JP4357882B2 - ガス分離方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、混合ガス中の特定ガス成分を分離するための方法および装置に関するもので、特に、化石燃料の燃焼排ガスや化学プラントでの生成ガスに含まれる二酸化炭素ガス、硫黄酸化物ガス等の分離に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
ガス分離方法として、膜分離法、吸収法、吸着法等が既に実用化されており、大規模なプラントも稼動している。ガス分離技術の開発動向については、例えば、株式会社東レリサーチセンター発行「ガス分離技術の新展開」(1990年)等にまとめられている。これらの方法の内、膜分離法は相変化を伴わないことから低所要エネルギーという利点があるが、一般に広く使用されている高分子分離膜では分離選択性に限度があり、分離したガスの濃縮度が低いという欠点がある。一方、吸収法の内、化学吸収法は特定のガス種を化学反応により吸収する吸収液を用いるため、分離したガスの濃縮度が高く、その後の精製が容易であるという利点があるが、吸収液を再生するために加熱する必要があるため所要エネルギーが高いという欠点がある。
【0003】
膜分離法と吸収法の両長所を兼ね備えた方法を開発する試みとしては、吸収液を多孔膜に保持させた構造の促進輸送膜の開発がある。この膜においては、膜の一方に原料ガスを供給して他方を減圧することにより、ガス供給側で原料ガス中の特定ガス成分が吸収液に吸収されて膜中を拡散し、他方で放散されることにより分離が行われる。この方法は、吸収液を選定することによりガス選択性を高くすることができるという利点があるものの、液体を用いることから部分的に乾く等、安定な膜の作製が難しく、耐久性に関する新たな問題が生じる。
【0004】
これを解決すべく、例えば、特開平7−l12122号公報(特許文献1)に記載されているように、含水ゲルに液を保持させて多孔膜と複合化する等、改良が加えられてきたが未だ安定性の点で実用化技術の域に達していない上、分離機能層が液体であるため薄膜化に限界があり、ガス透過速度の点で高分子膜に劣るものしか得られていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−112122号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、中空糸状多孔膜を用いるガス分離方法及びその装置において、選択性、安定性及びガス分離速度の点ですぐれるとともに、従来の膜分離法と吸収法では達成し得なかったガス分離の大幅な所要エネルギー低減を図ることをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、促進輸送膜で試みられてきた吸収液を膜内に固定して使用する方法ではなく、逆に吸収液を積極的に動かすことで課題を解決する。即ち、分離する特定ガスを含む原料ガスと吸収液との混合物を中空糸状多孔膜の供給面側の一面に供給し、該多孔膜の供給面側で特定ガスを吸収した液膜を形成し、該特定ガスを含む吸収液を膜透過させることにより、吸収液の乾燥や圧力差に起因する液膜の劣化を防止するとともに、ガス透過速度を向上させる。更には、ガスを吸収した吸収液を膜の透過面側でガスを放散させ、熱交換を効率的に行わせて所要エネルギーの低減を達成するものである。
即ち、本発明によれば、以下に示すガス分離方法及びガス分離装置が提供される。
(1)分離対象ガスとなる特定ガスを含む原料ガスと前記特定ガス成分を吸収する吸収液とを中空糸状の多孔膜の一方の供給面側に供給する供給工程と、
前記中空糸状の多孔膜の供給面側において、前記原料ガス中の特定ガスを上記吸収液に吸収させて、該特定ガス成分を吸収した吸収液を膜透過させ、前記供給面側と反対側の多孔膜の透過面側へと透過させる吸収液透過工程と、
前記供給面側より低い圧力に保たれた上記多孔膜の透過面側で、膜透過した前記特定ガス成分を吸収した吸収液を、吸収した特定ガス成分を放散させながら前記透過面側の膜表面に沿って流下させてガスを放散させるガス放散工程と、
を備えることを特徴とするガス分離方法。
(2)該吸収液がアミン、アミノ酸、炭酸塩の中から選ばれる少なくとも1つを含む溶液からなり、かつ該吸収される特定ガス成分が酸性ガスであることを特徴とする前記(1)のガス分離方法。
(3)該透過面側は該供給面側より低い圧力に保つと共に加熱することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のガス分離方法。
(4)上記多孔膜を膜透過しなかった非透過ガスは、該多孔膜の供給面側の排出口から排出している前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のガス分離方法。
(5)中空糸状の多孔膜を容器に組み込んでなる膜モジュールに、該多孔膜の一方の供給面側に、分離対象ガスとなる特定ガスを含む原料ガスと前記特定ガス成分を吸収する吸収液とからなる混合物を供給する機構と、該多孔膜の他方の透過面側を上記供給面側よりも低い圧力状態に保持する機構と、該多孔膜の透過面側に存在する吸収液を上記供給面側に循環する機構を付設し、前記膜モジュールの多孔膜を挟む供給面側と透過面側とで吸収液による前記特定ガスの吸収と該吸収液からの特定ガスの放散とが行える構成としていることを特徴とするガス分離装置。
(6)前記容器の内部に組み込む中空糸状の多孔膜の中空部の一端の供給面側端から前記吸収液と原料ガスとからなる混合物を加圧供給する送液ポンプを備えると共に、該多孔膜の中空部の他端側端を非透過ガスの排出ラインと接続し、かつ、
前記多孔膜外側の透過面側の容器内部の下部を真空ポンプと接続した真空配管と接続して真空状態とし、前記特定ガスを吸収した吸収液を膜透過後に前記多孔膜外表面に沿って吸収したガスを放散させながら流下させ、流下させた吸収液を上記真空配管を通して回収して前記供給面側に循環させる構成としている前記(5)に記載のガス分離装置。
該透過面側の吸収液を該供給面側よりも低い圧力状態に保持するとともに加熱する機構を設けていることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における原料ガスとは、分離対象ガスを含む混合ガスである。分離対象となるガスには、二酸化炭素ガス、二酸化硫黄ガス、硫化水素ガス等の酸性ガス、水溶性または非水溶性の有機蒸気、エチレンとエタン等の従来公知の各種のガスが包含される。
【0009】
吸収液は、分離対象ガスを吸収する液で、通常は分離対象ガスと可逆的反応吸収と放散、または物理的溶解と放散をする吸収剤の溶液または液状の吸収剤自体からなるものであり、既知の化学吸収法または物理吸収法に用いられている各種吸収液から選定することができる。分離対象ガスが二酸化炭素ガスの場合を例にとると、吸収液としては、従来公知のアミン類、アミノ酸類、炭酸塩等の水溶液を用いることができる。本発明のガス分離方法では、吸収液が減圧条件下を通ることが多いので、吸収液は揮発性の低いものが好ましい。本発明では、吸収剤としては、その沸点が150℃以上、好ましくは200℃以上、更には沸点を持たないものであるものが好ましい。
【0010】
本発明で用いる中空糸状多孔膜(以下、単に中空糸膜や多孔膜とも言う)としては、従来公知の限外濾過膜、精密濾過膜、あるいはナノ濾過膜等として用いられている中空糸状の膜を用いることができる。この多孔膜としては、通常、分画分子量で1万以上の限外濾過膜あるいは孔径が10μm以下の精密濾過膜が好ましく使用される。膜の選定においてより重要なことは、分離対象ガス、吸収液、ならびに膜の供給側と透過側の圧力差の組み合わせにより、膜の吸収液透過速度を選定することである。原料ガス中に10モル%含まれる二酸化炭素ガスが分離対象ガスの場合を例にとると、原料ガス流量(体積)100に対して吸収液の流量(体積)が0.5から10の範囲になるような多孔膜と圧力差を選定すると好適である。中空糸状多孔膜は、容器に組み込んだ形の、一般に膜モジュールと呼ばれている形で用いる。
【0011】
中空糸膜において、その内径は0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mmである。その長さはできるだけ長いことが好ましいが、通常、0.1m以上、好ましくは0.3m以上である。
【0012】
本発明のガス分離方法は、中空糸膜の一方の面、好ましくは内側面に、原料ガスと吸収液からなる供給物を供給する原料ガス供給工程を包含する。
この場合、原料ガスと吸収液は別々に供給することも可能であるが、好ましくは原料ガスと吸収液とは、接触状態又は混合状態で供給する。吸収液の供給割合は、原料ガス中の特定ガス成分(分離対象ガス)の10%以上、好ましくは20〜100%を吸収し得るような割合である。
【0013】
本発明の方法は、中空糸膜の一方の面に供給された原料ガスと吸収液とが接触して、原料ガス中の特定ガス成分を吸収した吸収液を、該中空糸膜を透過させる吸収液透過工程を包含する。
この工程は、吸収液とともに膜透過する特定成分ガスの50%以上、好ましく80〜100%が膜透過するように実施するのがよい。この吸収液透過工程の圧力(中空糸膜の原料ガス供給側の圧力)は、吸収液の種類にもよるが、一般的には、1〜10気圧、好ましくは1〜5気圧である。また、その温度は、20〜100℃、好ましくは40〜80℃である。
【0014】
本発明の方法は、該膜透過した吸収液から、それに含まれる特定ガス成分を放散させるガス放散工程を包含する。この工程は、減圧に保持するとともに加熱することにより実施するのが好ましい。
このガス放散工程において、その圧力(中空糸膜の吸収液透過面側圧力)Aは、前記吸収液透過工程の圧力Bよりも低い圧力であり、一般的には、その圧力Bに対する比A/Bで、0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.3である。また、その温度は、前記吸収液透過工程の温度と同一又はそれよりも10〜60℃程度高い温度である。この場合の温度の上限は、その圧力下において吸収液が沸騰しない範囲の温度である。
【0015】
前記ガス放散工程で吸収液から分離された特定ガス成分は回収され、該特定ガス成分が分離された後の吸収液は、再度吸収液として循環使用することができる。
【0016】
本発明の装置は、中空糸状多孔膜を容器に組込んでなる膜モジュールに対し、(i)該中空糸膜の一方の面、好ましくは内側面に吸収液と原料ガスからなる供給物を供給する供給機構、(ii)該中空糸膜の透過面側を、該中空糸膜の供給面側よりも低い圧力状態に保持する減圧機構及び(iii)該中空糸膜の透過面側に存在する吸収液を該中空糸膜の供給面側に循環する吸収液循環機構を付設した構造を有する。
【0017】
該供給機構は、吸収液と原料ガスを接触状態又は混合状態で中空糸膜の供給面側に供給する供給配管と、該供給配管に送液ポンプを介して接続する吸収液配管と、該供給配管に接続する原料ガス配管とから構成される。
【0018】
該減圧機構は、該中空糸膜の透過面側に接続する真空配管と、該真空配管に接続する真空ポンプとから構成される。
【0019】
該吸収液循環機構は、該真空配管と、該真空配管に接続する気液分離器と、該気液分離器に送液ポンプを介して接続する吸収液配管と、該吸収液配管に接続する該供給配管とから構成される。
【0020】
該中空糸膜の透過面側には、吸収液と該吸収液から放散した特定ガス成分(分離対象ガス)が存在するが、これらの吸収液とガスとは、真空配管を介して気液分離器に導入され、ここで気液分離される。分離されたガスは、真空ポンプを介して分離濃縮ガスとして回収される。
【0021】
中空糸膜の供給面側端部とは反対の排出側端部からは、膜透過しなかった吸収液と非透過ガスからなる排出物が排出されるが、このものは気液分離器に導入され、ここで気液分離される。分離された非透過ガスは回収され、一方、分離された吸収液は、吸収液保管タンクに保管される。この吸収液は、吸収液として再使用される。
【0022】
次に、本発明を図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明のガス分離方法を実施する場合の装置系統図の1例を示す。
図1において、中空糸膜モジュール1は、容器2とその内部に配設された中空糸膜3とからなる。この中空糸膜モジュール1内に配設された中空糸膜3の下端部には、原料ガスと吸収液からなる供給物を供給するライン4が接続されている。また、このライン4には、原料ガスライン5と吸収液ライン6、8が送液ポンプ7を介して接続されている。さらに、この吸収液ライン8には気液分離器9が接続されている。
気液分離器9には、容器2と接続する真空ライン11と、真空ポンプ10に接続する真空ライン12が接続されている。
【0023】
中空糸膜の上端部には、中空糸膜を透過しなかった吸収液とガスとからなる排出物を排出する排出ライン21が接続され、このライン21には気液分離器22が接続されている。気液分離器22には、非透過ガスライン23と吸収液ライン24が接続されている。吸収液ライン24には、吸収液流量調節器25が接続されている。
【0024】
図1に示した装置系を用いて本発明の方法を実施するには、真空ポンプ10を作動させて容器2内を減圧状態に保つとともに、中空糸膜に対して、吸収液と原料ガスからなる供給物をライン4を通って、その下端部から供給し、その中空糸内を上方に移動させる。
吸収液と原料ガスは、接触又は混合状態で中空糸内を上方に移動するが、その移動する間に、原料ガス中の特定ガス成分が優勢的に吸収液に吸収されるとともに、この特定ガス成分を吸収した吸収液の一部が膜透過する。
膜透過した吸収液は中空糸の外表面を流下するが、その流下する間に吸収されていた特定ガス成分は、吸収液から放散して吸収液から分散される。
【0025】
容器2内に存在する吸収液とガスは、容器2の下部から、真空ライン11を通って気液分離器9に送られ、気液分離される。分離ガスは真空ポンプ10を通って分離濃縮ガスとして回収される。一方、吸収液は、吸収液ライン8、送液ポンプ7及び吸収ライン6を通り、さらに供給物ライン4を通って、中空糸膜下端部に循環される。
【0026】
中空糸膜の上端部からは、中空糸膜を透過しなかった吸収液とガスからなる排出物が排出され、気液分離器22に導入され、気液分離される。分離された非透過ガスはライン23を通って回収される。一方、吸収液は、ライン24を通って吸収液流量調節器25に保管される。
吸収液流量調節器25に保管されている吸収液は、バルブ26を介して排出され、再使用されるが、この場合、該吸収液は、ライン27を通って、容器2内に導入することができる。
【0027】
本発明においては、原料ガス中の分離対象ガス成分(特定ガス成分)は、膜の供給面側で吸収液に吸収された状態で吸収液とともに膜透過するため、ガス単独で膜透過させる場合よりも、そのガス透過速度は大きくなる。しかも、本発明の場合、膜が常に液体(吸収液)で濡れた状態が保たれるために膜の安定性も向上するという効果が発現する。さらに、吸収液が分離対象ガスを吸収する際に発熱反応を伴い、前記供給面側と膜を挟んで対向する透過面側で吸収液からガスが放散する際に吸熱反応を伴う場合には、膜透過前後という近傍で吸収と放散が起こる本発明のガス分離方法では、発熱反応で出た熱を吸熱反応に利用し得るというエネルギー的に大きな利点がある。分離対象ガスが二酸化炭素ガスで吸収液がアミン水溶液の場合がその典型例である。このように、中空糸状態多孔膜の一面側で吸収液により特定ガスを吸収し、該特定ガスを含む吸収液を膜透過させ、多孔膜の他面側で吸収液より特定ガスを放散させ、1つの膜モジュールの多孔膜の両面で吸収液によるガス吸収と、吸収液からのガスの放散との両方を行える。これらの高効率要因により、本発明のガス分離方法は、所要エネルギーの点で従来の膜分離法、吸収法のいずれをも凌ぐものである。また、吸収液がガスを放散する際にエネルギーとして圧力差のみでなく、加熱を併用するとより効率が上がる場合もある。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0029】
実施例1
ポリエーテルスルホン製限外濾過中空糸膜(分画分子量150,000、内径0.8mm、外径1.3mm)を用い、長さ460mmの中空糸18本を束ねて円筒状のモジュール容器に入れてエポキシ接着剤で両端部を接着封止することにより膜モジュールを得た。内側膜面積はモジュール1本当たり208cm2である。この膜モジュールを使用してCO2の分離濃縮を行った。
原料ガスであるCO2/N2混合ガスを吸収液とともに膜モジュールの中空糸膜内に送り、CO2を吸収した液を膜透過させる。中空糸膜外側のモジュール容器内は、真空ポンプで減圧されているので、透過した液は、中空糸膜の外表面を伝って落ちる間にCO2を放散する。発熱反応の吸収と吸熱反応の放散が膜モジュール内で起こるため、熱の授受が効率的に行われる。
【0030】
原料ガス流量は1800ml/min、吸収液流量は38.5ml/minにして、吸収液、原料ガス中CO2濃度、温度等の条件を変えた場合の実施例を表1にまとめて示す。吸収液は、実施例1から6までが2.0Mモノエタノールアミン水溶液、実施例7からllまでが2.0Mジエタノールアミン水溶液、実施例12と13が2.0Mの2−アミノ−2−メチルプロパノール水溶液である。ガスの定量分析はガスクロマトグラフを用いて行った。
膜のCO2透過速度とCO2/N2選択率はいずれも従来知られているガス分離膜のそれを大きく上回る値であり、濃縮度を表す透過面側CO2濃度(水分を冷却除去した後の値)も非常に高い値を示している。
次に、この物質収支データを用いて、CO2分離工程の所要エネルギーを計算した。実験では原料ガスとしてボンベガスを用いたが、実用化時にはブロワーでガス供給することを想定し、ブロワー動力も計算に入れた。従って、動力の必要な主要機器は、送液ポンプ、ブロワー、真空ポンプとなる。計算結果を分離エネルギーの欄に示す。得られた分離エネルギー値は、既存技術である化学吸収法による分離エネルギー値(0.33〜0.40kWh/kg−CO2)と比べて大幅に低減されており、本発明のガス分離方法が省エネルギーに貢献するものであることが分かる。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明のガス分離方法は、従来の膜分離法と化学吸収法のいずれをも凌駕する省エネルギー型方法であり、新規な実用的ガス分離方法を提出するものである。従って、本発明のガス分離方法およびその装置は、環境問題、エネルギー問題の解決に貢献し得る技術であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス分離方法を実施する場合に使用される装置の1例についての概念図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜モジュール
2 容器
3 中空糸膜
7 送液ポンプ
9 気液分離器
10 真空ポンプ
22 気液分離器
25 吸収液流量調節器
Claims (6)
- 分離対象ガスとなる特定ガスを含む原料ガスと前記特定ガス成分を吸収する吸収液とを中空糸状の多孔膜の一方の供給面側に供給する供給工程と、
前記中空糸状の多孔膜の供給面側において、前記原料ガス中の特定ガスを上記吸収液に吸収させて、該特定ガス成分を吸収した吸収液を膜透過させ、前記供給面側と反対側の多孔膜の透過面側へと透過させる吸収液透過工程と、
前記供給面側より低い圧力に保たれた上記多孔膜の透過面側で、膜透過した前記特定ガス成分を吸収した吸収液を、吸収した特定ガス成分を放散させながら前記透過面側の膜表面に沿って流下させてガスを放散させるガス放散工程と、
を備えることを特徴とするガス分離方法。 - 該吸収液がアミン、アミノ酸、炭酸塩の中から選ばれる少なくとも1つを含む溶液からなり、かつ該吸収される特定ガス成分が酸性ガスであることを特徴とする請求項1に記載のガス分離方法。
- 前記透過面側は前記供給面側より低い圧力に保つと共に加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス分離方法。
- 前記多孔膜を膜透過しなかった非透過ガスは、該多孔膜の供給面側から排出ラインへ排出している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガス分離方法。
- 中空糸状の多孔膜を容器に組み込んでなる膜モジュールに、該多孔膜の一方の供給面側に、分離対象ガスとなる特定ガスを含む原料ガスと前記特定ガス成分を吸収する吸収液とからなる混合物を供給する機構と、該多孔膜の他方の透過面側を上記供給面側よりも低い圧力状態に保持する機構と、該多孔膜の透過面側に存在する吸収液を上記供給面側に循環する機構を付設し、前記膜モジュールの多孔膜を挟む供給面側と透過面側とで吸収液による前記特定ガスの吸収と該吸収液からの特定ガスの放散とが行える構成としていることを特徴とするガス分離装置。
- 前記容器の内部に組み込む中空糸状の多孔膜の中空部の一端の供給面側端から前記吸収液と原料ガスとからなる混合物を加圧供給する送液ポンプを備えると共に、該多孔膜の中空部の他端側端を非透過ガスの排出ラインと接続し、かつ、
前記多孔膜外側の透過面側の容器内部の下部を真空ポンプと接続した真空配管と接続して真空状態とし、前記特定ガスを吸収した吸収液を膜透過後に前記多孔膜外表面に沿って吸収したガスを放散させながら流下させ、流下させた吸収液を上記真空配管を通して回収して前記供給面側に循環させる構成としている請求項5に記載のガス分離装置。
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