以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図2は本発明の実施の形態1における光ディスク媒体20を示す図である。図2において、光ディスク記録面101にはスパイラル状にトラックグルーブ102が形成されている。図1に光ディスク媒体20のトラックグルーブ102を示す。トラックグルーブ102は、図1に示されるように1ブロック単位毎に特徴づけられた形状で構成されている。図1においてブロックマーク(識別マーク)210は、ブロックの先頭を示す指標である。
本実施の形態のトラックグルーブ102おいては、トラックグルーブ102を寸断して設けられているブロックマーク210を先頭として、所定形状のウォブル(蛇行)26および27が、ブロックをN分割(N=32或いはN=16)したセクタ25(単位区間)内をさらにM分割(M=26)したフレーム(単位小区間)#0〜#25内において周期的に設けられている。ウォブル26および27はその形状が互いに異なるように形成され、上記フレーム#0〜#25内において一義的に記述される副情報(“0”、“1”若しくは“S”)をそれぞれ示す。具体的には図1に示されるように、一周期あたり、副情報の“1”か“0”かに応じて、その立ち上がり変位と立ち下がり変位とが異なる鋸波状にウォブル26および27が形成されている。ウォブル26および27を組み合わせることにより副情報の並び(副情報群)が示される。
この立ち上がりの傾斜の差は差動プッシュプル検出で再生した信号から容易に検出することができる。即ち走査レーザービームをトラックグルーブ102に照射し、トラック垂直方向(すなわちラジアル方向)に分割された受光素子の差動信号(すなわちプッシュプル信号)を生成すれば、副情報が“0”か“1”かによって立ち上がり、立ち下がりの傾斜の異なる検出信号が得られる。この傾斜の差は、例えば、検出信号を微分することによって容易に識別できる。
従って、この微分値の大小から副情報を検出できることになる。しかし、微分を用いる場合、当然ノイズ成分は増強されるから、S/N比の悪い高密度光ディスク媒体では検出エラーが生じることが懸念される。そこで本実施の形態ではウォブル形状の同一のパターンを複数回繰り返し形成することによって検出の信頼性を高めている。
まず、主情報(例えば書き換え可能なユーザデータ)はブロックマーク210を起点に、トラックグルーブ102に沿って所定長、例えば64KB長(或いは32kB長)のブロック単位241で記録される。主情報は濃淡の記録マーク28として記録され得る。記録マーク28は記録層を相変化させることにより記録される。ブロック単位とは情報処理上の単位であり、例えばECCブロックなどを意味する。ブロック単位241はN=32として32分割(或いはN=16として16分割)されたそれぞれ2KBのサブブロックであるセクタ25を含む。セクタ25はM=26として26分割されたフレーム#0〜#25を含む。ここでフレームとは、トラックグルーブ102上に記録される各情報の小単位である。これら各情報が記録されるフレーム#0〜#25に対応するフレーム22および23に示されるとおり、同一のフレームにはそれぞれ同一形状のウォブルのみが予め周期的に形成されている。これによりフレーム22および23のそれぞれに1ビットの副情報“0”、“1”若しくは“S”を記述することにより、各セクタに含まれる26ビット(M=26)の副情報群で当該ブロックID(アドレス情報)を表記することになる。フレーム#0〜#25の先頭部にはSYNCマークが記録される。SYNCマークにより主情報を記録マークとして記録するときにフレームの先頭を示す同期信号が得られる。ウォブル周期により光ディスク媒体の回転と記録信号との同期をとる基準クロックが得られ、これはアドレス情報を再生するときの同期信号としても用いられる。
ブロックIDは、アドレスの番号を表す情報だけでなく、エラー訂正符号、エラー検査符号、パリティ符号等の誤りを訂正或いは検出するための符号を含めても構わない。
フレーム22には立ち上がり傾斜が緩く、立ち下がり傾斜が急峻な形状のウォブル26のみが、フレーム23にはこれとは反対に、立ち上がり傾斜が急峻で、立ち下がり傾斜が緩いウォブル27のみが、それぞれ形成されている。例えば1フレームが8ウォブル周期として、1セクタ内には8×26=208個のウォブル26および27が形成されることになる。
ノイズによって多少の検出エラーはあっても、208個のウォブル26および27の立ち上がりと立ち下がりの差が総体として検知できれば、セクタ25に記録されている副情報群を正確に判別することができる。また、N=32として32回(或いはN=16として16回)同一ブロックIDを繰り返すことで読み出しの信頼性をさらに向上させている。具体的な判別方法としては、例えば、差動プッシュプル信号の微分波形をその立ち上がり、立ち下がり毎にサンプルホールドし、立ち上がり、立ち下がりのそれぞれ積算したものどおしを比較するようにすれば、ノイズ成分がキャンセルされて、副情報成分のみを抽出することができる。
なお、本実施形態の場合、ブロックマーク210はトラックグルーブ102を寸断して設けられているため、ブロックマーク210に主情報を上書きするのは問題がある。グルーブの有り無しで反射光量が大きく異なり、再生信号に対する外乱として作用するからである。そこで、本実施形態ではブロックマーク210を含む領域をVFO記録領域21として割り当てている。VFO記録領域21はこれに続く記録された主情報を再生するためにPLLを引き込ませるための単一周波数信号であるVFO211が記録される領域のことである。VFO211は、多少の外乱変動があっても局所的なジッタとなるだけであり、直接エラーを引き起こすことはない。さらに、VFOは単一周波数であるから、ブロックマークによる外乱を周波数分離することも可能である。
本実施の形態では、1ブロックであるブロック単位241を32(或いは16)個のセクタ25に分割し、それぞれのセクタ25を26個に分割したフレーム#0〜#25の区間に、副情報に応じた形状のウォブル26および27を予め形成する。1個のセクタ25に記録される副情報群でブロックIDが表されるので、ブロック内の32個(或いは16個)のセクタ25で同一のブロックID(アドレス情報)を繰り返し形成することが可能である。
この場合、前記副情報群の中には、ブロックID(アドレス情報)の繰り返し番号を副情報群に含めることも可能である。繰り返し番号を副情報群に含めることで、アドレス番号を確定する際の多数決処理に用いることも可能であるし、ブロック内のどのセクタを読み出しているか、或いは、ブロック内の何番の目の副情報群が誤っているかなどの情報が得られ、信号処理上有為な情報を得ることが可能である。
また、複数の記録面をもった光ディスクにおいて、記録面の層の番号を、副情報群に含めることも可能である。層番号を含めることで容易に、記録面を判別することが可能である。
以上のように本実施の形態によれば、1情報ブロックをN=32として32(或いはN=16として16)のセクタに分割し、それぞれのセクタをM=26として26に分割したフレームの区間に副情報に応じた形状のウォブルを予め形成する。ブロック内の32個(或いは16個)のセクタで同一のブロックID(アドレス情報)を繰り返し形成することにより、オーバーヘッド無しに、またグルーブ間にプレピットを設けることなく、アドレスを形成することができる。
さらに、本実施の形態で示されるウォブルは副情報によって立ち上がり、立ち下がりの形状は異にしても、ウォブルの周波数そのものは変化しない。これにより記録のためのクロック信号を抽出するときは、その周波数を通過させるだけの帯域を有したバンドパスフィルターを用いてノイズ成分を除去した後、単にPLLを用いて同期逓倍すれば、ジッタの少ないクロック信号を得ることができる。
また、ブロックIDを繰り返すことでブロックIDの読み出し信頼性を向上されること
が可能である。
本実施の形態において、ブロックIDをフレーム数と同じ26ビットとしたが、アドレス情報を26ビットとすることに限らず、光ディスクに記録するデータ容量或いはエラー訂正符号の種類と方式等に応じて、必要なブロックID(アドレス情報)のビット数を副情報群に割り当てても構わない。
本実施の形態では、ブロック単位においてセクタをブロックをN=32として32個(或いはN=16として16個)に分割したが、本発明はこのようなセクタの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報は、1セクタをM=26として26個に分割したフレーム単位に記録したが、本発明はこのようなフレームの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報を鋸波状のウォブルに変調して記録することとしたが、本発明は、このようなウォブルの形状に制約されるものではない。例えば後述する図4および図7に示したウォブルに副情報を変調して配置することも可能である。
本実施の形態において、ブロックマークをトラックグルーブを寸断して設けたが、本発明は、このようなブロックマークの形状に制約されるものではない。例えば後述する図5および図6に示したウォブルにブロックマークを変調して配置することも可能である。
(実施の形態2)
図3は実施の形態2におけるトラックグルーブ10を示す図である。トラックグルーブ10は、図2に示す実施の形態1の光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する。本実施の形態では、フレーム22に記録されるような副情報“0”およびフレーム23に記録されるような副情報“1”の他に、フレーム24に記録される副情報“S”を示すウォブル28をトラックグルーブ102に設けたことを特徴とする。副情報“0”と“1”とを組み合わせてアドレス情報を表記することは実施の形態1で既に述べた通りである。副情報“S”はブロック先頭に設けられ、図1に示すブロックマーク210の代わりに、ブロック先頭を表示するのに用いる。このようにすれば、ブロックマーク210に要するオーバーヘッドも無くすことができる。本実施の形態では副情報“S”を示すウォブル28は立ち上がり、立ち下がりとも急峻なウォブルとして形成されている。
(実施の形態3)
図4は実施の形態3におけるトラックグルーブ11を示す図である。トラックグルーブ11は、図2に示す実施の形態1の光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する。実施の形態1および2では、ウォブルの一周期が副情報に応じて、その立ち上がり変位と立ち下がり変位が異なるように形成される例について述べた。本実施の形態では、ウォブル29および30は副情報に応じてデューティー比が異なるように形成されている。即ち、図4に示されるようにフレーム32に記録されるような副情報“0”を示すウォブル29は片側(図4では谷側)の変位が広く、フレーム34に記録されるような副情報“1”を示すウォブル30は反対側(図4では山側)の変位が広くなるように形成する。このような特徴により、副情報を判別する際、再生信号を微分する必要がなく、クロックタイマーなどを用いてデューティーを計測すればよいので、ノイズの影響を軽減できる。
(実施の形態4)
図5は実施の形態4におけるトラックグルーブ200を示す図である。トラックグルーブ200は、図2に示す実施の形態1の光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する。実施の形態1では、トラックグルーブ102を寸断してブロックマーク210
を形成したが、本実施の形態ではブロックマーク210の代わりにトラックグルーブ200を局所的に太くしたブロックマーク212を形成する。主情報の記録再生時は、ブロックマーク212を検出することによりブロックの先頭位置を判別することが出来る。ブロックマーク212を用いることでトラックグルーブ200が寸断されることがないので、ブロックマーク212上にも主情報を記録することができる。結果的にオーバーヘッドを低減することができる。
(実施の形態5)
図6は実施の形態5におけるトラックグルーブ201を示す図である。トラックグルーブ201は、図2に示す実施の形態1の光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する。実施の形態1では、トラックグルーブ102を寸断してブロックマーク210を形成したが、本実施の形態ではブロックマーク210の代わりにウォブルの振幅を局所的に大きくしたブロックマーク213を形成する。主情報の記録再生時は、ブロックマーク213を検出することによりブロックの先頭位置を判別することが出来る。実施の形態4と同様、ブロックマーク213を用いることでトラックグルーブ201が寸断されることがなく、ブロックマーク213上にも主情報を記録することができる。
(実施の形態6)
図7は実施の形態6におけるトラックグルーブ202およびランド203を示す図である。本実施の形態の光ディスク媒体は、トラックグルーブ202の片側のエッジにのみウォブル220および230が設けられたことを特徴とする。実施の形態1〜5においては、トラックグルーブ上に主情報を記録する、いわゆるグルーブ記録形態の光ディスク媒体について述べてきたが、光ディスク媒体はこれ以外に、トラックグルーブに沿ってグルーブ上とランド(隣接するグルーブで挟まれた領域)上の両方に主情報を記録する、いわゆるランドグルーブ形態を有するものがある。本実施の形態は、ランドグルーブ形態を有する光ディスク媒体への実施の形態1〜5で説明してきたウォブルの適用例である。
図7において、トラックグルーブ202の片側のエッジに副情報“0”および“1”が記録されている。フレーム221の区間に形成されたウォブル220が副情報“0”を示し、フレーム231の区間に形成されたウォブル230が副情報“1”を示している。これによりトラックグルーブ202とこれに隣接するランド203とが同一のアドレスで表記される。主情報はトラックグルーブ202およびランド203の両方に記録される。このように主情報を記録をすることでトラックピッチを狭くすることができ、さらなる高密度化が可能となる。
(実施の形態7)
図9は本発明の実施の形態7における光ディスク媒体800を示す図である。図9において、光ディスク記録面801にはスパイラル状にトラックグルーブ802が形成されている。図8に光ディスク媒体800のトラックグルーブ802を示す。トラックグルーブ802は、図8に示されるように1ブロック単位毎に特徴づけられた形状で構成されている。図8においてブロックマーク(識別マーク)810は、ブロックの先頭を示す指標である。
本実施の形態のトラックグルーブ802おいては、トラックグルーブ802を寸断して設けられているブロックマーク810を先頭として、所定形状のウォブル(蛇行)826および827が、ブロックをN分割(N=32或いはN=16)したセクタ825(単位区間)内をさらにM分割(M=26)したフレーム(単位小区間)#0〜#25内において周期的に設けられている。ウォブル826および827はその形状が互いに異なるように形成され、上記フレーム#0〜#25内において一義的に記述される副情報(“0”、“1”若しくは“S”)をそれぞれ示す。具体的には図8に示されるように、一周期あた
り、副情報の“1”か“0”かに応じて、その立ち上がり変位と立ち下がり変位とが異なる鋸波状にウォブル826および827が形成されている。
この立ち上がりの傾斜の差は差動プッシュプル検出で再生した信号から容易に検出することができる。即ち走査レーザービームをトラックグルーブ802に照射し、トラック垂直方向(すなわちラジアル方向)に分割された受光素子の差動信号(すなわちプッシュプル信号)を生成すれば、副情報が“0”か“1”かによって立ち上がり、立ち下がりの傾斜の異なる検出信号が得られる。この傾斜の差は、例えば、検出信号を微分することによって容易に識別できる。
従って、この微分値の大小から副情報を検出できることになる。しかし、微分を用いる場合、当然ノイズ成分は増強されるから、S/N比の悪い高密度光ディスク媒体では検出エラーが生じることが懸念される。そこで本実施の形態ではウォブル形状の同一のパターンを複数回繰り返し形成することによって検出の信頼性を高めている。
まず、主情報はブロックマーク810を起点に、トラックグルーブ802に沿って所定長、例えば64KB長(或いは32kB長)のブロック単位841で記録される。主情報は記録マーク28として記録され得る。ブロック単位とは情報処理上の単位であり、例えばECCブロックなどを意味する。ブロック単位841はN=32として32分割(或いはN=16として16分割)されたそれぞれ2KBのサブブロックであるセクタ825を含む。セクタ825はM=26として26分割されたフレーム#0〜#25を含み、フレーム#0〜#25の先頭部にはSYNCマークを記録してデータ再生時の同期信号とする。
ここでフレームとは、トラックグルーブ802上に記録される各情報の小単位である。これら各情報が記録されるフレーム#0〜#25に対応するフレーム822および823に示されるとおり、同一のフレームにはそれぞれ同一形状のウォブルのみが予め周期的に形成されている。これによりフレーム822および823のそれぞれに1ビットの副情報“0”、“1”若しくは“S”を記述することにより、各セクタに含まれる26ビット(M=26)の副情報群で当該ブロックID(アドレス情報)を表記することになる。
ここで、フレーム#0〜#25それぞれに1ビットの副情報を割り当てるが、そのうちの例えば8フレーム(すなわち8ビット)を1バイトとしてブロックIDの一部として割り当て、続く8フレームをブロックIDのパリティの1バイトとして、続く5フレームをセクタ番号の5ビットとして、残り5ビットをセクタ番号のパリティの5ビットとして割り当てる。セクタ番号は、複数のセクタの内の何番目のセクタであるかを示す。各パリティは、誤り検査符号および誤り訂正符号の少なくとも一方を示す。
以上の1セクタ分の副情報を複数のセクタ825、例えば4つのセクタ825(すなわちセクタ群825’)に渡って配置する。4つのセクタ825にブロックIDの一部情報を1バイトずつ配置することで4セクタで8ビット×4=32ビットのブロックIDを表すことが可能である。
図10に、本実施の形態における1ブロック単位841内のセクタ825およびフレーム#0〜#25に記録される副情報のフォーマットの一例を示す。図10において、縦方向にセクタ番号を、横方向に各セクタ内のフレーム番号及びフレーム内の副情報を示す。( )内のセクタ番号はブロック単位841を16個のセクタに分割した場合を示す。各フレーム#0〜#25は1ビットの副情報を有する。本実施の形態では、ブロック単位841はECCブロックであるとする。
セクタ0の内容について説明する。セクタ0のフレーム#0〜#25の内、フレーム#0〜#7にはECCブロックアドレスの4バイト(32ビット)の最初の1バイトをLSBから順に埋め込む。続くフレーム#8〜#15には、ECCブロックアドレスのパリティの4バイトのうちの最初の1バイトの副情報を埋め込む。フレーム#16〜#20にはセクタ番号を表す5ビットの副情報を埋め込む。フレーム#21〜#25には、セクタ番号のパリティを表す5ビットの副情報を埋め込む。図8に示すように、セクタ0にはブロックIDの一部として1バイトの “01h”が埋め込まれている。
セクタ1の内容について説明する。セクタ1のフレーム#0〜#25の内、フレーム#0〜#7にはECCブロックアドレスの4バイトの第2の1バイトを下位ビットから順に埋め込む。続くフレーム#8〜#15には、ECCブロックアドレスのパリティの4バイトのうちの第2の1バイトの副情報を埋め込む。フレーム#16〜#20にはセクタ番号を表す5ビットの副情報を埋め込む。フレーム#21〜#25には、セクタ番号のパリティを表す5ビットの副情報を埋め込む。図8に示すように、セクタ1にはブロックIDの一部として1バイトの “23h”が埋め込まれている。
セクタ2の内容について説明する。セクタ2のフレーム#0〜#25の内、フレーム#0〜#7にはECCブロックアドレスの4バイトの第3の1バイトを下位ビットから順に埋め込む。続くフレーム#8〜#15には、ECCブロックアドレスのパリティの4バイトのうちの第3の1バイトの副情報を埋め込む。フレーム#16〜#20にはセクタ番号を表す5ビットの副情報を埋め込む。フレーム#21〜#25には、セクタ番号のパリティを表す5ビットの副情報を埋め込む。図8に示すように、セクタ2にはブロックIDの一部として1バイトの “45h”が埋め込まれている。
セクタ3の内容について説明する。セクタ3のフレーム#0〜#25の内、フレーム#0〜#7にはECCブロックアドレス4バイトの第4の1バイトを下位ビットから順に埋め込む。続くフレーム#8〜#15には、ECCブロックアドレスのパリティの4バイトのうちの第4の1バイトの副情報を埋め込む。フレーム#16〜#20にはセクタ番号を表す5ビットの副情報を埋め込む。フレーム#21〜#25には、セクタ番号のパリティを表す5ビットの副情報を埋め込む。図8に示すように、セクタ3にはブロックIDの一部として1バイトの“67h”が埋め込まれている。
このように、4つのセクタ825の1バイトずつの情報を組み合わせて32ビットのブロックID=“76543210h”を表す。
4バイトのブロックIDのセクタ825への配置順序は、読み出し方向に従い、読み出しの早いセクタ825から順にブロックIDの下位ビットから上位ビットへと配置することが望ましい。
セクタ4以降の内容について説明する。セクタ4〜7は、上述したセクタ0〜3の内容を繰り返し記述する。同様に、セクタ8〜11、セクタ12〜15、セクタ16〜19、セクタ20〜23、セクタ24〜27およびセクタ28〜31も上述したセクタ0〜3の内容を繰り返し記述する。
以上のように1ブロック内の32セクタを4セクタ毎のまとまりとして8回(1ブロック内が16セクタの場合は4回)繰り返し記述する。これにより1ブロック内に、エラー訂正が可能なパリティ情報の付加が可能となり、ブロックIDの読み出しの信頼性を高めることが可能である。
また、セクタ番号を記述することにより、ブロックIDの1バイトが欠落した時に、ど
の1バイトが欠落したのかセクタ番号を読み取ることで容易に判別することが可能であり、ブロックIDの読み出し信頼性を高めることが可能である。
また、セクタ番号を記述することにより、連続読み出し動作中でない場合(例えばシーク直後)、ブロックの先頭のブロックマーク810から読み出すのではなく、シーク直後のセクタ825のセクタ番号を読み出すことでブロック内の任意のセクタ825から4つのセクタ825の副情報を読み出して、ブロックIDを確定することが可能である。
また、4セクタ毎(8kB=2kB×4)のセクタ群825’でブロックIDが確定するので、すばやいタイミングで後処理(データの読み出し、記録動作など)を行うことが可能である。
また、ディスク上の傷(ディフェクト)によって4セクタ程度のブロックIDの読み取り欠落が生じたとしても、ブロック内でブロックIDの内容を繰り返しているため、欠落のないセクタ群でブロックIDを読み出すことが可能であり、高いブロックID読み出し信頼性が保証されている。
また、上述のセクタ番号の代わりに、1セクタ群825’の4つのセクタ825の内の何番目セクタかを示すID番号を記述してもよい。この場合の副情報の配置を図16に示す。図10に示す後半フレーム(5ビットのセクタ番号と5ビットのセクタ番号のパリティ)の代わりに、図16では2ビットのID番号、2ビットのID番号のパリティ、および6ビットのブロックIDの繰り返し番号が配置されている。繰り返し番号は、繰り返し示されるブロックID内の何番目のブロックIDであるかを示す。
ID番号を用いることでセクタ番号で必要であった5ビットの副情報を2ビットに減らすことが可能である。また、残りの8ビットを用いてID番号の誤り訂正能力を向上させることや、ブロックIDの繰り返し回数を記述することが可能である。
ID番号を記述することにより、連続読み出し動作中でない場合(例えばシーク直後)、ブロックの先頭のブロックマーク810から読み出すのではなく、シーク直後のセクタ825のID番号を読み出すことでブロック内の任意のセクタ825から4つのセクタ825の副情報を読み出して、ブロックIDを確定することが可能である。
また、ブロックIDの繰り返し番号を副情報群に含めることで、アドレス番号を確定する際の多数決処理に繰り返し番号を用いることも可能である。ブロック内のどのセクタ825を読み出しているか、或いは、ブロック内の何番の目の副情報群が誤っているかなどの情報が得られ、信号処理上有為な情報を得ることが可能である。
また、複数の記録面をもった光ディスクにおいて、記録面の層の番号を、副情報群に含めることも可能である。層番号を含めることで容易に記録面を判別することが可能である。例えば図16の同一の繰り返し番号4つの内の1つを記録面の層番号に置きかえることも可能である。層番号を副情報群に含めることで容易に記録面を判別することが可能である。
本実施の形態において、ブロックIDを32ビットとしたが、アドレス情報を32ビットとすることに限らず、光ディスクに記録するデータ容量或いはエラー訂正符号の種類と方式等に応じて、必要なブロックID(アドレス情報)のビット数を割り当てても構わない。
本実施の形態において、ブロック単位においてセクタをN=32として32個(或いは
N=16として16個)に分割することとしたが、本発明はこのようなセクタの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報は、1セクタをM=26として26個に分割したフレーム単位に記録するとしたが、本発明はこのようなフレームの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報を鋸波状のウォブルに変調して記録することとしたが、本発明は、このようなウォブルの形状に制約されるものではない。例えば図4および図7に示したウォブルに副情報を変調して配置することも可能である。
本実施の形態において、ブロックマークをトラックグルーブを寸断して設けたが、本発明は、このようなブロックマークの形状に制約されるものではない。例えば図5および図6に示したウォブルにブロックマークを変調して配置することも可能である。
(実施の形態8)
図11は本発明の実施の形態8におけるトラックグルーブ1102を示す。トラックグルーブ1102は図2に示す光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する。トラックグルーブ1102は図11に示されるように1ブロック単位毎に特徴づけられた形状で構成されている。図11においてブロックマーク(識別マーク)1110は、ブロックの先頭を示す指標である。
本実施の形態のトラックグルーブ1102おいては、トラックグルーブ1102を寸断して設けられているブロックマーク1110を先頭として、所定形状のウォブル(蛇行)1126および1127が、ブロックをN分割(N=32或いはN=16)したセクタ1125(単位区間)内をさらにM分割(M=26)したフレーム(単位小区間)#0〜#25内において周期的に設けられている。ウォブル1126および1127はその形状が互いに異なるように形成され、上記フレーム#0〜#25内において一義的に記述される副情報(“0”、“1”若しくは“S”)をそれぞれ示す。具体的には図11に示されるように、一周期あたり、副情報の“1”か“0”かに応じて、その立ち上がり変位と立ち下がり変位とが異なる鋸波状にウォブル1126および1127が形成されている。
この立ち上がりの傾斜の差は差動プッシュプル検出で再生した信号から容易に検出することができる。即ち走査レーザービームをトラックグルーブ1102に照射し、トラック垂直方向(すなわちラジアル方向)に分割された受光素子の差動信号(すなわちプッシュプル信号)を生成すれば、副情報が“0”か“1”かによって立ち上がり、立ち下がりの傾斜の異なる検出信号が得られる。この傾斜の差は、例えば、検出信号を微分することによって容易に識別できる。
従って、この微分値の大小から副情報を検出できることになる。しかし、微分を用いる場合、当然ノイズ成分は増強されるから、S/N比の悪い高密度光ディスク媒体では検出エラーが生じることが懸念される。そこで本実施の形態ではウォブル形状の同一のパターンを複数回繰り返し形成することによって検出の信頼性を高めている。
まず、主情報はブロックマーク1110を起点に、トラックグルーブ1102に沿って所定長、例えば64KB長(或いは32kB長)のブロック単位1141で記録される。主情報は記録マーク28として記録され得る。ブロック単位とは情報処理上の単位であり、例えばECCブロックなどを意味する。ブロック単位1141はN=32として32分割(或いはN=16として16分割)されたそれぞれ2KBのサブブロックであるセクタ1125を含む。セクタ1125はM=26として26分割されたフレーム#0〜#25
を含み、フレーム#0〜#25の先頭部にはSYNCマークを記録してデータ再生時の同期信号とする。ここでフレームとは、トラックグルーブ1102上に記録される各情報の小単位である。これら各情報が記録されるフレーム#0〜#25に対応するフレーム1122および1123に示されるとおり、同一のフレームにはそれぞれ同一形状のウォブルのみが予め周期的に形成されている。これによりフレーム1122および1123のそれぞれに1ビットの副情報“0”、“1”若しくは“S”を記述することにより、各セクタに含まれる26ビット(M=26)の副情報群で当該ブロックID(アドレス情報)を表記することになる。
ブロックIDは、アドレスの番号を表す情報だけでなく、エラー訂正符号、エラー検査符号、パリティ符号等の誤りを訂正、或いは検出するための符号を含めても構わない。
ここで、26フレームを例えば前半13フレームと後半13フレームに分割し、13フレーム毎にブロックIDの一部として1ビットの副情報を記録し、1セクタにブロックIDの一部として2ビットの副情報を記録する。
図12に、1ブロック単位1141内のセクタ1125およびフレーム#0〜#25に記録される副情報のフォーマットの一例を示す。図12において、縦方向にセクタ番号が、横方向に各セクタ内のフレーム番号及びフレーム内の副情報を示す。1セクタにつき前半13フレーム、後半13フレーム毎にまとまった各フレーム群に1ビットの副情報が記録される。本実施の形態では、ブロック単位1141はECCブロックであるとする。B0〜B31は、32ビットのECCブロックアドレスの何番目のビットを表す副情報であるかを示す番号である。
セクタ0の内容について説明する。セクタ0のフレーム#0〜#25の内、フレーム#0〜#12(前半のフレーム)にはECCブロックアドレス32ビットの最初の1ビット(LSB1ビット)を埋め込む。続くフレーム#13〜#25(後半フレーム)には、ECCブロックアドレス32ビットの第2の1ビットを埋め込む。図11で示すように、セクタ0には“0”および“1”の2ビットのブロックIDの一部が埋め込まれている。
ここでセクタ0の前半フレームにECCブロックアドレスの最初の1ビット(LSB)の代わりに、ECCブロックアドレスの始まりを表すSYNC符号“S”を埋め込んで、ECCブロックアドレス再生時の同期信号或いはECCブロックアドレスの先頭を検出する検出マークとして用いてもよい。
セクタ1の内容について説明する。セクタ1のフレーム#0〜#25の内、フレーム#0〜#12(前半のフレーム)にはECCブロックアドレス32ビットの第3の1ビットを埋め込む。続くフレーム#13〜#25(後半のフレーム)には、ECCブロックアドレス32ビットの第4の1ビットを埋め込む。図11で示すように、セクタ1には“0”、“0”の2ビットのブロックIDの一部が埋め込まれている。
ブロックIDは上述の通り1セクタにつき2ビットずつ記録された副情報を組み合わせ、合計16セクタの32ビットの副情報群でブロックID全体を表す。
ECCブロック長が32kBであり、1ブロック単位1141が16セクタに分割される場合でも、副情報を1セクタに2ビット配置することで32ビットのブロックIDを得ることが可能である。
ECCブロック長が32kBの場合は以上の16セクタのセクタ群でブロックIDが完結する。ECCブロック長が64kBの場合、1ブロック内のセクタ数は32であり、セ
クタ16以降のセクタ16〜31の副情報の内容としては、前記セクタ0〜15の内容が繰り返し記録される。1ブロック内の32セクタを16セクタ毎のまとまり(すなわち副情報群)として、1通りの副情報群を2回繰り返し記録する。
このように、副情報群をブロック単位1141内で繰り返す。これにより、16セクタ毎にブロックIDが確定する。このことは、32kB(=2kB×16)毎にブロックIDを確定することが可能であり、すばやいタイミングで後処理(データの読み出し、記録動作など)を行うことが可能であることを示す。また、ブロックIDをブロック単位1141内で2回繰り返すことで、ブロックIDの読み取りの信頼性を高めることが可能である。
また、ブロックIDをブロック単位1141内で2回繰り返す代わりにブロックID以外の情報を含めることも可能である。例えば、ブロックIDの繰り返し番号を副情報群に含めることで、アドレス番号を確定する際の多数決処理に用いることも可能であるし、ブロック内のどのセクタを読み出しているか、或いは、ブロック内の何番の目の副情報群が誤っているかなどの情報が得られ、信号処理上有為な情報を得ることが可能である。
また、複数の記録面をもった光ディスクにおいて、記録面の層の番号を、副情報群に含めて設けることも可能である。図16を参照して上述したように副情報群に層番号を含めることで容易に、記録面を判別することが可能である。
本実施の形態において、ブロックIDを32ビットとしたが、アドレス情報を32ビットとすることに限らず、光ディスクに記録するデータ容量、或いはエラー訂正符号の種類と方式等に応じて、必要なブロックID(アドレス情報)のビット数を割り当てても構わない。
本実施の形態において、ブロック単位においてセクタをN=32として32個(或いはN=16として16個)に分割することとしたが、本発明はこのようなセクタの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報は、1セクタをM=26として26個に分割したフレーム単位に記録するとしたが、本発明はこのようなフレームの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報を鋸波状のウォブルに変調して記録することとしたが、本発明はこのようなウォブルの形状に制約されるものではない。例えば図4および図7に示したウォブルに副情報を変調して配置することも可能である。
本実施の形態において、ブロックマークをトラックグルーブを寸断して設けたが、本発明は、このようなブロックマークの形状に制約されるものではない。例えば図5および図6に示したウォブルにブロックマークを変調して配置することも可能である。
(実施の形態9)
図13に本発明の実施の形態9におけるトラックグルーブ1302を示す。トラックグルーブ1302は図2に示す光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する。トラックグルーブ1302は図13に示されるように1ブロック単位毎に特徴づけられた形状で構成されている。図13においてブロックマーク(識別マーク)1310は、ブロックの先頭を示す指標である。
本実施の形態のトラックグルーブ1302おいては、トラックグルーブ1302を寸断
して設けられているブロックマーク1310を先頭として、所定形状のウォブル(蛇行)1326および1327が、ブロックをN分割(N=32或いはN=16)したセクタ1325(単位区間)内をさらにM分割(M=26)したフレーム(単位小区間)#0〜#25内において周期的に設けられている。ウォブル1326および1327はその形状が互いに異なるように形成され、上記フレーム#0〜#25内において一義的に記述される副情報(“0”、“1”若しくは“S”)をそれぞれ示す。具体的には図13に示されるように、一周期あたり、副情報の“1”か“0”かに応じて、その立ち上がり変位と立ち下がり変位とが異なる鋸波状にウォブル1326および1327が形成されている。
この立ち上がりの傾斜の差は差動プッシュプル検出で再生した信号から容易に検出することができる。即ち走査レーザービームをトラックグルーブ1302に照射し、トラック垂直方向(すなわちラジアル方向)に分割された受光素子の差動信号(すなわちプッシュプル信号)を生成すれば、副情報が“0”か“1”かによって立ち上がり、立ち下がりの傾斜の異なる検出信号が得られる。この傾斜の差は、例えば、検出信号を微分することによって容易に識別できる。
従って、この微分値の大小から副情報を検出できることになる。しかし、微分を用いる場合、当然ノイズ成分は増強されるから、S/N比の悪い高密度光ディスク媒体では検出エラーが生じることが懸念される。そこで本実施の形態ではウォブル形状の同一のパターンを複数回繰り返し形成することによって検出の信頼性を高めている。
主情報はブロックマーク1310を起点に、トラックグルーブ1302に沿って所定長、例えば64KB長のブロック単位1341で記録される。主情報は記録マーク28として記録され得る。ブロック単位とは情報処理上の単位であり、例えばECCブロックなどを意味する。ブロック単位1341はN=32として32分割(或いはN=16として16分割)されたそれぞれ2KBのサブブロックであるセクタ1325を含む。セクタ1325はM=26として26分割されたフレーム#0〜#25を含み、フレーム#0〜#25の先頭部にはSYNCマークを記録してデータ再生時の同期信号とする。ここでフレームとは、トラックグルーブ1302上に記録される各情報の小単位である。これら各情報が記録されるフレーム#0〜#25に対応するフレーム1322および1323に示されるとおり、同一のフレームにはそれぞれ同一形状のウォブルのみが予め周期的に形成されている。これによりフレーム1322および1323のそれぞれに1ビットの副情報“0”、“1”若しくは“S”を記述することにより(副情報“S”はSYNC情報として記述され得る)、各セクタに含まれる26ビット(M=26)の副情報群で当該ブロックID(アドレス情報)を表記することになる。
また、これら副情報が記録されるセクタ1325によってはセクタ内の前半フレーム(フレーム#0〜#12)と後半フレーム(フレーム#13〜#25)内の各フレーム群にそれぞれ同一の形状のウォブルのみが予め周期的に形成され得る。これによりセクタ1325に2ビットの副情報“0”、“1”、或いは“S”を記述することにより、各セクタ(単位区間)に含まれる32ビットの副情報群で当該ブロックIDを表記することになる。
ブロックIDは、アドレスの番号を表す情報だけでなく、エラー訂正符号、エラー検査符号、パリティ符号等の誤りを訂正、或いは検出するための符号を含めても構わない。
図14に、本実施の形態における1ブロック単位1341内のセクタ1325およびフレーム#0〜#25に記録される副情報のフォーマットの一例を示す。図14において縦方向にセクタ番号を、横方向に各セクタ内のフレーム番号及びフレーム内の情報を示す。
セクタ0の内容について説明する。セクタ0のフレーム#0〜#25の全てに、32ビットのECCブロックアドレスの内の最初の1ビット(LSBから1ビット)を埋め込む。図14で示すように、セクタ0には1ビットの副情報B0(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ1の内容について説明する。セクタ1のフレーム#0〜#25の全てに、32ビットのECCブロックアドレスの内の最初の1ビット(LSBから1ビット)を埋め込む。図14で示すように、セクタ1には1ビットの副情報B0(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ1にはセクタ0の副情報B0と同じ内容が繰り返し配置されている。
セクタ2の内容について説明する。セクタ2のフレーム#0〜#25の全てに、32ビットのECCブロックアドレスの内の第2の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ2には1ビットの副情報B1(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ3の内容について説明する。セクタ3のフレーム#0〜#25の全てに、32ビットのECCブロックアドレスの内の第2の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ2には1ビットの副情報B1(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ3にはセクタ2の副情報B1と同じ内容が繰り返して配置されている。
以下同様に、セクタ13までは奇数セクタNの副情報の内容はセクタ番号が1小さい偶数セクタ(N−1)の副情報を繰り返し配置している。
次に、セクタ14からセクタ24までの内容について説明する。
セクタ14の内容について説明する。セクタ14のフレーム#0〜#25の全てに、32ビットのECCブロックアドレスの内の第8の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ14には1ビットの副情報B7(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ15の内容について説明する。セクタ15のフレーム#0〜#25の全てに、32ビットのECCブロックアドレスの内の第9の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ15には1ビットの副情報B8(“0”か“1”)が埋め込まれている。
以下セクタ24まで同様に1セクタに1ビットの副情報が配置されている。
次にセクタ25からセクタ31までの内容について説明する。
セクタ25の内容について説明する。セクタ25のフレーム#0〜#25の内、フレーム#0〜#12(前半フレーム)にはECCブロックアドレス32ビットの内の第19の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ25の前半フレームには1ビットの副情報B18(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ25のフレーム#0〜#25の内、フレーム#13〜#25(後半フレーム)にはECCブロックアドレス32ビットの内の第20の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ25の後半フレームには1ビットの副情報B19(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ26の内容について説明する。セクタ26のフレーム#0〜#25の内、フレー
ム#0〜#12(前半フレーム)にはECCブロックアドレス32ビットの内の第21の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ26の前半フレームには1ビットの副情報B20(“0”か“1”)が埋め込まれている。
セクタ26のフレーム#0〜#25の内、フレーム#13〜#25(後半フレーム)にはECCブロックアドレス32ビットの内の第22の1ビットを埋め込む。図14で示すように、セクタ26の後半フレームには1ビットの副情報B21(“0”か“1”)が埋め込まれている。
以下セクタ31まで同様に1セクタの前半フレームに1ビット、後半フレームに1ビットの副情報が配置されており、1セクタには2ビットの副情報が配置されている。
以上のように、本実施の形態では、ブロックIDの下位ビットや上位ビットなどのビット位置によって、副情報を配置するセクタ数およびフレーム数をかえている。本実施の形態では、副情報B0が最下位ビットであり、副情報B31が最上位ビットとなる。
光ディスクのような連続したデータを読み出すシステムにおいて、連続して読み出し中のデータのブロックIDは、下位ビットから連続的に増加していく。隣接するブロックID間では、ブロックID値は”1”しか異ならない。そのため、ブロックIDの決定には、読み出し中のブロックIDの下位ビットの数ビットを読み出すだけで、残りの上位ビットは直前或いは一定数前のブロックIDから読み出された値から類推することが可能である。この場合、下位の数ビットのブロックIDの読み出しの信頼性が重要である。図14で示したようにブロックIDの下位ビットを複数のセクタに渡って他のビットより多く配置させることで、ブロックIDの下位ビットの読み出しの信頼性と、読み出し効率を向上させることが可能である。
本実施の形態において、ブロックIDを32ビットとしたが、アドレス情報を32ビットとすることに限らず、光ディスクに記録するデータ容量或いはエラー訂正符号の種類と方式等に応じて、必要なブロックID(アドレス情報)のビット数を割り当て副情報群にすることでも構わない。
本実施の形態において、ブロック単位においてセクタをN=32として32個(或いはN=16として16個)に分割することとしたが、本発明はこのようなセクタの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報は、1セクタをM=26として26個に分割したフレーム単位に記録するとしたが、本発明はこのようなフレームの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報を鋸波状のウォブルに変調して記録することとしたが、本発明は、このようなウォブルの形状に制約されるものではない。例えば図4および図7に示したウォブルに副情報を変調して配置することも可能である。
本実施の形態において、ブロックマークをトラックグルーブを寸断して設けたが、本発明は、このようなブロックマークの形状に制約されるものではない。例えば図5および図6に示したウォブルにブロックマークを変調して配置することも可能である。
(実施の形態10)
図15に本発明の実施の形態10におけるトラックグルーブ1502を示す。トラックグルーブ1502は図2に示す光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する
。トラックグルーブ1502は図15に示されるように1ブロック単位毎に特徴づけられた形状で構成されている。図15においてブロックマーク(識別マーク)1510は、ブロックの先頭を示す指標である。
本実施の形態のトラックグルーブ1502おいては、トラックグルーブ1502を寸断して設けられているブロックマーク1510を先頭として、所定形状のウォブル(蛇行)1526および1527が、ブロックをN分割(N=32或いはN=16)したセクタ1525(単位区間)内をさらにM分割(M=26)したフレーム(単位小区間)#0〜#25内において周期的に設けられている。ウォブル1526および1527はその形状が互いに異なるように形成され、上記フレーム#0〜#25内において一義的に記述される副情報(“0”、“1”若しくは“S”)をそれぞれ示す。具体的には図15に示されるように、一周期あたり、副情報の“1”か“0”かに応じて、その立ち上がり変位と立ち下がり変位とが異なる鋸波状にウォブル1526および1527が形成されている。
この立ち上がりの傾斜の差は差動プッシュプル検出で再生した信号から容易に検出することができる。即ち走査レーザービームをトラックグルーブ1502に照射し、トラック垂直方向(すなわちラジアル方向)に分割された受光素子の差動信号(すなわちプッシュプル信号)を生成すれば、副情報が“0”か“1”かによって立ち上がり、立ち下がりの傾斜の異なる検出信号が得られる。この傾斜の差は、例えば、検出信号を微分することによって容易に識別できる。
従って、この微分値の大小から副情報を検出できることになる。しかし、微分を用いる場合、当然ノイズ成分は増強されるから、S/N比の悪い高密度光ディスク媒体では検出エラーが生じることが懸念される。そこで本実施の形態ではウォブル形状の同一のパターンを複数回繰り返し形成することによって検出の信頼性を高めている。
主情報はブロックマーク1510を起点に、トラックグルーブ1502に沿って所定長、例えば64KB長のブロック単位1541で記録される。主情報は記録マーク28として記録され得る。ブロック単位とは情報処理上の単位であり、例えばECCブロックなどを意味する。ブロック単位1541はN=32として32分割(或いはN=16として16分割)されたそれぞれ2KBのサブブロックであるセクタ1525を含む。セクタ1525はM=26として26分割されたフレーム#0〜#25を含み、フレーム#0〜#25の先頭部にはSYNCマークを記録してデータ再生時の同期信号とする。ここでフレームとは、トラックグルーブ1502上に記録される各情報の小単位である。これら各情報が記録されるフレーム#0〜#25に対応するフレーム1522および1523に示されるとおり、同一のフレームにはそれぞれ同一形状のウォブルのみが予め周期的に形成されている。これによりフレーム1522および1523のそれぞれに1ビットの副情報“0”、“1”若しくは“S”を記述することにより(副情報“S”はSYNC情報として記述され得る)、各セクタに含まれる26ビット(M=26)の副情報群で当該ブロックID(アドレス情報)を表記することになる。
ここで、1フレームにつき1ビットの副情報を割り当てることとし、連続した32フレーム(副情報群)に32ビットのブロックIDを埋め込む。
ブロックIDは、アドレスの番号を表す情報だけでなく、エラー訂正符号、エラー検査符号、パリティ符号等の誤りを訂正、或いは検出するための符号を含めても構わない。
ブロックIDは上述の通り1フレームにつき1ビットずつ割り当てられた副情報を組み合わせた合計32フレームで32ビットの副情報群として1通りのブロックID全体を表す。
ECCブロック長が64kBの場合、1ブロック長が32セクタである。1ブロック内のフレーム数は832(=32×26)フレームである。32フレームを1フレーム群としてブロックIDを割り当てた場合、26個のフレーム群を繰り返すことによってブロックIDを構成することが可能である。
また、ECCブロック長が32kBの場合、1ブロック長が16セクタである。1ブロック内のフレーム数は416(=16×26)フレームである。32フレームを1フレーム群としてブロックIDを割り当てた場合、13個のフレーム群を繰り返すことによってブロックIDを構成することが可能である。
以上のように32フレームをひとまとまりのフレーム群(すなわち副情報群)としてブロックIDを表し、1通りの副情報群を複数回繰り返し記述する。
副情報群を1ブロック単位1541内で繰り返す。これにより、32フレーム毎にブロックIDが確定することになり、すばやいタイミングで後処理(データの読み出し、記録動作など)を行うことが可能である。
また、ブロックIDを1ブロック単位1541内で複数回繰り返すことで、ブロックIDの読み取りの信頼性を高めることが可能である。
また、ブロックIDを1ブロック内で複数回繰り返す回数を減らす代わりにブロックID以外の情報を副情報群に含めることも可能である。
例えば、図16を参照して上述したように、ブロックIDの繰り返し番号を副情報群に含めることで、アドレス番号を確定する際の多数決処理にブロックIDを用いることも可能である。また、ブロック内のどのセクタを読み出しているか、或いは、ブロック内の何番の目の副情報群が誤っているかなどの情報が得られ、信号処理上有為な情報を得ることが可能である。
また、複数の記録面をもった光ディスクにおいて、記録面の層の番号を、前記副情報群に含めて設けることも可能である。層番号を含めることで容易に、記録面を判別することが可能である。例えば図16の同一繰り返し番号4つのうち1つを記録面の層番号にすることも可能である。層番号を含めることで容易に、記録面を判別することが可能である。
本実施の形態において、ブロックIDを32ビットとしたが、32フレームを32ビットの1フレーム群にすることに限らず、光ディスクに記録するデータ容量或いはエラー訂正符号の種類と方式等に応じて、必要なブロックID(アドレス情報)のビット数を割り当て副情報群にすることでも構わない。
本実施の形態において、ブロック単位においてセクタをN=32として32個(或いはN=16として16個)に分割することとしたが、本発明はこのようなセクタの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報は、1セクタをM=26として26個に分割したフレーム単位に記録するとしたが、本発明はこのようなフレームの数に制約されるものではない。
本実施の形態において、副情報を鋸波状のウォブルに変調して記録することとしたが、本発明は、このようなウォブルの形状に制約されるものではない。例えば図4および図7
に示したウォブルに副情報を変調して配置することも可能である。
本実施の形態において、ブロックマークをトラックグルーブを寸断して設けたが、本発明は、このようなブロックマークの形状に制約されるものではない。例えば図5および図6に示したウォブルにブロックマークを変調して配置することも可能である。
(実施の形態11)
図22に本発明の実施の形態11におけるトラックグルーブ1602を示す。トラックグルーブ1602は図2に示す光ディスク媒体20のトラックグルーブ102に対応する。トラックグルーブ1602は図22に示されるように1ブロック単位毎に特徴づけられた形状で構成されている。
まず、図22を参照して、ブロックアドレスの構成単位であるECCブロックを4つのPIDブロック、PID0〜PID3に分割している。PID部2202がPID0、PID部2204がPID1、PID部2206がPID2、PID部2208がPID3である。各PID部の先頭にはそれぞれ付属部0〜3が配置されており、付属部2201は付属部0、付属部2203は付属部1、付属部2205は付属部2、付属部2207は付属部3である。各付属部0〜3は物理的にはブロックマーク(識別マーク)2220を含み、PID部の先頭を表すための指標である。
本実施の形態のトラックグルーブ1602おいては、トラックグルーブ1602を寸断して設けられているブロックマーク2220を先頭として、所定形状のウォブル(蛇行)2226、2227、2229および2230が、ブロックをN分割(N=4)したPIDブロック(単位区間)内をさらにM分割(M=52)したフレーム(単位小区間)2222および2223において周期的に設けられている。ウォブル2226、2227、2229および2230はその形状が互いに異なるように形成され、上記フレーム内において一義的に記述される副情報(“0”、“1”、“S”若しくは“B”)をそれぞれ示す。具体的には図22に示されるように、一周期あたり、副情報“0”、“1”、“S”若しくは“B”に応じて、その立ち上がり変位と立ち下がり変位とが異なる鋸波状および正弦波状にウォブル2226、2227、2229および2230が形成されている。
この立ち上がりの傾斜の差は差動プッシュプル検出で再生した信号から容易に検出することができる。即ち走査レーザービームをトラックグルーブ1602に照射し、トラック垂直方向(すなわちラジアル方向)に分割された受光素子の差動信号(すなわちプッシュプル信号)を生成すれば、副情報“0”、“1”、“S”および“B”によって立ち上がり、立ち下がりの傾斜の異なる検出信号が得られる。この傾斜の差は、例えば、検出信号を微分することによって容易に識別できる。
従って、この微分値の大小から副情報を検出できることになる。しかし、微分を用いる場合、当然ノイズ成分は増強されるから、S/N比の悪い高密度光ディスク媒体では検出エラーが生じることが懸念される。そこで本実施の形態ではウォブル形状の同一のパターンを複数回繰り返し形成することによって検出の信頼性を高めている。
次にPID部の内容について説明する。PID部は、372バイトのフレーム52個を含み、19344バイト(=372バイト×52)の長さで形成されている。PID部2202(PID0)は、PIDの情報内容として8ビットのPID情報2209、24ビットのブロックアドレス情報2210、16ビットのIED情報2211、4ビットのアドレスマーク(AM)2212を含む。
PID情報2209はPID0〜PID3のいずれのPID番号かを表す情報である。
ブロックアドレス情報2210は、ブロックアドレス単位で割り当てられているアドレス情報で、同一ブロックアドレス内のPID0〜PID3で共通である。IED2211は前記PID情報2209とブロックアドレス情報2210から生成されるエラー検査符号(IED)である。
また、アドレスマーク2212はPID部2202の最後に配置されており、これにより、続くPID部2204の先頭を検出する役割がある。また、アドレスマーク2212には、上述した副情報“1”、“0”、“S”以外に、フレーム2225のウォブル2230のような正弦波状のウォブルを用いて副情報“B”を記録する。フレーム2224のウォブル2229で記録される副情報“S”と副情報“B”とを組み合わせることで、アドレスマーク2212を表す。例えばアドレスマーク2212は4ビット情報が“SBBS”となっており、これらのパターンが検出された場合に、続く付属部、或いはPID部の検出する準備を行うことができる。
副情報“B”をアドレスマークにのみ用いることで、他の情報部との区別が容易になり、アドレスマークの検出精度を向上させることが可能となる。
次に、付属部の内容について説明する。付属部は、PID部とは異なり、ブロックマーク2220が予めディスク媒体上に記録されている。ブロックマーク2220の形状は例えば図17に示すようにトラックを寸断する形で形成されたミラーマークである。付属部2201はPID部2202(PID0)の先頭部であり且つECCブロックアドレスの先頭部でもある。
付属部0〜3はそれぞれPID0〜PID3の先頭部に予め設けられており、93バイトの長さで形成されている。また、断続しているブロックマーク(ミラーマーク)2220の長さは約2バイトである。付属部上にはブロックマークの検出精度を上げるためにダミーデータを記録することができる。
ダミーデータとしては、例えば、4Tマークと4Tスペースとを単純に繰り返した情報を記録する。こうすることで、単一周波数成分の記録マークとブロックマークとの検出時の周波数分離をすることが容易に可能となり、ブロックマークを容易に検出することが可能である。
以上のように1ECCブロックを4つのPID部に分割し、4つのPID部のそれぞれの先頭に付属部を設け、付属部内にはPID部の先頭を表すブロックマークを形成する。これらPID部をECCブロック内で繰り返す。これにより、1/4ECCブロック毎にブロックIDが確定することになり、すばやいタイミングで後処理(データの読み出し、記録動作など)を行うことが可能である。
また、ブロックIDを1ブロック内で複数回繰り返すことで、ブロックIDの読み取りの信頼性を高めることが可能である。
本実施の形態において、1ECCブロックを4つのPID部に分割したが、これに限らず、1ECCブロックを任意の整数個のPIDに分割してもよい。
本実施の形態において、副情報を鋸波状のウォブルに変調して記録することとしたが、本発明は、このようなウォブルの形状に制約されるものではない。例えば図4および図7に示したウォブルに副情報を変調して配置することも可能である。
本実施の形態において、ブロックマークをトラックグルーブを寸断して設けたが、本発
明は、このようなブロックマークの形状に制約されるものではない。例えば図5および図6に示したウォブルにブロックマークを変調して配置することも可能である。また、後述する図17、図18および図19に示したブロックマークを変調して配置することも可能である。
(実施の形態12)
図17に本発明の実施の形態12におけるトラックグルーブ1702を示す。トラックグルーブ1702は図22に示すトラックグルーブ1602の付属部の改変例である。
付属部1701が付属部0を示し、付属部1705が付属部1から3を示す。正弦波状のウォブル形状のトラックグルーブ1702は予め光ディスク媒体上に形成されており、各付属部は全長93バイトであり、ウォブルは付属部中で9回繰り返し設けられる。付属部0〜3内にはブロックマーク1703、1704および1706がトラックグルーブを寸断して設けられている。
付属部0〜3は上述の実施の形態11で示した通り、PID部の先頭であり、アドレス情報の先頭位置となる。そのため読み取り時の信頼性が高いことが望まれる。そこで、付属部0〜3中には前記ブロックマークを複数回(例えば2回)繰り返し配置することで、1つのブロックマークがノイズ、ディフェクト等の外乱によって検出できない場合においても、信頼性よくブロックマークの検出を行うことが可能である。また、ノイズやディフェクト等で擬似的に発生する偽物のブロックマーク(擬似ブロックマーク)と区別するために、複数回のブロックマークをある一定の間隔をおいて配置することで、擬似ブロックマークと正規のブロックマークとの区別を容易に行うことが可能である。
付属部0〜3の間でブロックマークの数や形状が同一であってもよい。例えば1個のブロックマーク1703が付属部0〜3それぞれに設けられ得る。また、図17のように付属部0と付属部1〜3との間でブロックマークの数や形状を異ならして配置してもよい。例えば、付属部0のブロックマークの数と他の付属部1〜3のブロックマークの数とを異ならせる。その場合、ECCブロックの先頭となる付属部0の信頼性を高めるために、付属部0内のブロックマークの数を他の付属部内のブロックマークの数に比べて多くする(ブロックマーク1703および1704の2個)。これにより、付属部0のブロックマークの読み取り時の信頼性を向上することができる。また、付属部0とそれ以外の付属部1〜3でブロックマークの数や形状が異なることを利用して、付属部0のブロックマークを他の付属部のブロックマークと区別することが可能となる。これにより、PID部全体を読み出してアドレスを確定する以外にもECCブロックの先頭アドレスを検出することが可能となる。
ここで、ブロックマークを複数回配置する場合、図17のブロックマーク1703および1704のようにトラックグルーブの蛇行の同一位相位置に配置する場合と異なる例として、図18のブロックマーク1703と1804のようにトラックグルーブのウォブルの180°位相差のある位置にブロックマークを配置してもよい。
また、ブロックマークの物理長をここでは2バイトとしたが、2バイトに限る必要はなく、光スポット径から決まるブロックマークの最適な設計値を選択することが可能である。例えば、図19のように、ブロックマークの長さを4バイトにすることも可能である。
ここで、図19のようにブロックマークを4バイトとする場合、付属部0と付属部1〜3とのブロックマークの物理長を異ならせることでも構わない。これにより、付属部0のブロックマークの読み取り時の信頼性を向上することができる。また、付属部0とそれ以外の付属部1〜3とでブロックマーク長が異なることを利用して、付属部0のブロックマ
ークを他の付属部のブロックマークと区別することが可能となる。
次に、ブロックマークがランド上に形成したプリピットである光ディスク媒体を図20を参照して説明する。図20に本実施の形態におけるトラックグルーブ2002を示す。トラックグルーブ2002は図22に示すトラックグルーブ1602の付属部の改変例である。付属部2001が付属部0を示し、付属部2005が付属部1〜3を示す。付属部2001のトラックグルーブ2002間のランドトラック2003上に、ランドトラック2003を寸断する形でブロックマーク2004が形成されている。ブロックマーク2004はトラックグルーブ2002上を光スポットが走査する場合、光スポットの中心から半トラック分ずれた状態で走査される。
図20に示すようなランドトラック上に形成されたブロックマーク2004の場合、プッシュプル信号等の2分割光検出器の差動をとった信号を用いて、ブロックマークを検出することができる。上述のPID部の検出は、差動信号を用いて行っている。このことから、ブロックアドレスの検出もPID部の検出と同様に差動系の信号を用いて検出することができ、アドレス信号再生時の和信号と差信号との切り替えなく、ブロックアドレスおよびPID部の検出を行うことができる。これにより、信号検出部の回路構成を簡単にすることが可能となる。
ここで、図20のブロックマーク2004のようにブロックマークを1つの付属部0中に複数回配置する場合、付属部0と付属部1〜3とでブロックマークの個数を異ならせてもよい。
例えば付属部0のブロックマークを2個、付属部1〜3のブロックマークを1個とすることにより、付属部0のブロックマークの読み取り時の信頼性を向上させることができる。また、付属部0とそれ以外の付属部でブロックマークの数が異なることを利用して、付属部0のブロックマークを他の付属部のブロックマークと区別することが可能となる。
また付属部上にはブロックマークの検出精度を上げるためにダミーデータを記録することができる。
ダミーデータとしては、例えば、4Tマークと4Tスペースとを単純に繰り返した情報を記録する。こうすることで、単一周波数成分の記録マークとブロックマークとの検出時の周波数分離をすることが容易に可能となり、ブロックマークを容易に検出することが可能である。
(実施の形態13)
図21は本発明の実施の形態13における光ディスク媒体のPID部2100を示す図である。PID部2100は、図22に示すPID0〜3の改変例である。PID部2100は372バイトのフレームを52個含み、19344バイト(372バイト×52フレーム)の長さで形成されている。PID部2100は、8ビットのPID情報2209、24ビットのブロックアドレス情報2210、16ビットのIED情報2211および4ビットのアドレスマーク(識別マーク)2112を含む。PID情報2209、ブロックアドレス情報2210およびIED情報2211は、実施の形態11と同様である。
またアドレスマーク2112はPID部2100の最後(後尾)に配置されており、これより後に続くPID部の先頭を検出する役割がある。ここで、副情報は“1”、“0”および“S”以外に“B”を加えた4情報単位であり、アドレスマークは、副情報“S”と “B”とを組み合わせて表される。さらに、アドレスマークは、PID部2100毎に異なる副情報の組み合わせとすることも可能であり、例えば図21に示すように、PI
D3のアドレスマーク2107の副情報4ビットの組み合わせを“SSSS”とする。この副情報の組み合わせのアドレスマークが検出された場合は、PID3のアドレスマーク2107であると識別し、続くPID0の先頭の付属部中の識別マーク或いはPID部のアドレスを検出する準備を行うことができる。
また、PID0〜2のアドレスマーク2101、2103および2105の4ビットの副情報の組み合わせが“SBBS”となっており、PID3のアドレスマーク2107とは異なる副情報の組み合わせとなっている。PID3とPID0〜2とでアドレスマークを異ならせることで、PID3のアドレスマークと他のPID部のアドレスマークとの区別が容易になり、PID3のアドレスマークの検出精度を向上させることが可能となる。つまり他のアドレスマークと異なる副情報の組み合わせとすることで、ブロックの先頭を検出するのが容易となる。
なお、PID0〜2のアドレスマークが同じウォブル形状のパターン(すなわち全て同じ副情報の組み合わせを表す)で形成されてもよい。例えは、PID0〜2のアドレスマークが全て同じ副情報の組み合わせ“SBBS”を示してもよい。
また、図21に示すようなアドレスマーク2101、2103、2105および2107の場合、グルーブトラックのウォブルにアドレスマークの情報を予め記録しているため、プッシュプル信号等の2分割光検出器の差動信号を用いて、アドレスマークを検出することができる。上述のPID部2100のPID情報2209、ブロックアドレス情報2210、IED情報2211の検出は、このような差動信号を用いていることから、ブロックアドレス或いはPID部の先頭の検出(識別マークの検出)も、差動信号を用いることができる。従って、アドレス信号再生時の和信号と差信号との切り替えなく、ブロック或いはPID部の先頭およびPID部のアドレス情報の検出を行うことができる。これにより、信号検出部の回路構成を簡単にすることが可能となる。
また、図21に示すようなアドレスマーク2101、2103、2105および2107の場合、アドレスマークの検出精度を上げるために、アドレスマーク上のトラックグルーブにはダミーデータを記録してもよい。
ダミーデータとしては、例えば、4Tマークと4Tスペースとを単純に繰り返した情報をトラックグルーブに記録する。これにより、単一周波数成分の記録マークとアドレスマークとの検出時の周波数分離をすることが可能であり、アドレスマークの検出精度を高めることが可能である。但し、図21に示すのようなアドレスマークの場合、アドレスマークは2分割光検出器の差動出力を用いて検出が可能なため、アドレスマーク上のトラックにダミーデータでなく正規のユーザーデータを記録してもアドレスマークの検出が可能であるのはいうまでもない。
また、付属部中の識別マークと前記アドレスマークとを併用することが可能である。付属部中の識別マークは、例えば2バイトのミラーマークであることから位置決め精度が非常に高く、追記や書き換え記録時のリンキング時の記録開始位置の精度を上げることが可能である。
(実施の形態14)
図23Aに本発明の実施の形態14における光ディスク装置2300を示す。光ディスク装置2300は、本発明の実施の形態で説明した複数のウォブル形状の組み合わせにより光ディスク媒体に記録された副情報を再生し、主情報の記録再生を行う。図23Aに示す光ディスク装置2300の動作を図23Bに示すフローチャートを参照して説明する。
光ディスク装置2300は、変換手段2330と、再生信号演算手段2308と、フォーカス位置制御手段2309と、トラッキング位置制御手段2310と、副情報検出手段2312と、レーザ駆動手段2313と、再生信号処理手段2314と、アドレス情報/ディスク管理情報処理手段2315とを備える。変換手段2330は、半導体レーザー2302と、コリメートレンズ2303と、ビームスプリッタ2304と、収束手段2305と、集光レンズ2306と、光検出手段2307と、アクチュエータ2311とを備え、光ビームを光ディスク媒体2301に照射することにより光ディスク媒体2301に記録された主情報および副情報を読み出して再生信号に変換する。
図23Aおよび図23Bを参照して、半導体レーザー2302から出射された光ビームは、コリメートレンズ2303、ビームスプリッタ2304および収束手段2305を通って、光ディスク媒体2301上の情報面に集光される。集光された光スポットは光ディスク媒体2301上で反射回折され、収束手段2305、ビームスプリッタ2304および集光レンズ2306を通って、光検出手段2307に集光される。光検出手段2307が備える各受光素子A、B、CおよびDは光量に応じた電圧信号を再生信号2320として出力する(S100)。
再生信号演算手段2308は再生信号2320を四則演算する。再生信号演算手段2308から出力されるFE(フォーカスエラー)信号2321は、フォーカス制御手段2309に送信される。再生信号演算手段2308から出力されるTE(トラッキングエラー)信号2322はトラッキング制御手段2310に送信される。再生信号演算手段2308から出力されるRF(無線周波数)信号2323は副情報検出手段2312および再生信号処理手段2314に送られる(S200)。フォーカス位置制御手段2309はFE信号2321に応じた電圧出力によってアクチュエータ2311を駆動し、光ディスク媒体2301の情報面上の光スポットを焦点位置制御する。トラッキング位置制御手段2310はTE信号2322に応じた電圧出力によって、アクチュエータ2311を駆動し、光ディスク媒体2301の2つの情報面上の所望のトラック位置に光スポットをトラッキング位置制御する。フォーカス位置制御およびトラッキング位置制御された光スポットによって、光ディスク媒体2301上の凹凸のプリピットあるいは、相変化光ディスク媒体の反射率の異なる濃淡のマークとスペースとを読み出すことによって、光ディスク媒体2301上に記録された情報を読み出す。TE信号2322は、プシュプル方式の場合、4分割された光検出手段2307のトラック方向の1組の受光素子A、B、CおよびDの受光量の差の出力である。ここでは(A+D)−(B+C)である。RF信号2323は4分割された光検出手段2307上の受光素子A、B、CおよびDの受光量の和の出力であり、ここでは(A+B+C+D)である。FE信号2321は、非点収差方式の場合、(A+C)−(B+D)である。
次に、副情報再生の手順について説明する。再生信号演算手段2308によって生成されたTE信号2322およびRF信号2323は副情報検出手段2312に出力され、副情報の解読に用いられる。副情報検出手段2312で検出された副情報は、副情報信号3420としてアドレス情報/ディスク管理情報処理手段2315およびレーザ駆動手段2313に出力される。
図34に示すように副情報検出手段2312は、基準クロック信号生成部3410と、2値化パルス信号生成部3411と、ブロックマーク信号検出部である第3BPF(バンドパスフィルター)3403と、副情報生成部3412と、を備える。
基準クロック信号生成部3410は、第1BPF3401と、同期検波部3404とを備える。2値化パルス信号生成部3411は、第2BPF3402と、比較部3405と、積分器3408とを備える。副情報生成部3412は、多数決判定部3406と、副情
報デコーダー3407とを備える。
第1BPF3401はTE信号2322に変調されているウォブル信号を抽出するようなフィルター定数に設計されており、第1BPF3401はTE信号2322からトラックグルーブのウォブルと同期した正弦波状の波形の基本波成分を含む出力信号3401’を生成する。同期検波部3404は、出力信号3401’を入力し、ディスクから読みだされた信号に同期した基準クロック信号3404’を生成する(S300)。基準クロック信号3404’は副情報信号の同期をとるのに用いられる。
第2BPF3402は、TE信号2322に変調された鋸波状の急峻なエッジ部を検出する微分フィルターである。第2BPF3402は鋸波状の急峻なエッジの位相(あるいは向き)により、上向きあるいは下向きの微分パルス信号3402’を生成する。微分パルス信号3402’は比較部3405に入力される。比較部3405は、積分器3408を介してフィードバックされた規定のスライス電圧と微分パルス信号3402’とを比較し、微分パルス信号3402’の上向きおよび下向きの2状態を“0”および“1”とした2値化パルス信号3405’を生成する(S400)。2値化パルス信号3405’は多数決判定部3406に出力される。
第3BPF3403はRF信号2323をフィルター処理し、ブロックマーク信号3403’を検出して副情報群の先頭部を確定する(S500)。検出されたブロックマーク信号3403’は多数決判定部3406へ出力され、多数決判定部3406でタイミング同期に用いられる。
多数決判定部3406は、基準クロック信号3404’とブロックマーク信号3403’とから生成した同期信号を基準にして、特定の時間間隔内の2値化パルス信号3405’の“0”と“1”との数を比較し、特定の時間間隔内で多数となるパルスを2値化データ信号3406’として副情報デコーダー3407へ出力する。副情報デコーダー3407はエラー検査符号により、2値化データ信号3406’に誤りがないかをチェックし、エラーのない場合は副情報信号3420(例えばアドレス情報)として出力する(S600)。
以上のような手順により光ディスク媒体上に記録された副情報信号3420が再生される。光ディスク装置2300は、再生された副情報信号3420が含むアドレス情報から、現在トラックグルーブ中のどのブロックの情報を再生しているのかを判別することができる。また、光ディスク媒体2301に主情報を記録する場合、記録したいブロックの1つ手前のブロックのアドレスを判別し、記録したいブロックが次のブロックであることを予測することにより、記録したいブロックの先頭から主情報を記録することが出来る。
(実施の形態15)
本発明の実施の形態15における光ディスク媒体のリードイン領域およびリードアウト領域について説明する。
まず、図30に示す従来の光ディスク媒体のリードイン領域およびリードアウト領域について説明する。光ディスク媒体3001は、内周部に設けられたリードイン領域3003と、外周部に設けられたリードアウト領域3005と、リードイン領域3003とリードアウト領域3005との間に設けられた記録再生領域3004とを含む。リードイン領域3003の一部分3007を拡大して示すようにリードイン領域3003には予め凹凸のピット3006が形成されており、凹凸のプリピットの反射率差を読み取ることで“0”または“1”の情報が読み出される。リードイン領域3003にはディスク管理情報が予め記録されており、例えば、ディスクの再生パワー、サーボ情報、最適な記録パワー等
の情報などが記録されている。また記録再生領域3004は予めトラックグルーブ3002が形成されており、トラックグルーブ3002に沿ったトラッキング制御により、トラックグルーブ3002上に書き換え可能なデータを記録あるいは記録されたデータを消去する。
従来の光ディスク媒体3001において、内周部のリードイン領域3003および外周部のリードアウト領域3005と記録再生領域3004とでは、ディスク上に予め形成されたピット3006の形状とトラックグルーブ3002の形状とが異なる。このため、トラッキング方式としては、リードイン領域3003およびリードアウト領域3005では位相差方式のトラッキング(DPD方式)、記録再生領域3004ではトラックグルーブ3002からの回折を利用したプシュプル方式のトラッキングと2種類のトラッキング方式を切り替える必要があった。
本発明の実施の形態15では、外周部のリードイン領域およびリードアウト領域と記録再生領域との間のトラッキング方式が統一された光ディスク媒体が提供され、トラッキング動作を簡略化することが可能である。
以下本発明の実施の形態15の光ディスク媒体について説明する。
図24に本実施の形態の光ディスク媒体2400を示す。光ディスク媒体2400は、リードイン領域2401と、記録再生領域2402と、リードアウト領域2403とを含む。リードイン領域2401およびリードアウト領域2403には、ディスク管理情報が予め記録される。リードイン領域2401およびリードアウト領域2403はさらに試し記録のための領域等のユーザーデータを記録する以外の領域を含み得る。図24において、リードイン領域2401はディスクの中心から半径22.59mm〜24.02mmの範囲に設けられ得る。リードイン領域2401内は、ディスク管理情報を予め記録したディスク管理領域(半径22.59mm〜24.000mmの範囲)を含み、光ディスク媒体あるいはドライブの試し記録のための書き換え可能領域とを含み得る。ここでディスク管理領域は、原則書き換え禁止領域である。本発明の実施の形態では、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403はディスク管理領域を意味するとして説明する。
図36を参照して、図24に示した光ディスク媒体2400の記録面にスパイラル状に形成されたトラックグルーブ3631について説明する。ここで、トラックグルーブ3631は、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403に形成されるトラックグルーブを示している。トラックグルーブ3631は図36に示されるように所定形状のウォブル(蛇行)3626、3627および3628が周期的に設けられ、ウォブル3626、3627および3628はその形状が互いに異なるように形成されており、一義的に記述される副情報、(“0”、“1”、“S”若しくは“B”)を示す。具体的には図36に示されるように、ウォブル3626、3627および3628は一周期あたり、その立ち上がり変位と立ち下がり変位とが異なるように鋸波状および正弦波状に形成されている。ウォブル3626、3627および3628を組み合わせて示される副情報の並びによりディスク管理情報が示される。
この立ち上がり変位と立ち下がり変位の傾斜の差は差動プッシュプル検出で再生した信号から容易に検出することができる。即ち走査レーザービームをトラックグルーブ3631に照射し、トラック垂直方向(ラジアル方向)に分割された受光素子の差動信号(プッシュプル信号)を生成すれば、副情報の“0”か“1”によって立ち上がり、立ち下がりの傾斜の異なる信号が得られる。この傾斜の差は、例えば、上記信号を微分することによって容易に識別できる。従って、この微分値の大小から副情報を検出できることになる。上記副情報は、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403領域では、記録
再生領域2402のディスク管理情報として用いられる。
図36において、ブロックマーク3630を含むフレーム3620は9個のウォブル3628があらかじめ形成され、副情報“B”を示す。またブロックマーク3630に続く52個のフレーム3621には1フレームあたり36個のウォブルあらかじめ形成され、副情報“0”および”1”を示す。ウォブル3626、3627および3628の形成されている物理的な周波数は、CLV方式の本実施の形態の光ディスク媒体2400の場合、内周トラックから外周トラックまでfbと一定である。
次にリードイン領域2401およびリードアウト領域2403と記録再生領域2402との比較を図25Aおよび図25Bを参照して説明する。
図25Aは、記録再生領域2402のトラックグルーブ2502を示す。ブロックマーク2520を含むフレーム2510は9個の正弦波状のウォブルがあらかじめ形成され、副情報“B”を示す。またブロックマーク2520に続く52個のフレーム2511には1フレームあたり36個の鋸波状のウォブルが予め形成され、副情報“0” および“1”を示す。ウォブル2526、2527および2528の物理的な周波数は、CLV方式のディスクである本実施の形態の光ディスク媒体2400の場合、内周トラックから外周トラックまでfa(1ウォブル124チャネルビット)と一定である。また、ウォブルの振量は22.5nmppで一定である。
記録再生領域2402には、記録マークを変調させる形で記録する。ここでは、最短マーク2Tのラン長制限されたD46変調の信号をトラックグルーブ上に記録する。このときのチャネルビット長は0.0771μmである。記録再生時に使用するレーザー波長は中心値405nm(+10nm、−5nm)、NA=0.85±0.01である。
図25Bにリードイン領域2401およびリードアウト領域2403のトラックグルーブ3631を示す。詳細は図36を参照して説明した通りである。但し、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403のウォブルの物理的な周波数fbは記録再生領域2402のウォブルの周波数faに比べて10倍高い周波数で形成されている。ウォブルの周波数を高く設定することで、単位面積当たりに含まれる情報量を増やすことが可能である。
さらにリードイン領域2401およびリードアウト領域2403領域では複数のウォブルが1ビットの副情報を示す。記録再生領域2402とリードイン領域2401およびリードアウト領域2403とで副情報の最小単位となる1ビットを示すウォブル数が異なり得る。記録再生領域2402に比べて、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403の1ビットを示すウォブル数を減らすことで、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403の少ない面積中に効率よくディスク管理情報を示すウォブルを形成することが可能となる。
以上のように、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403は所定形状のウォブルが周期的に設けられたトラックグルーブ3631を含み、トラックグルーブのウォブル形状がディスク管理情報を示す。記録再生領域2402が含むトラックグルーブ2502にもウォブルが周期的に設けられているので、トラッキング方式をディスク一面にわたって統一することが可能であり光ディスク装置を簡略にすることが可能である。またリードイン領域2401およびリードアウト領域2403のウォブル周波数を記録再生領域2402のウォブルの周波数の10倍にすることと、1ウォブルが1ビットの副情報を示すことで、単位面積あたりに記録される情報量が増大し、内周部あるいは外周部の限られた領域のリードイン領域2401あるいはリードアウト領域2403領域にディスク管
理情報を示すウォブルを効率良く形成することが可能となる。
本実施の形態で、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403のウォブルの周波数を記録再生領域2402の10倍にするとしたが、この数値に限定されるものではない。
また、本実施の形態で、所定形状のウォブルとして鋸波上に形成されたウォブルを例に説明したが、ウォブルの形状としては鋸波状のウォブルに限定されるものではない。
また、1ウォブルが1ビットの情報を示すこととしたが、複数のウォブルが1ビットの情報を示しても構わない。
あるいは、図26Aおよび図26Bに示すように、図26Aの記録再生領域2402のウォブルの周波数faに比べ図26Bのリードイン領域2401およびリードアウト領域2403のウォブルの周波数fbを低くすることで、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403のウォブルの検出S/Nを向上させることも可能である。こうすることで、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403内のディスク管理情報の信頼性を向上させることが可能である。
また、本実施の形態においてリードイン領域2401およびリードアウト領域2403の同一の周波数のウォブルを含み、ウォブルの周波数が記録再生領域2402とは異なるとして説明した。ただし、ディスク管理情報が内周部のリードイン領域2401のみに記録されている場合は、リードイン領域2401のみのウォブルの周波数を記録再生領域2402と異ならせることとしてもよい。
また、本実施の形態においてリードイン領域2401とリードアウト領域2403が両方が光ディスク媒体に設けられると説明したが、リードイン領域2401のみあるいはリードアウト領域2403のみが設けられてもよい。
(実施の形態16)
図27Aおよび図27Bに本発明の実施の形態16における光ディスク媒体のトラックグルーブ2502および2731を示す。
図27Aに示すトラックグルーブ2502は図24に示した光ディスク媒体2400の記録再生領域2402に対応し、詳細は図25Aを参照して説明した通りである。トラックグルーブ2731はリードイン領域2401およびリードアウト領域2403に対応する。
ブロックマーク2520を含むフレーム2510は9個の正弦波状のウォブルがあらかじめ形成され、副情報“B”を示す。またブロックマーク2520に続く52個のフレーム2511には1フレームあたり36個の鋸波状のウォブルが予め形成され、副情報“0” および”1”を示す。ウォブル2526、2527および2528の物理的な周波数は、CLV方式のディスクである光ディスク媒体2400の場合、内周トラックから外周トラックまでfa(1ウォブル124チャネルビット)と一定である。ウォブルの振量をあらわすウォブル振幅はCaと一定である。
図27Bに示すトラックグルーブ2731が図25Bに示すトラックグルーブ3631と異なる点は、ウォブルの振量をあらわすウォブル振幅はCbでありCb>Caと記録再生領域のウォブル振幅に比べ大きくなっている。
再生時のウォブル信号振幅はウォブル振量に比例して大きくなるため、前述のように、リードイン領域24101およびリードアウト領域2403のウォブル振幅を記録再生領域2402のウォブル振幅よりも大きくすることで、再生時のウォブルの検出S/Nを向上させ、ディスク管理情報の読み取り信頼性を向上させることが可能である。
また、本実施の形態においてリードイン領域2401とリードアウト領域2403が両方が光ディスク媒体に設けられると説明したが、リードイン領域2401のみあるいはリードアウト領域2403のみが設けられてもよい。
(実施の形態17)
図28Aおよび図28Bに本発明の実施の形態17における光ディスク媒体のトラックグルーブ2802および2831を示す。
図28Aにおいてウォブル2826は、CLV方式で形成されており、ウォブルの物理的周波数は、内周トラックから外周トラックまで一定である。そのため隣接するトラック間のウォブル2826の位相差は、トラック位置ごとおよび半径位置ごとに異なっている。再生時には、隣接トラックとの干渉の影響が位相差の違いにより顕著になり、再生信号で検出されるウォブル振幅は上記位相差によって周期的に変化する。周期的に変化する再生時のウォブル信号振幅が最小となるウォブルではS/Nが低下することとなる。
図28Bに示すトラックグルーブ2831が図25Bに示すトラックグルーブ2502および3631と異なる点は、CAV方式でウォブル2827が形成されており、隣接トラック間のウォブル2827の位相差は常にπ/2となっていることである。
このように、記録再生領域2402、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403のウォブルをCAV方式で形成することで、再生時のウォブル信号振幅が一定となりウォブルの検出の信頼性を高めることが可能である。
また、ウォブルの位相差をπ/2としたが、通常立ち上がり時の位相0の位置と立ち下り時の位相πの位置にウォブルの変化点(急峻なエッジ)が形成されている。そこで、π/2×(2n+1)の数値にして(nは整数)、隣接トラックのウォブルの変化点をπ/2、3×π/2の位置にすることにより、隣接トラックからのクロストークの影響を低減させる効果がある。また、このような数値に限らずその他の一定値の位相差にしても構わない。
また、CAV方式の変わりに例えばDVD−RAMで行われているようなZCLV方式で記録再生領域2402、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403を形成してもよい。
また、記録再生領域2402のウォブルをCLV方式で形成せずに、CAV方式またはZCLV方式で形成することにより、記録再生領域2402から再生されるアドレス情報の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態においてリードイン領域2401とリードアウト領域2403が両方が光ディスク媒体に設けられると説明したが、リードイン領域2401のみあるいはリードアウト領域2403のみが設けられてもよい。
(実施の形態18)
図29Aおよび図29Bに本発明の実施の形態18における光ディスク媒体のトラックグルーブ2902および2931を示す。
図29Aに示すトラックグルーブ2902は図24に示した光ディスク媒体2400の記録再生領域2402に対応し、詳細は図25Aを参照して説明した通りである。トラックグルーブ2931はリードイン領域2401およびリードアウト領域2403に対応する。
図29Aに示すトラックグルーブ2902のトラックピッチ(すなわちトラック間隔)はTPaである。なお主情報の記録方式はトラックグルーブ内に記録するグルーブ記録方式である。
図29Bに示すトラックグルーブ2931が図25Bに示すトラックグルーブ3631と異なる点は、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403のトラックピッチをTPbしたときに、TPb>TPaと記録再生領域2402のトラックピッチに比べ大きくなっている。例えばグルーブ記録方式でTPa=0.32μm(案内溝と案内溝の間隔)の光ディスク媒体を、光学定数として波長405nmおよびNA=0.85で生成される光スポットを用いて再生した場合、プシュプル方式で得られるトラッキングエラー信号の振幅は非常に小さい。トラックピッチを広げるとそれに応じてトラッキングエラー信号の振幅が大きくなる。ウォブルの振量が一定の場合、再生時のウォブル信号振幅は基本的にトラッキングエラー信号の振幅に比例して大きくなるため、トラックピッチを広げることで、再生時のウォブル信号振幅が大きくなる。
このように、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403のトラックピッチTPbを記録再生領域2402のトラックピッチTPaよりも広くすることで、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403のウォブルの検出S/Nを向上させることが可能である。
また、TPb<TPaとすることで、リードイン領域およびリードアウト領域の内周部および外周部の限られた領域内にディスク管理情報を効率良く記録することが可能となる。
また、本実施の形態15〜18において、リードイン領域とリードアウト領域のウォブル周波数、ウォブル振幅、隣接トラックとの位相差、トラックピッチ等を記録再生領域と異ならすことを特徴としたが、これらのいくつかを組み合わせたリードイン領域およびリードアウト領域の構成にしても構わないことはいうまでもない。
また、リードイン領域およびリードアウト領域のディスク管理領域のトラック上に濃淡の記録マークを形成しない。これによりディスク管理領域の再生信号のS/Nを上げることが可能となりディスク管理領域の読み取り信頼性を向上させる効果がある。
また、本実施の形態においてリードイン領域2401とリードアウト領域2403が両方が光ディスク媒体に設けられると説明したが、リードイン領域2401のみあるいはリードアウト領域2403のみが設けられてもよい。
(実施の形態19)
図35に本発明の実施の形態19における光ディスク媒体のトラックグルーブ3531を示す。
トラックグルーブ3531は図24に示した光ディスク媒体2400のリードイン領域2401およびリードアウト領域2403に対応する。
図35に示すトラックグルーブ3531が図25Bに示すトラックグルーブ3631と異なる点は、リードイン領域2401およびリードアウト領域2403(すなわちトラックグルーブ3531)上に、追記する形で単一周波数の記録マークが記録されている点である。例えば記録チャネルビット長が0.0771μmの記録マークを記録する場合、8Tの記録マークとスペースの繰り返し信号をディスク管理領域を形成するトラックグルーブ3531に追記する形で記録する。これにより、プシュプル方式のトラッキング手段をもたない再生装置(DPD方式のトラッキング)で再生することが可能となり、装置間の互換性が向上する効果がある。
また、本実施の形態においてリードイン領域2401とリードアウト領域2403が両方が光ディスク媒体に設けられると説明したが、リードイン領域2401のみあるいはリードアウト領域2403のみが設けられてもよい。
(実施の形態20)
図31に本発明の実施の形態20における光ディスク媒体のトラックグルーブ3101を示す。
実施の形態1では、ブロックマーク210はトラックグルーブ102を寸断して設けたが、本実施の形態ではトラックグルーブ3101のウォブル3126の位相を局所的に反転したブロックマーク3104を形成する。このようなブロックマーク3104ならばトラックグルーブ3101が寸断されることがないので、ブロックマーク上にも情報を記録することができる。結果的にオーバーヘッドを低減することができる。
(実施の形態21)
図32に本発明の実施の形態21における光ディスク媒体のトラックグルーブ3201を示す。
実施の形態1では、ブロックマーク210はトラックグルーブ102を寸断して設けたが、本実施の形態では、トラックグルーブ3201のウォブル3226の位相を局所的に反転したブロックマーク3204aおよび3204bを複数形成する。このようなブロックマーク3204aおよび3204bならばトラックグルーブ3201が寸断されることがなく、かつウォブル3226の位相の連続性がブロックマーク3204aと3204bで挟まれた区間以外で保持されるので、ウォブルのクロックの位相が概略変わることなく、PLLの位相ずれを発生させることなく再生動作が可能である。またブロックマーク3204aおよび3204b上にも主情報を記録することができ、結果的にオーバーヘッドを低減することができる。
(実施の形態22)
図33に本発明の実施の形態22における光ディスク媒体のトラックグルーブ3301を示す。
実施の形態1では、ブロックマーク210はトラックグルーブ102を寸断して設けたが、本実施の形態では、ウォブル26に対し周波数を局所的に高くしたウォブル3326でブロックマーク3304を形成する。このようなブロックマーク3304ならばトラックグルーブ3301が寸断されることがないので、ブロックマーク3304上にも主情報を記録することができる。結果的にオーバーヘッドを低減することができる。
また、実施の形態1、4、5、7〜12、15、16および19〜22においてブロックマークが形成されたトラックグルーブを開示したが、ブロックマークを形成されないフォーマットでトラックグルーブが光ディスク媒体に設けられてもよい。