JP4449106B2 - Mos型固体撮像装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子及びその製造方法、特に、C−MOS型などのMOS型の固体撮像素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯型のパーソナルコンピュータや小型ビデオカメラの進展に伴い、益々低消費電力の固体撮像素子が必要になってきている。特に、画像処理を扱う装置は、CCD固体撮像素子が主流で用いられているが、その動作特性上から低消費電力化は非常に困難である。CCD固体撮像素子を駆動させるためには、少なくとも5V以上の電圧が必要である。携帯装置のデジタルLSIは、近年、1.5V化の研究開発が主流であるが、これら携帯装置の低消費電力化において、CCD固体撮像素子を用いると、電力消費が甚だしく、大きな問題を有している。
【0003】
そこで、近年、画像入力素子としてC−MOS型の固体撮像素子が注目されている。この固体撮像素子はC−MOS技術を用いるため、低電圧の駆動が可能となり、特に近年の携帯端末との組み合わせには低消費電力化の観点で非常に有効な固体撮像素子と考えられる。
【0004】
図21は、C−MOS型固体撮像素子の1画素の概略構成を示す。この固体撮像素子1は、シリコン基板の第1導電型、例えばp型の半導体領域2に各画素を区画する例えば選択酸化(LOCOS)による素子分離層3が形成され、各区画されたp型半導体領域2にセンサ部となるフォトダイオード5を構成するn型半導体領域4が形成されると共に、このフォトダイオード5に接続されるスイッチング用MOSトランジスタ6が形成されて成る。スイッチング用MOSトランジスタ6は、フォトダイオード5のn型半導体領域4を一方のソース・ドレイン領域とし、このn型半導体領域4と他方のソース・ドレイン領域7との間のp型半導体領域2上に、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極9を形成してなるトランスファゲート部11を形成して構成される。このゲート電極9は図示せざるも垂直選択線に接続され、ソース・ドレイン領域7は垂直信号線に接続される。
【0005】
このC−MOS型固体撮像素子1では、入射光Lによってフォトダイオード5で光電変換された電子が、フォトダイオード5からスイッチング用MOSトランジスタ6のトランスファゲート部11を介してソース・ドレイン領域7へ流入し、この電子が垂直信号線を通してMOSトランジスタによるアンプ10等によって増幅され、画像信号として出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このC−MOS型固体撮像素子1は、CCD固体撮像素子と異なる駆動であるため、画像上に発生するノイズの観点から、CCD固体撮像素子と比較して格段に劣化する欠点を有している。
【0007】
C−MOS型固体撮像素子の場合には、図21に示すようにフォトダイオード5からソース・ドレイン領域7へ電子を転送させる際に、光電変換された電子、いわゆる信号成分Sのみを転送させることが重要であるが、暗電流に伴うノイズ成分Nの電子が加わり、これが結果としてS/N比の低下につながる。また、従来のC−MOS型固体撮像素子は、フォトダイオード5のポテンシャルに溜まる電子も出来るだけ多い方がダイナミックレンジが大きくなるが、画素の微細化の為に設計上大きな構造的変化は困難であり、低いレベルのダイナミックレンジで用いられているのが現状である。
【0008】
これらの問題点は、現状では明確化されてなく、決め手となる解決策も示されていない。
【0009】
現状では、CDS回路でノイズを除去させるのが主流であり、プロセス的見地で暗電流対策に積極的に発表されているものはない。
【0010】
本発明は、上述の点に鑑み、本発明は、高い感度と低い暗電流を確保できるMOS型固体撮像素子及びその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るMOS型固体撮像素子は、第1の第1導電型半導体ウェル領域に形成されたpn接合型のセンサ部及び該センサ部に接続されたスイッチングトランジスタを有する複数の画素と、画素を分離するための選択酸化による素子分離層と、素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れてセンサ部側へ一部延長し、且つ一部延長する部分がセンサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接するように形成された第2の第1導電型半導体ウェル領域と、スイッチングトランジスタのゲート電極端に形成されたサイドウォールと、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、サイドウォール下又は/及び第2の第1導電型半導体ウェル領域側の端に選択的に形成された第1導電型半導体層とを有する。
本発明に係るMOS型固体撮像素子は、上記MOS型固体撮像素子において、さらにセンサ部を構成する第2導電型半導体領域及び第1導電型半導体層の表面全域に形成された第1導電型半導体領域を有する。
【0012】
本発明のMOS型固体撮像素子においては、素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れてセンサ部側へ一部延長し、且つ一部延長する部分がセンサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接するように形成された第2の第1導電型半導体ウェル領域を有するので、素子分離層端の付近で発生し易い結晶欠陥がこの第2の第1導電型半導体ウェル領域に取り込まれ、結晶欠陥から放出された不要電荷が第2の第1導電型半導体ウェル領域内で再結合されて消滅又は低減する。また、本発明では、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、サイドウォール下又は/及び前記第2の第1導電型半導体ウェル領域側の端に選択的に形成された第1導電型半導体層を有するので、ゲート端の付近又は/及び素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥が第1導電型半導体層に取り込まれ、結晶欠陥から放出された不要電荷がこの第1導電型半導体層内で再結合されて消滅又は低減する。従って、暗電流の増加が抑えられ、また、暗電流に伴うノイズ成分の不安電荷が減ってS/N比が向上する。
本発明のMOS型固体撮像素子においては、上記MOS型固体撮像素子において、さらにセンサ部を構成する第2導電型半導体領域及び第1導電型半導体層の表面全域に形成された第1導電型半導体領域を有するときは、センサ部における半導体と絶縁膜との界面で発生する電荷がこの第1導電型半導体領域で再結合される。従って、より暗電流が低減し、S/N比が向上する。
【0013】
本発明に係るMOS型固体撮像素子は、第1の第1導電型半導体ウェル領域に形成されたpn接合型のセンサ部及び該センサ部に接続されたスイッチングトランジスタを有する複数の画素と、画素を分離するための選択酸化による素子分離層と、素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れてセンサ部側へ一部延長し、且つ一部延長する部分がセンサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接するように形成された第2の第1導電型半導体ウェル領域と、スイッチングトランジスタのゲート電極端に形成されたサイドウォールと、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、サイドウォール下から第2の第1導電型半導体ウェル領域に接する領域にわたって形成された第1導電型半導体領域とを有する。
本発明に係るMOS型固体撮像素子は、上記MOS型固体撮像素子において、第1導電型半導体領域がスイッチングトランジスタのゲート電極下の全域まで延長される。
【0014】
本発明の固体撮像素子においては、素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れてセンサ部側へ一部延長し、且つ一部延長する部分がセンサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接するように形成された第2の第1導電型半導体ウェル領域を有するので、素子分離層端の付近で発生し易い結晶欠陥がこの第1の第1導電型半導体領域に取り込まれ、結晶欠陥から放出された不要電荷が第1導電型半導体層内で再結合されて消滅又は低減する。また、本発明では、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、サイドウォール下から第2の第1導電型半導体ウェル領域に接する領域にわたって形成された第1導電型半導体領域を有するので、ゲート端の付近又は/及び素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥が第1導電型半導体層に取り込まれると共に、センサ部における半導体と絶縁膜との界面で発生する電荷がこの第1導電型半導体領域で再結合される。従って、暗電流が低減し、S/N比が向上する。
本発明のMOS型固体撮像素子においては、上記MOS型固体撮像素子において、第1導電型半導体領域がスイッチングトランジスタのゲート電極下の全域まで延長されるときは、ゲート下のチャネル部が埋め込みチャネル構造となり、さらに暗電流が低減し、S/N比が向上する。
【0015】
本発明に係るMOS型固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に、センサ部を有する画素を分離する素子分離層を選択酸化で形成する工程と、素子分離層の下を含んで画素が形成される領域の全面に第1の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れてセンサ部側へ一部延長する第2の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、素子分離層で区画された第1の第1導電型半導体ウェル領域に、スイッチングトランジスタのゲート電極を挟んでソース・ドレインとなる第2導電型半導体領域と、端部が深さ方向の全長にわたって第2の第1導電型半導体ウェル領域に接するpn接合型のセンサ部を構成する第2導電型半導体領域とを形成する工程と、ゲート電極の端にサイドウォールを形成する工程と、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、サイドウォール下又は/及び第2の第1導電型半導体ウェル領域側の端に選択的に第1導電型半導体層を形成する工程とを有する。
本発明に係るMOS型固体撮像素子の製造方法は、上記MOS型固体撮像素子の製造方法において、センサ部を構成する第2導電型半導体領域を形成する工程の前に、該第2導電型半導体領域に対応する第1の第1導電型半導体ウェル領域の表面に第1導電型半導体領域を形成する工程を有する。
【0016】
本発明のMOS型固体撮像素子の製造方法においては、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接する第2の第1導電型半導体ウェルを形成するので、素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥が第2の第1導電型半導体ウェル領域に取り込まれる。また、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、サイドウォール下又は/及び第2の第1導電型半導体ウェル領域側の端に選択的に第1導電型半導体層を形成するので、スイッチングトランジスタのゲート端の付近又は/及び素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥が第1導電型半導体層によって取り込まれる。従って、結晶欠陥から放出される不要電荷が減り、暗電流の低い、且つS/N比が向上した固体撮像素子の製造が可能になる。
本発明のMOS型固体撮像素子の製造方法では、上記MOS型固体撮像素子の製造方法において、さらにセンサ部を構成する第2導電型半導体領域を形成する工程の前に、該第2導電型半導体領域に対応する第1の第1導電型半導体ウェル領域の表面に第2の第1導電型半導体領域を形成するときは、センサ部における半導体と絶縁膜との界面で発生する電荷がこの第1導電型半導体領域で再結合される。従って、より暗電流が低減し、S/N比が向上した固体撮像素子の製造が可能になる。
【0017】
本発明に係るMOS型固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に、センサ部を有する画素を分離する素子分離層を選択酸化で形成する工程と、素子分離層の下を含んで画素が形成される領域の全面に第1の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れてセンサ部側へ一部延長する第2の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、素子分離層で区画され第1の第1導電型半導体ウェル領域の表面全面に第1導電型半導体領域を形成する工程と、素子分離層で区画された第1の第1導電型半導体ウェル領域上にゲート絶縁膜を介したスイッチングトランジスタのゲート電極と、ゲート電極の端のサイドウォールを形成する工程と、素子分離層で区画された各第1の第1導電型半導体ウェル領域に、スイッチングトランジスタのゲート電極を挟んでソース・ドレインとなる第2導電型半導体領域と、端部が深さ方向の全長にわたって第2の第1導電型半導体ウェル領域に接するpn接合型のセンサ部を構成する第2導電型半導体領域とを形成する工程とを有する。
【0018】
本発明のMOS型固体撮像素子の製造方法においては、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接する第2の第1導電型半導体ウェルを形成するので、素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥が第2の第1導電型半導体ウェル領域に取り込まれる。また、スイッチングトランジスタのゲート電極、センサ部を構成する第2導電型半導体領域を形成する前に、素子分離層で区画された第1の第1導電型半導体ウェル領域の表面全面に第1導電型半導体領域を形成するので、スイッチングトランジスタのゲート下のチャネル部が埋め込みチャネル構造となる。同時に、その後に形成されるセンサ部において、半導体と絶縁膜との界面での電荷の発生を抑制できる。また、ゲート端の付近又は/及び素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥を第1導電型半導体層に取り込むことができる。従って、さらに暗電流が低減し、S/N比が向上した固体撮像素子の製造が可能になる。
【0019】
本発明に係るMOS型固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に、センサ部を有する画素を分離する素子分離層を選択酸化で形成する工程と、素子分離層の下を含んで画素が形成される領域の全面に第1の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れてセンサ部側へ一部延長する第2の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、素子分離層で区画された第1の第1導電型半導体ウェル領域に、スイッチングトランジスタのゲート電極を挟んでソース・ドレインとなる第2導電型半導体領域と、端部が深さ方向の全長にわたって第2の第1導電型半導体ウェル領域に接するpn接合型のセンサ部を構成する第2導電型半導体領域とを形成する工程と、ゲート電極の端にサイドウォールを形成する工程とセンサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面に、サイドウォール下から第2の第1導電型半導体ウェル領域に接する領域にわたって第1導電型半導体領域を形成する工程とを有する。
【0020】
本発明のMOS型固体撮像素子の製造方法においては、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接する第2の第1導電型半導体ウェルを形成するので、素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥が第2の第1導電型半導体ウェル領域に取り込まれる。また、センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面に第1導電型半導体領域を形成するので、ゲート端の付近又は/及び素子分離層端の付近に生じ易い結晶欠陥を第1導電型半導体層に取り込むと共に、センサ部における半導体と絶縁膜との界面で発生する電荷を抑制できる。従って、暗電流が低減し、S/N比が向上した固体撮像素子の製造が可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
先ず、固体撮像素子における暗電流発生のメカニズムについて述べ、次にその対策を施した本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
従来のCCD固体撮像素子では、画素となる複数の受光センサ部がマトリックス状に配列され、各受光センサ部列の一側にCCD構造の垂直転送レジスタが形成され、さらに、各垂直転送レジスタに接続するCCD構造の水平転送レジスタが形成され、各受光センサ部で発生した電荷(例えば電子)を垂直転送レジスタに読み出し、垂直転送レジスタより1水平ライン毎の電荷を水平転送レジスタへ転送した後、水平転送レジスタ内を出力部に向って順次転送するように構成される。
【0023】
図23は、CCD固体撮像素子の2相駆動方式の水平転送レジスタの構成を示す。この水平転送レジスタ15は、第1導電型、例えばp型の半導体領域16に第2導電型、即ちn型の埋込み転送チャネル領域17を形成し、この転送チャネル領域12上にゲート絶縁膜18を介して電荷転送方向に例えば2相ポリシリコン膜構造の転送電極19を配列形成して構成される。そして、各隣り合う転送電極同士が接続されて2相の駆動パルスφ1 及びφ2 が印加される。接続された2つの転送電極のうちの一方の転送電極(いわゆるトランスファ転送電極)下のn型埋め込み転送チャネル領域17にそのn型不純物濃度を薄めるためp型不純物20が導入される。信号電荷は2相駆動パルスφ1 及びφ2 によって矢印a方向に転送される。
【0024】
CCD固体撮像素子では、構造が単純であるために、結晶欠陥が生じにくく、後述するような結晶欠陥による暗電流は生じにくい。
【0025】
これに対し、C−MOS型固体撮像素子においては、前述の図21に示すように、各画素が隣の画素と素子分離層3によって分離され、MOSトランジスタ7への電荷(例えば電子)の転送をC−MOSプロセスで同時に作製したトランスファゲート部11を介して行っている。トランスファゲート部11の側部には絶縁膜によるサイドウォール12が形成される。
【0026】
ここで、典型的なC−MOSプロセスを示す。シリコン基板のp型半導体領域2に選択酸化(LOCOS)による素子分離層3を形成した後、ゲート酸化膜8を形成する。その後、多結晶シリコン膜及びタングステンシリサイド膜を形成し、ドライエッチングによってパターニングしてゲート電極9を形成する。次に、フォトダイオード5以外のp型半導体基体2にゲート電極9をマスクにセルファラインで低濃度のAsイオン注入を行いLDD構造の低不純物濃度のn- 領域を形成する。
【0027】
次に、全面にSiO2 膜を成膜し、ドライエッチングによるエッチバックでゲート電極9の側部に酸化膜のサイドウォール12を形成する。次に、フォトダイオード5以外の上記n- 領域に高濃度のAsイオン注入を行ってn+ 領域を形成し、n- 領域とn+ 領域によるLDD構造のソース・ドレイン領域7を形成する。
【0028】
その後、活性化のための熱処理を行う。この熱処理は、1000℃以上の高温度で行うので、シリコン基板にかなりの熱ストレスを与えることになる。この結果、素子分離層3の周辺部及びゲート電極のサイドウォール12の周辺部のシリコン基板に結晶欠陥が多数入る。
【0029】
この製造プロセスによって、C−MOS型固体撮像素子のフォトダイオード5を含む画素を形成すると、図22に示すようにフォトダイオード5のn型半導体領域4に結晶欠陥13が発生する。この結晶欠陥13から暗電流の起因となる電子が放出することを見出した。従来構造では、フォトダイオードの信号電荷となる電子を溜めるポテンシャル内まで、この結晶欠陥13が入り込むことによって暗電流が発生する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る例えばC−MOS型の固体撮像素子の一例の構成を示す。
【0031】
この固体撮像素子30は、光電変換を行うフォトダイオード(即ちpn接合型のセンサ部)31と画素を選択する垂直選択用スイッチ素子(例えばMOSトランジスタ)33と読み出し用スイッチ素子(例えばMOSトランジスタ)32とによって構成された単位画素34がマトリックス状に複数配列されて成る撮像領域と、各行毎に垂直選択用スイッチ素子33の制御電極(いわゆるゲート電極)が共通に接続された垂直選択線35に垂直走査パルスφV〔φV1 ,‥‥φVm,‥‥φVm+k ,‥‥〕を出力する垂直走査回路36と、各列毎に読み出し用スイッチ素子32の主電極が共通に接続された垂直信号線37と、各列毎に垂直選択用スイッチ素子33の主電極に接続された読み出しパルス線38と、垂直信号線37と水平信号線39に主電極が接続された水平スイッチ素子(例えばMOSトランジスタ)40と、水平スイッチ素子40の制御電極(いわゆるゲート電極)と読み出しパルス線38に接続された水平走査回路41と、水平信号線39に接続されたアンプ42により構成される。
【0032】
各単位画素34では、読み出し用スイッチ素子32の一方の主電極がフォトダイオード31に接続され、その他方の主電極が垂直信号線37に接続される。また、垂直選択用スイッチ素子33の一方の主電極が読み出し用スイッチ素子32の制御電極(いわゆるゲート電極)に接続され、その他方の主電極が読み出しパルス線38に接続され、その制御電極(いわゆるゲート電極)が垂直選択線35に接続される。
【0033】
水平走査回路41から各水平スイッチ素子40の制御電極(いわゆるゲート電極)に水平走査パルスφH〔φH1 ,‥‥φHn ,φHn+1 ,‥‥〕が供給されると共に、各読み出しパルス線38に水平読み出しパルスφHR 〔φHR 1 ,‥‥φHR n ,φHR n+1 ‥‥〕が供給される。
【0034】
この固体撮像素子30の基本動作は次のようになる。垂直走査回路36からの垂直走査パルスφVm と、水平走査回路41からの読み出しパルスφHR n を受けた垂直選択用スイッチ素子33が、それらのパルスφVm ,φHR n の積のパルスを作り、この積のパルスで読み出し用スイッチ素子32の制御電極を制御して、フォトダイオード31で光電変換された信号電荷を垂直信号線37に読み出す。この信号電荷は、水平映像期間中に、水平走査回路41からの水平走査パルスφHn により制御された水平スイッチ素子40を通して水平信号線39に出て、これに接続されたアンプ42により信号電圧に変換されて出力される。
【0035】
尚、単位画素34の構成としては、上例に限らず、例えば図2、図3、その他等の種々の構成を取り得る。図2では、単位画素34が、フォトダイオード31と之に接続された読み出し用MOSトランジスタ32で構成され、読み出し用MOSトランジスタ32の他方の主電極が垂直信号線37に接続されると共に、そのゲート電極が垂直選択線に接続される。
【0036】
図3では、単位画素34が、フォトダイオード31と、読み出し用MOSトランジスタ51と、FD(フローティングディフージョン)アンプMOSトランジスタ52と、FDリセットMOSトランジスタ53と、垂直選択用MOSトランジスタ54で構成される。そして、読み出し用MOSトランジスタ51の一方の主電極がフォトダイオード31に接続されると共に他方の主電極がFDリセットMOSトランジスタ53の一方の主電極に接続される。FDリセットMOSトランジスタ53の他方の主電極と垂直選択用MOSトランジスタ54の一方の主電極間にFDアンプMOSトランジスタ52が接続され、FDアンプMOSトランジスタ52のゲート電極が、読み出し用MOSトランジスタ51とFDリセットMOSトランジスタ53の接続中点であるFD(フローティングディフージョン)部に接続される。読み出し用MOSトランジスタ51のゲート電極は垂直読み出し線55に接続され、FDリセットMOSトランジスタ53の他方の主電極が電源VDDに接続されると共にそのゲート電極が水平リセット線58に接続され、垂直選択用MOSトランジスタ54の他方の主電極が垂直信号線56に接続され、そのゲート電極が垂直選択線57に接続される。
【0037】
図4は、本発明に係る単位画素34、特にそのpn接合型のセンサ部(フォトダイオード)31(図1参照)の一実施の形態を示す。尚、以下の実施の形態のCMOSはすべてNMOSで構成された例である。PMOSで構成された場合は、すべて逆の導電型のイオンが注入されることになる。
【0038】
本実施の形態においては、第2導電型、例えばn型の半導体基板61に第1導電型の例えばp型の第1の半導体ウエル領域62を形成し、選択酸化による素子分離層63により画素分離された第1のp型半導体ウエル領域62の表面に、n型半導体領域64を形成し、第1のp型半導体ウエル領域62とn型半導体領域64との間でpn接合jを形成してなるセンサ部(フォトダイオード)311が構成される。
【0039】
画素分離された第1のp型半導体ウエル領域62内の他部には、センサ部311のn型半導体領域64と同時に形成されたn型半導体領域64′内にn型の低不純物濃度領域65と高不純物濃度領域66からなるLDD構造のソース・ドレイン領域67が形成され、このソース・ドレイン領域67とセンサ部311のn型半導体領域64間に対応するp型半導体ウエル領域62上に、ゲート絶縁膜68を介してゲート電極69を形成してNMOSトランジスタからなる読み出し用スイッチ素子32が形成される。なお、図示せざるも画素分離された第1のp型半導体ウエル領域62内にはLDD構造のNMOSトランジスタからなる垂直選択用スイッチ素子33が同様にして形成される。
【0040】
そして、本実施の形態では、特に、素子分離層63で区画された画素のアクティブ領域側の周辺部、即ち素子分離層63に接する周辺部に第2のp型半導体ウエル領域70の延長部70aが形成される。本例では画素分離するための素子分離層63下よりセンサ部311の実質的な電荷蓄積領域となるn型半導体領域64側に、即ち、素子分離層63の端部付近に発生する結晶欠陥発生部を取り込むように延長する第2のp型半導体ウエル領域70が形成される。
【0041】
第2のp型半導体ウエル領域70の終端は、素子分離層63の端部から離れたセンサ部側に存するように形成され、センサ部311の電荷蓄積領域であるn型半導体領域64の端部は、深さ方向の全長にわたって第2のp型半導体ウエル領域の延長部70aと接するようになされる。センサ部311のpn接合jは、n型半導体領域64と第2のp型半導体ウエル領域の延長部70aとの間でも形成される。
【0042】
さらに、本実施の形態では、センサ部の電荷蓄積領域となるn型半導体領域64内に、他の結晶欠陥発生部分を取り込むように、p型半導体層71が形成される。本例ではn型半導体領域64の、ゲート端付近、即ちゲート電極69の絶縁膜によるサイドウォール72下を含むゲート端付近と、素子分離層63端付近、即ち、第2の半導体ウエル領域の延長部70aに接する端部付近に、p型半導体層71が形成される。
【0043】
第2のp型半導体ウエル領域70の延長部70aは、読み出し用スイッチ素子32のソース・ドレイン領域67側、及び垂直選択用スイッチ素子33のソース・ドレイン領域側にも形成される。
【0044】
図5及び図7は、センサ部311を有する画素部分の製造方法を示す。
先ず、図5Aに示すように、n型のシリコン半導体基板61の表面に画素分離のための選択酸化による素子分離層63を形成した後、素子分離層63下を含んで単位画素を形成すべきアクティブ領域の全面にp型不純物をイオン注入して第1のp型半導体ウエル領域62を形成する。この第1のp型半導体ウエル領域62は、前述した第1導電型半導体基体に相当する。
【0045】
さらに、基板表面にアクティブ領域を覆って素子分離層63の周辺端部から離れたアクティブ領域側にレジスト端75aが存するように所定パターンのフォトレジスト層75を形成し、このフォトレジスト層75をマスクにp型不純物をイオン注入して第2のp型半導体ウエル領域70を形成する。この第2のp型半導体ウエル領域70は、その終端、即ち延長部70aの終端が素子分離層63の端部より離れたアクティブ領域側に形成されることになる。つまり、第2のp型半導体ウエル領域70の延長部70aはアクティブ領域側の素子分離層周辺部(つまり結晶欠陥が発生し易い部分)に延長形成される。
この第2のp型半導体ウエル領域70は、その後、形成されるセンサ部の電荷蓄積領域となるn型半導体領域64のイオン注入で相殺されない程度の不純物濃度、即ち、n型半導体領域64より高濃度をもって形成する。
【0046】
次に、図5Bに示すように、アクティブ領域の第1のp型半導体ウエル領域62上にゲート絶縁膜(例えばSiO2 膜)68を形成し、次いで、多結晶シリコン膜及びタングステンシリサイド(WSi)膜等を成膜し、之をドライエッチングによりパターニングして読み出し用スイッチ素子及び垂直選択用スイッチ素子のゲート電極(トランスファゲート)、即ちゲート配線69を形成する。
【0047】
ゲート配線39の形成条件例を示す。
多結晶シリコン成膜条件:供給ガスSiH4 /He/N2 =100/400/200sccm,圧力70Pa,基板濃度610℃。
タングステンシリサイド成膜条件:供給ガスSiH2 Cl2 /WF6 /Ar=300/2.8/50,圧力20Pa,基板温度520℃。
ゲート配線69を形成した後、ゲート配線69をマスクにセルファラインでスイッチ素子となるnチャネルMOSトランジスタのLDD構造のソース・ドレイン領域のうちの低不純物濃度領域65をイオン注入で形成する。このn型低不純物濃度領域65は、例えばヒ素(As)を1012cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成する。なお、スイッチ素子をpチャネルMOSトランジスタで形成するときは、ボロン(B)を1012cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成することができる。
【0048】
さらに、ゲート配線69をマスクにセルファラインで第1のp型半導体ウエル領域62のセンサ部311を形成すべき領域に、n型不純物、例えばヒ素(As)を1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して電荷蓄積領域となるn型半導体領域64を形成し、ここにpn接合を有するセンサ部311を形成する。このn型半導体領域64の形成時に同時にスイッチ素子のソース・ドレイン側にも同様のn型半導体領域64′を形成する。
【0049】
次いで、ゲート配線69を含む全面に絶縁膜例えばSiO2 膜を形成し、その後エッチバックしてゲート配線69の側壁にSiO2 によるサイドウォール72を形成する。
【0050】
次に、図6Cに示すように、サイドウォール62をマスクにセルファラインでスイッチ素子のnチャネルMOSトランジスタにおけるソース・ドレイン領域の高不純物濃度領域66をイオン注入で形成する。
このn型高不純物濃度領域66は、例えばヒ素(As)を1015cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成する。なお、スイッチ素子をpチャネルMOSトランジスタで形成するときは、BF2 を1015cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成することができる。
この低濃度不純物領域65と高濃度不純物領域66によって、LDD構造のソース・ドレイン領域67を形成する。
【0051】
次に、図6Dに示すように、センサ部311のn型半導体領域64において、その結晶欠陥が発生し易い部分、特にゲート配線69の端部付近及び素子分離層63の端部付近に、結晶欠陥部分を取り込むように選択的にp型半導体層71をイオン注入で形成する。このp型半導体層71は、例えばBF2 を1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。このp型半導体層71はフォトレジストをパターニングしてこのフォトレジストをマスクにイオン注入で形成することができる。
【0052】
次に、図7Eに示すように、層間絶縁膜76を形成する。この層間絶縁膜76は、例えばTEOS〔tetraethoxysilane:(C2 H5 O)4Si〕=50sccm、温度720℃、圧力42Pa、膜厚0.5μmの条件で成膜する。そして、例えば1000℃、10秒の短時間アニール(RTA)で活性化処理を施す。次いで、層間絶縁膜76にソース・ドレイン領域67に接する接続孔77を形成する。
【0053】
次に、図7Fに示すように、接続孔77の内面にTi膜及びTiN膜を順次積層して密着層78を形成した後、接続孔77内にタングステン(W)プラグ79を埋め込む。さらにタングステンプラグ79に接続するように層間絶縁膜76上に例えばアルミニウム(Al)等の導電材料にて配線80を形成する。
【0054】
この密着層78、タングステンプラグ79、配線80の形成条件の一例を示す。
Ti膜形成条件例:スパッタパワー8kW,成膜温度150℃,ガスAr=100sccm,圧力0.47Pa。
TiN膜形成条件例:スパッタパワー5kW,ガスAr/N2 =40/20sccm,圧力0.47Pa。 WのCVD成膜条件例:ガスAr/N2 /H2 /WF6 =2200/300/500/75sccm,温度450℃,圧力1040Pa。
タングステンをエッチバックする。
ドライエッチ条件例:ガスSF6 =50sccm,RFパワー150W,圧力1.33Pa。
アルミニウム成膜条件例:スパッタパワー22.5kW,成膜温度150℃,ガスAr50sccm,圧力0.47Pa。
その後、レジストパターニング後ドライエッチングで配線50を形成する。
ドライエッチング条件例:ガスBCl3 /Cl2 =60/90sccm,マイクロ波パワー1000W,RFパワー50W,圧力0.016Pa。
上述のセンサ部311を備えた固体撮像素子によれば、第2のp型半導体ウエル領域70を素子分離層63の端部よりセンサ側に延長して形成することにより、センサ部311を形成するフォトダイオードのpn接合を、転位等の結晶欠陥が発生し易い素子分離層63端の近傍の半導体領域から離すことができ、pn接合に逆バイアスをかけたときに、空乏層を素子分離層63端から離れた位置に発生させることができる。
【0055】
転位等の結晶欠陥が発生し易い素子分離層63端が第2のp型半導体ウエル領域70の延長部70aにより取り込まれるので、結晶欠陥から放出される電子が第2のp型半導体ウエル領域の延長部70a内で再結合され消滅、乃至は低減される。
【0056】
さらに、センサ部の電荷蓄積領域となるn型半導体領域64において、ゲート配線69端の付近及び素子分離層63端の付近の結晶欠陥が発生し易い表面部分に選択的にp型半導体層71を形成することにより、さらにここにおける結晶欠陥から放出される電子がp型半導体層71内で再結合され、消滅、乃至低減される。従って、ノイズ成分となる電子の発生が抑制され、暗電流が低減する。この結果、S/N比が向上し、高い感度が得られる。
【0057】
図8は、本発明に係る単位画素34、特にそのセンサ部31(図1参照)の他の実施の形態を示す。
本実施の形態においては、pn接合型のセンサ部の電荷蓄積領域となるn型半導体領域64と表面の例えばSiO2 等の絶縁膜76との界面に、サイドウォール72下のゲート配線69端にまで延長するように、高濃度のp型半導体領域83を形成し、さらに、センサ部の高濃度p型半導体領域83下のn型半導体領域64の、サイドウォール72下を含む結晶欠陥が発生し易い部分(表面部分)及び素子分離層63の端部付近の結晶欠陥が発生し易い部分(表面部分)に前述の図4と同様のp型半導体層71を形成してセンサ部312が構成される。センサ部312は、ここでは、第1の半導体ウエル領域62とn型半導体領域64とp型半導体領域83とによるいわゆるHAD(Hole Accumulaion Diode)センサとして構成される。
【0058】
その他の構成は、図4と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0059】
図9〜図11は、センサ部312を有する画素部分の製造方法を示す。先ず、図9Aに示すように、n型のシリコン半導体基板61の表面に画素分離のための選択酸化による素子分離層63を形成した後、素子分離層63下を含んで単位画素を形成すべきアクティブ領域の全面にp型不純物をイオン注入して第1のp型半導体ウエル領域62を形成する。
【0060】
次いで、前述の図5Aと同様に、基板表面にアクティブ領域を覆って素子分離層63の周辺端部から離れたアクティブ領域側にレジスト端が存するようなフォトレジスト層(図5A参照)を介してp型不純物をイオン注入して、素子分離層63の周辺端部からアクティブ領域側に延長する延長部70aを有した第2のp型半導体ウエル領域70を形成する。
【0061】
次に、図9Bに示すように、アクティブ領域の第1のp型半導体ウエル領域62上にゲート絶縁膜(例えばSiO2 膜)68を形成し、この上に多結晶シリコン膜及びタングステンシリサイド(WSi)膜等を成膜し、之をドライエッチングによりパターニングして読み出し用スイッチ素子及び垂直選択用スイッチ素子のゲート電極(トランスファゲート)、即ちゲート配線69を形成する。ゲート配線69の形成条件は、図5Bで説明したと同じ条件とすることができる。
【0062】
次いで、ゲート配線69をマスクに選択的にスイッチ素子となるnチャネルMOSトランジスタのLDD構造のソース・ドレイン領域のうちの低不純物濃度領域65をイオン注入で形成する。このn型低不純物濃度領域65は、例えばヒ素(As)を1012cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成する。なお、スイッチ素子をpチャネルMOSトランジスタで形成するときは、ボロン(B)を1012cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成することができる。
さらに、センサ部を形成すべき領域のみに選択的にp型不純物、例えばBF2を1010cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入を行い、絶縁膜82と第1のp型半導体ウエル領域62との界面にp型半導体領域83を形成する。
【0063】
次に、図10Cに示すように、全面にSiO2 膜を堆積し、その後エッチバックを行って、ゲート配線69の側壁にSiO2 によるサイドウォール72を形成する。
【0064】
さらに、センサ部を形成すべき領域に、電荷蓄積領域となるn型半導体領域64を形成し、ここにpn接合を有するフォトダイオードによるセンサ部(いわゆるHADセンサ)312を形成する。このn型半導体領域64を形成する際に、ゲートのサイドウォール72下にもイオン注入領域64aを形成するように、図10Cの矢印に示すように斜め方向からイオン注入を施す。このイオン注入は、基板に対して法線方向からを測定して7°以上の傾斜角θ1 でイオン注入する。例えば45°(=θ1 )傾斜してヒ素(As)を例えば1010cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入する。
なお、n型半導体領域の64の形成時に、同時にスイッチ素子のソース・ドレイン側にも同様のn型半導体領域64′が形成される。
【0065】
さらに、次に、図10Dに示すように、サイドウォール72をマスクにソース・ドレイン領域を形成すべき領域のみに選択的にn型の高不純物濃度領域66をイオン注入で形成する。この高不純物濃度領域66は、前述と同様に例えばヒ素(As)を1015cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成する。なお、スイッチ素子をpチャネルMOSトランジスタで形成するときは、例えばBF2 を1015cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成することができる。
【0066】
次に、図11Eに示すように、センサ部312のn型半導体領域64においてその結晶欠陥が発生し易い部分、特にゲート配線69の端部付近及び素子分離層63の端部付近に結晶欠陥部分を取り込むように選択的にp型半導体層71をイオン注入で形成する。このp型半導体層71は、上例(図6D)と同様に、フォトレジストをマスクに例えばBF2 を1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成することができる。
【0067】
以後、上例(図7E,F)と同様にして、図11Fに示すように、接続孔77を有する層間絶縁膜76を形成し、その接続孔77内に密着層78を介してソース・ドレイン領域67に接続するタングステンプラグ79を埋め込み、さらに、タングステンプラグ79に接続する配線80を形成する。
【0068】
上述のセンサ部312を備えた固体撮像素子によれば、センサ部312が電荷蓄積領域となるn型半導体領域64と表面の絶縁膜(例えばSiO2 )76との界面に、サイドウォール72下にわたって高濃度のp型半導体領域72を有するいわゆるHADセンサ構造とすることにより、半導体(Si)−絶縁膜(SiO2 )界面で発生する電子は高濃度のp型半導体領域83で再結合される。
また、第2のp型半導体ウエル領域70の延長部70a、センサ部のn型半導体領域64の素子分離層63端付近及びゲート配線69端付近に形成したp型半導体層71により、図4で説明したと同様に、ここでの結晶欠陥から発生した電子が再結合され、消滅、乃至低減する。従って、より暗電流が低減し、S/N比の向上が図られ、高い感度が得られる。
【0069】
製造方法においても、工程数の増加はなく、斜め方向からのイオン注入でセンサ部312の特性が改善できる。本製造方法は、高画質の固体撮像素子が特別な工程を設けることなく、従来のCMOSプロセスで形成できるので、コスト面でも優れた製法である。
【0070】
図12は、本発明に係る単位画素34、特にそのセンサ部31(図1参照)の他の実施の形態を示す。
本実施の形態においては、センサ部の電荷蓄積領域となるn型半導体領域64と表面の例えばSiO2 等による絶縁膜76との界面に高濃度のp型半導体領域83を形成すると共に、このp型半導体領域83をゲート配線69下まで延長形成してセンサ部313が構成される。
このp型半導体領域83は、図4に示したセンサ部の電荷蓄積領域となるn型半導体領域64内に形成したp型半導体層71、即ちゲート配線端付近及び素子分離層端付近のp型半導体層71を兼用する。
【0071】
その他の構成は、図4と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0072】
図13〜図15は、センサ部313を有する画素部分の製造方法を示す。先ず、図13Aに示すように、前述と同様にして、n型のシリコン半導体基板61の表面に画素分離のための選択酸化による素子分離層63を形成した後、第1のp型半導体ウエル領域62及び素子分離層63下よりアクティブ領域側に一部延長する第2のp型半導体ウエル領域70を形成する。
【0073】
さらに、単位画素内の第1のp型半導体ウエル領域62の表面全面に、p型不純物をイオン注入して高濃度のp型半導体領域83を形成する。この高濃度のp型半導体領域83は、例えばBF2 を1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。
【0074】
次に、図13Bに示すように、ゲート絶縁膜(例えばSiO2 )68を形成し、この上に多結晶シリコン膜及びタングステンシリサイド膜等を積層成膜し、之をドライエッチングによりパターニングしてスイッチ素子のゲート電極(トランスファゲート)、即ちゲート配線69を形成する。ゲート配線69の形成条件は、図5Bで説明したと同じ条件とすることができる。その後、ゲート配線69をマスクに、LDD構造のソース・ドレイン領域を構成するn型の低不純物濃度領域65を選択的に構成する。
前述と同様に、n型低不純物濃度領域65は、例えばヒ素(As)を1012cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成する。なお、スイッチ素子をpチャネルMOSトランジスタで形成するときは、ボロン(B)を1012cm-2オーダ以上程度のドーズ量で形成することができる。
【0075】
次に、図14Cに示すように、ゲート配線69の側壁に例えばSiO2 によるサイドウォール72を形成する。このサイドウォール72をマスクに選択的にスイッチ素子のソース・ドレイン領域を構成するn型の高不純物濃度領域66を形成し、LDD構造のソース・ドレイン領域67を形成する。前述と同様にn型高不純物濃度領域66は、例えばヒ素(As)を1015cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成する。なお、スイッチ素子をpチャネルMOSトランジスタで形成するときは、例えばBF2 を1015オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入して形成することができる。
【0076】
次に、図14Dに示すように、センサ部を形成すべき領域に、電荷蓄積領域となるn型半導体領域64を形成し、ここにpn接合を有するフォトダイオードによるセンサ部(いわゆるHADセンサ)313を形成する。
このn型半導体領域64も前述と同時に7°以上の傾斜角θ2 をもって斜め方向からのイオン注入で形成する。例えば45°(=θ2 )傾斜してヒ素(As)を例えば1010cm-2オーダ以上程度のドーズ量でイオン注入する。
n型半導体領域64の形成時、同時にスイッチ素子のソース・ドレイン側にも同様のn型半導体領域64′が形成される。
【0077】
以後、上例(図7E,F)と同様にして、図15Eに示すように、接続孔77を有する層間絶縁膜76を形成し、その接続孔77内に密着層78を介してソース・ドレイン領域67に接続するタングステンプラグ79を埋め込み、さらに、タングステンプラグ79に接続する配線80を形成する。
【0078】
上述のセンサ部313を備えた固体撮像素子によれば、HADセンサ構造のセンサ部313の絶縁膜76との界面に形成した高濃度のp型半導体領域83が、センサ部のn型半導体領域64の結晶欠陥部分を取り込む前述のp型半導体層71を兼用していることにより、結晶欠陥から放出される電子はこのp型半導体領域83内で再結合される。またゲート下にもp型半導体領域83が延長されているので、ゲート下のチャネル部は、いわゆる埋め込みチャネル構造となる。従って、ノイズ成分となる暗電流の低減化が図られ、S/N比が向上し、また高い感度が得られる。
【0079】
製造方法においても、工程数の増加はなく、斜め方向からのイオン注入等でセンサ部の特性が改善される。本製造方法でも、上例と同様に、高画質の固体撮像素子が特別な工数を設けることがなく、コスト面で優れた製法である。
【0080】
図16は、本発明に係る単位画素34、特にそのセンサ部31(図1参照)のさらに他の実施の形態を示す。
本実施の形態においては、そのセンサ部314が前述の図8のセンサ部312の構造から電荷蓄積領域となるn型半導体領域64内のp型半導体層71を省略した構造に構成される。
【0081】
即ち、このセンサ部314は、センサ部の電荷蓄積領域となるn型半導体領域64と例えばSiO2 からなるサイドウォール72及び絶縁膜76との界面に、高濃度のp型半導体領域83を形成して構成される。
【0082】
その他の構成は、図8と同様であるので対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0083】
図17及び図18は、センサ部314を有する画素部分の製造方法の一例を示す。
先ず、図17Aに示すように、前述と同様にしてn型のシリコン半導体基板61の表面に画素分離のための選択酸化による素子分離層63を形成した後、第1のp型半導体ウエル領域62及び素子分離層63下よりアクティブ領域側に一部延長する第2のp型半導体ウエル領域70を形成する。
【0084】
そして、単位画素内の第1のp型半導体ウエル領域62の表面上にゲート絶縁膜(例えばSiO2 膜)68を形成し、この上に多結晶シリコン膜及びタングステンシリサイド(WSi)膜等を積層成膜し、之をドライエッチングによりパターニングしてスイッチ素子のゲート電極、即ちゲート配線69を前述と同様の条件で形成する。
【0085】
そして、ゲート配線69をマスクに、第1のp型半導体ウエル領域62のセンサ部を形成すべき領域にセンサ部の蓄積領域となるn型半導体領域64を選択的にイオン注入により形成する。同時に、スイッチ素子のソース・ドレイン領域を形成すべき領域と同様のn型半導体領域64′を形成する。このn型半導体領域64及び64′は、上例と同様に、例えばヒ素(As)を1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。イオン注入は、図17Aに示すように、基板に対して垂直方向にイオン注入する。このとき、n型半導体領域64が、第2のp型半導体ウエル領域70の延長部70aのp型不純物を相殺することはない。
【0086】
次に、図17Bに示すように、ゲート配線69上でレジストパターニングを行うようにして、センサ部を形成すべき領域を除いて、レジストマスク85を形成し、n型半導体領域64の表面に高濃度のp型半導体領域83を形成する。
【0087】
このp型半導体領域83の形成に際しては、矢印に示すように、p型不純物を斜めにイオン注入し、即ち、基板に対して法線方向から角度を測定して7°以上の傾斜角θ3 をもってイオン注入して形成する。このp型半導体領域83は、上例と同様に、例えば1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。
ここに、HADセンサ構造によるセンサ部314が形成される。
【0088】
次に、図18Cに示すように、全面に絶縁膜、例えばSiO2 膜を形成した後、エッチバックしてゲート配線69の側壁にSiO2 によるサイドウォール72を形成する。さらにサイドウォール72をマスクとしてセルファラインでスイッチ素子のソース・ドレイン領域を形成すべき領域にn型の高不純物濃度領域66を形成してソース・ドレイン領域67を形成する。n型高不純物濃度領域66は、上例と同様にヒ素(As)を1015cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。
【0089】
以後、上例(図7E,F)と同様にして、図18Dに示すように、接続孔77を有する層間絶縁膜76を形成し、その接続孔77内に密着層78を介してソース・ドレイン領域67に接続するタングステンプラグ79を埋め込み、さらにタングステンプラグ79に接続する配線80を形成する。
【0090】
図19及び20は、センサ部314を有する画素部分の製造方法の他の例を示す。
先ず、図19Aに示すように、前述の図17Aと同様にして、n型のシリコン半導体基板62の表面に画素分離のための選択酸化による素子分離領域63を形成した後、第1のp型半導体ウエル領域62及び素子分離層63下よりアクティブ領域側に一部延長する第2のp型半導体ウエル領域70を形成する。
【0091】
また、単位画素内の第1のp型半導体ウエル領域62の表面上にゲート絶縁膜(例えばSiO2 膜)68を形成し、その上に多結晶シリコン膜等を積層成膜し、之をドライエッチングによりパターニングしてスイッチ素子のゲート電極、即ちゲート配線69を前述と同様の条件で形成する。そして、第1のp型半導体ウエル領域63のセンサ部を形成すべき領域にセンサ部の蓄積領域となるn型半導体領域64を選択的にイオン注入により形成する。同時に、スイッチ素子のソース・ドレイン領域を形成すべき領域に同様のn型半導体領域64′を形成する。
n型半導体領域64は、上例と同様にヒ素(As)を1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。イオン注入は、n型半導体領域64が第2のp型半導体ウエル領域70の延長部70aのp型不純物を相殺することはない。
【0092】
次に、図19Bに示すように、全面に絶縁膜、例えばSiO2 膜を形成した後、エッチバックしてゲート配線69の側壁にSiO2 によるサイドウォール72を形成する。さらに、サイドウォール72をマスクとしてセルファラインでスイッチ素子のソース・ドレイン領域を形成すべき領域にn型の高不純物濃度領域66を形成してソース・ドレイン領域67を形成する。n型高不純物濃度領域66は上例と同様にヒ素(As)を1015cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。
【0093】
次に、図20Cに示すように、ゲート配線69上でレジストパターニングを行うようにしてセンサ部を形成する領域を除いてレジストマスク85を形成し、n型半導体領域64の表面に高濃度のp型半導体領域83を形成する。
【0094】
このp型半導体領域83の形成に際しては、矢印に示すようにp型不純物を斜めにイオン注入し、即ち例えば基板に対して法線方法から角度を測定して7°以上の傾斜角θ4 をもってイオン注入して形成する。p型半導体領域83は、上例と同様に、BF2 を1010cm-2オーダ以上のドーズ量でイオン注入して形成する。ここにHADセンサ構造によるセンサ部314が形成される。
【0095】
以後、上例(図7E,F)と同様にして、図20Dに示すように、接続孔77を有する層間絶縁膜76を形成し、その接続孔77に密着層78を介してソース・ドレイン領域67に接続するタングステンプラグ79を埋め込み、さらにタングステンプラグ79に接続する配線80を形成する。
【0096】
上述のセンサ部314を備えた固体撮像素子においても、HADセンサ構造のセンサ部314の絶縁膜76との界面に形成した高濃度のp型半導体領域83が、センサ部のn型半導体領域64の結晶欠陥部分を取り込むp型半導体層を兼用していることにより、結晶欠陥から放出される電子はこのp型半導体領域83内で再結合される。従って、ノイズ成分となる暗電流の低減化が図られ、S/N比が向上し、また高い感度が得られる。
【0097】
製造方法においても、工程数の増加はなく、斜め方向からのイオン注入等でセンサ部の特性が改善される。本製造方法でも、上例と同様に、高画質の固体撮像素子が特別な工程を設けることがなく、コスト面で優れた製法である。
【0098】
【発明の効果】
本発明に係るMOS型固体撮像素子によれば、高い感度と低い暗電流状態を確保することができる。また、CCD固体撮像素子と異なり、単一の電源による低電圧、低消費電力の固体撮像素子が得られる。
【0099】
本発明に係るMOS型固体撮像素子の製造方法によれば、工程数を増加することなく、センサ部の特性が改善された固体撮像素子を製造することができる。また、本発明に係る製法は、高画質の固体撮像素子を従来のCMOSプロセスで形成できるので、コスト増はなく、コスト面でも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る固体撮像素子の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】 本発明の固体撮像素子に適用される単位画素の他の例を示す構成図である。
【図3】 本発明の固体撮像素子に適用される単位画素の他の例を示す構成図である。
【図4】 本発明に係る固体撮像素子の一実施の形態を示す画素部分の断面図である。
【図5】 A〜B 図4の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図6】 C〜D 図4の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図7】 E〜F 図4の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図8】 本発明に係る固体撮像素子の他の実施の形態を示す画素部分の断面図である。
【図9】 A〜B 図8の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図10】 C〜D 図8の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図11】 E〜F 図8の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図12】 本発明に係る固体撮像素子の他の実施の形態を示す画素部分の断面図である。
【図13】 A〜B 図12の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図14】 C〜D 図12の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図15】 図12の固体撮像素子の製造方法を示す製造工程図である。
【図16】 本発明に係る固体撮像素子の他の実施の形態を示す画素部分の断面図である。
【図17】 A〜B 図16の固体撮像素子の製造方法の一例を示す製造工程図である。
【図18】 C〜D 図16の固体撮像素子の製造方法の一例を示す製造工程図である。
【図19】 A〜B 図16の固体撮像素子の製造方法の他の例を示す製造工程図である。
【図20】 C〜D 図16の固体撮像素子の製造方法の他の例を示す製造工程図である。
【図21】 従来のCMOS型固体撮像素子の画素部分の構成図である。
【図22】 従来のCCD固体撮像素子の電荷転送レジスタの断面図である。
【図23】 従来のCMOS型固体撮像素子における暗電流発生のメカニズムの説明に供する説明図
である。
【符号の説明】
30‥‥CMOS型固体撮像素子、31〔311,312,313,314〕‥‥センサ部、32,33‥‥スイッチ素子、34‥‥画素、61‥‥n型半導体基板、62‥‥第1のp型半導体ウエル領域、63‥‥素子分離層、64‥‥n型半導体領域、65‥‥低不純物濃度領域、66‥‥高不純物濃度領域、67‥‥ソース・ドレイン領域、69‥‥ゲート電極(ゲート配線)、70‥‥第2の半導体ウエル領域、71‥‥p型半導体層、76‥‥層間絶縁層、79‥‥タングステンプラグ、80‥‥配線、83‥‥高濃度のp型半導体領域
Claims (8)
- 第1の第1導電型半導体ウェル領域に形成されたpn接合型のセンサ部及び該センサ部に接続されたスイッチングトランジスタを有する複数の画素と、
前記画素を分離するための選択酸化による素子分離層と、
前記素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れて前記センサ部側へ一部延長し、且つ前記一部延長する部分が前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接するように形成された第2の第1導電型半導体ウェル領域と、
前記スイッチングトランジスタのゲート電極端に形成されたサイドウォールと、
前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、前記サイドウォール下又は/及び前記第2の第1導電型半導体ウェル領域側の端に選択的に形成された第1導電型半導体層と
を有するMOS型固体撮像素子。 - 前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域及び前記第1導電型半導体層の表面全域に形成された第1導電型半導体領域
を有する請求項1記載のMOS型固体撮像素子。 - 第1の第1導電型半導体ウェル領域に形成されたpn接合型のセンサ部及び該センサ部に接続されたスイッチングトランジスタを有する複数の画素と、
前記画素を分離するための選択酸化による素子分離層と、
前記素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れて前記センサ部側へ一部延長し、且つ前記一部延長する部分が前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域の深さ方向の全長にわたって端部と接するように形成された第2の第1導電型半導体ウェル領域と、
前記スイッチングトランジスタのゲート電極端に形成されたサイドウォールと、
前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、前記サイドウォール下から前記第2の第1導電型半導体ウェル領域に接する領域にわたって形成された第1導電
型半導体領域と
を有するMOS型固体撮像素子。 - 前記第1導電型半導体領域が前記スイッチングトランジスタのゲート電極下の全域まで延長されている
請求項3記載のMOS型固体撮像素子。 - 半導体基板に、センサ部を有する画素を分離する素子分離層を選択酸化で形成する工程と、
前記素子分離層の下を含んで前記画素が形成される領域の全面に第1の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、
前記素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れて前記センサ部側へ一部延長する第2の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、
前記素子分離層で区画された前記第1の第1導電型半導体ウェル領域に、スイッチングトランジスタのゲート電極を挟んでソース・ドレインとなる第2導電型半導体領域と、端部が深さ方向の全長にわたって前記第2の第1導電型半導体ウェル領域に接するpn接合型のセンサ部を構成する第2導電型半導体領域とを形成する工程と、
前記ゲート電極の端にサイドウォールを形成する工程と、
前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面にあって、前記サイドウォール下又は/及び前記第2の第1導電型半導体ウェル領域側の端に選択的に第1導電型半導体層を形成する工程と
を有するMOS型固体撮像素子の製造方法。 - 前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域を形成する工程の前に、該第2導電型半導体領域に対応する前記第1の第1導電型半導体ウェルの表面に第1導電型半導体領域を形成する工程
を有する請求項5記載のMOS型固体撮像素子の製造方法。 - 半導体基板に、センサ部を有する画素を分離する素子分離層を選択酸化で形成する工程と、
前記素子分離層の下を含んで前記画素が形成される領域の全面に第1の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、
前記素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れて前記センサ部側へ一部延長する第2の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、
前記素子分離層で区画され第1の第1導電型半導体ウェル領域の表面全面に第1導電型半導体領域を形成する工程と、
前記素子分離層で区画された第1の第1導電型半導体ウェル領域上にゲート絶縁膜を介したスイッチングトランジスタのゲート電極と、該ゲート電極の端のサイドウォールを形成する工程と、
前記素子分離層で区画された各第1の第1導電型半導体ウェル領域に、前記スイッチングトランジスタのゲート電極を挟んでソース・ドレインとなる第2導電型半導体領域と、端部が深さ方向の全長にわたって前記第2の第1導電型半導体ウェル領域に接するpn接合型のセンサ部を構成する第2導電型半導体領域とを形成する工程と
を有するMOS型固体撮像素子の製造方法。 - 半導体基板に、センサ部を有する画素を分離する素子分離層を選択酸化で形成する工程と、
前記素子分離層の下を含んで前記画素が形成される領域の全面に第1の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、
前記素子分離層の下を含み素子分離層の周辺端部から離れて前記センサ部側へ一部延長する第2の第1導電型半導体ウェル領域を形成する工程と、
前記素子分離層で区画された前記第1の第1導電型半導体ウェル領域に、スイッチングトランジスタのゲート電極を挟んでソース・ドレインとなる第2導電型半導体領域と、端部が深さ方向の全長にわたって前記第2の第1導電型半導体ウェル領域に接するpn接合型のセンサ部を構成する第2導電型半導体領域とを形成する工程と、
前記ゲート電極の端にサイドウォールを形成する工程と
前記センサ部を構成する第2導電型半導体領域の表面に、前記サイドウォール下から前記第2の第1導電型半導体ウェル領域に接する領域にわたって第1導電型半導体領域を形成する工程と、
を有するMOS型固体撮像素子の製造方法。
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