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JP4450678B2 - 防火−パッキンを製造するための熱により膨張自在のグラファイト−内位添加化合物の使用方法およびその製造方法 - Google Patents

防火−パッキンを製造するための熱により膨張自在のグラファイト−内位添加化合物の使用方法およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明の目的は、建物の壁、床及び・又は天井に空けられている突破口、貫通部とその他の開口用の、発泡性パッキンを製造するためのポリマーマトリックスを用いた発泡性防火添加剤として膨張自在のグラファイト-防火内位化合物を使用方法、並びに、使用される熱により膨張自在のグラファイト-防火内位化合物の製造方法に関するものである。
建物の壁、床及び・又は天井に空けられている突破口、貫通部とその他の開口は、防火の目的のために、火災が発生した際に、炎や煙がこれらの開口を通って広がらないようにするために、防火-パッキンを備えていなければならない。この種の防火-パッキンとして使用可能とされるのは、形のない硬化性の防火剤または細長い帯状、環状、プレート状の既製品とこれに類似のものであり、これらは密閉すべき開口中へ挿入されるか、或いは開口がこれらで覆われるかのいずれかである。
この種の防火-パッキン用の膨張剤には発泡性の防火添加剤として膨張自在のグラファイト-内位添加化合物が含有されているのが通例であり、これらは膨張グラファイトとしても同様に公知であって、市販されている。
これはグラファイトの格子層の間に中間層として形成された異物(挿入物)を内蔵している化合物である。このような膨張自在のグラファイト-内位添加化合物は酸化剤及び中間層として形成されたゲスト(Gast)・化合物を含有している溶液中にグラファイト粒子を分散させて製造されるのが通例である。通常使用される酸化剤は、硝酸、塩素酸カリウム、クロム酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素等である。中間層として形成すべき化合物として使用されるのは、例えば、濃縮硫酸であり、その際、60℃乃至130℃の温度の時に、4時間以内の時間にわたって置換する(例えば、欧州特許EP/B/0085121号明細書を参照のこと)。この代わりに例えば、塩素ガスの存在下で金属塩化物をグラファイト中へ挿入することも同じく可能である(E.Stumpp,Physica(1981年)、9-16)。
この種の硫酸-グラファイト粒子を作るその他の方法は、例えば、米国特許第4091083号から明らかになっており、これは結晶状のグラファイト粒子を硫酸中で分散して、過酸化水素を添加しながらこの混合液を攪拌し、また、硫酸がグラファイト中へ中間層として形成されるまでこの攪拌を続けるという方法である。続いて余分の酸を切り離し、その固体生成物中に残っている酸を水で繰り返し洗って除去してからその材料を乾燥する。
膨張自在のこのグラファイト-内位添加化合物または膨張グラファイトは、いわゆるオンセット温度以上の温度まで加熱すると、200以上の膨張ファクターで強力に体積が大きくならざるを得ない。この原因は、グラファイトの皮膜構造中へ中間層として形成された内位添加化合物が、気体を呈している物質を形成しながらこのような温度まで迅速に加熱されることにより分解させられることから、グラファイト粒子は皮膜面に対して鉛直方向へ膨張または膨れ上がることになるからである(欧州特許B-0085121号)。
この膨張反応は例えば、建物の壁と天井を通るケーブルやパイプの敷設部を防火のために密閉するための発泡剤として活用される。火災の場合、オンセット温度に達すると、グラファイト粒子並びにそれらの敷設部を密閉する発泡剤が膨張することから、それらの敷設部が通っているケーブル及び/又はプラスチックパイプが焼却した後も、それらの敷設部を通る火の決壊を阻止或いは遅らせる結果となる。
建物の壁、床及び/又は天井に空けられた突破口、敷設部および、その他の開口の場合、添付図面の図1a中に図示されている通り、一方では、その壁を貫通して敷設されているプラスチックパイプを引き込むため、環状溝のような開口中へ防火-パッキンを用意するか、或いは図1b中に図示されている通り、壁上のカバー形式のものも用意することが可能である。図1a中に図示されている通り、パイプ用の仕切りとして防火-パッキンを残っている環状溝の中へ挿入する場合、或いは、防火-パッキンが建築構造物により覆われる場合には、火事のケースでは、発泡性の防火添加剤が防火剤の中で遊離させられることにより、熱が比較的狭い表面中(即ち、図1aのケースでは、防火-パッキンのこの環状溝中の前面)に伝達されることにより問題が生じるが、他方、防火-パッキンを壁に取り付けるケースでは、発泡性の防火剤は広い面積にわたり火の激しい熱にさらされることにより問題が生じる。
例えば、敷設部を案内されるプラスチックパイプはこれら両ケース共、火災の場合、ほぼ等しく迅速に崩壊するので、開口中へ防火剤を挿入する場合、発泡性防火剤がオンセット温度に到達する前にその開口中にある密閉すべき材料が崩壊すると、開口を火と煙が打抜き可能になるという問題点さえも明らかにされる。
発泡性の防火添加剤として通常使われている膨張グラファイトを含有している従来の発泡性防火-パッキンにもこのことは当てはまる。なぜならば、膨張反応のそれらの特徴的なパラメータはこの適用ケースに限り満足することができないからである。特徴的なパラメータはここでは膨張グラファイトのオンセット温度、即ち、膨張グラファイトの粒子の膨張が始まる温度である。その他の重要なパラメータはオンセット温度の範囲内の膨張スピードであり、これは達成可能な最大限の膨張体積並びに平均の膨張係数である。この膨張パラメータを指定する正確な定義付けは更に下記で言及されることになる。
従来の技術水準によれば、主に市販されているので入手可能な硫酸-グラファイト粒子はこの種の発泡性の防火-パッキン中で使用され、これは200℃というオンセット温度を提供している。確かに150℃乃至160℃という低いオンセット温度を持つ修飾硫酸グラファイト粒子も市販されているので入手可能であるが、その膨張特性と膨張スピードは満足の行かないものである。市販されている2通りの典型的な膨張グラファイトの膨張パラメータを下記の表中に列挙しておく。
Figure 0004450678
この種の市販の膨張グラファイトを使用する際および密閉すべき開口の内部へ防火-パッキンを挿入する際、市販されている膨張グラファイトの膨張パラメータでは、このケースにおいて熱の伝達が比較的わずかの場合、その開口を貫通して通されているプラスチックパイプが崩壊する際にもこの防火-パッキンが安全に保たれるように、防火-パッキンの発泡を迅速に作動させて、然るべき膨張体積を達成するためには不十分であることがここでは明らかにされている。
本発明の目的は、火災の場合、たとえ低温であるにしても、その発泡性の防火剤へ熱を伝達する条件が不都合であるとしても、開口の密閉を顕著に改善することができ、その結果として大きめの開口であっても、横断面の長い壁の厚みの厚いパイプであっても確実に密閉することのできる発泡性の防火-パッキンを準備することである。
本発明において、防火-パッキン中で使用するための発泡性の防火添加剤として使われる膨張グラファイトであって、密閉すべき開口中へ挿入されるか、或いは、構造物により覆われるものは、(乾式フィルターによって隔離され、250-400μmの粒子サイズの場合には、)下記の膨張パラメータを持っているのに違いないことが発見された。これらを下記の表2の中に列挙する。
Figure 0004450678
例えば大きめのグラファイト粒子は大きめの膨張体積をもつ結果になる間に、グラファイト粒子の粒子サイズを介してこの膨張パラメータの調節を行うことは適切ではない。なならば、粒子サイズが大きめであると、これらは小さめのグラファイト粒子と比較して、発泡性の防火-パッキンの製造に当たって発生するせん断力が防火添加剤を挿入するためにポリマーマトリックス中へ掛けられる際、例えば、射出成形、押出し成形、混合過程等等により一層簡単に破損乃至分解させられるからである。その結果は、膨張グラファイト粒子から遊離した酸並びに、それらの遊離した酸のその他の処方・構成要素との反応に起因するマシーンや工具による腐食により、グラファイト粒子の破損および膨張反応の低下がこれと同時並行的に生じることになる。
従って、下記の発明のその他の目的は、発泡性の防火添加剤の粒子サイズが一定且つ通常の場合にも、その発泡性の防火-パッキンの発泡反応を確保することである。
本発明によれば本目的は、驚くべきことに、発泡性の防火-パッキンを製造するため、ポリマーマトリックス中に発泡性の防火添加剤として限定された金属ハロゲン化物を少なくとも一つ並びに少なくとも1つのニトロアルカンを含有している、熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物を使用することにより解決可能とされる。
従って、本発明の対象は、本特許の請求項1の中に記載された使用方法である。本発明のその他の対象は、本特許の請求項25の中に記載された、本発明中に記載されているように使用され、熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物の製造方法である。下位の請求項はこの発明の目的の特に好適とされるいくつかの実施例に関するものである。
従って本発明は、A)元素Fe、Al、Sb、Zn、Y、Crの少なくとも一つの金属ハロゲン化物を含有しており、またB)一般式CH3(CH2)nNO2のニトロアルカンを少なくとも1個含有する、熱により膨張自在の少なくとも一つのグラファイト-内位添加化合物の使用方法に関するものであり、そこにおいてnは0-10の数値を持つ一つの整数であり、建物の壁、床及び/又は天井に空けられている突破口、敷設部やその他の開口用の発泡性の防火-パッキンを製造するため、ポリマーマトリックス中に発泡性の防火添加剤としてそれらの構造異性体または混合物を有している。
特に好適とされる1実施例によれば、このグラファイト-内位添加化合物には内位添加化合物として、下記の酸コンビネーション、即ち、H2SO4/HNO3化合物、H2SO4/CH3COOH化合物及び/又はCH3COOH/HNO3化合物の少なくとも一つであると特に好適であるが、H2SO4、CH3COOHとHNO3を含有する酸基の成分が少なくとも一つ追加して含有される。その他の好適とされる実施例によれば、このグラファイト-内位添加化合物には、グループA)の内位添加化合物として、FeCl3、AlCl3、SbCl5、ZnCl2、YCl、CrCl3およびNiCl2の少なくとも一つの金属ハロゲン化物の同じく少なくとも一つの水和物を含有しており、特に、下記の式、即ち、FeCl3・5H2O、FeCl3・6H2O、FeCl3・7H2O、FeCl3・12H2OのFeCl3水和物及び/又は、一般式が〔FeCl n(H2O)6-n〕Cl3-n/nH20の加水分解されたFeCl3・ヘキサ水和物であって、そこにおいてnは1−3の数値を持つ1つの整数を意味するものを含有している。
本発明に記載されているように使用されるグラファイト-内位添加化合物にグループB)のニトロアルカンとして、ニトロメタン、ニトロエタンおよび1-ニトロプロパンまたはこれらの混合物が含有されていることは好適である。
本発明に記載されているように使用されるグラファイト-内位添加化合物は、125-1000μmが好適であり、250-400μmであると更に好適であるが、フィルターを通して100乃至1500μmの粒子サイズに調整されていることは特に好適である。
本発明の特に好適とされる実施例によれば、本発明に記載の通り使用されるグラファイト-内位添加化合物は、上記の表2中に表示されている膨張パラメータ、即ち、≦160℃のオンセット温度、≧550〔%・mg-1〕という定量に基づく体積、≧20〔%℃-1〕のオンセット温度の範囲内のスピード及びTMA・オンセット温度と≧0.1〔K-1〕のT100間に平均伸び係数を持っている。
本発明に記載の通り熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物が発泡性の防火添加剤として添加されたこのポリマーマトリックスは、環境温度においては好都合なことに塑弾性であり、及び/又は約120℃の軟化点を持っている。塑弾性とは、密閉材料産業連盟(IVD)の『実践ハンドブック 密閉材料』によれば、主として弾性を備えており、しかも僅かに可塑特性を備えている物質として意義付けられている。弾性物質には≧70〔%〕の戻り能力(Rueckstellvermoegen)が備わっているのに引き換え、塑弾性物質のそれは≧40乃至>70〔%〕であり、弾塑性物質の戻り能力は≧20乃至<40〔%〕であり、また、可塑物質には<20%の戻り能力が備わっている。
軟化点または、同じくガラス転移温度(Tg)も、通常、DIN EN ISO 111357-1、DIN 53765またはASTM D 3418中に記載のダイナミック差熱量測定(DSC)を利用して決められる。本発明に記載されている通りに使用されるポリマーマトリックスの軟化点ないしガラス転移温度は≦+120℃である。
本発明に記載の通り使用されるポリマーマトリックスには好適にはポリマーとして、ポリウレタン、塑弾性ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルプロピオネート、ポリスチロール、天然または合成のゴム、シリコン、ポリ〔(メタ)アクリレート〕及び、(メタ)アクリレートに基づくホモ・ポリマーとコーポリマー、アクリルニトリル、ビニルエステル、ビニルエーテル、塩化ビニル及び/又はスチロールを含有している基並びに、特に、ジメチルシリル末端基を持つ酸化ポリエチレン及び/又は酸化ポリプロピレンに基づくハイブリッド・ポリマーであると好都合であるハイブリッドポリマーの少なくとも一つの成分が含有されている。このポリマーマトリックスのためのポリマーとして特に好適とされるのは、ポリ(メタアクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(メタアクリル酸アリルエステル)、ポリ(アクリル酸アリルエステル)及び/又はn-ブチルアクリレート、ビニルアセテート及び/又はスチロールを持つそれらのコーポリマーである。
その他の好適とされる1実施例によれば、このポリマーマトリックスは、水性の重合体分散液D)と、低分子量であって、持続的塑性の液体ポリマーE)を6:1乃至1:2.5の重量比で混合されたものであり、特に好ましくは4:3乃至3:4である。ここでは水分を含んでいる重合体分散液D)にポリマーとして、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルプロピオネート、ポリスチロール、天然と合成のゴム、ポリ〔(メタ)アクリレート〕及び、(メタ)アクリレート、アクリルニトリル、ビニルエステル、ビニルエーテルに基づくホモ・ポリマーとコーポリマー、塩化ビニル及び/又はスチロールを含有している基、特にポリメタアクリル酸アルキルエステル、ポリ(アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(メタアクリル酸アリルエステル)、ポリ(アクリル酸アリルエステル)及び/又はn-ブチルアクリレート、ビニルアセテート及び/又はスチロールを持っているそれらのコーポリマーの少なくとも1つを成分として含有することができる。
その他の好適とされる1実施例によれば、水性の重合体分散液D)には5-60重量%の水分が含まれているが、特に好ましくは20-40重量%であり、また、この重合体分散液中の乾燥前の含水量は、0.5-24重量%と明示されるような量をマトリックス剤(Matrixmass)の中に含有されていると好適であるが、好ましくは1-10重量%である。
低分子量、持続的塑性の液体ポリマーE)は、好適には、9-50というISO 1628-1に記載のK値乃至、これから導出された250.000乃至5.000.000の分子重量及び23℃の時エチルアセテートの50%溶液中でDIN ISO 3219に従って測定された粘性が、40-350mPa・sを有している。このタイプの好適な液体ポリマーE)は、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルプロピオネート、ポリスチロール、天然または合成のゴム、ポリ〔(メタ)アクリレート〕及び、(メタ)アクリレート、アクリルニトリル、ビニルエステル、ビニルエーテルに基づくホモ・ポリマーとコーポリマー、塩化ビニル及び/又はスチロールを含有している基、特にポリ(メタアクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(メタアクリル酸アリルエステル)、ポリ(アクリル酸アリルエステル)及び/又はn-ブチルアクリレート、ビニルアセテート及び/又はスチロールを持つそれらのコーポリマーの成分である。
特に好適とされる1実施例によれば、上記のとおりに限定されたタイプのグラファイト-内位添加化合物には、1-75重量%の量としてポリマーマトリックス中に含有されているが、特に好ましくは3-30重量%である。
通常の添加剤F)に追加してこのポリマーマトリックスには、例えば、粉末ガラス、半融のガラス材料(Glasfritten)、ガラス繊維、ポリ燐酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、カオリン、粘土及び/又はベントナイトのようなセラミック化作用を持つ通常量の添加剤F1)、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム・トリ水和物、ベーム石(ベーマイト、AlO(OH))、水酸化マグネシウム、亜鉛硝酸塩及び/又はカルシウム硫酸塩のような溶融作用を持つ防火添加剤F2)、ひる石、ナトリウム・ホウケイ酸、カプセル詰めされたホウケイ酸ナトリウム、メラミン・ポリリン酸、メラミン・シアヌレート、エチレンジアミン・リン酸、グアニジン、ヒドラジン及び/又はトリス-2-ヒドロエチルシアヌレートのような追加された発泡性の防火添加剤F3)、及び/又は臭素化された燐酸エステル、(シクロ)脂肪族の臭素化合物、芳香族の臭素化合物及び/又はリン酸エステルのような火炎を抑える防火添加剤F4)、並びに、水、安定化剤、色素、殺真菌剤、ピグメント分散剤、乳化剤、軟化剤、不凍剤及び/又は充填剤のような助剤を含有している。
本発明の好適な1実施例によれば、発泡性の防火添加剤が硬化性の成形可能な防火剤を呈しているか、或いは、特に、帯状、環状或いはプレート状の既製品の成形対象(Formgegenstand)であるかのどちらかである。
本発明のその他の目的は、本発明に記載されている通りに使用され、熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物であって、a)水素を含有していない少なくとも1個の金属ハロゲン化物または、グループB)の少なくとも1個のニトロアルカンの存在下にグループA)の金属ハロゲン化物・水和物をグラファイト中へ内位添加してから、必要に応じて、H2SO4、CH3COOHとHNO3の少なくとも一つの成分を含有する、内位添加化合物C)の基を同時挿入するか、或いはb) 酸C)のH2SO4、CH3COOHとHNO3 の少なくとも一つの成分を含有している基の中へ、熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物として(in)内位添加済みであり、少なくとも1個の金属ハロゲン化物・水和物を必要に応じて、グループB)の少なくとも一つのニトロアルカンの存在下において同時・内位添加することにより特徴付けられている。
その中へEo>0.55Vのレドックス・ポテンシャルを持つ酸化剤を使用しながら、グループC)の酸の少なくとも一つが既に内位添加されているグラファイト・内位添加化合物を同時・内位添加のために使用することは好適である。
本発明に係る方法のその他の1実施例によれば、酸化剤として、過酸化水素、硝酸、酸化マンガン(IV)の臭化・アルカリ金属、ヨウ化・アルカリ金属又は過マンガン酸アルカリ金属、Cer(IV)塩及び/又はペルオキソニ硫酸・アルカリ金属を使用しながら、グループC)の少なくとも一つの酸がその中へ内位添加済みであるグラファイト-内位添加化合物のために使用する。この同時・内位添加に当たり、グループC)の酸の少なくとも一つは酸化剤のモル比としてより好ましくは0.01-1であるが、特に好ましくは0.001-10のモル比を適用しながら内位添加済みとなっているグラファイト-内位添加化合物を使用することである。
本発明のその他の1実施例によれば、有機溶剤を使用しながら、同時・内位添加化合物として、水を含有していない少なくとも一つの金属ハロゲン化物乃至グループA)の金属ハロゲン化物・水和物及び/又はグループC)の少なくとも一つの酸をその中へ挿入済みである、グラファイト-内位添加化合物を同時・内位添加のために使用し、その際、特に好ましくは、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸、トリフルオロ酢酸及び/又はトルオールを有機溶剤として内位添加済みである。
本発明によれば、同時・内位添加として、水を含有していない少なくとも1個の金属ハロゲン化物乃至グループA)の金属ハロゲン化物・水和物を固体反応により、及び/又は1または複数種類の有機溶剤の存在下に内位添加済みとされるグラファイト-内位添加化合物を使用することができる。同時・内位添加のためには、四塩化炭素、塩化チオニル、一般式CH3(CH2)NO2の1個のニトロアルカンを使用しながら、グラファイト-内位添加化合物を使用し、その際nは0-10の数値を持つ整数であり、並びにその構造異性体、特に、ニトロメタン、ニトロエタン及び/又は1-ニトロプロパンまたはそれらの混合物の構造異性体は有機溶剤として製造済みであることは特に好適である。
本発明に記載の通りに使用され、熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物を、溶剤、即ち、溶剤、即ち、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ピリジン、酢酸、トリフルオロ酢酸及び/又はトルオールの存在の下で製造する上記の方法において、グループC)の酸を挿入することは好適であり、また、水を含まない金属ハロゲン化物乃至グループA)の金属ハロゲン化物・水和物を同時に挿入する際には、溶剤としてテトラクロル炭素、塩化チオニル、一般式CH3(CH2)NO2のニトロアルカンを使用し、その際nは0-10の数値を持つ整数であり、並びに、それらの、特に、ニトロメタン、ニトロエタン及び/又は1-ニトロプロパンの構造異性体またはそれらの混合物を有機溶剤として使用することは特に好適である。
特に好適とされる1実施例によれば、最初の段階ではそれ自体通例となっている酸化およびグラファイト中への硫酸の内位添加により、必要に応じて、それに適している溶剤中で、熱により膨張自在のグラファイト-硫酸-内位添加化合物を作り、更に、これを第二段階において、その入手した熱により膨張自在のグラファイト-硫酸-内位添加化合物を隔離或いはこれを隔離せずに、水を含んでいないFeCl3またはFeCl3水和物とそれに適している溶剤中で置換してから、硫酸及びFeCl3乃至FeCl3水和物と内位添加化合物として溶剤を含有している熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物を洗浄して、その材料を乾燥する。
この洗浄は、水または、有機溶剤、特に四塩化炭素、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸、トリフルオロ酢酸及び/又はトルオール及び/又は塩化チオニル、一般式CH3(CH2)nNO2のニトロアルカンであって、そこにおいてnは0-10の数値を持つ整数であり、並びに、それらの、特に、ニトロメタン、ニトロエタン及び/又は1-ニトロプロパンの構造異性体またはそれらの混合物であると特に好適であるような溶剤で洗浄することにより進められる。
水を含んでいないFeCl3またはFeCl3水和物による置換は、好ましくは10-50℃において行われ、より好ましくは-10乃至100℃の範囲内の温度時に5-48時間であるが、3分間-72時間にわたり機能する、その際1モルのグラファイト当たり1.0・10-4ないし20モルの量の硫酸乃至FeCl3水和物を使用することは特に好適であるとされている。
本発明は添付図面を参照しながら下記の通り一層詳しく説明されることになる。
本発明の記載の通りに使用並びに製造された硫酸-グラファイト粒子の膨張特性は熱力学分析法(TMA)によって測定する。この熱力学分析(TMA)では、硫酸-グラファイト粒子の寸法に見られる変化が温度並びに時間の関数として測定される。ここではサンプル載せの上にサンプルを載せると、測定ゾンデはそのサンプルの寸法の変化を加熱温度と加熱時間と関連付けて測定して表示する。これに加えて、硫酸-グラファイト粒子からなる粉末状のサンプルをスチール製のるつぼで覆われているコランダム製のるつぼ中へ入れる。このスチール製のるつぼはサンプルを引き伸ばす際、そのスチール製のるつぼの上面と力学的に接触しており、しかも、調整自在の荷重を受けることのできる測定ゾンデにそのサンプルのサイズの変化を引っ張られずに(ruckfrei)伝達することができる。
この測定装置を利用して膨張反応を測定する際に厳守される条件は下記の通りである、即ち、
温度プログラム: (25℃において5分間回路接続された等温相を持つ)ダイナミック法(Modus)
加熱率: 毎分10℃
温度範囲: 25℃-500℃
分析ガス: 合成の空気
フロー率: 毎分50ml
荷重: 0.06 N
サンプル容器: 150μlのコランダムるつぼ + 150μlのスチール製るつぼ(蓋として)
このようにして実施された熱力学分析の結果として、添付の図2中に図示されている本発明に記載の通りに使用されたグラファイト-内位添加化合物の膨張反応のTMAカーブを入手した。
図2中に図示されている通り、硫酸-グラファイト粒子のオンセットは、このサンプルが縦方向へ変化する以前のベースラインと膨張カーブのターニング・タンジェントの交点として数学的に定義付けされている。
オンセット範囲範囲内では、調査した発泡性材料の膨張スピードはターニング・タンジェントの勾配に等しい。従ってこの膨張スピードの単位は(%-℃-1)である。
膨張体積はベースラインとカーブの最高値との間の水平な段に対応している。これは物質の(%を単位とする)伸び乃至出発長さL0を表している。これらの測定の際には体積が量って入れられた物質量に依存する関係にあるので、膨張体積は定量(Einwaage)に基づいて標準化される。〔%/mg-1〕を単位とする伸びが単位として明示される。T100の数値は、100%の最大体積が達成された時の(℃)を単位とする温度を表している。
図2から明らかになる通り、ターニング・タンジェントの勾配は単に膨張の初めのスピードに関する情報だけを提供しているだけである。膨張反応全体を表示できるようにするには、オンセットとそのカーブの最高値(=T100)間の(K-1)を単位とする平均膨張係数αを考察すると適切である。この平均の膨張係数は、下記の通り、即ち
[式1]
Figure 0004450678

として定義付けられており、そこにおいて、△Lは温度変化△Tに起因して起こるサンプルの縦方向の変化に象徴している。
測定はすべて250-400μmという範囲内に分布している比較可能な粒子サイズを持つグラファイトサンプルを用いて実施した。
下記の諸例の中では、作られた硫酸-グラファイト粒子の膨張パラメータを標準化された膨張体積、オンセット範囲内の膨張スピード、平均膨張係数並びに温度T100として表示している。
下記の諸例は本発明のより詳細な解明に役立つものである。
下記の諸例を見ると明らかになる通り、ここに定義付けられている熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物を本発明に記載されている通りに使用すると、オンセット温度を引き下げるだけではなく、意外にもオンセットの範囲内における膨張体積と膨張スピードを同時に高めることができることから、上記の目的を解決すること、即ち、防火-パッキンの目指している膨張を、既に低温の時から顕著に高めの膨張体積とより早い膨張スピードで達成することが可能になることから、この発泡性の防火-パッキンを使用する場合にも同じく壁の中へ差し込んだり、或いは、構造エレメントの背後に取り付ける際、然るべくわずかな熱を供給するだけで、火災時にも、その防火-パッキンに必要な膨張を確保したまま、同時に、敷設部を通って案内されているケーブル・絶縁体及び/又はプラスチックパイプが燃えきれた後も、火や煙が開口を通って行くのを阻止したり、或いは、それを十分遅らしたりすることができる。
ニトロメタン(FeCl3/ニトロメタン-GIC)を使ったFeCl3/ニトロメタン-グラファイト・内位添加化合物の製造。
100ml入りのフラスコ中に入れられている15mlのニトロメタン中へ11.68g(0.07モル)の水を含んでいないFeCl3を溶かす。続いて5g(0.42モル)のグラファイトを添加して、室温で18時間攪拌する。その材料を溶剤としてのニトロメタンで洗浄して、吸引ろ過してから乾燥する。
こうして得たFeCl3/ニトロメタン-グラファイト-内位添加化合物は、乾式ろ過により分離された粒子サイズが250-400μmの時、下記の表3中に記載の膨張パラメータを持っている。
Figure 0004450678
FeCl3/ニトロエタン-グラファイト-中間生成物-内位添加化合物(FeCl3/ニトロエタン-GIC)の製造。
実施例1の方法手順に従って行うが、内位添加化合物としても、溶剤としても、ニトロメタンの代わりにニトロエタンを使用しながら進めて行くと、このようにして突き止められた下記の表4中に記載の膨張パラメータを持つ内位添加-化合物を含有しているグラファイト-内位添加化合物として、FeCl3とニトロエタンを入手する。
Figure 0004450678
FeCl3/1-ニトロプロパン-グラファイト-内位添加化合物(FeCl3/1-ニトロプロパン-GIC)の製造。
実施例1の方法手順に従って行うが、内位添加化合物としても、溶剤としても1-ニトロプロパンを使用しながらタイトルの化合物を入手する。上記の方法の通りに突止め済みのこのグラファイト-内位添加化合物の膨張パラメータは下記の表5中に列挙されている。
Figure 0004450678
FeCl3/ニトロメタンと硫酸を含有しているグラファイト-内位添加化合物(FeCl3/ニトロメタン/H2SO4-GIC)の製造。
最初に100ml入りのフラスコの中に10g(0.84モル)のグラファイトを入れておき、これを酸化剤としての1ml(0.01モル)の30%H2O2及び15mlのH2SO4(95%乃至97%のもの)と置換してから、室温で3時間攪拌する。引き続いてpH・値が3-4になるまで水で洗浄して、乾燥する。
上記の方法により得たH2SO4/H2O2-グラファイトの中の1g(84mモル)を3mlのニトロメタン中の1.17g(7.2mモルの)水を含んでいないFeCl3の溶液へ添加して、室温で20時間攪拌する。引き続いてわずかのニトロメタンで洗浄してから乾燥する。
このようにして得たFeCl3/ニトロメタン/H2SO4-グラファイト-内位添加化合物は表6中に記載されている、上記の通りに突き止められた膨張パラメータを有しており、これは上記の諸例の場合と同様に250-400μmというグラファイト-内位添加化合物の粒子サイズの時に測定されたものである。
Figure 0004450678
FeCl3/ニトロエタン/H2SO4-グラファイト-内位添加化合物(FeCl3/ニトロエタン/H2SO4-GIC)の製造。
実施例4の方法手順に従って進められるが、内位添加添加剤並びに溶剤としてニトロエタンを使用しながらタイトル化合物を用意する。
粒子サイズが250-400μmの時のこの化合物の膨張パラメータを下記の表7中に列挙してある。
Figure 0004450678
FeCl3/1-ニトロプロパン/H2SO4-グラファイト-内位添加化合物(FeCl3/1-ニトロプロパン/H2SO4-GIC)の製造。
実施例4の方法手順に従って進められるが、内位添加添加剤並びに溶剤として1-ニトロプロパンを使用しながら、タイトル化合物を用意する。
粒子サイズが250-400μmの時のこのグラファイト-内位添加化合物の膨張パラメータを下記の表8中に列挙してある。
Figure 0004450678
FeCl3/ニトロメタン/H2SO4/HNO3-グラファイト-内位添加化合物(FeCl3/ニトロメタン/H2SO4/HNO3・GIC)の製造。
100ml入りのフラスコ中に先ず5g(0.42モル)のグラファイトを入れておき、これを3.2ml(0.07モル)のHNO3および3.75ml(0.07モル)のH2SO4(95-97%)と置換してから、室温で1時間半攪拌する。引き続きこのグラファイトを3-4のpH値になるまで水で洗浄してから、これを乾燥する。
引き続き、こうして得られたH2SO4/HNO3-グラファイトを実施例4中に記載されている方法に従ってニトロメタンと置換する。
粒子サイズが250-400μmの時のH2SO4/HNO3-グラファイト-内位添加化合物の膨張パラメータを下記表9中に列挙してある。
Figure 0004450678
4-5のpH値であって、34-36%の含水量(Acronal V271)を持つn-ブチルアクリレート/ビニルアセテートコーポリマーに基づく1.92kgのアクリレート分散液を攪拌ボイラー中で普通回転式攪拌機を使用しながら、10のpH値までアンモニウムを加えながら調節する。続いて18gの殺真菌薬、12gのピグメント分散剤、12gの乳化剤、軟化剤として360gのジイソノニルフタレートおよび不凍剤として108gのモノエチレングリコールを混ぜ込む。更に389gの充填剤と防火添加剤として660gのトリヒドロキシ・アルミニウムを普通回転式攪拌機を使って混入させ、続いて、例1のFeCl3-ニトロメタン-グラファイト-挿入化合物を209g(6重量・%)添加して十分にミックスする。
被検体を作るため、入手した発泡剤の一部を基盤プレート上で引っ張って約5mmの厚みの箔を作る。この密閉材を基盤プレートと共に23℃で7日間乾燥並びに硬化し、更に、50℃で7日間乾燥並びに硬化する。入手した箔から被検体をパンチにより打ち抜いて折り曲げる。
この被検体は上記の通り熱力学による分析(TMA)を受ける。この例に従って入手したアクリレート基の防火・火パッキンのTMAカーブを図3中に再現してある(実線)。図3は、表1に表示されている諸特性を有している、6重量%の市販されている硫酸グラファイトを使用する同じ防火-パッキンとそれの比較を示す図である(破線)。
本発明の教えに従って、金属ハロゲン化物やニトロアルカンを含有しており、熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物を使用しながら製造された、その防火・添加剤の膨張は、市販されている硫酸グラファイトと比較すると、膨張体積に改善が見られ、膨張スピードがより速くなっているにもかかわらず、50℃ほど低めの温度にずれていることが容易に確認可能とされる。従って、驚くべき有利な諸特性を持つ防火-パッキンを本発明に記載される通りに使用することは容易に理解できる。
この改善された膨張特性は更に、肉眼による実験においても同様に目で見ることができる。ここでは、発泡性材料、SVAの『部材の火災時の反応』(1996年11月)に関するDIBTのガイドラインに倣って、上記の通りに作られた防火-パッキン材の硬化サンプル(直径50mmと高さ3mmのディスク)に円筒形の金属容器中で100gの荷重が負荷され、更に30分間600℃で等温に保持する。続いて、(定量に基づき標準化された)発泡の高さを測定する。下記表10中には防火-パッキン剤の発泡の高さを比較再現してある。
Figure 0004450678
本発明に記載の防火-パッキンの場合、発泡の高さが40%以上上昇することが明らかである。
実施例4のFeCl3/ニトロメタン/H2SO4-グラファイト-内位添加化合物を使用しながら実施例8中に記載の措置を繰り返してとる。入手した防火-パッキンの熱力学分析(TMA)に従って入手した膨張特性は図4中に再現されており、その際、本発明に係る防火-パッキンの膨張反応は実線で表されているが、他方、破線のカーブは同じ方法によってではあるが、表1中に表示されている通りの市販されている硫酸-グラファイトを使用しながら作られた比較用の防火-パッキンの膨張反応を示している。金属ハロゲン化物およびニトロアルカンを含有している熱により膨張自在のグラファイト-内位添加化合物を本発明に記載されている通り使用することにより、膨張が約50℃ほど低い温度にずらされていることを再度確認することができる。
実施例8中に表されている肉眼による実験を利用して得られた本発明に係る防火-パッキン並びに比較用の防火-パッキンの膨張特性を、下記の表11中に列挙しておく。
Figure 0004450678
このケースでは、本発明に記載されている通りに作られた防火-パッキンの発泡高さの驚異的な上昇は、比較用パッキンとの比較において80%以上であることが明らかになる。
壁の中へ差し込む(図1a)か、或いは壁上に取り付ける(図1b)ことにより、例えばパイプの仕切り等に施される防火・密閉法である。 本発明に記載の通りに使用されるグラファイト-内位添加化合物の膨張反応に関する熱力学分析(TMA)法によって突き止められたTMAカーブの概略図である。 実施例8に記載される通りに得られた防火-パッキンのTMAカーブである。 実施例9に記載の通りに得られた防火-パッキンのTMAカーブである。

Claims (47)

  1. 少なくとも1種の熱により膨張自在のグラファイト−インターカレート化合物の使用であって、成分が、A)Fe、Al、Sb、Zn、Y、CrおよびNiの少なくとも1種の元素の金属ハロゲン化物、およびB)一般式CH(CHNOにより表される少なくとも1種のニトロアルカンであり、式中nは0から10までのある値を持つ整数を示すものであり、ならびにそれらの構造異性体または混合物を備え、ポリマーマトリックスを用いた発泡性の防火添加剤として、建物の壁、床および/または天井に空けられる突破口、敷設部およびその他の開口用としての発泡性の防火−パッキンを製造するための使用。
  2. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、C)HSO、CHCOOHおよびHNOを含む群の少なくとも1種の酸の成分をインターカレート化合物として追加して備えることを特徴とする、請求項1記載の使用。
  3. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、FeCl、AlCl、SbCl、ZnCl、YCl、CrClおよびNiClの少なくとも1種の金属ハロゲン化物の少なくとも1種の水化物を、グループA)のインターカレート化合物として備えることを特徴とする、請求項1または2記載の使用。
  4. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、グループA)のインターカレート化合物として、FeCl・5HO、FeCl・6HO、FeCl・7HO、FeCl・12HOおよび/または一般式が〔FeCl(HO)6−n〕Cl3−n・nH0の加水分解されたFeCl・ヘキサ水化物であって、式中、nは1から3までのある値を持つ整数を示すものを含有することを特徴とする、請求項3記載の使用。
  5. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、グループB)のニトロアルカンとして、ニトロメタン、ニトロエタンおよび1−ニトロプロパンまたはこれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項記載の使用。
  6. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、HSO/HNO、HSO/CHCOOHおよび/またはCHCOOH/HNOをグループC)の酸として備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項記載の使用。
  7. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、100から1500μmまでの粒子サイズを持つことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項記載の使用。
  8. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、125から1000μmまでの粒子サイズを持つことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項記載の使用
  9. 前記ポリマーマトリックスは、環境温度時に塑弾性であり、および/または≦+120℃のガラス転移温度を所有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項記載の使用
  10. 前記ポリマーマトリックスはポリマーとして、ポリウレタン、塑弾性ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルプロピオネート、ポリスチロール、天然または合成のゴム、シリコン、ポリ〔(メタ)アクリレート〕および、(メタ)アクリレート、アクリルニトリル、ビニルエステル、ビニルエーテル、塩化ビニルおよび/またはスチロールに基づくホモポリマーおよびコポリマーを含む群ならびにハイブリッドポリマーの少なくとも1種の成分を含有することを特徴とする、請求項9記載の使用
  11. 前記ポリマーマトリックスはポリマーとして、ポリ(メタアクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(メタアクリル酸アリルエステル)、ポリ(アクリル酸アリルエステル)、および/またはn−ブチルアクリレートおよび/またはスチロールを有するそれらのコポリマーを含有することを特徴とする、請求項10記載の使用
  12. 前記ポリマーマトリックスは水性の重合体分散液D)と低分子量であって持続的塑性を持つ液体ポリマーE)を、6:1から1:2.5までの重量比で混合されることを特徴とする、請求項9記載の使用
  13. 前記ポリマーマトリックスは水性の重合体分散液D)と低分子量であって持続的塑性を持つ液体ポリマーE)を、4:3から3:4までの重量比で混合されることを特徴とする、請求項9記載の使用
  14. 前記水性の重合体分散液D)は、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルプロピオネート、ポリスチロール、天然または合成のゴム、ポリ〔(メタ)アクリレート〕および、(メタ)アクリレート、アクリルニトリル、ビニルエステル、ビニルエーテル、塩化ビニルおよび/またはスチロールに基づくホモポリマーおよびコポリマーを含む群の少なくとも1種の成分をポリマーとして含有することを特徴とする、請求項12または13記載の使用
  15. 前記水性の重合体分散液D)は、ポリ(メタアクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(メタアクリル酸アリルエステル)、ポリ(アクリル酸アリルエステル)および/または、n−ブチルアクリレート、ビニルアセテートおよび/またはスチロールを有するそれらのコポリマーをポリマーとして含有することを特徴とする、請求項14記載の使用
  16. 前記水性の重合体分散液D)の含水量は、5から60重量%までを持つことを特徴とする、請求項12乃至15のいずれか1項記載の使用
  17. 前記水性の重合体分散液D)の含水量は、20から40重量%までを持つことを特徴とする、請求項12乃至15のいずれか1項記載の使用
  18. 前記水性の重合体分散液D)にはこのような量のマトリックス質量が含有されているために、該ポリマーマトリックス中の水の割合は0.5から25重量%までになることを特徴とする、請求項12乃至17のいずれか1項記載の使用
  19. 前記水性の重合体分散液D)にはこのような量のマトリックス質量が含有されているために、該ポリマーマトリックス中の水の割合は1から10重量%までになることを特徴とする、請求項12乃至17のいずれか1項記載の使用
  20. 前記低分子量であって持続的塑性を持つ液体ポリマーE)は、ISO 1628−1に従って9から50までのK−値または、それから導出された250.000から5.000.000までの分子量を有しており、また、23℃のエチルアセテート・50%溶液中でDIN ISO 3219に従って測定された40から350までのmPa・sの粘性を持つことを特徴とする、請求項12乃至19のいずれか1項記載の使用
  21. 前記低分子量であって持続的塑性を持つ液体ポリマーE)は、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルエーテル、ポリビニルプロピオネート、ポリスチロール、天然または合成のゴム、ポリ〔(メタ)アクリレート〕、アクリルニトリル、ビニルエステル、ビニルエーテル、塩化ビニルおよび/またはスチロールに基づくホモポリマーおよびコポリマーを含む群の少なくとも1種の成分を含有することを特徴とする、請求項12乃至20のいずれか1項記載の使用
  22. 前記低分子量であって持続的塑性を持つ液体ポリマーE)は、ポリ(メタアクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル)、ポリ(メタアクリル酸アリルエステル)、ポリ(アクリル酸アリルエステル)、および/またはn−ブチルアクリレート、ビニルアセテートおよび/またはスチロールを持つそれらのコポリマーをポリマーとして含有することを特徴とする、請求項21記載の使用
  23. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、1重量%から75重量%までの量で前記ポリマーマトリックス中へ取り込まれることを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか1項記載の使用
  24. 前記グラファイト−インターカレート化合物は、3重量%から30重量%までの量で前記ポリマーマトリックス中へ取り込まれることを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか1項記載の使用
  25. 前記ポリマーマトリックスに追加して通常の添加剤F)が通常の量含有されることを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか1項記載の使用
  26. 前記ポリマーマトリックスに、追加した通常の添加剤F)としてセラミック化作用のある防火添加剤F1)、溶融作用のある防火添加剤F2)、膨張する防火添加剤F3)および/または火炎を抑制する防火添加剤F4)が含有されることを特徴とする、請求項25記載の使用
  27. 前記ポリマーマトリックスは、セラミック化作用のある防火添加剤F1)として、粉末ガラス、半融のガラス原料、ガラス繊維、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、カオリン、粘土および/またはベントナイトが含まれ、溶融作用のある防火添加剤F2)として、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム・トリ水化物、ベーマイト(AlO(OH))、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛および/または硫酸カルシウムが含まれ、膨張する防火添加剤F3)として、ひる石、ホウケイ酸ナトリウム、カプセル詰めされたホウケイ酸ナトリウム、ポリリン酸メラミン、シアヌール酸メラミン、リン酸エチレンジアミン、グアニジン、ヒドラジンおよび/またはトリス−2−シアヌール酸ヒドロキシエチルが含まれ、および/または火炎を抑制する防火添加剤F4)として、臭素化されたリン酸エステル、(シクロ)脂肪族の臭素化合物、芳香族の臭素化合物および/またはリン酸エステルを含有することを特徴とする、請求項26記載の使用
  28. 前記ポリマーマトリックスは、追加された通常の添加剤として水、安定化剤、色素および/または充填剤を含有することを特徴とする、請求項25記載の使用
  29. 前記発泡性の防火−パッキンは、硬化する成形可能な防火材として、または帯状、環状またはプレート状の既製品の成形対象物として存在することを特徴とする、請求項1乃至28のいずれか1項記載の使用
  30. 熱により膨張自在のグラファイト−インターカレート化合物の製造方法であって、前記化合物が請求項1乃至29のいずれか1項記載のものであり、a)前記グループA)の少なくとも1種の無水金属ハロゲン化物または1種の金属ハロゲン化物・水化物を、前記グループB)の少なくとも1種のニトロアルカンの存在下に、グラファイト中へインターカレートし、次いで必要に応じて、H SO 、CH COOHおよびHNO を含む群の少なくとも1種のインターカレート化合物C)をコ・インターカレートし、またはb)熱により膨張自在のグラファイト−インターカレート化合物で、H SO 、CH COOHおよびHNO を含む群の少なくとも1種の酸C)がインターカレートされるものに、少なくとも1種の金属ハロゲン化物・水化物A)を、必要に応じてグループB)の少なくとも1種のニトロアルカンの存在下にコ・インターカレートすることを特徴とする、方法
  31. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのために、前記グループC)の少なくとも1種の酸がE >0.55Vの酸化還元電位を持つ酸化剤の使用の下にインターカレートされることを特徴とする、請求項30記載の製造方法
  32. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのために、前記グループC)の少なくとも1種の酸が、過酸化水素、硝酸、臭化アルカリ金属、ヨウ化アルカリ金属または過マンガン酸アルカリ金属、酸化マンガン(IV)、Ce(IV)の塩および/またはペルオキソ二硫酸アルカリ金属の酸化剤としての使用の下にインターカレートされることを特徴とする、請求項31記載の製造方法
  33. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのために、グループC)の少なくとも1種の酸が前記グループC)の酸に対する酸化剤のモル比として、0.001から10までのモル比の適用の下にインターカレートされることを特徴とする、請求項31または32記載の製造方法
  34. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのために、グループC)の少なくとも1種の酸が前記グループC)の酸に対する酸化剤のモル比として、0.01から1までのモル比の適用の下にインターカレートされることを特徴とする、請求項31または32記載の製造方法
  35. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのために、前記グループA)の少なくとも1種の無水金属ハロゲン化物あるいは金属ハロゲン化物・水化物および/または前記グループC)の少なくとも1種の酸が有機溶剤の使用の下にインターカレートされることを特徴とする、請求項33または34記載の製造方法
  36. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのために、前記グループA)の少なくとも1種の無水金属ハロゲン化物あるいは金属ハロゲン化物・水化物および/または、前記グループC)の少なくとも1種の酸が、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸、トリフルオロ酢酸および/またはトルオールの有機溶剤としての使用の下にインターカレートされることを特徴とする、請求項35記載の製造方法
  37. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのため、前記グループA)の少なくとも1種の無水金属ハロゲン化物あるいは金属ハロゲン化物・水化物が固体反応によりおよび/または1種または複数種類の有機溶剤の存在下にインターカレートされることを特徴とする、請求項30記載の製造方法
  38. グラファイト−インターカレート化合物の前記コ・インターカレートのため、四塩化炭素、塩化チオニル、一般式CH (CH NO のニトロアルカンで、式中、nは0から10までのある値を示す整数であり、ならびにその構造異性体、またはニトロメタン、ニトロエタンおよび/または1−ニトロプロパン、またはそれらの混合物の有機溶剤としての使用の下に生産されることを特徴とする、請求項37記載の製造方法
  39. 前記コ・インターカレートを溶剤の存在下で実行することを特徴とする、請求項30乃至38のいずれか1項記載の製造方法
  40. 前記グループC)の酸をコ・インターカレートする際、溶剤としてクロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸、トリフルオロ酢酸および/またはトルオールを用い、および前記グループA)の金属ハロゲン化物・水化物をコ・インターカレートする際、溶剤として四塩化炭素、塩化チオニルおよび/または一般式CH (CH NO のニトロアルカンで、式中、nは0から10までのある値を示す整数であり、ならびにそれらの構造異性体、またはニトロメタン、ニトロエタンおよび/または1−ニトロプロパン、またはそれらの混合物を使用することを特徴とする、請求項33記載の製造方法。
  41. 最初の段階では、それ自体普通の酸化およびグラファイト中への硫酸のインターカレートにより、必要に応じて、それに適切な溶剤中で、熱により膨張自在のグラファイト−硫酸−インターカレート化合物を作り、および第二段階では、入手された熱によって膨張自在のそのグラファイト−硫酸−インターカレート化合物をFeCl 水化物と分離し、または分離せずに、それに適切な溶剤中で置換し、および次いで硫酸およびFeCl 水化物および溶剤をインターカレート化合物として含有する熱により膨張自在のグラファイト・インターカレート化合物を分離し、洗浄し、および乾燥することを特徴とする、請求項30乃至40のいずれか1項記載の製造方法。
  42. 溶剤で洗うという洗浄を行うことを特徴とする、請求項41記載の製造方法。
  43. 洗浄液として、水または有機溶剤、または四塩化炭素、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸、トリフルオロ酢酸、トルオールおよび/または塩化チオニル、一般式CH (CH NO のニトロアルカンで、式中、nは0から10までのある値を示す整数であり、ならびにそれらの構造異性体、またはニトロメタン、ニトロエタンおよび/または1−ニトロプロパンまたはそれらの混合物を用いることを特徴とする、請求項42記載の製造方法。
  44. FeCl ・水化物による前記置換は、−10℃から100℃までの範囲内の温度の際に、3分間から72時間までにわたり行うことを特徴とする、請求項41乃至43のいずれか1項記載の製造方法。
  45. FeCl ・水化物による前記置換は、10℃から50℃までの範囲内の温度の際に、3分間から72時間までにわたり行うことを特徴とする、請求項41乃至43のいずれか1項記載の製造方法。
  46. FeCl ・水化物による前記置換は、3分間から72時間までに代えて5から48時間までにわたり行うことを特徴とする、請求項44または45記載の製造方法。
  47. 硫酸あるいはFeCl ・水化物を1モルのグラファイト当たり1.0×10 −4 から20モルまでの量を使用することを特徴とする、請求項41乃至46のいずれか1項記載の製造方法。
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