Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP4319452B2 - 油水分離槽 - Google Patents

油水分離槽 Download PDF

Info

Publication number
JP4319452B2
JP4319452B2 JP2003114194A JP2003114194A JP4319452B2 JP 4319452 B2 JP4319452 B2 JP 4319452B2 JP 2003114194 A JP2003114194 A JP 2003114194A JP 2003114194 A JP2003114194 A JP 2003114194A JP 4319452 B2 JP4319452 B2 JP 4319452B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
water separation
flow path
forming member
side wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003114194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004314000A (ja
Inventor
悦二 大池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ooike Inc
Original Assignee
Ooike Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ooike Inc filed Critical Ooike Inc
Priority to JP2003114194A priority Critical patent/JP4319452B2/ja
Publication of JP2004314000A publication Critical patent/JP2004314000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4319452B2 publication Critical patent/JP4319452B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Removal Of Floating Material (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリストップとも呼ばれ、油の混入した水から、油を回収するための装置であり、ガソリンスタンド、洗車場、油を利用する工場などで用いられるのに適した油水分離槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油水分離区画に油が混入した排水を滞留させて、油は水との比重の差により油水分離する分離槽が知られている。多くの分離槽では、1つの分離槽の中を堰により分割して複数の分離区画を設け、1つの分離区画で分離された油が次の区画に移動しないようにして、水だけを移動し、油分の少ない排水が流出するようにしている。
【0003】
油水分離槽のうち、レストランに用いられる油水分離槽は比較的小型である。調理場などからの排水の油を取り除く目的であり、主として屋内に設けられ、雨水などの大量の排水が混入しないように設置されているからである。他方、ガソリンスタンド、駐車場、洗車場あるいは油を利用する工場などに用いられる分離槽は大型である。ガソリンスタンドや洗車場などは、屋外に漏れた、あるいは屋外でこぼれた油が、大量の雨水や洗浄水と共に排出されるのを防止するためであり、処理する排水量が大きくなるからである。
【0004】
レストランに用いられている小型の分離槽は、全長が1m以下、幅40cm以下、深さ50cm以下が主流であり、FRPやステンレススチールなどの加工が容易な材質で形成されている。そして、槽内を横切るように取り付けられた板状の部材により下側に開口部がある堰(潜り堰)が形成され、槽内が複数の分離区画に区切られている。水は、堰の下部に設けられた開口部より、次の区画へと移動し、分離された油は、軽いため浮き上がり、次の区画には移動できない。さらに、最初の区画には、取り外し可能なステンレススチール製などの篭が設置されており、排水に含まれる残飯などの固形物を回収できるようになっている。
【0005】
これに対して、ガソリンスタンド、洗車場、油を利用する工場などに用いられる分離槽は、大型なので、コンクリートによる現場打ち製造あるいは、コンクリート二次製品により設置されている。駐車場などに降る雨水も油分と一緒に呑み込んで分離するためには、大きな容量が必要となり、1つの区画のサイズは内径(方形の場合はたとえば一辺の長さ)が600mm、深さが1200mmで、4つの区画が縦一列あるいは田の字型に繋がった4連程度の構成が多く採用されている。駐車場が大きい場合は、このサイズの分離槽を複数設置している。あるいは、更に大きなサイズのものが設置されている。
【0006】
4連の槽の一辺の長さが、2500mm程度となると、その側壁に加わる土圧が大きく、複数の区画に分割した構成は、土圧に対抗する支えの役割をも果たしている。特に、油水分離槽が屋外の車の通行する場所に設置される場合は、土圧に加えて輪荷重も加わるので、強度の高い構造は有利である。コンクリートで油水分離槽を製造する場合、下側に開口部がある堰で区画を分離することは経済的ではない。側壁と下端が揃わない壁を作ることは面倒であり、また、大きな土圧が加わる側壁の下側を分離壁で支持できないことになり、側壁を下だけ厚くするなどの対策を施す必要がある。
【0007】
これに対し、実開平7−12585号では、区画の仕切壁の上部に連通管を埋設し、塩ビ製の配管を下方に延ばして、水を下側から流入させ、次の区画の上方に移動している。この方式は、油水分離に効果があるだけではなく、沈砂の効果も得られる。すなわち、雨が降ると一挙に沢山の雨水が流れ込むので、流速が大きく、下側に開口部を設けて複数の区画を連通しておくと、泥や油は、その開口部から次の区画へ移動してしまうのに対し、各区画で下から排水して、上から流入するようにすれば、泥や油が短絡して移動することを抑制できるからである。
【0008】
【特許文献1】
実開平7−12585号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、各分離区画に沈んだ泥や砂を回収する必要がある。しかしながら、細かい泥や砂が流入するため、篭によりそれらを回収できない。したがって、篭を設置することは少なく、篭を設置したとしても、それは大きなごみを回収するためである。このため、ガソリンスタンド、洗車場あるいは油を利用する工場などに用いられる分離槽は、定期的に中に入って泥の掃除が必要となる。深さが1200mm程度のものであれば、分離区画の底に油とともにこびりついた泥は作業員が中に入ってスコップにより取り出さなければならない。
【0010】
しかしながら、塩ビ製の配管を下方に延ばした方式の分離槽では、配管を仕切壁の連通孔に接続するためのエルボが掃除の邪魔になる。たとえば、図8に示した分離槽90においては、各分離区画91を仕切る壁92に配管の外径よりも大きめな孔93が設けられており、切断された短い塩ビ製の直管94を入れた後にモルタルなどで隙間を埋める。この短い管94にエルボと称される90度曲がりの配管95を取り付け、エルボ95の下側に底に向かって延びる直管96を取り付ける。これにより、分離区画91に流入した排水1のうち、油分2との比重差により分離された水3が塩ビ管96、95および94を介して次の分離層91に移動し、次々と油水分離が行われる。同時に、砂や泥5が各分離区画91の底に溜まる。
【0011】
したがって、砂や泥5を除去しないといけないのであるが、配管95および96が分離区画91の中ほどまで大きく張り出してしまい、作業員が入るスペースを確保しにくい。たとえば、口径200mm程度の配管であると、ほぼ300mm程度張り出すので、内径が600mm程度の断面の分離区画であると、作業員が内部で作業するスペースはほとんどなく、掃除するのが大変に難しい。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、断面がほぼコの字型またはアーチ型の平たい部材を側壁に取り付けることにより側壁を流路の一部として利用し、側壁に沿って下方から上方に排水を導く排水路を構成する。すなわち、本発明においては、排水を滞留させて油水を分離する、少なくとも1つの油水分離区画と、その油水分離区画を構成する側壁の上方に設けられた流出孔とを有するコンクリート製の油水分離槽であって、側壁の一部に沿って取り付けられ、流出孔の上方から当該油水分離区画の下方に向かって延びたステンレススチール製または防錆鋼板製の流路形成部材を有し流路形成部材の水平方向の断面は側壁に沿幅方向が長いほぼコ字型またはアーチ型の部材であって、幅方向の両端を側壁に取り付けることにより側壁の下方から流出孔に至る排水路を形成する油水分離槽を提供する。
【0013】
コ字型またはアーチ型で平たい流路形成部材を壁面に取り付けることにより、壁面に沿って、壁面からの張り出しが非常に少ない排水路を形成できる。また、この流路形成部材は、断面がコ字型なので水圧に強く、平たくて薄い排水路であっても水圧によって変形することがなく、十分な流路断面を持った排水路を形成できる。したがって、排水路の断面積としては、配管を敷設したときと同じであっても、排水路が壁に付いたので、油水分離区画の内部、とくに中央部分が広く使えるようになり、作業員が入ってメンテナンスができる空間を確保できる。
【0014】
さらに、排水路が壁面に付くので、分離区画から排水が流出する位置が壁面にもっとも近くなり、流入位置から排水位置まで滞留距離をもっとも長くできる。したがって、各油水分離区画における油水の分離性能も向上するという効果が得られる。
【0015】
分離区画を仕切る側壁、すなわち、仕切り壁に沿って薄い排水路を作る際に、縦横比(アスペクト比)の小さな配管を特別に製造しても良い。しかしながら、特注管は製造費用がかさみ経済的とは言えない。さらに、配管を曲げて仕切り壁に設けられた流出孔に繋ぐのでは、エルボに類似した配置になり分離区画の面積を開放するという効果は得られにくい。配管の側面に孔を開けて流出孔に一致するように施工するためには、たとえば、流出孔の反対側から見て孔同士を位置あわせする必要があり、複数の作業員が必要となる面倒な作業となる。
【0016】
また、仕切り壁に平行して、下方が開口になった堰をコンクリートやステンレススチールで設けても良い。しかしながら、コンクリートで堰を作ろうとすると、その厚みが、滞留距離の点でも重量の点でも無駄になる。一方、ステンレススチールなどの薄い板材を単純に仕切り壁と平行して区画を区切るように取り付けたのでは水圧で簡単に凹んでしまい、希望する形状の排水路を確保できない。
【0017】
これらに対し、本発明の油水分離槽であれば、断面がコ字型の流路形成部材を用いるので、流出孔との間で精度の良い位置合わせは要求されない。また、部材自体は薄くても形状的に強度は高くなる。このため、ステンレススチールまたは防錆鋼板などの薄い部材で流路形成部材を製造することができ、低コストで供給できる。さらに、流路形成部材は配管ではなく、側壁の一部を用いて流路を形成するようになっているので、板材を簡単に加工することで製造できる。したがって、ステンレススチールなどの対候性の高い素材を用いて低コストで流路形成部材を供給でき、油や紫外線によって劣化しやすい塩ビ管に変わり、寿命が長く、流路形成部材自体のメンテナンスはほとんど不要な油水分離層を提供できる。
【0018】
また、断面がコ字型またはアーチ型の部材は壁面に着脱しやすい。たとえば、壁面に密着する部分をコ字型やアーチ型に外側に曲げてだして全体としてΩに近いような形状にすることが可能であり、側壁に、流路形成部材を取り付けるためのインサートを埋設しておくだけで、流路形成部材は、側壁に簡単に着脱できる。したがって、コンクリート製の油水分離層に取り付けることが簡単であり、メンテナンスの時に流路形成部材を取り外して区画内の作業空間をさらに広くできる。また、従来の塩ビ管を用いたコンクリート製の油水分離槽に本発明の流路形成部材を取り付けることにより、簡単に本発明の油水分離槽にすることができる。
【0019】
流路形成部材は、側壁との間にクッション材を挟んで取り付けることも可能である。油水分離区画の側壁が必ず垂直あるいは鉛直になっているとはかぎらず、クッション材により誤差を吸収することができる。ほとんどのコンクリート製の槽は、型枠からの抜きを考えると内面がテーパー状になっており、それに対応することができる。単純なテーパー形状であればクッション材がなくてもほぼ対応できるかもしれないが、深さが2500mm程度になると、油水分離槽を上下2つに分けて製造する可能性があり、その場合は、側壁の上下でテーパーの向きが異なる可能性がある。これに対してもクッション材を入れることにより、流路形成部材を側壁に沿ってほぼ密着した状態で取り付けることができる。
【0020】
複数の油水分離区画を有する油水分離槽では、各々の油水分離区画の流出口をジグザグに配置して滞留距離を大きくすることができる。本発明の流路形成部材は、流出口の位置がジグザグになってもそれに対応してジグザグに取り付けることが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1に本発明に係る油水分離槽10の外観を示してある。さらに、図2に、この油水分離槽10の平面的な構成を平断面により示してある。この分離槽10は、4つの油水分離区画11が長手方向に連結された4連の分離槽であり、個々の分離区画の構造は、図3に、拡大した断面により示してある。なお、油水分離槽10は、現場コンクリートあるいはプレハブされたコンクリートブロックにより形成されており、現場の地中9に埋設された状態で利用される。また、分離槽10の上部には、鉄板49などにより蓋が設置され、通常は閉じた状態で使われ、分離区画11のメンテナンスをするときに鉄板49が取り外される。
【0022】
各々の油水分離区画11は、断面がほぼ正方形のコンクリート枡であり、一方の側壁12が隣り合う油水分離区画11との仕切り壁となり、この仕切り壁12に形成された流出孔13を介して排水1が順番に流れ、油水分離される。すなわち、第1番目の油水分離区画11においては、油水分離槽10の前方の側壁10aを貫通した排水管15を通してガソリンスタンドなどからの排水1が流れ込む。そして、流出孔13を通して各油水分離区画11により排水1に混入した油2が分離され、油分を含まない状態となった排水3が油水分離槽10の後方の側壁10bを貫通する流出管13fを通って出力され、公共の下水などに排出される。
【0023】
油水分離区画11の仕切り壁12の前方(流入側)には、流出孔13をカバーするように、ステンレススチール製で、断面がほぼコの字型になるように加工された板材20が取り付けられている。この折り曲げられた板材20は流路形成部材であり、上下方向に長く、コ字型の両端を仕切り壁12の表面に取り付けることにより、仕切り壁12を流路の一部として利用し、仕切り壁12に沿って下方の底16から上方の流出孔13に排水を導く排水路19を構成している。
【0024】
図4に流路形成部材20が仕切り壁12に取り付けられた状態を拡大した断面で示すように、仕切り壁12に沿った幅方向の長さL1が仕切り壁12から張り出した長さ(奥行きあるいは突出長さ)L2より十分に大きい。従って、流路形成部材20を仕切り壁12に取り付けることにより、図5に示すように、仕切り壁12に沿って下方の底16に近い位置から上方の流出孔13に排水を流す平たい排水路19が形成される。
【0025】
図6(a)に、流路形成部材20を抜き出して示してある。この流路形成部材20は、排水路19を形成するコ字型の部分21の両側に、仕切り壁12に取り付けるためにコ字型の部分21から両側に取り付け代22が突き出た全体としてΩに近い形状をしている。また、取り付け代22の上下には取り付け孔23が2箇所ずつ設けられている。このため、図4に示すように、仕切り壁12に予め埋設されたインサート29に取り付け孔23の位置を合わせてボルト28で止めるだけで流路形成部材20は簡単に仕切り壁12に取り付けることができる。
【0026】
流路形成部材の形状はコ字型に限定されることはなく、図6(b)に示すようにアーチ型であっても良い。図6(b)に示す流路形成部材26は、アーチ型の部分27から両側に取り付け代22が突き出た形状になっており、水圧に対してコ字型と同様あるいはさらに強い形状であり、薄い水路19を壁に沿って確保することができる。
【0027】
仕切り壁12に流路形成部材20を取り付ける際は、ネオプレンラバーなどのクッション材25を挟み込んでおくことが望ましい。これは、流路形成部材20と仕切り壁12とを密着させて油水分離区画11の上部に滞留する油分が排水3に混ざり込まないようにするためである。
【0028】
例えば、図7に示すように、コンクリートにより槽を形成する場合、特に、耐久性型枠を用いて工場プレハブされたコンクリートブロックにより比較的大容量の槽を製造する場合、各々の油水分離区画11を形成するコンクリートブロック39をプレハブしておき、現場で必要な数だけ接続して油水分離槽10´を製造することが可能である。さらに、大型の油水分離槽になると、上部にマンホール41のあるスラブ(上壁)42を設けてメンテナンス用の出入り口を確保することが強度的にも経済的にも望ましい。したがって、各々のコンクリートブロック39はさらに上下2つのプレハブされたブロック31および32により構成される。これらのブロック31および32は、型枠からの抜き勾配を確保するために側壁の内面はテーパー状になり、鉛直とはならない。さらに、図7に示すように、上下2つのプレハブされたコンクリートブロック31および32を組み合わせて油水分離槽10´を形成する場合は、上下のブロック31および32のテーパー33および34の向きが逆になる。
【0029】
したがって、複数のボックス39を連結して1つの油水分離槽を組み立てる連結型の油水分離槽においては、深さ方向で壁厚みが変動し、上下の厚みに対して中間では数mmから数cm程度の差が生ずる可能性がある。したがって、そのまま流路形成部材20を仕切り壁12となるボックス39の側壁36に取り付けると、壁面との間に隙間が生じ、油水分離した油2が漏れ込む可能性がある。また、本例の流路形成部材20は、断面がコ字型あるいはアーチ型という変形し難い形状を採用しているので、流路形成部材20を壁の厚みの変化に合わせて曲げることも難しい。これに対し、クッション材25を挟んで流路形成部材20を仕切り壁12に取り付けることにより、流路形成部材20を仕切り壁12に密着させることができ、油2の漏れ込みを防止できる。
【0030】
このように、本例の油水分離槽10では、各々の油水分離区画11の仕切り壁12に沿って平たい排水路19を設けて、分離区画11の下方に沈んだ油水分離された状態の排水3を仕切り壁12の上部にある流出孔13から次の分離区画11に供給している。この流路は、下方に開口があり、下方から上方に排水を流す潜り堰と、上方に開口がありオーバーフローした排水を流す乗り越え堰との組み合わせと考えることができ、大量の排水1が流れ込んでも分離された油分2がオーバーフローして次の分離区画11に流れ出してしまったり、流れ込んだ排水1に含まれる油分2がほとんど分離しないで次の分離区画11に移動することを防止できる。さらに、油水分離区画11が砂や泥のトラップとしても機能し、砂や泥を底16に堆積させることができる。
【0031】
さらに、コ字型の厚みの薄い流路形成部材20により、仕切り壁12に沿って薄い排水路19を形成しているので、排水路19が油水分離区画11にほとんど張り出さない。このため、油水分離区画11の底16に作業員が降りて溜まった泥や砂を排出するメンテナンス作業が極めて容易となる。地中9に埋設された油水分離槽10は、上側を鉄板49でカバーしたり、マンホール41に鋳鉄製の蓋43を設置することにより、槽内のメンテナンスが必要なときは上部を開放できるようになっている。図3に示した例では、油水分離槽10の上部を覆う鉄板49を取り外すことにより、また、図7に示した油水分離槽10´においてはマンホール41に設置された鋳鉄製の蓋43を開けることによりメンテナンスができる。そして、図8に示した配管を用いた油水分離槽と異なり、蓋43を開けて各油水分離区画11に作業員が降りるのに排水路19はほとんど邪魔にならない。
【0032】
さらに、コ字型あるいはアーチ型の薄い流路形成部材20は、単なる平板よりも流れに対抗する強度が高い。したがって、仕切り壁12に沿った薄い排水路19であっても、排水量が増えたときに流路の断面を確実に確保し、安定した排水を行うことができる。さらに、形状による強度が高いので、流路形成部材20を構成するステンレススチールの板厚は薄くても良く、低コストで軽量の流路形成部材を採用できる。流路形成部材20は亜鉛メッキ材などの防錆性鋼板であっても良い。また、FRPなどのプラスチックで形成することも可能であるが、プラスチックの場合は油脂により劣化する素材もあるので選択には注意が必要である。また、分離区画11の内部で泥や砂を排出するためにスコップなどの道具を用いて流路形成部材20に当たった場合は、プラスチックであると損傷しやすい。したがって、金属製の流路形成部材が好ましい。
【0033】
また、コ字型あるいはアーチ型の流路形成部材20を仕切り壁12に取り付けて、仕切り壁12も流路19を構成する壁面として利用している。このため、流路形成部材自身は、ダクトや配管などのようにそれ自身で流路を形成する部品である必要はなく、この点でも、流路形成部材20は、軽くて安価な部材により、効率よく油を分離できる槽構造となっている。
【0034】
さらに、コ字型あるいはアーチ型の流路形成部材20で仕切り壁12に沿った薄い排水路19を設けることにより、流入点、すなわち、排水管15あるいは前の分離区画11の流出孔12から、流出点、すなわち、次の分離区画11への流出孔12までの距離を稼ぐことができ、実質的な滞留時間を向上できる。計算上の滞留時間は、分離区画11の容量によって決まる。しかしながら、流入した油混ざりの排水1が短絡的に流れだす経路があると、次の分離区画11に供給される排水1については油水分離がほとんど行われず、実質的な油水分離効率は低い。したがって、配管が分離区画11の真ん中にあるような配置は望ましくない。これに対し、本例の油水分離槽10では、排水路19を仕切り壁12に沿って設けるので、滞留時間を大きく取れる。さらに、図2に示すように、本例の油水分離槽10では、分離区画11に流入する排水管15あるいは流出孔12と、次の分離区画11に排出する流出孔12の位置を長手方向に千鳥にして最短で排水が流れる距離をさらに延ばし、油水分離に有効な滞留時間を確保できるようにしている。
【0035】
また、断面がコ字型あるいはアーチ型の流路形成部材20は仕切り壁12の壁面に着脱しやすい。取り付け代22に設けた取り付け孔23を利用すれば簡単にねじ止めすることができる。また、流路形成部材20は、流出孔13に連結する必要はなく、流出孔13を塞ぐように取り付ければ良いだけなので、簡単である。さらに、流出孔13に連結する必要がないので、連結用のフィッティングを流出孔13に埋設して置く必要もなく、紙などの簡単なスリーブで流出孔13を施工できる。したがって、工場あるいは現場で簡単に流路形成部材20を取り付けることができ、分離区画11に作業員が入ったときに、さらに大きな作業空間がほしければ流路形成部材20を取り外すことができる。また、従来の配管により排水路を形成していたタイプの油水分離槽においても、配管を外してインサートを仕切り壁に埋め込むことにより簡単に本例の流路形成部材20を取り付けることができる。したがって、既に施工済みの油水分離槽を本発明に係る油水分離槽に改造することは容易である。
【0036】
なお、上記では、4つの油水分離区画11が長手方向に連結された油水分離槽に基づき本発明を説明しているが、油水分離区画11は3つ以下、例えば1つでも良く、また、5つ以上であっても良い。さらに、油水分離区画11を田の字型に組み立ててほぼ正方形の断面で4連の分離区画11を備えた油水分離槽を供給することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、断面がコ字型あるいはアーチ型になった流路形成部材を壁面に取り付けて、壁面を流路の一部として利用して、壁面に沿った平たい排水路を形成している。したがって、油水分離区画において、区画内にほとんど張り出さない状態で分離済みの排水を上方に導く流路を形成することができ、作業員が侵入して作業をするためのメンテナンススペースを広く確保することができる。さらに、本発明に係るコ字型またはアーチ型の流路形成部材は、軽量で取り付けが簡単であり、従来、配管を用いて排水路を形成していた油水分離槽においても、本発明の流路形成部材を使用することにより、メンテナンススペースを簡単に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油水分離槽の一例を示す斜視図であり、分離区画の内部を見せるために側壁の一部を欠いている。
【図2】油水分離槽の平面的な構成を示す長手方向の断面図である。
【図3】油水分離区画の垂直方向の構造を拡大して示す断面図である。
【図4】流路形成部材が壁面に取り付けられた状態を拡大して示す図である。
【図5】壁面に流路形成部材が取り付けられた様子を示す図である。
【図6】流路形成部材を示す図である。
【図7】連結型の油水分離槽の概略構造を示す図である。
【図8】従来の配管を用いて排水路を形成した油水分離槽の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 油水が混合した排水
2 油分
3 油分が分離された排水
5 泥や砂
10、10´ 油水分離槽
11 油水分離区画、12 仕切り壁(側壁)
13 仕切り壁を貫通する流出孔
15 排水管、16 油水分離区画の底
19 排水路
20 流路形成部材、21 コ字形の部分
22 取り付け代、25 クッション材

Claims (5)

  1. 排水を滞留させて油水を分離する、少なくとも1つの油水分離区画と、
    その油水分離区画を構成する側壁の上方に設けられた流出孔とを有するコンクリート製の油水分離槽であって
    前記側壁の一部に沿って取り付けられ、前記流出孔の上方から当該油水分離区画の下方に向かって延びたステンレススチール製または防錆鋼板製の流路形成部材を有し
    前記流路形成部材の水平方向の断面は前記側壁に沿幅方向が長いほぼコ字型またはアーチ型の部材であって、前記幅方向の両端を前記側壁に取り付けることにより前記側壁の下方から前記流出孔に至る排水路を形成する油水分離槽。
  2. 請求項1において、前記側壁には、前記流路形成部材を取り付けるためのインサートが埋設されており、前記流路形成部材は、前記側壁に着脱できるように取り付けられている、油水分離槽。
  3. 請求項1または2において、前記流路形成部材は、前記側壁との間にクッション材を挟んで取り付けられている油水分離槽。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、複数の前記油水分離区画を有し、各々の前記油水分離区画の流出口は、ジグザグに配置されている油水分離槽。
  5. 排水を滞留させて油水を分離する、少なくとも1つの油水分離区画と、その油水分離区画を構成する側壁の上方に設けられた流出孔とを有するコンクリート製の油水分離槽の前記側壁の一部に沿って取り付けられ、前記流出孔の上方から当該油水分離区画の下方に向かって延びたステンレススチール製または防錆鋼板製の流路形成部材であって、
    水平方向の断面の前記側壁に沿う幅方向が長いほぼコ字型またはアーチ型で、前記側壁の下方から前記流出孔に至る排水路を形成する流路形成部材。
JP2003114194A 2003-04-18 2003-04-18 油水分離槽 Expired - Lifetime JP4319452B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003114194A JP4319452B2 (ja) 2003-04-18 2003-04-18 油水分離槽

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003114194A JP4319452B2 (ja) 2003-04-18 2003-04-18 油水分離槽

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004314000A JP2004314000A (ja) 2004-11-11
JP4319452B2 true JP4319452B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=33473861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003114194A Expired - Lifetime JP4319452B2 (ja) 2003-04-18 2003-04-18 油水分離槽

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4319452B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101139933B1 (ko) 2011-12-30 2012-04-30 (주)이앤이시스템 유수 분리기
CN102728106A (zh) * 2012-07-25 2012-10-17 上海勋华科技发展有限公司 餐厨油水彻底分离器
JP5860358B2 (ja) * 2012-07-31 2016-02-16 株式会社日立製作所 エレベータのガイドレール油回収装置
JP5840156B2 (ja) * 2013-02-21 2016-01-06 デンヨー株式会社 エンジン作業機の漏洩物貯留タンク
JP6688541B2 (ja) * 2016-01-30 2020-04-28 ホーコス株式会社 排水トラップ、排水トラップ付き阻集器
JP7008949B2 (ja) * 2017-08-16 2022-01-25 株式会社赤羽コンクリート 油水分離槽、油水分離装置および分離槽連結管
CN113933478A (zh) * 2020-07-13 2022-01-14 中国石油化工股份有限公司 一种高温高压可视化油水计量装置及方法
JP7499192B2 (ja) 2021-01-08 2024-06-13 日本興業株式会社 側溝設備

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004314000A (ja) 2004-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8113740B2 (en) Method and apparatus for capturing, storing, and distributing storm water
US9127448B2 (en) Retrofit catch basin for use in storm water management practice
JP3802027B2 (ja) 複合型雨水一時貯留槽
US20120107047A1 (en) Liquid run-off disposal system
JP4319452B2 (ja) 油水分離槽
KR100941705B1 (ko) 집수정
KR20180081697A (ko) 측구 구조체
KR101215995B1 (ko) 오수 및 우수의 배수시스템
KR20090014529A (ko) 배수관에서 배수 유도장치
KR101588201B1 (ko) 빗물 활용시스템
US10704246B2 (en) In-ground stormwater collection and pretreatment filtration systems
JP6153122B2 (ja) 雨水貯溜配管構造及びそれに用いる排水桝
JP2011038241A (ja) 雨水分流枡
KR101154026B1 (ko) 도로 측구를 활용한 우수 저류 조절 시설
JP3930836B2 (ja) 金属製路面用排水溝の構造
JP2018083152A (ja) 油水分離槽
JP4963448B2 (ja) 事故対策と浄化を目的とする路面排水処理槽
JP4520265B2 (ja) ダストトラップ
KR200340906Y1 (ko) 하수도 오수분류박스
KR100834532B1 (ko) 합류식 하수구의 토사유입 방지구
JP5349551B2 (ja) 土砂沈殿用構造物、沈殿池施工方法、及び水路回復方法
CN214784501U (zh) 一种建筑施工降雨排水结构
CN209873493U (zh) 一种公路路面边侧引流排水结构
CN113026910B (zh) 可调钢模混凝土雨水井及其安装施工方法
JP4288661B2 (ja) 油水分離装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090528

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4319452

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140605

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term