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JP4381820B2 - 生体組織検査用マイクロ抽出装置 - Google Patents

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Description

本出願は、2002年3月11日に出願の米国特許出願第60/364,214号、2002年7月3日に出願の米国特許出願第60/393,309号、2002年10月25日に出願の米国特許出願第60/421,001号、2002年10月28日に出願の米国特許出願第60/421,510号及び2002年11月21日に出願の米国特許出願第60/427,833号の利益を主張するものであり、これらの優先権を主張し、各文書全ては本文中において参照として一体化されるものである。
本発明は、全体として、動物等の生体組織内の関心のある成分の量を測ったり、識別したりするための装置及び方法に関する。
発明の背景
現在、生動物の体内における化学物質又は薬剤の濃度を検査しようとする場合、検査用の血液又は組織のサンプルを動物の体内から採取し、分析研究所においてそのサンプル中から関心のある化学物質を抽出し、その量を測定する。一般的に、第一段階は、サンプルをより化学物質採取に適した形状に変えるための、サンプルの前処理である。血液の場合においては、血清又は血漿の調整によって、血液細胞及び/又は若干の血液成分を取除くことによりなすことができる。組織サンプルの場合においては、凍結、磨砕、均質化、酵素処理(例えば、プロテアーゼ又はセルラーゼ)又は加水分解を含む多くの方法によりなすことができる。その後、被処理サンプルから関心のある化学物質が抽出され、凝集される。例えば、血清サンプルは、液液抽出、固相抽出又は蛋白質を抽出した後乾燥したり、また注入溶剤内で再構成することができる。一部の注入溶剤は、クロマトグラフィ分離及び定量分析のための分析機器に導入される。この方法は、関心のある化合物に対して高い特異性を有する正確な結果が得られるが、時間と手間がかかる。また、その過程において多くのステップを必要とするため、サンプル調製中に、結果に影響を与えるミスをする可能性が十分ある。この方法は、対象化合物に対し高い感度、選択性及び正確性を有するが、動物の体内に存在する化学物質の化学物質バランスが、サンプリングの間に崩れてしまうという点において限度がある。多くの場合、このようにバランスが崩れることは得られた結果の価値を減らし、場合によっては、この技術は分析に不適当となる。マウスを使った場合によく見られるように、動物の血液量全体に対して高い割合の血液量が採取されると、結果として動物が死亡してしまう。これは、各データポイント及び各繰返しの度に、異なる動物を使用しなければならないことを意味する。この場合における血液の採取の必要性を除去することによって、検査のために必要な動物の数がより少なくなり、また結果中の動物間の偏差を大きく改善することができる。
或いは、動物の体内における化学物質濃度の分析に利用するためのバイオセンサが開発されてきた。この場合、関連付けられたトランスデューサを有する特定の検出部からなる装置が埋め込まれ、電子データロガーにより集められセンサが反応する化学物質と比例する信号を生成する。この種の装置の主な限界は、これらの装置が、特異性を有する単一の化学物質に反応するのではなく、通常、或る範囲の化学物質に反応するということである。センサが反応する範囲の化学物質のなかでも、或る物質ではより反応大きく、また或る他の物質ではより反応が小さい。センサは、また、組織体内に存在する他の化学物質が、対象の化学物質により生じる反応を干渉することの影響を受けやすい。これらの理由により、バイオセンサは通常、正確性及び精度の点において限界がある。最後に、バイオセンサは、上記の従来の分析技術及び固相マイクロ抽出において使用される質量分析計のようなスタンドアロン型検出器ほど、低い化学物質濃度に敏感でない。この技術の長所は、検査用組織体の化学物質バランスが乱れないことである。
ここで説明される生体内での方法は、検査用組織体の一部をその自然環境から採取し、関心のある化合物を抽出し、実験室の環境において分析する従来の「サンプリング」技術から、大きく発展したものである。これらの種の構成を研究した動機は2つある。第一は、通常の生組織体の生化学環境に関連して、化学プロセスを研究したいという願望であり、第二は、生組織体から採取する適当なサンプルの大きさにしばしば関連する、入手の可能性不足又は実行不能性である。このような機器の開発に当たり、マイクロファイバー上に外側がコーティングされた抽出相を利用している、従来のSPME(固相マイクロ抽出)技術の適用性をさらに伸ばした新たな方法が、必然的に目標となるようである。いずれのマイクロ抽出と同様、関心のある組織体から検査用の化合物が余すところなく採取されるわけではないので、化合物全体に対して小さな割合の量だけ採取され、いずれの基質も採取されない状態が作り出され、故に、化学成分の通常のバランスの乱れを防ぐ。これは、非常に小さい組織部位又はサンプルの非破壊的分析において役立つことができる。最後に、抽出した化学物質はクロマトグラフィーにより分離され、非常に鋭敏な分析機器により計量されるため、高い正確性、高感度及び選択性が達成される。
現在市販のSPME装置においては、固定抽出ポリマーが、溶融石英ファイバー上にコーティングされる。コーティングされるファイバー部分は一般的に長さ1cmであり、コーティングの厚さは様々である。ファイバーはステンレス鋼鉄製のサポート管に取付けられており、使いやすいように、注射器状の器具に収納されている。抽出は、抽出ポリマーを一定の時間サンプルに接触させ、サンプル成分が抽出相と平衡状態になるようにすることにより行われる。抽出後、ファイバーは、抽出した成分を脱着し分析する分析機器(通常、ガス又は液体クロマトグラフ)へ挿入される。抽出される成分の量は、サンプル内の成分の濃度に比例している(J. Pawliszyn 米国特許第5691206号 「固相マイクロ抽出及び脱着の方法及び装置」)。
現在まで、生組織体の直接分析に、市販のSPME装置が使用されてきた。例えば、これらはそれぞれ、昆虫(Moneti, G.; Dani, F. R.; Pieraccini, G. T.S. Rapid Commun. Mass Spectrom. 1997,11, 857-862. ), (Frerot, B.; Malosse, C.; Cain, A. H. J. High Resolut. Chromatogr. 1997,20, 340-342. )及び蛙(Smith, B. P.; Zini, C. A.; Pawliszyn, J.; Tyler,M. J.; Hayasaka, Y.;Williams, B.; Caramao, E. B. Chemistry and Ecology 2000,17, 215-225. )による化学的伝達において使用される、空気伝搬フェロモン及び信号化学物質の分析に適用されてきた。これらの場合において、動物周辺の空気中の化学物質濃度を検査することにより、生きている動物に、侵略的でなく長時間モニタでき、複雑な動的プロセスを干渉なく研究する便利な手段を提供した。
しかしながら、現在市販されている装置では、生きている動物体内における生体内分析において限界がある。第一に、動物体内における化学物質分析に使用するには、抽出相及びサポーティング・ファイバーコアの両方が、より頑健性を必要とする。また、現在使用されているほとんどの抽出相は、揮発性が大きく極性の小さい化合物により適している。1つの相のみ、液体クロマトグラフィ(LC)の利用(カーボワックス/型どりされた樹脂)に適している。生組織体内を循環している、関心のある検体は、揮発性がより大きく極性のより小さい化合物であり、LC分析を必要とするため、新しい又は改良された抽出相が必要となる。現在使用されている装置の全体寸法は、直接生体内分析及びマイクロ分析システムへの直接連結には大きすぎ、LC抽出相がサンプル内の化学物質と平衡状態に入るのに必要な時間が比較的長く(よくかきまぜたサンプル内において、通常約1時間又はそれ以上)、また、分析はサンプル内における対流度に影響されやすい。また、現在使用されているSPME装置は、生組織体内において明確に定められた部分の生体内検査に必要な配置装置に適切に連結することができない。
従って、生物組織への侵略を最小限に抑えたサンプリング、生物組織の定量化又は分析を可能にする方法及び装置を提供することが望ましい。
発明の概要
本発明の目的は、生体組織内において関心のある成分を検査するための、従来の装置及び方法の欠点の少なくとも1つを除去又は軽減することである。
本発明はさらに、動物の体内又は動物の細胞組織から成分を採取するための固相マイクロ抽出サンプリング装置であって、
前記成分を抽出するためのポリマー抽出相で少なくとも部分的にコーティングされた端を有する少なくとも1つのファイバーと、
前記コーティングされた端を、動物又は動物の細胞組織内の血管内の任意の位置に導くための配置装置とを有し、
前記配置装置が、血管内に配置されるカテーテルであって、血管内に位置決めされる開口端を有し、サンプリングの間血管に対し固定され、前記ファイバーがこれを通って延びるカテーテルと、
前記コーティングされた端を血管内外に動かすことができるように、前記カテーテルに対し可動的となっている、前記ファイバーのコーティングされた端の反対側に取付けられるファイバー保持域とを有し、
前記ファイバーは柔軟なワイヤであり、
前記抽出層は、サンプリングの前に検量体が付加されている、
固相マイクロ抽出サンプリング装置を提供する。
また、本発明は、マルチウェルプレート(multiwall plate)の複数の穴に入っている液体サンプルから1つ又は複数の対象成分を測定又は識別する固相マイクロ抽出装置であって、
前記液体サンプルから前記対象成分を吸着するためのポリマー抽出相で少なくとも部分的にコーティングされた先端をそれぞれ有する複数の非多孔性ファイバーと、
前記マルチウェルプレートの前記複数の穴内の液面下に前記ファイバーのコーティングされた先端を導き、前記穴から前記非多孔性ファイバーを引出すための配置装置とを有し、
前記配置装置が、前記各複数の非多孔性ファイバーをそれぞれ前記マルチウェルプレートの対応する穴内に導入するための導入プレートであって、前記非多孔性ファイバーがその内部に後退可能に取付けられている導入プレートと、
前記各非多孔性ファイバーのコーティングされた先端を前記マルチウェルプレートの穴内の液面下に沈めるように前記導入プレートを動かし、前記非多孔性ファイバーを前記穴から引出し、前記非多孔性ファイバーを脱着溶剤を有するマルチウェルプレート又は分析機器内に位置決めするためのガイドとを有する、
固相マイクロ抽出装置を提供する。
本発明の他の側面及び特徴は、当業者であれば、添付の図面とともに、本発明の具体的な実施形態の以下の説明を参照すれば明らかになるであろう。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて以下に説明する。
本発明は、配置装置と選択的に組み合わせられる、コーティングされたファイバーに基づくマイクロ抽出装置、すなわち、特に、動物の体内又は動物の体の一部分内の関心のある化合物の生体内研究(識別及び濃度)に有用である分離技術及び検出技術に関する。
動物の体内又は動物組織内の1つ又は複数の関心のある成分を測定又は識別する方法は、動物の体内又は組織内にファイバーを配置するステップからなり、このときファイバーは、動物又は組織内の関心のある成分を吸収するため、少なくとも部分的に抽出相でコーティングされている。抽出相は、前記動物の体内又は組織内に配置されており、故に、関心のある成分は、所定の時間、抽出相に吸収される。これに続いて、ファイバーは動物の体内又は組織から取出され、関心のある成分は、測定又は識別のため、抽出相から分析機器へ脱着される。本発明の装置は、長時間にわたる生体組織内の検体レベルの観察を、少量の血液又は全く血液を使わず、或いは組織から採取した少量の体液だけを使用して遂行できることが望ましい、薬物動態学研究において使用することができる。通常であれば、薬物動態学研究のために、血液サンプルを定期的に採取する場合において、本発明は対象物から血液量を採取することなく、同様の観察を可能にする。
抽出相は特に、1つ又は複数の関心のある成分を吸収することができ、好ましくは、ファイバーの終端(又は末端)に配置される。
動物の体内又は動物組織内にファイバーを配置する時間は、関心のある成分の検出可能な量の吸収が可能であるという条件を満たす時間であれば、任意である。例えば、この時間は関心のある成分の平衡時間と同等であってもよく、或いは、関心のある成分の平衡時間より少なくてもよい。
関心のある成分は、如何なる望ましい成分であってもよい。例えば、これはバクテリア、ウイルス、亜細胞性の成分、生体高分子、DNA、蛋白質、薬品、薬代謝物、ホルモン、ビタミン、環境汚染物質、化学薬品又は細胞であってよい。検出可能な如何なる成分も選択することができる。
検査する動物又は動物組織は、単細胞動物、生きている卵、マウス、ネズミ、ウサギ、犬、羊、豚、猿、人間からなるグループから選択することができる。以下本文中で説明するとおり、本発明の実施形態はサンプルのみを必要としており、必ずしも動物の体内又は動物組織内において行われるというわけではない。例えば、動物組織は分離した細胞又は器官であってよい。
ファイバーは血管内に配置することができ、この実施形態は前記血管中を流れる血液から吸収される関心のある成分の分析を可能にする。前記ファイバーを配置するステップは、選択的に、カテーテルを使用してファイバーを血管中の適所に導くことを含む。ファイバーを配置することができる動物体内の他部分は、第一に前記動物の筋肉、脳、軟部組織又は器官であり、ここにおいては関心のある成分は間質液又は細胞内液から吸収され、第二に脊柱、頭蓋骨又は骨格の内側部分であり、ここにおいては関心のある成分は骨、髄液を含む内液、骨髄又は脳漿から吸収され、第三に動物の細胞であり、ここにおいて吸収された成分は、動物の単細胞の細胞内液又は亜細胞要素から抽出される。当然のことながら、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
配置をする間、ファイバーはシールされた挿入端を有するハウジング内に配置されていてもよい。この場合、本発明の装置を用いて行う抽出方法は、動物の体内において一旦ファイバーが望ましく配置されると、挿入端を開き、前記動物体内において抽出相を曝すステップを含んでもよい。
或いは、ファイバーは前記位置決めの間不活性とし、続いて、前記関心のある成分の吸収を可能にするために電位を変化させたり光学的手段を利用して抽出相を活性化してもよい。この例は、ファイバーが特定の成分を引きつけるように活性化される金属から作られている場合に可能である。ファイバーの電気活性化のその他の可能性は、本発明の範囲内である。
本発明は1つのファイバー、又は列又は束にされている複数のファイバーを使用することができる。ここで使用しているように、文章中、「ファイバー」を単数として説明した場合においても、1つ又は複数のファイバーや、又はファイバーの束の使用は排除しない。複数のファイバーが使用された場合、これらのファイバーは動物の体内において単一の位置に配置されてもよいし、同時に多数の位置から記録を得るために、前記動物体内において1箇所以上の位置に配置してもよい。ファイバーは、光学繊維の束のような、1つ又は複数の光学繊維であってよい。
本発明の1つの実施形態において、抽出相はさらに、吸着工程中に抽出相において保持される強結合検量体からなってもよい。或いは、対流状態及び拡散係数による吸収ステップの間、抽出相から放出される、弱結合検量体を使用することができる。所定の時間後残留している、弱結合検量体の量を観測することができる。これは、所望の化合物を動物の体内又は動物組織に送るのにも使用することができる。
もう1つの実施形態においては、抽出の前に、強結合試薬を抽出相に加えてもよい。この試薬は、関心のある成分に反応する強結合試薬であってよい。このような強結合試薬の例は、関心のある成分を蛍光標識で分類するものである。他の例としては、酵素のような試薬があげられ、この場合、関心のある成分はこの酵素の基質であってもよい。このような酵素は、例えば、トリプシン又はトリプシン共同因子のような、ファイバー上に直接蛋白質を蒸解するものであってもよい。さらに試薬は、吸着工程後、抽出相に加えてもよく、この場合、その後、試薬は関心のある成分と反応する。
試薬を抽出相上へ吹き付けるか又は浸漬することによって、試薬を抽出相に加えることができる。
本発明の装置を用いて行う方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が抽出相上で直接行われるものである。このような実施形態では、関心のある成分はDNA又はDNAフラグメントであり、ファイバーは、或る周期で、交互に冷却・加熱され、試薬はポリメラーゼ及び核酸からなり、この方法によって、抽出相上におけるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を生じる。
試薬は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)において使用されるイオン化マトリックスからなることができる。抽出相のMALDI分析は、このような測定又は化合物識別の方法に修正可能な、本発明の任意の実施形態に行うことができる。飛行時間型質量分析計(TOFMS)又はイオン移動度分析計等、任意の数の分析機器を本発明で使用することができる。抽出相から関心のある成分を脱着した後、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、キャピラリ電気泳動機器、キャピラリ通電クロマトグラフィ機器及びマイクロフルイディック装置等の分析機器内において、成分の測定又は識別が行われる。
本発明は、吸着工程の後、ファイバーを分析機器内へ配置するステップを含んでもよい。これは、例えば、関心のある成分を抽出相から分析機器へ脱着するための、ファイバーのレーザー照射を含む。このような場合、抽出相にコーティングされていない範囲においてファイバーに照射し、成分を脱着する。
本発明は、脱着工程の前にファイバーを直接質量分析計に導入することができる。ファイバーは、ナノスプレー針内の小溶剤体積中への挿入することにより、質量分析計に導入することができ、後に、脱着工程及び脱着された関心のある成分のエレクトロ・スプレーの工程が続く。
動物の体内又は組織からファイバーを取出した後、ファイバーは高圧に曝されるため、関心のある成分の抽出相から質量分析計への直接的なフィールド脱着が生じる。
分析機器の分離キャピラリ又はチャンネルにおいて、直接、関心のある成分を抽出相から分離することができる。脱着工程は、脱着溶剤が入った小孔カートリッジ内において行われ、その後分析機器内において関心のある成分の自動化された測定又は識別が行われる。このような場合において、ファイバーは、動物の体内又は組織からファイバーを取出す工程の直後、小孔カートリッジ内に配置され、このカートリッジは直ちに分析することもできるが、自動化した測定又は識別の前に、シールして輸送したり保管しておくことが可能である。
本発明はまた、動物の体内又は動物組織から1つ又は複数の関心のある成分を吸着する装置にも関する。前記装置は、少なくとも部分的にコーティングされた端を有する、1つ又は複数のファイバーからなる。前記端は、1つ又は複数の関心のある成分を吸着するために、少なくとも部分的に抽出相でコーティングされている。前記装置はまた、少なくとも部分的にコーティングされたファイバーの端を動物の体内又は動物組織内の適所へ導くための配置装置からなる。
ファイバーの直径は、選択的にミリメートルからナノメートルの長さとすることができ、ファイバーは任意の適切な原料で作ることができ、利用しようとするものにあわせて変更可能である。このような原料には、溶融石英、プラスチック、カーボン又は金属ワイヤ等が含まれる。ファイバーは溶融石英で作られる複数の光学繊維であってもよい。
ファイバーは、選択的に管の内面が抽出相でコーティングされた、中空の管であってもよい。この例においては、管からサンプルを吸引したり排出したりすることが可能なポンプと組み合わせることができる。ポンプは、管とともに使用する上で適当な任意の周知のものであってよい。或いは、ファイバーは、管の外面上が抽出相でコーティングされた中空の管であってもよい。この場合、管は1つの端においてシールすることができ、また、この管に連通し、ガス又は液体等の流体を管内へ送るポンプを有する。これにより管は必要に応じて拡大することが可能となり、必要に応じて抽出相の表面積を増やすことができる。
本発明の装置はまた、ファイバーの周りを覆い、ファイバーを保護し、容易な取扱いを可能にするシースを有する。
抽出相は、必要に応じて、生体適合性があると都合がよい。ファイバーはまた、選択的に、少なくとも部分的に、抽出相を囲むことができる生体適合性保護層でコーティングされていてもよい。このような生体適合性保護層は、ポリピロール又は誘導セルロース、又は保護を提供するこの種の任意のポリマーであってもよい。
抽出相自体は、関心のある成分と結合可能な任意の構成物質で構成することができる。これは、例えば、置換又は非置換のポリ(ジメチルシロキサン)、ポリアクリレート、ポリ(エチレングリコール)又はポリピロール等の重合体構成要素であってもよい。或いは、抽出相はその表面に、選択的キャビティ、分子認識部位、分子インプリントポリマー、又は固定化抗体等の生体親和性を有する作用因子を有してもよい。抽出相はこれらの任意の組合わせを含むことができる。
抽出相は他にも、MALDI−TOFMS分析の抽出及びイオン化マトリックスであることができ、上記のように検量体分子を含んでもよい。
ファイバーは、一端において閉じているハウジング内に収められており、動物の体内又は動物組織内の適所に配置されているとき、この閉じている一端を開けてファイバーを曝すことができる。このようなハウジングは、シールされたリーフ構造又は開口可能な任意のシーラントであってもよい。
上記においてより詳しく説明したとおり、ファイバーを静脈のような血管又はその他の管状の生体構造に導く場合、配置装置自体はカテーテルであってもよい。さらに、配置装置はx−y−zマイクロ配置ステージであってもよく、これはこのようなステージ上に細胞が配置される場合に適しており、またこの移動は微細にコントロールできる。配置装置は、動物又は動物組織に取付可能である、自動化されたシステムからなる。配置装置はまた、抽出相から関心のある成分を脱着させるため、分析機器内の前記ファイバーを配置するために使用できる。配置装置は任意に、直接分離キャピラリ又はチャンネル内にファイバーを配置するのに使用することができ、また抽出相から関心のある成分を脱着させるのを助けるレーザー光線にファイバーを連結するのにも使用することができる。配置装置は分析機器への関心のある成分の脱着を容易にするために使用することもできる。
複数のファイバーが使用される場合、これらのファイバーはファイバー上を同一又は異なる抽出相でコーティングされているため、複数の関心のある成分が検出可能である。複数の抽出相をファイバーに結合することができるため、様々な関心のある成分を検出することができる。
装置は加えて、例えば、ファイバーの軸方向又は水平方向移動のような、ファイバーのコーティングされた端の移動を惹き起こすためのアジテータを有することができる。ファイバーが、抽出相で内面をコーティングした中空管を有する場合、アジテータは、管が管内にサンプルを吸引させるようにする。これは機械的手段又は管内にサンプルを吸引させるように圧力差をつくることによって行うことができる。アジテータは膨張可能なバルーンを有してもよい。
本発明は、さらにマルチウェルプレート上の複数の穴に配置されている液体サンプル中の1つ又は複数の関心のある成分を測定又は識別する装置に関する。これは、複数の穴の中の複数のファイバーの末端を同時にそれぞれ液体中に沈めることを含み、このときファイバーの末端は、液体サンプルから関心のある成分を吸着するために、少なくとも部分的に抽出相でコーティングされている。これに続いて、関心のある成分は所定の時間、抽出相に吸着される。ファイバーはその後、穴から同時に取出され、脱着及び抽出相からの関心のある成分の測定又は識別のために分析機器へかけられる。このような分析機器は、MALDI分析装置又はマルチチャンネルのマイクロ機械化されたマイクロ流体装置等の、上記の任意の機器であってもよい。
マルチウェルプレート上の複数の穴に配置された液体サンプルから1つ又は複数の関心のある成分を測定又は識別するための発明装置をここで説明する方法で使用する場合、装置は複数のファイバーからなり、前記各ファイバーは少なくとも部分的にコーティングされた末端を有し、前記端は関心のある成分を吸収するために少なくとも部分的に抽出相でコーティングされている。配置装置は、前記ファイバーのコーティングされた末端をマルチウェルプレート上の複数の穴中の水中位置へ導き、前記ファイバーを前記穴から取出し、また前記ファイバーを分析装置内に配置するために使用される。
1つの実施形態においては、結合している抽出相にコーティングされた、小さい直径のファイバーを含む小型滅菌装置が使用される。抽出相は、1つ又は複数の関心のある化合物に対して親和力を有する。生体内で抽出相を曝露した後、装置は分析機器内における定量分析又は定性分析のために取出すことができる。
化学物質濃度の生体内研究のための装置は、ファイバー、すなわち、ワイヤ及び結合している抽出相から構成されている。ファイバー、すなわち、ワイヤは融解石英、金属、カーボン、グラファイト、又はポリマー材料でできていてもよい。装置は、取付けられているか、又は取外し可能なハンドルを有するか、又は有さなくてもよい。装置は、装置の検査する組織へのアクセスを提供するために、外側ニードル・シース等の、結合した、又は取外し可能なハウジングを有してもよい。装置は、カテーテル又はマイクロダイアリシス・カニューレ等の標準医療配置装置を経て、検査する組織に導入されることが好ましい。抽出後、ハウジングは、脱着に関連して使用される場合においてはそこに保持しておいてもよく、それほど必要ないのであれば廃棄してもよい。検査する組織へのアクセスを提供するために医療装置が使用される場合、例えば、各抽出のために毎回、肌や他の組織を穿刺する必要をなくすために、多様な装置を単一カテーテルとともに使用することができる。
生体内固相マイクロ抽出の工程は、関連する抽出相を有するファイバーを使用し、このファイバーは関連するハウジングを有しても、有さなくてもよい。いずれにせよ、望ましい抽出のために、装置を組織内に配置するための手段が提供される。抽出のために、装置は組織内の化学物質の平衡、対流力への無感受性、及び/又は最大限の感度を可能にするため、十分な時間、検査する組織と接触したままにされる。装置は人間の体内、ドブネズミ、ハツカネズミ、犬、羊又はウサギ等の実験的動物内の化学物質濃度をモニタリングするために使用されると考えられる。サンプリングに続いて、装置を適当な分析装置又は脱着装置内に配置し、抽出された少なくとも1種類の化学物質成分を脱着し量を測る。
上述の装置又は工程は、生きている動物の生体内における化学物質濃度を、動物組織内の機能バランスを干渉することなく、モニタリングするのに使用される。いくつかの特定の利点を説明することができる。まず、分析のために血液を採取する必要がないため、動物は受けるストレスがより少ない。これにより、薬物動態学的プロファイル用により多くのデータポイントを収集することが可能となり、またドラッグデザインの決定をするためにより良いデータが収集可能となる。また、これにより、動物の体内の異なった箇所における異なる代謝プロセスの影響をよりよく評価するために、動物の体内の多数箇所における血液又は組織薬物濃度のサンプリングが可能になる。一匹の動物からより多くのデータポイントを収集した場合、結果中における動物間の偏差の減少がおこる。この偏差はしばしば真の薬物動態学的傾向を不明確にし、故にこれを除去することにより、より良い薬物動態学的データが収集できる。動物の体内から特定の血液/組織のサンプルを採取する従来のサンプリングでは、動物の通常の化学物質バランスへの干渉が生じてしまう。連続したサンプリングのそれぞれが、動物の通常の機能への影響を強めてしまう。関心のある検体のごく僅かな量のみを採取する本発明のサンプリングによれば、通常の化学物質バランスは乱れることなく、故にサンプリングそのものの結果に対する影響を排除できる。全人口中の薬代謝の遺伝的変異は、個人間の同じ薬物の薬物動態の変異を惹き起こしている。上述の装置及び工程は、遺伝的変異の体内に存在する薬物の代謝に対する影響をモニタリングすること、及び、新しい薬のデザインが、調合されたドラッグデザインに対する様々な遺伝子プロファイルの利点を得ることの両方の点において有益である。
装置の較正(キャリブレーション)はいくつかの方法でなすことができる。平衡抽出が達成される場合、生体外の一致するサンプルに対比する較正は単純且つ効果的である。非平衡抽出下又は生体内組織と生体外のサンプルが一致しない場合においては、較正は、ファイバーを適当な検量体に予め負荷することにより達成される。また、ファイバーからの直接の検体の分光学的分析を使った、検体物理化学特性に基づいた直接の定量化も可能である。
装置は生体内検体抽出の間に、サンプリング及びサンプル調製の両方を果たす。サンプル調製はサンプル・マトリックスからの分離及び抽出相中での濃縮に限定される。また、これはファイバー上での追加的処理を含んでもよい。これの例としては、生成物極性の変更又は蛍光標識により検出の感度が高い形態に検体を誘導体化すること、DNA分析の場合において信号強度を向上させる検体コピー数の増大、及び通常の生体分子(例えば、蛋白質)の場合において蛋白質又は酵素を分解し蛋白質又は酵素をより機器分析に敏感に反応する形態(例えば、ペプチドフラグメント)に変えることがある。全ての場合において、このファイバー上の処理の目的は、標的である検体の検出と測量を向上させることである。
従来のSPME装置において、装置デザインの最も重要な目的は、分析感度を最大限に増加させるため、ファイバー上の抽出相に対する検体の親和力を最大限に利用することだった。生体内分析の場合、コーティング生体適合性の問題は、等しく重要である。装置デザインは、生体適合性及び抽出相における親和力を考慮にいれなければならない。
装置デザイン及び工程の両方に内在する単純性のため、サンプリング及び分析の両方における多重化はより実用的であり、従来の分析にとってそうであった。ファイバーは、同じ又は異なるコーティングを有するファイバーごとに、一緒に束にしてひとまとめにされ、一度に1つでなく、一度に多くのファイバーのサンプリング及び定量化を可能にした。
装置及び工程のもう1つの利点は、定量化がサンプリングとは別に、従来の高感度機器分析を使用して行われるということである。これは、バイオセンサの場合のように、検出が直接サンプリング/サンプル調製に結びついている場合に成遂げられる感度及び選択性よりもより良い感度及び選択性が得られる。インタフェースは、ファイバーを分析機器に連結するために用いられる。これは、マルチウェルプレートの穴に入った溶剤へ検体を入れるオフライン脱着と同じくらい単純であることも可能であるが、熱脱着、電界脱着、溶剤脱着、又はレーザー脱着のより精巧な専用インタフェースであってもよい。溶剤脱着専用のインタフェースの場合、効率的に溶剤を流すとともに内径を小さくすることで脱着力が高まり、検体をファイバーからできるだけ速く取除くことができる。
上記説明は、ここまで、関心のある化合物を最初抽出相にロードせずに生体組織内の化学物質濃度を検査する装置の利用に焦点をおいてきたが、上記の装置は、正確な量の化学化合物を正確に標的となっている組織へ送るのにも等しく適している。仮に所定の量の関心のある化合物が最初に装置にロードされている場合には、装置を関心のある箇所に正確に配置し、そこで、動力学的及び/又は熱力学的原理に従って化合物が装置から出ることで、化学物質を組織に供給することができる。これは、特定の組織のみを薬物に曝す場合の的を絞った薬物投与に価値のあるものとなる。
図1Aは、組織内に装置を正確な位置に配置するための配置装置とともに使用され、本質的に、ファイバー、すなわち、ワイヤ2にコーティングされた抽出相4からなる抽出装置1を示す。装置全体は、オートクレーブ、エチレンオキシド、UV照射又はガンマ照射等の従来の1つ又は複数の滅菌手段を使用して滅菌することが可能である。ワイヤのコーティングされていない端は、装置の配置を容易にするためのハンドル8を含んでも含まなくてもよい。ワイヤの長さは、使用条件によって変わる変数7である。抽出相4は、ワイヤ表面に形成されたポリマー層、ワイヤ表面に接着剤で貼りつけられるか他の方法で貼りつけられた微粒子吸着質材料又は吸着質材材料、又は抗体ヌクレオチドや蛋白質受体等の固定化生体認識作用因子であってもよい。後述のステンレス鋼線から作られている場合、抽出装置は実に柔軟である。これは、血管又はカテーテル内の曲線で同じように曲がり、通常取出した際にはまっすぐな形状に戻る。装置は、シングル・ポイント・モニタリング又はマルチプル・ポイント・(時間進行)モニタリングにおける、薬物の濃度及血液中又は他の組織内における代謝のモニタリングの使用に役立つ。
図1Bは、カテーテル本体部10及びシール隔壁12(PRN)を有する、標準の医療カテーテルを概略図に示している。PRNは、Beckton Dickinsonから販売され、貫通することが可能な隔壁を含む、カテーテルをシールするための静脈アダプタに対して通常使われる用語である。本文の後半において、静脈サンプリング用のこの種のカテーテルを使用した応用例が説明される。実際には、カテーテルは他の血管にも使用可能であり、故にその使用は静脈のものに限定されない。例えば、同様の装置を利用して、動脈、器官内の血管、又は毛細血管にもアクセスすることが可能である。
図1Cは、支持棒もハンドルもない単独の抽出装置からなる実施形態を、PRN12が取付けられ予め配置された医療カテーテル12を通して血管に導入している様子を示している。抽出相4を有する抽出装置の端は、PRNを貫通し、カテーテルへのアクセスを提供するのに使用される滅菌した皮下注射針を含む。抽出装置を、支持ワイヤ2によりカテーテルに部分的に押込み、皮下注射針を引っ込める。この場合、PRNは失血を防ぐために、装置の周りにシールをもたらす。それから抽出装置1を適量だけカテーテル及び血管に押込み、抽出相は流れる血液に曝される。カテーテルはその後カテーテル内において凝固するのを防ぐため、塩水で洗い流す。薬物及び代謝物の抽出に必要な時間の後、皮下注射針は再度PRNに突入し、抽出装置の取外し口をもたらすために使用される。抽出装置はその後ハウジングから取出され、すすいでから分析のために運搬するために包装される。カテーテル又は他の配置装置をより簡単に扱うために、コーティングされたファイバーは、米国特許第5691206号において説明のとおり、マイクロ注射器内に配置することができる。
図2は、抽出相4を通り過ぎる血流16を有する血管22内にPRN12を有する抽出装置9を配置するために、肌20及び血管壁18を通過する医療カテーテル10の使用状態を示す。この位置において、抽出装置はカテーテルを通して完全に押下げられているため、抽出相はカテーテルの外側の流血に完全に曝されている。PRN12は、カテーテルの開通を確保するための洗い流しを可能にするために、常にアクセスできる状態にある。
図3はポリピロール重合反応の概略図である。抽出相の例として、ポリピロールは、電位が制御された状態において電解酸化により細い金属ワイヤの表面上に蒸着される。ポリマーは、後述のとおり、薄いステンレス鋼ワイヤ上に取付けることができる。結果として生じるポリマーは、それから血管内の血流から濃縮前の薬化合物を直接抽出するための抽出相としての役割を果たすことができる。ポリピロールを有するコーティングされたステンレス鋼ワイヤの例示的調製は実施例1においてなされている。
医療サンプリング装置
使用中においては、関心のある組織位置へのアクセスを可能にするため、ハウジングやシースを用意するのが望ましい。ハウジングはまた、検査する組織や部位の特定の位置において装置の正確な配置位置を確保するためにも重要である。これは、肌及び/又は血管の穿刺に続いて、分析のため特定箇所へ抽出相を配置し、多数のファイバーと撹拌手段を組み合わせることによりなされる。ハウジングはまた、サンプリングの間、血液が装置を通過して漏れるのを防ぐシールをもたらすことができる。結合させるハウジングの性質は、サンプルをとる箇所により異なる。
図4から図9は、装置のオプションの概略図であり、以下に説明する。
図4は、市販のカテーテルを使用したマルチ・ファイバー・サンプリングのための装置及びハウジングの改良型を示す。ファイバー24、26及び28はコーティング30、32及び34によりそれぞれコーティングされており、このコーティングとして、装置の吸収力を増加させるために同一の種のコーティングを使用することも可能であるが、或いは優先的に各ファイバーは生きている動物の体内において関心のある成分のみを認識する抗体等の異なる高選択的なコーティングを有することもできる。
装置はまたマイクロダイアリシス・カニューレ等の加圧されていない医療ポートからのサンプリングにも使用可能である。この種のポートは加圧されないため、サンプリングの間、流体が装置を通過して流出するのを防ぐシールの必要性がなくなり、これによりサンプリングの間において追加的なシースや特殊なハウジングの必要性がなくなる。装置は、組織からサンプルへ流体を追加したり除去したりする必要がないため、従来のマイクロダイアリシス・サンプリングにおいて多大な利点を有する。従来のマイクロダイアリシス分析においては、周囲の組織からカニューレに広まる流体の一部が分析のために採取される。或いは、合成流体がカニューレに送り込まれ、その後半継続的モニタリングのために分析機器へ送り込まれる。両方の例において、組織の流体バランスは、サンプリングの間、第一段階における体積の減少及び第二段階における希釈により崩れる。本発明の装置を使用した分析においては、このようなアンバランスが起こらないため、組織内における生化学バランスは崩れない。
図5Aは改良されたハウジングを示し、図5Bは軟部組織からの直接のサンプリングに適当な抽出装置を示す。装置が引込んだ位置にあるとき、図5Aに示されたハウジングはハンドル46を有する剛性管40から構成され、軟部組織に突入するためのシールされた先端44を有する。先端は、切れ目、すなわち、スロット42によりハウジングから互いに離れた1つ又は複数の片から構成されており、これらは通常先端をシールするためのバネの働きによりともに保持されている。図5Bは、針端の片を開口し抽出相を曝しサンプリングができるようにするための厚い管6に支持されている抽出装置を示す。
図6は軟部組織サンプリングのための抽出装置及びハウジングの使用状態を示す概略図である。図6Aは、ハウジング内の引込んだ位置にある抽出装置47を示す。図6Bは、ハウジング45内の露出した位置にある抽出相47を示す。支持ワイヤ6は、抽出相がワイヤを通過できるように、針の先端において片を開口させるために、抽出装置とともに移動する。
図7は、高分解ダイヤル54を有する”Z”垂直配置ステージ52及び適当なダイヤル56及び58を有し、サンプル50内において抽出相4の正確な配置を可能にするx−yステージ55から構成されるx−y−z配置装置60内に取付けられた、ハウジング45及び抽出装置を示す。この配置システムは、挿入及びサンプリング工程をモニタリングするために、通常、顕微鏡を使用する。ハウジングはまず最初に、サンプリングに必要な位置において装置のチャンネルを準備するために用いられる(図7A参照。)。ハウジングはその後、抽出相がまだ保持されている間に僅かに引抜かれる。このような方法で、装置の抽出相はハウジングによって具えられたチャンネルを囲む組織と接触し、故に、一片の組織がハウジング内に移動するのを防ぎ、また抽出相自体が組織内のチャンネルを開けざるを得なくするのを防ぐ。この場合装置は、組織蛋白質又はメンブレインに結合した化学物質はサンプリングしないため、組織内の間質性流体又は細胞間流体の化学物質濃度をモニタリングするために使用される。これは、サンプリングの簡略化及び組織破壊を減少させるという両方の点において、生検より好まれる。
図8はファイバーの下部70において内側の側面がコーティングされた中空ファイバー38を有するカテーテルを示す。この概略断面図は、内側ファイバー側面62上の2層コーティング66及び64を示す。外側コーティング66には蛋白質の吸収を除去するため、生体適合性を有するものが選択され、内側コーティング64はチャンネル68を経て内側ファイバーに導入されたサンプルからの特定成分の採取を容易にする抽出相である。サンプルは、中空ファイバーに連結された注射器又は定量ポンプ等の圧力差を生成する装置72を使用して中空ファイバーへ吸引される。サンプルの吸引及び射出の実施は撹拌が生じ、従って抽出率を促進する。管はカテーテル内に取付けられるが、図7に図示の配置装置にも取付けることができる。
図9は、中空ファイバー38を有するカテーテルを示し、伸長可能なコーティングが一端をシールし、中空ファイバーの自由端に連結された小型圧縮機又は二酸化炭素のボンベ、マイクロ・レギュレータ等の加圧ガス送給装置74を使用してコーティングを膨らますことで小型の風船構造75を形成できる。コーティングの材料又はその変形する表面76はサンプルから化学物質を抽出するように設計することができる。膨張したコーティングはより大きな表面積を有するため、抽出率が増大する。また、コーティングの膨張及び収縮が繰返されることにより、対流が誘発され、さらに抽出率が増大する。
小型化
上述の装置は実に小さい(直径127μm)が、特に、単細胞の検査において、さらなる小型化が有利となる。プローブの寸法が小さくなるにつれて、抽出相の周りの理論上の境界層の寸法の抽出率への影響は、微小電極の場合と同様、減少する(Heinze, J. Angew. Chem. Int. Ed. Engl.1993, 32, 1268-1288.)。実際には、これはサンプル内の対流度が抽出率に余り影響を及ぼさないことを意味する。これは、単細胞の場合のように静的抽出が行われなければならないか又は静脈のサンプリングの場合のように撹拌度が異なる組織のサンプリングにおいても重要である。さらに、抽出相の大きさもまた抽出平衡に影響を与える。より薄い抽出相はより速く平衡化し、またサンプル対流からの影響がより小さい。全体の大きさが1〜10μmの範囲にある装置は単細胞の内側をモニタリングするのに適しており、一方、ミクロン以下の範囲の装置は細胞内の細胞小器官をモニタリングするのに便利である。現在のところ、細胞内でおこる化学物質の濃縮を正確に評価する実行可能な手段はない。現在使用可能な手段は、この殺滅は誤った結果を生み出す細胞の殺滅(例えば、溶菌に続いてマイクロチャンネル内にサイトゾル成分のCE(キャピラリ電気泳動))が必要であったり、精度に乏しかったりする(特定化合物の蛍光標識付け)。コーティングされたファイバー技術の主な長所は、非破壊的な方法で細胞プロセスをモニタできるということである。ごく僅かな量の化学物質が採取されるだけで、細胞プロセスは乱されないままである。顕微鏡に連結されたx−y−zステージを使用する市販のマイクロ配置装置は、検査中の組織の特定の箇所にファイバーのコーティングされた端を配置するのに用いることができる。
細胞の遺伝子操作のために開発されてきた技術は、細いキャピラリを使用し、細胞内の遺伝物質をサンプリングしたり、細胞内に遺伝物質を導入し、細いキャピラリはマイクロマニピュレータによりコントロールされ、立体顕微鏡によりモニタされる。細胞は操作の間、一般的に適当な緩衝剤が入った皿又はバイアル瓶内に入れて、等張性環境において保持される。同様の機器をファイバー・プローブを有する細胞の配置及びサンプリングに使用することができる。
携帯型自動化サンプリング
上述の装置及びこれを用いた方法はサンプリング及びサンプル調製を大いに単純化するので、連続的な人間の関与が必要ない組織濃度の自動化されたサンプリングが可能となる。オンライン・マイクロダイアリシス・サンプリングにおいては、モニタされる動物は固定支持部にテザーでつながれ、マイクロダイアリシス・カニューレや分析機器(CE又はLC(液体クロマトグラフィー))に/から流体を送る管はテザー内に含まれる。実施形態において、モニタされる動物は鎖等でつながれる必要はなく、むしろ、カテーテル、カニューレ又は他のサンプリング・ポートの中又は外に所定の時間、自動的にプローブを移動させる装置を有することができる。サンプリングの後、装置は、後で回収及び定量化できるようにプローブを保持しておく。この実施形態は、人間の関与が少なくそれ故にサンプリング・エラーを減少できるという点においてマイクロダイアリシスと同様な利点を有しており、検査中の動物は拘束されることやストレスを受けることがより少なく、より通常の環境を体験するというさらなる利点を有する。これは、ストレスが結果の完全性に与える影響を少なくする。
使い捨て装置の方策
現在まで、SPME装置は多数回再利用できるように設計されていた。上述のポリピロールにコーティングされたファイバー(ワイヤ)装置の再利用は可能であるが、この装置を使い捨て装置として使用するのは有利である。特に、装置が血液に曝されている場合の実施においては、装置及び関連したハウジングを再利用のために十分にきれいにすることは、実用的ではない。製造の目的は、使用者が装置を使用後、破棄するのが費用効率が良いと思うように費用を最低限に抑えることでなければならない。
コーティングの方策
特定の状況下で、これらの装置の設計において望ましい、いくつかのさらなるコーティングの方策がある。これらは上述の用途のための装置の有用性を伸ばし、それらをさらなる用途への使用を可能にする。
抽出相内の生体適合性が向上すると、抽出相が組織と接触する時間を延ばしたり、1箇所から作ることができるサンプリングの数を増やすのに有利である。これは2つの方法によってなされる。より良い生体適合性を有する新しい抽出相を選択するか、又は生体適合性のある外側層をより低い生体適合性を有する内側抽出相とともに使用するかのいずれかである。
ポリピオールそのものは、良好な生体適合性を有する。これは数年間もの間、毒性、免疫発生(免疫反応の始まり)又は血栓発生(血塊反応の始まり)の形跡なしに、バイオセンサ装置において使用されてきた。これは、検査対象の組織に直接曝すのに適している抽出相の例である。より生体適合性のない抽出相を使用するのが望ましい場合には、装置は誘導セルロース等の生体適合性のある外側層を有する抽出相をコーティングすることにより生体適合性を有するようにすることができる。関心のある検体は、この外側層を通って自由に広がり、また内側層上の抽出相より抽出される。これは、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリアクリレート又はポリ(エチレングリコール)等のより従来の抽出相に、抽出の関心がある場合に有効である。
抽出相からなるか又は低い抽出親和力を有する他の抽出相に固定化された生体認識実体は、高い選択性及び高い感度の両方をもたらすことができる。親和力がより高くなると、感度がより高くなり、より容易にプローブ滞留時間をより短くすることが可能になる。選択性がより高くなると、検査する組織への妨害が少なくなり、さらなる選択性の増大及び抽出における競合の懸念の減少が可能になる。これは、競合する化合物が高濃度において存在する場合において、低濃度において存在する1つの化合物の定量分析を可能にする。
抽出相における生体認識は、不活性で生体適合性のある抽出相において生体認識が可能な他の分子又は抗体の包括によりなすことができる。これは、ジアゼパム固有の抗体を包括するためにポリピロールを使用した場合のものを示す。
図10は、ポリピロールのみを有する装置を使用した場合と、反ジアゼパム抗体を有する装置を使用した場合のジアゼパムを含むサンプルの抽出を比較したクロマトグラムを示す。この場合、抗体に対する検体親和力は、ポリピロールに対するものよりも、非常に高い。或いは、抗体、核酸又は他の分子は定型的な固定化方策を使用してファイバーに共有結合して結合することもでき、又は現在のブロッティング技術において使用される核酸のニトロセルロースへの固定化と同様の手段により静電気を使って固定することもできる。共有結合による固定化のために、ランダム又は指向の方策が1つの応用又はその他の応用に使用される。
図11は表面170における抗体172の配向固定化及び抗体−抗原複合体176を形成するための抗原174の親和力の概略図である。ジアゼパムは、抗体蛋白質の一時的又は永続的な変性により複合体から遊離させて定量化することができる。
非常に高い選択性を有するプローブがある場合、場合によっては関心のある化合物のみを抽出することが可能であり、故に分析におけるクロマトグラフィの必要性がなくなる。定量化のために質量分析計へ直接導入することにより、分析プロセスはさらに単純化する。この種の実体は、抗体、抗体フラグメント、蛋白質、蛋白質サブユニット又はペプチド・シーケンス、DNA、RNA又はポリヌクレオチド又はこれらのいずれかと結合する抗原又は基質からなる。このような生体認識実体は、吸着、静電気、共有結合又は他のマトリックス内におけるエントラップメントにより固定される。共有結合固定化は、ランダム又は配向手段のどちらによってなされてもよい。
生体認識はまた、分子インプリントポリマーを用いても達成される。この場合、ポリマーは、関心のある検体があるところに具え付けられるポリマーは検体と静電気で相互作用する官能基を有する。重合の後、検体は取除かれ、内側に適当な官能基が配置されているキャビティがポリマーに残る。抽出に使用された場合、サンプル中を自由に可溶な検体はキャビティに引きつけられ、静電気力によりそこに保持される。これらのポリマーは、その関心のある検体のための高い選択性を理由に、合成抗体として見る者もいる。この種のポリマーは、本発明の装置内の抽出相として使用された場合、選択性の増大をもたらす。
また、コーティングの抽出効率を、抽出の直前にコントロールしたり活性化させたりすることができるコーティングを具えることも可能である。これは、装置を特定の箇所に予め配置することを可能にし、その後、抽出の開始と同時に抽出相を活性化させる。ポリピロールは導電性重合体であるため、これはファイバーに小さい電荷を印加することにより達成される。これは、ポリマーの酸化状態をコントロールすることによるイオン化合物の抽出に便利である。或いは、これは軟部組織サンプリング用の図8に図示の装置を使用してもなすことができる。装置はまず始めに所望の位置に配置されるが、ファイバーを組織に曝すことはサンプリングを始める適当な時まで遅らせることができる。
指標化合物の使用
生体分析的分析において一般的且つ有用なツールは、生化学経路に特有な指標化合物の出現及び消失をモニタリングすることである。これは、例えば、特定の細胞又はバクテリアの存在、又は遊離酵素の存在をモニタリングするために使用される。典型的な化学反応においては、基質(S)は単一酵素又は共同因子と結合した酵素システムと相互作用することにより、生成物(P)に形質転換される。酵素はこのプロセスにおいて形質転換されるか、又はされなくてもよい。指示物質は基質であってもよく、この場合その消失はモニタされ、また指示物質は生成物であってもよく、この場合その出現がモニタされる。特定の時間に形成される指示物質の量は、存在する標的酵素の量及び活性と相関している。指示物質が抽出相への親和力を有する場合、酵素活性及び/又は代謝率がその場でモニタされる。基質はファイバーにロードされているか又は細胞懸濁液又は酵素溶液の中に入れられる。ファイバーが溶液に入れられる場合、指示物質はファイバーに固定され、その後分析機器によって定量化されることができる。
検量体のファイバーへの事前ローディング
従来のSPME分析において共通の難点は定量化の正確な手段を考案する際にある。生体外分析において、定量化はしばしば周知の量の標準物質をサンプルに加え、その後分析を実行することによりなされる。これは、内部標準又は標準追加による較正と称される。回復される標準物質の量は回復される未知の検体の量と相関していると考えられており、割合は未知の物質の元の濃度を測定するために算出される。生体内及びその場での分析において、分析下の組織に標準物質を加えることは通常実用的ではない。これまで較正の最も実用的な手段は、サンプルにできるだけ近く一致する一連の合成標準物質を具えること及び未知の物質の標準物質分析の結果の比較によるものである。この方法は、図12に基づいて生体内薬物動態学的検査におけるポリピロール装置の較正に対して上記で説明した。この場合、供給業者から犬の全血液を得て、様々な薬物濃度のサンプルが準備された。分析と同時に較正・カーブが形成され、このカーブは未知の薬物濃度を推定するため、未知の検出反応を挿入するために用いられる。方法は概念的には単純であるが、生体内の箇所における僅かな変化が結果に及ぼす影響に対応できないため、常に厳密に正確ではない。
従来の内部標準較正の替わりとして、標準物質を分析前にファイバー(抽出相)にロードし、ファイバーから標準物質が消失する様子を機器を用いてモニタリングすることができる。内部標準検体のファイバーへの吸収の速動性は脱着の速動性(結合は可逆である)と同じであり、吸収及び脱着はサンプル内の拡散によりコントロールされ、ファイバーからの標準物質の消失率はファイバーによる検体の採取と相関している。消失した検体の量は吸収された量と相関しており、また結果的に未知のサンプル濃度とも相関している。この方策を用いることにより、サンプル対流における変化は、ファイバーから消失した検量体の量を未知の検体に関連付けることにより、コントロールされる。又は、対流状態及びそれ故の物質移動率が知られているか又はコントロールされている場合、ファイバー上に不可逆的に結合された検量体を使用することができる。ファイバーは、まず最初に、検体の周知の濃度を有するマトリックスに一致する標準物質に曝される。ファイバーはその後未知のサンプルに曝される。未知の物質とファイバーから検出された標準物質の割合は、未知の物質と標準物質サンプルの濃度の割合に反映する。(G. Xiong, Y. Chen and J. Pawliszyn"On-site calibration method based on stepwise solid-phase microextraction", J. Chromatogr. in press).
ファイバーへ化合物を予めロードしておくことは、化合物を正確な組織領域にキャリブレートして運ぶのにも利用される。予めロードしておいた化合物のファイバーに対する親和力が低いか中程度である場合、化合物は抽出の間、ファイバーから外に出て、周りの組織に入る。これは、薬物又は他の関心のある化合物を1つの標的組織領域のみに投与する手段として使われ、治療薬物処方に共通して見られるケースのように、動物の体全体に投与することを避ける。組織投薬量コントロールは、抽出時間を正確にコントロールすることにより達成することができる。投薬量はそれから残留物質量を定量化するために、残留検体を分析装置に脱着することにより確認することができ、求められている量を算出することを可能にする。検量体の例示的使用は、実施例4に基づいて後述されている。
マルチプル・ファイバーの使用
マルチプル・ファイバー・コーティング方策の開発は、いくつかの利点を有する。特定の使用のために選択された装置に、より柔軟性をもたらすことに加えて、サンプル中に存在する化合物の種類及び量のさらに完全なプロファイリングをもたらすことに並行してマルチプル装置が使用される。これは、マルチプル・ファイバーをサンプルと平行に曝すか、又は1つのファイバーにマルチプル吸着剤を具えることにより達成される。
マイクロ化学反応を実施するファイバー
ファイバー上反応は関心のある化合物の検出を著しく向上させることができる。例えば、ファイバー上の蛍光ラベリングは微量レベルの毒素の検出における検出限度を改善してきた(A. Namera, A. So, J. Pawliszyn"Analysis of Anatoxin-a in Aqueous Samples by Solid-Phase Microextraction Coupled to High- Performance Liquid Chromatography with Fluorescence Detection and On-Fiber"Derivatization J. Chromatogr. 963,295-302 (2002))。ジェノミクス及びプロテオミクス研究における分子キャクタリゼーションにとって最も重要な化学反応の2つは、DNA増幅及び酵素の蛋白質分解である。両方のプロセスは、さらなる処理ステップを続けるか又は直接分析される生成物を使って、生体外で行われる酵素反応である。
DNA増幅において、少数のDNA又はポリヌクレオチド・フラグメントは酵素DNAポリメラーゼによって増幅される。酵素及び適当な基質の活性により、DNAのコピー数は僅か数時間で指数的に増加する。プロセスは高適合度を特徴としており、従って最終生成物は同一のDNAフラグメントの非常に純粋な溶液である。通常、元々存在するDNAの量がさらなる処理及び/又は分析キャラクタリゼーションに不十分であるのに対して、最終生成物の濃度は十分である。生成物はヌクレオチド含量及び配列を特徴とするか、又はDNA配列により符号化されたペプチド又は蛋白質を具えるのに使用される。
酵素蛋白質分解において、蛋白質サンプルは特定の箇所においてポリペチド連鎖を切断する酵素により分解される。結果として生じるポリペチド・フラグメントは分子量又はペプチド含量及び配列を特徴とする。通常、完全な蛋白質は直接のキャクタリゼーションには大きすぎるため、蛋白質は1つ又は複数の酵素開裂により生じるポリペチド・フラグメントのパターンの「指紋」分析を特徴とする。又は、ポリペプチドは配列され、元の蛋白質の配列は復元することができる。これは例えば、蛋白質のためのDNA配列符号はゲノム内におけるその位置を識別するための目的又は多量の蛋白質を生成するための発現系の開発のために測定されることを可能にする。
マイクロ機械型又はTAS装置を利用したゲノム及び蛋白質性の分析において継続的に小型化する場合に、サンプル調製及びその前の導入段階の小型化の必要がある。これらの小型化された分析の種は、サンプルの費用が高いためにサンプルの大きさが小さい、ジェノミクス及びプロテオミクスの分野においてますます重要である。また小型化は、ヒトゲノム解析計画の完成により可能になった非常にたくさんの数のサンプルをより効果的に処理するために、分析における並行化及び高い処理量を可能にする。細いファイバー、すなわち、ワイヤに取付けられた多孔性ポリマーは、これらの酵素反応を小規模で行うのに理想的な媒体であり、これは反応が完了した際、装置はまた反応生成物を直接マイクロ分析システムに導入するのに適しているというさらなる利点を有する。
インタフェース
上述したとおり、上述の装置及びこれを用いた方法の利点の1つは、一旦サンプリング及びサンプル調製(予め濃縮し、マトリックスの除くこと)が完了すると、本発明の装置は抽出された検体を分離及び定量化機器に直接導入するのに理想的に適しているということである。
従来のSPME装置は、抽出された化合物の量の定量化のためにGC(ガスクロマトグラフィー)装置又はLC装置に連結されている。 GC装置の場合において、ファイバーは従来の注射器射出を行う方法と同様に、加熱された射出スリーブ内で曝される。GC分析用の検体は、GC射出内で通常使用される温度において必ず揮発性であり、これらはまた射出スリーブを通って分離管へ流れる熱いキャリアガス内で効果的に脱着される。LCにより分析される化合物は通常非揮発性及び/又は熱的に不安定であるため、脱着に熱を使うことができない。LC脱着において、まず最初にファイバーから検体を取除き、それらを溶剤に移動するために専用のインタフェースが必要である。この溶剤の一部又は全ては、その後分析用機器に注入される。商用のインタフェースにおいて、ファイバーは機器の注入口に連結されているバルブ内の溶剤に満たされたチェインバー内において脱着される。脱着後、バルブは機器の加圧された溶剤の流れと一致してスイッチングが行われ、溶解した検体を有する脱着溶液の全体の容量が機器に導入される。
効果的なLC定量化のための改良
この技術は商用脱着インタフェース(100μL)の比較的大きい容量に限定されてきた。LC(約50μL)用の商用SPME装置の相の厚さのため、この大きい容量は必要である。脱着容量が減少されると、かなりの量の検体がファイバーから取除かれない。脱着溶剤の容量が50μL以下に減少されるため、20%以内のキャリーオーバーは普通である(使用される特定の検体及び脱着溶液に左右される)。これらの容量は、しかしながら、射出容量が10−20μL以内であるため、特に、LC/MS(質量分析法)適用の典型的なLC適用にはあまりに大きすぎる。これらの分析における大きい射出容量は通常、受入れがたく幅広いクロマトグラフィ・ピーク及び不良な分解を生じてしまう。全体の脱着溶剤の僅かな量のみが注入される場合、劣った感度が結果となる。本発明の装置の1つの強さは、抽出された検体の全てを定量化用機器に導入する機能である。これは最大限の高感度を可能になる。薬物動態学的分析のために上述したポリピロールにコーティングされたワイヤのように、かなり減少された相厚を有するファイバーは10−20μLの脱着溶剤中で効果的に脱着される。 全体の脱着溶液は、その後定量化のために注入される。結果は鮮明であり、図13に図示の対称のピークは、正確に一体化され良好なクロマトグラフィ分解が可能である。
上述で静的脱着の使用を説明したが、検体の動的脱着もまた或る種の応用では関心のあることである。これは脱着の間、脱着溶剤をファイバーの上に移動させることにより達成される。ファイバーは新しい脱着溶剤に継続的に曝されるため、定量脱着は理論的に可能である。脱着率は、ファイバー上の溶剤の流動率に左右される。流動がより速ければ、脱着がより速くなる。できるだけ最速の脱着を達成し、余りに大きすぎる溶剤射出プラグを防ぐために、脱着チェインバーの内側の直径が可能な限り小さいことが必要である。容量流体が一定である場合、より速いリニア流体が小さい直径のチェインバー内において達成される。これは結果として脱着時間をより短くし、故に総脱着容量を減らす。
LC定量の自動化
現在まで使用されてきた容量が減らされたHPLCインタフェースはファイバーからの検体を機器に効果的に移動させることが可能であるが、プロセスは部分的にのみ自動化されている。現在までプローブ・ワイヤをインタフェースへ/からの導入及び取外しは、各射出ごとに手動で行われなければならない。
図14は、その小さい穴79の中にコーティングされた一片のファイバーを含み、プラグ78でシールしている、マイクロ・カートリッジ77を示す。穴79は脱着溶剤で満たすことができる。抽出後、コーティング4を有するコーティングされた一片のファイバーは保管及び移動中の保護のためにカートリッジ77の穴79に配置される。抽出された化合物の測定は、カートリッジの用途に採用される自動化された機器において実行することができる。
CE用インタフェース、動電学的堆積の使用
上述のとおり、特に、市販のSPME装置よりももっと小さい装置が使用された場合、本発明の装置は、マイクロ分析機器用のインタフェーシング・サンプリング及びサンプル調製のための理想的手段を提供する。キャピラリ電気泳動及びその関連技術において、検体は、通常直径が50μmのキャピラリ(毛管)に分けられる。これは従来の注射器射出にはあまりにも小さい。射出は一般的に流体力学的又は動電学的手段による。流体学的射出については、サンプルはキャピラリの一端に結合された緩衝剤貯槽内に配置される。その端は、所定の時間、所定の量により、対向する端上に持ち上げられる。キャピラリに入れるサンプルの量は、時間、標高差、キャピラリの直径及び溶液の粘性から算出することができる。サンプル溶液はその後分離電圧を印加する前に、流れている緩衝液と交換される。単純ではあるが、この技術は射出容量の不正確性及び1つの検体から次の検体への再現性が乏しいという欠点がある。動電学的射出については、サンプルはキャピラリの一端に取付けられた緩衝貯槽内に再び配置される。射出電圧は貯槽全体に印加され、溶液内の検体は電動力によりキャピラリへ移動する。一旦十分な物質が注入されると、電圧は取除かれ、サンプル溶液は分離電圧を印加する前に流れている緩衝液と再び交換される。この方法は、検体間における電気泳動移動性の偏差により射出内の不正確性が生じるという欠点がある。これは、結果として射出された存在する異なる化合物の量の違いを生じる。抽出された検体を有する小さい直径のファイバーは、流れている緩衝液に満たされたCE分離キャピラリに直接導入される(Whang, C. W., Pawliszyn, J. Anal. Commun. , 1998,35, 353- 356)。これは、検体の分離に正確性及び定量の導入を可能にする。
CE分析のこの技術の改良として、ファイバーの外側の直径と分離キャピラリの内側の直径を慎重に一致させることにより、分離結果の前に検体の堆積が生じる。これは、より優れた分解を可能にする。電気泳動速度は、分離キャピラリ内部の断面積に反比例している。この面積が減少した場合、電場勾配の増加により結果として速度の増加が生じる。ファイバーがCEキャピラリ内に導入された際、ファイバーとキャピラリの間のスペースは、緩衝液のみがキャピラリ内に存在するファイバー後のスペースによりも、もっと小さい断面積を有する。ファイバーが存在し、分離電圧が印加されている場合、検体はファイバーから外へ急速に制限されたチャンネルに沿って移動する。それらが開いた領域に着いたとき、キャピラリ移動は急激に低下し、検体は狭いバンドの内に集中する。分離の間、一方可能であるよりもより高い分解能が達成される。
図15はファイバー・バンドルを使用したx−y−z配置装置を示す。個々のファイバーは脱着前に分離キャピラリ内に正確に配置されることができる。この場合、図15(132)に図示のように、抽出相はファイバーの最先端上のみ以上にコーティングされ脱着はレーザー・パルシングによってよりもむしろ適当な電位を適用することにより達成される。
ナノスプレー・ネビュライザによるMSへの直接導入
いくつかの例においては、定量化前に抽出された検体をクロマトグラフィで分離する必要はない。これは、ファイバーが、関心のある検体のみが干渉物質なくして抽出されるほど非常に高い選択性を有している場合である。これはまた質量分析が検出/定量化に使用された場合や化合物が定量化前に時間よりもむしろ質量により分離された場合にもいえることである。MS適用において、ファイバーをエレクトロスプレー・イオン化源内のネビュライザ可動子の中に直接配置することが可能である。
図16はこのプロセスを概略的に示す。ネビュライザ150中を流れる溶剤は霧状にされる前にファイバー164から検体を効果的に脱着し、質量分析計気圧イオン化源156内のプルーム156へ吹付けられる。イオン化はそれからMS検出を有する標準ESIにより達成され、即ちプルーム156内の溶滴は乾燥され、オリフィス166の辺りにおいてイオン154が形成するまで熱ガス流動152によりサイズを小さくされる。これらはその後機器内の質量分析器162に送られる。
MALDI分析への適用
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)はレーザーをエネルギー源として使用した分子イオン化の技術である。非常にソフトなイオン化方法として、MALDIは主に単独にチャージ(荷電)されたプロトン化した分子を収量し、これらはその後イオン移動度分析又は飛行時間型質量分析装置により便利に定量化される。この特色により、MALDIは高分子量、不揮発性及び熱変化しやすい検体用のイオン化機器として普及した。MALDIは、ペプチド及び蛋白質のような大きい重分子のルーチン測定を可能にした(PE. Jackson, PF. Scholl, and JD. Groopman, Molecular Medicine Today, 2000,6,271.)。
本発明のファイバー装置がMALDIに取付けられている本発明の実施形態は、重分子分析のために融解石英光ファイバーの先端上にサンプル抽出とイオン化の工程の結合を可能にする。ファイバーのサンプル端は、マトリックス溶液におけるペプチド及び/又は蛋白質の抽出のためにコーティングされていた。エンケファリン及び物質Pの場合において、使用されたマトリックスはアルファ−シアノ−4−ヒドロキシ−シナミニック酸であった。光ファイバーは従ってサンプル抽出表面、サンプルさらにマトリックスの支持、及びレーザーからサンプルへレーザー・エナジーを送るための光パイプとしての役割を果たした。レーザー・エネルギーはイオン化のために光ファイバーの他方の端を通って送られ、次の分析のために重分子を脱着した。このファイバー/MALDI結合は、MALDI信号の検出のために、(別個の実験において)イオン移動度分析計及びタンデム四極子/飛行時間型質量分析計と結合された。
図17は、ファイバー/MALDI−IMS(イオン移動度分析)インタフェース及び機器の概略図を示す。これは、レーザー源96と、x−y−z配置アレイ84に保持されレーザー光をファイバーのコーティングされていない端に焦点をあわせる合焦レンズ80からなる。配列移動は手動又は自動化することができる。ファイバー86は源から質量分析器90(この場合においてはイオン移動度分析計)のx−y−z配置可能インレット88へ光を伝送する。インレット88においてファイバー86のコーティングされた端は、2つのシリコン隔壁94及び支持管92の一部分により適所に維持されている。ファイバーの最先端98のみが抽出相でコーティングされている。感光性ダイオード82はレーザー源84に配置され、脱着レーザー・パルスを検出し、データ収集100を開始する。
図18は、このシステムを利用して、エンケファリン及び物質Pのイオン移動質量スペクトルが得られたことを示す。MALDI/IMSインタフェースの1つの利点は、MALDI源が従来のMALDI/TOF(飛行時間型)質量分析法の場合と同様、高真空の替わりに大気圧で作動されているということである。また、ドリフト管に送られるサンプルの減失は大気圧においてごく僅かであり、大気圧MALDIは通常大気圧において均一なイオン雲を生成することが最近報告された。イオン化プロセスは従来の高真空MALDIよりもずっとソフトであり、小さい蛋白質のためのプロトン化した分子イオンを生成することが可能である。これは、従来の真空MALDIと比較したイオン化プロセス中の準安定フラグメンテーション及び区別の相対非共存を理由に、高分子のMALDI分析に便利である。この大気インタフェースの最も有望な利点は、同じ機器をエレクトロスプレー及びMALDIサンプル導入の両方に交換して利用可能であることである。
図19はレーザー脱着インタフェースのイオン形成の概略図を示す。この場合、2つの飛行時間型質量分析法(TOF)が使用され、1つは陽イオン110のサンプルを、もう1つは陰イオン112のサンプルを採取するために使用される。レーザー・パルスは抽出相114からの脱着を始め、分極化されたプレート116は適当な質量分析器に適当なイオンを加速させる。
MALDIはペプチド及び蛋白質等の大きな重分子のルーチン測定を可能にしたが、定量MALDI分析を開発することは常に関心が大きかった。MALDI分析を使った定量作業において、レーザー光線は標的プレート上のサンプル域全体にスキャンされ、各サンプル点はこの特定の点上に負荷されているサンプルのほとんどが除去されたことを示す信号検出の急減少が生じるまでマルチプル・レーザー・ショットにより照射される。従って、スキャニング・プロセスを終了するためには何十から何百ものレーザー・ショットを発射する必要があり、最終的なスペクトルは概して各レーザー・ショットから得られた全スペクトルの合計又は平均値である。このサンプリング・プロセスは、ショットからショットへ及び点から点へのサンプル再現性に劣ることを避けられず、MALDI分析における定量化手段の根本的限界と考えられてきた。
本発明の装置とMALDIの結合は、サンプル抽出とイオン化工程を溶融石英光ファイバーの先端上において結合するため、技術的に上記の問題点を解決した。光ファイバーは従ってサンプル抽出表面、マトリックスを加えたサンプルの支持部、及び、レーザー源をレーザーからサンプルへ送る光学パイプとしての役割を果たした。サンプルは直接ファイバーの先端に負荷されていたため、サンプルの大きさはレーザー放射照度面積のものと同一であり、点から点への脱着差が存在しなかった。また、ファイバー内部における多重反射によって、主なレーザー・プロファイルは端ファイバー表面サンプルにおいて均一な強度プロファイルに変えられる。これはレーザー放射がファイバー先端表面全体において均一であることを意味する。この方法は単一レーザー・ショットを使用してファイバー先端に抽出された全てのサンプル脱着を達成するために開発された。この状況が満たされる限り、点から点へ及びショットからショットへのスペクトル格差もまた最小におさえられる。このような方法で、MALDIの定量化の面を劇的に改良すると同時に、膨大な長さの分析時間及び膨大な量の検体を節約した。ファイバー/MALDI法の定量化の点を調べるために、検体化合物としてTOAB(テトラオクチルアンモニウムブロミド)が選ばれ、全ての実験はDHB(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)のマトリックスにおいて実行された。図17に図示のファイバー/MALDI−IMSシステムが定量化に使用された。
先の実験の抽出段階において、ファイバー/MALDIファイバーの先端はサンプル及びマトリックスの両方を含んだ溶液に浸漬された。この予め混合された抽出方法において、検体とマトリックスの割合は予め最適化され、最良の実行のために固定されており、これは未知の濃度の本当のサンプル内の検体の検出する場合には、ほぼ不可能である。一方、抽出相は非常に小さい容量を有するため、検体とマトリックスの間で競争が存在し、これは抽出可能な検体の量のさらなる限界を生じてしまう。より実用的な方法は、サンプル抽出後の第二段階においてマトリックスを負荷することである。ネビュライザを使用するスプレー方法は、100nmより小さい非常に微細な滴を形成するため、これに理想的な候補方法である。サンプル抽出後、マトリックス溶液はネビュライザを用いて負荷される。霧のようなマトリックス滴はダイバー先端表面上にさらに均一な共結晶体を形成するのを助ける。ファイバー上に負荷されたマトリックスの量又はマトリックスと検体の割合はマトリックス溶液の濃度及びスプレー時間を変化させることにより簡単に調整可能である。
実施例2はノイズの減少に関連するMALDI/IMSインタフェースの使用を説明する。ノイズの減少は、便利ではあるが、必要ではない。従って、レーザーをサンプル表面へ入念に配置することは、ファイバーそのものがこれを達成可能であるため、任意である。しかし替わりの策として、レーザーがファイバーの表面に向けられる従来のMALDI分析を実行することはまだ可能である。これは装置が非光伝導ファイバーから作られることを可能にし、また分析前に選択的に装置とレーザーを結合する必要性をなくす。
並行抽出及び定量化のための多重化
上述の装置は、その円筒形状及び分析方法の単純化の両方により、サンプリング及び定量化段階の両方における並行化に便利である。
図15は並行サンプリングが、一度に多数のサンプルを検査するか又は多数の検体における単一サンプルを検査するために、同一又は異なるコーティングを有する多数のファイバーを束ねることにより達成される様子を示す。ファイバーの束はまた抽出の間、効率的な攪拌を提供するために使用することができる。抽出はマルチウェル・自動サンプル・プレートから行うことができ、異なったサンプルが入った各穴は単一ファイバーにより抽出され、高並行測定を容易にする。束状抽出装置は、上述のMALDIプロセスにより定量化に使用することができた。この束は光源に多重送信され、それぞれの個々のプローブは、源をそれぞれの個々のファイバーにおいて向けることにより、順番に照射される。同時に、各ファイバーのサンプル端は分析用機器に配置される。図15に示すように、レーザー源120は、配置装置122を使用することによりファイバー束130中の各ファイバーに順番に照射される。束中のファイバーのサンプル端は、抽出/脱着メッシュ126に導かれる。この場合、ファイバーの先端のみがレーザー光によって照射された表面であるため、抽出相132にコーティングされる。サンプル端は、第二配置装置124を用いて配置可能である。各ファイバーは脱着の準備が整っているため、配置装置124により質量分析計128のサンプリング・オリフィスに配置され、脱着を始めるためにレーザー120が発射される。
又は、プローブ束はLC/MSによる定量化により、同時に個々の溶剤脱着穴に脱着される。
ファイバーMALDI分析とマルチウェル・プレートの結合はまた配置装置が各穴の小さい開口部内に各コーティングされたファイバーの末端を正確に配置することを可能にし、故に抽出相が液体中に入ることを可能にする。この方法は、単一高密度マルチウェル・プレート内に多数の穴を収納するために、比較的小さいデザイン及び正確な配置装置を必要とする。現在の技術では1つのプレート上に1,000以上の穴を設けることが可能である。他の導入技術は、特に、各ファイバーを収納するためにたくさんのマイクロ流体チャンネルが1つのマイクロ流体装置に配置されているマイクロ機械化されたマイクロ流体システムを使用して、サンプル又はファイバーを穴の中に導入するために用いられる。これは、全てのファイバーがマイクロ構造内で並行して脱着されるMSへのナノスプレー導入と組合わせて実行され、同時に各脱着溶液は順番にMSへ導入される。
(実施例1)
(ステンレス鋼ワイヤ上のポリピロール・コーティングの製法及び生体組織における使用)
ステンレス鋼ワイヤ(グレードT−304V,0.005)はスモール・パーツ社(フロリダ州、マイアミ・レイクス)のものを使用した。過塩素酸リチウム(95%)及びポリピロール(98%)はシグマ・オールドリッチ社(オンタリオ州、ミシソーガ)のものを使用した。ポリピロールは開封後1ヶ月のものが使用され、冷蔵して保存され、ボトルは各使用後、窒素で層状に重ねられた。ポリピロール(PPY)フィルムが、水性の電解質溶液(対イオン)の存在下においてピロール・モノマーのアノード酸化により支持電極表面(ステンレス鋼ワイヤ)上に析出した。ポテンシオスタット/ガルバノスタット(モデル273、EG&G プリンストン・アプライド・リサーチ社)が電着に用いられた。ワイヤの最後15mmは、20分間0.8Vで電位静的にコーティングされた。ワイヤの端から15mmの位置へのシリコン隔壁の配置は、コーティング長さの正確なコントロールを可能にした。使用されたコーティング溶液は水中のピロール(0.1M)及び過塩素酸塩(0.1M)であり、毎日新しいものが用意された。コーティングは通るカスタム設計された50mLのフロースルー型ガラス・コンパートメントにおいて行われた。コーティング溶液は、各脱着の間(50mL/20min)1つの完全な溶液交換を可能にするため、継続的にコンパートメントへポンプで送込まれた。ステンレス鋼ワイヤはかみそりの刃で10.7cmの部分に切分けられ、コーティングされる端は、400グリットのシリコン・カーバイド研磨紙によってエッチングされた。ワイヤはその後酸化物又は他の汚染物質がワイヤ表面上に蓄積するのを防止することが必要となるまで、アセトン内において超音波で破壊された。使用直前に、ワイヤは水で簡単に流され、作業電極として取付けられた。対向電極は、直径約1.5cmのコイルの中へ形成されたプラチナ・ワイヤ(外径0.75mm)の約10cm部分から構成されている。ステンレス鋼ワイヤはこのコイルの中心においてコーティング溶液内へ入れられた。カロメル基準電極が使用された。ポリピロール・コーティングの厚さは10μm厚さ未満であると推定された。用意されたプローブはその後、抽出相をカバーするのに十分な緩衝剤が入ったガラス瓶に入れられ、滅菌のためにオートクレーブされた。
上記の通りに用意されたワイヤは一連のガラス瓶実験に特徴があった。ベンゾジアゼピン標準液(メタノール中1mg/mL)はCerilliant社(テキサス州、オースティン)から購入した。これらはサンプル調製及び機器較正で使用する様々な濃度の混合物を用意するために、メタノール中で希釈された。サンプルは緩衝剤、犬の血漿又は犬の血液から調整され、適当な量の関心のある検体に加えられた。装置は、一定期間、適当なポリプロピレン・サンプル・ガラス瓶に収納されたサンプル内に直接配置された。抽出後、プローブは流水で簡単に洗い流され、直ちに分析されるか又は分析前に乾かされた。薬物は、少なくとも24時間室内温度で乾燥した状態で保管された場合、抽出相において安定していた。
図20及び図21はこの方法によって達成される装置反応の2つの代案を示す。図20においてサンプル及び本来のポリピロールにコーティングされたワイヤの間に速い初期の平衡が見られる。より長い期間の後、追加的検体がポリマー膨張として抽出され、抽出のために追加的部位を曝す。
図21は、抽出前に膨張したポリマーを提供するために、ポリマーがメタノールと予め調整されたことを示す。その結果、図20中に見られる初期の遅延時間がなくなること及び、検体が膨張の間に曝された追加部位にアクセスするためにポリマーのバルク全体に広まる30分後に最大抽出により抽出された量の即時の増加が見られる。これは応答時間がより遅くなる替わりに感度が向上する。
図22は緩衝剤及び血漿からの生体外抽出較正の結果を示す。装置は遊離薬物のみを抽出し、また検査する薬物は蛋白質に陰極90%で結合しているため、検査される血漿濃度は緩衝剤よりも10倍高い。緩衝剤中、薬物の100%は遊離であり、蛋白質が存在しないため蛋白質に結合している薬物は0%である。血漿中、薬物の10%以下は遊離であると考えられる。図22は達成される直線飛程は、結合されていない薬物濃度に基づいて、緩衝剤及び血漿において同様であることを示す。この図はまたポリマー抽出が100−200ng/mLの遊離薬物を有する溶液中において最大容積に達することを示す。
抽出(生体内又は生体外における)後、装置上の化合物は少ない量(10−20μL)の脱着溶剤(この場合、メタノール75%)に脱着される。最大脱着は僅か20秒で示される。脱着溶剤の全て又は一部は分析用の分析機器に注入される。これは定型の注入口の位置がLC上にある専用注入インタフェース内でオンラインで達成されるか、又は小さい脱着チェインバー内でオフラインで達成され、その後市販のオートサンプラーによる脱着溶剤の標準注射器注入が行われる。
図12は血液凝固阻止剤で処理された全血液からの較正の結果を示す。この図は示された薬物(遊離及び結合したもの)全体の範囲以上の抽出における良好な直線性を示す。
図13は犬の血漿から100ng/mLで薬物を抽出した後に得られたクロマトグラムを示し、この方法により得られる良好なクロマトグラフィ・ピークの形状を示している。この場合、注入量は約11μLであり、上述の脱着溶剤が使用された。
図23から図26は、犬の薬物動態学的検査において上述のカテーテル・サンプリング方法により装置を使用した結果を示す。この場合、0:00にジアゼパムが犬に投与された。マルチプル・サンプリングは引続き12時間以上カテーテルから実行された。全血液中の外部較正から得た結果と比較すると、較正は図12に示されたものと同様であった。他に示されているのは、従来技術の説明において上述した従来のサンプル調製及び分析をして同期間の間における多数回の血液採取により得られた結果との比較である。これらの結果は、装置が上述の適用に便利であり、上述の方法が攻撃的な先行技術のサンプリング技術を使用した装置及び方法に良好に一致した結果を生むことを示す。
表1は、本発明に従って形成されたプローブのための緩衝剤及び全血液中において達成される検出の限界を示す。これらのデータから分かるように、装置及びこれを用いた方法は関心のある検体(この場合ジアゼパム、ノルジアゼパム、及びオキサゼパム)の非常に高感度な検出を可能にする。
MALDI分析
この実施例において、医療用エアロゾル・コンプレッサがマトリックス・スプレーとして使用され、10mg/mLのマトリックスDHB溶液がネビュライザ瓶内へ脱着された。検体検出後、ファイバーの先端はネビュライザ瓶の1.5cm上に配置され、コンプレッサを作動させることによりマトリックスDHB溶液の非常に微細な滴が形成され、ファイバーの先端に付着した。800μmファイバーはスプレー法を利用して0.05mg/mLのTOABサンプル溶液でテストされた。マトリックス適用のための時間はより低い検体濃度を考慮して、それぞれ45秒と30秒にセットされた。2回の3分間空気乾燥時間がマトリックスのスプレーの前後において適用された。
図27はこの分析からのIMSスペクトルを示す。検出の限界はS/N−2を有する0.02mg/mLであることが分かった。このレベルは、予め混合された方法を使用して400μmファイバーにより画定された先の0.2mg/mLよりも10分の1以下である。感度は劇的に増加した。この大改良はズプレー法と同様に表面積が大きいことによるものと考えられる。
上記の作業においてレーザー・パルスはファイバーの芯に射出された。上記のノイズの減少に伴う利点に加えて、これはサンプル表面にレーザーを慎重に配列する必要がないため、便利である。ファイバーそのものがこれを達成する。しかし、替わりの策として、レーザーが直接ファイバーの表面に向けられる従来のMALDI分析をより多く行うことは、まだ可能である。これはプローブが非光伝導ファイバーから構成されることを可能にし、プローブ及びレーザーを分析前に光学的に連結させる必要性がなくなる。
(実施例3)
ファイバー上及び針内における実験
マイクロ機械化された装置において、流動をコントロールすることは、ポンプや電気浸透流動手段を必要とするため、単純ではない。また、小さいチャンネル内で検体を混合することはかなり困難である。より効果的な方法は、サンプル処理を表面上又は表面に隣合う薄い層上において行うことである。この実施例において選択される構造は、ファイバーの外面である。又は、管状ファイバーの内面を使用することができる。本実施例は、小さい対象物から検体を採取するための便利なサンプリング方法を示すために、小さいファイバーを使用する。この作業において、蛍光検出を有するキャピラリ電気泳動がファイバーから抽出された検体の少量の検出を容易にするために用いられた。
化学薬品及び物質
4−フルオロ−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール(NBD−F)はフルカ(シグマ−オールドリッチ・カナダ社、オンタリオ州、オークヴィル)から購入した。Brij35(登録商標)及び全てのアミノ酸(グリシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−グルタミン酸塩、及びL−アスパラギン酸塩)はシグマ−オールドリッチ・カナダ社(カナダ、オンタリオ州、オークヴィル)から得た。ホウ酸ナトリウムはフィッシャー・サイエンティフィック(カナダ、オンタリオ州、ネピアン)から購入した。使用された全ての溶剤は、濾過されて脱ガス処理されているHPLC(高速液体クロマトグラフィー)グレードのものであり、全ての水溶サンプルは脱イオン処理された水(ナノピュア(NANOpure)、ウルトラピュア・ウォーター・システム)によって準備された。手動のSPMEアセンブリ及びカーボワックスにテンプレートされた樹脂(CW−TPR,50μm)でコーティングされた取替え可能な抽出ファイバーはスペルコ社(カナダ)から購入した。
機器
CEシステムへの高圧電源は、アメリカ合衆国、ニューヨーク州、プレインビューにあるスペルマン・ハイ・ボルテージ・エレクトロニクス社から購入した。CE分離キャピラリ及びシリカ・ファイバーは、アメリカ合衆国、アリゾナ州、フェニックスにあるポリミクロ・テクノロジー社から購入した。
レーザー誘起蛍光検出(LIF)の基本的な構成部材は、レーザー、焦点レンズ、対物レンズ、インターフェアレンス・フィルタ及び光電子増倍管である。アルゴンイオン(Ar+)レーザー(−5mW)が励起源であった。これは、488nm(その最大)の励起波長を提供した。顕微鏡対物レンズ(IOx)及インターフェアレンス・フィルタとしてのローパスフィルタ(530nm)はメレス・グリオット(カナダ、オンタリオ州、トロント)から購入した。光電子増倍管(PMT)及びこれの高電圧源を含んだソケットは、ハママツ(R928及びC6271、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、ブリッジウォーター)から購入した。デザインにおいて、間接的に信号を強化するために光学チョッパー及びロック・イン・アンプリファイヤーが使用された。光学チョッパー(SR−540)及びロック・イン・アンプリファイヤー(SR−510)はスタンフォード・リサーチ・システムズ(アメリカ合衆国、カリフォルニア州、サニーヴェール)から購入した。ロック・イン・アンプリファイヤーからのアナログ出力信号は、20Hzで記録され、その後アナログ信号をデジタル化するプラグ・イン・データ取得カード(Star4.5,バリアン)によって読込まれた。
CEシステム・セットアップ
CEシステムは、高圧電源及び45cm(内径75μm及び外径385μm)の効果的な長さを有する分離キャピラリから構成されていた。流れている緩衝剤は、20mM(ミリモル)のホウ酸ナトリウム、10mMのBrij35(登録商標)、及び2.5%のメタノールであった。キャピラリは、0.1Mの水酸化ナトリウム(NaOH)、水及び流れている緩衝剤でそれぞれ15分間調整された。作動の間に、キャピラリは0.1MNaOHで4分間再調整され、続いて流れている緩衝剤で2分間再調整された。作動電圧は12kVであった。射出は、キャピラリ・インレットを5秒間5cm上げることにより、流体力学的に行われた。
溶液中の誘導体化反応
反応溶液は、10μlの各アミノ酸(水中0.01mM)、10μlの1mg/mlのNBD−F及び60μlの10mMホウ酸塩緩衝剤をpH8で混合することにより準備された。この混合物を30秒間攪拌し、60℃の水槽に様々な期間(2,5,10,30及び60分)保持された。反応溶液は流れる緩衝剤によって800μlの最終的容量に希釈され、分析を待つ間アイス・バス内で保存された。
ファイバー上の誘導体化反応
ファイバーはまず最初にエタノールに浸すことにより洗浄された。これはその後、1000rpmの磁気攪拌を使用して15分間、NBD−F(エタノール中2−3mg/ml)が入ったバイアル瓶に浸された。その後、ファイバーはホウ酸ナトリウム緩衝剤(50mM、pH6.0)内の200μlのアミノ酸(0.1mM)を含む1−mlのテフロン遠心機管へ送り込まれ、サンプルに20分間浸される。1mlのトリエチルアミン(TEA)を含む4−mlのアンバー・バイアル瓶は、60℃の水槽内で保持された。このバイアル瓶のヘッドスペースは基本的だった。抽出された検体を有するファイバーがそれに曝された際、誘導体反応がおこった(15分)。
(ファイバー/CEによる全ブドウ・サンプリング:インタフェース及びオフ−分離管脱着)
オフ−分離管脱着を有するファイバー/CEインタフェースは既に説明した。脱着溶剤(2μl)はSPMEファイバー・コーティングの表面に配置された。この小さな溶滴はファイバー・コーティングの表面周辺で手動で転がした。最後にこの溶滴は石英管の一部分の上に配置され、キャピラリ・インレットが取付けられている管の他端にすべり落ちた。キャピラリ・インレットは約2秒間この溶滴に接触した。この石英管が緩衝剤バイアル瓶の10cm上に配置されていたことから、溶液は流体力学的に注入された。キャピラリ電気泳動は、その後開始された。この種のインタフェースには、スペルコ社が市販しているカーボワックス/TPR SPMEファイバーが使用された。
ファイバー/CEインタフェース:オン−分離管脱着
オンー分離管脱着は、ファイバー/CEインタフェースの欄で既に説明した。SPMEマイクロ・ファイバーは、2cmの長さのシリカ・キャピラリ(直径100μm)をポリイミドにコーティングされた10cmのシリカ・ファイバー(内径100μm×外径365μm)にエポキシ糊を使用して接着させることにより作られた。ユニットは一晩空気乾燥させた。マイクロ・ファイバーはさらに50%のHF(フッ化水素)を使用して、直径約50μmにエッチングした。これらのファイバーは最後にステンレス鋼管に収納され、カーボワックスでコーティングするために、ペンシルバニア州、ベルフォンテにあるレステック社に送られた。
結果及び考察:アミノ酸誘導体の分離
Brij35(登録商標)の臨界ミセル濃度(CMC)は0.9mMである。これらの実験において使用されたCE流動緩衝剤は、10mMのBrij35(登録商標)を含んでいた。Brij35(登録商標)は分離分解を改善するためにミセルを形成するだけでなく、アミノ酸誘導体の蛍光強度をも強化する。いくつかの研究において、Brij35(登録商標)は少なくとも3度にわたってこのような誘導体の蛍光信号を強化することを示した流動緩衝剤内のメタノール(2.5%)は、有機修飾剤として機能した。これは溶質の溶解度の増加を助け、移動時間窓を拡大した。その結果より良好な分解度が達成された。これらの状況下において、5つのアミノ酸誘導体(フェニルアラニン、プロリン、グリシン、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸)の混合物が20分内で分析された。
アミノ酸のファイバー上の誘導体化反応
NBD−Fを有するアミノ酸のファイバー上誘導体化はまず始めに上述のファイバー/HPLC/蛍光検出システムに設置された。ファイバー上誘導体化及びCE/LIF検出システムは、実験の欄で説明した。アミノ酸誘導体の分離は確認された。NBD−Fは温和で基本的な状況下においてアミン及び求核基に反応する。sp−aの観測されたピークはNBD−F及びTEAの反応の副生成物を示した。観測されたsp−bのピークは、水溶緩衝剤成分及びサンプル・マトリックスを有するNBD−Fの反応の副生成物を示すものである。NBD−OHは水溶液を有するNBD−Fの反応において形成される主な副生成物である。グリシン誘導体は1つの副生成物ピークであるsp−bで相互溶離されたため、グリシンはこれらの状況下で分析されることが不可能であった。グリシンは、6分47秒(RSD(相対標準偏差)=1.37%)の平均移行時間を有する。同様の手順を使用して、ファイバー/CE/LIF検出システムがアミノ酸分析に使用された。この検査において、オフ・分離管脱着を有するファイバー/CEが使用された。
(全ブドウ・サンプリング:オフ−分離管脱着ファイバー/CEインタフェース)
この技術のCE/LIF検出システムに結合されたファイバー上誘導体化を使用した小さい生対象物への直接分析への適用を例証するために、全ブドウがサンプNBD−Fにドーピングされたファイバーを使用した場合、サンプリング手順及び誘導体化反応はそれぞれ20秒間及び20分間かかった。緑のブドウ(G)及び赤の種なしブドウ(R)を用いたこの方法から出た結果の電気泳動図は、緑のブドウサンプルにおいて7分5秒でグルタミン誘導体が発見され、赤の種なしブドウサンプルにおいては7分1秒で発見されたことを示している。これらの移行時間は、標準物質のL−グルタミン酸塩の7分4秒と一致した。ファイバー/CE実験において、ほとんどのピークは、フェニルアラニン及びプロリン誘導体が飽和信号に隠されるように飽和した。サンプル中のアミノ酸のさらなる識別のため、ブドウから採取された汁を分析した。ブドウ汁サンプル中で、グルタミン酸の形でグルタミン酸塩も発見された。
オン−分離管脱着ファイバー/CEインタフェース
オフ−分離管脱着において、カーボワックス/TPRコーティングを有するファイバーがサンプリングに使用され、一方、オン−分離管脱着には、より薄いコーティングを有するマイクロ・ファイバーが使用された。これらのマイクロ・ファイバーは75−50μmの直径を有していたため、より小さな生対象物のサンプルを採取するために用いることができた。これらのマイクロ・ファイバーはカーボワックスでコーティングされた。ファイバーを視覚化するために電子顕微鏡検査が用いられ、ファイバー・コーティングは約10nmであることが分かった。
これらのファイバーをCE/LIF検査システムに連結したファイバー上ラベリング反応に使用する実施可能性が試験された。まず第一に、無色のNBD−F溶液がファイバー及び脱着されたオン−分離管により抽出された。NBD−Fのドーピングは成功した。アミノ酸標準液のサンプリング及びTEAヘッドスペースでの反応後、1つの生成物も検出されなかった。
(実施例4)
較正化合物がロードされたファイバーを使用した機器及び方法較正
本発明の主な利点は、抽出された成分を、ガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、超臨界流体クロマトグラフィ、キャピラリ電気泳動、マイクロ−チャンネル装置等の分析機器へ非常に便利に導入することができ、また質量分析計や検出機器にも直接導入することが可能であるということである。この特色はさらに分析機器に較正標準液を送るために探査されることができる。現在、標準液は適当な較正化合物を含む溶剤混合物を注入することにより機器に送られている。しかし溶剤の存在はしばしば較正工程の妨げのなる。従って、較正工程からの溶剤の排除は使用者にとって利点となる。これは標準液をロードしたファイバーを適当な機器に脱着することにより達成することができる。
ファイバーへのローディングは吸着剤がコーティングされたファイバー(抽出相がコーティングされた)ファイバーを標準液の供給源に曝すことにより達成することができる。標準液はそれからファイバー・コーティング上に吸着される。他の方法は、化学反応を経て化学標準液をファイバーに固定させ、その後温度、光、化学ポテンシャル、移動相が増加した状況下において機器に放出されることである。第二の方法は検量体の安定性を保証するが、この実施例が例証するように、第一の方法もまた非常に効果的である。
2つの較正法が使用された。第一の方法は固体吸着剤がコーティングされたファイバーを使用した。方法の1つは、較正化合物をSPMEファイバーを利用して分析機器へ送ることである。標準液はまず最初に強力な吸着剤を使用して標準液混合物から抽出され、続いて標準液がコーティングされたファイバーの較正を必要とする分析機器への導入が行われる。この方法において、液体射出が避けられるため、トレースVOC(揮発性成分)の測定に対する溶剤の干渉が排除される。75μmのcarboxen(登録商標)/ポリジメチルシロキサン(CX/PDMS)ファイバー/コーティングが使用された際、メタノール、アセトン、ジクロロメタン及びクロロホルム等の非常に揮発性のある化合物に順調な較正・カーブが得られた。標準ガス又はVOCs(揮発性有機化合物)のガス混合物がガス・チェインバーに結合されたNISTトレース可能保障浸透管を使用するか又はマイクロ波に支持された蒸着により用意された。「順次進行」はファイバーのオン−サイト較正のこの作業の間に開発された第二較正法への方法である。この方法においてCX/PDMSでコーティングされたファイバーには標準液がロードされ、続いて調査システムに曝され、その後分析のためにGCシステムに導入された。検体の蓄積時間は標準液のものと同一又は異なって設定することが可能であり、また検体の反応ファクタはそれに応じて調整可能である。BTEX(ベンゼン・トルエン・エチルベンゼン・キシレン)の反応ファクタの再現性は、段階的工程により得られた。
ガソリンスタンド・エア内のBTEXの定量分析におけるこの方法を使用することにより満足な結果が得られた。段階的工程を経た標準液の導入はこの技術を分野適用においてさらに有用にする。この方法は、いくつかの点において標準液追加、また外部較正にも類似している。これは漏れ、汚染及び分析機器に導入するために標準液をファイバーにロードする時間のロスを検出するために使用することができる。
標準ガス及び混合ガスの調整法
現在まで、標準ガスの調整のためのいくつかの方法が開発されてきた。この作業において必要な標準ガス又は混合ガスを調整するために2つの方法が使用された。
NIST浸透管を使用したBTEXの混合ガスの調整法
BTEX(ベネゼン、トルエン、エチルベネゼン、p−キシレン及びo−キシレン)の標準混合ガスはNIST(National Bureau of Standards)のトレース可能保障浸透管(テキサス州、ラ・マルク、Kin−Tech研究所)及び我々の研究所内にあるガス・チェインバーにより生成された。これは、標準ガス(又は混合ガス)の一定濃度を得ることができるフロー・スルーシステムであった。温度は50度に、気流量は毎分300mlに設定された。混合ガスはガスチェインバーからサンプルを採取する。
VOCsの標準ガスのマイクロ波支持生成
家庭用電子レンジ(1000W、MW5490W型、サムスン社、韓国製)及び1−Lガス・サンプリング・バルブ(ペンシルバニア州、ベルフォント、スペルコ社)が標準ガス及び異なった濃度を有する調査済VOCsの混合ガスを調整するために使用された。ガラス・バルブの内壁はシラン処理により不活性化され、バルブは使用前に窒素を流すことにより洗浄された。BTEX、1,3−ジクロロベンゼン、1,1,2−トリエタン及びテトラクロロエチレンの標準ガス又は混合ガスの調整においてガラスウールの純粋な一片(約10mg)をバルブのサンプリング・ポートの内部にその都度セットし、脱イオン化した水(15μL)で湿らせた。水は、マイクロ波源を吸収し、その後マイクロ波の吸収に劣る化合物の蒸着を促進するために使用した。標準ガスの調整において、アセトン、メタノール、ジクロロメタン及びクロロホルムが必要であったが、ガラス・ウール及び水は全く必要ではなかった。ガラス・バルブのポートは、表面がテフロンのシリコン・ゴムの隔壁でシールされ、この隔壁を通って標的化合物(又はいくつかの化合物の混合物)の特定の容積がグラスウール上に注入された。最後に、バルブをマイクロ波放射を受けるために90秒間電子レンジ内に配置した。マイクロ波出力は常に最大力レベルに設定された。スペルコ・バルブを室内温度まで冷やした後、隔壁が配置されているバルブのサンプリング・ポートを通して、標準ガス分析が行われた。
装置及び段階的工程
使用したファイバー・コーティング及び従来のサンプラーは、スペルコ社(ペンシルバニア州、ベルフォンテ)より提供された。コーティングは、75μmのCarboxen(登録商標)/ポリジメチルシロキサン(CX/PDMS)、85μmのポリアクリレート(PA)、100μmのポリジメチルシロキサン(PDMS)及び65μmのポリジメチルシロキサン/ジビニルベンゼン(PDMS/DVB)が使用された。
段階的工程は次のように行われた。まず第一に、ファイバーをバルブ内のテトラクロロエチレン標準ガスに曝し、その後2分間の抽出の後、ファイバーを針内に引っ込め、サーモグリーン隔壁(LB−2、スペルコ社)を使用して、針の先端をシールした。フィールド・SPMEサンプラーを使用する際、別個のシーリング隔壁は必要ない。テトラクロロエチレンがロードされたファイバーをその後チェインバー内のBTEX標準ガス又は実際のエア・サンプルに数分間曝した。最後に、ファイバーを標準液及び検体を同時に脱着するためにGCインジェクタに送った。
検体のGC−FID分析
水素炎イオン化検出器(FID)を具えたバリアン・モデル3500GCをサンプル分析に使用した。スペルコ社(ペンシルバニア州、ベルフォンテ)のSPB−5キャピラリ分離管(30m×0.25mm×1μm)を使用し、キャリアガスとして平方インチあたり30ポンドの水素を使用した。分離管は次のようにプログラムした。始めは35℃で1分間保持、1分間に10℃の割合で135℃に上昇させ、1分間保持した。検出器は280℃で保たれた。PA、PDMS及びPDMS/DVBファイバーにおいては、インジェクタは250℃でコントロールされ、脱着時間は1分間であった一方、CX/PDMSファイバーは300℃で2分間脱着された。
(標準液の注射器射出及び標準液がロードされたファイバーによるGCシステムへのVOCs標準液の導入の比較)
アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン及びメタノール等のいくつかの非常に揮発性の高い化合物が検査に使用するために選ばれた。標準液は溶剤としてメタノールが使用され、各化合物に対するアセトン、ジクロロメタン及びクロロホルムの濃度は10μg/mlであった。GCシステムに0.1μlの標準液を注入することにより得られたGC−FIDクロマトグラムは、溶剤ピークが他の化合物のピークに比べて大きすぎるため良好に分離できないことを示し、故にこれらのトレース成分を正確に判定するのを困難にした。
一方、標準液がロードされたファイバーをGCシステムに注入することによって得られたクロマトグラムにおいては大きな溶剤ピークは示されず、従ってVOCsの理想的な分離及び識別が達成された。標準ガス混合物の分析は75μmのCX/PDMSファイバーを使用して3分間行われ、標準ガス混合物中のアセトン、クロロホルム、ジクロロメタン及びメタノールの濃度は各化合物に対して50.5μg/Lであった。溶剤射出を避けることにより、微量のVOC標準液やかなり短い保持時間を有する非常に揮発性の高い化合物であっても満足なクロマトグラムを得ることが容易になった。
また、トレース分析の定量化範囲に一致するために非常に小さい容積(<<0.1μl)の液体標準液をGCシステムに正確に注入することは困難であるため、多量の溶剤の導入を避けるために、個々のVOCの純液又はVOCsの混合液体をGCシステムに直接注入することにより較正カーブを得ることは困難である。
(いくつかのVOCsのGC分析においてこの技術により得られた較正カーブ)
2つの異なるグループのVOCsの標準ガス混合物を抽出するために2つの異なるファイバーが使用された。アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン及びメタノールを含む非常に揮発性の高い化合物は、上述したようにVOCsに対して高い親和力を有する75μmのCX/PDMSファイバーを用いて抽出された。BTEXは、100μmのPDMSファイバーを用いて抽出された。PDMSファイバーは標的化合物を吸収により抽出する一方、CX/PDMSファイバーは吸着により抽出することが知られている。VOCs標準液をファイバーを用いてGCシステムに導入することにより、上述のVOCs分析におけるSPME−GC−FIDの濃度反応関係に関する満足な較正カーブが得られ、図2に図示された。関連する較正の方程式を以下に示す。
メタノール:A = 767.69 C+ 3564,R = 0.9937 (1−a)
アセトン:A = 3234.8C +22693, R2 = 0.9952 (1−b)
ジクロロメタン:A = 1004.6C + 7271. 5, R2=0. 9965 (1−c)
クロロホルム:A = 980.46 C + 719.5,R2 = 0.9993 (1−d)
ベンゼン:A = 106.18 C-1069.5, R2=0. 995 (2−a)
トルエン:A = 326.42 C-4320.8,R = 0.9993 (2−b)
エチルベンゼン:A = 711. 53 C-6136.8, R2=0. 9958 (2−c)
p−キシレン:A = 868.43 C-10704,R2 = 0.9994 (2−d)
o−キシレン:A = 995.98 C-9588.1,R2 = 0.9972 (2−e)
ここに、Aはクロマトグラフィのピーク面積(計数)であり、CはVOCs標準ガスの濃度(g/L)である。
実験結果は調査済ファイバーが較正カーブを得るための溶剤の注入なしにVOCs標準液をGCシステムに導入するのに効果的であり、ファイバーGCがVOCsの定量分析、また非常に揮発性の高い化合物の定量分析において高い実行可能性のある方法であることを示した。
またさらに、SPMEファイバーを用いて標準液を導入することにより、VOCsのGC分析における「質量:反応」較正カーブを確定することが可能である。吸収タイプのファイバーが抽出検体に使用された場合、方程式3−aによると、サンプル中の原基検体濃度(Co)とファイバーから平衡に抽出された検体の量(n)の間には直接的関係がある。
Figure 0004381820
ここに、Kfはファイバー/サンプル分配計数であり、Vfはファイバーコーティングの容積、Vsはサンプル容積である。吸着タイプのSPME法においては、ファイバーにより平衡に抽出された検体Aの量(n)はまた、飽和吸着に達する前のサンプル中の原基検体濃度(CoA)の増加に伴って多くなる。
Figure 0004381820
ここに、KAは検体の吸着平衡定数であり、CfAは安定した状態にあるファイバー上の検体Aの濃度であり、Cfmaxは表面上における活性サイトの濃度(表面上における最大の達成可能な検体濃度に一致する)であり、Vs及びVfはそれぞれサンプル及びファイバー・コーティングの容積である。
(コーティングをゼロ・エアに曝した後の抽出相コーティング上のVOCsの安定性)
サンプル中に存在する検体は、吸収又は吸着によりサンプルから標的化合物をコーティングへ集めるか、又は濃縮する。しかし、他の抽出方法と同様に、濃縮はコーティング相から抽出された化合物を解放するという反対の工程が続く。従って、若干のVOCsがロードされたコーティングを純粋な空気に曝した場合、抽出物の一部は空気中に移動し、その後、その抽出物はコーティング及び空気相の間において平衡分布に達する傾向がある。コーティング相からの抽出物の解放は主に化合物及びコーティングの性質、環境温度、コーティング相、サンプル中及び環境における化合物濃度の差等の要因に左右される。85μmのPA、100μmのPDMS及び65μmのPDMAS/DVBコーティング上のいくつかのVOCs(BTEXが含まれる)の残留物は、コーティングを1分間室内温度でゼロ・エアに曝した後、0から91.5%の範囲にわたることが表2において示された。しかし、75μmのCX/PDMSコーティングは、同じ状況下において6分間ゼロ・エアに曝した場合においても、89.9%から97.2%ほどの抽出物を蓄積することができた。実際に、曝す時間が4分間以内に制御されている場合、75μmのCX/PDMSコーティング上における殆どの抽出物に明らかな損失は発見されなかった。従って、CX/PDMSコーティングを用いた段階的工程を実行することは可能となり、すなわち、このコーティングは第一段階において化合物を抽出するのに使用され、その後、先に抽出された化合物がコーティングにまだ残留している間、他の化合物を抽出するために移動される。
段階的工程を使用したBTEX分析の内部標準液の選択
1,3−ジクロロベンゼン、1,1,2−トリエタン及びテトラクロロエチレンがテストされ、75μmのCX/PDMSが使用された場合にそれぞれBTEX分析の内部標準液として使用された。CX/PDMSはこれらの化合物に対して強い親和力を有しており、CX/PDMSコーティング上におけるこれらの蓄積はBTEXのものに近かった。これらのクロマトグラフィの作用を考慮すると、テトラクロロエチレンが、BTEXから良好に分離され、またこのピークがクロマトグラムの中心部に位置することから、BTEX分析の最良の内部標準液である。さらなる検査は、特定の状況下でファイバーへテトラクロロエチレンをロードすることがBTEXに影響を与えず、BTEXもまたファイバー上のテトラクロロエチレンの蓄積に影響を与えないことを示した。BTEX分析の内部標準液としてのテトラクロロエチレンは、そのバックグラウンドが通常石油のような主なBTEX源に存在しないというもう1つの利点を有する。しかし、テトラクロロエチレンには欠点もある。これはハロゲン化された化合物であり、これに対するGC−FID反応はBTEXほど感度は高くない。テトラクロロエチレンの測定感度に関する問題点は、MSD(質量分析検出器)又はFPD(炎光光度検出器)等の選択的検出器を使用することにより解決することができる。
(テトラクロロエチレンが内部標準液として使用された場合のBTEXの反応ファクタ)
クロマトグラフ分析において、反応ファクタ(F)は以下の式で定められる。
Figure 0004381820
ここに、Ax及びAsは検体X及び内部標準液のピーク面積であり、Cx及びCsはこれらが混合された後の検体X及び標準液の濃度である。テトラクロロエチレンを上述の段階的工程を追ってBTEX分析の内部標準液として使用する場合、標準液は検体がSPMEファイバー上に抽出される前に検体と混ぜられない。このような場合、Csは標準ガスのテトラクロロエチレンの濃度を表し、Cxはサンプル中の各BTEXの濃度を表す。
BTEXの順次進行のGC/FID分析において、反応ファクタが測定された。BTEXの時間は2分間であり、これは標準液のものと同等であった。反応ファクタは2回繰返したテスト中ほとんど全ての場合において、大いに一致したことが分かる。これによって、CX/PDMSコーティングが使用された場合、段階的工程は実行可能であり、またBTEXのGC分析の内部標準液を導入するための実用的方法であると考えられる。
段階的工程における抽出時間の反応ファクタへの影響
上述の反応ファクタは各BTEXのGC/FID測定の感度に関するだけではなく、これらのSPME効率にも左右されることに注意しなければならない。標準液及びBTEXは段階的工程の間に同時に抽出されたのではないことから、BTEXの時間は標準液のものと同等又は異なるようにコントロールすることができる。当然、時間のコントロールは反応ファクタに多大な影響を与える。これは内部標準液を使用するための従来の方法と区別すべく、順次工程の特別な特色の1つである。従来の方法においては、検体と内部標準液の抽出は同時に行われている。反応ファクタは、テトラクロロエチレン(標準液)のSPME時間が一定に2分間にコントロールされている場合において、BTEXのSPME時間と1分間から5分間の範囲内において線状に変化したことが判明した。得られた線形方程式は以下のとおりである。
ベンゼン:F= 4. 265t +1.301,Ruz = 0.9979 (5−a)
トルエン:F= 5. 776t + 0.402,R2 = 0.9981 (5−b)
エチルベンゼン:F = 4. 663t-0.031,ruz = 0.9996 (5−c)
p−キシレン:F = 4. 623t-0. 247,R2 = 0.9993 (5−d)
o−キシレン:F = 4. 767t-0. 703,R2 = 0.9963 (5−e)
ここに、Fは反応ファクタであり、tはBTEXの単位を分とする時間である。
標準液及び検体の両方の濃度は、内部標準液が使用された際、直線飛程内にあった。GC−FIDは、非常に広い飛程内においてVOCsに対して直線反応を有することが知られており、CX/PDMSコーティングの発明工程においてもまた同じである。抽出時間によって変化するBTEXの反応ファクタの優れた直線性はまた直線飛程内に検査される化合物の濃度が位置することに反映される。
ガソリンスタンドの空気中におけるBTEXのフィールド適用分析
我々の研究室から徒歩5分のところにあるガソリンスタンドから、75μmのCX/PDMSコーティングを有する自家製のフィールド・サンプラーを使ってVOCs(BTEXが関心であった)のサンプルを採取した。サンプリングが行われたこの日は晴天であり、温度は約24度であった。テトラクロロエチレン(8.1μg/L)の標準ガスが入ったガラス・バルブがフィールドに運ばれ、BTEXの前にテトラクロロエチレンの分析が行われた。標準液のサンプリング時間は2分間、ガソリンスタンドの空気のサンプリング時間は4分間であった。サンプリング終了直後、サンプラーは研究室に運ばれ、その後ファイバーは直ちにGC−FIDに導入された。各BTEXの識別は、保持時間及び5973MSDを具えたヒューレット・パッカード6890GC(アメリカ合衆国、アジレント・テクノロジー社)を用いたGC−MS分析法に基づいて行われた。テトラクロロエチレンは、ガソリンスタンドの空気そのもののからは発見されなかった。抽出物の他の化合物からの標準液及びBTEXの分離は非常に良好であり、ただ1つのピークが、精選のクロマトグラフィの状態下において互いから分離できなかったm−キシレン及びp−キシレンを含むことがあった。最後に得られたピーク面積(As及びAx)、標準液濃度(Cs)及び5−aから5−eの方程式から得た反応ファクタ(F)を使用して、空気中のBTEXの濃度が方程式4により算出された。
結論
空気中においてVOCsのGC分析の較正・カーブを得るために、ファイバーはVOCs標準液をGCシステムに溶剤射出なく導入するために効率よく使用された。発明の技術に溶剤射出を避けたことは、微量のVOC標準液及び非常に短い保持時間を有する非常に揮発性の高い化合物の場合においても、満足なクロマトグラムを得るのを容易にした。さらに順次進行方法がフィールド適用におえるBTEXのGC分析の内部標準液を導入するために開発された。CX/PDMSは、そのVOCsに対する非常に強い親和力により、この方法に適した唯一のコーティングであると証明された。テトラクロロエチレンは、GC分析のBTEXの保持時間と比較して正確な保持時間を有し、CX/PDMSコーティング上においてBTEXと同様の作用をし、環境内における主なBTEX汚染源の非常に低いバックグラウンドを有することなどの理由から、内部標準液に選ばれた。開発された方法を使用すると、分析結果はサンプルに標準材を加える必要性なくキャリブレートされ、故にフィールド適用において発明の装置を用いて行う方法をさらに有利にする。しかし、標準液はサンプル及び標準液の検体に直接加えられず、検体は順次進行に行われることから、この方法はBTEX分析上のエア・マトリックスの影響の較正の必要性に応じない。この方法はまた、結果として検体及び標準液の損失を生じる漏れ等のフィールド装置内におけるファイバーの蓄積に関する問題点を検出するのに適している。技術のさらなる開発は認定された標準液の製造を容易にする化合物の化学固定化を含むことができる。
挿入により調整された非均一チャンネル内の電気泳動
異なる断面を有する2つの部分から構成されるキャピラリ内での検体の電気泳動作用が検査された。分離経路の調整は異なる深さにおいて円筒状のファイバーをキャピラリに挿入することにより成された。下部断面の端及び適当な帯域においてロードされたサンプルは、示されたように、キャピラリの2つの部分における電界強度割合によって広いキャピラリ部分において空間的に狭くなっている。また、低伝導のサンプル緩衝剤はさらなる信号の狭量を高め、エレクトロインジェクションによりキャピラリに導入された全プローブの量を増加する。この濃縮技術の適用は、分離又は例えば、UVビジブル、蛍光、電気化学、NMR又は質量分析検出を使用した直接検出の前に、脱着後、SPMEファイバーから電気泳動的分離へ焦点を合わせることを含む。また、緩衝剤中に存在する検体に焦点を合わせることは、分離又は直接検出の前に異なる形状のインサートを挿入することにより可能である。インサートのチャンネルへの周期的な挿入は検体の濃度を調整し、これは分離チャンネルに連結しているシステムの分離及びモニタリングを容易にする。調整インプットはランダムであってよく、信号はそれから交差相関等の複合データ処理技術により分析することができる。チャンネルの直径の調整はまた外圧又は電気パルスを適用することにより成され、これはまた結果としてインサートがチャンネルに入ったり出たりする移動の必要性なく焦点を合わせることができるようにする。後述する結果は、チャンネル断面の直径が2つのチャンネルが出会う場所において実質的に増加することから、焦点調節は、チャンネルを横切った位置でおこることを示す。これは第2チャンネルにおける分離の前又は第2チャンネル内での第2次元分離の前に2つのチャンネルの間のインタフェースにおける焦点調整を第1チャンネル内での分離の後におこなう場合の2つの次元分離の前に検体の濃縮を容易にするために効果的に使用される。
概論
電気泳動の分離チャンネルの非定的な型は、関係するプロセスに重要な役割を果たすいくつかのパラメーター(電界強度、温度、pH)の分散を提供する方法である。適当なスムーズ機能を得るためスムーズ型の変化が必要である。電気泳動カメラの断面を変えることにより、電場勾配が得られ、この勾配はいわゆる勾配焦点技術に使用される他の力と合わせて使用するか又はそれ自体で電流密度の減少を提供し、チェインバーのデザインは十分な温度差を作りだすのに適当である。後の効果は内部ジュール加熱によって生じる熱勾配のIEFにおいて使用された。
各パーツがそれぞれ不変の型であるいくつかの異なるパーツからなる分離チャンネルはむしろサンプル導入、検出、マイクロ配列等における複数段階分析開発に使用される。本文中に説明した結果はまた、サンプル適用工程が分離キャピラリに長い物(例えば、マイクロファイバー)を挿入することと関連している方法論にとって重要である。
実験用装置
UV吸光度の全分離管画像検出(WCID)は、iCE280のCIEF機器(コンバージェント・バイオサイエンス社、カナダ、トロント)内において280nmの固定した波長で行われた。100μmのIDを有し、内部をフルオロカーボン(カリフォルニア州、フォルサム、J&Wサイエンティフィック社)でコーティングされた短い溶融石英キャピラリはカートリッジ型(コンバージェント・バイオサイエンス社)内に集められた。キャピラリ検査、サンプル注入、データ収集及び処理の全てのプロセスは、パーソナルコンピュータにより行われ、また電気泳動図はアノードへの距離に対する吸光度として記録された。
物質及び化学薬品
50及び61.5μmの芯を有する光ファイバー(FHP050055065及びFVP60072082)はポリマーイクロ・テクノロジー社(アリゾナ州、フェニックス)から購入した。pIマーカー及び緩衝剤化学薬品はバイオ・ラッド社から得られた。水はウルトラピュア・ウォーター・システム(バーンステッド/サーモライン社、アイオワ州、デュビュク)を使用して浄水され、全ての溶液に使用された。
工程
ファイバーが異なる間隔でキャピラリ内に挿入され、キャピラリは流れる緩衝剤(バイオ・ラッド社製のPhosgate5−100mM)で満たされた。その後サンプルは、第1キャピラリ部分(挿入されたマイクロファイバーを含む)の完全な補充を成すために特別に決められた射出時間、動電学的に射出された。その後、電極リザーバは洗浄され、所望の緩衝剤が配置され、電気泳動的行程が実行された。
結果及び考察
初期ゾーンの幅はCZE(キャピラリーゾーン電気泳動)において重要な事柄である。サンプル濃度が高感度検出を提供するには不十分である場合、多数のオンライン予備濃縮が呈される。この最も単純な電気泳動に基づいた技術は、特別な伝導性プロファイルの作成と関係があり、濃縮メカニズムは異なるが(例えば、CE又はITP(等速電気泳動)に基づくもの)サンプルゾーンの位置においてより高い電界強度値を成すことを可能にする。電界強化の同様の効果は順次進行の断面変化により得ることができる。
これらの実験において、円筒状のマイクロファイバーを挿入することにより、分離チャンネルの断面は調整された。サンプルは500ボルトで動電学的に注入され、電圧パルスの所要時間はキャピラリの第1部分を完全に満たすようにコントロールされた。
初期起動ゾーンは、(キャピラリの半分ほどが容積がないことを考慮すると)むしろ幅広かった。その後、断面差から始まる予想可能な割合で、効率的に圧縮された。2つの同軸シリンダの場合、断面割合(R=S2/S1)はR=D2/(D2−d2)であり、このときDはキャピラリの直径であり、dは挿入されたマイクロファイバーの直径である。一定の伝導性の仮定をもとに、狭い部分(E1/E2)における電界増加はS2/S1により測定され、初期ゾーンの長さはほぼ同じ割合で狭くなるはずである。
観測された効果は、サンプル予備濃縮に従来使用された方法と組合されることができる。低い伝導性緩衝剤を使用することで、ピーク幅の変化はより明白ではなかったが、導入されたプラグ内における主な濃縮サンプル増加を達成することを可能にした。
上記のこの効果は、サンプルゾーンの容積が一定に保たれなければならず、またサンプルプラグが狭くなるのはその形の変化によるものであるため、導入されたプローブ内においてこれ自体では濃度増加は全くもたらさない。しかし、この単純で明らかに見られる効果は、第一に、必要に応じて「初期幅」ゾーンから分離を開始するために、多数の重要な適用を提供する。例えば、発明の技術を使って作業する場合、キャピラリにマイクロファイバーを挿入し、かなり広い起動ゾーンを得て、電界適用により起動ゾーンはマイクロファイバーの端において効果的に狭くされることができる。後の効果は当然ながら挿入されたマイクロファイバーの相対的サイズに左右され、高ゾーンを狭くするためには(D−d)差は十分小さくなければならない。
固相マイクロ抽出及び蛍光ラベル検体の分離チャンネルへの脱着が観測された。プロセスは蛍光全分離管画像検出によりモニタされる。励起光はファイバーを利用して分離チャンネルに送られる。この作業は、LIF画像検出を使用してCEにインタフェースを連結する場合におこる積重プロセスを示している。蛍光強度の強化に基づいて、濃縮効率は10倍ほど高くまで近くなることができる。インタフェースの形状のさらなる最適化及び分離キャピラリ及びファイバーの大きさ、緩衝剤の濃度及び適用された電圧等の実験の条件によって、より高い濃縮効率が期待される。このようなインタフェースにより生成される積重効果は分離効率及びCE分離の検出感度に有利である。
本発明の上記実施例は、単なる例であるものと意図されている。特定の実施例の改造、修正及び変形は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によりなされ得るものであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定められるものである。
本発明の実施例の装置デザインの全体概略図。 静脈中に正確に装置を配置するため、医療カテーテルを使用している状態を示す図。 ポリピロール重合反応を示す概略図。 複数のコーティングされたファイバーを有するカテーテルの概略図。 軟部組織サンプリングのハウジング及び装置の概略図。 軟部組織サンプリングのハウジング及び装置の操作を示す図。 x−y−zステージを有するサンプリングに装置を配置するために、軟部組織サンプリング・ハウジングを使用している状態を示す概略図。 カテーテル配置装置を有し、内側の側面がコーティングされている中空ファイバーを有する、本発明の実施例の装置を示す図。 一端が柔軟な抽出相でシールされている中空ファイバーを有する、本発明の実施例の装置を示す図。 ポリピロールのみを有するファイバーからのジアゼパム抽出物とポリピロール中に閉じ込められた反ジアゼパム抗体を比較したクロマトグラムを示すグラフ。 表面に固定した反ジアゼパム抗体を使用した、ジアゼパム抜粋抽出を示す図。 装置反応を較正するために用いる全ての血液中の較正を示すグラフ。 血漿から装置抽出物のLC/MSによる定量化をした後に得たクロマトグラフ例を示すグラフ。 ファイバーを保持しているカートリッジを示す図。 並行抽出のためのバッチ法及び、レーザー源及びファイバー吸着端の両方にある配置装置を使った、複数のMALDI吸着を示す概略図。 ナノスプレー噴射器及びESI MSを使用している発明装置の概略図。 本発明のファイバー/MALDI−IMSシステムの概略図。 本発明のファイバー/MALDI−IMSシステムから得られた、典型的質量スペクトラムを示すグラフ。 ファイバー/MALDI源の概略図。 標準装置における抽出反応に対する時間を示すグラフ。 予め調整された装置における抽出反応に対する時間を示すグラフ。 緩衝液及び血漿中の較正の比較及びリニア反応限度の例証を提供するグラフ。 ジアゼパムの典型的な薬物動態学的プロファイルを示すグラフ。 y軸を拡張したジアゼパムの典型的な薬物動態学的プロファイルを示すグラフ。 ノルジアゼパムの典型的な薬物動態学的プロファイルを示すグラフ。 オクサゼパムの典型的な薬物動態学的プロファイルを示すグラフ。 0.05mg/mlのマトリックス・スプレー法により得たイオン移動性スペクトルを示すグラフ。

Claims (7)

  1. 動物の体内又は動物の細胞組織から成分を採取するための固相マイクロ抽出サンプリング装置であって、
    前記成分を抽出するためのポリマー抽出相で少なくとも部分的にコーティングされた端を有する少なくとも1つのファイバーと、
    前記コーティングされた端を、動物又は動物の細胞組織内の血管内の任意の位置に導くための配置装置とを有し、
    前記配置装置が、血管内に配置されるカテーテルであって、血管内に位置決めされる開口端を有し、サンプリングの間血管に対し固定され、前記ファイバーがこれを通って延びるカテーテルと、
    前記コーティングされた端を血管内外に動かすことができるように、前記カテーテルに対し可動的となっている、前記ファイバーのコーティングされた端の反対側に取付けられるファイバー保持域とを有し、
    前記ファイバーは柔軟なワイヤであり、
    前記抽出層は、サンプリングの前に検量体が付加されている、
    固相マイクロ抽出サンプリング装置。
  2. 複数の前記ファイバーが、動物の体内又は動物の細胞組織内の同一又は異なる位置に同時に配置され得る、請求項1の装置。
  3. 動物の体内又は動物の細胞組織から成分を採取するための固相マイクロ抽出サンプリング装置であって、
    少なくとも1つのファイバーと配置装置とを有し、
    前記少なくとも1つのファイバーは、少なくとも一部が前記成分を抽出するためのポリマー抽出相でコーティングされた端を有し、
    前記配置装置は、前記コーティングされた端を動物又は動物の細胞組織内の血管内の任意の位置に導き、
    前記抽出相は、サンプリングの前に検量体が付加されている、
    固相マイクロ抽出サンプリング装置。
  4. 前記ファイバーのコーティングされた端が、生体適合性を有するポリマー保護層でさらにコーティングされ、該保護層がポリピロール又は誘導セルロースを含むことがある、請求項1から3のいずれかの装置。
  5. 前記抽出層が、置換又は非置換のポリ(ジメチルシロキサン)、ポリアクリレート、ポリ(エチレングリコール)、炭素、ポリ(ジビニルベンゼン)、又はポリピロールを含み、
    さらに、選択的キャビティ、分子認識部位、分子インプリントポリマー、及び固定化抗体からなるグループから選択される生体親和性を有する作用因子を含むことがある、請求項4の装置。
  6. マルチウェルプレートの複数の穴内に入っている液体サンプルから1つ又は複数の対象成分を測定又は識別する固相マイクロ抽出装置であって、
    前記液体サンプルから前記対象成分を吸着するためのポリマー抽出相で少なくとも部分的にコーティングされた先端をそれぞれ有する複数の非多孔性ファイバーと、
    前記マルチウェルプレートの前記複数の穴内の液面下に前記ファイバーのコーティングされた先端を導き、前記穴から前記非多孔性ファイバーを引出すための配置装置とを有し、
    前記配置装置が、前記各複数の非多孔性ファイバーをそれぞれ前記マルチウェルプレートの対応する穴内に導入するための導入プレートであって、前記非多孔性ファイバーがその内部に後退可能に取付けられている導入プレートと、
    前記各非多孔性ファイバーのコーティングされた先端を前記マルチウェルプレートの穴内の液面下に沈めるように前記導入プレートを動かし、前記非多孔性ファイバーを前記穴から引出し、前記非多孔性ファイバーを脱着溶剤を有するマルチウェルプレート又は分析機器内に位置決めするためのガイドとを有する、
    固相マイクロ抽出装置。
  7. マルチウェルプレートの複数の穴内に入っている液体サンプルから1つ又は複数の対象成分を測定又は識別する固相マイクロ抽出装置であって、
    前記液体サンプルから前記対象成分を吸着するためのポリマー抽出相で少なくとも部分的にコーティングされた先端をそれぞれ有する複数の非多孔性ファイバーであって、前記抽出層が薄く平坦な被膜としてフィン形状でその先端に形成されている複数の非多孔性ファイバーと、
    前記マルチウェルプレートの前記複数の穴内の液面下に前記ファイバーのコーティングされた先端を導き、前記穴から前記非多孔性ファイバーを引出すための配置装置とを有し、
    前記配置装置が、前記各複数の非多孔性ファイバーをそれぞれ前記マルチウェルプレートの対応する穴内に導入するための導入プレートであって、前記非多孔性ファイバーがその内部に後退可能に取付けられている導入プレートと、
    前記各非多孔性ファイバーのコーティングされた先端を前記マルチウェルプレートの穴内の液面下に沈めるように前記導入プレートを動かし、前記非多孔性ファイバーを前記穴から引出し、前記非多孔性ファイバーを脱着溶剤を有するマルチウェルプレート又は分析機器内に位置決めするためのガイドとを有する、
    固相マイクロ抽出装置。
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