JP4304476B2 - 浸漬処理用基板保持ユニットおよび浸漬処理用基板保持治具 - Google Patents
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Description
基板を処理液で処理する方法は以下の2つに大別できる。
その1は、複数枚の基板を弗素樹脂またはポリプロピレン等の合成樹脂製の基板ホルダ(カセットまたはキャリアともいう)のスリット部に挿入し、基板ホルダと一緒に基板を処理液に浸漬して基板を処理する方法であり、バッチ処理になる。この方法の場合には、スリット内の基板は固定されていないので、処理液に浸漬する際や処理液から取り出す際、更には、処理液を撹拌したり、処理液中で基板を揺動させたりする際等に、基板が移動して面の向きが変わり、基板に無理な力が作用して基板にクラックを生じさせたり基板を割ってしまったりすることがある。特に、薄い基板の場合には、この問題は顕著となる。この問題に対応するものとして、基板の2箇所をV字形溝で1箇所をY字形溝で支持して基板の揺れや傾きを抑えている基板保持具が、特許文献1等に開示されている。しかし、この基板保持具の場合においても、基板は基板保持具にしっかりと保持されてはいないので、液中への浸漬時や液中での揺動・撹拌時には、基板が治具内を移動して向きを変え、基板に無理な力がかかることを避けることはできない。
請求項2の発明は、請求項1に記載の基板保持ユニットを複数個収容する容器部と、容器部を保持するためのハンドルと、を備えている基板保持治具であって、前記容器部には、基板保持ユニットの浮き子収容空間の少なくとも側方下部から処理液を基板保持ユニットの内部に供給するための開口部を有し、この開口部には、前記浮き子が浮き子収容空間外へ出ることを阻止するための浮き子脱出阻止手段を備えている。
請求項2の発明においては、基板をセットして処理液へ浸漬する初期段階で、基板が基板保持部と浮き子とによって保持されていない状態の場合には、処理液が浮き子収容空間の側方下部から基板保持ユニットの内部に供給されるので、供給された処理液は浮き子を上方へ移動させると同時に保持状態になる前の基板を処理液面に対して垂直な状態に立てるように働き基板に無理な力をかけない。処理液から取り出す場合には、側方下部の開口部が確実に処理液を排出させるので、浮き子は下方へ下がって基板は開放される。また、浮き子脱出阻止手段によって、浮き子が常に浮き子収容空間内に留められ、外部に出てしまうことはない。
以下において、この発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明する。
この実施例の基板保持ユニット1は、弗素樹脂またはポリプロピレン等の合成樹脂からなり、基板保持部11と浮き子保持部12と底部13と基板側面支持部(図では側面支持部)14と浮き子16とで構成されている。
基板保持部11は、基板2の背面(図1においては左側の面)の外周部等の一部に接触して基板2を処理液面に垂直な状態に保持する部分であり、この実施例では基板2の外周部で保持するように凹部111が形成されている。この凹部111の形成によって、処理液が背面側にも十分に供給される。
下向き傾斜面122は、処理液に浸漬された時に浮き子16に働く浮力によって浮き子16を基板2へ押し付けるための基板2側への分力を発生させる目的で形成されている。したがって、この傾斜角は必要とする分力の大きさに合わせて決定される。
基板側面支持部14は、基板2の側面を支持して基板2が転がり出ないように基板2の位置を規制する。
この基板保持ユニット1に基板2を図1のように下端を基板保持部11側に寄せてセットし処理液中へ浸漬すると、浮き子収容空間15に収容されている浮き子16が、処理液から浮力を受けて浮き子収容空間15内を上方へ移動し、下向き傾斜面122に到達した後は、下向き傾斜面122に沿って左斜め上方へ移動する。浮き子16が基板2に接触すると、浮き子16は、浮力の基板2側へ向かう分力で基板2を押して基板保持部11へ押し付け、図2に示したように、基板2を基板保持部11とで保持する。このようにして、基板2は、処理液中にある時には、処理液面に対して垂直な状態で基板保持部11と浮き子2に保持され、処理液から出された時には、その保持状態から開放される。
最下部を覆わないようにするのは、基板2を基板保持ユニット1にセットして処理液へ浸漬する初期段階で、基板2が基板保持部11と浮き子16とによって保持されていない状態にある時に、処理液を浮き子収容空間15の側方下部から基板保持ユニット1の内部に供給させて、供給された処理液が浮き子16を上方へ移動させると同時に保持状態になる前の基板2を処理液面に対して垂直な状態に立てるように働くようにし、基板2に無理な力をかけないようにするためであり、処理液からの取り出し時に、処理液が浮き子収容空間15内から容易に排出できるようにするためでもある。
この実施例の基板保持治具100は、4つの基板保持ユニット1を収容する容器部31と、運搬や揺動等の操作のためのハンドル32と、容器部31に収容された4つの基板保持ユニット1とで構成されている。
容器部31は、4つの基板保持ユニット1を収容するための間隔をおいて対向する一対の容器部側板311と、この容器部側板311の下端を連結する底板312と、この容器部側板311の上端の両側を連結する一対の上部枠板313と、収容した基板保持ユニット1の両側の浮き子収容空間の外側にあって浮き子が浮き子収容空間から外部に出ることを阻止する浮き子脱出阻止手段としての複数の浮き子止め棒314と、で構成されている。
上部枠板313の高さ方向の位置は、基板保持ユニット1を容器部31にセットした時に基板保持ユニット1の基板側面支持部が上部枠板313の僅かに上の位置にくるように設定されている。
浮き子止め棒314は、図3の浮き子止め部材17と同様に、処理液の基板保持ユニット1の内部への流入流出をできる限り妨げないようにするため、その面積を必要最小限に止められていて、浮き子収容空間の最下部を覆わないように配慮されている。
この基板保持治具100に基板2を図1と同様にセットして処理液中へ浸漬すると、基板保持ユニットの実施例の場合と同様にして、基板2は、処理液中にある時には、処理液面に対して垂直な状態で基板保持ユニット1の基板保持部と浮き子に保持され、処理液から出された時には、その保持状態から開放される。
なお、この実施例は4つの基板保持ユニット1を収容しているが、基板保持ユニット1の数は4つに限定されるものではない。
11 基板保持部
111 凹部
12 浮き子保持部
121 掘り込み部 122 下向き傾斜面
123 浮き子位置決め側壁
13 底部
131 液排出口
14 基板側面支持部
15 浮き子収容空間
16 浮き子
17 浮き子止め部材
18 ハンドル
2 基板
3 バスケット
31 容器部
311 容器部側板 312 底板
313 上部枠板 314 浮き子止め棒
32 ハンドル
100 浸漬処理用基板保持治具
Claims (2)
- 基板を処理液面に対して垂直に保持して処理液中に浸漬させ洗浄やエッチング等の処理をするための浸漬処理用基板保持ユニットであって、
基板の一方の面の一部に接触して基板を処理液面に対して垂直に保持するための基板保持部と、
基板の他方の面に対向する位置に配置され、基板の両側に対向する位置の下部には基板との間に浮き子を収容する浮き子収容空間を形成するための掘り込み部を形成され、且つその掘り込み部の上面を基板側に向かう下向き傾斜面となされている浮き子保持部と、
この浮き子保持部の下部と前記基板保持部の下部とを連結し、基板の下部を支持し且つ前記浮き子収容空間の下部を形成するための底部と、
基板の側面を支持して基板の位置を規制するための一対の基板側面支持部と、
前記浮き子収容空間に収容されている浮き子と、を備え、
処理液中へ浸漬されると、前記浮き子に働く浮力によって浮き子を浮き子収容空間の上方へ移動させて前記下向き傾斜面に沿って上方および基板側へ移動させ、浮き子が基板に接触すると、浮力の基板側へ向かう分力によって浮き子を基板に押し付けて基板を前記基板保持部へ押し付け、基板を基板保持部と浮き子とで保持し、
処理液外へ出されると、浮き子に働く浮力が無くなって、基板を保持状態から開放する、
ことを特徴とする浸漬処理用基板保持ユニット。 - 請求項1に記載の浸漬処理用基板保持ユニットを複数個収容する容器部と、容器部を保持するためのハンドルと、を備えている浸漬処理用基板保持治具であって、
前記容器部には、浸漬処理用基板保持ユニットの浮き子収容空間の少なくとも側方下部から処理液を浸漬処理用基板保持ユニットの内部に供給するための開口部を有し、
この開口部には、前記浮き子が浮き子収容空間外へ出ることを阻止するための浮き子脱出阻止手段を備えている、
ことを特徴とする浸漬処理用基板保持治具。
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