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JP4326104B2 - 画像入力装置 - Google Patents

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JP4326104B2
JP4326104B2 JP2000069575A JP2000069575A JP4326104B2 JP 4326104 B2 JP4326104 B2 JP 4326104B2 JP 2000069575 A JP2000069575 A JP 2000069575A JP 2000069575 A JP2000069575 A JP 2000069575A JP 4326104 B2 JP4326104 B2 JP 4326104B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射面によって反射した画像を撮像する画像入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般の単眼のカメラにおいては、一方向の画角の画像を撮像するように構成されている。これに対して、特許第2939087号や特開平11−174603号公報などのように、反射面によって反射した画像を撮像するようにしてカメラの周囲の広い画角を一度に撮影する画像入力装置が知られている。
【0003】
広い画角を一度に撮影するこの画像入力装置は、曲面の形状の一つの反射面をカメラの光軸上に配置し、その反射面による反射像を撮像することにより、1つのカメラでカメラの光軸まわりの360度の画像を撮像するように構成されており、いわゆる、全方位画像撮像装置と呼ばれている。
【0004】
この全方位画像撮像装置は、一つのカメラに一つの反射曲面という極めて単純な構成により簡便に装置の構成が可能であるにも関わらず、死角のない画像を得ることができるため、空間認識装置として、ロボットの誘導などに適用されている。
【0005】
前記反射面の形状は、カメラの光軸回りの軸回転対称の形状を有する場合が多く、例えば円錐、球、双曲面などの形状を有する。これらの反射面を用いた場合には、カメラに円形の画像が撮像され、円形の半径方向がカメラの光軸方向、円周方向がカメラの光軸回りの方向を示す全方位画像となる。
【0006】
したがって、得られた円形の画像データを幾何変換すれば、カメラの光軸回りの全周の画像いわゆるパノラマ画像を再構築できる。特に、双曲面の場合には、双曲面の内部焦点の位置の一点から全方向を観測した時の画像が再生できるため、視点の移動のない違和感のないパノラマ画像が得られることが知られている。また、反射面の形状により、カメラの光軸方向に撮像できる範囲すなわち画角が異なることも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の全方位画像撮像装置のような反射面を有する画像入力装置では、以下のような課題を有する。
【0008】
従来の装置では、一つの曲率を有した反射面に対して構成されているため、例えば、一つの曲率を有する双曲面の反射面を用いた構成の場合には、その双曲面の形状により画角が固定となるため、通常の可変倍率のカメラ、いわゆるズーム付きカメラのように画角の変更ができない。
【0009】
また、全方位の画像を1つのカメラで撮像すると、360度全周の画像を1つの結像素子に結像するため、原理的に通常の視野のカメラに比べて空間解像度の低い画像となってしまう。そのため、同一のカメラで通常の視野の画像を撮像することが望まれるが、従来装置ではその要望を満たすことができない。
【0010】
本発明は、反射面を有する画像入力装置において、全方位画像や通常の平面反射による画像などの異なる画角の画像を簡便に撮像できる画像入力装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の画像入力装置は、画像撮像素子と、結像光学系と、互いに異なる形状を有する複数の反射面と、前記複数の反射面から任意の反射面を選択する選択手段とを設け、前記選択手段により選択した任意の反射面と前記結像光学系とが共働して前記結像光学系の光軸回りの画像を前記画像撮像素子に結像することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2記載の画像入力装置は、請求項1において、前記選択手段により選択された反射面を検出する検出手段と、前記検出手段の出力に応じて前記画像撮像素子から出力された画像を幾何変換処理する変換処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3記載の画像入力装置は、請求項1において、前記選択手段により前記複数の反射面から選択する第一の反射面を、前記結像光学系の光軸上かつ前記画像撮像素子の結像面に相対する位置に配置し、前記第一の反射面とは異なる形状の第二の反射面を、前記結像光学系の光軸上かつ前記第一の反射面の背面位置に配置して保持する保持手段と、前記第一の反射面の位置と前記第二の反射面の位置を逆転させる反転手段とを設けたことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項4記載の画像入力装置は、請求項3において、前記反転手段は、前記保持手段を前記結像光学系の光軸に垂直な軸回りに回転する回転機構であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項5記載の画像入力装置は、請求項1において、前記複数の反射面の第一の反射面は、前記結像光学系の光軸回りの全方向の画像を、前記画像撮像素子上に、ほぼ同心円状に結像する軸回転対称面であることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項6記載の画像入力装置は、請求項5において、前記複数の反射面の第二の反射面は、前記第一の反射面と異なる曲率を有し、前記結像光学系の光軸方向において前記第一の反射面と異なる画角の全方向の画像を前記画像撮像素子上に、ほぼ同心円状に結像する軸回転対称面であることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項7記載の画像入力装置は、請求項6において、前記第一の反射面が第一の双曲面であり、前記第二の反射面が前記第一の双曲面と異なる曲率の第二の双曲面であり、前記選択手段により、前記第一の反射面を選択した時の前記第一の双曲面の内部焦点の位置と、前記第二の反射面を選択した時の前記第二の双曲面の内部焦点の位置とが略一致することを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項8記載の画像入力装置は、請求項7において、前記第一の反射面を選択した時の前記第一の双曲面により結像した第一の画像と前記第二の反射面を選択した時の前記第二の双曲面により結像した第二の画像とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記第一の画像および第二の画像を、幾何変換し、1視点からの画像に変換する幾何変換手段と、前記変換処理手段により変換された第一の画像および第二の画像を合成処理する合成処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項9記載の画像入力装置は、請求項5において、前記複数の反射面の第二の反射面は、前記結像光学系の光軸回りの単一方向からの画像を、前記画像撮像素子上に結像する反射面であることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項10記載の画像入力装置は、請求項9において、前記複数の反射面の第二の反射面を駆動し、前記結像光学系の光軸回りの任意の方向からの画像を前記画像撮像素子上に結像させる方向選択手段を設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項11記載の画像入力装置は、請求項10において、前記複数の反射面の第一の反射面を用いて前記画像撮像素子に結像した前記結像光学系の光軸回りの全方向の画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された表示画像の任意の領域を指示する指示手段と、前記方向選択手段が前記指示手段により指示された前記表示画像の領域に一致する方向からの画像を前記第二の反射面により前記画像撮像素子上に結像するように制御する制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項12記載の画像入力装置は、請求項11において、前記第一の反射面を用いて前記画像撮像素子上に結像した第一の画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した第一の画像を幾何変換した変換画像を生成し、前記制御手段により制御された前記第二の反射面により前記画像撮像素子上に結像した第二の画像を前記変換画像に重ねる画像処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図16に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図8は(実施の形態1)を示す。
【0024】
図1,図2は(実施の形態1)の画像入力装置を示し、カメラ部とこのカメラ部の出力データを処理する処理装置とで構成されている。
1はカメラ部である。カメラ部1については、その断面形状を示している。カメラ部1は以下の部品により構成される。
【0025】
2はCCDまたはCMOSなどの画像撮像素子である。3は結像レンズで、結像レンズ3の光軸4の方向の像を結像し画像撮像素子2に画像を結像する。5aは第一の反射鏡で、光軸4を中心とした回転対称の形状であり、双曲面形状である。5bは第二の反射鏡で、光軸4を中心とした回転対称の形状であり、第一の反射鏡とは異なる双曲面形状である。6は保持部材で、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bを保持している。7は反転手段としての回転装置で、保持部材6に連結して保持部材6を回転させ、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bの位置を逆転(図1では上下逆)する。この回転装置7は、自己の回転位置を認識する機能を有している。
【0026】
9はカメラ台座で、画像撮像素子2と結像レンズ3と透明保持部材10とを固定保持している。透明保持材10は、ガラスなどの透明体の楕円柱または円柱の構造を有しており、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5b、保持部材6、回転装置7、保護部材8を、カメラ台座9上に、結像レンズ3から一定距離をもって位置決めするとともに、ガラス等の透明な材料で構成することにより、光軸4まわりの空間の画像を遮ることなく、反射鏡5aまたは反射鏡5bで反射させることができる。
【0027】
上記のカメラ部1の信号を処理する部分は次のように構成されている。
11は画像記憶装置で、画像撮像素子2に結像した画像を取り込み記憶する。12は幾何変換装置で、画像記憶装置11に記憶された画像を幾何変換して、一点の視点から観測した時のようなパノラマ画像を生成する。13は合成処理装置で、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bにより撮像して画像記憶装置11に記憶され、さらに幾何変換装置12により変換されたそれぞれの画像を合成した画像を生成する。14は表示装置で、合成処理装置13からの画像出力を表示する。15は制御装置で、内部に保有するプログラムに記述された内容に応じて画像撮像素子2、回転装置7、画像記憶装置11、幾何変換装置12、合成処理装置13の動作を制御する。
【0028】
ここで、図3を用いて第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bの位置関係について示す。
図3は図1,図2の画像入力装置のカメラ部1を示し、16aは第一の反射鏡5aの双曲面の内部焦点、16bは第二の反射鏡5bの双曲面の内部焦点を示している。17は結像レンズ3の主点を示している。18は保持部材6の回転装置7による回転中心軸を示している。矢印Dが回転中心軸18の周りの回転方向を示している。第一の反射鏡5aの双曲面と第二の反射鏡5bの双曲面の回転中心軸は、光軸4と一致しており、それらの双曲面の凸面は上下逆方向を向いている。
【0029】
ここで、 内部焦点16aと回転中心軸18の距離をRa、内部焦点16bと回転中心軸18の距離をRbとすると、
Ra = Rb
の式が成立するように構成する。ここで、双曲面形状の反射面によって反射結像した画像は、その内部焦点の位置から観測した画像に変換できることが知られている。
【0030】
したがって、回転装置7により保持部材6が矢印Dの方向に回転し、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bの位置が入れ換わっても、それぞれの内部焦点と結像レンズ3の主点17からの距離Lは不変となる。
【0031】
そのため、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bから反射した全方向の画像を変換すると、空間上の同一視点からのパノラマ像が再生できる。
つぎに、図4(a)(b)(c)を用いて、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bによる画角の違いについて説明する。
【0032】
図4(a)は第二の反射鏡5bで画像を撮像する時の画角を示し、図4(b)は第一の反射鏡5aで画像を撮像する時の画角を示している。図4(c)は第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bの画角を比較した図である。
【0033】
図4(a)において、第二の反射鏡5bは光軸4の周りには360度で、光軸4方向には角度αの画角の画像を撮像する。一方、図4(b)において、第一の反射鏡5aは第二の反射鏡5bよりも曲率半径の小さい形状をしているため、光軸4の周りには360度で、かつ第二の反射鏡5bの場合に比べて、より光軸4方向に向かって結像レンズ3より遠い側を撮像することがわかる。
【0034】
図4(c)が画角の違いを明確にするために示した模式図である。点19にそれぞれの内部焦点の位置を一致させて示している。図4(c)に明かなように、それぞれの反射鏡での撮像できる画角は一部重なりながら、異なる画角を撮像していることがわかる。
【0035】
制御装置15は図5のステップ20a〜20iのように構成されている。
以下、制御装置15の構成を、図5のフローチャートに従って説明する。
(ステップ20a)回転位置の認識:
制御装置15は回転装置7の位置を認識し、2つの反射鏡のうちどちらが画像撮像素子2の方向を向いているかを認識する。図1,図2の場合には第二の反射鏡5bが認識される。以下、初期の反射鏡の位置を図1,図2として説明する。
(ステップ20b)画像Aの撮像:
制御装置15は画像撮像素子2を駆動して画像を撮像する。この画像を画像Aとする。画像Aは、第二の反射鏡5bによって反射した画像である。図6(a)に画像Aの模式図を示した。図6(a)のように、ドーナッツ型の画像が撮像され、画像Aの円周方向θが図4(a)の光軸4回りの方向を示し、αは、図4(a)と同じく、光軸4方向の画角方向となる。
(ステップ20c)画像Aの記憶:
ステップ20bで撮像された画像は、画像記憶装置11に送られ記憶される。このとき、第二の反射鏡5bを用いて撮像された画像Aであることがわかるように区別して記憶しておく。
(ステップ20d)回転装置7の駆動:
制御装置15は回転装置7を駆動し、第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bの位置を逆転する。
(ステップ20e)画像Bの撮像:
制御装置15は、画像撮像素子2を駆動して画像を撮像する。この画像を画像Bとする。画像Bは、第一の反射鏡5aによって反射した画像である。図6(b)に画像Bの模式図を示した。図6(b)のように、ドーナッツ型の画像が撮像され、画像Bの円周方向θが図4(b)の光軸4回りの方向を示し、βは、図4(b)と同じく、光軸4方向の画角方向となる。
(ステップ20f)画像Bの記憶:
(ステップ20e)で撮像された画像は、画像記憶装置11に送られ記憶される。このとき、第一の反射鏡5aを用いて撮像された画像Bであることがわかるように区別して記憶しておく。
(ステップ20g)画像A、画像Bの変換:
幾何変換装置12により、画像記憶装置11に記憶された画像Aと画像Bをそれぞれパノラマ画像に変換する。図6(a)(b)において、θ方向を長軸方向に、α方向およびβ方向を短軸方向となる矩形画像に幾何変換することによりパノラマ画像が生成できる。図7の破線21が画像Aをパノラマ画像に変換したパノラマ画像A、図7の実線22が画像Bをパノラマ画像に変換したパノラマ画像Bである。
【0036】
幾何変換装置12は、撮像した第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bで異なる変換パラメータを内蔵しており、画像記憶装置11から呼び出した画像の種類に応じて処理パラメータを入れ替えて処理を実行する。
(ステップ20h)画像A、画像Bの合成:
図7は破線21で示したパノラマ画像Aと実線22で示したパノラマ画像Bを合成した位置を示している。図4に示したように、破線21で示したパノラマ画像Aは、画角αの位置を撮像し、実線22で示したパノラマ画像Bは、画角βの位置を撮像している。パノラマ画像Aとパノラマ画像Bはいずれも、空間上同一の視点から観測した画像である。
【0037】
したがって、図7のように合成して一枚の画像(21−22)を生成することにより、より画角の広いパノラマ画像を生成する。パノラマ画像Aとパノラマ画像Bの互いに重なりあった領域では画像を補間し合って画像の解像度が向上している。
(ステップ20i)表示:
ステップ20hにより生成された画像を、図1(b)に示した表示装置14に表示して処理を終わる。
【0038】
図1,図2のように、単一の画像撮像素子に対して、複数の画角の反射鏡5a,5bを有する構造であるため、異なる画角の画像を簡便に撮像することができる。特に、反射面が一度に光軸回りの全方位の画像を撮像する場合においては、異なる画角の全方位画像を単一の画像撮像素子により撮像できる。
【0039】
さらに、複数の反射鏡のうち撮像に用いない反射鏡が、画像を撮像する時の光軸方向の死角の位置に格納されているため、撮像方向を遮ることなく良好な画角で画像を撮像することが可能である。特に、全方位の画像を一度に得るような場合においては、死角が少ないため特に有効である。
【0040】
さらに、図1,図2に示したような異なる曲率を有する二つの双曲面の反射鏡で撮像した画像を合成することにより、360度のパノラマ画像の画角を広げることが可能となると同時に画像の解像度も向上することができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、二つの双曲面の反射鏡を切り替える場合について示したが、必ずしも双曲面である必要はない。たとえば、図8(a)や図8(b)のように、両者ともに円錐面や一方が球面でもかまわない。これらの場合も同様に360度のパノラマ画像が生成できるため、二つの異なる画角のパノラマ画像を得ることができ、これらを合成することにより画角を広げることが可能であることは言うまでもない。
【0042】
なお、図2に示すように透明保持部材10を楕円形状にしたのは、下記の理由による。
図1において第一の反射鏡5aと第二の反射鏡5bを回転して位置を入れ替える場合に、小さな直径の円筒形であると第一,第二の反射鏡5a,5bが衝突して回転できない。そのため、第一,第二の反射鏡5a,5bの回転軌道に接触しない範囲でできるだけ小さい形状になるように、第一,第二の反射鏡5a,5bの先端が衝突しないように楕円形状に構成している。
【0043】
さらに、透明保持部材10は全周を覆っているので、光が通過する際の光の劣化(減衰,屈折)が周方向に均一になって、局所的に画像が劣化しない。
(実施の形態2)
図9〜図14は(実施の形態2)を示す。
【0044】
図9,図10は(実施の形態2)の画像入力装置を示し、図1,図2と同様の作用を成すもの同一の符号を付けて説明を省略する。
図9,図10の100は(実施の形態2)のカメラ部である。カメラ部100のうち、101は平面ミラーである。102は平面ミラー保持部材である。103は双曲面ミラーである。104は方向選択手段としての平面ミラー回転装置で、平面ミラー101と平面ミラー保持部材102を光軸4まわりに回転させる。105は保持部材で、平面ミラー101、平面ミラー保持部材102と双曲面ミラー103と平面ミラー回転装置104を保持している。106は回転装置で、保持部材105を光軸4方向に回転させることにより、平面ミラー101と双曲面ミラー103の位置を逆転(図9,図10では上下)させることができる。
【0045】
上記のカメラ部100の信号を処理する部分は次のように構成されている。
107は画像処理装置で、画像記憶装置11に記憶された画像に対して加工処理を施して表示装置14に表示する。108は入力装置で、表示装置14に表示された画像に対して位置の指定などの指示を行う装置である。109は制御装置で、平面ミラー回転装置104と回転装置105と画像撮像素子2と画像記憶装置11と画像処理装置107を内部に保有するプログラムに記述された内容に応じて制御を行う。
【0046】
制御装置109は図11のステップ110a〜110iのように構成されている。
図12は図9,図10におけるカメラ部100の動作を示した説明図である。
【0047】
図13は図9,図10におけるカメラ部100により撮像された全方位画像の説明図である。
図14は図9,図10における画像処理装置107により処理され表示装置14に表示された合成画像の説明図である。
【0048】
以下、制御装置109の構成を、図11のフローチャートに従って説明する。
(ステップ110a)全方位画像の撮像:
双曲面ミラー103の位置が、図7に示したように結像レンズ3に相対する位置にあることを確認後、画像撮像素子2を動作させて画像を撮像する。図12(a)がステップ110a動作時のカメラ部100を示す。
【0049】
図13が撮像された全方位画像である。θが光軸4周りを示し、αが光軸4方向を示しており、光軸4周りの全方向の画像が撮像される。このような画像を、全方位画像と呼ぶことにする。
(ステップ110b)全方位画像の記憶:
画像記憶装置11に全方位画像を記憶する。
(ステップ110c)全方位画像の表示:
画像記憶装置11に記憶された全方位画像を表示装置14に表示する。
なお、画像処理装置107は、画像記憶装置11から表示装置14に画像をスルーする。
(ステップ110d)視線方向の指示:
図13に示した全方位画像のうち、任意の点を入力装置108により入力する。入力する点の選択は、全方位画像のうち、より詳細な画像を得たい場所を指示する。図13における点111が入力した点であるとする。
(ステップ110e)反射鏡の上下反転:
制御装置109が回転装置105に働きかけて、保持部材105を光軸4方向に回転させることにより、平面ミラー101と双曲面ミラー103の位置を逆転させる。図12(b)が(ステップ110e)において平面ミラー101が回転した状態を示す。
(ステップ110f)平面ミラーの方向制御:
平面ミラー101は光軸4周りの一方向のみの画像を反射する。したがって、(ステップ110d)で指定した点111の位置に対応する光軸4まわりの方向を向くように、平面ミラー回転装置104を回動させる。図12(c)が、平面ミラ−が平面ミラー回転装置104により回動している状態を示す。
(ステップ110f)平面反射画像の撮像:
画像撮像素子2を動作させて平面ミラー101で反射した画像(平面反射画像と呼ぶ)を撮像する。
(ステップ110g)平面反射画像の記憶:
画像記憶装置11に平面反射画像を記憶する。
(ステップ110h)全方位画像と平面反射画像の合成:
画像記憶装置11に記憶された全方位画像を画像処理装置107が呼び出し、パノラマ画像に変換する。図14の112が、図13の全方位画像を幾何変換して展開して得られたパノラマ画像である。ここで、点113が図13における点111に対応する位置を示している。次に、画像記憶装置11から平面反射画像を呼び出して、パノラマ画像に合成する。114が平面反射画像が張り付けられた場所を示している。
【0050】
このように、双曲面ミラー103により得られた全方位画像の一部を指示すると、平面ミラー101が所定の方向に回動し、指示した位置に対応する詳細な画像を撮像することができる。
【0051】
なお、(実施の形態2)では全方位画像に平面反射画像を合成したが、必ずしも重ねる必要はなく、平面反射画像を直接に表示装置14に示しても、全方位の画像の一部を視線方向を詳細に観測する目的を達成できる。
【0052】
さらに、(実施の形態2)では双曲面ミラーを用いたが、一度に全方位の画像を得ることができれば、その限りでなく、円錐、球などの形状でもよい。
(実施の形態3)
図15と図16は(実施の形態3)を示す。
【0053】
(実施の形態1)(実施の形態2)では、動作を制御装置の制御により自動で動作させていたが、必ずしも自動制御する必要はない。たとえば、図15に示したような構造にすれば、極めて簡便にミラーの回動が可能である。図16(a)〜(f)は使用状態の説明図である。
【0054】
図15(a)(b)において、200がカメラ部である。カメラ部200において、図1,図2と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明を省略する。
【0055】
201が保持部材で、上下に平面ミラー101と双曲面ミラー103とを保持している。ここで保持部材201は、図16(b)のように透明保持材10Cならびに保護部材8とは分離できるような構造となっている。そこで、図16(c)のように保持部材201を手動操作で回転させて再び図16(d)に示すように透明保持材10に接合させる。次に、図16(e)のように平面ミラー101で撮像したい方向になるように保持部材201を手動操作で回転させる。最後に、図16(f)のように保護部材8を保持部材201に接合して動作を完了する。
【0056】
このような構造であれば、回動のための装置が必要なく、極めて簡単な構造で異なる形状のミラーを置き換えることが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、単一の画像撮像素子に対して、複数の画角の反射鏡を有する構造であるため、異なる画角の画像を簡便に撮像することができる。
【0058】
特に、反射面が一度に光軸回りの全方位の画像を撮像する場合においては、異なる画角の全方位画像を単一の画像撮像素子により撮像できる。
さらに、撮像に用いない反射鏡が光軸方向の全方位の画像を撮像する時の死角の位置に格納しているため、良好な画角で全方位の画像を撮像することが可能である。
【0059】
さらに、異なる曲率を有する曲面の反射鏡で撮像した画像を合成することにより、360度のパノラマ画像の画角を広げることが可能となると同時に画像の解像度も向上することができる。
【0060】
また、特に一方が全方位の画像を得ることができる反射鏡を有し、もう一方が平面ミラーを有する場合には、全方位の画像の一部を指示することにより、平面ミラーが所定の方向に回動し、指示した位置に対応する詳細な画像を撮像することができる。
【0061】
さらに、全方位の画像に平面ミラーによる詳細な画像を重ねて表示することも可能である。
さらに、以上のような効果をアクチュエータなどの動力を用いずに、手動で簡便に行える構成を採用した場合には、単純で安価な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(実施の形態1)の画像入力装置の構成図
【図2】同実施の形態の画像入力装置の平面図
【図3】同実施の形態のカメラ部の位置関係の説明図
【図4】同実施の形態の異なる反射鏡の画角の違いの説明図
【図5】同実施の形態の動作を示すフローチャート図
【図6】同実施の形態において形状の異なる反射鏡で撮像された画像の説明図
【図7】同実施の形態において形状の異なる反射鏡で撮像された画像の合成結果を示した説明図
【図8】同実施の形態の画像入力装置の説明図
【図9】(実施の形態2)の画像入力装置の構成図
【図10】同実施の形態の画像入力装置の構成図
【図11】同実施の形態の動作を示すフローチャート図
【図12】同実施の形態のカメラ部の動作の説明図
【図13】同実施の形態の撮像画像の説明図
【図14】同実施の形態の合成画像を示す説明図
【図15】(実施の形態3)の画像入力装置の説明図
【図16】同実施の形態の使用状態の説明図
【符号の説明】
1 カメラ部
2 画像撮像素子
3 結像レンズ
4 結像レンズの光軸
5a 第一の反射鏡
5b 第二の反射鏡
6 保持部材
7 回転装置
8 保護部材
9 カメラ台座
10 透明保持材
11 画像記憶装置
12 幾何変換装置
13 合成処理装置
14 表示装置
15 制御装置
16a,16b 双曲面の内部焦点
17 結像レンズ3の主点
18 回転中心軸
100 カメラ部
101 平面ミラー
102 平面ミラー保持部材
103 双曲面ミラー
104 平面ミラー回転装置
105 保持部材
106 回転装置
107 画像処理装置
108 入力装置
109 制御装置

Claims (12)

  1. 画像撮像素子と、
    結像光学系と、
    互いに異なる形状を有する複数の反射面と、
    前記複数の反射面から任意の反射面を選択する選択手段と
    を設け、
    前記選択手段により選択した任意の反射面と前記結像光学系とが共働して前記結像光学系の光軸回りの画像を前記画像撮像素子に結像する
    画像入力装置。
  2. 前記選択手段により選択された反射面を検出する検出手段と、
    前記検出手段の出力に応じて前記画像撮像素子から出力された画像を幾何変換処理する変換処理手段とを設けた
    請求項1記載の画像入力装置。
  3. 前記選択手段により前記複数の反射面から選択する第一の反射面を、前記結像光学系の光軸上かつ前記画像撮像素子の結像面に相対する位置に配置し、前記第一の反射面とは異なる形状の第二の反射面を、前記結像光学系の光軸上かつ前記第一の反射面の背面位置に配置して保持する保持手段と、
    前記第一の反射面の位置と前記第二の反射面の位置を逆転させる反転手段を有する
    請求項1記載の画像入力装置。
  4. 前記反転手段は、前記保持手段を前記結像光学系の光軸に垂直な軸回りに回転する回転機構である
    請求項3記載の画像入力装置。
  5. 前記複数の反射面の第一の反射面は、前記結像光学系の光軸回りの全方向の画像を、前記画像撮像素子上に、ほぼ同心円状に結像する軸回転対称面である
    請求項1記載の画像入力装置。
  6. 前記複数の反射面の第二の反射面は、前記第一の反射面と異なる曲率を有し、前記結像光学系の光軸方向において前記第一の反射面と異なる画角の全方向の画像を前記画像撮像素子上に、ほぼ同心円状に結像する軸回転対称面である
    請求項5記載の画像入力装置。
  7. 前記第一の反射面が第一の双曲面であり、前記第二の反射面が前記第一の双曲面と異なる曲率の第二の双曲面であり、前記選択手段により、前記第一の反射面を選択した時の前記第一の双曲面の内部焦点の位置と、前記第二の反射面を選択した時の前記第二の双曲面の内部焦点の位置とが略一致する
    請求項6記載の画像入力装置。
  8. 前記第一の反射面を選択した時の前記第一の双曲面により結像した第一の画像と前記第二の反射面を選択した時の前記第二の双曲面により結像した第二の画像とを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記第一の画像および第二の画像を、幾何変換し、1視点からの画像に変換する幾何変換手段と、
    前記変換処理手段により変換された第一の画像および第二の画像を合成処理する合成処理手段と
    を設けた請求項7記載の画像入力装置。
  9. 前記複数の反射面の第二の反射面は、前記結像光学系の光軸回りの単一方向からの画像を、前記画像撮像素子上に結像する反射面である
    請求項5記載の画像入力装置。
  10. 前記複数の反射面の第二の反射面を駆動し、前記結像光学系の光軸回りの任意の方向からの画像を前記画像撮像素子上に結像させる方向選択手段を設けた
    請求項9記載の画像入力装置。
  11. 前記複数の反射面の第一の反射面を用いて前記画像撮像素子に結像した前記結像光学系の光軸回りの全方向の画像を表示する表示手段と、
    前記表示手段に表示された表示画像の任意の領域を指示する指示手段と、
    前記方向選択手段が前記指示手段により指示された前記表示画像の領域に一致する方向からの画像を前記第二の反射面により前記画像撮像素子上に結像するように制御する制御手段と
    を設けた請求項10記載の画像入力装置。
  12. 前記第一の反射面を用いて前記画像撮像素子上に結像した第一の画像を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶した第一の画像を幾何変換した変換画像を生成し、前記制御手段により制御された前記第二の反射面により前記画像撮像素子上に結像した第二の画像を前記変換画像に重ねる画像処理手段と
    を設けた請求項11記載の画像入力装置。
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