JP4311313B2 - 圧電発振器 - Google Patents
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Description
図8において、MOS素子のアノード電圧を基準としたゲート電圧とMOS容量素子の両端に現れる容量値との関係は、ゲート電圧がアノード電圧よりも低いVaにおいては容量値は高く、その変化は僅少であり、ゲート電圧がVb’からVa’へと高くなるにつれ容量値は急激に減少する。更に、ゲート電圧がVa’から増加しアノード電圧よりも高くなるとその容量変化は僅少となり、Vbにおいて容量値はほぼ最小となる。
図11において、温度補償電圧生成回路は定電流回路3と、前記定電流回路3に接続された直列接続のダイオードCR1、2、…と、前記ダイオードCR1、2、…の順方向電圧Vdを増幅し温度補償電圧を出力する直流増幅回路4とを備えている。
図11において、定電流源3から前記ダイオードCR1、2、…に一定の電流を供給するとその順方向電圧Vdは温度変化に対し直線的に減少することが知られている。これを直流増幅回路4にて増幅するとともに、所定の電圧VREFを前記直流増幅回路4にて加算すると、温度変化に対して直線的に減少する所望の温度補償電圧VHを生成することができる。また、図12は温度補償電圧VLを生成する従来の温度補償電圧生成回路を示したものである。図12に示した回路は、図11に示した回路において直流増幅回路4を直流反転増幅回路5としたものでありその他は全く同じである。
また、請求項12記載の発明においては、請求項3、請求項8、請求項9において、前記第1、第2の温度補償電流生成回路は、請求項10記載の温度補償電流生成回路と請求項11記載の直列接続した2個以上のダイオードとを備えたものである。
図1は本発明に係わる温度補償圧電発振器における、高温側の温度補償電圧生成回路の回路図を示したものである。なお、温度補償電圧生成回路以外の部分については、図7或いは図13に示したものと同様であるため省略する。以下、図13に示した温度補償圧電発振器に温度補償電圧VHを供給するものとして本実施例を説明する。なお、本実施例において高温とは、図9に示したATカットの水晶振動子の周波数温度特性(3次曲線)における変曲点の温度(通常は27℃近傍)よりも高い温度を意味し、また低温とは前記変曲点の温度よりも低い温度を意味するものとして以下説明する。
まず、第1のカレントミラー回路8と第2のカレントミラー回路9の動作について説明する。カレントミラー回路は特性がほとんど等しい二つのトランジスタのベースを互いに接続し、一方のトランジスタのコレクタとベースを接続した回路である。このような回路構成にすると二つのトランジスタのコレクタに流れる電流が全く等しくなるようにトランジスタのコレクタ電流が制御されることが知られている。すなわち、第1のカレントミラー回路8において、第1、第2のNPNトランジスタTr2a、2bのコレクタ電流をそれぞれIc(2a)、Ic(2a)とするとIc(2a)=Ic(2b)の関係が常に成立し、第2のカレントミラー回路9において、第3、第4のNPNトランジスタTr3a、3bのコレクタ電流をそれぞれIc(3a)、Ic(3a)とすると同様にIc(3a)=Ic(3b)の関係が常に成立する。
このとき、トランジスタ差動回路7において、第1のNPNトランジスタTr1aのベース電圧(=Vt)が、第2のNPNトランジスタTr1bのベース電圧(=Vd)よりも低い状態となる。従って、第1のNPNトランジスタTr1aのコレクタ電流Ic(2a)は、第2のNPNトランジスタTr1bのコレクタ電流Ic(1b)よりも小さい状態となる。すなわち、Ic(2a)<Ic(1b)となる。ここで、第1のカレントミラー回路8のコレクタ電流の関係式Ic(2a)=Ic(2b)よりIc(2b)<Ic(1b)となるので、Ic(2a)=Ic(2b)の状態を維持しながらIc(2a)とIc(2b)は共に減少し、Ic(1b)とIc(2b)との差の電流分が第2のカレントミラー回路9から流れ込む。すなわち、Ic(3a)=Ic(1b)−Ic(2a)(=Ic(3b))が成立する。つまり、高温(Ta=TH)から常温(Ta=TM)への温度低下において、第2のカレントミラー回路9のコレクタ電流Ic(3a)(=Ic(3b))はゼロから直線的に増加することが分かる。このとき、コレクタ電流Ic(1b)とIc(2a)との和は第1の定電流回路6によって一定電流Icとなるように維持される。
図2(A)において、常温(Ta=TM)から温度低下し、温度検出電圧VdがB点の状態から更に増加していくと、第2のカレントミラー回路9のコレクタ電流Ic(3a)は更に増加していき、これに応じて第2のNPNトランジスタTr1bのコレクタ電流Ic(1b)も増加する。このとき、コレクタ電流Ic(2a)とIc(2b)はIc(2a)=Ic(2b)の関係を維持しながら共に減少する。ところが、前記コレクタ電流Ic(1b)とコレクタ電流Ic(2a)との和は第1の定電流回路6によって一定電流Icとなるように維持されるため、前記コレクタ電流Ic(1b)はIcまで達すると飽和し一定状態となる。このとき、コレクタ電流Ic(2a)とIc(2b)は、Ic(2a)=Ic(2b)=0となっている。つまり、常温(Ta=TM)から温度低下していくに従い第2のカレントミラー回路9のコレクタ電流Ic(3b)(=Ic(3a))はIcまで直線的に増加して飽和し、それ以下の温度においてはIc(3a)=Ic(3b)=Icの状態を維持することが分かる。
よって、第2のカレントミラー回路9のコレクタ電流Ic(3b)の温度特性は、図2(B)に示すように、低温(Ta=TL)から常温(Ta=TM)へと温度上昇していくに従い一定値(=Ic)から電流値は直線的に減少していき、高温(Ta=TH)となったところで電流はゼロ(断状態)となり、それ以上の温度においては電流はゼロ(断状態)を維持することが分かる。また、コレクタ電流Ic(3b)がゼロ(断状態)となる温度THは概ね+85℃となるように定電圧回路9の出力する基準電圧がVtとなるように設計するが、前記基準電圧を予め調整可能にしておきTLに応じて適宜設定することも可能である。
前記第2のカレントミラー回路9のコレクタ電流Ic(3b)を、図1のように演算増幅器13の反転入力に供給するとその出力として図2(C)に示す温度補償電圧VHが得られる。
ここで、演算増幅器13の非反転入力に所定の電圧(VOFFSET)を供給しているが、この電圧を調整することによってVHの特性を全体的に上下させ、所望の温度補償電圧VHを得るようにしている。
従って、図4の電流電圧変換回路14が出力する温度補償電圧VLを図13に示す温度補償発発振器のMOS容量素子MLに供給すると、コルピッツ発振回路1の出力において図6(B)に示すように低温近辺において位相雑音特性が改善されることが分かった。
2・・コルピッツ発振回路
3・・定電流回路
4・・直流増幅回路
5・・直流反転増幅回路
6・・第1の定電流回路
7・・トランジスタ差動増幅回路
8・・第1のカレントミラー回路
9・・第2のカレントミラー回路
10・・定電圧回路
11・・第2の定電流回路
12・・温度検出回路
13・・演算増幅器
14・・電流電圧変換回路
C1・・コンデンサ
CR1、2… ・・ダイオード
ML、MH・・MOS容量素子
R1、R2、R3、R4、R5・・抵抗
Tr1a、1b・・NPNトランジスタ
Tr2a、2b、3a、3b・・PNPトランジスタ
X1・・水晶振動子
Claims (12)
- 圧電振動子と、発振回路と、MOS容量素子と、前記MOS容量素子に温度補償電圧を供給する温度補償電圧生成回路とを備え、前記圧電振動子の周波数温度特性における変曲点の温度よりも高い温度領域を温度補償する温度補償圧電発振器において、
前記温度補償電圧生成回路は、温度変化に対して電流が直線的に減少し且つ所定温度以上にて電流が断となる温度補償電流を出力する温度補償電流生成回路と、前記温度補償電流を温度補償電圧に変換する電流電圧変換回路と、前記所定温度を設定する温度設定回路とを備え、前記温度補償電圧を前記MOS容量素子に供給したことを特徴とする温度補償圧電発振器。 - 圧電振動子と、発振回路と、MOS容量素子と、前記MOS容量素子に温度補償電圧を供給する温度補償電圧生成回路とを備え、前記圧電振動子の周波数温度特性における変曲点の温度よりも低い温度領域を温度補償する温度補償圧電発振器において、
前記温度補償電圧生成回路は、所定温度以下にて電流が断となり且つ前記所定温度以上において電流が温度変化に対して直線的に増加する温度補償電流を出力する温度補償電流生成回路と、前記温度補償電流を電圧に変換し温度補償電圧を出力する電流電圧変換回路と、前記所定温度を設定する温度設定回路とを備え、前記温度補償電圧を前記MOS容量素子に供給したことを特徴とする温度補償圧電発振器。 - 圧電振動子と、発振回路と、第1 、第2のMOS容量素子と、前記第1、第2のMOS容量素子に温度補償電圧を供給する温度補償電圧生成回路とを備え、前記圧電振動子の周波数温度特性における変曲点の温度よりも高い温度領域、及び前記圧電振動子の周波数温度特性における変曲点の温度よりも低い温度領域とを温度補償する温度補償圧電発振器において、
前記温度補償電圧生成回路は、温度変化に対して電流が直線的に減少し且つ第1の所定温度以上にて電流が断となる温度補償電流を出力する第1の温度補償電流生成回路と、第2の所定温度以下にて電流が断となり且つ該第2の所定温度以上において電流が温度変化に対して直線的に増加する温度補償電流を出力する第2の温度補償電流生成回路と、前記第1の温度補償電流生成回路が出力する温度補償電流を電圧に変換し第1の温度補償電圧を出力する第1の電流電圧変換回路と、前記第2の温度補償電流生成回路が出力する温度補償電流を電圧に変換し第2の温度補償電圧を出力する第2の電流電圧変換回路と、前記第1 、第2の所定温度を設定する温度設定回路とを備え、前記第1 、第2の温度補償電圧を前記第1 、第2のMOS容量素子にそれぞれ供給したことを特徴とする温度補償圧電発振器。 - 前記圧電振動子の周波数温度特性が常温に変曲点を有する3次曲線を示すものであり、前記MOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値が直線的に減少する状態から容量値がほぼ一定な状態へと変化する容量特性を備えており、前記所定温度を前記変曲点の温度よりも高い温度に設定し、前記所定温度以下において、前記電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に増加する温度補償電圧を出力し、該温度補償電圧を前記MOS容量素子のアノードに供給したことを特徴とする請求項1記載の温度補償圧電発振器。
- 前記圧電振動子の周波数温度特性が常温に変曲点を有する3次曲線を示すものであり、前記MOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値が直線的に減少する状態から容量値がほぼ一定な状態へと変化する容量特性を備えており、前記所定温度を前記変曲点の温度よりも高い温度に設定し、前記所定温度以下において、前記電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に減少する温度補償電圧を出力し、該温度補償電圧を前記MOS容量素子のゲートに供給したことを特徴とする請求項1記載の温度補償圧電発振器。
- 前記圧電振動子の周波数温度特性が常温に変曲点を有する3次曲線を示すものであり、前記MOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値がほぼ一定な状態から容量値が直線的に減少する状態へと変化する容量特性を備えており、前記所定温度を前記変曲点の温度よりも低い温度に設定し、前記所定温度以上において、前記電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に減少する温度補償電圧を出力し、該温度補償電圧を前記MOS容量素子のゲート端子に供給したことを特徴とする請求項2記載の温度補償圧電発振器。
- 前記圧電振動子の周波数温度特性が常温に変曲点を有する3次曲線を示すものであり、前記MOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値がほぼ一定な状態から容量値が直線的に減少する状態へと変化する容量特性を備えており、前記所定温度を前記変曲点の温度よりも低い温度に設定し、前記所定温度以上において、前記電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に増加する温度補償電圧を出力し、該温度補償電圧を前記MOS容量素子のアノードに供給したことを特徴とする請求項2記載の温度補償圧電発振器。
- 前記圧電振動子の周波数温度特性が常温に変曲点を有する3次曲線を示すものであり、前記第1のMOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値が直線的に減少する状態から容量値がほぼ一定な状態へと変化する容量特性を備えており、前記第1の所定温度を前記変曲点の温度よりも高い温度に設定し、前記第1の所定温度以下において、前記電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に増加する第1の温度補償電圧を出力し、該第1の温度補償電圧を前記第1のMOS容量素子のアノードに供給するものであり、前記第2のMOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値がほぼ一定な状態から容量値が直線的に減少する状態へと変化する容量特性を備えており、前記第2の所定温度を前記変曲点の温度よりも低い温度に設定し、前記第2の所定温度以上において、前記電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に減少する第2の温度補償電圧を出力し、該第2の温度補償電圧を前記第2のMOS容量素子のゲートに供給したことを特徴とする請求項3記載の温度補償圧電発振器。
- 前記圧電振動子の周波数温度特性が常温に変曲点を有する3次曲線を示すものであり、前記第1のMOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値が直線的に減少する状態から容量値がほぼ一定な状態へと変化する容量特性を備えており、前記第1の所定温度を前記変曲点の温度よりも高い温度に設定し、前記第1の所定温度以下において、前記第1の電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に減少する第1の温度補償電圧を出力し、該第1の温度補償電圧を前記第1のMOS容量素子のゲートに供給するものであり、前記第2のMOS容量素子がゲート−アノード間の電圧変化に対して容量値がほぼ一定な状態から容量値が直線的に減少する状態へと変化する容量特性を備えており、前記第2の所定温度を前記変曲点の温度よりも低い温度に設定し、前記第2の所定温度以上において、前記第2の電流電圧変換回路から温度変化に対し直線的に増加する第2の温度補償電圧を出力し、該第2の温度補償電圧を前記第2のMOS容量素子のアノードに供給したことを特徴とする請求項3記載の温度補償圧電発振器。
- 前記温度補償電流生成回路は、第1、第2のNPNトランジスタと該第1、第2のNPNトランジスタのエミッタに接続された第1の定電流回路とを有するトランジスタ差動増幅回路と、カレントミラー接続された第1、第2のPNPトランジスタを有し該第1、第2のPNPトランジスタのコレクタが前記第1、第2のNPNトランジスタのコレクタにそれぞれ接続された第1のカレントミラー回路と、カレントミラー接続された第3、第4のPNPトランジスタを有し該第3のPNPトランジスタのコレクタが前記第2のPNPトランジスタのコレクタに接続された第2のカレントミラー回路と、ダイオードと該ダイオードに一定電流を供給する第2の定電流回路とを有し前記ダイオードから温度検出電圧を出力する温度検出回路と、前記所定温度を設定するための基準電圧を出力する温度設定
回路とを備え、前記基準電圧及び前記温度検出電圧を前記第1、第2のNPNトランジスタのベースに排他的に供給し、前記第4のPNPトランジスタのコレクタから温度補償電流を出力したものであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4、請求項5、請求項6、または請求項7のいずれかに記載の温度補償圧電発振器。 - 前記ダイオードは直列接続した2個以上のダイオードであることを特徴とする請求項10記載の温度補償圧電発振器。
- 前記第1、第2の温度補償電流生成回路は、請求項10記載の温度補償電流生成回路と請求項11記載の直列接続した2個以上のダイオードとを備えたものであることを特徴とする請求項3、請求項8、請求項9のいずれかに記載の温度補償圧電発振器。
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