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JP4459346B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

排ガス浄化用触媒 Download PDF

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JP4459346B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジン等の内燃機関から排出される排気ガスは、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分を含有している。この排気ガスをそのまま排出することは、公害や環境の悪化を引き起こす。このため、これらの成分を含む排気ガスは、排ガス浄化用触媒等を用いて浄化された後に大気中に排出されている。
【0003】
排ガス浄化用触媒は、触媒担体基材の表面にアルミナ等からなる担持層をもうけ、この担持層に触媒貴金属を担持させた構成を有している。また、この排ガス浄化用触媒は、触媒担体基材の形状により、モノリス形状、粒状、あるいはパイプ状等に分類される。さらに、触媒担体基材の材質としては、高温の排気ガスに曝されることから、耐熱性材料が用いられ、このような材質として、たとえば、コーディエライト等のセラミックス、ステンレス等の耐熱性金属等をあげることができる。
【0004】
排ガス浄化用触媒は、排気ガスに含まれるNOx、HCおよびCOを、担持層に担持された触媒貴金属により無害な窒素、二酸化炭素、水に変換することで排ガスの浄化を行っている。ここで、排ガス浄化用触媒による排ガスの浄化において、HCの浄化は、排気ガス温度の影響を強く受け、一般に300℃以上の温度においておこなわれる。このため、エンジン始動直後におけるような、排気ガス温度が低い時には、排気ガス中のHCは、貴金属触媒の触媒活性が低く浄化がむずかしかった。
【0005】
しかも、エンジン始動直後には、大量のHCが排出されている。さらに、HCがエミッション中に占める割合も大きくなっており、低温時のHCの排出を抑制することが排気ガス浄化において重要な問題となっていた。
【0006】
このHCの排出を抑制した排ガス浄化用触媒としては、触媒担体基材の表面にアルミナ等よりなる担持層を形成し、この担持層上に、HC浄化をになう触媒貴金属とNOxおよびCOの浄化をになう触媒貴金属とを触媒担体の軸方向にわけて担持させた排ガス浄化用触媒や、HC浄化をになう触媒貴金属とNOxおよびCOの浄化をになう触媒貴金属とが、積層した構造に形成された排ガス浄化用触媒があった。
【0007】
さらに、HC浄化をになう触媒と、NOx浄化をになう触媒とを、別々の触媒として形成し、排ガスの流れる方向にそって配置した排ガス浄化用触媒があった。このような排ガス浄化用触媒は、エンジン始動時のような低温での排ガス浄化性能を向上させようとすると、それぞれ機能の異なる触媒が必要となり、触媒システムとしてのコストが上昇するという問題を有していた。さらに、触媒数が増えることにより排気システムの圧力損失が大きくなり、エンジンの負担が大きくなるとともに、担持される触媒貴金属の担持量が増大することによるコストの上昇を招くためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、エンジン始動直後のような低温域においても有効な浄化特性を示す、すなわち、ライトオフ性能に優れた排ガス浄化用触媒を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者等は検討を重ねた結果、排ガス流入口側のPdを担持したフロント部と、排ガス流出口側の触媒貴金属を担持したリア部と、が一体に形成された排ガス浄化用触媒において、フロント部の触媒担持層を形成するためのウォッシュコートスラリーのコート量を低減させることで上記課題を解決できることを見出した。なお、本発明において、ウォッシュコートスラリーのコート量とは、ウォッシュコートスラリーが触媒担体基材表面で乾燥した状態にあるときの量を示している。
【0010】
すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒は、軸方向に排ガスが通過する管状通路を有する触媒担体基材と、触媒担体基材の排ガスの上流側の表面にAlからなるウォッシュコートスラリーを10〜150g/Lでコートして形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層上に1〜20g/Lで担持されたPdと、からなるフロント部と、フロント部が形成された触媒担体基材の表面であって排ガスの下流側の表面にAlとCe酸化物とを重量比で1:1〜20:1の割合で有するウォッシュコートスラリーを150〜250g/Lでコートして形成されたリア側担持層と、リア側担持層上に担持された触媒貴金属と、からなるリア部と、からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の排ガス浄化用触媒は、フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量がリア側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量より少ないことから、フロント部の触媒熱容量がリア部より小さくなっている。このため、フロント部は、排ガスにより加熱されることで、Pdが触媒活性を発揮する温度にまですみやかに到達し、排ガスの浄化を行うことができる。また、Pd自身も低温での触媒活性に優れているため、ライトオフ性能に優れた排ガス浄化用触媒となっている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体基材と、フロント部と、リア部と、からなる。
【0013】
触媒担体基材は、軸方向に排ガスが通過する管状通路を有する部材である。すなわち、その内部を排ガスが通過する管状通路を有する構造とすることで、排ガス浄化用触媒は排ガスとの接触面積を大きくすることができ、排ガスの浄化能を向上させる。このような排ガス浄化用触媒としては、たとえば、モノリスハニカム担体等の触媒担体基材をあげることができる。また、触媒担体基材は、従来の排ガス浄化用触媒に用いられる材質を用いられることができ、たとえば、コーディエライトなどの耐熱性セラミックス、耐熱性金属等の材質を用いることができる。
【0014】
フロント部は、排ガスの上流側の触媒担体基材の表面にAl23からなるウォッシュコートスラリーを10〜150g/Lでコートして形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層上に1〜20g/Lで担持されたPdと、からなる。ここで、フロント部の排ガスの上流側とは、詳しくは、排ガス浄化用触媒として用いられたときに、排ガスが管状通路を通るときに、排ガスが管状通路に供給される側を示す。
【0015】
フロント側担持層は、排ガスの上流側の触媒担体基材の表面に形成され、Al23からなるウォッシュコートスラリーを10〜150g/Lでコートして形成される。すなわち、フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量を10〜150g/Lとすることで、フロント部における熱容量を低減させている。フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量が10g/L未満では、触媒貴金属(Pd)を所定量担持することができなくなるとともに、排ガスの接触面積が低減して十分な触媒浄化能が得られなくなり、150g/Lを超えてコートするとフロント部の熱容量が大きくなり、触媒活性を示す温度にまで触媒床温が上昇する時間がかかり、ライトオフ性能が向上しなくなる。
【0016】
フロント側担持層のウォッシュコートスラリーは、BaOを有していることが好ましい。フロント側担持層のウォッシュコートスラリーがBaOを有することで、フロント部に担持されたPdのHC被毒を抑えることで、HC分解能の低下を抑えることができる。
【0017】
BaOは、BaOとAl23との重量比が1:20〜2:3の割合でウォッシュコートスラリーに含まれることが好ましい。ウォッシュコートスラリーのBaOとAl23との重量比が1:20より小さくなるとBaO添加の効果が見られず、2:3より大きくなっても添加の効果の上昇が見られなくなる。
【0018】
Pdは、フロント側担持層上に1〜20g/Lで担持される。Pdは、HC分解を行うとともに低温での触媒活性に優れているため、低温時においても、排ガス中のHCを十分に分解することができる。
【0019】
リア部は、排ガスの下流側の触媒担体基材の表面にAl23とCe酸化物とを重量比で1:1〜20:1の割合で有するウォッシュコートスラリーを150〜250g/Lでコートして形成されたリア側担持層と、リア側担持層上に担持された触媒貴金属と、からなる。ここで、リア部の排ガスの下流側とは、詳しくは、排ガス浄化用触媒として用いられたときに、排ガスが管状通路を通るときに、排ガスが管状通路から排出される端部側を示す。
【0020】
リア側担持層は、排ガスの下流側の触媒担体基材の表面にAl23とCe酸化物とを重量比で1:1〜20:1の割合で有するウォッシュコートスラリーを150〜250g/Lでコートして形成される。すなわち、リア側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量をフロント側担持層のコート量より多くすることで、十分な量の触媒貴金属を担持させることができる。
【0021】
また、リア側担持層を形成するウォッシュコートスラリーは、Al23とCe酸化物とを重量比で1:1〜20:1の割合で有する。ウォッシュコートスラリーがCe酸化物を有することで、リア側担持層にCe酸化物を含有させることができ、排ガス浄化用触媒の浄化性能を向上させる。すなわち、Ce酸化物を担持層に含有させることで、担持層の熱安定性が向上するとともに、三元触媒における酸素の貯蔵、放出を行い理論空燃比から外れたときの浄化性能の低下を小さくする。
【0022】
ここで、ウォッシュコートスラリーのCe酸化物がAl23との重量比で20分の1より小さくなると、Ce酸化物の添加の効果が見られなくなり、1より大きくなると接触面積が小さくなり、触媒性能が低下する。
【0023】
ここで、Ce酸化物とは、Ceの酸化物のみでなく、他の元素との複合酸化物をも含む。このようなCe酸化物としては、Ce−Zr複合酸化物、Al−Ce−Zr複合酸化物、Y−Ce−Zr複合酸化物等の酸化物をあげることができる。
【0024】
さらに、ウォッシュコートスラリーは、通常の排ガス浄化用触媒の担持層に含まれる添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、La塩等の添加剤をあげることができる。
【0025】
リア部のリア側担持層のコート量は、フロント部のコート量に対して1.3〜25倍であることが好ましい。
【0026】
リア部は、フロント部と体積比で1〜15倍であることが好ましい。リア部は、排ガス浄化用触媒に三元性の浄化性能を付与する部分であり、リア部の体積がフロント部の体積の1〜15倍とすることで十分な浄化性能を発揮することができる。ここで、リア部とフロント部の体積比は、触媒担体はその形状が同一径の棒状であるときには、リア部およびフロント部の軸方向の長さの比をとることで求めることができる。
【0027】
触媒貴金属は、Pt、PdおよびRhの少なくとも一種であることが好ましい。すなわち、リア部に触媒活性を付与するための触媒貴金属をPt、PdおよびRhの少なくとも一種とすることで、リア部に三元性の触媒性能を付与できる。
フロント側担持層は、ウォッシュコートスラリーを触媒担体基材の上流側の端部からコートしてなり、リア側担持層は、ウォッシュコートスラリーを触媒担体基材の下流側の端部からコートしてなることが好ましい。
フロント側担持層とリア側担持層とは、重なり合わないように形成されることが好ましい。
【0028】
(触媒の昇温)
フロント部のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量を少なくすることで触媒の熱容量が小さくなり、触媒活性温度に素早く到達するようになることを、フロント部のウォッシュコートスラリーのコート量を変化させた排ガス浄化用触媒を用いて、触媒床温の上昇のしやすさを測定し、測定結果を図1に示した。
【0029】
この触媒床温の測定は、フロント部のウォッシュコートスラリーのコート量が異なる排ガス浄化用触媒を作製し、それぞれの触媒を用いて入ガス温度と触媒床温の関係を測定した。
【0030】
すなわち、フロント部のフロント側担持層が50g/L、150g/Lおよび250g/Lでウォッシュコートスラリーがコートされて形成された3種類の排ガス浄化用触媒を作製し、これらの排ガス浄化用触媒にエンジンからの排ガスを導入したときの触媒床温を測定した。
【0031】
ここで、測定に用いられた排ガス浄化用触媒は、軸方向の長さが100mmのモノリス型の触媒であり、フロント部とリア部とが体積比で1:4で形成されていた。すなわち、排ガス浄化用触媒の上流側の20mmにフロント部が、下流側の80mmにリア部が形成されていた。なお、フロント部は、Al23からなるスラリーを50g/L、150g/Lおよび250g/Lでコートしたフロント側担持層と、フロント側担持層に上に10g/Lで担持されたPdと、からなり、リア部は、Al23とCe酸化物とを重量比で8:5の割合で有するスラリーを195g/Lでコートしたリア側担持層と、リア側担持層にそれぞれ1.5g/Lおよび0.3g/Lで担持されたPtおよびRhとから形成されていた。
【0032】
(評価試験)
フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量が異なる排ガス浄化用触媒を、実車試験機(排気量:2.2l)に搭載して試験機を稼働させ、入ガス温度と触媒床温との関係を測定した。この測定結果を図1に示した。ここで、触媒床温の測定部位は、排ガス浄化用触媒の軸方向の中心部における温度であった。
【0033】
また、実車走行試験機の稼働状況は、始動時から22〜23秒がアイドリング状態であり、その後の車速で示される走行状態は、LA#4モードに規定された走行状態であった。
【0034】
図1より、フロント部のウォッシュコートスラリーのコート量が小さいほど、触媒床温は高くなっていることがわかる。すなわち、ウォッシュコートスラリーのコート量が小さいほど、触媒の熱容量が減少していることから、触媒活性温度にまで素早く到達できることがわかる。
【0035】
このため、本発明の排ガス浄化用触媒は、エンジン始動時のような排ガス温度が低温の場合においても、触媒活性温度に素早く到達することで、HC等の成分を浄化することができる。
【0036】
(排ガス浄化用触媒の作製)
本発明の排ガス浄化用触媒は、たとえば、以下の製造方法により作製することができる。このとき、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、以下の方法に限定されるものではない。
【0037】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体基材の表面に一方の端面側からフロント部を、他方の端面側からリア部を形成することで作製することができる。
【0038】
詳しくは、フロント側担持層を形成するためのAl23を有するウォッシュコートスラリーを触媒担体基材の一方の端面側から所定のコート量でコートした後に、乾燥、焼成し、乾燥後のフロント側担持層にPd溶液を含浸させる等の方法を用いて、Pdをフロント側担持層上に配置し、乾燥、焼成させることでフロント部を形成する。
【0039】
つづいて、Al23とCe酸化物とを有するウォッシュコートスラリーを、フロント側担持層が形成されていない端部側からモノリスハニカム担体にコートし、乾燥、焼成させてリア側担持層を形成した後に、触媒貴金属溶液にリア側担持層を接触、含浸させる等の方法を用いてリア側担持層上に触媒貴金属を配置し、乾燥、焼成させることでリア部を形成して、本発明の排ガス浄化用触媒は、製造できる。
【0040】
なお、この触媒貴金属の担持は、複数種の触媒貴金属の混合溶液にリア側担持層を含浸させる方法でも、触媒貴金属ごとに別々に担持させる方法としても、どちらでもよい。
【0041】
本発明の排ガス浄化用触媒は、フロント部の熱容量がリア部の熱容量に比べて小さく形成されているため、フロント部において、触媒活性を発揮する温度に素早く昇温できる。さらに、フロント部には、比較的低温でも触媒活性を示すPdを用いているため、エンジン始動時のように触媒の温度が低温の場合においても十分に排ガスの浄化を行うことができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0043】
本発明の実施例として、排ガス浄化用触媒を作製した。
【0044】
(実施例1)
実施例1の排ガス浄化用触媒は、モノリスハニカム担体と、モノリスハニカム担体の一方の端部側にフロント部を、他方の端部側にリア部を形成した触媒である。また、モノリスハニカム担体の内部でのフロント部とリア部は、お互いの端部が接触して形成されている。この排ガス浄化用触媒を図2に示した。
【0045】
詳しくは、円柱状のモノリスハニカム担体の一方の端面から20mmの幅で形成されたフロント部と、他方の端面から80mmの幅で形成されたリア部と、から構成されている。このとき、リア部の体積は、フロント部の体積の4倍であった。
【0046】
モノリスハニカム担体は、コーディエライトにより形成されたφ93mm、長さ100mm、容量0.679Lの円柱状の触媒担体基材である。
【0047】
フロント部は、モノリスハニカム担体の一方の端面から20mmの幅で形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層上に10g/Lで担持されたPdからなっている。
【0048】
フロント側担持層は、Al23よりなるウォッシュコートスラリーを50g/Lでコートして形成された。
【0049】
リア部は、モノリスハニカム担体の他方の端面から80mmの幅で形成されたリア側担持層と、リア側担持層上に担持された触媒貴金属とから構成される。
【0050】
リア側担持層は、Al23とCe酸化物とを重量比で8:5の割合で混合したリア側ウォッシュコートスラリーを195g/Lでコートして形成された。
【0051】
実施例1の排ガス浄化用触媒は、以下の手順により作製された。
【0052】
まず、モノリスハニカム担体の表面にフロント側担持層を形成したのちに、Pdを担持させることでフロント部を形成した。
【0053】
詳しくは、γ−アルミナ粉末100g、ベーマイト粉末3g、硝酸アルミニウム9水塩40%を45g、純水110gの割合で混合させたフロント側ウォッシュコートスラリーを調整し、このスラリーをモノリスハニカム担体の表面の一方の端部側に端面から20mmの幅でアルミナで50g/Lとなるようにコートした後に、乾燥させ、焼成させることでフロント側担持層が形成された。
【0054】
つづいて、フロント側担持層にPdを担持させた。Pdの担持は、フロント側担持層をPd溶液に接触、含浸させることで行われた。詳しくは、85g/LのPd水溶液にフロント側担持層を接触含浸させた後に、乾燥、焼成させることでフロント部に10g/Lの割合でPdを担持させた。
【0055】
つづいて、フロント部の形成されていない他方の端部にリア部を形成した。リア部の形成は、リア側担持層を形成した後に、リア側担持層にPtおよびRhを担持させることで行われた。
【0056】
詳しくは、γ−アルミナ粉末100g、ベーマイト粉末3g、硝酸アルミニウム9水塩40%65g、Ce−Zr複合酸化物65g、炭酸La結晶30gおよび純水110gの割合で混合させたリア側ウォッシュコートスラリーを調整し、このスラリーをフロント部が形成されたモノリスハニカム担体の他方の端面からフロント部と重複しないように195g/Lでコートした後に、乾燥させ、焼成することでリア側担持層が形成された。
【0057】
つづいて、リア側担持層にPtおよびRhを担持させた。PtおよびRhの担持は、リア側担持層をPtを担持させた後に、Rhを担持させることで行われた。詳しくは、0.76g/LのPt溶液にリア側担持層を接触、含浸させた後に、乾燥、焼成させる。つづいて、0.15g/LのRh溶液にリア側担持層を接触、含浸させた後に、乾燥、焼成させることでリア部に1.5g/Lの割合でPtを、0.4g/Lの割合でRhを担持させた。
【0058】
(比較例1)
比較例1は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量がリア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量と同じコート量でコートされた以外は実施例1と同様な排ガス浄化用触媒である。このとき、リア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量、フロント側担持層に担持されるPdおよびリア側担持層に担持されるPtおよびRhの担持量は、実施例1の排ガス浄化用触媒と同じ量であった。
【0059】
詳しくは、比較例1は、モノリスハニカム担体表面に195g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、195g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0060】
比較例1の排ガス浄化用触媒は、実施例1の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0061】
比較例1の作製は、モノリスハニカム担体の表面に、195g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーをコートしてフロント側担持層を形成した後に、Pdを10g/Lの担持量で担持させることで行われた。このフロント側ウォッシュコートスラリーのコートおよびPdの担持は、実施例1の排ガス浄化用触媒の製造方法と同様にしてなされた。
【0062】
その後、実施例1と同様にしてリア部を形成した。すなわち、リア側ウォッシュコートスラリーのコート量およびPt、Rhの担持量は、実施例1の排ガス浄化用触媒と同じ値となるように形成された。
【0063】
以上の手順により、比較例1の排ガス浄化用触媒が作製された。
【0064】
(比較例2)
比較例2は、リア側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量がフロント側担持層のコート量と同じ量でコートされた以外は実施例1と同様な排ガス浄化用触媒である。このとき、フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量、フロント側担持層に担持されるPdおよびリア側担持層に担持されるPtおよびRhの担持量は、実施例1の排ガス浄化用触媒と同じ量であった。
【0065】
詳しくは、比較例2は、モノリスハニカム担体表面に50g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーがコートされたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、50g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーがコートされたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0066】
比較例2の排ガス浄化用触媒は、実施例1の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0067】
比較例2の排ガス浄化用触媒の作製は、実施例1と同様の手段でフロント部を形成した後に、リア側ウォッシュコートスラリーのコート量を少なくしたリア部を形成することで行われた。
【0068】
フロント部の形成は、実施例1のフロント部の形成方法を用いて行われた。すなわち、フロント側ウォッシュコートスラリーのコート量が50g/L、Pdの担持量が10g/Lで形成された。
【0069】
リア部の形成は、モノリスハニカム担体のフロント部の形成されていない端部側にリア側ウォッシュコートスラリーを50g/Lでコートしてリア側担持層を形成した後に、PtおよびRhを1.5g/L、0.3g/Lの担持量で担持させることで行われた。
【0070】
以上の手順により、比較例2の排ガス浄化用触媒は作製された。
【0071】
(実施例2)
実施例2は、リア部に担持されたPtの担持量を1.5g/Lとするとともに、Pdを0.5g/Lの担持量で担持させた以外は実施例1と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0072】
詳しくは、実施例2は、モノリスハニカム担体表面に50g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーがコートされたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、195g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーがコートされたリア側担持層と、リア側担持層に1.0g/Lの担持量で担持されたPt、0.3g/Lの担持量で担持されたRhおよび0.5g/Lの担持量で担持されたPdと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0073】
実施例2の排ガス浄化用触媒は、実施例1の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0074】
実施例2の排ガス浄化用触媒の作製は、実施例1と同様の手段でフロント部を形成した後に、リア側担持層上にPt、RhおよびPdを担持させたリア部を形成することで行われた。
【0075】
フロント部の形成は、実施例1のフロント部の形成方法を用いて行われた。すなわち、フロント側ウォッシュコートスラリーのコート量が50g/L、Pdの担持量が10g/Lで形成された。
【0076】
リア部の形成は、モノリスハニカム担体のフロント部の形成されていない端部側にリア側ウォッシュコートスラリーを195g/Lでコートしてリア側担持層を形成した後に、Pt、RhおよびPdを1.0g/L、0.3g/L、0.5g/Lの担持量で担持させることで行われた。このPt、RhおよびPdの担持は、リア側担持層に、Pt、Rh、Pdの順序でそれぞれを別々に担持させることで行われた。詳しくは、Pt溶液にリア側担持層を接触、含浸させた後に、乾燥、焼成させる。つづいて、Rh溶液にリア側担持層を接触、含浸させた後に、乾燥、焼成させ、その後、Pd溶液にリア側担持層を接触、含浸させた後に、乾燥、焼成させることで、リア部にPt、RhおよびPdを担持させた。
【0077】
以上の手順により、比較例2の排ガス浄化用触媒は作製された。
【0078】
(比較例3)
比較例3は、フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量がリア側担持層のコート量と同じ量でコートされた以外は実施例2と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0079】
詳しくは、比較例3は、モノリスハニカム担体表面に195g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーがコートされたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、195g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーがコートされたリア側担持層と、リア側担持層に1.0g/Lの担持量で担持されたPt、0.3g/Lの担持量で担持されたRhおよび0.5g/Lの担持量で担持されたPdと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0080】
比較例3の排ガス浄化用触媒の作製は、フロント側ウォッシュコートスラリーのコート量を195g/Lとした以外は、実施例2と同様にして作製された。このとき、比較例3の排ガス浄化用触媒は、実施例2の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0081】
(実施例3)
実施例3は、フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量が20g/L、リア側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量が215g/Lである以外は、実施例1と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0082】
詳しくは、実施例3は、モノリスハニカム担体表面に50g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、215g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0083】
実施例3の排ガス浄化用触媒の作製は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量を20g/Lに、リア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量を215g/Lとした以外は、実施例1と同様にして作製された。このとき、実施例3の排ガス浄化用触媒は、実施例1の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0084】
(比較例4)
比較例4は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量がリア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量と同じコート量でコートされた以外は実施例3と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0085】
詳しくは、比較例4は、モノリスハニカム担体表面に215g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、215g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0086】
比較例4の排ガス浄化用触媒の作製は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量を215g/Lとした以外は、実施例3と同様にして作製された。このとき、比較例4の排ガス浄化用触媒は、実施例3の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0087】
(比較例5)
比較例5は、リア側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量がフロント側担持層のコート量と同じ量でコートされた以外は実施例3と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0088】
詳しくは、比較例5は、モノリスハニカム担体表面に20g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーがコートされたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、20g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーがコートされたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0089】
比較例5の排ガス浄化用触媒の作製は、リア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量を20g/Lとした以外は、実施例3と同様にして作製された。このとき、比較例5の排ガス浄化用触媒は、実施例3の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0090】
(実施例4)
実施例4は、フロント側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量を150g/Lとした以外は、実施例1と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0091】
詳しくは、実施例4は、モノリスハニカム担体表面に150g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーがコートされたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、195g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーがコートされたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0092】
実施例4の排ガス浄化用触媒の作製は、リア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量を195g/Lとした以外は、実施例1と同様にして作製された。このとき、実施例4の排ガス浄化用触媒は、実施例1の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0093】
(比較例6)
比較例6は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量がリア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量と同じコート量でコートされた以外は実施例4と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0094】
詳しくは、比較例6は、モノリスハニカム担体表面に195g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、195g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーをコートして形成されたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0095】
比較例6の排ガス浄化用触媒の作製は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量を195g/Lとした以外は、実施例4と同様にして作製された。このとき、比較例6の排ガス浄化用触媒は、実施例4の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0096】
(実施例5)
実施例5は、リア側担持層のウォッシュコートスラリーのコート量とフロント側担持層のコート量とがともに150g/Lでコートされた排ガス浄化用触媒である。
【0097】
詳しくは、比較例7は、モノリスハニカム担体表面に150g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーがコートされたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、150g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーがコートされたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0098】
実施例5の排ガス浄化用触媒の作製は、リア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量を150g/Lとした以外は、実施例4と同様にして作製された。このとき、実施例5の排ガス浄化用触媒は、実施例4の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0099】
(実施例6)
実施例6は、フロント部とリア部との体積比を1:9とした以外は、実施例1と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0100】
詳しくは、実施例6は、軸方向の長さが100mmの円柱状のモノリスハニカム担体の一方の端面から10mmの幅で形成されたフロント部と、他方の端面から90mmの幅で形成されたリア部と、から構成された排ガス浄化用触媒である。このとき、フロント部は、モノリスハニカム担体表面に50g/Lでフロント側ウォッシュコートスラリーがコートされたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、からなり、リア部は、150g/Lでリア側ウォッシュコートスラリーがコートされたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる。
【0101】
実施例6の排ガス浄化用触媒の作製は、フロント部を端面からの長さが10mmに、リア部を端面からの長さが90mmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして行われた。
【0102】
すなわち、フロント側ウォッシュコートスラリーをモノリスハニカム担体の表面の一方の端部側に端面から10mmの幅でアルミナで50g/Lとなるようにコートした後に、乾燥させ、焼成させることでフロント側担持層が形成された。
【0103】
つづいて、フロント側担持層にPdを担持させた。Pdの担持は、フロント側担持層をPd溶液に接触、含浸させることで行われた。
【0104】
その後、フロント部の形成されていない他方の端部にリア部を形成した。リア部の形成は、リア側担持層を形成した後に、リア側担持層にPtおよびRhを担持させることで行われた。
【0105】
詳しくは、リア側ウォッシュコートスラリーをフロント部が形成されたモノリスハニカム担体の他方の端面からフロント部と重複しないように195g/Lでコートした後に、乾燥させ、焼成することでリア側担持層が形成された。
【0106】
つづいて、リア側担持層にPtおよびRhを担持させた。PtおよびRhの担持は、実施例1と同様な手段により行われた。
【0107】
以上の手順により、実施例6の排ガス浄化用触媒は作製された。
【0108】
(比較例7)
比較例7は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量がリア側担持層のリア側ウォッシュコートスラリーのコート量と同じコート量でコートされた以外は実施例6と同様な排ガス浄化用触媒である。
【0109】
詳しくは、比較例7は、モノリスハニカム担体表面に軸方向のコート長さが10mm、かつフロント側ウォッシュコートスラリーを195g/Lでコートして形成されたフロント側担持層と、フロント側担持層に10g/Lで担持されたPdと、軸方向のコート長さが90mm、かつリア側ウォッシュコートスラリーを195g/Lでコートして形成されたリア側担持層と、リア側担持層に1.5g/Lの担持量で担持されたPtおよび0.3g/Lの担持量で担持されたRhと、からなる排ガス浄化用触媒である。
【0110】
比較例7の排ガス浄化用触媒の作製は、フロント側担持層のフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量を195g/Lとした以外は、実施例6と同様にして作製された。このとき、比較例6の排ガス浄化用触媒は、実施例6の排ガス浄化用触媒の作製に用いられたものと同じ材料が用いられて作製された。
【0111】
実施例1〜6および比較例1〜7の排ガス浄化用触媒の種類を表1に示した。
【0112】
【表1】
Figure 0004459346
【0113】
(評価)
排ガス浄化用触媒の評価は、実際に車両に搭載した状態でエンジンを稼働させ、エンジンから排出される排ガスを浄化させることで評価を行った。
【0114】
試験方法は、まず、実施例および比較例の排ガス浄化用触媒に、900℃の試験ガスを50時間で流通させる耐久試験を行った。この試験ガスは、実際の車両に搭載されたエンジンを3000rpmで稼働したときの排気ガスであった。
【0115】
耐久試験が施された排ガス浄化用触媒を実機車両(排気量:2.2l)にフロント部が排ガスの上流側、すなわち、エンジン側となるように搭載した。その後、この実機車両のエンジンを稼働させて、エンジンから排出される排ガスを浄化させて、排ガス浄化用触媒から排出された排出ガスに含まれるHC成分量およびNOx成分量を測定することで評価を行った。
【0116】
排出ガスに含まれるHC成分量およびNOx成分量の測定は、シャシーダイナモを用いて、テールパイプからのサンプリングを行い、自動車排ガス用分析装置により計測を行うことで行われた。また、実機車両の試験条件は、LA#4モードで行われた。
【0117】
試験結果を図3、図4および表2に示した。ここで、図3は排出ガス中のHCの測定量を、図4はNOxの測定量を示した。また、具体的な測定値を表2に示した。なお、表2には、測定されたHC成分量およびNOx成分量を示したが、LA#4モード(米国での認証モード)であるためg/mileの値を参考値として併記した。
【0118】
【表2】
Figure 0004459346
【0119】
図3、図4および表2より、実施例1の排ガス浄化用触媒のHCおよびNOxの測定値は、ともに低く、HCおよびNOxの浄化能にすぐれていることがわかる。
【0120】
また、フロント側およびリア側のウォッシュコートスラリーのコート量が過剰な比較例1の排ガス浄化用触媒は、NOx浄化能には優れているがHCの測定値が0.027g/km(0.043g/mile)と高くなっている。さらに、フロント側およびリア側のウォッシュコートスラリーのコート量が少ない比較例2の排ガス浄化用触媒は、HC浄化能は高くなっているが、NOx浄化能が低下している。
【0121】
実施例2は、リア部の触媒貴金属をPt、RhおよびPdとした排ガス浄化触媒であり、Pdを加えても、HCおよびNOxの測定値は、ともに低く、HCおよびNOxの浄化能にすぐれていることがわかる。
【0122】
比較例3は、フロント側およびリア側のウォッシュコートスラリーのコート量が過剰となっているため、NOx浄化能には優れているがHCの測定値が高くなっている。
【0123】
実施例3は、フロント部のコート量を少なくするとともに、リア部のコート量を増加させた排ガス浄化用触媒であり、フロント部のコート量が少なくなっていてもHCおよびNOxの測定値は、ともに低く、HCおよびNOxの浄化能にすぐれていることがわかる。
【0124】
比較例4はフロント部のコート量が過剰となり、HC浄化能が低下し、比較例5は、リア部のコート量が少ないことからNOx浄化能が低下している。
【0125】
実施例4は、フロント部のコート量を増量した排ガス浄化用触媒であり、フロント部のコート量が増加してもHCおよびNOxの浄化能にすぐれていることがわかる。
【0126】
また、比較例6は、フロント部のコート量が過剰となっているため、NOx浄化能には優れているがHC浄化能が低下している。
【0127】
実施例5は、フロント部およびリア部のコート量がともに150g/Lである排ガス浄化用触媒であり、HCおよびNOxの浄化能にすぐれていることがわかる。
【0128】
実施例6は、フロント部とリア部との体積比を変化させてフロント部の体積比を小さくした排ガス浄化用触媒であるが、フロント部の体積比が小さくなっても、HCおよびNOx浄化能にすぐれていることがわかる。
【0129】
比較例7は、実施例6の排ガス浄化用触媒のフロント部のコート量を過剰としているため、NOx浄化能は優れているがHC浄化能は低下している。
【0130】
このことから、それぞれ担持された触媒量が同じであるならば、フロント側のウォッシュコートスラリーのコート量を少なくすることでHC浄化能が向上し、リア側のウォッシュコートスラリーのコート量を多くすることでNOx浄化能が優れるようになる。
【0131】
実施例の排ガス浄化用触媒は、フロント部のフロント側担持層を形成するためのフロント側ウォッシュコートスラリーのコート量が少なくなっているとともに、フロント部には低温での触媒活性に優れたPdを担持していることから、ライトオフ性能に優れている。また、リア部のリア側担持層が、十分なコート量のリア側ウォッシュコートスラリーにより形成されているため、触媒貴金属が十分に担持され、高いNOx浄化能を保っている。
【0132】
実施例の排ガス浄化用触媒は、フロント部とリア部が一体的に形成された構造であることから、実際に車両に搭載するときにおいても、エンジンの負担が増えることなく、ライトオフ性能に優れた排ガス浄化用触媒となっている。
【0133】
【発明の効果】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒熱容量が小さい低コート量のフロント部を有している。このため、エンジン始動時等のような排ガス温度が低温の場合においても、フロント部が容易に昇温し触媒活性温度にまですみやかに上昇することで、ライトオフ性能を向上させている。さらに、フロント部に担持されているPdが低温での触媒活性に優れていることからも、ライトオフ性能が向上されている。このライトオフ性能の向上により、低温時に多量に発生するHC成分を十分に浄化することが可能となっている。
【0134】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、フロント部とリア部が一体的に形成された構造であるため、車両に搭載したときにエンジンの負担を増加させることがない。また、高価な触媒貴金属の増量を必要としていないため、排ガス浄化用触媒におけるコストの増加が抑えられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フロント部のコート量による触媒床温の昇温のしやすさを測定した結果を示した図である。
【図2】 実施例1の排ガス浄化用触媒を示した図である。
【図3】 排ガス中のHCの測定量を示した図である。
【図4】 排ガス中のNOxの測定量を示した図である。

Claims (5)

  1. 軸方向に排ガスが通過する管状通路を有する触媒担体基材と、
    該触媒担体基材の該排ガスの上流側の表面にAlからなるウォッシュコートスラリーを10〜150g/Lでコートして形成されたフロント側担持層と、該フロント側担持層上に1〜20g/Lで担持されたPdと、からなるフロント部と、
    該フロント部が形成された該触媒担体基材の表面であって該排ガスの下流側の表面にAlとCe酸化物とを重量比で1:1〜20:1の割合で有するウォッシュコートスラリーを150〜250g/Lでコートして形成されたリア側担持層と、該リア側担持層上に担持された触媒貴金属と、からなるリア部と、
    からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記リア部は、前記フロント部と体積比で1〜15倍である請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記触媒貴金属は、Pt、PdおよびRhの少なくとも一種である請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記フロント側担持層は、前記ウォッシュコートスラリーを前記触媒担体基材の上流側の端部からコートしてなり、
    前記リア側担持層は、前記ウォッシュコートスラリーを前記触媒担体基材の下流側の端部からコートしてなる請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記フロント側担持層と前記リア側担持層とは、重なり合わないように形成される請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
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