JP4361291B2 - Cell culture vessel - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種培養容器で培養した後の種細胞を、本培養容器に移して継続して本培養を行って収穫する細胞培養容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、細胞を培養・増殖させて相当量の細胞を収穫する場合、その特性上、所定の段階を踏んで培養する方法が採られる(スケールアップ)。すなわち、種培養というべき段階で小さな種培養容器(種細胞培養容器)に種細胞を少量接種し、接種された種細胞をある程度の量に増やした後、種細胞容器と同サイズの相当数の容器、または種細胞培養容器の数倍〜10倍程度大きい培養容器に移し、更に細胞の培養を継続し、増殖させる段階(本培養)を経て培養する方法である。このような培養方法は、例えば、特開平6−38734号公報や特開平5−38281号公報に記載された技術では行うことはできない。
したがって、現状では、手作業の場合、培地を用意したディッシュに細胞を接種し、培養(種培養)後、複数の同サイズの培地入りディッシュに均等に移し培養し、収穫する(本培養)方法が採られる。
また、自動細胞培養装置に使用される場合の培養容器としては、チューブで連結した種培養容器の数倍から10倍程度大きい本培養容器が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、手作業による場合にあっては、個別に形成された種培養容器から、本培養容器に細胞を移し替える作業が繁雑となり、多大の手間を要する問題がある。
また、大量処理(生産)が可能な自動細胞培養装置に用いる従来の培養容器にあっては、種培養容器と本培養を行う本培養容器とを、チューブで連結する構造であるため、2つの培養容器である種培養容器と本培養容器の取扱が不便で、チューブが切れたり、外れたりする事態を生じ、そのため、無菌性維持に支障を来したり、種細胞、培地、さらに種々の薬剤等を流加する機構が複雑となること、また、容器の滅菌のコストが高くなるといった点で種々の問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みて工夫されたものであり、本発明者の知り得た知見に基づき、従来の細胞培養容器に代わり、例えば、間葉系幹細胞の再生医療に好適な、安価で取扱が容易で安全確実な細胞培養容器を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、次のような構成を採ることした。すなわち、本発明は、上面の外殻に、接種口、培地供給口、および薬剤供給口が設けられた種培養容器と、この種培養容器の下部に設けられ、前記種培養容器と同様に、上面の外殻に、接種口、培地供給口、および薬剤供給口が設けられた本培養容器とを備えると共に、当該本培養容器を前記種培養容器に連通させ、前記種培養容器で培養された細胞を、前記本培養容器に流下するように回収して本培養するようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項1記載の細胞培養容器に係る発明は、種培養容器の下部に本培養容器を一体に設けてなる細胞培養容器であって、当該種培養容器の外殻に、接種口、培地供給口、および薬剤供給口を設けると共に、当該種培養容器の内部に、前記接種口、培地供給口、および薬剤供給口の下方に配置され、細胞付着力を増大させる表面処理を施した種培養区画、当該種培養区画の一方側に配置された排液区画、および当該種培養区画の他方側に配置された細胞回収区画を形成する一方で、前記種培養容器と同様に、前記本培養容器の外殻に、接種口、培地供給口、および薬剤供給口を設けると共に、前記種培養容器と同様に、本培養容器の内部に、前記接種口、培地供給口、および薬剤供給口の下方に配置され、細胞付着力を増大させる表面処理を施した本培養区画、当該本培養区画の一方側に配置された排液区画、および当該本培養区画の他方側に配置された細胞回収区画を形成し、前記種培養容器の排液区画を下方に配置された前記本培養容器の排液区画に連通し、前記種培養容器の細胞回収区画を下方に配置された前記本培養容器の培養区画に連通し、さらに、前記本培養容器の細胞回収区画に細胞を外部に取り出す細胞回収口を、また、前記本培養容器の排液区画に廃液を外部に取り出す排液口を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、少なくとも前記本培養容器および前記種培養容器の底部を透明部材で形成すると共に、前記種培養容器を、種培養容器の底部の一部が、前記本培養容器からはみ出すようにオフセット配置し、本培養容器、および、はみ出した前記種培養容器の底部に付着する細胞の観察をマイクロスコープで観察可能に形成されたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記本培養容器および前記種培養容器を、ポリスチレンで形成されたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態を、図1乃至図4に基づき詳述する。
図1は、本実施の形態における細胞培養容器全体の外観斜視図、図2は、図1の矢印II方向から視た細胞培養容器の側面図で、特に種培養容器と本培養容器との配置関係を理解し易いように透視断面で示した側断面図である(なお、培地供給口と薬剤供給口の配置は他の図と相違するが、機能的には同等である)。図3は、細胞培養容器の、外観構造を強調して示した外観斜視図、図4は、細胞培養容器の一部を破断して内部構造を理解し易いように示した一部破断外観斜視図である。
【0010】
本実施の形態に係る細胞培養容器は、例えば、ポリスチレン製の如き合成樹脂材で成形されたボックス形状の種培養容器1(透明体)と、この種培養容器1より容量(形状)の大きい、ポリスチレン製の如き合成樹脂材で成型されたボックス形状の本培養容器2(透明体)より成る。本培養容器2の上面の角部には、種培養容器1が、その底部の一部分を後方外側にはみ出すようにオフセット配置した態様で一体化され、種培養容器1および本培養容器2とが一体化された細胞培養容器は、外部から内部の様子が観察可能となるようになっている。
【0011】
先ず、種培養容器1の構成を説明する。すなわち、種培養容器1の上面の外殻1aには、エアフィルタ1b付きの細胞(組織)を接種するための接種口1c、培地を供給するための培地供給口1d、例えば増殖促進物質を含む薬剤や、洗浄剤を含む薬剤や、あるいは細胞剥離剤を含む薬剤等を添加するための薬剤添加口1eが設けられる。種培養容器1の内部は、前後方向に沿って中央部に種培養区画1A、この種培養区画1Aの右方に排液区画1B、および種培養区画1Aの左方に細胞回収区画1Cの3つの区画に仕切られている。すなわち、種培養区画1Aは、接種口1c、培地供給口1d、および薬剤添加口1eの下方に配置され、左右両側に仕切壁1A1、1A2が設けられ、仕切壁1A1、1A2の前半部間にV字状の上壁1A3が形成されている。また、種培養区画1Aの底部には、細胞の付着力を増大させるように、例えば、紫外線照射、あるいはコロナ放電等による表面処理が施されている。一方、排液区画1Bや細胞回収区画1Cには、細胞が付着して増殖することがないように、このような表面処理は施されていない。さらに、排液区画1Bの前方端には、上清(古い培地)を本培養容器2へ廃棄するための排液連絡孔1B1が、また、細胞回収区画1Cの前方端には、細胞を本培養容器2へ移す(供給する)ための細胞供給孔1C1が設けられている。
【0012】
こうして、本培養容器2と一体になった種培養容器1を右方に傾けることで、種培養に不用となった液体が、種培養区画1Aから仕切壁1A1を乗り越えて排液区画1Bに流し出すことができ、左方に傾けることにより、種培養区画1Aから仕切壁1A2を乗り越えて細胞回収区画1Cに細胞を流し、本培養容器1に移していくことができる。
【0013】
次に、本培養容器2の構成を説明する。この本培養容器2は、上記種培養容器1と同様の構造を有するものである。すなわち、本培養容器2の上面の外殻2aには、エアフィルタ2b付きの細胞(組織)を接種するための接種口2c、培地を供給するための培地供給口2d、例えば増殖促進物質を含む薬剤や、洗浄剤を含む薬剤や、細胞剥離剤を含む薬剤等を添加するための薬剤添加口2eが設けられる。本培養容器2の内部は、前後方向に沿って中央部に本培養区画2A、この本培養区画2Aの右方に排液区画2B、および本培養区画2Aの左方に細胞回収区画2Cの3つの区画に仕切られている。すなわち、本培養区画2Aは、接種口2c、培地供給口2d、および薬剤添加口2eの下方に配置され、左右両側に仕切壁2A1、2A2が設けられ、仕切壁2A1、2A2の前半部間にV字状の上壁2A3が形成されている。また、本培養区画2Aの底部には、細胞の付着力を増大させるように、例えば、紫外線照射、あるいはコロナ放電等による表面処理が施されている。
【0014】
他方、排液区画2Bや細胞回収区画2Cには、細胞が付着して増殖することがないように、このような表面処理は行われていない。さらに、排液区画2Bの前方端には、上清(古い培地)を外部へ取り出する(廃棄する)ためのノズル形状の排液口2B1が、また、細胞回収区画2Cの前方端には、細胞を外部へ取り出すためのノズル形状の細胞回収口2C1が設けられている。
【0015】
こうして、本培養容器2右方に傾けることで、培養に不用となった液体が、本培養区画2Aから仕切壁2A1を乗り越えて排液区画2Bに流し出して排液口2B1を経由して、また、左方に傾けることにより、本培養された細胞が、本培養区画2Aから仕切壁2A2を乗り越えて細胞回収区画2Cに流し出して細胞回収口2C1を経由して、それぞれ外部に取り出すことが可能になる。
【0016】
また、種培養容器1の細胞回収区画1Cの細胞供給孔1C1には、L字状に曲がった連通管1Dが取り付けられ、その出口は本培養区画2Aの上方で開口している。これにより、図5の(5)のように、種培養容器1を傾けて細胞回収区画1Cの細胞を一旦、この連通管1Dに流し込んで図5の(6)に示すような状態に受け止めるようにすることができるものである。
【0017】
なお、培養中においては、最適培養条件となる無菌状態を維持するために、培地供給口1d、2d、および薬剤供給口1e,2eはそれぞれ外部との連通を遮断するための栓部材(図示しない)が設けられ、培地や薬剤を供給するときのみ、栓部材を外して、ピンチ弁を有する供給チューブを連結するようになっている。同様に、細胞回収口2C1、排液口2B1も通常時は、栓部材(図示しない)で栓をしている。
【0018】
次に、本実施の形態の作用を、図5を参照して、細胞の培養手順に沿って説明していく。なお、図5に示される培地供給口1d、2dや薬剤供給口1e,2eの配置を模式的に示しているため、図1,図3,図4に示したそれらと異なるが、機能的には同等のものである。
(種培養時の薬剤・培地の廃棄)
滅菌処理された種培養容器1の種培養区画1Aに、種細胞を接種する。次に、培地供給口1dから培地を、薬剤供給口1eから薬剤を適宜量充填し、種細胞を培養する(図5(1)参照)。種培養区画1Aにおける培地の培養液の深さは、例えば、底から略5mm程度である(後述の本培養区画も同様)。所定時間経過後、図5(2)のように、種培養容器1すなわち細胞培養容器を全体として右に傾けていき、図5(3)のように90度傾けると、使用済み薬剤、古い培地(上清)は種培養区画1Aの仕切壁1A2を乗り越えて種培養容器1の排液区画1Bに流れ込む。さらに、細胞培養容器を全体として水平の状態に戻すと(図5(4)参照)、使用済み薬剤、古くなった培地は排液連絡孔1B1を経由して本培養容器2の排液区画2Bを通り、排液口2B1より外部に排出することができる。
【0019】
新しい培地と適量の増殖促進物質等の薬剤とを種培養区画1Aに供給して培養を継続する。一定時間経過後に、再び、使用済みの薬剤および古い培地を上記の方法で外部に排出する。このような、操作を数回繰り返し行う。
【0020】
(種細胞の本培養区画への転送)
細胞剥離剤等の薬剤で処理した後、今度は、図5(5)のように細胞培養容器を左に傾けると、細胞を含んだ培地は、種培養区画1Aの仕切壁1A1を乗り越えて細胞回収区画1Cに流れ込み、さらに、細胞培養容器を垂直にした状態(図5(6)参照)にすると、細胞供給孔1C1を介して連通管1Dに一旦溜まるようになる。そして、再び細胞培養容器の姿勢を図5(7)に示すように、水平状態に戻すと、種細胞を含んだ培地は、本培養容器2の本培養区画2Aに流下して供給されることとなる。
なお、細胞回収区画1cの容積は、培養溶液の量(容量)よりも約1.5倍程度大きくなるように設定されており、これにより細胞培養容器を図5(5)から図5(1)の状態に倒しても(戻しても)、培養液が元の場所に戻るのを回避できるようになっている。
【0021】
さらに、本培養容器2において、上記種培養容器1で行ったと同様の培養操作を行い、使用済みの薬剤と古い培地は、細胞培養容器を右に傾けて仕切壁2A2を乗り越えて排液区画2Bに流し込み、排液口2B1から外部に排出することができる。また、廃液を外部に排出した後、培地供給口2dや薬剤供給口2eから新しい培地や増殖促進剤等を投入し、培養を継続する。そして、本培養が終了した場合には、本培養容器2すなわち細胞培養容器を全体として左に傾けて仕切壁2A1を乗り越えるように細胞回収区画2Cに流し込み、細胞回収口2C1から細胞を含んだ培地が、外部に取り出される。
【0022】
また、種培養および本培養のプロセスにおいて、図2に示すように、オフセット配置された種培養容器1と本培養容器2の底部に、マイクロスコープ3A、3Bを当接させて容器1,2底部に付着して、増殖する細胞の観察が可能であり、観察しながら培養を行うことができる。
【0023】
本実施の形態によれば、一人の患者から接種した間葉系幹細胞等を培養し、相当量獲得するのに、一定時間毎の培地の交換や各種薬剤の添加を行いながら、種培養および本培養を実行するが、一体型細胞培養容器は、物質の移動を行うに際して重力作用を用いた方法で、これらの動作を行わしめるものである。このため、
培地供給口1d、2dや薬剤供給口1e,2eにチューブを連結しない状態で使用済みの薬剤や古い培地を排出したり、種培養容器1から本培養容器2に細胞を移したりすることができるので、細胞培養容器の取扱が簡単となり、無菌性維持を確保でき、滅菌処理に要するコストを安価にできるようになる。
【0024】
なお、上記実施の形態では、細胞培養容器の材質をポリスチレンにした場合について説明したが、ポリスチレン以外の合成樹脂材や、透明ガラス材で形成したものであってもよい。この場合、種培養区画や本培養区画には、細胞の付着力を高めるような表面処理を適宜施すようにする。
また、上記実施の形態では、仕切壁1A1,1A2,2A1,2A2を底部から略垂直になるように形成したが、これらを互いに外側に拡がるように傾斜させることも可能である。また、接種口1c、2cにはエアフィルター1b、2bを一体に設けたが、この代わりにエアフィルター1b、2bを接種口1c、2cと別々に設けるように形成してもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、本培養容器の上に種培養容器が設けられているので、種培養容器で培養された細胞を、そのすぐ下に配置された本培養容器に、傾けたりして、重力の作用を利用しながら流下させることにより、移すことができるので、従来のようなチューブが途中で切れたり、外れたりして無菌性の維持を阻害するというようなことを回避し、また、細胞培養容器の取扱性を簡便にできる効果を奏する。
【0026】
また、請求項1記載の細胞培養容器に係る発明によれば、種培養容器に種培養区画、排液区画、および細胞回収区画を設け、種培養容器の下部に設けられた本培養容器にも、同様に本培養区画、排液区画、および細胞回収区画を設ける一方で、種培養容器の細胞回収区画を本培養容器の本培養区画に連通しているので、種培養容器である程度の量に種細胞が増殖されるまでの間は、廃液は細胞培養容器全体を適宜の方向に傾けたりする操作をすることにより、使用済みの薬剤や古くなった培地を種培養容器の排液区画から本培養容器の排液区画を介して排液口から外部に排出できる。
【0027】
そして、所定量の細胞が種培養容器の培養区画で種培養されたときには、種培養容器の種培養区画で培養された種細胞は、細胞剥離剤等の薬剤で処理した後、細胞培養容器を傾けることにより種培養容器の細胞回収区画から本培養容器の培養区画に流下させて移す。本培養容器に移された後の種細胞は、本培養容器の本培養区画で本培養される。その本培養の過程においては、本培養容器の外殻にある薬剤供給口等から投入される薬剤等の添加や培地の交換等により本培養される。本培養が完了するまでの過程においては、使用済みの廃液は、細胞培養容器全体を傾けたりして排液区画に流して排液口から外部に排出される。そして、本培養区画で本培養が終了すると、その本培養された細胞は、細胞剥離剤等の薬剤で処理した後、細胞培養容器全体を傾けて本培養容器の細胞回収区画に移し、細胞回収口から外部に取り出すようになる。
【0028】
このように、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明と同様に、物質の重量作用を利用して、種細胞、培地、種々の薬剤等の流加の機構を形成したため、その構造が簡素に形成でき、そのてめ、細胞の培養作業を容易に行え、種培養から本培養する過程で、細胞を外部空気に触れないようにして培養できる機構であるため、培養容器に要する滅菌コスト、および廃液と細胞の分離回収を効率的に行なうことが可能となり、ひいては細胞培養に要するコストを全体として大幅に低減できるようになる。
そして、種培養容器を傾ける操作を行うことで、種細胞を本細胞容器の本細胞区画に無菌状態を維持しながら容易に移すことができ、細胞の培養を効率よく行える等の効果を奏する。
【0029】
また、本発明によれば、種培養および本培養による培養過程において、マイクロスコープで細胞の培養状況を観察できるので、円滑に目的とする細胞を得ることができる効果を奏する。
【0030】
この請求項4記載の発明によれば、ポリスチレン(透明の合成樹脂材)により種培養容器および本培養容器を形成しているので、例えば、紫外線照射やコロナ放電等によりその鏡面を、細胞の付着力を高めるような表面処理を行えるようになるので、細胞培養容器を傾けて廃液を排出する場合に、培養区画にある培養中の細胞が剥離して脱落することを回避できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る細胞培養容器全体の外観斜視図である。
【図2】 図1の矢印II方向から視た細胞培養容器の側面図で、特に種培養容器と本培養容器との配置関係を理解し易いように透視断面で示した側断面図である。
【図3】 細胞培養容器の、外観構造を強調して示した外観斜視図である。
【図4】 細胞培養容器の一部を破断して内部構造を理解し易いように示した一部破断外観斜視図である。
【図5】 本実施の形態における細胞培養容器の細胞転送と薬剤廃棄のメカニズムを説明する作用説明図である。
【符号の説明】
1…種培養容器
1A…種培養区画
1B…排液区画
1C…細胞回収区画
1B1…排液連絡孔
1C1…細胞供給口
1a、2a…上面の外殻
1A1,1A2…仕切壁
1D…連通管
2…本培養容器
2A…本培養区画
2Bは排液区画
2C…細胞回収区画
2A1,2A2…仕切壁
2B1…排液口
2C1…細胞回収口
3A、3B…マイクロスコープ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cell culture container in which seed cells after culturing in a seed culture container are transferred to the main culture container and continuously subjected to main culture to be harvested.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a considerable amount of cells are harvested by culturing and proliferating cells, a method of culturing by taking a predetermined stage is taken due to its characteristics (scale-up). That is, inoculate a small amount of seed cells into a small seed culture container (seed cell culture container) at the stage of seed culture, increase the inoculated seed cells to a certain amount, and then a considerable number of the same size as the seed cell container. In this method, the cells are transferred to a vessel or a culture vessel that is several to 10 times larger than the seed cell culture vessel, and further, the cells are continuously cultured and passed through a stage of growth (main culture). Such a culture method cannot be performed by the techniques described in, for example, JP-A-6-38734 and JP-A-5-38281.
Therefore, at present, in the case of manual work, inoculate cells in a dish prepared with a medium, and after culturing (seed culture), evenly transferred to a plurality of dishes with the same size medium, cultured and harvested (main culture) Is taken.
In addition, as a culture container when used in an automatic cell culture apparatus, a main culture container that is several to ten times larger than a seed culture container connected by a tube is used.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of manual work, there is a problem that the work of transferring the cells from the individually formed seed culture container to the main culture container becomes complicated and requires a lot of labor.
In addition, in a conventional culture vessel used for an automatic cell culture apparatus capable of mass processing (production), a seed culture vessel and a main culture vessel for performing main culture are connected by a tube, so that two The handling of the seed culture container and the main culture container, which are culture containers, is inconvenient, resulting in a situation where the tube may be cut or detached, which may hinder sterility maintenance, seed cells, culture media, and various drugs. There are various problems in that the mechanism for feeding them becomes complicated and the cost of sterilization of the container increases.
[0004]
The present invention has been devised in view of the above problems, and based on the knowledge obtained by the present inventor, for example, suitable for regenerative medicine of mesenchymal stem cells instead of the conventional cell culture container, is inexpensive. It is an object of the present invention to provide a cell culture container that is easy to handle and safe.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention adopts the following configuration. That is, the present invention is the outer shell of the upper surface, inoculated port, the medium supply port, and a seed culture vessel agent supply port is provided, is provided at the bottom of this seed culture vessel, as with the seed culture vessel And a main culture vessel provided with an inoculation port, a medium supply port, and a drug supply port in the outer shell on the upper surface, and the main culture vessel is communicated with the seed culture vessel and cultured in the seed culture vessel. The cultured cells are collected so as to flow down into the main culture vessel and are subjected to main culture.
[0006]
The cell culture container according to
[0007]
Further, the present invention is the addition to form the bottom of the culture container and the seed culture vessel with a transparent member even without low, the seed culture vessel, a part of the bottom of the seed culture vessel, protrudes from the main culture vessel In this way, the cells are formed so as to be observable with a microscope by observing cells adhering to the main culture vessel and the protruding bottom portion of the seed culture vessel.
[0008]
Further, the present invention is that the pre-Symbol main culture container and the seed culture vessel, characterized in that it is formed of polystyrene.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the following, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to FIGS.
FIG. 1 is an external perspective view of the entire cell culture container in the present embodiment, and FIG. 2 is a side view of the cell culture container as viewed from the direction of arrow II in FIG. 1, and in particular, the arrangement of the seed culture container and the main culture container It is a side sectional view shown with a perspective section for easy understanding of the relationship (in addition, the arrangement of the medium supply port and the drug supply port is different from the other drawings, but is functionally equivalent). FIG. 3 is an external perspective view highlighting the external structure of the cell culture container, and FIG. 4 is a partially broken external perspective view showing the internal structure in an easy-to-understand manner by partially cutting the cell culture container. FIG.
[0010]
The cell culture container according to the present embodiment includes, for example, a box-shaped seed culture container 1 (transparent body) formed of a synthetic resin material such as polystyrene, and a larger capacity (shape) than the
[0011]
First, the configuration of the
[0012]
In this way, by tilting the
[0013]
Next, the configuration of the
[0014]
On the other hand, such a surface treatment is not performed on the
[0015]
In this way, by tilting to the right of the
[0016]
In addition, a communication pipe 1D bent in an L shape is attached to the cell supply hole 1C1 of the cell collection section 1C of the
[0017]
During culture, the
[0018]
Next, the operation of the present embodiment will be described along the cell culture procedure with reference to FIG. Since the arrangement of the
(Disposal of chemicals and medium during seed culture)
The seed cells are inoculated into the seed culture section 1A of the sterilized
[0019]
A new medium and an appropriate amount of a drug such as a growth promoting substance are supplied to the seed culture section 1A and the culture is continued. After a certain period of time, the used medicine and the old medium are again discharged to the outside by the above method. Such an operation is repeated several times.
[0020]
(Transfer of seed cells to main culture section)
After treatment with a drug such as a cell release agent, this time, when the cell culture container is tilted to the left as shown in FIG. 5 (5), the medium containing the cells crosses the partition wall 1A1 of the seed culture compartment 1A and becomes a cell. When it flows into the collection compartment 1C and the cell culture container is in a vertical state (see FIG. 5 (6)), it temporarily accumulates in the communication pipe 1D via the cell supply hole 1C1. Then, when the posture of the cell culture container is again returned to the horizontal state as shown in FIG. 5 (7), the medium containing the seed cells is supplied to the
Note that the volume of the cell collection compartment 1c is set to be about 1.5 times larger than the amount (volume) of the culture solution, so that the cell culture container can be made as shown in FIGS. 5 (5) to 5 (1). Even if the state is brought down (returned), it is possible to avoid returning the culture medium to the original place.
[0021]
Further, in the
[0022]
Further, in the seed culture and main culture processes, as shown in FIG. 2, the bottoms of the
[0023]
According to this embodiment, mesenchymal stem cells and the like inoculated from a single patient are cultured, and in order to obtain a considerable amount, while changing the medium and adding various drugs at regular intervals, Although the culture is performed, the integrated cell culture container performs these operations by a method using a gravitational action when transferring a substance. For this reason,
It is possible to discharge a used drug or an old medium without connecting a tube to the
[0024]
In addition, although the said embodiment demonstrated the case where the material of the cell culture container was made into polystyrene, you may form with synthetic resin materials other than polystyrene, or a transparent glass material. In this case, the seed culture section and the main culture section are appropriately subjected to a surface treatment that enhances cell adhesion.
In the above embodiment, the partition walls 1A1, 1A2, 2A1, and 2A2 are formed so as to be substantially vertical from the bottom, but they can be inclined so as to spread outward. In addition, the air filters 1b and 2b are integrally provided at the
[0025]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the seed culture container is provided on the main culture container, the cells cultured in the seed culture container are tilted into the main culture container disposed immediately below the seed culture container. Can be moved by using the action of gravity to flow down, so that it is possible to prevent the conventional tube from being cut off or detached and hindering the maintenance of sterility. In addition, the cell culture container can be easily handled.
[0026]
According to the invention relating to the cell culture container of
[0027]
When a predetermined amount of cells is seed-cultured in the culture compartment of the seed culture container, the seed cells cultured in the seed culture compartment of the seed culture container are treated with a drug such as a cell release agent, and then the cell culture container is By tilting, it is allowed to flow down from the cell collection compartment of the seed culture vessel to the culture compartment of the main culture vessel. The seed cells after being transferred to the main culture container are subjected to main culture in the main culture section of the main culture container. In the main culturing process, the main culturing is performed by adding a drug or the like added from a drug supply port or the like in the outer shell of the main culture container, or exchanging a medium. In the process until the main culture is completed, the used waste liquid is discharged to the outside through the drainage port by tilting the entire cell culture container and flowing to the drainage compartment. When the main culture is completed in the main culture section, the main cultured cells are treated with a drug such as a cell release agent, and then the entire cell culture container is tilted and transferred to the cell recovery section of the main culture container. It comes out from the mouth.
[0028]
Thus, in the invention according to
Then, by performing an operation of tilting the seed culture container, the seed cells can be easily transferred to the main cell compartment of the main cell container while maintaining aseptic conditions, and effects such as efficient cell culture can be achieved.
[0029]
Further, according to the present invention, since the culture state of the cells can be observed with a microscope in the seed culture and the culture process by the main culture, there is an effect that the target cells can be obtained smoothly.
[0030]
According to the invention described in
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external perspective view of an entire cell culture container according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a side view of the cell culture container as viewed from the direction of arrow II in FIG. 1, and is a side cross-sectional view particularly shown in a transparent cross section so that the arrangement relationship between the seed culture container and the main culture container can be easily understood.
FIG. 3 is an external perspective view showing the appearance structure of a cell culture container with emphasis.
FIG. 4 is a partially cutaway external perspective view showing a part of a cell culture container in a broken view so that the internal structure can be easily understood.
FIG. 5 is an operation explanatory diagram for explaining the mechanism of cell transfer and drug disposal in the cell culture container according to the present embodiment.
[Explanation of symbols]
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