JP4347992B2 - 電磁アクチュエータ、電磁アクチュエータの駆動制御装置及び方法、電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置及び方法 - Google Patents
電磁アクチュエータ、電磁アクチュエータの駆動制御装置及び方法、電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置及び方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁アクチュエータ、電磁アクチュエータの駆動制御装置及び方法、電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置及び方法に関し、特に電磁アクチュエータの共振駆動制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光等の光線路を変化させるための装置にガルバノミラー(電磁アクチュエータ)が知られている。このガルバノミラーは、近年、半導体製造プロセスを用いて小型化可能となっており、その技術は、例えば本出願人等により特開平7−175005号公報、特開平7−218857号公報、特開平8−322227号公報等に開示されている。
【0003】
この種の電磁アクチュエータでは、平板状の可動部がトーションバーにより揺動可能に軸支されており、可動部には反射ミラーの他、通電により磁界を形成する銅薄膜の平面コイルが設けられている。また、可動部の外部(本体側)には一対の永久磁石が該可動部を挟むよう設けられており、平面コイルに静磁界が作用するようになっている。そして、平面コイルに所定共振周波数の電流を供給することにより、可動部を一定の振れ角で反復動作させることができ、これにより該可動部に設けられた反射鏡によってレーザ光等を偏向走査することができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる構成を有する電磁アクチュエータでは、可動部がシリコン等により形成されたトーションバーにより揺動可能に軸支されており、振れ角に応じた復元力が働く。このため、可動部を往復駆動させる場合、その電磁アクチュエータに固有の共振周期で往復駆動するよう、所定共振周波数の電流を平面コイルに供給するのが効率的である。
【0005】
しかしながら、電磁アクチュエータの共振周期は温度的又は経年的にドリフトしていくのが通例であり、予め設定した共振周波数の電流を平面コイルに供給し続けるのでは、温度変化や時間経過に従って振れ角が一定に制御されないという問題が生じる。
【0006】
この点、平面コイルにより生成される磁界を検出するコイルを本体側の定位置に設けておき、その出力に基づいて振れ角を測定することも考えられる。こうすれば、その測定結果に基づいて平面コイルへの供給電流を制御し、可動部の振れ角を一定に維持することができるようになる。しかしながら、かかる技術では、検出用コイルの検出レベルが微弱であるため、振れ角の測定精度を十分に高くすることができないという問題がある。また、検出コイルを設けるのにコストが必要となるという問題もある。
【0007】
また、反射鏡にて反射されるレーザ光等の走査角度を検出するセンサを設け、その出力に基づいて振れ角を測定することも考えられる。こうしても、その測定結果に基づいて平面コイルへの供給電流を制御し、可動部の振れ角を一定に維持することができるようになる。しかしながら、かかる技術では、レーザ光等の走査角度を検出するセンサが取付スペースを必要とするため、装置の大型化を招くという問題がある。また、かかるセンサを設けるのにコストが必要となるという問題もある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、第1の目的は、別段の検出手段を設けることなく電磁アクチュエータを共振周期で往復駆動することのできる電磁アクチュエータ、及び電磁アクチュエータの駆動制御装置及び方法を提供することにある。また、第2の目的は、別段の検出手段を設けることなく電磁アクチュエータの振れ角を制御することのできる電磁アクチュエータ、及び電磁アクチュエータの駆動制御装置及び方法を提供することにある。さらに第3の目的は、電磁アクチュエータの共振周期に対応する共振周波数信号を出力することのできる電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置及び方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電磁アクチュエータは、本体部と、前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、を含む電磁アクチュエータにおいて、前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出手段と、検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給手段と、を含み、前記電流供給手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断するタイミング判断手段を含み、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る電磁アクチュエータの駆動制御装置は、本体部と、前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、を含む電磁アクチュエータの駆動制御装置であって、前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出手段と、検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給手段と、を含み、前記電流供給手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断するタイミング判断手段を含み、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る電磁アクチュエータの駆動制御方法は、本体部と、前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、を含む電磁アクチュエータの駆動制御方法であって、前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出ステップと、検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給ステップと、を含み、前記電流供給ステップでは、前記誘導量検出ステップで検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断し、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給することを特徴とする。
【0012】
本発明では、可動部が揺動状態にあるとき、前記コイルに磁界が作用しているため、該コイルには誘導起電圧及び誘導起電流が生じる。本発明によれば、この誘導起電圧又は誘導起電流を検出し、それに基づいて励振電流を前記コイルに供給する。すなわち、本発明では、前記コイルを励振用として利用するとともに検出用としても利用しているため、別段の検出手段を設けずとも、電磁アクチュエータを共振周期で往復駆動することができ、あるいは、その振れ角を制御することができる。
【0014】
これらの態様では、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり励振電流を前記コイルに供給するため、前記コイルに対する励振電流の非供給時間を設けることができる。このため、その励振電流の非供給時間に誘導起電圧又は誘導起電流の検出ができ、比較的簡単な構成で高精度に誘導起電圧又は誘導起電流を検出することができるようになる。
【0015】
これらの場合、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流の正値又は負値のいずれか一方のピーク値を検出するピーク値検出手段を含み、前記タイミング判断手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流の値が、前記ピーク値検出手段により検出される前記ピーク値を符号反転してなる値から算出された、検出電圧が正ピーク値を迎える直前での値に一致するタイミングで前記励振電流の供給を順次判断するようにしてもよい。この態様では、励振電流の非供給時間を設けることができるので、その非供給時間では可動部は慣性により自由動作しうる。このときの動作は共振周期に対応した動作となるため、誘導起電圧又は誘導起電流の正値又は負値のうちいずれか一方のピーク値を検出すれば、そのピーク値を符号反転してなる値と、前記誘導量検出手段(誘導量検出ステップ)により検出される誘導起電圧又は誘導起電流の値と、に基づいて、誘導起電圧又は誘導起電流の正値又は負値のうち他方のピーク値に対応するタイミングを判断することができる。このタイミングを励振電流の供給タイミングとすることで、電磁アクチュエータを共振駆動することができるようになる。
【0018】
さらに、本発明の一態様では、前記タイミング判断手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流の所定の位相タイミングを検出し、該位相タイミングに基づいて前記励振電流の供給タイミングを順次判断する。この態様では、励振電流の非供給時間を設けることができるので、その非供給時間では可動部は慣性により自由動作しうる。このときの動作は共振周期に対応した動作となるため、誘導起電圧又は誘導起電流の所定の位相タイミング(例えばゼロクロスタイミング)を検出すれば、そのタイミングは共振周波数に対応したものとなる。このタイミングを励振電流の供給タイミングとすることで、電磁アクチュエータを共振駆動することができるようになる。
【0019】
一方、本発明に係る電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置は、本体部と、前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、を含む電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置であって、前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出手段と、検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給手段と、を含み、前記電流供給手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断するタイミング判断手段を含み、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給するとともに、それら供給タイミングに基づく共振周波数信号を出力することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る電磁アクチュエータの共振周波数信号生成方法は、本体部と、前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、を含む電磁アクチュエータの共振周波数信号生成方法であって、前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出ステップと、検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給ステップと、を含み、前記電流供給ステップでは、前記誘導量検出ステップで検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断し、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給するとともに、それら供給タイミングに基づく共振周波数信号を出力することを特徴とする。
【0021】
本発明では、可動部が揺動状態にあるとき、前記コイルに磁界が作用しているため、該コイルには誘導起電圧及び誘導起電流が生じる。本発明によれば、この誘導起電圧又は誘導起電流を検出し、それに基づいて励振電流を前記コイルに供給する。このとき、励振電流は所定電流供給時間にわたり供給されるので、励振電流の非供給時間を設けることができる。そして、励振電流の非供給時間では可動部は慣性により自由動作しうる。このときの動作は共振周期に対応した動作となるため、例えば誘導起電圧又は誘導起電流の所定位相タイミングをピークタイミングやゼロクロスタイミングから取得することにより、励振電流の供給タイミングを順次判断することができる。そして、この供給タイミングは共振周波数に追随したものとなるため、それを電磁アクチュエータの共振周波数信号として出力し、活用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る共振スキャナの全体構成を示す斜視図である。この共振スキャナは本発明に係る電磁アクチュエータの一例である。同図に示すように、この共振スキャナは、絶縁基板10の中央部にスキャナ本体が配置されている。また、絶縁基板10の上面縁部には、例えば磁性体である純鉄からなる枠状のヨーク12が設けられている。ヨーク12の互いに対向する2辺の内側には永久磁石22a,22bが設けられている。永久磁石22a,22bはS極とN極とが対面するよう設けられており、一方の永久磁石22a(又は22b)から他方の永久磁石22b(又は22a)に向かってスキャナ本体を横切る静磁界が生成するようになっている。具体的には、静磁界はスキャナ本体の軸方向に直交する向きに生成される。
【0024】
スキャナ本体は、シリコン基板26に、可動部24とトーションバー20a,20bとを異方性エッチングにより一体形成したものである。可動部24は平板状であり、該可動部24の対向する2辺の中央部にはトーションバー20a,20bがそれぞれ連接している。こうして、トーションバー20a,22bを揺動軸として可動部24が揺動可能となっている。トーションバー20a,20bはシリコンにより形成されているので、振れ角(揺動角)に応じた復元力が働くようになっており、図示された状態を基準状態として共振動作する。尚、シリコン基板26の厚さに比べ、可動部24の厚さは、該可動部24がトーションバー20a,20bの回りで揺動できるよう、薄く形成されている。
【0025】
可動部24の上面中央部には、例えばアルミニウム蒸着により全反射ミラー18が形成されている。また、可動部24の上面には、全反射ミラー18の回りに(平面)コイル16が形成されている。コイル16の両端子はシリコン基板26上に設けられた電極14a,14bにそれぞれ電気的に接続されている。コイル16及び電極14a,14bは、例えば銅薄膜であり、電鋳コイル法等を用いて同時形成されている。こうして、電極14a,14bから励振電流を供給することにより、コイル16から磁界を発生させることができる。そして、この磁界と永久磁石22a,22bにより生成される静磁界との反発又は吸引により可動部24が揺動し、全反射ミラー18がレーザ光等を偏向走査するようになっている。
【0026】
図2は、かかる構成を有する共振スキャナを駆動するための駆動制御装置の構成例を示す図である。同図に示すように、この駆動制御装置30は、振れ角制御部32と、共振スキャナ駆動回路34と、初動励振発生部36と、電流電圧変換増幅回路38と、振れ角検出部40と、励振タイミング発生部42と、を含んで構成されている。
【0027】
共振スキャナ駆動回路34は、コイル16に励振電流Ipを供給する。この共振スキャナ駆動回路34はコイル16を定電流駆動する。定電流駆動するのは、コイル16の抵抗値に関わらず、該コイル16に一定のローレンツ力を働かせるようにするためである。励振電流Ipはパルス電流であり、振幅VL及びパルス幅Wpのパルス励振電圧Vpから生成される。ここで、振幅VLは振れ角制御部32から供給される。また、パルス幅Wpは初動励振発生部36又は励振タイミング発生部42から供給される。具体的には、初動励振発生部36及び励振タイミング発生部42は、パルス幅Wp(電流供給時間)にわたりオン状態となるパルススイッチング信号を供給しており、これにより励振電流Ipの供給タイミング及びパルス幅Wpが共振スキャナ駆動回路34に与えられるようになっている。
【0028】
コイル16の両端子(電極14a,14b)は、共振スキャナ駆動回路34に接続される他、電流電圧変換増幅回路38にも接続されており、該電流電圧変換増幅回路38にコイル16に供給される励振電流Ip及びコイル16に生じる誘導起電流Idを足し合わせた電流が入力されるようになっている。電流電圧変換増幅回路38は、インピーダンス変換回路を含み、この入力を電圧信号(検出電圧Vp+Vd)に変換する。検出電圧Vp+Vdは振れ角検出部40に供給されるとともに、励振タイミング発生部42にも供給される。振れ角検出部40では検出電圧Vp+Vdに基づいて振れ角検出信号Vθを出力する。具体的には、振れ角検出部40では、検出電圧Vp+Vdの負ピーク値を検出し、それを振れ角検出信号Vθとして出力する。
【0029】
一方、励振タイミング発生部42は、検出電圧Vp+Vdに基づいて共振スキャナ駆動回路34に供給するパルススイッチング信号を生成し、さらに共振周波数信号CLKを生成する。共振周波数信号CLKは例えばパルススイッチング信号と同一信号であり、共振スキャナの共振周波数を有するパルス信号である。この共振周波数CLKは外部出力され、例えば共振スキャナの特性計測等に用いられる。また、初動励振発生部36は、共振スキャナの可動部24が非揺動状態にあるときに最初に励振するためのものであり、予め定められた回数のパルス励振電流Ipを供給するよう、スイッチング信号を共振スキャナ駆動回路34に供給する。
【0030】
図3は、この駆動制御装置30の動作を説明する波形図である。同図(a)は励振電圧Vpの波形を表しており、同図(b)は誘導起電圧Vdの波形を表している。また、同図(c)は検出電圧Vp+Vdの波形を表している。これらの図において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧値を表す。また、同図(a)の波形と同図(b)の波形を加算したものが、同図(c)の波形となっている。同図(a)に示されるように、励振電圧Vpは振幅VL及びパルス幅Wpを有するパルス信号である。各パルスのタイミングは誘導起電圧Vdの正ピークタイミングの直前から現れる。駆動制御装置30では、振れ角検出部40が検出電圧Vp+Vdの負ピーク値(同図(b)(c)では−Vh)を検出し、それを振れ角検出信号Vθとして出力している。
【0031】
励振タイミング発生部42では、検出電圧Vp+Vdと、振れ角検出信号Vθを−(1−ε)倍して得られるVt(=−Vθ×(1−ε);0<ε<1)と、を比較し、両者が一致したタイミングからパルス幅Wpまでの間にオン状態となるパルススイッチング信号を共振スキャナ駆動回路34に供給する。こうして得られるのが、同図(a)に示される励振電圧Vpである。共振スキャナ駆動回路34は、この励振電圧Vpに対応する励振電流Ipをコイル16に与えるようになっている。
【0032】
励振電流Ipのパルス幅は共振周期Tよりも短くなっており、励振電流Ipがオフ状態となった後は可動部24は慣性により自由振動を始める。この自由振動は共振周期Tでの往復動作と同等のものになる。このとき、可動部24には永久磁石22a,22bによる静磁界が作用しているため、コイル16に誘導起電圧Vd及び誘導起電流Idが生じる。そして、この誘導起電圧Vd及び誘導起電流Idは、可動部24の振れ角に略比例した振幅を有しており、また共振スキャナの固有共振周波数と等しい周波数を有する。このため、駆動制御装置30では、まず、検出電圧Vp+Vdの負ピーク値を検出し、それを符号反転するとともに所定係数(1−ε)を乗じ、電圧値Vtを生成する。
【0033】
そして、負ピークタイミングの後、検出電圧Vp+Vdが電圧値Vtに一致するタイミングを待ち受け、その一致タイミングをパルススイッチング信号の立ち上がりタイミングとしている。このようにすれば、励振電流Ipとしてパルス電流を供給しているので、励振電流Ipの非供給時間(オフ状態)を設けることができ、その間は検出電圧Vp+Vdには励振電圧Vpの成分が含まれないため、可動部24が自由振動することにより生じる誘導起電流Idだけを検出することができるようになる。このため、励振電流Ipの影響を避け、高精度に可動部24の共振周期Tに関わるタイミング(誘導起電圧Vdの負ピーク値)を取得できる。
【0034】
そして、励振タイミング発生部42では、検出電圧Vp+Vdが正ピーク値を迎える直前のタイミングで(Vp+Vd=−Vθ×(1−ε))、再び励振電流Ipのパルスを与えるようパルススイッチング信号を供給する。このように検出電圧Vp+Vdの正ピークタイミングの直前、つまりは誘導電圧Vdの正ピークタイミングの直前で励振電流Ipのパルスを与えるようにすれば、可動部24が最大速度を有するタイミングであることから、最も効率よく可動部24を励振することができる。こうして、毎周期パルス励振することにより、自由振動によるエネルギー損失分を補い、可動部24に共振往復動作を継続させることができる。
【0035】
なお、ここでは検出電圧Vp+Vd、ひいては誘導起電圧Vdの負ピーク値を検出し、正ピーク値の到来タイミングの直前にパルス励振するようにしたが、正ピーク値を検出し、負ピーク値の到来タイミングの直前にパルス励振するようにしてもよい。この場合は、励振電流Ipの方向が逆になる。
【0036】
ここで、振れ角検出部40の具体例について説明する。図4は、振れ角検出部40の具体的回路構成例を示す図である。同図に示す振れ角検出部40は、差動演算増幅器A1及びA2を含んでおり、差動演算増幅器A1が入力段を構成し、差動演算増幅器A2が出力段を構成する。差動演算増幅器A2の出力からは振れ角検出信号Vθが出力される。差動演算増幅器A1の非反転入力には検出電圧Vp+Vdが与えられており、反転入力には振れ角検出信号Vθが戻されている。差動演算増幅器A1の出力にはダイオードDが逆方向接続されており、該ダイオードDの多端側は差動演算増幅器A2の非反転入力に接続されている。差動演算増幅器A2の反転入力には振れ角検出信号Vθが戻されている。また、ダイオードDと差動演算増幅器A2の非反転入力との間には、一方をそれぞれ接地された抵抗R並びにコンデンサCが接続されている。かかる構成を有する振れ角検出部40では、振れ角検出信号Vθ(検出電圧Vp+Vdの負ピーク値)と検出電圧Vp+Vdとが比較され、検出電圧Vp+Vdの方が小さい場合にコンデンサCに充電がされるようになっている。差動演算増幅器A2はインピーダンス変換回路として機能しており、このコンデンサCの充電量が振れ角検出信号Vθとして出力される。同図に示される振れ角検出部40において、コンデンサCは時定数CRで放電する。この時定数CRは共振スキャナの周期Tよりも大きく(例えば数周期)設定される。こうすれば、コンデンサCに検出信号Vp+Vdの負ピーク値に対応する電荷を保持させることができ、また振れ角検出信号Vθを数周期で更新することができるようになる。この振れ角検出信号Vθは励振タイミング発生部42に供給され、例えば図5に示される反転回路によって−(1−ε)倍され(同図の回路では−R2/R1倍される)、その乗算結果と検出電圧Vp+Vdとがコンパレータ回路によって比較される。
【0037】
次に、振れ角制御部32の構成例について説明する。図6は振れ角制御部32の構成例を示す図である。同図に示す振れ角制御部32は、A/Dコンバータ50と、CPU52と、メモリ54と、D/Aコンバータ56と、増幅器58と、を含んで構成されている。メモリ54はプログラム格納用のROMと作業用のRAMを含んでいる。A/Dコンバータ50は振れ角検出信号Vθが入力されており、これをディジタル化する。その値はCPU52に供給される。CPU52には振れ角の基準値が設定入力されており、CPU52は振れ角検出信号Vθが基準値よりも小さければVL+ΔVLの電圧を共振スキャナ駆動回路34に与えるためのディジタル信号をD/Aコンバータ56に供給する。一方、振れ角検出信号Vθが基準値よりも大きければVL−ΔVLの電圧を共振スキャナ駆動回路34に与えるためのディジタル信号をD/Aコンバータ56に供給する。また、振れ角検出信号Vθが基準値と等しければVLの電圧を共振スキャナ駆動回路34に与えるためのディジタル信号をD/Aコンバータ56に供給する。D/Aコンバータ56はCPU52から与えられるディジタル信号をアナログ化する。その信号は増幅器58で所定倍され、励振電圧Vpの振幅VLとして共振スキャナ駆動回路34に供給される。
【0038】
図7は、振れ角制御部32の動作を説明する図である。同図(a)は励振電圧Vpの波形を表しており、同図(b)は誘導起電圧Vdの波形を表している。また、同図(c)は検出電圧Vp+Vdの波形を表している。これらの図において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧値を表す。また、同図(a)の波形と同図(b)の波形を加算したものが、同図(c)の波形となっている。ここでは、振れ角検出信号Vθの基準値は−Vh0に設定されているものとする。これらの図において、誘導起電圧Vdの負ピーク値が基準値である−Vh0であるとき、検出電圧Vp+Vdの負ピーク値も−Vh0となる。そして、温度ドリフト又は経時ドリフト等により誘導起電圧Vdの負ピーク値が基準値から上昇し、その振幅が減少すると、検出電圧Vp+Vdの負ピーク値はΔVhだけ上昇する。すなわち、負ピーク値が−Vh0+ΔVhとなり、検出電圧Vp+Vdの振幅が減少する。このとき、振れ角制御部32から共振スキャナ駆動回路34に対して振幅VL+ΔVLが供給される。こうして、前周期よりもΔVLだけ大きい振幅の励振電圧Vpが生成される。こうして、このように誘導起電圧Vdの負ピーク値、すなわち振れ角検出信号Vθが大きくなった場合に、前周期よりも強く可動部24を励振する。逆に、誘導起電圧Vdの負ピーク値、すなわち振れ角検出信号Vθがさらに小さくなった場合、前周期よりも弱く可動部24を励振する。こうすれば、上述したように振れ角検出信号Vθが可動部24の振れ角に対応したものであるため、振れ角が小さければ大きく励振し、逆に振れ角が大きければ小さく励振して、振れ角を一定に保つことができる。なお、ここでは、ΔVLの大きさによらず励振電圧Vpの振幅をVL±ΔVLとしたが、ΔVLの大きさに応じて振幅を大小させるようにしてもよい。
【0039】
次に、初動励振発生部36の具体例について説明する。初動励振発生部36は例えばマイクロプロセッサを用いて構成することができ、図8には、この場合にマイクロプロセッサにより実行される処理の一例が示されている。ここでは、図9に示すように、初動励振のために共振スキャナ駆動回路34に供給されるパルススイッチング信号のパルス幅をtp0とし、その周期をtc0とする。図8において、まず初動励振発生部36ではtp0及びtc0の初期値を設定する(S101)。これら初期値は共振スキャナの固有共振周波数及び基準振れ角に応じて予め設定される。そして、次にカウンタiを0にリセットするとともに、タイマtでの計時を開始する(S102)。ここでカウンタiは初動励振で与えるパルス回数を表す。ここでは、後述するように全部でn回のパルス励振をする。また、タイマtは初動励振がスタートしてからの時間経過を表す。さらに、初動励振発生部36では、タイマtpをゼロにリセットするとともに、計時を開始する(S103)。ここでタイマtpは各周期毎にゼロリセットされるものであり、パルススイッチング信号の位相に対応する。初動励振発生部36では、タイマtpがパルス幅tp0以上であるかを判断し(S104)、tp0未満であればパルススイッチング信号をオン状態にする(S106)。一方、tp0以上であればパルススイッチング信号をオフ状態にする(S105)。そして、タイマtが周期tc0をi倍したものよりも小さければ(S107)、再びS104に戻る。こうして、パルススイッチング信号の各周期の波形を形成する。そして、タイマtが周期tc0をi倍したもの以上になっていれば、カウンタiをインクリメントする(S108)。そして、カウンタiがnになっていれば(S109)、初動励振を終了する。一方、カウンタiがn未満であれば、次周期のパルススイッチング信号の波形を形成すべく、S103に戻る。こうすれば、周期tc0、パルス幅tp0のパルス励振をn回ほど実行して、非揺動状態にある可動部24を励振させることができる。ここでは回数を区切って初動励振を行うようにしたが、振れ角検出信号Vθが所定値、例えばViに達するまで初動励振を行うようにしてもよい。
【0040】
以上説明した共振スキャナによれば、誘導起電圧Vdの負ピーク値を振れ角検出信号Vθとして取得するとともに、検出電圧Vp+Vdがその値を−(1−ε)倍した値に一致するタイミングを待ち受け、その一致するタイミングを励振タイミングとすることにより、共振スキャナの動作が定常状態に達するに従って、励振タイミングの間隔を共振周期に相当するものにでき、共振周波数に自動追従した可動部24の励振が可能となる。また、振れ角検出信号Vθは可動部24の振れ角を表すものであるため、この振れ角検出信号Vθに基づいて励振電圧Vpの振幅VL、ひいては励振電流Ipの振幅を制御することにより、可動部24の振れ角を一定に制御することができる。そして、これら可動部24に対する共振周波数での励振及び振れ角制御は、別段の検出手段を用いることなく実現できるため、検出手段を設けるためのコストが不要となり、また装置の小型化を図ることができる。
【0041】
なお、以上の説明では振れ角検出信号Vθに基づいて励振電圧Vpの振幅VLを制御するようにしたが、パルス幅Wpを制御するようにしても、同様に可動部24の振れ角を一定に制御することができる。また、以上説明した駆動制御装置30の動作は、マイクロプロセッサ及びソフトウェアを用いて実現することもできる。
【0042】
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2に係る共振スキャナの駆動制御装置の構成を示す図である。同図に示す駆動制御装置30aは、図1に示される共振スキャナに適用されるものであり、振れ角比較増幅回路60と、振れ角設定回路62と、ドライブ電流可変回路64と、スイッチ66と、定電流ドライバ68と、ドライブパルス発生部70と、位相検出コンパレータ72と、検出増幅器74と、を含んで構成されている。定電流ドライバ68はコイル16を定電流駆動するものであり、スイッチ66がオン状態のときにドライブ電流可変回路64から供給される電圧値に応じた電流でコイル16を定電流駆動する。
【0043】
スイッチ66はドライブパルス発生部70から供給されるパルススイッチング信号によりオンオフ制御される。検出増幅器74はコイル16の端子間電圧を検出するものであり、その値は位相検出コンパレータ72に供給される。位相検出コンパレータは検出電圧のゼロクロスの立ち上がりタイミングを検出する。そして、ドライブパルス発生部70ではこのタイミングの間隔を保持しており、そこからおよそ位相90度分の時間を算出し、ゼロクロスの立ち上がりタイミングから所定パルス幅Wpの間オン状態となるパルススイッチング信号をスイッチ66に供給する。こうして、誘導起電圧の正ピークタイミング前後に励振パルス電流をコイル16に供給することができ、効率的に可動部24を励振させることができるようになる。
【0044】
また、検出増幅器74の出力、すなわち検出電圧は振れ角比較増幅回路60にも供給されている。振れ角比較増幅回路60には振れ角設定回路62から振れ角設定のための基準電圧も供給されており、該振れ角比較増幅回路60は両電圧値を比較し、検出電圧が基準電圧よりも大きければ、ドライブ電流可変回路64にドライブ電流を小さくするよう指示する。一方、検出電圧が基準電圧以下であれば、ドライブ電流可変回路64にドライブ電流を大きくするよう指示する。ドライブ電流可変回路64は指示に応じた電圧をスイッチ66を介して定電流ドライバ68に供給する。定電流ドライバ68はドライブ電流可変回路64から供給される電圧に応じた電流をコイル16に励振電流として供給するようになっており、これにより可動部24の振れ角を一定に制御することができる。
【0045】
以上説明したように、励振電流の供給タイミングを判断する場合、誘導起電圧のゼロクロスタイミング等、位相タイミングから判断することもできる。
【0046】
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3に係る共振スキャナの駆動制御装置の構成を示す図である。同図に示す駆動制御装置30bは、ワンチップマイコン76と、振れ角設定回路62と、定電流ドライバ68と、位相検出コンパレータ72と、検出増幅器74と、を含んで構成されている。ワンチップマイコン76以外の構成については実施の形態2と同様であり、ここでは同一符号を付して詳細な説明を省略する。この駆動制御装置30bでは、位相検出コンパレータ72の出力、すなわち誘導起電圧のゼロクロスの立ち上がりタイミングがワンチップマイコン76に供給されている。また、検出増幅器74の出力、すなわちコイル16の端子間電圧も供給されている。さらに、振れ角設定回路62で生成される基準電圧も供給されている。ワンチップマイコン76は制御プログラムを格納しており、まず誘導起電圧のゼロクロスの立ち上がりタイミングに基づいてコイル16に供給するパルス励振電流の供給タイミングを判断する。また、検出増幅器74での検出電圧と振れ角設定回路62から与えられる基準電圧からパルス励振電流の電流値を判断する。そして、それら判断結果に応じたパルス励振電流を供給するよう定電流ドライバ68に対して指示する。このように、本発明はワンチップマイコン76を用いても実現することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態1乃至3に限定されるものではない。
【0048】
例えば、以上の説明では1次元共振スキャナ、すなわち揺動軸が1本の共振スキャナに本発明を適用する例を取り上げたが、それ以上の揺動軸を備えた共振スキャナ(例えば2次元共振スキャナ)であっても同様に適用可能である。
【0049】
また、以上の説明では誘導電圧の負ピークタイミングやゼロクロスタイミングを検出し、そのタイミングから励振電流の供給タイミングを生成したが、それ以外の位相タイミングを検出し、そのタイミングから励振電流の供給タイミングを生成するようにしてもよい。
【0050】
また、以上の説明では誘導電圧が正ピークタイミングを迎えるときにパルス励振するようにしたが、その他のタイミングでパルス励振してもよい。また、以上の説明では1周期に1回だけパルス励振するようにしたが、1周期に数回のパルス励振をするようにしてもよいし、あるいは複数周期に1回のパルス励振をするようにしてもよい。また、負ピークタイミングやゼロクロスタイミング等の所定位相タイミングは必ずしも毎周期検出する必要はなく、複数周期に一度検出するようにしてよい。さらに、負ピークタイミングやゼロクロスタイミング等の所定位相タイミングの時間間隔を監視することにより共振周波数を取得し、その取得した共振周波数でコイル16を励振させるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、可動部が揺動状態にあるときにコイルに生じる誘導起電圧及び誘導起電流を検出し、それに基づいて励振電流を同コイルに供給することにより、コイルを励振用として利用するとともに検出用としても利用できる。この結果、別段の検出手段を設けずとも、電磁アクチュエータを共振周期で往復駆動することができ、あるいは、その振れ角を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1乃至3に係る共振スキャナ(電磁アクチュエータ)の全体構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る共振スキャナの駆動制御装置の全体構成を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る駆動制御装置での共振周波数自動追従動作を説明する図である。
【図4】 振れ角検出部の具体的構成例を示す図である。
【図5】 反転回路の一例を示す図である。
【図6】 振れ角制御部の具体的構成例を示す図である。
【図7】 振れ角制御部の動作を説明する図である。
【図8】 初動励振発生部の動作を説明するフロー図である。
【図9】 初動励振パルスを与えるためのパルススイッチング信号の波形を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態2に係る共振スキャナの駆動制御装置の全体構成を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態3に係る共振スキャナの駆動制御装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
10 絶縁基板、12 ヨーク、14a,14b 電極、16 (平面)コイル、18 全反射ミラー、20a,20b トーションバー、22a,22b 永久磁石、24 可動部、26 シリコン基板、30,30a,30b 駆動制御装置(共振周波数信号生成装置)、32 振れ角制御部、34 共振スキャナ駆動回路、36 初動励振発生部、38 電流電圧変換増幅回路、40 振れ角検出部、42 励振タイミング発生部、50 A/Dコンバータ、52 CPU、54 メモリ、56 D/Aコンバータ、58 増幅器、60 振れ角比較増幅回路、62 振れ角設定回路、64 ドライブ電流可変回路、66 スイッチ、68 定電流ドライバ、70 ドライブパルス発生部、72 位相検出コンパレータ、74 検出増幅器、76 ワンチップマイコン。
Claims (9)
- 本体部と、
前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、
前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、
前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、
を含む電磁アクチュエータにおいて、
前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出手段と、
検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給手段と、を含み、
前記電流供給手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断するタイミング判断手段を含み、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給することを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項1に記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流の正値又は負値のいずれか一方のピーク値を検出するピーク値検出手段を含み、
前記タイミング判断手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流の値が、前記ピーク値検出手段により検出される前記ピーク値を符号反転してなる値から算出された、検出電圧が正ピーク値を迎える直前での値に一致するタイミングで前記励振電流の供給タイミングを順次判断することを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項1又は2に記載の電磁アクチュエータにおいて、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流の正値又は負値のいずれか一方のピーク値を検出するピーク値検出手段を含み、
前記電流供給手段は、前記ピーク値検出手段により検出される前記ピーク値に基づいて前記励振電流の電流値を判断する電流値判断手段を含むことを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項2又は3に記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記電流供給手段は、前記ピーク値検出手段により検出される前記ピーク値に基づいて前記励振電流の電流値を判断する電流値判断手段を含むことを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項1に記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記タイミング判断手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流の所定の位相タイミングを検出し、該位相タイミングに基づいて前記励振電流の供給タイミングを順次判断することを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 本体部と、前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、
前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、
前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、
を含む電磁アクチュエータの駆動制御装置であって、
前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出手段と、
検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給手段と、を含み、
前記電流供給手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断するタイミング判断手段を含み、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給することを特徴とする電磁アクチュエータの駆動制御装置。 - 本体部と、
前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、
前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、
前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、
を含む電磁アクチュエータの駆動制御方法であって、
前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出ステップと、
検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給ステップと、を含み、
前記電流供給ステップでは、前記誘導量検出ステップで検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断し、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給することを特徴とする電磁アクチュエータの駆動制御方法。 - 本体部と、
前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、
前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、
前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、
を含む電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置であって、
前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出手段と、
検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給手段と、を含み、
前記電流供給手段は、前記誘導量検出手段により検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断するタイミング判断手段を含み、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給するとともに、それら供給タイミングに基づく共振周波数信号を出力することを特徴とする電磁アクチュエータの共振周波数信号生成装置。 - 本体部と、
前記本体部に揺動可能に軸支される可動部と、
前記可動部又は前記本体部のうち一方に取り付けられるコイルと、
前記可動部又は前記本体部のうち他方に取り付けられ、前記コイルに作用する磁界を生成する磁界生成手段と、
を含む電磁アクチュエータの共振周波数信号生成方法であって、
前記可動部が揺動状態にあるとき前記コイルに生じる誘導起電圧又は誘導起電流を検出する誘導量検出ステップと、
検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、励振電流を前記コイルに供給する電流供給ステップと、を含み、
前記電流供給ステップでは、前記誘導量検出ステップで検出される前記誘導起電圧又は誘導起電流に基づいて、前記励振電流の供給タイミングを順次判断し、各供給タイミングから所定電流供給時間にわたり前記励振電流を前記コイルに供給するとともに、それら供給タイミングに基づく共振周波数信号を出力することを特徴とする電磁アクチュエータの共振周波数信号生成方法。
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