JP4391496B2 - Dc−dcコンバータ - Google Patents
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Description
V Lleak = n・VQ1/2-Vo2 = n・Vs/2-Vo2 ≒ n・Vs/2-Vo1 ・・・ (1)
となる。よって、立ち上がり時間trは、ダイオードD1を流れる電流をId1とすると
tr = (Lleak ・ID1)/( n・Vs/2-Vo1) ・・・ (2)
で表すことができる。この立ち上がり時間trの間もチョークコイルL1のエネルギーはトランスの1次巻線N1に対して放出され続けるので、2次側に移れなかった分のエネルギーはスイッチQ1に流れ込み、スイッチQ1の電圧を上昇させる。すなわち、スイッチQ1には大きなサージ電圧VQ1が印加されることとなる。このままではスイッチQ1が破損するため、スナバ回路をスイッチQ1と並列に接続してサージ電圧VQ1を吸収して、スナバ電圧Vsに抑えている。このようにDC−DCコンバータには、通常、スイッチ素子にスナバ回路を付加してスナバ電圧Vsがスイッチ素子の耐圧を越えないよう所定の値に制限する必要がある。
図5に、本発明の一実施形態に係るDC−DCコンバータの構成図を示す。トランスの2次巻線N2の各端子と中点とは、スイッチQ3、Q4及びダイオードD3、D4を介してそれぞれ接続されている。ダイオードD3、D4は、トランスの2次巻線に対して互いに逆向きになるように接続されており、スイッチQ3、Q4は、スイッチQ1、Q2のどちらか一方がオフとなると同時に、共にオンになるように、パルス幅制御回路によって制御されている。これによりトランスの2次巻線に生じる誘導電流の向きに応じてスイッチQ3又はQ4を含むどちらか一方の経路によって短絡を行う。このようにしてトランスの2次巻線N2の一方の端子とその中点とを短絡してトランスの漏れインダクタンスに印加される電圧を高めることにより、トランスの2次巻線電流の立ち上がり時間trを短縮することができる。
V Lleak = n・VQ1/2 = n・Vs/2 ・・・ (3)
tr = (Lleak ・ID1)/( n・Vs/2) = (Lleak・II/n)/(n・Vs/2) ・・・ (4)
スイッチQ3、Q4をオンにして短絡すると、その後トランスの2次巻線電流が所定の値まで立ち上がったら速やかにスイッチQ3、Q4をオフにする必要がある。必要以上にスイッチQ3、Q4をオンにして短絡しておくと、本来負荷RLに供給されるべき電力をトランスの2次巻線N2で消費してしまうからである。従って、スイッチQ3、Q4は、トランスの1次側にあるスイッチQ1、Q2のうち一方がオフとなる期間の内の初期の一定期間だけオンにするよう制御される。
図9に、本発明の一実施形態に係るブリッジ型整流回路を有するDC−DCコンバータの構成図を示す。この実施形態2は、実施形態1の整流回路をブリッジ型整流回路COMとし、そのブリッジ型整流回路COMの交流端子にトランスの2次巻線N2を接続する。また、スイッチQ3、Q4を互いのソース端子を接続した2個のMOSFETからなる双方向スイッチとする。このとき、トランスの2次巻線N2の中点への配線は必要なくなる。また、この実施形態におけるパルス幅制御回路は、図示していないが実施形態1において示したパルス幅制御回路と同じものを使用することができる。
図10に、本発明の一実施形態に係るフルブリッジ接続のDC−DCコンバータの構成図を示す。スイッチQ1、Q2とスイッチQ3、Q4をそれぞれ直列に接続し、それらを電源E1とチョークコイルL1とに対して並列に接続する。トランスの1次巻線N1の一端をスイッチQ1とスイッチQ2との間に接続し、他端をスイッチQ3とスイッチQ4との間に接続する。このようにトランスの1次側をプッシュプル接続からフルブリッジ接続とすることも可能である。
図12に、本発明の一実施形態に係る短絡回路にコンデンサを組み込んだDC−DCコンバータの構成図を示す。実施形態4では、実施形態1、2で用いているダイオードD3、D4に替えて、トランスの2次巻線N2の各端子と中点とをスイッチQ3、Q4及びコンデンサC2、C3を介してそれぞれ接続する。トランスの2次巻線N2に対して並列にスイッチQ3、Q4及びコンデンサC2、C3を接続し、コンデンサC2、C3を互いに極性が逆向きになるようにスイッチQ3、Q4にそれぞれ接続している。これによりコンデンサC2、C3は、スイッチQ3、Q4のボディダイオードを通して充電されてスイッチ側が正に帯電し、スイッチQ3又はQ4がオン時にはトランス漏れインダクタンスにコンデンサC2又はC3の電圧が重畳される。このときの漏れインダクタンスLleakにかかる電圧VLleak、トランスの2次巻線電流の立ち上がり時間trは下記のようになる。
V Lleak = n・VQ1/2 + VC2= n・Vs/2 + Vo2 ≒ n・Vs/2 + Vo1 ・・・ (5)
tr = (Lleak ・ID1)/( n・Vs/2 + Vo1) = (Lleak・II/n)/(n・Vs/2 + Vo1) ・・・ (6)
このように実施形態1、2に対してVo1分だけ高い電圧が漏れインダクタンスLleakに印加されるため、立ち上がり時間trは実施形態1、2の場合よりもさらに短くなる。
図13に、実施形態5におけるトランスの2次側の整流回路をブリッジ型としたDC−DCコンバータの構成図を示す。この場合、実施形態2と同様にトランスの2次巻線N2の中点への配線が必要なくなる。
図14に、本発明の一実施形態に係るトランスの2次側の整流回路をスイッチで構成したDC−DCコンバータの構成図を示す。トランスの2次側に4つのスイッチQ3〜Q6を有し、スイッチをそれぞれ2つずつ直列に接続し、それらをトランスの2次巻線N2に対して並列に接続する。図15に、実施形態6におけるスイッチQ1〜Q6の動作のタイミングの関係を示す。実施形態6では、スイッチQ3、Q6とスイッチQ4、Q5とをそれぞれ同じタイミングで制御し、スイッチQ3、Q6とスイッチQ4、Q5とのどちらか一方がオンのとき、他方はオフとなるように制御する。
V Lleak = n・Vs/2 + Vo1 ・・・ (6)
tr = (Lleak ・IQ3)/( n・Vs/2 + Vo1)
= (Lleak ・II/n)/( n・Vs/2 + Vo1) ・・・ (7)
ここで重要なのは、トランスの2次巻線N2に発生した誘導電流の向きが変化していないときにコンデンサC1及び負荷RLに流れる電流の向きを変えることである。
L1 チョークコイル
T1 トランス
N1 トランスの1次巻線
N2 トランスの2次巻線
Q1〜Q6 スイッチ
D1〜D4 ダイオード
C1〜C3 コンデンサ
COM ブリッジ型整流回路
RL 負荷
Lleak 漏れインダクタンス
Co 比較器
De1、2 遅延回路
NA1〜5 NAND回路
OT1〜5 NOT回路
OR1〜3 NOR回路
Claims (5)
- トランスと、直流電源を有するインバータ回路と、前記トランスの2次巻線に接続された整流回路と、前記整流回路の出力に接続された平滑用コンデンサとからなるDC−DCコンバータにおいて、
前記2次巻線端子間に並列に接続されたスイッチ手段とコンデンサからなる直列回路と、
前記2次巻線に誘導電流が流れ始めてから所定の期間、前記スイッチ手段にオン信号を出力するパルス幅制御手段と
を備え、前記コンデンサは前記スイッチ手段がオンになると前記誘導電流の向きに放電することを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 前記直列回路は、第1のスイッチ手段と第1のコンデンサが直列に接続された第1の直列回路と第2のスイッチ手段と第2のコンデンサが直列に接続された第2の直列回路とが、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサが互いに極性が逆向きになるように並列に接続されたことを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
- トランス、直流電源を有するインバータ回路、前記トランスの2次巻線に接続された整流回路及び前記整流回路の出力に接続された平滑用コンデンサを備えたDC−DCコンバータにおいて、
前記2次巻線の一端と該2次巻線の中点端子間に接続された第1のスイッチ手段とコンデンサからなる直列回路と、
前記2次巻線の他端と該2次巻線の中点端子間に接続された第2のスイッチ手段とコンデンサからなる直列回路と、
前記2次巻線に誘導電流が流れ始めてから所定の期間、前記スイッチ手段にオン信号を出力するパルス幅制御手段と
を備え、前記コンデンサは前記スイッチ手段がオンになると前記誘導電流の向きに放電することを特徴とするDC−DCコンバータ。 - トランスと、直流電源を有するインバータ回路と、前記トランスの2次巻線に接続されたブリッジ回路を形成する4つのスイッチからなり、第1及び第3のスイッチが前記2次巻線の一端に接続され、第2及び第4のスイッチが前記2次巻線の他端に接続されたスイッチ手段と、当該スイッチ手段に接続された平滑用コンデンサとからなるDC−DCコンバータにおいて、
前記2次巻線の誘導電流が流れ始めてから所定の期間、前記スイッチ手段の高圧側の一方の前記第1のスイッチと前記平滑コンデンサを介して当該第1のスイッチに接続された低圧側の一方の前記第2のスイッチとにオン信号を出力して他の2つの前記第3及び第4のスイッチをオフにし、前記誘導電流の向きが変わるまでの間に高圧側の他方の当該第3のスイッチと前記平滑コンデンサを介して当該第3のスイッチに接続された低圧側の他方の当該第4のスイッチとにオン信号を出力して当該第1及び第2のスイッチをオフにするパルス幅制御手段と
を備え、前記パルス幅制御手段が、前記2次巻線に発生した誘導電流の向きが変化していない間に前記平滑コンデンサに流れる電流の向きを変えるように前記第1乃至第4のスイッチを制御することにより、前記平滑コンデンサは前記誘導電流の向きに放電することを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 前記パルス幅制御手段は、前記インバータ回路を流れる負荷電流の値に比例して前記オン信号の幅を決めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のDC−DCコンバータ。
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