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JP4447744B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、とりわけ、老化防止剤の効果を損なうことなく変色を防止し、長期間にわたってタイヤの外観性を保持するタイヤ用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気入りタイヤは、長期間の使用のうちに空気中の酸素やオゾンにより酸化劣化され、サイドウォール部やトレッド部の溝底にクラックが発生する。クラックの発生は、外観をわるくするだけでなく、タイヤの転動によりクラックが成長して破損するに至るため耐久性を悪化させる原因になる。
【0003】
このため一般に、サイドウォール部やトレッド部などのタイヤ用ゴム組成物には、各種の老化防止剤が配合され、酸化劣化を防止するようにしている。
【0004】
しかし、老化防止剤を配合することにより、タイヤの使用末期まで充分な耐オゾン性を得ようとすると、比較的多量の老化防止剤(たとえば、ゴム成分100重量部に対して合計で4重量部以上の老化防止剤)を配合する必要がある。また、これら老化防止剤は温度、歪み、オゾンなどの外的刺激を受けると、容易に表面に析出し、さらに紫外線などの光によって経時的に分解し、この分解物がタイヤを茶色あるいは茶褐色に変色させていくため、タイヤの外観がわるくなり、商品価値が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、老化防止剤の効果を損なうことなく変色を防止し、長期間にわたってタイヤの外観性を保持するタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の諸問題を改善すべく鋭意検討した結果、無機粉体を含有する軟化点または融点が80℃以上の樹脂および老化防止剤を混合してなる粒状物を含有することにより、老化防止剤の効果を損なうことなく変色を防止できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、無機粉体を含有する軟化点または融点が80℃以上の樹脂および老化防止剤を混合してなる粒状物を含有することを特徴とするゴム組成物である。
【0008】
また、本発明は、老化防止剤が、ナフチルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、ヒドロキノン誘導体老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、トリスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、チオビスフェノール系老化防止剤、ベンゾイミダゾール系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤、亜リン酸系老化防止剤および有機チオ酸系老化防止剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の老化防止剤である前記のゴム組成物である。
【0009】
また、本発明は、前記樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記のゴム組成物である。
【0010】
また、本発明は、前記樹脂が前記無機物粉体を5重量%以上含有することを特徴とする前記のゴム組成物である。
【0011】
また、本発明は、前記粒状物の平均粒子径が120μm以下であることを特徴とする前記のゴム組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0013】
無機粉体を含有する軟化点または融点が80℃以上の樹脂および少なくとも1種類の老化防止剤を混合して粒状物とし、これをゴム組成物に含有させることにより、前記老化防止剤に起因するゴム組成物の経時的な変色を防止することができる。
【0014】
本発明に使用される老化防止剤としては、たとえば、ナフチルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、ヒドロキノン誘導体老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、トリスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、チオビスフェノール系老化防止剤、ベンゾイミダゾール系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤、亜リン酸系老化防止剤、有機チオ酸系老化防止剤などがあげられる。
【0015】
ナフチルアミン系老化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、アルドール−α−トリメチル1,2−ナフチルアミンなどがあげられる。
【0016】
キノリン系老化防止剤としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどがあげられる。
【0017】
ジフェニルアミン系老化防止剤としては、p−イソプロポキシジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、N,N−ジフェニルエチレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどがあげられる。
【0018】
p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−4−メチル−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール−p−フェニレンジアミン、フェニル,ヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニル,オクチル−p−フェニレンジアミンなどがあげられる。
【0019】
ヒドロキノン誘導体老化防止剤としては、2,5−ジ−(tert−アミル)ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンなどがあげられる。
【0020】
モノフェノール系老化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、ブチルヒドロキシアニソール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノールなどがあげられる。
【0021】
ビスフェノール系老化防止剤、トリスフェノール系老化防止剤またはポリフェノール系老化防止剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどがあげられる。
【0022】
チオビスフェノール系老化防止剤としては、4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)などがあげられる。
【0023】
ベンゾイミダゾール系老化防止剤としては、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールなどがあげられる。チオウレア系老化防止剤としては、トリブチルチオウレアなどがあげられる。亜リン酸系老化防止剤としては、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどがあげられる。有機チオ酸系老化防止剤としては、チオジプロピオン酸ジラウリルなどがあげられる。
【0024】
これらの老化防止剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
老化防止剤の配合量としては、粒状物中、20〜95重量%が好ましく、より好ましくは30〜90重量%である。老化防止剤の配合量が20重量%未満では老化防止剤と無機粉体含有樹脂との吸着力が大きく老化防止剤としての効果が得られず、95重量%をこえると充分な変色防止効果が得られず好ましくない。
【0026】
本発明で使用される樹脂は、ゴム組成物の加硫温度以下では溶融または軟化などを起こして破壊せず粒状物の粒状構造を維持でき、加硫温度以上では樹脂が溶融または軟化などを起こして粒状物が物性低下により破壊する樹脂が好ましい。具体的には、樹脂の溶融または軟化する温度が、80〜200℃、好ましくは90〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃である。樹脂の溶融または軟化する温度が80℃未満では加硫前の工程で樹脂が溶融または軟化などにより破壊されるため充分な変色防止効果が得られず、200℃をこえると加硫温度でも樹脂が溶融または軟化せず、老化防止剤としての効果が得られないため好ましくない。
【0027】
このような樹脂としては、たとえば、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エチレンアクリル酸共重合体(EEA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、ブテン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがあげられ、なかでも老化防止剤との吸着力の点から、ポリウレタン、メタクリル樹脂、ポリスチレンが好適に用いられる。
【0028】
無機粉体を含有しない樹脂のみと老化防止剤とを混合してなる粒状物を用いたのでは、樹脂量を可能な限り多くしても、粒状物内からゴム成分への老化防止剤の移行速度が速いため、充分な変色防止効果が得られない。そこで、樹脂にシリカなどの無機粉体を配合して得られる無機粉体含有樹脂と老化防止剤とを混合してなる粒状物を用いることで、老化防止剤の移行速度をある程度抑えることができる。
【0029】
配合する無機粉体の素材としては、たとえば、シリカ、酸化チタン、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどがあげられる。
【0030】
無機粉体は、老化防止剤が粒状物内から他のゴム素原料(ゴム成分)へ移行する速度を抑える効果を大きくするために、その表面積が大きいほうが望ましく、したがって粒径が小さい方が好ましい。また、加硫ゴムの物性への影響を抑えるためには、無機粉体の粒径が小さい方が望ましい。具体的には、無機粉体の平均粒子径は、0.5〜10μmが好ましく、0.5〜6μmであることがより好ましい。また、窒素吸着比表面積は、100〜800m2/gであることが好ましく、300〜750m2/gであることがより好ましい。
【0031】
無機粉体は、無機粉体含有樹脂中に無機粉体が5〜99重量%、好ましくは10〜90重量%である。5重量%未満では、無機粉体を配合する効果(老化防止剤の移行速度を遅くし、変色を防止する効果)が小さい。また、99重量%をこえると、粒状物がもろくなる傾向がある。
【0032】
本発明の粒状物の平均粒子径は、120μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下である。粒状物の平均粒子径が120μmより大きいと、樹脂と老化防止剤との吸着力が大きく変色防止効果は充分に発揮できるが、老化防止剤としての効果が低下するため好ましくない。
【0033】
本発明に使用される粒状物の製法としては、密閉式混練機、押し出し機などで老化防止剤と無機粉体含有樹脂とを混合し、この混合物を凍結粉砕する方法や化学的または物理化学的に混合する方法などがあげられる。これら以外にも、噴霧乾燥法などを用いてもよい。
【0034】
本発明のゴム組成物は、少なくとも1種類のゴム成分を含有する。
【0035】
本発明に使用されるゴム成分としては、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムを用いることができる。本発明において用いるジエン系合成ゴムとしては、たとえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などがあげられ、本発明に使用されるゴム成分中に1種類または2種類以上含まれていてもよい。
【0036】
前記粒状物の配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。粒状物の配合量が0.5重量部未満では充分な変色防止効果が得られず、5重量部をこえると老化防止剤の配合量が多くなるため外観上好ましくない。
【0037】
本発明のゴム組成物は充填剤として、カーボンブラックを含むことができる。本発明のゴム組成物中に含まれるカーボンブラックの配合量は、補強性および低発熱性の面から、前記ゴム成分100重量部に対し10〜150重量部であることが好ましく、より好ましくは15〜100重量部、さらに好ましくは25〜80重量部である。カーボンブラックの配合量が10重量部未満では補強効果が充分に得られず、150重量部をこえると発熱性が増大する傾向がある。
【0038】
本発明に使用できるカーボンブラックの例としては、HAF、ISAF、SAFなどがあげられるが、とくに限定されるものではない。
【0039】
本発明のゴム組成物はシリカなどの白色充填剤を含むことができる。白色充填剤として具体的には、シリカ、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどがあげられ、これらは単独で、または、2種以上を混合して用いることができる。とくに好ましい白色充填剤は、シリカ、クレー、水酸化アルミニウム、アルミナである。
【0040】
白色充填剤の配合量の上限は、ゴム成分100重量部に対して100重量部、好ましくは85重量部、さらに好ましくは65重量部である。一方、その下限は5重量部である。白色充填剤の配合量が5重量部未満では、補強効果が小さく、100重量部をこえると作業性が悪化する傾向がある。低発熱性、作業性の面から、白色充填剤の配合量は65重量部以下が好ましい。
【0041】
白色充填剤を使用する場合、充填剤とゴム成分の結合を強め、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させるために、カップリング剤、とくにシランカップリング剤を用いてもよい。シランカップリング剤の配合量は分散効果およびカップリング効果の面から、前記白色充填剤の重量に対して1〜20重量%が好ましい。
【0042】
本発明のゴム組成物には、前記のゴム成分、カーボンブラック、白色充填剤、カップリング剤および粒状物以外に、必要に応じて、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛などの通常のゴム工業で使用されるその他の配合剤を適宜配合することができる。
【0043】
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分、カーボンブラック、白色充填剤、カップリング剤、粒状物およびその他の配合剤を通常の加工装置、たとえば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどにより混練りすることにより得ることができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これは本発明の目的を限定するものではない。
【0045】
実施例1〜4および比較例1〜3
(各種薬品の説明)
ポリウレタン:日本ミラクトラン(株)製ミラクトランP−26M
(軟化点123℃)
シリカ:鈴木油脂工業(株)製E−6C
(平均粒子径2.0〜2.5μm、比表面積600〜700m2/g)
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
(化学名:N−メチル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
(化学名:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジリルスルフェンアミド)
【0046】
(粒状物の調製)
表1に示す配合量で、ポリウレタンにシリカを配合して得られたシリカ含有樹脂またはポリウレタン(樹脂)と老化防止剤を60ccラボブラストミルで混合した。この混合物を冷凍粉砕し、粒状物(サンプル1〜4)を得た。得られた粒状物の平均粒子径を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004447744
【0048】
(ゴム板の作製)
配合処方を表2に示す。前記のようにして得られたサンプル1〜4、硫黄および加硫促進剤以外の配合剤をバンバリーミキサーで混練りしてマスターバッチを作製したのち、8インチロールにてマスターバッチと硫黄、加硫促進剤およびサンプル1〜4をそれぞれ混練りして調製した。これらの配合物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得、物性を評価した。
【0049】
【表2】
Figure 0004447744
【0050】
(評価方法)
(1)外観変色
加硫した厚さ4mmのゴム板を用い、これらの試験片を雨水がかからないように屋外暴露した。30日間暴露後、外観を目視で観察し、変色の度合いを5段階で評価した。数値が小さいものほど変色の度合いが大きいことを示す。
【0051】
(2)耐オゾン性
加硫後24℃で48時間放置した試験片(恒温放置)と、前述の方法で30日間屋外暴露したのちの試験片(屋外暴露後)について測定した。測定は、JISK6259に準拠して行なった。すなわち、オゾン濃度50±5pphmおよび引張量20±2%の条件に96時間連続して試験片を暴露したのち、試験槽から取り出し、亀裂状態を亀裂の数と亀裂の大きさおよび深さとについて、以下の条件に基づいて観察した。亀裂の数については、亀裂が少数のものをA、亀裂が多数のものをB、亀裂が無数のものをCと評価した。亀裂の大きさおよび深さについては、肉眼では見えないが10倍の拡大鏡では確認できるものを1、肉眼で確認できるものを2、亀裂が深くて比較的大きいもの(1mm未満)を3、亀裂が深くて大きいもの(1mm以上3mm未満)を4、3mm以上の亀裂または切断を起こしそうなものを5と評価した。
【0052】
結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 0004447744
【0054】
老化防止剤とシリカ含有樹脂とを混合してなる粒状物を含有する実施例1〜4では、粒状物を含有しない比較例1に対して、外観変色が小さく、屋外暴露後の耐オゾン性も改良された。
【0055】
老化防止剤を無機粉体を含有しない樹脂と単に混合してなる粒状物を含有する比較例2および3でも、外観変色、屋外暴露後の耐オゾン性ともに改善されたが、実施例1〜4の方が改善しろが大きかった。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、老化防止剤の効果を損なうことなく変色を防止し、長期間にわたってタイヤの外観性を保持するタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. 無機粉体を含有する軟化点または融点が80℃以上の樹脂老化防止剤を混合してなる平均粒子径が120μm以下の粒状物およびゴム成分を含有し、
    前記老化防止剤の含有量が、粒状物中、20〜95重量%であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 老化防止剤が、ナフチルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、ヒドロキノン誘導体老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、トリスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、チオビスフェノール系老化防止剤、ベンゾイミダゾール系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤、亜リン酸系老化防止剤および有機チオ酸系老化防止剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の老化防止剤である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 前記樹脂が前記無機粉体を5〜99重量%含有する請求項1、2または3記載のゴム組成物。
  5. 前記粒状物が前記無機粉体を含有する樹脂と前記老化防止剤のみから構成される請求項1〜4の何れか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記粒状物の含有量が前記ゴム成分100重量部に対して、0.5〜5重量部である請求項1〜5の何れか1項に記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のゴム組成物と加硫剤とを混練りした後、加硫して得られるタイヤ用ゴム組成物。
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