JP4358807B2 - 高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法 - Google Patents
高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4358807B2 JP4358807B2 JP2005274339A JP2005274339A JP4358807B2 JP 4358807 B2 JP4358807 B2 JP 4358807B2 JP 2005274339 A JP2005274339 A JP 2005274339A JP 2005274339 A JP2005274339 A JP 2005274339A JP 4358807 B2 JP4358807 B2 JP 4358807B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- continuous cast
- continuous
- pieces
- cast pieces
- strength steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
また、車両の衝突時における車体等の変形を防ぎ、乗員の安全を確保する必要性から車体・部品等の強度を高めるためにも高張力鋼の需要は拡大傾向にある。
従って上記の方法では、特許文献1や2でいうように冷却時における熱応力は軽減できるかもしれないが、連鋳片の表面欠陥は検出できないし、当然それを補修することもできない。
・ T≧500において、V≦70
・500>T≧300において、V≦55
・300>T≧200において、V≦25
・200>T≧150において、V≦15
なお、ここでいう「連鋳片の冷却速度」とは上記表面温度に基づいて求められるものとする。
・炭素含有率:0.12w%以上0.25w%以下
・珪素含有率:1.2w%以上2.0w%以下
・マンガン含有率:1.2w%以上4.0w%以下
その他の、炭素含有量の上記範囲の上限値(0.25w%)や珪素・マンガンについての範囲の規定に関しては、高張力鋼の一般的な値となっている。
図6に示すように高張力鋼は通常、800℃前後の温度帯域(脆化III域)において顕著な脆性を有する。
また図7に示すように高張力鋼は、150℃前後の温度帯域において脆性が急激に変化する性質を有する。具体的には当該試験片温度が150℃以下となった途端に急激に脆化する。これは、昨今のハイテン化に伴って珪素含有量が著しく増加したことに起因するものである。
具体的に上記置き割れ防止方法は、連鋳片の冷却速度(V:℃/時間)を、連鋳片の広面中央部における表面温度(T:℃)に基づいて以下の如くとする。
・ T≧500において、V≦70
・500>T≧300において、V≦55
・300>T≧200において、V≦25
・200>T≧150において、V≦15
なお、ここでいう「連鋳片の冷却速度」とは上記表面温度に基づいて求められるものとする。
図1(a)に示すように本実施形態において連鋳直後の連鋳片は、同じく連鋳直後の他の連鋳片と共に5枚に段積みされる。そして図1(b)で示すように、上下側から他の2枚の連鋳片により挟まれた状態で空冷により徐冷される。当該他の2枚の連鋳片は、積重された5枚の前記連鋳片を挟み始める時点においては、室温(200℃未満の適宜の温度、例えば100℃など)でもよく、或いは500℃程度に予熱しておいてもよい。また、当該他の2枚の連鋳片は、専ら連鋳片を挟んで徐冷させるためだけに用いられるものであってもよいし、一度室温にまで冷却された他の半製品としての連鋳片であってもよい。
このように連鋳直後の連鋳片を他の連鋳片と共に平積みし、上下側から他の2枚の連鋳片により挟まれた状態で冷却することにより、連鋳片の冷却速度を上記の如くに制御できるのである。
そして、すべての表面欠陥が解消されたら、次工程である加熱炉に移されて適宜の温度まで加熱され、圧延装置にて圧延される。
本試験Aは、上記実施形態に係る置き割れ防止方法に規定される条件を満足するように実施された試験である。即ち、すべての温度帯域(表面温度:1000℃〜100℃)において、冷却パターンCRと比較して常に遅い冷却速度となるよう連鋳片を徐冷した。
具体的には連鋳直後の当該連鋳片を連鋳直後の他の3枚の連鋳片と共に積み重ね、上下側から他の連鋳片によって挟んだ状態で徐冷した。
本試験Aの条件において徐冷された連鋳片の広面中央部における表面温度の測定結果を本図において符号Aで示す。
〔試験B〕
本試験Bは、上記実施形態に係る置き割れ防止方法に規定される条件を全く満足しないように実施された試験である。即ち、すべての温度帯域において、冷却パターンCRと比較して常に速い冷却速度となるよう連鋳片を冷却した。
具体的には連鋳直後の連鋳片を、他の連鋳直後の連鋳片と共に重ねて平積みしたり、上下側から他の連鋳片で挟んだりすることなく、単に1枚のみで連鋳直後から室温に至るまで空冷した。
本試験Bの条件において冷却された連鋳片の広面中央部における表面温度の測定結果を本図において符号Bで示す。
〔試験C〕
本試験Cは、上記実施形態に係る置き割れ防止方法に規定される条件を完全には満足しないように実施された試験である。即ち、表面温度が500℃に至るまでの温度帯域においては上記試験Aのと同様の条件において連鋳片を冷却した。言い換えれば、当該温度帯域において連鋳片は上記実施形態に係る置き割れ防止方法の一部のみが適用された。
一方、500℃から室温に至るまでの温度帯域においては上記試験Bのと同様の条件において連鋳片を冷却した。言い換えば、当該温度域において連鋳片を、積重することもなければ上下側から他の連鋳片で挟むこともなく個別に空冷させた。
端的に言えば、本試験Cは、本実施形態に係る上記置き割れ防止方法が適用されていない。
本試験Cの条件において冷却された連鋳片の広面中央部における表面温度の測定結果を本図において符号Cで示す。
〔試験A(防止方法の適用あり)〕
本図符号Aで示す如く徐冷された連鋳片には、上記置き割れが全く発生しなかった。言い換えれば、置き割れを発生させることなく、連鋳片を室温に至るまで冷却することができた。
〔試験B(防止方法の適用なし)〕
本図符号Bで示す如く冷却された連鋳片には、図3〜図5に示すような置き割れが発生した。
〔試験C(防止方法の一部のみの適用はあり)〕
本図符号Cで示す如く、連鋳直後から室温に至るまでの温度帯域の一部のみに前述の置き割れ防止方法が部分的に適用される場合でも、試験Bの場合と同様、図3〜図5に示すような置き割れが発生した。
・ T≧500において、V≦70
・500>T≧300において、V≦55
・300>T≧200において、V≦25
・200>T≧150において、V≦15
なお、上述した如く「連鋳片の冷却速度」とは上記表面温度に基づいて求められるものとする。
高張力鋼の連鋳片を、置き割れを発生させることなく、室温まで冷却することができる。言い換えれば、図6及び図7に示すような高張力鋼特有の脆性による影響を回避することができる。
また室温まで冷却すると、連鋳片の表面欠陥を検出かつ補修できるので、表面欠陥のない高張力鋼を提供できる。
また連鋳片の冷却速度を制御する方法として、例えば加熱器を備えた冷却抑制装置などを利用してもよい。
Claims (3)
- 炭素(C)含有率を0.12w%以上0.25w%以下とし、珪素(Si)含有率を1.2w%以上2.0w%以下とし、マンガン(Mn)を1.2w%以上4.0w%以下とする高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法において、
連鋳片の広面中央部における表面温度(T:℃)に応じて、連鋳片の冷却速度(V:℃/時間)を以下を満足するように制御する、ことを特徴とする高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法。
・ T≧500において、V≦70
・500>T≧300において、V≦55
・300>T≧200において、V≦25
・200>T≧150において、V≦15 - 前記連鋳片の冷却速度は、当該連鋳片を他の2枚の連鋳片により挟むことにより制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法。
- 前記他の2枚の連鋳片により、複数枚の前記連鋳片を同時に挟む、ことを特徴とする請求項2に記載の高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005274339A JP4358807B2 (ja) | 2005-09-21 | 2005-09-21 | 高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005274339A JP4358807B2 (ja) | 2005-09-21 | 2005-09-21 | 高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007083274A JP2007083274A (ja) | 2007-04-05 |
JP4358807B2 true JP4358807B2 (ja) | 2009-11-04 |
Family
ID=37970786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005274339A Active JP4358807B2 (ja) | 2005-09-21 | 2005-09-21 | 高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4358807B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100572021C (zh) * | 2004-12-30 | 2009-12-23 | 厦门澳力普轮胎设备有限公司 | 一种立柱卡板锁模式液压轮胎硫化机及其调模方法 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5254130B2 (ja) * | 2009-05-28 | 2013-08-07 | 株式会社神戸製鋼所 | 延性脆性遷移温度が160℃以上となるスラブ鋳片の冷却時における鋳片取扱方法 |
JP5673171B2 (ja) * | 2011-02-09 | 2015-02-18 | Jfeスチール株式会社 | 高炭素高Mn鋼材の製造方法 |
JP5846066B2 (ja) * | 2012-07-26 | 2016-01-20 | 新日鐵住金株式会社 | 鋳片の冷却方法 |
JP6237808B2 (ja) * | 2015-03-26 | 2017-11-29 | Jfeスチール株式会社 | 連続鋳造スラブ及びその製造方法並びに加工性に優れた高張力鋼板の製造方法 |
JP6885257B2 (ja) * | 2017-08-08 | 2021-06-09 | Jfeスチール株式会社 | 金属材の表面処理方法および金属材の製造方法 |
JP7124631B2 (ja) * | 2018-10-22 | 2022-08-24 | 日本製鉄株式会社 | 鋳片の置き割れ防止方法 |
JP7260335B2 (ja) * | 2019-02-28 | 2023-04-18 | 株式会社神戸製鋼所 | 高張力鋼のスラブの冷却方法 |
JP7188187B2 (ja) * | 2019-02-28 | 2022-12-13 | Jfeスチール株式会社 | 鋳片の冷却方法 |
JP7575365B2 (ja) | 2021-09-24 | 2024-10-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 高張力鋼のスラブの製造方法 |
-
2005
- 2005-09-21 JP JP2005274339A patent/JP4358807B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100572021C (zh) * | 2004-12-30 | 2009-12-23 | 厦门澳力普轮胎设备有限公司 | 一种立柱卡板锁模式液压轮胎硫化机及其调模方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007083274A (ja) | 2007-04-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5223511B2 (ja) | 高強度耐サワーラインパイプ用鋼板およびその製造方法および鋼管 | |
JP5633594B2 (ja) | 打ち抜き性および耐熱ひずみ特性に優れた冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP6530069B2 (ja) | 燃料噴射管用鋼管およびその製造方法 | |
JP2020509203A (ja) | 衝撃特性に優れた熱間成形用めっき鋼板、熱間成形部材、及びそれらの製造方法 | |
JP2008121036A (ja) | 高強度高靱性鋼板の製造方法 | |
JP2007270331A (ja) | ファインブランキング加工性に優れた鋼板およびその製造方法 | |
JP4358807B2 (ja) | 高張力鋼の連鋳片の置き割れ防止方法 | |
JP2014218707A (ja) | 耐水素誘起割れ性に優れた調質鋼板及びその製造方法 | |
JP2007270197A (ja) | ハイドロフォーム加工用鋼板およびハイドロフォーム加工用鋼管と、これらの製造方法 | |
JP5783014B2 (ja) | 軸受用棒鋼 | |
JP5028760B2 (ja) | 高張力鋼板の製造方法および高張力鋼板 | |
JP5644966B2 (ja) | 焼入れ性に優れる面内異方性の小さい高炭素熱延鋼板およびその製造方法 | |
KR20100076073A (ko) | 강판 및 그 제조 방법 | |
KR102575803B1 (ko) | 볼트용 강 및 그 제조 방법 | |
JP5194454B2 (ja) | ファインブランキング加工性に優れた鋼板およびその製造方法 | |
JP2013177649A (ja) | 低降伏比厚鋼板及びその製造方法 | |
JP2009275261A (ja) | 耐圧潰性に優れた溶接鋼管およびその製造方法 | |
JP5031644B2 (ja) | 加工性に優れた鋼管及びその製造方法 | |
JP2022064241A (ja) | 鋼板及びその製造方法、並びに、部材 | |
JP4462440B2 (ja) | 軸受鋼熱間圧延材の製造方法 | |
WO2016158562A1 (ja) | 疲労特性に優れた熱処理鋼線 | |
Tavares et al. | Failure during fabrication of clamps of Mn-alloyed steel for springs in heavy vehicles | |
JPWO2020090149A1 (ja) | ボルト用鋼 | |
JP4319948B2 (ja) | 伸びフランジ性の優れた高炭素冷延鋼板 | |
JPH07251265A (ja) | 鋼鋳片のスカーフィング方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070928 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080219 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090804 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090806 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4358807 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814 Year of fee payment: 4 |