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JP4215311B2 - 自動販売機の扉ロック構造 - Google Patents

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JP4215311B2 JP28905898A JP28905898A JP4215311B2 JP 4215311 B2 JP4215311 B2 JP 4215311B2 JP 28905898 A JP28905898 A JP 28905898A JP 28905898 A JP28905898 A JP 28905898A JP 4215311 B2 JP4215311 B2 JP 4215311B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体前面を開閉する扉を閉状態でロックする自動販売機の扉ロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動販売機のロック機構としては、例えば特開平5−21425号公報に記載されたものが知られている。この従来の自動販売機のロック機構について図6を参照して説明する。図6は従来の自動販売機の扉ロック機構を説明する概略斜視図である。
【0003】
自動販売機101は、前面開口の自動販売機本体102と、自動販売機本体102の前面を開閉する外扉103とを備えたものである。自動販売機本体102の開口部前端には、複数のロック板104が上下に配置されている。各ロック板104の下部には下向きに開口するロック溝104aが形成されている。外扉103の内側には、上下に移動可能なスライド板105が配置されている。このスライド板105は、断面L字状に折り曲げ形成した上下に延びる板状部材であり、前記ロック板104と対応した高さ位置には係止孔105aが開口している。また、外扉103の前面側には付設する錠により回動を制限されたハンドル106が設けられている。さらに、外扉103の内側には、ハンドル106の回動操作にリンクして前記スライド板105を上下に移動させるリンク機構107が設けられている。
【0004】
この自動販売機101では、外扉103を閉状態でロックするには、スライド板105が上方に移動している状態で外扉103を閉鎖すれば、ロック板104が、その前端に係止孔105aの下縁部が当接して押し上げられ、その後にロック溝104aと係止孔105aの下端部が係合状態となる。これにより、外扉103が自動販売機本体102に閉状態でロックされるので、ハンドル106の錠を施錠すればよい。
【0005】
また、外扉103を開放するには、まず錠を解錠し、ハンドル106を回動操作することによりスライド板105を下方に移動させる。これにより、スライド板105とロック板104との係合が解除されるので、ハンドル106を手前に引けば外扉103が開放される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、自動販売機に収容された商品や現金の盗難手口が巧妙化しており、従来よりも防盗効果が高い自動販売機の扉ロック機構が求められている。すなわち、従来の自動販売機101では、何らかの手段によりハンドル106の錠やリンク機構107を破壊してしまえば、スライド板105の上下移動が可能となるため、外扉103のロック状態が解除されてしまうものであった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、防盗効果の高い自動販売機の扉ロック機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、自動販売機本体側に設けられたロック部材と、扉側に配置された上下に移動可能なスライド部材とを備え、スライド部材を移動させてロック部材と係合状態にすることにより自動販売機本体に扉をロックさせる自動販売機の扉ロック機構において、前記スライド部材は、上下に配置された複数のスライド部材本体と、これらスライド部材本体を連結する連結部材からなり、複数のスライド部材本体と連結部材とが一体となって上下に移動可能であり、自動販売機の扉の内側に設けられ、連結部材及び何れかのスライド部材本体の双方と係合することにより、スライド部材とロック部材が係合した状態からのスライド部材の移動を阻止するストッパ機構とを備え、該ストッパ機構は扉に設けられた錠と連結し、該錠を施錠方向に操作すると連結部材及び何れかのスライド部材本体の双方と係合状態となり、前記錠を解錠方向に操作すると前記係合状態が解かれることを特徴とするものを提案する。
【0009】
本発明によれば、スライド部材を上下に移動させてロック部材と係合させるための機構を悪戯や破壊等しても、スライド部材とロック部材が係合した状態からのスライド部材の移動を阻止するストッパ機構により、スライド部材がロック状態から移動することがない。また、スライド部材が複数のスライド部材本体と連結部材とからなるとともに、前記ストッパ機構は連結部材及び何れかのスライド部材本体の双方と係合する構造となっているので、悪戯等により当該連結が解除されて何れかのスライド部材本体又は連結部材とストッパ機構との係合が解除されても、他の連結部材又はスライド部材本体との係合が維持されていれば、扉のロック状態を維持することができる。
【0010】
本発明の好適な態様の一例として、請求項2の発明では、請求項1記載の自動販売機の扉ロック機構において、上側に配置された前記スライド部材にはストッパ機構と係合するストッパ孔を形成するとともに、連結部上端が該ストッパ孔の下縁部とほぼ同一高さとなるように前記連結部材を配置したことを特徴とするものを提案する。
【0011】
本発明によれば、例えば悪戯等により上側のスライド部材本体と連結部材との連結が解除され、上側のスライド部材本体とストッパ機構との係合が解除された場合には、上側のスライド部材本体が上下に移動可能となるので、上側のスライド部材本体とロック部材との係合が解除されることになる。しかしならが、この場合においても、連結部材の連結部上端がストッパ機構と係合するので、当該連結部材及びこれに連結する下側のスライド部材本体の移動を阻止して、扉のロック状態を維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態にかかる自動販売機の扉ロック機構について図1〜図5を参照して説明する。図1は自動販売機の外観斜視図、図2は自動販売機の扉ロック機構を説明する概略斜視図、図3はスライド板及びストッパ機構の拡大斜視図、図4はストッパ機構を説明する外扉の拡大断面図、図5はストッパ機構を説明する外扉の拡大背面図である。
【0013】
この自動販売機は、図1に示すように、前面開口の自動販売機本体2と、自動販売機本体2の前面を開閉する外扉3とを備えたものである。外扉3の前面上部には商品見本を設置する陳列部3a、商品取り出し口3b、商品選択ボタン(図示省略)等が設置されている。また、外扉3の左右一方(本実施の形態では右側)には、外扉3を開放するためのハンドル4と、ハンドル4に埋め込まれた第1の錠5が設置されている。このハンドル4は、第1の錠5の解錠により前方に進出し、進出したハンドル4を回動を操作することにより外扉3を開放可能とするものである。さらに、ハンドル4の下方には第2の錠6が設置されており、外扉3の開放には当該第2の錠6の解錠をも必要としている。また、第1の錠5及び第2の錠6には、それぞれ第1の鍵K1及び第2の鍵K2が対応する。
【0014】
自動販売機本体2の開口部前端には、図2に示すように、複数(本実施の形態では3個)のロック板7が上下に配置されている。このロック板7の上縁部には、上向きに開口するロック溝7aが形成されている。また、ロック板7は、上方に向かうにしたがって徐々に後退するような傾斜が設けられている。さらに、ロック板7は所定距離だけ下方に回動するように設置されている。
【0015】
外扉3の内側には、ロック板7と係合することにより外扉3を自動販売機本体2にロックするために、上下に移動可能なスライド板8が配置されている。このスライド板8は、複数(本実施の形態では2つ)のスライド板本体81と、各スライド板本体81を連結する連結板82とからなる。各スライド板本体81及び連結板82は、断面略L字状に屈曲して上下に延びる板状部材であり、スライド板本体81と連結板82は互いに90度回転した状態で連結してある。
【0016】
上側のスライド板本体81の上部及び下部並びに下側のスライド板本体81の下部には、前記ロック板7と対応する位置に係止孔81aが形成されている。この係止孔81aの上縁部は、それぞれ前記ロック板7のロック溝7aとの係合部をなすものである。また、上側のスライド板本体81の側面下部には、ストッパ孔81bが形成されている。このストッパ孔81bは、図3に示すように、その下縁部が連結板82の上端とほぼ同一高さとなるように形成されている。
【0017】
また、スライド板8には、上下方向への力を付与してスライド板8を上下に移動するためのリンク機構9が付設されている。このリンク機構9は、前記ハンドル4とスライド板8の上側のスライド板本体81とを連結するものであり、ハンドル4の回動操作にリンクしてスライド板8を上下に移動させる。
【0018】
さらに、スライド板8の側方には、スライド板8の上下方向への移動を阻止するためストッパ機構10が配置されている。このストッパ機構10は、前記第2の錠6と連動して動作し、スライド板本体81のストッパ孔81b及び連結板82と係合状態をなしてスライド板8の上下方向の移動を阻止する。
【0019】
このストッパ機構10は、図3〜図5に示すように、ストッパ取付片101にシリンダ錠である第2の錠6を付設して一体をなすものであり、前記スライド板本体81のストッパ孔81b内に進退可能なストッパ片102と、ストッパ片102と第2の錠6とを連結するリンク片103を備えている。ストッパ片102は、下部に形成された長孔102aにネジ104を遊挿してストッパ取付片101に付設されるとともに、上部においてリンク片103と連結することにより、第2の錠6の回動操作とリンクして回動する。また、ストッパ片102は、ストッパ孔81b及び連結板82との係合部を屈曲形成して所定の強度を維持している。ここで、ストッパ機構10は、ストッパ片102が、スライド板本体81のストッパ孔81bの下縁部及び連結板82の上端に係合するように配置されている。
【0020】
このような構成により、外扉3を開放状態から閉じると、ロック板7の前端部とスライド板8の係止孔81aの上縁部が当接するが、ロック板7は前端の傾斜部に案内されて下方に回動しながらロック溝7aにスライド板8の係止孔81aが進入する。これによりロック板7とスライド板8が係合状態となる。さらに、第2の鍵K2を用いて第2の錠6を施錠方向に回動操作すると、第2の錠6と連動してストッパ機構10のストッパ片102が、スライド板8のストッパ孔81b内に進入する。これによりストッパ片102はストッパ孔81bの上縁部及び連結板82の上端部と係合状態となる。最後に第1の鍵K1を用いて第1の錠5を施錠すれば、外扉3の自動販売機本体2へのロックが完了する。
【0021】
外扉3を閉状態から開放するには、まず第1の鍵K1を用いて第1の錠5を解錠するとともに、第2の鍵K2を用いて第2の錠6を解錠する。第2の錠6の解錠動作により、ストッパ片102とスライド板本体81及び連結板82との係合状態が解かれる。次いで、ハンドル4を回動操作しスライド板8を上方に移動させると、ロック板7とスライド板8との係合状態が解かれるので、そのままハンドル4を手前に引けば外扉3は開放される。
【0022】
ここで、外扉3を閉状態から開放するには、上述したようにスライド板8を上方に移動させ、ロック板7とスライド板8との係合状態を解くとともに、スライド板8とストッパ機構10のストッパ片と係合状態を解くことが必須となる。したがって、従来の自動販売機のようにロック板7とスライド板8との係合状態だけで外扉3をロックするものと比較して、防盗効果の高いものとなる。すなわち、従来の構造では、第1の錠4やリンク機構9を何らかの手段で破壊すればスライド板8を移動させることが可能であったが、本実施の形態のものでは、このような場合にもストッパ機構10によりスライド板8の移動が阻止されるものである。また、リンク機構10のストッパ片102は、スライド板本体81のストッパ孔81bの上縁部と係合するとともに、連結板82の上端とも係合する構成となっている。このため、何らかの手段によりスライド板本体81と連結板82の連結状態が解除された場合にも、少なくとも一方がストッパ片102と係合していれば、何れかのロック板7とスライド板8との係合状態を維持できるので、さらに防盗効果が優れたものとなっている。
【0023】
このように、本実施の形態にかかる自動販売機の扉ロック機構によれば、リンク機構9を悪戯や破壊等しても、ストッパ機構10によりスライド板8がロック板7との係合状態から移動することがない。また、スライド板8が複数のスライド板本体81と連結板82とからなるとともに、前記ストッパ機構10は連結板82及び上側のスライド板本体81の双方と係合する構造となっているので、例えば悪戯等により当該連結が解除されてストッパ機構10との係合が解除されても、スライド板本体81又は連結板81の一方との係合が維持されていれば、外扉3のロック状態を維持することができる。したがって、防盗効果に優れたものとなる。
【0024】
また、外扉3には第1の錠5及び第2の錠6という2つの錠が設置してあるので、この錠による視覚効果により防盗効果をさらに向上することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、スライド部材を上下に移動させてロック部材と係合させるための機構を悪戯や破壊等しても、スライド部材とロック部材が係合した状態からのスライド部材の移動を阻止するストッパ機構により、スライド部材がロック状態から移動することがない。また、スライド部材が複数のスライド部材本体と連結部材とからなるとともに、前記ストッパ機構は連結部材及び何れかのスライド部材本体の双方と係合する構造となっているので、悪戯等により当該連結が解除されて何れかのスライド部材本体又は連結部材とストッパ機構との係合が解除されても、他の連結部材又はスライド部材本体との係合が維持されていれば、扉のロック状態を維持することができる。したがって、防盗効果の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動販売機の外観斜視図
【図2】自動販売機の扉ロック機構を説明する概略斜視図
【図3】スライド板及びストッパ機構の拡大斜視図
【図4】ストッパ機構を説明する外扉の拡大断面図
【図5】ストッパ機構を説明する外扉の拡大背面図
【図6】従来の自動販売機の扉ロック機構を説明する概略斜視図
【符号の説明】
1…自動販売機、2…自動販売機本体、3…外扉、4…ハンドル、5…第1の錠、6…第2の錠、7…ロック板、7a…ロック溝、8…スライド板、81…スライド板本体、81a…係止孔、81b…ストッパ孔、82…連結板、9…リンク機構、10…ストッパ機構、101…ストッパ取付片、102…ストッパ片

Claims (2)

  1. 自動販売機本体側に設けられたロック部材と、扉側に配置された上下に移動可能なスライド部材とを備え、スライド部材を移動させてロック部材と係合状態にすることにより自動販売機本体に扉をロックさせる自動販売機の扉ロック機構において、
    前記スライド部材は、上下に配置された複数のスライド部材本体と、これらスライド部材本体を連結する連結部材からなり、複数のスライド部材本体と連結部材とが一体となって上下に移動可能であり、
    自動販売機の扉の内側に設けられ、連結部材及び何れかのスライド部材本体の双方と係合することにより、スライド部材とロック部材が係合した状態からのスライド部材の移動を阻止するストッパ機構とを備え
    該ストッパ機構は扉に設けられた錠と連結し、該錠を施錠方向に操作すると連結部材及び何れかのスライド部材本体の双方と係合状態となり、前記錠を解錠方向に操作すると前記係合状態が解かれる
    ことを特徴とする自動販売機の扉ロック機構。
  2. 上側に配置された前記スライド部材にはストッパ機構と係合するストッパ孔を形成するとともに、連結部上端が該ストッパ孔の下縁部とほぼ同一高さとなるように前記連結部材を配置した
    ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機の扉ロック機構。
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