JP4457794B2 - ロボット - Google Patents
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Description
なお、ここで「胴体側部材と末端側部材」とは、例えば、「胴体部と頭部」、「胴体部と上腕部」、「上腕部と前腕部」、「前腕部と手平部」、「手平部と手指部」、「胴体部と大腿部」、「大腿部と下腿部」、「下腿部と足部」等を言う。なお、足部とは、足首関節より末端側の部材を意味する。
この方式では、末端側部材の回転中心の一方側に第1のワイヤの一端を接続し、末端側部材の回転中心の他方側に第2のワイヤの一端を接続する。第1ワイヤを引くとともに第2ワイヤを緩めることによって、末端側部材を第1の方向に回転させることができる。第1ワイヤを緩めるとともに第2ワイヤを引くことによって、末端側部材を第2の方向に回転させることができる。第1ワイヤの他端を進退させるアクチュエータの動作量と第2ワイヤの他端を進退させるアクチュエータの動作量を調節することによって、関節の動作を調節することができる。
例えば特許文献1には、この方式を採用したロボットアームが開示されている。このロボットアームは、複数の関節群と、それらの関節群の動作させる複数のワイヤを備えている。このロボットアームでは、アクチュエータ(特許文献1ではワイヤ駆動系と称している)によって各ワイヤの張力を調節し、各関節に出現させるトルクを調節する。特許文献1には、各関節の関節角を調節する技術については記載されていない。
修正指示角からアクチュエータの動作量を定める場合、偏差の大きさに対して指示角をより大きく修正するほど、より速やかに関節角に生じている偏差を取り除くことができる。一方において、偏差の大きさに対して指示角を大きく修正しすぎると、関節角の偏差に対してアクチュエータが過剰に動作するようになり、関節角を指示角に正しく調節することができなくなる。偏差の大きさに対する指示角の修正量(いわゆるフィードバックゲイン)は、関節の機械的な構成や関節に必要とされる動作等に基づいて定めることが必要となる。
ワイヤでは、張力の変化量と伸びの変化量の関係(剛性)が、理想的な弾性体のように一定ではない。図11は、ワイヤの張力と伸びの関係を示すグラフである。図11のグラフは、横軸がワイヤの張力を示しており、縦軸がワイヤの伸びを示しており、グラフの傾きが剛性を示しており、傾きが大きいほど剛性が低いことを示している。図中のAの範囲のように、張力が小さい状態では剛性が比較的に低いとともに変化しやすい状態となっている。図中のBの範囲のように、張力が大きい状態では剛性が比較的に高いとともに安定している状態となっている。これは、ワイヤが多数本の素線を撚り合わせた構造となっていること等に起因する。
本発明は、上記の問題を解決する。本発明により、ワイヤを進退させるアクチュエータの動作量に、関節角の偏差を適切に加味するための技術を提供し、関節角を指示角に正しく調節することを可能とする。
ロボットの動作に追従して、第1ワイヤと第2ワイヤの張力は様々に変化し、第1ワイヤと第2ワイヤの剛性が様々に変化する。多くの場合、負荷が作用している末端側部材を指示角に維持するために必要なトルクを出現させるために、一方のワイヤの張力と他方のワイヤの張力の間に差を持たせる必要がある。即ち、一方のワイヤの剛性は高いとともに安定した状態となっているが、他方のワイヤの剛性は低いとともに不安定な状態となっている。
このロボットでは、張力の大きいワイヤを進退させるアクチュエータの動作量は、末端側部材の回転角の偏差を加味して計算されるとともに、張力の小さいワイヤを進退させるアクチュエータの動作量は、末端側部材の回転角の偏差が加味されずに計算される。張力が小さいワイヤは、その剛性が低くなっていることから、ワイヤ自身が伸縮しやすい状態となっている。張力が大きいワイヤのみをアクチュエータによって進退させて、張力が小さいワイヤは受動的に伸縮させることによって、末端側部材の回転角を調節することが可能である。アクチュエータの動作量とそれによる末端側部材の回転角の変化量との関係が不安定なアクチュエータを、無用に動作させることがない。
このロボットは、第1アクチュエータと第2アクチュエータの動作量に、末端側部材の回転角に生じている偏差をより適切に加味することができ、末端側部材の回転角を指示角に正しく調節することができる。
このロボットでは、第1コントローラと第2コントローラにおける偏差に対する指示角の修正量が、それぞれ第1ワイヤと第2ワイヤの張力に基づいて調整される。それにより、張力の大きいワイヤを進退させるアクチュエータの動作量には、末端側部材の回転角の偏差がより大きく加味されるとともに、張力の小さいワイヤを進退させるアクチュエータの動作量には、末端側部材の回転角の偏差があまり加味されないようになる。
このロボットでは、末端側部材の回転角に偏差が生じているときに、張力の大きいワイヤを進退させるアクチュエータについては偏差に対して大きく動作させて、張力の小さいワイヤを進退させるアクチュエータについては偏差に対してあまり動作させないようにすることによって、末端側部材の回転角の偏差を速やかに取り除くことができるとともに、末端側部材を振動させてしまうようなこともない。
このロボットは、第1アクチュエータと第2アクチュエータの動作量に、末端側部材の回転角に生じている偏差をより適切に加味することができ、末端側部材の回転角を指示角に正しく調節することができる。
予定するロボットの動作に基づいて、第1ワイヤや第2ワイヤに生じる張力を推定することができる。予定するロボットの動作から予定される第1ワイヤや第2ワイヤの張力を予め記憶しておくことによって、第1コントローラや第2コントローラは、指示角を修正する修正量をより正しく調整することが可能となる。
第1コントローラや第2コントローラは、各ワイヤに実際の張力に基づいて、指示角を修正する修正量をより正しく調整することが可能となる。予定されていない外力がロボットに作用した場合でも、末端側部材の回転角を指示角に正しく調節することが可能となる。
(形態1) 図1は、ロボットの関節部の構成を簡単に示す図である。図1に示すように、ロボットは、胴体側部材361と、末端側部材363と、末端側部材363を胴体側部材に回転可能に接続している関節362等を備えている。末端側部材363は、胴体側部材361に対して、x軸回りに回転可能に構成されている。
ロボットは、一端が末端側部材363の回転中心(図中のx)の一方側に位置する接続点372aに接続されている第1ワイヤ366aと、一端が末端側部材363の回転中心の他方側に位置する接続点372bに接続されている第2ワイヤ366bを備えている。第1ワイヤ366aを引くとともに第2ワイヤ366bを緩めることによって末端側部材363が図面A方向に回転し、第1ワイヤ366aを緩めるとともに第2ワイヤ366bを引くことによって末端側部材363が図面B方向に回転する。
ロボットは、第1ワイヤ366aの他端を進退させる第1アクチュエータ368aと、第2ワイヤ366bの他端を進退させる第2アクチュエータ368bを備えている。第1アクチュエータ368aが第1ワイヤ366aの他端を進退させるとともに、第2アクチュエータ368bが第2ワイヤ366bの他端を進退させることによって、胴体側部材361に対する末端側部材363の角度を変化させることができる。以下、胴体側部材361に対する末端側部材363の角度を、関節362の関節角という。
ロボットは、関節372の近傍に配置されているエンコーダ472を備えている。エンコーダ472は、関節372の実際の関節角θmxを検出するセンサである。以下、関節の実際の関節角を実際角ということがある。
ロボットは、第1アクチュエータ368aと第2アクチュエータ368bの動作量を調節するコントローラ400を備えている。コントローラ400は、第1アクチュエータ368aと第2アクチュエータ368bの動作量を調節することによって、関節362の関節角を調節する。
データ記憶部402は、ロボットが動作するために必要なデータを記憶するものである。データ記憶部402は、例えば関節角データや負荷トルクデータを記憶している。
関節角データは、ロボットが各関節を動かして所定の動作をする際に、各関節の目標となる関節角(指示角)を経時的に記述しているデータである。関節角データは、ロボットのオペレータ等によって予め作成されて、ロボットに予め教示されている。コントローラ400は、各関節の関節角が、関節角データによって指示された角度となるように、アクチュエータの動作量を調節する。以下、関節角データに記述されている関節の目標となる関節角を、関節の指示角ということがある。
負荷トルクデータは、ロボットが各関節を動かして所定の動作をする際に、予定される各関節の負荷トルクを経時的に記述しているデータである。関節の負荷トルクとは、外部から加えられる関節角を変化させようとするトルク(ワイヤによるトルクを除く)である。
差分器412は、データ記憶部402から関節362の指示角θtxを入力し、またエンコーダ472から関節362の実際角θmxを入力し、それらの偏差角(θtx−θmx)を出力する。偏差角(θtx−θmx)は、指示角θtxと実際角θmxの誤差を示しているが、その符号から偏差角は実際角を指示角に修正するために必要な角度を示しているともいえる。
ゲイン回路416は、PID制御回路414から修正偏差角Δθxを入力し、またデータ記憶部202から関節362の負荷トルクEtxを入力し、増幅偏差角Gx・Δθxを出力する。この係数Gxは、修正偏差角Δθを増幅するための係数である。ゲイン回路416は、入力した負荷トルクEtxが大きいほど増幅係数Gxを大きく設定し、設定した増幅係数Gxを入力した修正偏差角Δθxに乗算する。
加算器418は、データ記憶部402から関節362の指示角θtxを入力し、またゲイン回路416から増幅偏差角Gx・Δθxを入力し、指示角θtxと増幅偏差角Gx・Δθxを加算した修正指示角θtx+Gx・Δθxを出力する。加算器418が出力する修正指示角θtx+Gx・Δθxは、関節362に関する指示角θtxを、指示角θtxと実際角θtmの偏差によって修正したものである。その修正量は、関節362の負荷トルクが大きい場合ほど大きい。
第1ドライバ451は、変換部434で計算された第1ワイヤ366aの修正有効長La2を入力し、入力した修正有効長La2に基づいて第1アクチュエータ368aの動作量を計算し、計算した動作量だけ第1アクチュエータ368aを動作させる。第1ドライバ451は、第1アクチュエータ368aの動作量と、それによって第1ワイヤ366aが進退される長さ(第1ワイヤ366aの他端が進退する距離)の基準関係を記憶している。第1ドライバ451は、入力した修正有効長La2と、記憶している基準関係等に基づいて、第1アクチュエータ368aの動作量を計算する。
第2ドライバ452は、第2アクチュエータ368bの動作量と、それによって第2ワイヤ366bが進退される長さ(第2ワイヤ366bの他端が進退する距離)の基準関係を記憶している。第2ドライバ452は、変換部434で計算された第2ワイヤ366bの有効長Lb2を入力し、入力した有効長Lb2から第2アクチュエータ368bの動作量を計算し、計算した動作量だけ第2アクチュエータ368bを動作させる。
コントローラ400では、関節362の指示角を、指示角と実際角の偏差によって修正する際に、その修正量がPID制御回路414やゲイン回路416等によって増減調節される。特にゲイン回路416によって、関節362の負荷トルクが大きい場合ほど、指示角の修正量が大きくなるように調節される。それにより、関節362の負荷トルクが大きい場合ほど、関節362の関節角に生じている偏差に対して、第1アクチュエータ368aや第2アクチュエータ368bの動作量が修正される修正量は大きくなる。
一方、関節362の負荷トルクが小さい場合、第1ワイヤ366aや第2ワイヤ366bは小さく伸縮するに留まり、関節362の関節角に大きな偏差は生じない。コントローラ400は、関節362の負荷トルクが小さいほど偏差の大きさに対して指示角をより小さく修正するに留めることから、第1アクチュエータ368aや第2アクチュエータ368bが過剰に動作することがない。それにより、例えば関節362の関節角が発振してしまうことが防止される。生じる偏差は小さいので、偏差を速やかに取り除くことができ、関節角が指示角に正しく調節される。
コントローラ400は、第1アクチュエータ368aや第2アクチュエータ368bの動作量に、関節362の関節角に生じている偏差を適切に加味することによって、関節362の関節角を指示角に正しく調節することができる。
以下、本形態2のコントローラ404について説明するが、形態1のコントローラ400と同一の構成要素については、同一の符号を付すことによって詳細な説明は省略し、重複説明を避けるように努める。
予定張力データは、ロボットが各関節を動かして所定の動作をする際に、各ワイヤに生じることが予定される張力を経時的に記述しているデータである。
コントローラ404は、差分器412と、PID制御回路414と、加算器418と、第1変換部432と、第2変換部434を備えている。第1変換部432は、データ記憶部402と接続されている。差分器412と、PID制御回路414と、加算器418は直列に接続されており、その直列回路によってデータ記憶部402と第2変換部434が接続されている。
加算器418は、データ記憶部402から関節362の指示角θtxを入力し、またPID制御回路414から修正偏差角Δθxを入力し、指示角θtxと修正偏差角Δθxを加算した修正指示角θtx+Δθxを出力する。加算器418が出力する修正指示角θtx+Δθxは、関節362の指示角θtxを、指示角θtxと実際角θtxの偏差によって修正したものである。
第1変換部432と第2変換部434は、形態1の変換部434と略同一のものである。即ち、第1変換部432は、データ記憶部402から関節362の指示角θtxを入力し、入力した指示角から第1ワイヤ366aと第2ワイヤ366bのそれぞれの予定有効長La1、Lb1を計算して出力する。第2変換部434は、加算器414から修正指示角θtx+Δθxを入力し、入力した修正指示角等から第1ワイヤ366aと第2ワイヤ366bのそれぞれの修正有効長La2、Lb2を計算して出力する。
第1可変分配部461は、第1変換部432から第1ワイヤ366aの予定有効長La1を入力する。また、第2変換部434から第1ワイヤ366aの修正有効長La2を入力する。また、データ記憶部402から、第1ワイヤ366aの予定張力Taを入力する。第1可変分配部461は、入力した予定有効長La1と修正有効長La2から分配有効長を計算して出力する。第1可変分配部461が計算する分配有効長は、予定有効長La1と修正有効長La2の間の値であるとともに、第1ワイヤ366aの張力が大きい場合ほど修正有効長La2に近い値となる。第1可変分配部461は、第1ワイヤ366aの張力を、データ記憶部202に記憶されている予定張力Taから把握する。第1可変分配部461が計算する分配有効長は、次式によって表すことができる。
(分配有効長)=La1+(La2−La1)・k ;
上式のkは、0(ゼロ)≦k≦1であり、第1ワイヤ366aの張力に比例する係数である。第1可変分配部461が計算する分配有効長は、関節362の指示角から計算される予定有効長La1を、関節362の関節角に生じている偏差を加味することによって修正したものといえる。その修正量は、第1ワイヤ366aの張力が大きい場合ほど大きくなり、詳しくは第1ワイヤ366aの張力に比例している。第2可変分配部462は、第1可変分配部461と同様にして、第2ワイヤ366bの分配有効長Lb1+(Lb2−Lb1)・kを計算して出力する。なお、第2可変分配部462が計算に用いる係数kは、第2ワイヤ366bの張力から決定されるものであって、第1可変分配部461が計算に用いる係数kとは異なっている。
コントローラ404では、第1アクチュエータ368aや第2アクチュエータ368bの動作量を、それぞれ第1ワイヤ366aと第2ワイヤ366bの分配有効長から計算する。その結果、第1ワイヤ366aの張力が第2ワイヤ366bの張力よりも大きい場合、第1アクチュエータ368aの動作量には第2アクチュエータ368bの動作量よりも、関節362の関節角に生じている偏差がより大きく加味される。逆に、第2ワイヤ366bの張力が第1ワイヤ366aの張力よりも大きい場合、第2アクチュエータ368bの動作量には第1アクチュエータ368aの動作量よりも、関節362に生じている偏差がより大きく加味される。
ワイヤの剛性が変化すると、ワイヤを進退させるアクチュエータの動作量と、その動作量によってもたらされる関節角の変化量との関係が変化することになる。特に、ワイヤの張力が小さい場合、ワイヤの剛性は低いとともに変化しやすい状態となっている。このようなワイヤを進退させるアクチュエータの動作量に、関節角に生じている偏差を大きく加味してしまうと、アクチュエータの動作に対する関節角の変化(いわゆる応答性)に遅れが生じることから、関節角を発振させてしまうことがある。一方、ワイヤの張力が大きい場合、ワイヤの剛性は高いとともに安定した状態となっている。このようなワイヤを進退させるアクチュエータの動作量に、関節角に生じている偏差を大きく加味することによって、関節角に生じている偏差を速やかに取り除くことができるようになり、関節角を指示角に正しく調節することができるようになる。
コントローラ404は、第1アクチュエータ368aと第2アクチュエータ368bの動作量に、関節362の関節角に生じている偏差を適切に加味することによって、関節362の関節角を指示角に正しく調節することができる。
図4はロボット10の下半身部の正面図である。図5はロボット10の下半身部の側面図である。図6は足首関節の構造を示す図である。図7はアクチュエータの構成を示す図である。図示省略するが、ロボット10は、頭部、上半身部、上腕、下腕等を併せて備えている。
本実施例では、足部の前後方向(ロボット10の進行方向)をX軸とし、左右方向をY軸とし、下腿部ないし胴体の伸びる方向をZ軸とする。各軸は相互に直交している。
シャフト30の下端には、ユニバーサルジョイント32を介して大腿部14の上端が接続されている。ユニバーサルジョイント32は、シャフト30に対して大腿部14がX軸回りとY軸回りに回転することを許容する。
股関節22は、骨盤部28に対してZ軸回りに回転できるシャフト30と、シャフト30に対して大腿部14がX軸回りとY軸回りに回転することを許容するユニバーサルジョイント32を備え、X、Y、Z軸のそれぞれの回りに回転可能な3軸関節を構成している。
図4、図5に示すように、ロボット10は、例えばワイヤ50aとそのワイヤ50aを進退させるアクチュエータ52aや、ワイヤ50bとそのワイヤ50bを進退させるアクチュエータ52bや、ワイヤ50cとそのワイヤ50cを進退させるアクチュエータ52c等を備えている。これらは主に、股関節22の動作を調節する。また、ロボット10は、ワイヤ66aとそのワイヤ66aを進退させるアクチュエータ68aや、ワイヤ66bとそのワイヤ66bを進退させるアクチュエータ68bや、ワイヤ66cとそのワイヤ66cを進退させるアクチュエータ68cや、ワイヤ66dとそのワイヤ66dを進退させるアクチュエータ68d等を備えている。これらは主に、膝関節24や足首関節26の動作を調節する。
ロボット10に使用されているワイヤは、先に説明した図11に示すような張力と伸びの関係を備えている。即ち、ワイヤの剛性は生じている張力によって変化する。特に小さな張力が生じている状態では、剛性が低くなっているとともに、張力が変化することによって剛性も変化しやすい状態となっている。
3本のワイヤ66a、66b、66cの下端は、それぞれワイヤ終端ガイド70a、70b、70cの下端のワイヤ接続点72a、72b、72cに固定されている(ワイヤ接続点72cは図4に図示されている)。各ワイヤ66a、66b、66cの他端は、膝関節24側に伸びている。ワイヤ終端ガイド70a、70b、70cは、ワイヤ66a、66b、66cが小さな曲率半径で鋭く曲がることを禁止している。
また、ワイヤ66bを膝関節24側に引くとともに、ワイヤ66cを緩めることによって、足部18が足首関節26のX軸回りの一方方向に回転し、足部18の外側(図6のY軸方向右側)が上がるように動作する。ワイヤ66bを緩めるとともに、ワイヤ66cを膝関節24側に引くことによって、足部18が足首関節26のX軸回りの他方方向に回転し、足部18の内側(図6のY軸方向左側)が上がるように動作する。
上記の動作を組み合わせることにより、3本のワイヤ66a、66b、66cを進退させることによって、足首関節26のX軸回りの関節角とY軸回りの関節角を独立に調整することができる。なお、ワイヤ接続点72a、72b、72cの位置は、本実施例の形態に限定されない。
上記の構成により、3本のワイヤ66a、66b、66cを大腿部14側へ同じように引くとともに、ワイヤ66dを緩めることによって、膝関節24がY軸回りの一方方向に回転し、膝関節24が伸びるように動作する。3本のワイヤ66a、66b、66cを同じように緩めるとともに、ワイヤ66dを大腿部14側へ引くことによって、膝関節24がY軸回りの他方方向に回転し、膝関節24が曲がるように動作する。3本のワイヤ66a、66b、66cを同時に同一速度で進退させれば、足首関節26を回転させないで、膝関節24を回転させることができる。
図4、図5に示すように、ワイヤ66a、66b、66c、66dを進退させるアクチュエータ68a、68b、68c、68dは、大腿部14に配置されている。ロボット10では、膝関節24のみならず足首関節26の回転角を調整するためのアクチュエータまでもが大腿部14に配置されている。それにより、下肢12の末端側は軽く構成されており、股関節回りの慣性モーメントが小さく抑えられている。ロボット10は、小さなトルクで下肢12を動作させることができる。
モータ114が回転すると送りネジ120が回転する。送りネジ120が回転すると、可動プレート104が案内ロッドに沿って滑り、ワイヤ66aが引き込まれたり、送り出されたりする。モータ114が回転する量と、ワイヤ66aの可動プレート104に接続されている接続端が進退する量は比例する。モータ114は、後段で説明する第1ドライバ251に接続しており、モータ114の動作は第1ドライバ251によって調節される。
ロボット10では、他のワイヤ50b、50c、66a、66b、66c、66dを進退させるアクチュエータ48b、48c、68a、68b、68c、68dについても、図7に示すアクチュエータを採用している。なお、ワイヤ群を進退させるアクチュエータは、この形態に限定されない。
図8は、ロボット10が備えているコントローラ200の一部の構成を示している。図8は、コントローラ200において、主に、アクチュエータ68a、68b、68cの動作を調節するための部分を示している。図8に示されているコントローラ200の部分は、左右の下肢12の一方に配置されているアクチュエータ68a、68b、68cの動作を調節するものである。コントローラ200は、他方の下肢12に配置されているアクチュエータ68a、68b、68cの動作を調節するために、図8に示されている構成をさらに1組備えている。
関節角データは、ロボット10が各関節を動かして所定の動作をする際に、各関節の目標となる関節角(指示角)を経時的に記述しているデータである。例えば足首関節26に関して、X軸回りの指示角θtxを記述する時系列データや、Y軸回りの指示角θtyを記述する時系列データが記述されている。
予定張力データは、ロボット10が各関節を動かして所定の動作をする際に、各ワイヤに生じることが予定される張力を経時的に記述しているデータである。例えば足首関節26に関して、ワイヤ66aに生じることが予定される張力Taや、ワイヤ66bに生じることが予定される張力Tbや、ワイヤ66cに生じることが予定される張力Tcを経時的に記述している。
図9(a)に示すように、足部18が空中に位置している状態で、例えば足部18に重力Wt等が作用している。重力Wtは、足首関節26をY軸回りに回転させようとする。このような足首関節26のY軸回りの関節角を変化させようとするトルク(ワイヤ66a、66b、66cによるトルクを除く)を、足首関節26のY軸回りの負荷トルクという。この状態において、足首関節26のY軸回りの負荷トルクEtxと、各ワイヤ86a、86b、86cの張力Ta、Tb、Tcによる足首関節26のY軸回りのトルクが、足首関節26のY軸回りの関節角が指示角θtyの状態において釣り合うことによって、足首関節26のY軸回りの関節角が指示角θtyに維持される。
図9(b)に示すように、足部18が地面Hに接地している状態で、例えば足部18には重力Wtや、足部18が地面Hから受ける抗力F等が作用している。重力Wtや抗力Fは、足首関節26をY軸回りに回転させようとする。重力Wtや抗力F等による足首関節26のY軸回りの負荷トルクと、各ワイヤ86a、86b、86cの張力Ta、Tb、Tcによる足首関節26のY軸回りのトルクが、足首関節26のY軸回りの回転角が目標回転角θtyの状態で、足首関節26のY軸回りの関節角が指示角θtyの状態において釣り合うことによって、足首関節26のY軸回りの関節角が指示角θtyに維持される。
各ワイヤ66a、66b、66cに張力が変化すると、各ワイヤ66a、66b、66cはそれに応じて伸長する。各ワイヤ66a、66b、66cが伸長することによって、各ワイヤを進退させるアクチュエータ68a、68b、68cが動作しなくても、足首関節26の関節角は変化する。換言すれば、アクチュエータ68a、68b、68cの動作量は、各ワイヤ66a、66b、66cの伸びを加味して計算することが必要となる。
ロボット10は、自身の動作に追従して刻々と変化する各関節の負荷トルクや、自身の動作に追従して刻々と変化する各ワイヤの張力を、予め把握している。
またコントローラ200は、第1差分器212と、第1比例積分微分制御(PID制御)回路214と、第1ゲイン回路216と、第1加算器218を備えている。第1差分器212と、第1PID制御回路214と、第1ゲイン回路216と、第1加算器218は直列に接続されており、その直列回路はデータ記憶部202と第2変換部234を接続している。
またコントローラ200は、第2差分器222と、第2比例積分微分制御(PID制御)回路224と、第2ゲイン回路226と、第2加算器228を備えている。第2差分器222と、第2PID制御回路224と、第1ゲイン回路226と、第1加算器228は直列に接続されており、その直列回路はデータ記憶部202と第2変換部234を接続している。第1差分器212と第2差分器222は、互いに同一のものである。同じように、第1PID制御回路214と第2PID制御回路224、第1ゲイン回路216と第2ゲイン回路226、第1加算器218と第2加算器228は、それぞれ互いに同一である。
図8に示すように、第1ゲイン回路216と第2ゲイン回路226は、データ記憶部202と直接的にも接続している。また、第1加算器218と第2加算器228は、データ記憶部202と直接的にも接続している。
第1PID制御回路214は、第1差分器212から偏差角(θtx−θmx)を入力し、偏差角を増減修正した修正偏差角Δθxを出力する。第1PID制御回路214は、形態1で説明したPID制御回路414と同様にして、修正偏差角Δθxを計算する。
第1ゲイン回路216は、第1PID制御回路214から修正偏差角Δθxを入力し、またデータ記憶部202から足首関節26のX軸回りの予定トルクEtxを入力し、増幅偏差角Gx・Δθxを出力する。この係数Gxは、修正偏差角Δθを増幅するための係数である。第1ゲイン回路216は、形態1で説明したゲイン回路416と同様にして、増幅偏差角Gx・Δθxを計算する。
第1加算器218は、データ記憶部202から足首関節26のX軸回りの指示角θtxを入力し、第1ゲイン回路216から増幅偏差角Gx・Δθxを入力し、指示角θtxと増幅偏差角Gx・Δθxを加算した修正指示角θtx+Gx・Δθxを出力する。第1加算器218が出力する修正指示角θtx+Gx・Δθxは、足首関節26のY軸回りに関する指示角θtxを、指示角θtxと実際角θtmの偏差によって修正したものである。その修正量は、足首関節26のY軸回りの負荷トルクEtx大きい場合ほど、大きくなるように調節される。
第2差分器222と第2PID制御回路224と第2ゲイン回路226と第2加算器228は、足首関節26のY軸回りに対して上記と同様の処理を行う。第2加算器228は、足首関節26のY軸回りの修正指示角θty+Gy・Δθyを出力する。
コントローラ200は、第1スイッチ241と、第2スイッチ242と、第3スイッチ243を備えている。第1スイッチ241は、第1変換部232と第2変換部234と第1ドライバ251を接続する回路上に介挿されている。第2スイッチ242は、第1変換部232と第2変換部234と第2ドライバ252を接続する回路上に介挿されている。第3スイッチ243は、第1変換部232と第2変換部234と第3ドライバ253を接続する回路上に介挿されている。第1スイッチ241は、第1ドライバ251と第1変換部232が接続する状態と、第1ドライバ251と第2変換部234が接続する状態とを切換えるスイッチである。第2スイッチ242は、第2ドライバ252と第1変換部232が接続する状態と、第2ドライバ252と第2変換部234が接続する状態とを切換えるスイッチである。第3スイッチ243は、第3ドライバ253と第1変換部232が接続する状態と、第3ドライバ253と第2変換部234が接続する状態とを切換えるスイッチである。
第1切換部261は、データ記憶部202からワイヤ66aの予定張力Taを入力し、ワイヤ66aの予定張力Taの値に基づいて、第1スイッチ241を切換える。第1切換部261は、ワイヤ66aの予定張力Taが所定値よりも小さい場合には、第1変換部232と第1ドライバ251が接続する状態となるように、第1スイッチ241を切換える。また、ワイヤ66aの予定張力Taが所定値よりも大きい場合には、第2変換部234と第1ドライバ251とが接続する状態となるように、第1スイッチ241を切換える。それにより、ワイヤ66aの張力が小さい場合は、第1変換部232が出力する予定有効長La1が第1ドライバ251に入力される。ワイヤ66aの張力が大きい場合は、第2変換部234が出力する修正有効長La2が第1ドライバ251に入力される。
同様に、第2切換部262は、ワイヤ66bの予定張力Tbに基づいて第2スイッチ242を切換える。即ち、ワイヤ66bの張力が小さい場合は、第1変換部232が出力する予定有効長Lb1が第2ドライバ252に入力され、ワイヤ66bの張力が大きい場合は、第2変換部234が出力する修正有効長Lb2が第2ドライバ252に入力される。また同様に、第3切換部263は、ワイヤ66cの予定張力Tcの値に基づいて第3スイッチ243を切換える。即ち、ワイヤ66cの張力が小さい場合は、第1変換部232が出力する予定有効長Lc1が第3ドライバ253に入力され、ワイヤ66cの張力が大きい場合は、第2変換部234が出力する修正有効長Lc2が第3ドライバ253に入力される。
同様に、第2ドライバ252は、アクチュエータ68bの動作量を計算し、計算した動作量だけアクチュエータ68bを動作させる。第3ドライバ253は、アクチュエータ68cの動作量を計算し、計算した動作量だけアクチュエータ68cを動作させる。
コントローラ200では、ワイヤ66aの張力が小さい場合には、アクチュエータ68aの動作量が予定有効長La1から計算される。即ち、ワイヤ66aの張力が小さい場合には、アクチュエータ68aの動作量に足首関節26の関節角に生じている偏差が加味されない。一方、ワイヤ66aの張力が大きい場合には、アクチュエータ68aの動作量が修正有効長La2から計算される。即ち、ワイヤ66aの張力が大きい場合には、アクチュエータ68aの動作量に足首関節26の関節角に生じている偏差が加味される。アクチュエータ68b、68cの動作量も同様に計算される。その結果、アクチュエータ68a、68b、68cにおいて、張力が大きいワイヤを進退させるアクチュエータの動作量のみが、足首関節26の関節角に生じている偏差が加味されて計算される。このとき、足首関節26の負荷トルクが大きい場合ほど、実際の偏差をより大きくなるように修正した上で、アクチュエータの動作量の計算に加味するようにしている。
コントローラ200は、足首関節26の関節角に偏差が生じている場合に、張力の大きいワイヤのアクチュエータを偏差に対して動作させるとともに、張力の小さいワイヤのアクチュエータは偏差に対して動作させないようにする。即ち、剛性が高いとともに安定している状態のワイヤは偏差に対して進退させるとともに、剛性が低いとともに不安定な状態のワイヤは偏差に対して進退させないようにする。このとき動作させるアクチュエータについては、足首関節26の負荷トルクが大きい場合ほど、偏差に対してより大きく動作させる。即ち、進退させるワイヤについては、足首関節26の負荷トルクが大きく、足首関節26の関節角に大きな偏差が生じうる場合ほど、偏差に対してより進退させる。それにより、足首関節26の関節角に生じている偏差を速やかに取り除くことができるとともに、関節角を発振させてしまうようなこともない。
コントローラ200は、アクチュエータ68a、68b、68cの動作量に、足首関節26の関節角に生じている偏差を適切に加味することによって、足首関節26の関節角を指示角に正しく調節することができる。
ロボット10では、関節角の偏差に対して張力の小さいワイヤを選択的に動作させないことから、ワイヤを進退させるアクチュエータの動作量に、関節角の偏差をより大きく加味する場合でも、張力の小さいワイヤの存在を積極的に許容することができる。それにより、ワイヤの張力を無用に高めておく必要がなく、ワイヤや関節等にかかる負担を抑えることができるとともに、アクチュエータの消費電力等を抑制することができる。
第2コントローラ300は、第1可変分配部311と、第2可変分配部312と、第3可変分配部313を備えている。第1可変分配部311は、第1変換部232と第2変換部234と第1ドライバ251に接続している。第2可変分配部312は、第1変換部232と第2変換部234と第2ドライバ252に接続している。第3可変分配部313は、第1変換部232と第2変換部234と第3ドライバ253に接続している。
第2コントローラ300は、ワイヤ66aに生じている張力を測定する張力センサ321と、ワイヤ66bに生じている張力を測定する第2張力センサ322と、ワイヤ66cに生じている張力を測定する第3張力センサ323を備えている。第1張力センサ321は第1可変分配部311に接続されており、ワイヤ66aに生じている張力の測定値が第1可変分配部311に入力される。第2張力センサ322は第2可変分配部312に接続されており、ワイヤ66bに生じている張力の測定値が第2可変分配部312に入力される。第3張力センサ323は第3可変分配部313に接続されており、ワイヤ66cに生じている張力の測定値が第3可変分配部313に入力される。
(分配有効長)=La1+(La2−La1)・k ;
上式のkは、0(ゼロ)≦k≦1の係数である。第1可変分配部311は、第1張力センサ321から入力したワイヤ66aの張力に基づいて、上記の係数kを設定する。詳しくは、入力したワイヤ66aの張力に比例するように係数kを設定する。それにより、ワイヤ66aの張力が大きいほど、第1可変分配部311が出力する分配有効長は第2変換部234が出力する修正有効長La2に近い値となる。
第1可変分配部311と同様にして、第2可変分配部312は、ワイヤ66bの分配有効長を計算して出力し、第3可変分配部313は、ワイヤ66cの分配有効長を計算して出力する。
第1ドライバ251は、第1可変分配部311が出力する分配有効長からアクチュエータ68aの動作量を計算し、計算した動作量だけアクチュエータ68aを動作させる。第2ドライバ252は、第2可変分配部312が出力する分配有効長からアクチュエータ68bの動作量を計算し、計算した動作量だけアクチュエータ68bを動作させる。第3ドライバ253は、第3可変分配部313が出力する分配有効長からアクチュエータ68cの動作量を計算し、計算した動作量だけアクチュエータ68cを動作させる。
コントローラ300は、足首関節26の関節角に偏差が生じている場合に、張力の大きいワイヤのアクチュエータほど偏差に対して大きく動作させるとともに、張力の小さいワイヤのアクチュエータほど偏差に対してあまり動作させないようにする。即ち、剛性が高いとともに安定している状態のワイヤほど偏差に対してより大きく進退させるとともに、剛性が低いとともに不安定な状態のワイヤほど偏差に対してあまり進退させないようにする。それにより、足首関節26の関節角に生じている偏差を速やかに取り除くことができるとともに、関節角を発振させてしまうようなこともない。
コントローラ300を用いるロボットは、アクチュエータ68a、68b、68cの動作量に、足首関節26の関節角に生じている偏差をより適切に加味することによって、足首関節26の関節角を指示角に正しく調節することができる。
ワイヤは金属製に限られず、例えば高分子繊維等から構成されるワイヤ(糸)等を採用することもできる。
ロボットが、記憶している関節角データから各関節の負荷トルクを計算する手段を備えてもよい。関節角データに記述されている各関節に関する指示角の時系列データから、ロボットの動作を計算することができる。ロボットの動作を計算することによって、各関節の負荷トルクを計算することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:下肢部
14:大腿部
16:下腿部
18:足部
20:胴体部
22:股関節
24:膝関節
26:足首関節
28:骨盤部
66a,66b,66c,66d:ワイヤ
68a,68b,68c,68d:アクチュエータ
70a,70b,70c:ワイヤ終端ガイド
72a,72b,72c:ワイヤ接続点
200:コントローラ
202:データ記憶部
212,222:第1、第2差分器
214,224:第1、第2比例積分微分制御(PID制御)回路
216,226:第1、第2ゲイン回路
218,218:第1、第2加算器
232,234:第1、第2変換部
241,242,243:第1、第2、第3スイッチ
251,252,253:第1、第2、第3ドライバ
261,262,263:第1、第2、第3切換部
272,274:エンコーダ
300:変形例のコントローラ
311,312,313:第1、第2、第3可変分配部
321,322,323:第1、第2、第3張力センサ
361:胴体側部材
362:関節
363:末端側部材
366a、366b:第1、第2ワイヤ
368a、368b:第1、第2アクチュエータ
400、404:コントローラ
Claims (4)
- 胴体側部材と、
胴体側部材に回転可能に接続されている末端側部材と、
末端側部材の回転中心の一方側に接続されており、引かれると末端側部材を第1方向に回転させる第1ワイヤと、
その第1ワイヤの他端を進退させる第1アクチュエータと、
末端側部材の回転中心の他方側に接続されており、引かれると末端側部材を第2方向に回転させる第2ワイヤと、
その第2ワイヤの他端を進退させる第2アクチュエータと、
末端側部材の回転角に関する指示角と、その指示角を実際角との偏差によって修正した修正指示角の一方から、第1アクチュエータの動作量を計算して第1アクチュエータに指示する第1コントローラと、
末端側部材の回転角に関する指示角と、その指示角を実際角との偏差によって修正した修正指示角の一方から、第2アクチュエータの動作量を計算して第2アクチュエータに指示する第2コントローラと、を備え、
前記第1コントローラは、第1ワイヤの張力が所定値よりも小さければ、前記指示角から第1アクチュエータの動作量を計算し、第1ワイヤの張力が所定値よりも大きければ、前記修正指示角から第1アクチュエータの動作量を計算し、
前記第2コントローラは、第2ワイヤの張力が所定値よりも小さければ、前記指示角から第2アクチュエータの動作量を計算し、第2ワイヤの張力が所定値よりも大きければ、前記修正指示角から第2アクチュエータの動作量を計算する、
ことを特徴とするロボット。 - 胴体側部材と、
胴体側部材に回転可能に接続されている末端側部材と、
末端側部材の回転中心の一方側に接続されており、引かれると末端側部材を第1方向に回転させる第1ワイヤと、
その第1ワイヤの他端を進退させる第1アクチュエータと、
末端側部材の回転中心の他方側に接続されており、引かれると末端側部材を第2方向に回転させる第2ワイヤと、
その第2ワイヤの他端を進退させる第2アクチュエータと、
末端側部材の回転角に関する指示角を、指示角と実際角の偏差によって修正した第1修正指示角から、第1アクチュエータの動作量を計算して第1アクチュエータに指示する第1コントローラと、
末端側部材の回転角に関する指示角を、指示角と実際角の偏差によって修正した第2修正指示角から、第2アクチュエータの動作量を計算して第2アクチュエータに指示する第2コントローラと、を備え、
前記第1コントローラは、第1ワイヤの張力が大きいほど、前記偏差に対する指示角から第1修正指示角への修正量を大きくし、
前記第2コントローラは、第2ワイヤの張力が大きいほど、前記偏差に対する指示角から第2修正指示角への修正量を大きくする、
ことを特徴とするロボット。 - 第1ワイヤおよび/または第2ワイヤの予定される張力を記憶する手段が付加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット。
- 第1ワイヤおよび/または第2ワイヤの張力を測定する手段が付加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット。
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