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JP4446210B2 - 粘着付与樹脂エマルジョンおよび水系粘着剤組成物 - Google Patents

粘着付与樹脂エマルジョンおよび水系粘着剤組成物 Download PDF

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拓郎 宮本
洋介 津島
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着付与樹脂エマルジョンおよび水系粘着剤組成物に関する。かかる本発明の粘着付与樹脂エマルジョンが配合された水系粘着剤組成物は、ラベル、シート、テープ等の各種の用途に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
水系粘着剤は、大気汚染がないこと、安全衛生に優れていること及び省資源に適すること等の種々の利点を有するため、現在ラベル、シート、テープ等多くの粘着製品をはじめ、各種被着体の貼り合せ等に利用されている。この様に水系粘着剤の用途が拡大するにつれて、水系粘着剤に求められる性能もより高度になっている。かかる要求性能として、基材及び被着材の多様化によりポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンに対する接着性と耐熱性の両立が重視されている。
【0003】
一般に、アクリル系重合体エマルジョンまたはゴム系ラテックスを主成分とする水系粘着剤には、ポリオレフィンに対する接着性等の改善ため、通常、粘着付与樹脂エマルジョンを配合した水系粘着剤組成物として用いられる。当該粘着付与樹脂エマルジョンとしては、ポリオレフィンに対する接着性を向上させる効果が大きいことから、ロジンまたはロジンエステル等のロジン誘導体の粘着付与樹脂エマルジョンが好適に用いられている。
【0004】
しかし、ロジン系粘着付与樹脂の分子量は、アクリル系重合体エマルジョン、またはゴム系ラテックスのベースポリマーの分子量に比較して小さいため、ロジン系粘着付与樹脂を配合した水系粘着剤の耐熱性が低いものとなる。
【0005】
ロジン系粘着付与樹脂による水系粘着剤組成物の耐熱性を改良する検討としては、粘着付与樹脂の高軟化点化の検討もなされており、軟化点の高い重合ロジンエステルを粘着付与樹脂として用いる試みもなされている。しかし、かかる粘着付与樹脂によっても十分な耐熱性を有する水系粘着剤組成物は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性が良好で、かつポリオレフィンに対する接着性も良好な粘着付与樹脂エマルジョンを提供するとともに、当該粘着付与樹脂エマルジョンを配合して得られる水系粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、既存のアクリル系重合体エマルジョンまたはゴム系ラテックスに粘着付与樹脂エマルジョンを配合してなる水系粘着剤組成物の有する前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、粘着付与樹脂エマルジョンとして、ロジン類および/または酸価を有するロジン誘導体のカルボキシル基を金属化合物により金属塩化した構造の化合物を、乳化剤の存在下で乳化して得られるものを用いることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着付与樹脂エマルジョンは、価を有するロジン類のエステル化物であって酸価が2〜340であるもののカルボキシル基を金属化合物により金属塩化した構造の化合物(以下、当該化合物を金属塩化ロジンという。)を、乳化剤の存在下で乳化して得られる粘着付与樹脂エマルジョンを含有してなるものである。
【0009】
本発明でいうロジン類とはガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジンといったロジン、または前記ロジンを用いて不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジンや重合ロジン、さらには、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等で変性した不飽和酸変性ロジンといったものが挙げられる。なお、これらのロジン類の酸価は、通常、130〜340程度である。
【0010】
価を有するロジン類のエステル化物の酸価は2〜100程度である
【0011】
ロジン類のエステル化物としては、前記ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られたものをいう。エステル化反応は、ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させる、通常のロジン類のエステル化条件をそのまま採用することができる。たとえば、不活性ガス気流下に前記ロジン類と多価アルコールとを通常大気圧下で150〜300℃程度に加熱して反応生成水を系外に除去することにより行う。ロジン類と多価アルコールとの仕込み比率は、得られるロジンエステル類が酸価を有するように適宜に調製する。通常はロジン類のカルボキシル基当量に対して0.5〜1.5倍当量程度の水酸基を有する量の多価アルコールを使用するのがよい。
【0012】
多価アルコールとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価アルコール;ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールがあげられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組合せて使用できる。
【0013】
なお、反応に際しては、必ずしもエステル化触媒を必要としないが、反応時間の短縮のために、たとえば酢酸、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などを使用することもできる。
【0014】
ロジン類のエステル化物としては、前記ロジン類にフェノールを付加させ次いでエステル化したもの、ならびにレゾール型フェノール樹脂とロジン類を反応させて得られるいわゆるロジン変性フェノール樹脂のエステル化物といったものが挙げられる。前記ロジン類のフェノール変性物のエステル化物は、前記ロジン類のエステル化物と同様の反応条件、多価アルコール、触媒によって製造することができる。
【0015】
本発明における、ロジン類のエステル化物のカルボキシル基を金属塩化する金属化合物としては、何ら制限されることなく、ロジン類のエステル化物中のカルボキシル基と金属塩を形成するものならばいずれも有効に使用できる。たとえば、リチウム等の1価金属;亜鉛、カルシウム等の2価金属;アルミニウム等の3価金属等の各種化合物を使用できる。また、金属化合物の形態については、特に限定しないが、前記金属の酸化物、塩化物、水酸化物、硫酸塩等の形態で用いるのが好ましい。なかでも、耐熱性およびロジン類のエステル化物のカルボキシル基との反応性に優れる2価の金属の化合物、特に水酸化カルシウムを用いるのが好ましい。なお、金属化合物の使用量は、ロジン類のエステル化物100重量部に対し、通常、0.1〜5重量部程度である。
【0016】
ロジン類のエステル化物のカルボキシル基を金属化合物により金属塩化して金属塩化ロジンとする方法としては、たとえば、ロジン類のエステル化物に、金属化合物を添加して反応させる方法があげられる。かかる方法としては、具体的には、ロジン類のエステル化物を溶融した系に金属化合物を添加して反応する方法、ロジン類のエステル化物をベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤に溶解した系に金属化合物を添加して反応し溶剤を除去する方法等が挙げられる。
【0017】
なお、金属塩化ロジンは、ロジン類のエステル化物のカルボキシル基が金属化合物により金属塩化した構造のものであればその製法は制限されない。たとえば、金属塩化ロジンを一部エステル化した構造を有するものとする場合には、前記ロジンエステルのカルボキシル基を金属化合物で金属塩化する方法の他に、前記ロジン類のカルボキシル基を金属化合物で一部金属塩化した後、多価アルコールでエステル化する方法や、前記ロジン類に金属化合物と多価アルコールを同時に反応させ、ロジン類のカルボキシル基の金属塩化とエステル化を同時に行う方法も採用することもできる。
【0018】
これら金属塩化ロジンの酸価は、通常、ロジン類を用いて金属塩化した場合には60〜260程度、ロジン誘導体を用いて金属塩化した場合には0〜80程度である。これら金属塩化ロジンでは、ロジン誘導体を用いた金属塩化ロジンの方が、ロジン類を用いた金属塩化ロジンに比べて、接着性が良好であり好ましい
【0019】
前記金属塩化ロジンからなる粘着付与樹脂は乳化剤の存在下で乳化してエマルジョン化される。粘着付与樹脂をエマルジョン化するのに使用する乳化剤としては、α−オレフィンスルホン化物、アルキルサルフェート、アルキルフェニルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸のハーフエステル塩、ロジン石鹸等のアニオン系乳化剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系乳化剤を例示できる。乳化剤量は特に限定されないが通常、粘着付与樹脂100重量部に対し、固形分換算で1〜10重量部程度、好ましくは1〜5重量部である。
【0020】
乳化方法としては、従来より知られている高圧乳化法、反転乳化法等を採用できる。具体的には前記粘着付与樹脂をベンゼン、トルエン等の溶剤に溶解したのち前記乳化剤及び軟水を添加し、高圧乳化機を用いてエマルジョン化した後、減圧下に溶剤を除去する方法、粘着付与樹脂に少量のベンゼン、トルエン等の溶剤を混合し、つづいて乳化剤を練り込み、さらに熱水を徐々に添加してゆき転相乳化させてエマルジョンを得たのち溶剤を減圧下に除去またはそのまま使用する方法、加圧下または常圧下にて樹脂の軟化点以上に昇温して乳化剤を練り込み熱水を徐々に添加して行き転相乳化させてエマルジョン化する方法等をあげることができる。
【0021】
かくして得られた粘着付与樹脂エマルジョンの固形分濃度は特に限定されるものではないが、通常20〜70重量%程度となるように適宜に調整して用いる。また、得られたエマルジョンの平均粒子径は、通常0.2〜2μm程度であり、大部分は0.5μm以下の粒子として均一に分散している。また、該エマルジョンは白色ないし乳白色の外観を呈し、2〜9程度のpHを有する。
【0022】
本発明の水系粘着剤組成物はアクリル系重合体エマルジョンおよび/またはゴム系ラテックスに前記粘着付与樹脂エマルジョンを配合してなるものである。
【0023】
アクリル系重合体エマルジョンは、一般に各種のアクリル系粘着剤に用いられているものを使用でき、(メタ)アクリル酸エステルを一括仕込み重合法、モノマー逐次添加重合法、乳化モノマー逐次添加重合法、シード重合法等の公知の乳化重合法により容易に製造することができる。
【0024】
使用される(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等をあげることができ、これらを単独でもしくは二種以上を混合して用いる。また、得られるエマルジョンに貯蔵安定性を付与するため前記(メタ)アクリル酸エステルに換えて(メタ)アクリル酸を少量使用してもよい。さらに所望により(メタ)アクリル酸エステル重合体の接着特性を損なわない程度において、たとえば、酢酸ビニル、スチレン等の共重合可能なモノマーを併用できる。これら(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体のガラス転移温度は通常−70〜0℃程度、好ましくは−60〜−10℃である。0℃を越える場合にはタックが著しく低下し好ましくない。なお、アクリル系重合体エマルジョンに用いられる乳化剤にはアニオン系乳化剤、部分ケン化ポリビニルアルコール等を使用でき、その使用量は重合体100重量部に対して0.1〜5重量部程度、好ましくは0.5〜3重量部である。
【0025】
アクリル系重合体エマルジョンと粘着付与樹脂エマルジョンの使用割合は、アクリル系重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与剤樹脂エマルジョンを通常2〜40重量部程度(固形分換算)とするのがよい。粘着付与剤樹脂エマルジョンが2重量部に満たない場合には、粘着付与樹脂を添加することによる改質がほとんど認められず、また40重量部を越える場合には凝集力が低下する傾向にありいずれの場合も適当ではない。
【0026】
また、ゴム系ラテックスとしては、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス等があげられる。天然ゴムラテックスとしては、水系粘着剤組成物に用いられる公知のものを使用でき、解重合したもの、解重合しないもののいずれも使用できる。スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックスも通常、粘着剤用として市販されているものを使用できる。またスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックスはカルボキシ変性されたものでもよい。
【0027】
ゴム系ラテックスと粘着付与樹脂エマルジョンの使用割合は、ゴム系ラテックス100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与樹脂エマルジョンを通常10〜150重量部程度(固形分換算)とするのがよい。粘着付与樹脂エマルジョンが10重量部に満たない場合は、粘着付与樹脂を添加することによる改質がほとんど認められず、また150重量部を越える場合には凝集力が低下する傾向にありいずれの場合も適当ではない。
【0028】
本発明の水系粘着剤組成物は、ベース樹脂としてアクリル系重合体エマルジョンとゴム系ラテックスを併用することもでき、さらに必要に応じて消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤等を使用することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明のアクリル系重合体エマルジョンまたはゴム系ラテックスに当該粘着付与樹脂エマルジョンを配合した水系粘着剤組成物は、耐熱性に優れ、かつポリオレフィンに対する接着性も良好であるといった特徴を有する。
【0030】
【実施例】
以下に製造例、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、各例中、部及び%は特記しない限りすべて重量基準である。
【0031】
参考例1
(1)(粘着付与樹脂の製造)
ガムロジン(酸価175)500部を1リットル容の4つ口フラスコにとり、窒素気流下で180℃に昇温し、溶融撹拌下200℃で水酸化カルシウム15部を加えた後250℃まで昇温し、同温度で2時間反応を行い、同温度で生成水除去のため減圧を1時間実施し、酸価100、軟化点120℃の粘着付与樹脂を得た。
【0032】
(2)(粘着付与樹脂エマルジョンの製造)
参考例1(1)で得られた粘着付与樹脂100部をトルエン60部に100℃にて約1時間溶解した後、80℃まで冷却してアニオン系乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を固形分換算で3部および水160部を添加し、75℃にて1時間強撹拌し予備乳化を行なった。得られた予備乳化物を高圧乳化機(マントンガウリン社製)により29.4MPaの圧力で高圧乳化して乳化物を得た。次いで、減圧蒸留装置に前記乳化物200部を仕込み、50℃、133hPaの条件下に6時間減圧蒸留を行ない、固形分50%の粘着付与樹脂エマルジョンを得た。
【0033】
実施例
(1)(粘着付与樹脂の製造)
ガムロジン(酸価175)500部を1リットル容の4つ口フラスコにとり、窒素気流下で180℃に昇温し、溶融撹拌下200℃でペンタエリスリトール62部を加えた後280℃まで昇温し、同温度で12時間エステル化反応を行った(酸価22)後、水酸化カルシウム5部を添加し、さらに同温度で2時間反応を行い、同温度で生成水除去のため減圧を1時間実施し、酸価15、軟化点101℃の粘着付与樹脂を得た。
【0034】
(2)(粘着付与樹脂エマルジョンの製造)
参考例1(2)において、粘着付与樹脂を実施例2(1)で得られた粘着付与樹脂に変えた他は同様の操作を行い、固形分50%の粘着付与樹脂エマルジョンを得た。
【0035】
実施例
(1)(粘着付与樹脂の製造)
ガムロジン(酸価175)500部を1リットル容の4つ口フラスコにとり、窒素気流下で180℃に昇温し、溶融撹拌下200℃でフマル酸20部、ペンタエリスリトール65部および水酸化カルシウム5部を加えた後280℃まで昇温し、同温度で12時間エステル化反応を行い、同温度で生成水除去のため減圧を1時間実施し、酸価7、軟化点129℃の粘着付与樹脂を得た。
【0036】
(2)(粘着付与樹脂エマルジョンの製造)
参考例1(2)において粘着付与樹脂を実施例(1)で得られた粘着付与樹脂に変えた他は同様の操作を行い、固形分50%の粘着付与樹脂エマルジョンを得た。
【0037】
実施例
(1)(粘着付与樹脂の製造)
重合ロジン(酸価145)500部を1リットル容の4つ口フラスコにとり、窒素気流下で180℃に昇温し、溶融撹拌下220℃でペンタエリスリトール62部および水酸化カルシウム5部を加えた後280℃まで昇温し、同温度で12時間エステル化反応を行い、同温度で生成水除去のため減圧を1時間実施し、酸価12、軟化点165℃の粘着付与樹脂を得た。
【0038】
(2)(粘着付与樹脂エマルジョンの製造)
参考例1(2)において粘着付与樹脂を実施例(1)で得られた粘着付与樹脂に変えた他は同様の操作を行い、固形分50%の粘着付与樹脂エマルジョンを得た。
【0039】
製造例1(アクリル系重合体エマルジョンの製造)
(1)アクリル酸ブチル33.00部、アクリル酸2−エチルヘキシル11.30部、アクリル酸0.96部
(2)触媒(過硫酸カリウム)0.23部、pH調整剤(重ソウ)0.11部および水9.04部
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた四つ口フラスコ中、70℃の窒素ガス気流下で、水44.46部およびアニオン系乳化剤(商品名ハイテノールS、固形分50%、第一工業製薬(株)製)0.90部を溶解した後、撹拌下に上記(1)および(2)の合計の1/10量を添加し70℃で窒素ガス気流下にて30分間予備反応を行ない、その後、(1)および(2)の合計の9/10量を2時間かけて滴下し、滴下重合を行なった。(1)および(2)の全量を滴下し終った後、1時間完結反応を70℃で行ない室温に冷却後、アクリル系重合体エマルジョンを得た。
【0040】
比較例1
参考例1(2)において粘着付与樹脂をガムロジン(酸価175)に変えた他は同様の操作を行い固形分50%の粘着付与樹脂エマルジョンを得た。
【0041】
参考例1、実施例1〜、比較例1〜4(水系粘着剤組成物の調製)
参考例1で得られたエマルジョン型アクリル系重合体100部(固形分換算)に、表1に示す粘着付与樹脂エマルジョン10部(固形分換算)を混合した調製物に、さらにアクリル系の増粘剤としてプライマルASE−60(日本アクリル社製)0.5部(固形分換算)を添加しアンモニア水にて増粘させてエマルジョン型アクリル系粘着剤組成物を得た。得られた水系のアクリル系粘着剤組成物を厚さ38μmのポリエステルフィルムにサイコロ型アプリケーターにて乾燥膜厚が25μm程度となるように塗布し、次いで該粘着剤組成物中の水分を除去して試料テープを作成し、以下の性能評価方法にて各種試験を行った。
【0042】
(性能試験)
以下の試験方法により粘着特性を評価した。評価結果は表1に示す。
【0043】
(1)接着性
試料テープ(巾25mm×長さ150mm)をポリプロピレン板に貼り付け、PSTC−1に準じて20℃で、剥離速度300mm/分で180゜剥離を行い、その時の巾25mmあたりの接着力(g/25mm)を測定した。
【0044】
(2)凝集力
試料テープ(25mm×25mm)をステンレス板に貼り付け、60℃で1kg荷重し、落下時間(分)を測定した。
【0045】
【表1】
Figure 0004446210
【0046】
表1中、エマルジョン▲1▼:スーパーエステルE−720(不均化ロジンエステルのエマルジョン、荒川化学工業(株)製)、エマルジョン▲2▼:スーパーエステルE−650(重合ロジンエステルのエマルジョン、荒川化学工業(株)製)を示す。

Claims (7)

  1. 価を有するロジン類のエステル化物であって酸価が2〜340であるもののカルボキシル基を金属化合物により金属塩化した構造の化合物を、乳化剤の存在下で乳化して得られる粘着付与樹脂エマルジョン。
  2. 価を有するロジン類のエステル化物であって酸価が2〜340であるもののカルボキシル基を金属化合物により金属塩化した構造の化合物の酸価が0〜260である請求項1に記載の粘着付与樹脂エマルジョン。
  3. ロジン類が、ロジン、安定化ロジン、重合ロジンおよび不飽和酸変性ロジンからなる群より選ばれるいずれか少なくとも一種である請求項1または2に記載の粘着付与樹脂エマルジョン。
  4. 金属化合物が2価の金属の酸化物、水酸化物、塩化物および硫酸塩からなる群より選ばれるいずれか少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着付与樹脂エマルジョン。
  5. アクリル系共重合体のエマルジョンまたはゴム系ラテックス、および請求項1〜4のいずれかに記載の粘着付与樹脂エマルジョンを含有してなる水系粘着剤組成物。
  6. アクリル系重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与樹脂エマルジョン2〜40重量部(固形分換算)を配合してなる請求項5に記載の水系粘着剤組成物。
  7. ゴム系ラテックス100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与樹脂エマルジョン10〜150重量部(固形分換算)を配合してなる請求項5に記載の水系粘着剤組成物。
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