム341bが、ROM102bに格納された上記演出確定コマンドに対応する装飾図柄データを、VRAM102dに書き込んで演出表示装置13に表示制御する。これにより、演出表示装置13には、所定時間にわたって装飾図柄の変動表示が行われることとなる。
そして、特殊キャラクターの表示後2秒が経過すると、図30(c)に示すように、当該特殊キャラクターが表示領域から消されて、再び上記3つの図柄のスクロールが鮮明に表示される。
したがって、この特殊キャラクターが表示されると、遊技者は大当たりに対する高い期待感を抱くこととなり、高い演出効果を発揮することが可能となる。なお、本実施形態においては、「大当たり」または「小当たり」の保留球が留保された場合に、特殊キャラクターの表示による予兆演出を行うこととしたが、この特殊キャラクターの表示による予兆演出についても、所定の確率で「ハズレ」の場合にも行うことがより望ましい。
また、演出制御処理においては、CPU102aが演出役物装置作動プログラム342を読み出して、上記ステップS1405においてセットされた演出確定コマンドに基づいて、演出役物装置14,15を作動制御する(ステップS1502)。また、CPU102aは、演出用照明装置制御プログラム343を読み出して、上記演出確定コマンドに基づいて演出用照明装置16を制御する(ステップS1503)。さらに、CPU102aは、音声出力装置制御プログラム344を読み出して、上記演出確定コマンドに基づいて音声出力装置18を制御する(ステップS1504)。
上記の演出制御処理の終了により、CPU102aは副制御基板102におけるルーチン処理を終了する。
しかも、遊技状態を変更する遊技データを取得した場合には、当該遊技データに基づいた変更後の遊技状態において、変更前の遊技状態に基づいて事前判定手段により既に判定された遊技データを、変更後の遊技状態に基づいて再度判定する。これにより、事前判定手段および事前再判定手段により事前判定された遊技データの判定の正確性を高めることができ、所期のとおりに予兆演出の信頼性を保つことができる。
10 第2始動口
11 大入賞口
100 制御手段
101 主制御基板
101a CPU
101b ROM
101c RAM
102 副制御基板
102a CPU
102b ROM
102c RAM
221c 大当たり乱数抽選プログラム
221d 図柄乱数抽選プログラム
221e リーチ乱数抽選プログラム
221f 事前判定処理プログラム
222d 特別図柄変動表示プログラム
241a 大当たり遊技処理プログラム
241b 事前再判定処理プログラム
241c 小当たり遊技処理プログラム
403 特別図柄保留記憶領域
340 演出制御プログラム
341 演出表示装置制御プログラム341
341a 保留表示プログラム
341b 装飾図柄変動表示プログラム
341c 特殊キャラクター表示プログラム
342 演出役物装置作動プログラム
343 演出用照明装置制御プログラム
344 音声出力装置制御プログラム
Claims (1)
- 大入賞口への遊技球の入球に応じた賞球を獲得可能な特別遊技を実行する権利獲得の確率が所定の確率に設定された低確率遊技状態、または、上記特別遊技を実行する権利獲得の確率が上記低確率遊技状態よりも高確率に設定された高確率遊技状態にて遊技の進行を制御する制御手段を備えた遊技機であって、
上記制御手段は、
始動口への遊技球の入球を条件として、少なくとも上記特別遊技を実行する権利獲得の有無および以後の遊技状態を決定する遊技データを取得する遊技データ抽選手段と、
該遊技データ抽選手段によって取得された遊技データに基づいて、遊技者に付与される遊技価値が対応付けられ、表示手段において停止表示される特別図柄を決定する特別図柄決定手段と、
上記表示手段において特別図柄の変動表示を開始するとともに、所定時間経過後に前記特別図柄決定手段によって決定された特別図柄を停止表示させることにより、特別図柄の変動表示を終了する特別図柄表示制御手段と、
上記特別図柄の変動表示中に上記始動口へ遊技球が入球したとき、該入球を契機として取得された遊技データを保留として記憶する特別図柄保留記憶装置と、
該特別図柄保留記憶装置に遊技データが新たな保留として記憶されたときであって、遊技状態ごとに予め対応付けられているとともに、当該取得された遊技データを判定する判定テーブルであって、当該遊技データが取得されたときの遊技状態が上記低確率遊技状態である場合には該低確率遊技状態に対応付けられた第1の判定テーブルにより判定する一方、当該遊技データが取得されたときの遊技状態が上記高確率遊技状態である場合には該高確率遊技状態に対応付けられた第2の判定テーブルにより判定し、
上記特別図柄保留記憶装置に記憶されている他の保留に基づいて実行される特別図柄の変動表示から、当該新たな保留として記憶された遊技データに基づいて実行される特別図柄の変動表示にわたって実行されるとともに、上記特別遊技を実行する権利獲得の有無について示唆する予兆演出の実行の有無を決定する事前判定手段と、
該事前判定手段により既に判定された判定済み遊技データが上記保留として上記特別図柄保留記憶装置に記憶されている状態で、遊技状態を上記低確率遊技状態から上記高確率遊技状態へ、または上記高確率遊技状態から上記低確率遊技状態へと移行させる契機となる遊技価値の対応付けられた特別図柄が停止表示された場合、上記制御手段により該移行後の遊技状態にて遊技の進行が制御されるにあたり、上記判定済み遊技データが上記低確率遊技状態に対応付けられた上記第1の判定テーブルにより判定された遊技データである場合には、上記高確率遊技状態に対応付けられた上記第2の判定テーブルにより再度判定する一方、上記判定済み遊技データが上記高確率遊技状態に対応付けられた上記第2の判定テーブルにより判定された遊技データである場合には、上記低確率遊技状態に対応付けられた上記第1の判定テーブルにより再度判定し、上記予兆演出の実行の有無を再度決定する事前再判定手段と、
該事前再判定手段または上記事前判定手段によって上記予兆演出の実行が決定されたことを条件として、上記予兆演出を実行する予兆演出制御手段と、を備え、
上記事前判定手段は、
上記第1の判定テーブルによる判定が行われる上記低確率遊技状態から、上記第2の判定テーブルによる判定が行われる上記高確率遊技状態へ遊技状態の変更が行われる契機となる遊技データである高確率変更データが取得されたとき、該高確率変更データに基づいて遊技状態が上記高確率遊技状態に変更されるまでは上記第1の判定テーブルにより判定を行い、
上記第2の判定テーブルによる判定が行われる上記高確率遊技状態から、上記第1の判定テーブルによる判定が行われる上記低確率遊技状態へ遊技状態の変更が行われる契機となる遊技データである低確率変更データが取得されたとき、該低確率変更データに基づいて遊技状態が上記低確率遊技状態に変更されるまでは上記第2の判定テーブルにより判定を行い、
上記事前再判定手段は、
上記高確率変更データを契機として遊技状態が高確率遊技状態に変更されたとき、変更前の低確率遊技状態における上記第1の判定テーブルにて判定された上記判定済み遊技データを当該変更後の高確率遊技状態における上記第2の判定テーブルにて再度判定しなおし、
上記低確率変更データを契機として遊技状態が低確率遊技状態に変更されたとき、変更前の高確率遊技状態における上記第2の判定テーブルにて判定された上記判定済み遊技データを当該変更後の低確率遊技状態における上記第1の判定テーブルにて再度判定しなおすことを特徴とする遊技機。
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