JP4469099B2 - 紙幣入出金装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(現金自動預入支払機)等に組み込まれ、紙幣の入金処理や出金処理を自動的に行う紙幣入出金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀行等に設置されるATMや両替機には、紙幣の入金処理や出金処理を自動的に行う紙幣入出金装置が組み込まれている。一般に、この種の紙幣入出金装置は、紙幣の入出金を行う入出金部と、紙幣の種類および真偽を識別する識別部と、入金紙幣や出金紙幣を収納する紙幣収納部(中間プール部、金庫)と、上記各部の間で紙幣搬送を行う搬送部とを備えて構成されており、少なくとも上記紙幣収納部(中間プール部)では、ステージ上の積層紙幣を、上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送する繰り出し処理が行われる。
【0003】
通常、上記繰り出し処理は、ステージを上昇させてベルト搬送体に積層紙幣を押当てた後、ベルト搬送体を繰り出し方向に駆動させることによって行われる。また、繰り出しを開始した後は、ベルト搬送体の繰り出し始端部と、その下方に設けられるピックアップローラとの間に紙幣が受け渡され、ここで繰り出し紙幣が挟持搬送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、繰り出し紙幣がピックアップローラに受け渡された後も、ステージ上の積層紙幣をベルト搬送体に押し当てていたため、ベルト搬送体と紙幣との無駄な擦れ合いが発生し、ベルト搬送体の負荷を増大させる不都合がある。また、繰り出し処理中のトラブル等に応じ、繰り出し紙幣をステージ上に戻す処理を行う場合があるが、従来では、この処理中においても、ステージ上の積層紙幣がベルト搬送体に押し当てられていたため、円滑な紙幣搬入が妨げられる不都合があった。
【0005】
本発明の目的は、ステージ上の積層紙幣を繰り出すベルト搬送体の負荷を軽減することができ、また、ステージ上に紙幣を搬入する際に、ステージ上の積層紙幣とベルト搬送体との間に紙幣搬入空間を確保し、円滑な紙幣搬入を行うことができる紙幣入出金装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の紙幣入出金装置は、積層状態の紙幣を昇降させるステージと、前記ステージを上昇方向に付勢する付勢手段と、前記ステージ上の積層紙幣を、上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送するベルト搬送体と、繰り出し紙幣の走行を検知する繰り出しセンサと、前記ベルト搬送体における繰り出し方向の後部に設けられた支軸によって上下回動自在に支持されている押し下げレバーを繰り出し方向の前方側が高く後方側が低い傾斜姿勢とすることにより前記ステージ上の前記積層紙幣の繰り出し方向後端部を押し下げる押し下げ機構とを備える紙幣入出金装置の制御方法であって、前記押し下げ機構を押し下げ動作させることにより、前記積層紙幣を前記ステージと共に前記付勢手段の付勢力に抗して下降させ、当該積層紙幣と前記ベルト搬送体との間に紙幣搬入空間を確保する紙幣搬入空間形成工程と、前記ベルト搬送体を搬入方向に駆動させて前記紙幣搬入空間に繰り出し紙幣を戻す紙幣搬入工程と、を備えて構成される。
【0007】
本発明は、このような構成により、ステージ上に紙幣を搬入する際に、ステージ上に積層された紙幣をステージごと下降させ、ステージ上の積層紙幣とベルト搬送体との間に紙幣搬入空間を確保することができる。よって、円滑な紙幣搬入を行うことができる。
【0008】
また、前記押し下げ機構は、上下回動自在な押し下げレバーを備え、該押し下げレバーの動作で紙幣の繰り出し方向後端部を押し下げている。これにより、押し下げ機構を最少限の部品点数で簡単に構成することができる。
【0009】
また、前記押し下げレバーは、繰り出し方向の前方側が高く後方側が低い傾斜姿勢で紙幣後端部を押し下げ、該押し下げ紙幣とベルト搬送体との間に紙幣搬入空間を確保する。これにより、押し下げレバー自身が紙幣搬入の邪魔になる不都合を回避することができる。
【0010】
本発明において、前記積層紙幣を載せた前記ステージを上昇させる工程と、前記ベルト搬送体を繰り出し方向に駆動させることにより、前記ステージ上の前記積層紙幣を上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送する工程と、繰り出し紙幣の走行を前記繰り出しセンサにより検知する工程と、前記繰り出しセンサの検知に応じて下層の紙幣の繰り出し方向後端部を前記押し下げレバーによって押し下げる工程と、前記繰り出し紙幣を所定量だけ繰り出したことに応じて前記繰り出し紙幣の重送を検知する工程と、を備え、前記繰り出し紙幣の重送が検知された場合に、前記紙幣搬入空間形成工程および前記紙幣搬入工程を行うことが好ましい。この場合においては、紙幣の繰り出し走行を開始した後、直ちに下層の紙幣を押し下げて重送を防止することができる。また、繰り出し中の紙幣の重送が検知された場合に円滑に紙幣の戻し搬送を行って繰り出し処理中のトラブル発生を防止することができる。
【0011】
また、上記目的を達成するため本発明の紙幣入出金装置は、積層状態の紙幣を昇降させるステージと、前記ステージを上昇方向に付勢する付勢手段と、前記ステージ上の積層紙幣を、上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送するベルト搬送体と、繰り出し紙幣の走行を検知する繰り出しセンサと、前記ベルト搬送体における繰り出し方向の後部に設けられた支軸によって上下回動自在に支持されている押し下げレバーを繰り出し方向の前方側が高く後方側が低い傾斜姿勢とすることにより前記ステージ上の前記積層紙幣の繰り出し方向後端部を押し下げる押し下げ機構と、上記の紙幣入出金装置の制御方法により、紙幣の搬送を行う制御部とを備えて構成される。
【0012】
また、前記繰り出しセンサは、繰り出し紙幣に弾圧状に接触し、且つ、繰り出し紙幣の走行に伴って回転する接触ローラと、該接触ローラと一体的に回転する回転体と、該回転体の回転を検知するフォトセンサとを備えて構成されることが好ましい。この場合においては、繰り出し紙幣の走行を直接検知することができる許りでなく、汎用のフォトセンサ(インタラプタ)を用いた安価な繰り出しセンサを構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図示した一実施形態に基いて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る紙幣入出金装置の内部側面図である。この図に示されるように、紙幣入出金装置1は、最上部の前側に設けられる入出金部100と、該入出金部100の後方に設けられる識別部200と、上記入出金部100の下方に設けられる千円用中間プール部300Aと、該千円用中間プール部300Aの下方に着脱自在に装着される千円用金庫400Aと、該千円用金庫400Aの下方に設けられる五千円用中間プール部300Bと、該五千円用中間プール部300Bの下方に着脱自在に装着される五千円用金庫400Bと、五千円用金庫400Bの下方に設けられる一万円用中間プール部300Cと、該一万円用中間プール部300Cの下方に着脱自在に装着される一万円用金庫500と、上記各部の間で紙幣搬送を行う紙幣搬送部600と、上記金庫400A、400B、500の後方に設けられる制御部700とを備えて構成される。尚、上記の各中間プール部300A、300B、300Cは同一構造であるため、各中間プール部300A、300B、300Cに共通する説明においては符号A、B、Cを省略する。また、金庫400A、400B、500のうち、千円用金庫400Aと五千円用金庫400Bも同一構造であるため、各金庫400A、400Bに共通する説明においては符号A、Bを省略する。
【0014】
入出金部100は、入金利用者から紙幣Pを受け取ると共に、出金利用者に紙幣Pを渡す部分である。本実施形態の入出金部100は、入金時において、入出金口101に一括投入された紙幣Pの束を仕切り板102の上側に取り込む処理と、取り込んだ紙幣Pを搬送口103を介して識別部200に順次繰り出す処理と、入金リジェクト口104から送り込まれるリジェクト紙幣Pを仕切り板102の下側に集積する処理と、集積したリジェクト紙幣Pを入出金口101から放出する処理とを行い、また、出金時および一括返却時においては、搬送口103を介して識別部200から送り込まれる紙幣Pを仕切板102の上側に集積する処理と、集積した紙幣Pを入出金口101から放出する処理とを行うように構成される。
【0015】
識別部200は、入金された紙幣Pまたは出金する紙幣Pの真偽および種類を識別する部分である。本実施形態の識別部200は、紙幣Pの光透過パターンを検出する光透過式識別センサ(図示せず)と、紙幣Pに印刷される磁性体の磁気パターンを検出する磁気式識別センサ(図示せず)とを備えて構成される。
【0016】
中間プール部300は、入金された紙幣Pの一時保留や、金庫400、500からの出金紙幣Pの繰り出しを行う部分である。本実施形態の中間プール部300は、入金時において、搬送口301から送り込まれる紙幣Pを集積する処理(集積モード)と、集積した紙幣Pを金庫400、500に収納する処理(収納モード)とを行い、また、一括返却時においては、集積した紙幣Pを搬送口301から順次繰り出す処理(返却モード)を行い、更に、出金時においては、金庫400、500内の紙幣Pを搬送口301から順次繰り出す処理(繰り出しモード)を行うように構成される。
【0017】
金庫400、500は、入金された紙幣Pまたは出金用の紙幣Pを収納する部分である。本実施形態の金庫400、500は、金庫内部を中間プール部300に連通させる上部開口401、501と、該上部開口401、501を開閉するシャッタ402、502と、紙幣取扱者が紙幣Pを出し入れするための紙幣出し入れ口403、503と、該紙幣出し入れ口403、503を開閉するドア404、504と、該ドア404、504を施錠するドア施錠機構405、505とを備えて構成される。また、本実施形態の一万円用金庫500は、出金時に発見したリジェクト紙幣Pを収納するリジェクト金庫を兼ねており、該リジェクト金庫を構成する出金リジェクト部506が前端側に一体化されている。
【0018】
紙幣搬送部600は、入金された紙幣Pを識別部200から各中間プール部300へ搬送する入金搬送処理と、入金リジェクト紙幣Pを識別部200から入出金部100の入金リジェクト口104へ搬送する入金リジェクト搬送処理と、出金(または返却)する紙幣Pを各中間プール部300から識別部200へ搬送する出金搬送処理(または返却搬送処理)と、出金リジェクト紙幣Pを出金リジェクト部506へ搬送する出金リジェクト搬送処理とを行う部分である。本実施形態の紙幣搬送部600は、識別部200の後部から千円用中間プール部300Aの搬送口近傍に至る横搬送部601と、千円用中間プール部300Aの搬送口近傍から出金リジェクト部506に至る縦搬送部602と、各中間プール部300の搬送口近傍で搬送経路を切換える千円ゲート603A、五千円ゲート603Bおよび一万円ゲート603Cと、横搬送部601の中間部から入出金部100の入金リジェクト口104に至る入金リジェクト搬送部604と、該入金リジェクト搬送部604の始端部で搬送経路を切換える入金リジェクトゲート605とを備えて構成される。
【0019】
制御部700は、ホストからのコマンドや各種センサの検出信号を入力し、該入力に応じて各種アクチュエータを動作させる部分である。本実施形態の制御部700は、入金処理、収納処理、一括返却処理および出金処理を行うためのプログラムを備えており、以下、上記各処理の概略を説明する。
【0020】
入金処理は、入金コマンドの受信に応じて実行される。入金コマンドを受信すると、入出金部100の入出金口101を開閉するシャッタ105が開き、紙幣Pの投入を待つ。紙幣Pの束が入出金口101に投入されると、投入された紙幣Pの束は、仕切り板102の上側に取り込まれた後、識別部200に一枚ずつ順次繰り出され、その真偽および種類が識別される。紙幣Pが真券であると識別された場合には、その券種に対応するゲート603が開くと共に、紙幣Pが横搬送部601および縦搬送部602を経て対応する中間プール部300に送り込まれ、ここに集積される。一方、紙幣Pが偽券であると識別された場合には、入金リジェクトゲート605が開くと共に、紙幣Pが横搬送部601および入金リジェクト搬送部604を経て仕切り板102の下側に送り込まれ、ここに集積される。入出金部100から全ての紙幣Pが繰り出されると、入金リジェクト紙幣P(仕切り板102の下側集積紙幣P)の有無が判断される。入金リジェクト紙幣Pが無い場合には、そのまま入金処理を終了する一方、入金リジェクト紙幣Pが有る場合には、入金リジェクト紙幣Pを入出金口101から返却した後、入金処理を終了する。
【0021】
また、入金処理終了後、収納コマンドを受信すると、収納処理が実行され、各中間プール部300に集積された紙幣Pが各金庫400、500に収納される。一方、入金処理終了後、返却コマンドを受信すると、一括返却処理が実行される。一括返却処理においては、各中間プール部300に集積された紙幣Pが順次繰り出されると共に、繰り出された紙幣Pが縦搬送部602、横搬送部601および識別部200を経て入出金部100に送り込まれ、ここに集積される。その後、集積された紙幣Pを入出金口101から返却し、一括返却処理を終了する。
【0022】
出金処理は、出金コマンドの受信に応じて実行される。出金コマンドを受信すると、各金庫400、500内の紙幣Pが必要枚数だけ順次繰り出されると共に、繰り出された紙幣Pが縦搬送部602、横搬送部601および識別部200を経て入出金部100に送り込まれ、ここに集積される。その後、集積された紙幣Pを入出金口101から出金し、出金処理を終了する。また、出金処理中に出金リジェクト紙幣P(偽券、破損紙幣、重送紙幣等)が見つかった場合には、出金リジェクト処理が実行され、出金リジェクト部506に出金リジェクト紙幣Pが収納される。
【0023】
次に、本発明の要部である中間プール部300の詳細を金庫400(500)と共に説明する。図1に示されるように、紙幣入出金装置1のシャーシ2には、左側方に開口する3段の金庫装着室3が形成されている。各金庫装着室3の上部には、ユニット化された中間プール部300が組み付けられており、各中間プール部300には、縦搬送部602の動力源である縦搬送モータ606の動力が入力ギヤ302を介して伝動される。これにより、各中間プール部300において、縦搬送部602と同期した紙幣搬送(集積搬送および繰り出し搬送)を行うことが可能になる。
【0024】
図2は、中間プール部の内部平面図、図3は、中間プール部の内部左側面図である。これらの図に示されるように、中間プール部300は、縦搬送部602と同期して紙幣Pの集積搬送および繰り出し搬送を行うベルト搬送体303と、該ベルト搬送体303の前端部対向位置に設けられ、繰り出し搬送時に紙幣Pの先端部をピックアップするピックアップローラ304と、該ピックアップローラ304の近傍に設けられ、繰り出し搬送時に紙幣Pの分離を促す分離ローラ305と、上記ベルト搬送体303に組み込まれ、紙幣Pの繰り出し走行を検知する繰り出しセンサ306と、上記ベルト搬送体303に組み込まれ、繰り出し搬送時に下層の紙幣Pを制動する紙幣ブレーキ機構307と、上記ベルト搬送体303の左右両側方に設けられ、集積搬送時に紙幣Pを一枚ずつ整然と集積させるバタフライ308と、上記ベルト搬送体303の左右両側部に沿って設けられ、集積搬送時および繰り出し搬送時に所定のタイミングで紙幣Pを押し下げる押し下げ機構309と、上記バタフライ308および押し下げ機構309を動作させるバタフライソレノイド310と、上記紙幣ブレーキ機構307を動作させる分離ソレノイド311とを備えて構成されている。
【0025】
一方、金庫400(500)は、各金庫装着室3における中間プール部300の下方空間に着脱自在に装着される。図1に示されるように、各金庫装着室3の前側には、それぞれ金庫施錠機構4が設けられている。金庫施錠機構4は、施錠操作および解錠操作に応じて出没する回動式のロックレバー4aを備えており、上記施錠操作に伴って突出したロックレバー4aが金庫400(500)に係合することにより、金庫400(500)の取り出しが規制される。また、図4に示されるように、各金庫装着室3の裏側(シャーシ2の右側面)には、リフト駆動機構5が設けられている。リフト駆動機構5は、リフトモータ6と、該リフトモータ6の正逆駆動に応じて回動するカム7と、該カム7に上方から接当するカムピン8と、該カムピン8を支軸9aを支点として上下動自在に支持するカムアーム9とを備えて構成され、リフトモータ6の正逆駆動に応じたカム7の回動により、カムピン8を上下動させる。そして、カムピン8は、シャーシ2に形成される円弧状(円弧中心は支軸9a)の長孔10を介して金庫装着室3に突出しており、金庫装着状態においては、金庫400(500)の側面に形成される同一形状の長孔406を介して金庫400(500)の内部に進入する。
【0026】
金庫400(500)は、前述したように、金庫内部を中間プール部300に連通させる上部開口401(501)と、該上部開口401(501)を開閉するシャッタ402(502)と、紙幣取扱者が紙幣Pを出し入れするための紙幣出し入れ口403(503)と、該紙幣出し入れ口403(503)を開閉するドア404(504)と、該ドア404(504)を施錠するドア施錠機構405(505)とを備えて構成されるが、さらに、その内部には、紙幣収納機構を備えている。尚、金庫400および金庫500における上記機構の構成は略同一であるため、以降は、金庫500の説明を省略する。
【0027】
図5は、リフトブレード上昇状態(繰り出しモード)を示す紙幣収納機構の正面図、図6は、リフトブレード上昇状態(繰り出しモード)を示す紙幣収納機構の右側面図、図7は、リフトブレード下降状態(初期状態)を示す紙幣収納機構の右側面図である。これらの図に示されるように、紙幣収納機構は、ベルト搬送体303の下方で紙幣Pを昇降させるステージ407と、該ステージ407を昇降自在に支持するパンタグラフ408と、上記ステージ407を上昇方向に付勢するステージバネ(引張コイルバネ)409と、金庫400の上端部に上下回動自在に設けられる左右一対のリフトアーム410と、該リフトアーム410の先端部に上下回動自在に設けられるリフトブレード411とを備えて構成される。
【0028】
パンタグラフ408は、金庫400の底部に設けられるベースプレート412と、ステージ407との間に伸縮自在に構成されており、その枢軸413は右側方に延出している。ステージバネ409は、枢軸413の延出部と金庫400の固定部との間に介設されると共に、中間部が複数の固定プーリ414に懸回されており、そのバネ力は、枢軸413を引き上げる方向、つまりステージ407を上昇させる方向に作用している。
【0029】
左右一対のリフトアーム410は、平面視でステージ407の左右両側に振り分け状に配置されると共に、その基端部同士が回動支軸410aを介して一体的に連結されている。右側のリフトアーム410には、作動プレート415が一体的に設けられており、その先端部には係合溝415aが形成されている。係合溝415aは、金庫400が装置本体に装着されたとき、リフト駆動機構5のカムピン8に係合し、リフトアーム410をリフト駆動機構5に連動連結させる。これにより、リフトアーム410がリフトモータ6の正逆駆動に応じて昇降動作することになる。さらに、作動プレート415には、プーリ416が設けられている。プーリ416には、ステージバネ409の中間部が懸回されており、そのバネ力は、プーリ416を引き下ろす方向に作用している。そのため、ステージバネ409を利用してリフトアーム410を下方に付勢できる許りでなく、リフトアーム410の上昇動作時に、ステージバネ409を介してステージ407を引き上げることが可能になる。
【0030】
リフトブレード411は、平面視で紙幣P(ステージ407)の幅方向両端部に重合するようにリフトアーム410の先端部に取り付けられている。リフトブレード411の前後中央位置は、左右方向(紙幣幅方向)を向く第一支軸417と、前後方向(紙幣長さ方向)を向く第二支軸418とを介してリフトアーム410の先端部に支持されている。第一支軸417を支点とするリフトブレード411の回動は自由であり、紙幣Pの押圧反力または紙幣Pとの接触抵抗によってリフトブレード411が略平行姿勢に保たれる。一方、第二支軸418を支点とするリフトブレード411の回動は、正面視で略平行となる位置が上限であり、常時は復帰バネ419の付勢力で上限に位置する。また、図7に示されるように、リフトアーム410がステージバネ409の付勢力またはリフトモータ6の駆動力で金庫400内に位置するときは、リフトブレード411がリフトアーム410と略一直線となり、金庫400の上端部に沿って格納される。以下、リフトブレード411の作用を図8〜図10に沿って説明する。
【0031】
図8は、集積モードにおけるリフトブレードの作用を示す正面図、図9は、返却モードおよび収納モードにおけるリフトブレードの作用を示す正面図、図10は、収納モードにおけるリフトブレードの作用を示す正面図である。図8に示されるように、集積モードにおいては、リフトブレード411が収納紙幣Pの両端部を押えながら集積ポジションAまで移動する。入金紙幣Pは、ベルト搬送体303とリフトブレード411との間に順次搬入され、リフトブレード411上に集積される。これにより、リフトブレード411は、入金紙幣Pと収納紙幣Pとを仕切る仕切り部材として機能することになる。集積処理完了後、顧客の要求に応じて入金紙幣Pを返却する場合は、図9に示されるように、リフトブレード411が返却ポジションBまで上昇する。このときリフトブレード411上の入金紙幣Pは、ベルト搬送体303に押し当てられ、ベルト搬送体303の繰り出し搬送動作に伴って中間プール部300から順次搬出される。一方、集積処理完了後、入金確定操作に応じて入金紙幣Pを金庫400に収納する場合は、図9に示されるように、リフトブレード411が返却ポジションBを越えて上限ポジションCまで上昇する。その途中、入金紙幣Pがベルト搬送体303との接当により上昇が規制されると、リフトブレード411は、復帰バネ419に抗して下方に退避回動すると共に、入金紙幣Pの側面をなぞりながら入金紙幣Pの上方に移動し、その後、復帰バネ419の付勢力で平行姿勢に復帰する。そして、上限ポジションCまで上昇したリフトブレード411は、図10に示されるように、反転下降して入金紙幣Pおよび収納紙幣Pを押し下げ、金庫400内に収納することになる。また、繰り出しモードにおいては、リフトブレード411が上限ポジションCの近傍まで上昇する。このときステージ407上の収納紙幣Pは、ベルト搬送体303に押し当てられ、ベルト搬送体303の繰り出し搬送動作に伴って中間プール部300から順次搬出される。
【0032】
一方、中間プール部300のベルト搬送体303は、前後方向に所定間隔を存して並設される複数のローラ軸303aと、各ローラ軸303aに設けられる複数のローラ303bと、該ローラ303b間に懸回される複数の搬送ベルト303cとを備えて構成され、縦搬送部602の動力源である縦搬送モータ606の正逆駆動に応じて搬送動作する。図3に示されるように、繰り出しモードにおいて、ステージ407が上昇すると、ステージ407上の積層紙幣Pがベルト搬送体303に押し当てられる。押し当てられた積層紙幣Pは、ベルト搬送体303の搬送力を受け、上側から順次1枚ずつ搬送口301に向けて繰り出し搬送されることになる。
【0033】
ベルト搬送体303の前端側下方には、ピックアップローラ304が対向状に配置されている。ピックアップローラ304は、ベルト搬送体303に向けて付勢されると共に、縦搬送モータ606の正逆駆動に応じて搬送動作する。繰り出しモードにおいて、ベルト搬送体303が紙幣Pを繰り出し方向に搬送すると、紙幣Pの先端部は、ピックアップローラ304のピックアップ作用を受けつつ、ピックアップローラ304とベルト搬送体303との間に導入され、以降、ピックアップローラ304とベルト搬送体303との間で挟持搬送されることになる。
【0034】
ピックアップローラ304は、上下一対のローラ304aにベルト304bを巻き掛けて構成され、その側面視形状が長円形状となっている。これにより、紙幣Pの先端に対するピックアップローラ304の接触範囲を広げることが可能になる。つまり、ステージ407上の積層紙幣Pが山折れし、その先端が下がり気味であったとしても、紙幣Pの先端がピックアップローラ304に接触してピックアップ作用を受け、ジャムの発生が防止されることになる。
【0035】
また、ピックアップローラ304は、紙幣Pの先端をピックアップするピックアップ面304cが、側面視で略上下方向を向き、且つ、下側ほど後退するように傾斜している。これにより、積層紙幣Pに対するピックアップローラ304の接触範囲が最大化される許りでなく、紙幣Pの先端をベルト搬送体303に向けて傾斜ガイドすることが可能になる。
【0036】
図11は、繰り出しセンサおよび押し下げ機構を示す中間プール部の内部左側面図である。この図に示されるように、繰り出しセンサ306は、ベルト搬送体303のベルト303c間に配置され、ローラ軸306bを支点として回転する左右一対の接触ローラ306aと、該接触ローラ306aに一体的に連結される回転体306cと、ローラ軸306bを上下動自在に支持する回動アーム306dと、該回動アーム306dを下降側に付勢するバネ306eと、回転体306cの回転を検知するフォトセンサ(インタラプタ)306fとを備えて構成されている。接触ローラ306aは、バネ306eの付勢により、ベルト搬送体303の搬送面よりも下方に突出可能であって、少なくとも繰り出しモードおよび返却モードにおいては、ベルト搬送体303に押し当てられる積層紙幣Pの上部に弾圧状に接触する。また、回転体306cは、周方向に遮蔽部と透光部とを交互に有し、その回転に伴ってフォトセンサ306fの光路を遮蔽・透過させることにより、接触ローラ306aの回転・停止状況および回転速度を検知可能にする。つまり、繰り出しモードもしくは返却モードにおいて、ベルト搬送体303に押し当てられた紙幣Pがベルト搬送力を受けて繰り出し方向に走行すると、紙幣Pに接触する接触ローラ306aが回転し、それに応じた回転体306cの回転をフォトセンサ306fで検知することにより、紙幣Pの繰り出し走行を直接的に検知することが可能になる。
【0037】
押し下げ機構309は、ベルト搬送体303の後部を左右方向に貫通するレバー支軸309aと、該レバー支軸309aを支点として上下回動自在な押し下げレバー309bと、バタフライソレノイド310の駆動に応じて押し下げレバー309bを押し下げ動作させる押し下げ駆動リンク309cとを備えて構成されている。押し下げレバー309bが押し下げ動作すると、ステージ407に積層される紙幣Pの後端部が下方に押され、それに伴って積層紙幣Pおよびステージ407がステージバネ409に抗して下降する。つまり、繰り出しモードにおいて、繰り出し紙幣Pがピックアップローラ304に受け渡された後、ステージ407上の積層紙幣Pを押し下げレバー309bで押し下げることによって、ベルト搬送体303と積層紙幣Pとの無駄な擦れ合いを回避し、ベルト搬送体303の負荷を軽減することが可能になる。また、繰り出し処理中のトラブル等に応じ、繰り出し紙幣Pをステージ407上に戻す処理を行う場合においては、ステージ407上の積層紙幣Pを押し下げレバー309bで押し下げることによって、押し下げ紙幣Pとベルト搬送体303との間に紙幣搬入空間を確保し、円滑な紙幣搬入を行うことが可能になる。このとき、本実施形態の押し下げレバー309bは、前高後低状の傾斜姿勢で紙幣Pの後端部を押し下げることにより、押し下げレバー309b自身が紙幣搬入の邪魔になる不都合を回避している。
【0038】
図12は、紙幣ブレーキ機構を示す中間プール部の内部左側面図、図13は、紙幣ブレーキ機構を示す中間プール部の内部正面図である。これらの図に示されるように、紙幣ブレーキ機構307は、ベルト搬送体303のベルト303c間に配置され、且つ、垂直方向に昇降自在なブレーキパッド307aと、該ブレーキパッド307aを昇降させる回動アーム307bと、該回動アーム307bを上昇側に付勢するバネ307cと、分離ソレノイド311の駆動に応じて回動アーム307bを下降動作させるブレーキ駆動リンク307dとを備えて構成されている。ブレーキパッド307aは、その下端部に鋸歯状のブレーキ面を有するゴム質弾性材を用いて形成されており、分離ソレノイド311の駆動に応じて下降すると、ステージ407上の紙幣Pに接触し、該紙幣Pの繰り出し走行を制動する。つまり、繰り出しモードにおいて、ベルト搬送体303の駆動に応じて最上位置の紙幣Pが所定位置まで繰り出されたとき、ブレーキパッド307aを下層の紙幣Pに接触させることにより、下層の紙幣Pが重送される不都合を防止することが可能にる。
【0039】
ところで、ブレーキパッド307aは、その前端側が中間プール内部空間(紙幣繰り出し室)の前後方向中央部(紙幣繰り出し方向中央部)にオーバーラップするように配置されている。換言すると、山折れしている可能性が最も高い紙幣中央部に対し、ブレーキパッド307aの前端側がオーバーラップしている。従って、ブレーキパッド307aを紙幣Pの山折れ位置に接触させてブレーキ効果を高めることができると共に、ブレーキパッド307aの押し下げ力が紙幣Pを送り出す方向に作用する不都合を回避し、さらには、ブレーキパッド307aの無駄な下降ストロークを可及的に排除してブレーキのタイミング遅れを防止することが可能になる。また、本実施形態のブレーキパッド307aは、紙幣Pの繰り出し方向を向いて配置されると共に、その前後中間部が左右を向くピン307eを支点として上下回動自在に支持されているので、ブレーキパッド307aが紙幣Pの傾斜面に接触する際、その傾斜にブレーキパッド307aを沿わせることにより、ブレーキ効果をさらに高めることが可能になる。
【0040】
図14は、制御部の入出力を示すブロック図である。この図に示されるように、制御部700には、前述したリフトモータ6、繰り出しセンサ306、バタフライソレノイド310、分離ソレノイド311および縦搬送モータ606に加え、リフトモータ6のポジションを検知するリフトポジションセンサ11、中間プール部300の搬送口301で紙幣Pの通過を検知する中間通過センサ312、バタフライ308のポジションを検知するバタフライポジションセンサ313、リフトブレード411上の紙幣Pの有無を検知する入金紙幣検知センサ314、横搬送部601を搬送動作させる横搬送モータ607等が接続されている。以下、制御部700による出金繰り出し制御(繰り出しモード)をフローチャートに基づいて説明する。
【0041】
図15は、出金繰り出し制御の制御手順を示すフローチャートである。この図に示されるように、出金繰り出し制御は、出金コマンドの受信(S1501)に応じて実行される。出金コマンドを受信すると、その券種に対応する中間プール部300のゲート603を開く(S1502)と共に、分離ソレノイド311をONにし(S1503)、リフトモータ6を繰り出しポジションへ移動する(S1504)。その後、縦搬送モータ606および横搬送モータ607を上り駆動する(S1505、S1506)と共に、バタフライソレノイド310をON(S1507)、分離ソレノイド311をOFFにする(S1508)。次に、繰り出しセンサ306で紙幣Pの繰り出し走行を検知(S1509)するが、この状態では、バタフライソレノイド310をOFF(S1510)にして押し下げレバー309bを上昇位置に保持する。そして、所定時間経過(S1511)しても紙幣Pの繰り出しが始まらない場合には、繰り出しエラー処理を実行(S1512)する一方、所定時間内に繰り出しセンサ306が紙幣Pの繰り出し走行を検知した場合には、バタフライソレノイド310をON(S1513)にして押し下げレバー309bを押し下げ動作させる。その後、中間通過センサ312が繰り出し紙幣Pの先端を検知すると(S1514)、金種判別を開始(S1515)すると共に、15ステップ搬送した時点(S1516)で分離ソレノイド311をONにし(S1517)、紙幣ブレーキ機構307を動作させる。さらに、60ステップ搬送(S1518)した後、紙幣Pの重送を判断し(S1519)、その判断結果がYESの場合は、後述する重送リトライ制御を実行(S1520)する。一方、NOと判断した場合には、中間通過センサ312が繰り出し紙幣Pの後端を検知(S1521)した後、金種判定結果を参照する(S1522)。この判定結果が異常であった場合には、リジェクト制御を実行(S1523)する一方、正常であった場合には、計数処理を実行(S1524)すると共に、指定枚数分の繰り出しが終了したか否かを判断し(S1525)、該判断がYESの場合は、出金終了処理を実行(S1526)して繰り出し制御を終了する。一方、繰り出し枚数が指定枚数に至らない場合には、70ステップ搬送後(S1527)に分離ソレノイド311をOFFにし(S1528)、上記一連の繰り出し処理を繰り返す(S1529)。そして、中間通過センサ312が次の繰り出し紙幣Pの先端を検知(S1530)すると、紙幣間ピッチをチェックし(S1531)、該紙幣間ピッチが110ステップ以下の場合は、リジェクト制御を実行(S1523)する一方、紙幣間ピッチが110ステップを越える場合は、ステップS1515に戻って繰り出し処理を継続する。また、上記重送リトライ制御は、繰り出し中の紙幣Pを中間プール部300に戻し搬送するもので、少なくともバタフライソレノイド310をONにして押し下げ機構309を押し下げ動作させ、積層紙幣Pとベルト搬送体303との間に紙幣搬入空間を確保するステップと、縦搬送モータ606を下り駆動(ベルト搬送体303を搬入方向に駆動)させて上記紙幣搬入空間に繰り出し紙幣Pを戻すステップとを備えて構成されている。
【0042】
以上の如く本実施形態によれば、紙幣入出金装置1は、積層状態の紙幣Pを昇降させるステージ407と、前記ステージ407上の積層紙幣Pを、上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送するベルト搬送体303と、繰り出し紙幣Pの走行を検知する繰り出しセンサ306と、前記繰り出しセンサ306の検知に応じて下層の紙幣Pを押し下げる押し下げ機構309とを備えるため、ステージ407上の積層紙幣Pを繰り出すベルト搬送体303の負荷を軽減することができ、また、ステージ407上に紙幣Pを搬入する際に、ステージ407上の積層紙幣Pとベルト搬送体303との間に紙幣搬入空間を確保し、円滑な紙幣搬入を行うことができる
【0043】
また、前記押し下げ機構309は、紙幣Pの繰り出し方向後端部を押し下げるため、紙幣Pの繰り出しを開始した後、直ちに下層の紙幣Pを押し下げることができる。
【0044】
また、前記押し下げ機構309は、上下回動自在な押し下げレバー309bを備え、該押し下げレバー309bの動作で紙幣Pを押し下げるため、押し下げ機構309を最少限の部品点数で簡単に構成することができる。
【0045】
また、前記押し下げレバー309bは、前高後低状の傾斜姿勢で紙幣後端部を押し下げ、該押し下げ紙幣Pとベルト搬送体303との間に紙幣搬入空間を確保するため、押し下げレバー309bを利用して紙幣搬入空間を確保し、円滑な紙幣搬入を行うことができる許りでなく、押し下げレバー309b自身が紙幣搬入の邪魔になる不都合を回避することができる。
【0046】
また、前記繰り出しセンサ306は、繰り出し紙幣Pに弾圧状に接触し、且つ、繰り出し紙幣Pの走行に伴って回転する接触ローラ306aと、該接触ローラ306aと一体的に回転する回転体306cと、該回転体306cの回転を検知するフォトセンサ306fとを備えて構成されるため、繰り出し紙幣Pの走行を直接検知することができる許りでなく、汎用のフォトセンサ(インタラプタ)306fを用いた安価な繰り出しセンサ306を構成することができる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明は前記実施形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基いてその変更、改良等が可能であることは明らかであり、例えば本発明を入出金部で実施してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、ステージ上の積層紙幣を繰り出すベルト搬送体の負荷を軽減することができ、また、ステージ上に紙幣を搬入する際に、ステージ上の積層紙幣とベルト搬送体との間に紙幣搬入空間を確保し、円滑な紙幣搬入を行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】紙幣入出金装置の内部側面図である。
【図2】中間プール部の内部平面図である。
【図3】中間プール部の内部左側面図である。
【図4】リフト駆動機構の左側面図である。
【図5】リフトブレード上昇状態(繰り出しモード)を示す紙幣収納機構の正面図である。
【図6】リフトブレード上昇状態(繰り出しモード)を示す紙幣収納機構の右側面図である。
【図7】リフトブレード下降状態(初期状態)を示す紙幣収納機構の右側面図である。
【図8】集積モードにおけるリフトブレードの作用を示す正面図である。
【図9】返却モードおよび収納モードにおけるリフトブレードの作用を示す正面図である。
【図10】収納モードにおけるリフトブレードの作用を示す正面図である。
【図11】繰り出しセンサおよび押し下げ機構を示す中間プール部の内部左側面図である。
【図12】紙幣ブレーキ機構を示す中間プール部の内部左側面図である。
【図13】紙幣ブレーキ機構を示す中間プール部の内部正面図である。
【図14】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図15】出金繰り出し制御の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
P 紙幣
1 紙幣入出金装置
100 入出金部
200 識別部
300 中間プール部
303 ベルト搬送体
304 ピックアップローラ
305 分離ローラ
306 繰り出しセンサ
306a 接触ローラ
306b ローラ軸
306c 回転体
306d 回動アーム
306f フォトセンサ
307 紙幣ブレーキ機構
309 押し下げ機構
309b 押し下げレバー
310 バタフライソレノイド
311 分離ソレノイド
400 金庫
407 ステージ
500 金庫
506 出金リジェクト部
600 紙幣搬送部
700 制御部
Claims (4)
- 積層状態の紙幣を昇降させるステージと、
前記ステージを上昇方向に付勢する付勢手段と、
前記ステージ上の積層紙幣を、上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送するベルト搬送体と、
繰り出し紙幣の走行を検知する繰り出しセンサと、
前記ベルト搬送体における繰り出し方向の後部に設けられた支軸によって上下回動自在に支持されている押し下げレバーを繰り出し方向の前方側が高く後方側が低い傾斜姿勢とすることにより前記ステージ上の前記積層紙幣の繰り出し方向後端部を押し下げる押し下げ機構と、を備える紙幣入出金装置の制御方法であって、
前記押し下げ機構を押し下げ動作させることにより、前記積層紙幣を前記ステージと共に前記付勢手段の付勢力に抗して下降させ、当該積層紙幣と前記ベルト搬送体との間に紙幣搬入空間を確保する紙幣搬入空間形成工程と、
前記ベルト搬送体を搬入方向に駆動させて前記紙幣搬入空間に繰り出し紙幣を戻す紙幣搬入工程と、を備えることを特徴とする紙幣入出金装置の制御方法。 - 前記積層紙幣を載せた前記ステージを上昇させる工程と、
前記ベルト搬送体を繰り出し方向に駆動させることにより、前記ステージ上の前記積層紙幣を上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送する工程と、
繰り出し紙幣の走行を前記繰り出しセンサにより検知する工程と、
前記繰り出しセンサの検知に応じて下層の紙幣の繰り出し方向後端部を前記押し下げレバーによって押し下げる工程と、
前記繰り出し紙幣を所定量だけ繰り出したことに応じて前記繰り出し紙幣の重送を検知する工程と、を備え、
前記繰り出し紙幣の重送が検知された場合に、前記紙幣搬入空間形成工程および前記紙幣搬入工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の紙幣入出金装置の制御方法。 - 積層状態の紙幣を昇降させるステージと、
前記ステージを上昇方向に付勢する付勢手段と、
前記ステージ上の積層紙幣を、上側から順次1枚ずつ繰り出し搬送するベルト搬送体と、
繰り出し紙幣の走行を検知する繰り出しセンサと、
前記ベルト搬送体における繰り出し方向の後部に設けられた支軸によって上下回動自在に支持されている押し下げレバーを繰り出し方向の前方側が高く後方側が低い傾斜姿勢とすることにより前記ステージ上の前記積層紙幣の繰り出し方向後端部を押し下げる押し下げ機構と、
請求項1又は2に記載の紙幣入出金装置の制御方法により、紙幣の搬送を行う制御部とを備えることを特徴とする紙幣入出金装置。 - 前記繰り出しセンサは、繰り出し紙幣に弾圧状に接触し、且つ、繰り出し紙幣の走行に伴って回転する接触ローラと、該接触ローラと一体的に回転する回転体と、該回転体の回転を検知するフォトセンサとを備えて構成されることを特徴とする請求項3に記載の紙幣入出金装置。
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