JP4226543B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
また、電動オイルポンプの故障を誤検出し、その誤検出によりエンジン自動停止を禁止した場合には、その後もエンジン自動停止禁止を継続することとなるので燃費が悪くなる。
そこで、この発明は、何らかの原因によりエンジン自動停止、自動始動が正常でないことを運転者に容易に認識させることができる車両の制御装置を提供するものである。
このように構成することにより、エンジンの自動停止処理を実行する毎に電動オイルポンプの故障判定が行われるので、電動オイルポンプが故障であると誤判定したときには、その後の故障判定によって電動オイルポンプが故障でないことを確認することができる。
また、電動オイルポンプが故障しているときに前記エンジンを自動停止させた場合には、該エンジンが実質的に停止した後、該エンジンを強制的に再始動するので、運転者の意志によらずにエンジンが再始動され、電動オイルポンプの故障を含む何らかの原因でエンジン停止の継続を拒否されたことを運転者に認識させることができる。また、エンジン停止に伴うメカニカルオイルポンプの吐出圧低下期間を最小限に抑え、変速機の作動油圧低下を抑制することができる。
この発明において、エンジンの実質的な停止とは、エンジン回転数が起動回転数(自転回転数)に満たないことを意味し、エンジン回転数がゼロのときに限定されないことを意味する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記エンジンの再始動は、モータ(例えば、後述する実施例におけるモータ・ジェネレータ3)の動力でエンジンをクランキングして行うことを特徴とする。
このように構成することにより、エンジン停止後の強制的なエンジン再始動を確実に実行することができる。
このように構成することにより、電動オイルポンプ駆動不可の種々の原因に対応することが可能になる。
また、電動オイルポンプが故障しているときに前記エンジンを自動停止させた場合には、該エンジンが実質的に停止した後、該エンジンを強制的に再始動するので、運転者の意志によらずにエンジンが再始動され、電動オイルポンプの故障を含む何らかの原因でエンジン停止の継続を拒否されたことを運転者に認識させることができる。また、エンジン停止に伴うメカニカルオイルポンプの吐出圧低下期間を最小限に抑えて、変速機の作動油圧低下を抑制することができるので、エンジン自動停止からエンジン自動始動の間も、変速機の機能を損ねずに維持することができる。
請求項2に係る発明によれば、エンジン停止後の強制的なエンジン再始動を確実に実行することができるので、変速機の作動油圧低下を確実に抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、電動オイルポンプ駆動不可の種々の原因に対応することが可能になる。
図1は、本発明に係る制御装置を備えたハイブリッド車両1の動力伝達系の概略構成図である。
このハイブリッド車両1では、エンジン2と発電可能なモータ(以下、モータ・ジェネレータという)3が直結されており、エンジン2とモータ・ジェネレータ3の少なくとも一方の動力が、ロックアップクラッチ4を備えたトルクコンバータ5および多段自動変速機6を介して出力軸6aに伝達され、出力軸6aからディファレンシャル機構(図示せず)等を介して車両の駆動輪Wに伝達されるように構成されている。この実施例において、エンジン2とモータ・ジェネレータ3は駆動力発生手段を構成する。
また、PDU9および高電圧バッテリ10はDC/DCコンバーター23を介して低電圧バッテリ(電源)15に接続されており、電圧を降圧して低電圧バッテリ15に充電を行うことが可能である。低電圧バッテリ15の残容量は残容量計24によって検出されてエンジンECU8に出力され、エンジンECU8は、残容量計24の検出値に基づいてDC/DCコンバーター23を制御し、低電圧バッテリ15の充電を行う。なお、高電圧バッテリ10に代えてキャパシタを用いることも可能である。
一方、電動オイルポンプ12は電気モータ(駆動モータ、駆動装置)13によって駆動され、ポンプドライバ(駆動回路)14は低電圧バッテリ15の電力を電気モータ13に供給する。そして、電動オイルポンプ12は、基本的にエンジン2およびモータ・ジェネレータ3が停止していてメカニカルオイルポンプ11を作動できないときに作動するように制御される。すなわち、エンジンECU8は、エンジン2の停止条件が成立した時に、ポンプドライバ14を介して電気モータ13を始動し、電動オイルポンプ12を起動し、エンジン2の再始動条件が成立した時に、ポンプドライバ14を介して電気モータ13を停止し、電動オイルポンプ12を停止する。
また、ポンプドライバ14は、電気モータ13に流れる電流を検出する電流センサ22を備えており、電流センサ22は検出した電流の大きさに対応する電気信号をエンジンECU8に出力する。
まず、ステップS101において、エンジン停止条件が成立したか否かを判定する。この実施例では、ブレーキスイッチが「ON」、アクセルペダルの踏み込み量が「0」、車速がエンジン停止許可車速(例えば、15km/hr)以下などの条件を満たしたときに、エンジン停止条件が成立する。
ステップS101における判定結果が「NO」(エンジン停止条件不成立)である場合は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS101における判定結果が「YES」(エンジン停止条件成立)である場合は、ステップS102に進み、電動オイルポンプ12を起動する。
なお、電動オイルポンプ12および電気モータ13の機械的な故障は、例えば油圧センサ38で検出される電動オイルポンプ12の吐出圧に基づいて検出することが可能である。電気モータ13の駆動回路の電流異常は、電流センサ22で検出される電流値に基づいて検出することが可能である。この駆動回路の電流異常は、駆動回路の短絡、接点の固着、断線などによっても生じる。低電圧バッテリ15の状態不良は、残容量計24で検出される残容量に基づいて検出することが可能である。
このように電動オイルポンプ12に故障がないと判定された場合は、図4に示すタイムチャートのようになる。なお、図3および図4では、電動オイルポンプ12の吐出圧を「EOP駆動圧」と表示し、メカニカルオイルポンプ11の吐出圧を「MOC駆動圧」と表示している。
電動オイルポンプ12に故障がないときには、電動オイルポンプ12が起動されると、電動オイルポンプ12の吐出圧が徐々に上昇し、所定の駆動圧に達する。また、エンジン2の自動停止処理の実行によりエンジン2の回転数が低下してくると、メカニカルオイルポンプ11の吐出圧が低下していき、エンジン2が停止するとメカニカルオイルポンプ11の吐出圧も「0」になる。エンジン2の停止後、車両1は停止する。
そして、電動オイルポンプ12に故障がないと判定された場合には、エンジンECU8は、エンジン2の再始動条件(この実施例では、ブレーキスイッチが「OFF」、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以上等)が成立するまでエンジン2の停止を継続する。
なお、エンジン2の再始動によりメカニカルオイルポンプ11が駆動されるので、電動オイルポンプ12は停止する。
電動オイルポンプ12が機械的に故障しているときには、電動オイルポンプ12を起動しても、正常時のように電動オイルポンプ12の吐出圧が上昇しない。したがって、油圧センサ38で検出される油圧値に基づいて電動オイルポンプ12が故障であると判定される(図3では、EOP故障判定フラグ=1)。そして、エンジン2の回転数がほぼ「0」になり、エンジン2が実質的に停止すると、エンジン2がモータ・ジェネレータ3によりクランキングされて、強制的に再始動される。このエンジン再始動の間およびこれ以後もブレーキはON状態に保持されており、つまり運転者にエンジン再始動の意志がなくても、エンジン2は再始動される。
つまり、エンジン2の自動停止処理を実行する毎に電動オイルポンプ12の故障判定が行われるので、電動オイルポンプ12が故障であると誤判定したときには、その後の故障判定によって電動オイルポンプ12が故障でないことを確認することができるので、故障判定に対する信頼性が向上する。
また、低電圧バッテリ15の残容量が低下している場合は残容量センサ24の検出値に基づいて電動オイルポンプ12が故障であると判定されるが、この場合も実際には電動オイルポンプ12および電気モータ13に故障があるわけではなく、その後に低電圧バッテリ15が充電されて残容量が正常値に戻ると、電動オイルポンプ12に故障はないという判定に覆るので、電動オイルポンプ12の実質的な故障ではなく、誤判定といえる。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
前述した実施例では、エンジンと電動機を駆動力発生手段とするハイブリッド車両にこの発明を実施した例で説明したが、この発明は、エンジンのみを駆動力発生手段とする車両にも実施可能である。
また、前述した実施例では、電動オイルポンプ12に故障があると判定されてエンジン自動停止した後のエンジン自動始動に際し、駆動力発生手段としてのモータ・ジェネレータ3でエンジン2をクランキングしているが、エンジン始動専用の始動用モータでクランキングしてもよいことは勿論である。
2 エンジン(駆動力発生手段)
3 モータ・ジェネレータ(駆動力発生手段、モータ)
6 変速機
11 メカニカルオイルポンプ
12 電動オイルポンプ
13 電気モータ(駆動モータ、駆動装置)
15 低電圧バッテリ(電源)
W 駆動輪
Claims (3)
- 少なくともエンジンを含む駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段で発生させた駆動力を変速して駆動輪に伝達する変速機と、前記駆動力発生手段により駆動され前記変速機に油圧を供給するメカニカルオイルポンプと、前記エンジンの停止時に起動されて前記変速機に油圧を供給し前記エンジンの始動時に停止する電動オイルポンプと、を備え、所定の条件下で前記エンジンを自動停止および自動始動する車両の制御装置において、
前記電動オイルポンプが故障か否かを判定する故障判定手段を備え、前記エンジンを自動停止させる所定条件が成立する毎に前記故障判定手段による判定が行われ、
前記故障判定手段により前記電動オイルポンプが故障であると判定された場合には、前記エンジンの自動停止処理の実行により前記エンジンを実質的に停止した後に、該エンジンを強制的に再始動することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記エンジンの再始動は、モータの動力でエンジンをクランキングして行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記故障判定手段による故障判定は、前記電動オイルポンプを駆動する駆動装置の故障、前記電動オイルポンプの駆動回路の電流異常、前記電動オイルポンプの駆動モータに電力を供給する電源の状態不良、前記駆動装置との通信異常の少なくともいずれか1つを含んで判定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の制御装置。
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