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JP4208985B2 - 計算機式断層写真法システムにおいて物体を走査する方法及び計算機式断層写真法システムのためのプロセッサ - Google Patents

計算機式断層写真法システムにおいて物体を走査する方法及び計算機式断層写真法システムのためのプロセッサ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般的には計算機式断層写真(CT)法のイメージングに関し、より具体的には、CTイメージングを用いた侵襲的処置中の物体の走査及び画像の表示の品質を改善することに関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも1つの公知のCTシステム構成では、X線源はファン(扇形)形状のビームを投射し、このビームは、デカルト座標系のX−Y平面であって、一般的に「イメージング(作像)平面」と呼ばれる平面内に位置するようにコリメートされる。X線ビームは、患者等のイメージングされるべき物体を通過する。ビームは、物体によって減衰された後に、放射線検出器の配列に入射する。検出器配列において受け取られる減衰したビーム放射線の強度は、物体によるX線ビームの減衰量に依存している。配列内の各々の検出器素子は、検出器の位置におけるビームの減衰量の測定値である個別の電気信号を発生する。すべての検出器からの減衰量測定値を個別に収集して、透過プロファイル(断面)を形成する。
【0003】
公知の第3世代CTシステムでは、X線源及び検出器配列は、X線ビームが物体と交差する角度が一定に変化するように、イメージング平面内でイメージングされるべき物体の周りをガントリと共に回転する。1つのガントリ角度における検出器配列からの一群のX線減衰量測定値、即ち、投影データを「ビュー」と呼ぶ。物体の1回の走査は、X線源及び検出器の1回転の間に様々なガントリ角度で形成された1組のビューで構成されている。軸方向走査の場合には、投影データを処理して、物体から切り取られた2次元スライスに対応する画像を構成する。
【0004】
1組の投影データから画像を再構成する1つの方法は、当業界でフィルタ補正逆投影(filtered back projection)法と呼ばれている。この方法は、ある走査からの減衰量測定値を、「CT数」又は「ハンスフィールド(Hounsfield)単位」と呼ばれる整数に変換し、これらの整数を用いて、陰極線管表示装置上の対応するピクセルの輝度を制御するものである。
【0005】
多数のスライスに要求される全走査時間を短縮するために、「螺旋」走査を実行することができる。「螺旋」走査を実行するためには、所定の数のスライスについてのデータが収集されている間に、患者は、ガントリの回転と同期してz軸方向に移動する。このようなシステムは、1回のファン・ビーム螺旋走査から単一の螺旋を発生する。ファン・ビームによって精密に撮像された螺旋から投影データが取得され、この投影データから各々の所定のスライスの画像を再構成することができる。走査時間の短縮に加えて、螺旋走査は、コントラストのよりよい制御、任意の位置における改善された画像再構成及びよりよい3次元画像等のその他の利点を提供する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
生検針等の侵襲的処置のためのCTシステム支援の質を高める努力がなされている。重要な支援の課題として、走査及び画像表示に必要な時間量、並びに表示される画像の品質がある。具体的には、侵襲的処置に関して、画像は「実時間」で表示されず、即ち、データ収集、即ち走査と、画像表示との間に遅延が存在する。更に、公知のCT透視検査(fluoroscopy)システムは典型的には、固定された位置で走査して、一度に1つの画像スライスのみを表示するように構成されている。侵襲的処置は、CTシステムがデータを収集すると共に表示するのと同じ速さで進行することしかできないので、このような侵襲的処置は、連続形式ではなく、段階的(step-by-step)形式又は表示ごと(display-by-display)の形式で行われる。
【0007】
遅延時間を短縮するために、螺旋走査を用いて侵襲的処置中にイメージングを行うことができる。しかしながら、各々の螺旋走査をダウンロード(データ転送)するために、10秒までの時間が要求される可能性がある。従って、走査時間は、螺旋走査を用いることにより短縮されるが、螺旋走査と螺旋走査との間にかなりの待ち時間(down time)が生じる。更に、侵襲的処置の間を通じて、いくつかの螺旋走査が必要とされるので、各々の螺旋走査がダウンロードされている間には処置は中断される。
【0008】
侵襲的処置のためのCT支援を改善することが望ましい。具体的には、侵襲的処置をガイドするのに十分に高速に、データを収集し、このようなデータを再構成すると共にこのようなデータの画像を表示することが望ましい。又、侵襲的処置中の一切の待ち時間を短縮すると共に、侵襲的処置のための画像表示を改善することが望ましい。
【0009】
【課題を解決するための手段】
これらの目的及びその他の目的は、以下のシステムで達成されることができる。即ち、このシステムは、一実施例では、いくつかの画像を同時に且つ実質的に実時間(リアル・タイム)で表示して、侵襲的処置をガイドするものである。具体的には、本発明の一実施例によれば、少なくとも1つの画像スライス及び1つの3次元画像が、CTシステム表示装置上に同時に表示される。これらのような画像を形成するために、CTシステムは、予めプログラムされた多数のグループの螺旋走査を実行する。1つのグループ内の各々の螺旋走査は、物体の多数の画像スライスを形成するために実行される。3次元画像も又、画像スライスを結合することにより形成される。次いで、少なくとも1つの画像スライス及び3次元画像が、実質的に実時間の3次元画像と時系列の2次元画像とが同時に観察可能になるように、同時に表示される。
【0010】
上述の画像表示方法を用いて、データ収集とデータ表示との間の時間的遅延が短縮される。このような同時的な画像表示は又、侵襲的処置のためのCT支援を改善するものと考えられる。更に、これらのような画像は、全体的な画質を犠牲にすることなく形成されるものと考えられる。
【0011】
【実施例】
図1及び図2を参照すると、計算機式断層写真(CT)法のイメージング(作像)・システム10が、「第3世代」CTスキャナにおいて典型的なガントリ12を含んでいるものとして示されている。本発明は、第3世代スキャナと関連させた実施に限定されているのではなく、例えば、第4世代スキャナ及びCT電子ビーム形式スキャナにおいても用いられ得る。従って、本発明は、第3世代スキャナと関連させてここに記載されることもあるが、このような記載は、例示のみを目的とするのであって、限定を目的とするのではないことを理解されたい。
【0012】
システム10に関して、ガントリ12はX線源14を有しており、X線源14は、ソース・コリメータ(図示されていない)を介して且つあるガントリ角度(図示されていない)で、X線ビーム16をガントリ12の反対側に設けられている検出器配列18に向かって投射する。検出器配列18は、検出器素子20によって形成されており、これらの検出器素子20は一括で、患者22を通過する投射されたX線を感知する。各々の検出器素子20は、入射するX線ビームの強度を表す、従って患者22を通過する際のビームの減衰量を表す電気信号を発生する。X線投影データを収集するための1回の走査中に、ガントリ12及びガントリ12に装着された構成部品は、回転中心24の周りを回転する。
【0013】
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御されている。制御機構26は、X線制御装置28と、ガントリ・モータ制御装置30とを含んでいる。X線制御装置28は、X線源14に対して電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御装置30は、ガントリ12の回転速度及び位置を制御する。制御機構26に設けられたデータ収集システム(DAS)32は、検出器素子20からのアナログ・データをサンプリングし、後続処理のためにこのデータをディジタル信号に変換する。画像再構成装置34は、サンプリングされてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取って、高速画像再構成を実行する。再構成された画像は、計算機36への入力として印加され、計算機36は、大容量記憶装置38に画像を記憶させる。好ましくは、再構成された画像は、データ配列として記憶される。
【0014】
計算機36は又、キーボードを有しているコンソール40を介して、オペレータからの命令(コマンド)及び走査パラメータを受け取る。フラット・パネル表示装置又は陰極線管表示装置等の付設された表示装置42によって、オペレータは、再構成された画像、及び計算機36からのその他のデータを観測することができる。オペレータが供給した命令及びパラメータは、計算機36によって用いられて、DAS32、X線制御装置28及びガントリ・モータ制御装置30に制御信号及び情報を供給する。加えて、計算機36はテーブル・モータ制御装置44を動作させ、テーブル・モータ制御装置44は、モータ式テーブル46を制御して、ガントリ12内で患者22を位置決めする。具体的には、テーブル46は、患者22の部分をガントリ開口48を通して移動させる。本明細書では、「Xmm×Xmm走査」は、1:1の螺旋ピッチにおいてXmmのコリメータ開口を用いて関心物体を走査することを指しており、ここで、螺旋ピッチは、X線源14の1回転におけるテーブル46の移動量対ソース・コリメータによって画定されているスライス幅の比である。
【0015】
図3を参照すると、公知のように、CTシステム支援の下で生検針のような侵襲的処置を実行する方法は典型的には、走査計画工程50と、走査実行工程52と、画像表示工程54とを含んでいる。走査計画工程50の間に、患者のターゲット領域(図示されていない)が指定される。患者22は、ガントリ12内で位置決めされ、患者22は走査されて、ターゲット領域の周囲の患者の解剖学的構造の解剖画像が形成される。患者のエントリ点、及びエントリ点とターゲット領域との間の経路は、患者の解剖画像を利用して決定される。次いで、患者22は、ガントリ12が患者のエントリ点と整列するように、ガントリ12内で位置決めされる。
【0016】
走査実行工程52の間には、針のような侵襲的用具が患者のエントリ点に挿入され、ターゲット領域への経路に沿って前進する。針が前進している間に、患者22は走査されて、患者の解剖学的構造内での針の位置を特定する画像が形成される。例えば、針が患者22に挿入された後に、患者22は走査されて、針の位置が決定される。走査の後に、針は患者の解剖学的構造内の新たな位置に前進する。患者22は再び走査されて、針のこの新たな位置が特定される。針がターゲット領域内に到達するまで、針は再び前進し、患者22は再び走査される。
【0017】
画像表示工程54の間に、走査実行工程52において収集された投影データを用いて、オペレータが患者の解剖学的構造内の針の位置を見て針が経路内に位置しているか否かを決定することができるように、画像が形成されると共に表示装置42上に表示される。より具体的には、オペレータが画像ごと(image-by-image)の形式で経路内の針の前進を見ることができるように、順次的な画像が表示装置42上に表示される。
【0018】
走査実行工程52及び画像表示工程54の両方を実行している間に、図4によれば、オペレータが処置中に用いられている様々な命令及びパラメータを見ることができるように、メニュー56も又、表示装置42上に表示されている。具体的には、侵襲的処置に先立って、オペレータは、実行される各々の走査について、走査位置58及び走査厚み/間隔60を選択する。走査位置58に関して、オペレータは、患者22に対して走査が中心に位置決め62されるのか、又は患者22に対して走査が上位64若しくは下位66に位置決めされるのかを選択する。走査厚み60は、ソース・コリメータによって画定されるスライス幅を指している。
【0019】
メニュー56は又、走査数68及びガントリ角度70を明示している。各々の走査について、走査数68は次第に増大して、処置中に実行された走査数を表示する。ガントリ角度70は、X線源14と患者22との間の角度を指している。図示のように、各々のパラメータは、所望されるならばオペレータがいずれのパラメータでも変更することができるようにして、オペレータに対して表示されている。
【0020】
上述のシステムによれば、各々の走査に引き続いて、典型的には1つの画像スライスが表示される。このような表示は、侵襲的処置を実行する助けになるが、侵襲的処置をよりよくガイドするためには改善されたCT支援を提供することが望ましい。勿論、このような改善された支援を提供することに関連する経費は、過剰となってはならない。
【0021】
本発明の一実施例によれば、改善されたCT支援を提供するために、画像は、実質的に「実時間」で表示され、少なくとも2つの画像が表示装置42上に同時に表示されるので、時系列的で且つ順次的ないくつかの画像を同時に見ることができる。より具体的には、図5を参照すると、同図は、本発明の一実施例に従ったシステムのメニュー72を示しており、オペレータは、走査位置74、走査厚み/間隔76、ガントリ角度78、ピッチ80、高速生検針I/Q82、グループ数84、グループ間遅延85、自動開始88及び走査数90を含んでいるパラメータを選択することができる。各々のパラメータは、所望されるならばオペレータがいずれのパラメータでも変更することができるようにして、オペレータに対して表示されている。
【0022】
走査位置74に関して、オペレータは、患者22に対して走査が中心92に位置決めされるのか、又は患者22に対して走査が上位94若しくは下位96に位置決めされるのかを選択する。走査厚み76は、ソース・コリメータによって画定されるスライス幅を指しており、走査数90は、処置中に実行された走査の数を表示する。ガントリ角度78は、X線源14と患者22との間の角度を指している。ピッチ80は、螺旋ピッチを指しており、螺旋ピッチは、X線源14の1回転におけるテーブル46の移動量対ソース・コリメータによって画定されているスライス幅の比である。高速生検針I/Q82は、オペレータが走査モードを選択することを可能にしている。1つのモードは、図6〜図10と関連させて後述され、もう1つのモードは、図11及び図12と関連させて後述される。
【0023】
図5に示すように、グループ数84を用いて、オペレータは又、1つのグループとして実行される走査の最大数、即ち、走査グループを選択する。例示のみの目的で明確に述べると、オペレータがグループ数84について3を選択したとすると、CTシステム10は、中断なく3回の連続した順次的な走査を実行する、即ち、ガントリ12が3回転する。一般的には、走査進路(trajectory)は、3つ〜5つの3mm〜10mmの走査によって網羅される空間内に、即ち、3cm〜5cmの空間内に納まっている。従って、例えば、2:1ピッチで3回転すると、走査される空間を長さ6cmにすることが可能になり、この進路が走査されることが可能になる。本発明の一実施例によれば、3回転の走査グループが用いられている。しかしながら、4又は5等のその他のグループ数84を用いることができる。同様に、ピッチ80と、ガントリの傾き、即ちガントリ角度78との両者を修正して、例えば、テーブル基準位置が固定されていることによるあらゆる制限を補うことができる。
【0024】
更に図5を参照すると、オペレータは、グループ間遅延86と、自動開始88とを選択することができる。自動開始88は、一実施例では、走査を自動又は手動のいずれかで行うこと、即ち、自動開始モード又は手動モードのいずれかで行うことを可能にするオン/オフ・トグルである。グループ間遅延86は、固定された遅延時間であり、即ち、CTシステム10が自動開始モードにあるときに、即ちオペレータが自動開始88を選択したときに、走査グループの間で、X線源14がX線16を投射しない時間、即ちX線源がオフにされている時間である。自動開始88が選択されたならば、システム10は、グループ数84として選択された走査数を実行し、グループ間遅延86として選択された遅延時間については走査を実行しない。例示のみのために述べると、自動開始88が選択され、グループ数84が3であり、且つグループ間遅延86が2秒であれば、システム10は、3回の走査を実行し、2秒間待ち、更に3回の走査を実行し、更に2秒間待ち、以下同様に続ける。
【0025】
上で説明したように、オペレータは、様々なパラメータを選択することができる。具体的には、オペレータは、コンソール40を介して計算機36にパラメータを入力することができる。計算機36は、一実施例によれば、グループ数84、グループ間遅延86、並びに走査位置74、走査厚み/間隔76、ガントリ角度78及びピッチ80を含めた予め指定されたパラメータを記憶するように構成されたメモリ・ユニットを含んでいる。
【0026】
オペレータが、自動開始88を選択しなければ、グループの間の遅延時間は可変である。具体的には、オペレータが特定して各々のグループ走査を開始する。例えば、システム10は、オペレータがグループ走査を手動で開始することを可能にする走査開始スイッチ(図示されていない)を更に含んでいてもよい。次いで、走査開始スイッチは、選択されたグループ数84について作動される。各々のグループ走査の後に、オペレータは、後続のグループ走査についてスイッチを再作動させなければならない。従って、オペレータは、後続のグループ走査を開始するために、より長く待つか又はより短く待つかのみによって、グループ走査の間の遅延時間を変化させることができる。
【0027】
ここで図6を参照すると、表100が図示されており、本発明の一実施例に従った時間と走査と画像表示との間の相互作用を示している。例示のみの目的で具体的に述べると、図6は、各々のガントリ回転が近似的に1秒間を要し、各々のガントリ回転中に収集される画像データが、収集の1秒間以内に画像として表示されることができ、グループ数84は3であり、自動開始88が選択されており、グループ間遅延86が2秒間であるようなシステム10を表している。図示のように、システム10は先ず、選択されたグループ数84に従って、3回の走査(S)、即ち1つのグループ走査を実行する。第1のグループ走査の後に、システム10は、選択されたグループ間遅延86に従って、2秒間、走査の実行を止める、即ちX線源14がオフにされる。更に、図示のように、画像表示工程54に従って、各々の個別の走査に対応している画像が、走査後の1秒間以内に、即ち実質的に「実時間」で表示される(D1、D2又はD3)。
【0028】
図6に示すように、グループ間遅延86中に、患者22の内部で針を調節(A)することができる。具体的には、図示のように、3回転の走査グループ、即ち、グループ数84が3である場合には、この走査グループによって、20秒間、即ち1回の呼吸保持時間内に4回の針調節を行うことができる。又、この走査グループによって、呼吸保持時の調節を用いてターゲット病変をビューの内部に移動させるときに、4回の試行をすることができる。この全連鎖が、次の20秒間に反復され得る。
【0029】
ここで図7を参照すると、表102が、螺旋走査のための例示的な走査位置を示している。例えば、図示のように、第1のグループ走査104が中心に位置決めされている。ここでは、グループ数84は3であり、図示のように、第1のグループ走査104のうちの1つの走査106が0cmの所に中心として位置決めされている一方で、第1のグループ走査104のうちの他の2つの走査108及び110が、1つの走査106に直接に隣接して且つ1つの走査106の両側である−1cm及び1cmの所にそれぞれ位置している。各々の後続のグループ走査112、114、116及び118は、図示のように同様に中心に位置決めされている。
【0030】
図8を参照すると、表示装置42は、1024×1024ピクセル(画素)で、4分割画面(4 on 1)の先入れ先出し表示装置として構成されている。具体的には、表示装置42は、第1の部分120と、第2の部分122と、第3の部分124と、第4の部分126とを有するように構成されている。図8に示すように、表示装置42は、画像データ42A、42B及び42Cの3つの連続した時系列表示を有している。第1の走査から形成された第1の画像(D1)が第1の部分120に表示される。続いて、第2の走査の後に、第2の走査から形成された第2の画像(D2)が第1の部分120に表示される一方で、第1の画像(D1)は第2の部分122に同時に表示される。同様に、第3の走査が第3の画像(D3)を形成した後に、第3の画像(D3)は第1の部分120に表示される一方で、第2の画像(D2)は第2の部分122に同時に表示されると共に、第1の画像(D1)は第3の部分124に同時に表示される。一実施例によれば、第2の画像(D2)は、第2の画像(D2)と第1の画像(D1)との間の時間的な相違を示すようにシフトして色彩符号化(色分け、color-coding)されているか、又はグレイ・スケールで表示される。同様に、第3の画像(D3)は、第3の画像(D3)と第2の画像(D2)との間の時間的な相違を示すようにシフトして色彩符号化されているか、又はグレイ・スケールで表示され得る。
【0031】
第4の部分126は、各々の走査された画像に対応する3次元画像、即ち、走査された画像のうちのいくつかの組み合わせを表示するように構成されている。例えば、3次元画像は、第1の画像(D1)から形成されて、第4の部分126に表示され得る。続いて、第2の画像(D2)を形成した後に、更新された3次元画像が第1の画像(D1)及び第2の画像(D2)から形成されて、第4の部分126に表示され得る。同様に、第3の画像(D3)を形成した後に、更に更新された3次元画像が第1の画像(D1)、第2の画像(D2)及び第3の画像(D3)から形成されて、第4の部分126に表示され得る。代替的には、例えば、更に更新された3次元画像を第1の画像(D1)及び第3の画像(D3)のみから形成してもよい。一実施例によれば、第2の画像(D2)及び第3の画像(D3)の色彩符号を配合して、3次元画像が第3の画像(D3)と第2の画像(D2)との間の時間的な相違を明示するようにする。
【0032】
3次元画像は、一実施例では、ある章動角度で章動させられて、変化する視点からの3次元画像を表示することもできる。用いられ得る3次元表現(rendering)手法には、MPVR(断面表示)、陰影付き表面表示、又は選択的不透明化、遠近法、可変視点及び平面ウィンドウを用いた手法等のような他の公知の空間表現手法がある。
【0033】
ここで図9を参照すると、表128は、例示的な時間と走査と画像表示との間の相互作用を示している。具体的には、図9は、5回転の走査グループが選択されている、即ち、グループ数84が5であり、2秒間のグループ間遅延86が選択されているようなシステム10を示している。図示のように、システム10は、選択されたグループ数84に従って、5回の走査、即ち1つのグループ走査を先ず実行する。第1のグループ走査の後に、システム10は、選択されたグループ間遅延86に従って、2秒間、走査の実行を止める。更に、図示のように、画像表示工程54に従って、各々の個別の走査に対応している画像が、走査後の1秒間以内に、即ち実質的に「実時間」で表示される。
【0034】
図9に示すように、グループ間遅延86中に、患者22の内部で針を調節(A)することができる。具体的には、5回転の走査グループ、即ちグループ数84が5である場合には、この走査グループによって、20秒間、即ち1回の呼吸保持時間内に3回の針調節を行うことができる。又、この走査グループによって、呼吸保持時の調節を用いてターゲット病変をビューの内部に移動させるときに、3回の試行をすることができる。この全連鎖が、次の20秒間に反復され得る。
【0035】
図10は、本発明の一実施例に従った画像データ42D、42E、42F、42G及び42Hの5つの連続した時系列表示を示している。図示のように、第1の走査から形成された第1の画像(D1)が第1の部分120に表示される。続いて、第2の走査の後に、第2の走査から形成された第2の画像(D2)が第1の部分120に表示される一方で、第1の画像(D1)は第2の部分122に同時に表示される。同様に、第3の走査が第3の画像(D3)を形成した後に、第3の画像(D3)は第1の部分120に表示される一方で、第2の画像(D2)は第2の部分122に同時に表示されると共に、第1の画像(D1)は第3の部分124に同時に表示される。同様に、第4の走査が第4の画像(D4)を形成した後に、第4の画像(D4)は第1の部分120に表示される一方で、第3の画像(D3)は第2の部分122に同時に表示され、第2の画像(D2)は第3の部分124に同時に表示されると共に、第1の画像(D1)は第4の部分126に同時に表示される。更に、第5の走査が第5の画像(D5)を形成した後に、第1の画像(D1)は表示装置42から除去される一方で、画像(D5)、(D4)、(D3)及び(D2)が図示のように表示される。一実施例では、表示されているすべての画像は、後続のグループからの第1の画像を表示しているときに、表示装置42から除去される。
【0036】
更にもう1つの実施例では、上述のように、第4の部分126は、各々の走査された画像に対応する3次元画像を表示するように構成され得る。この実施例では、他の3つの画像が表示装置42に表示される。代替的には、表示装置42は、4つの部分よりも多い部分を有して、4つの画像よりも多い同時表示を許容するように構成されていてもよい。同様に、表示装置42は、4つの部分よりも少ない部分を有して、4つの画像よりも少ない同時表示を許容するように構成されていてもよい。例えば、表示装置42は、3つの部分を有するように構成されていてもよく、この場合には、第1の部分及び第2の部分は、第1の画像スライス及び第2の画像スライスをそれぞれ表示するように構成されており、第3の部分は、3次元画像を表示するように構成されている。
【0037】
図11を参照すると、同図は、本発明の更にもう1つの実施例によるシステムのメニュー130を示しており、オペレータは、シフト量(mm)132を含む更なるパラメータを選択することができる。シフト量(mm)132は、オペレータが、グループ走査とグループ走査との間で下位方向又は上位方向のいずれかに、固定された距離で、選択された走査位置58を「飛ばす」(bump)ことができるようにするものである。具体的には、オペレータは、mm単位のシフト量、及びシフト方向、即ち上位又は下位を選択することができ、このようにして、後続のグループ走査の位置を調節することができる。
【0038】
例えば、図12を参照すると、第1のグループ走査134は、位置のシフトがなければ、0mmの所に中心を位置決めされている。図示のように、図12は、グループ数84が5の場合の走査を示している。オペレータが下位方向に50mmのシフトを選択するならば、即ち、シフト量(mm)132を50mm下位とするならば、第2のグループ走査136は、第1のグループ走査134の50mm下位、即ち−5cmの所に中心を位置決めされるようにシフトする。続いて、オペレータが上位方向に50mmのシフトを選択するならば、即ち、シフト量(mm)132を50mm上位とするならば、第3のグループ走査138Aは、再び0mmの所に中心を位置決めされる。代替的には、オペレータが下位方向に更に50mmのシフトを選択するならば、即ち、シフト量(mm)132を50mm下位とするならば、第3のグループ走査138Bは、−10cmの所に中心を位置決めされる。この例では、50mmの増分が用いられているが、いかなる寸法の増分でも用いることができる。各々の調節は、実行に1秒を超えない時間しか要さないものと考えられる。従って、時間線は、図9に関して前述したものと同一となる。
【0039】
シフト量(mm)132は、経路が過度に傾斜している場合、患者22が走査計画工程50とは異なる形式で呼吸した場合、又は患者22が呼吸を完全に保持し切れなかった場合にも、ターゲットに向かう針の追跡を可能にするものと考えられる。
上述の各実施例は又、マルチスライスCTシステムと関連させて用いられ得る。公知のマルチスライス・スキャナは典型的には、スライス当たり多数列の検出器を有している。例えば、ツー(2)・スライス検出器は、2列の検出器を有しており、フォー(4)・スライス検出器は、4列の検出器を有している。従って、マルチスライスCTシステムによる軸方向走査は、多数の画像スライスを形成する。本発明の一実施例によれば、グループ数84は、画像表示に寄与するように選択された検出器列の最大数を指す。例示のみの目的で具体的に述べると、オペレータがグループ数84として3の走査グループを選択するならば、マルチスライスCTシステムは、1回の走査を実行して、3列の検出器に対応する画像スライスを表示する。
【0040】
画質を改善するためには、針を表示している画像の部分を取り除く、例えば、フィルタ除去して、表示に先立ってモデルの針画像によって置き換えることができると考えられる。このようなモデルの利用は又、ターゲットに対する針の位置が、このようなモデルを用いてより正確に観察され得るので、針の進路をよりよく計画することを可能にする。加えて、針が患者のエントリ点に配置されている間に走査を実行することができ、モデルの針画像を形成することができる。この針の位置及び配向に基づいて、所望の針の配置、即ち、所望の患者のエントリ点と、所望の針の配向とが、患者22内に針を挿入する前に決定され得る。モデルは又、一旦エントリ点及び針の配向が選択されたときに形成されて、このようなエントリ点及び配向から帰結する針の進路を示すこともできる。又、針又は侵襲的用具の位置をガイドするために、外部の感知装置を用いることもできる。
【0041】
上述の各実施例は、データ収集とデータ表示との間の時間的遅延を最小化する。更に、各実施例は、いくつかの画像を同時に表示することを可能にする。画像の同時表示は、2次元スライスと3次元画像とを同時に且つ殆ど瞬間的に表示することを可能にすることにより、侵襲的処置に対するCT支援を改善するものと考えられる。更には、全体的な画質が低下しない。
【0042】
本発明の様々な実施例に関する以上の記述から、本発明の目的が達成されたことは明らかである。本発明を詳細にわたって記述すると共に図解したが、これらは説明及び例示のみを意図したものであるのであって、限定のためのものであると解釈してはならないことを明瞭に理解されたい。例えば、ここに記載したCTシステムは、X線源と検出器との両者がガントリと共に回転するような「第3世代」システムである。しかしながら、検出器が全環状の静止式検出器であって、X線源のみがガントリと共に回転するような「第4世代」システムを含めて他の多くのCTシステムを用いることができる。同様に、本発明を電子ビーム・システムと関連させて用いることもできる。電子ビーム・システムは、当業界で周知であり、CT電子ビーム・システムとも呼ばれる。更に、ここに記載したCTシステムは、単一のスライスを収集しているが、2つ、4つ又はそれ以上のスライスを同時に収集するような他のシステムを用いることができる。従って、本発明の要旨は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック概略図である。
【図3】侵襲的処置中に実行される一連の工程を示す図である。
【図4】侵襲的処置を支援するCTシステムのための公知のメニュー表示を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に従った侵襲的処置を支援するCTシステムのためのメニュー表示を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に従った時間と走査とデータ表示との間の相互作用を示す表である。
【図7】本発明の一実施例に従って実行される螺旋走査の走査位置を示す図である。
【図8】本発明の一実施例に従った画像データの3つの連続した表示を示す図である。
【図9】本発明の一実施例に従った時間と走査とデータ表示との間の相互作用を示す表である。
【図10】本発明の一実施例に従った画像データの5つの連続した表示を示す図である。
【図11】本発明の一実施例に従った侵襲的処置を支援するCTシステムのためのメニュー表示を示す図である。
【図12】本発明の一実施例に従って実行される螺旋走査の走査位置を示す図である。
【符号の説明】
10 CTシステム
12 ガントリ
14 X線源
16 X線ビーム
18 検出器配列
20 検出器素子
22 患者
24 回転中心
26 制御機構
28 X線制御装置
30 ガントリ・モータ制御装置
32 データ収集システム(DAS)
34 画像再構成装置
36 計算機
38 大容量記憶装置
40 コンソール
42 表示装置
42A、42B、42C、42D、42E、42F、42G、42H 画像データの連続した時系列的表示
44 テーブル・モータ制御装置
46 モータ式テーブル
48 ガントリ開口
50 走査計画工程
52 走査実行工程
54 画像表示工程
56、72、130 メニュー
58、74 走査位置
60、76 走査厚み/間隔
62、92 中心
64、94 上位
66、96 下位
68、90 走査数
70、78 ガントリ角度
80 ピッチ
82 高速生検針I/Q
84 グループ数
86 グループ間遅延
88 自動開始
100、102、128 時間線表
104、112、114、116、118、134、136、138A、138B グループ走査
106、108、110 走査
120 第1の部分
122 第2の部分
124 第3の部分
126 第4の部分
132 シフト量(mm)

Claims (9)

  1. X線を投射するX線源と、該X線源からのX線であって、物体により減衰されるX線を検出する検出器と、表示装置とを含んでいる計算機式断層写真法システムのためのプロセッサであって、
    該プロセッサは、前記表示装置に画像を形成するように、前記検出器に結合されていると共に前記表示装置に結合されており、走査投影データを取得し、該投影データを処理して画像データを形成し、少なくとも1つの画像スライスと1つの3次元画像とを前記表示装置に同時に表示するようにプログラムされており、
    前記プロセッサは更に、
    記X線源及び前記検出器が装着され、前記物体の周りを回転するガントリ回転の1つの走査グループとしての最大数を決定することにより、走査グループを選択し、
    記X線源がX線を投射しない時間を決定することにより、グループ間遅延を選択し
    選択された前記走査グループと、選択された前記グループ間遅延とを用いて、前記走査を実行するようにプログラムされており、
    前記表示装置は、少なくとも3つの部分を有しており、前記プロセッサは、第1の表示部分に第1の画像スライスを、第2の表示部分に前記第1の画像スライスとの間の時間的な相違を示すように色彩符号化された第2の画像スライスを、及び第3の表示部分に3次元画像を同時に表示するようにプログラムされている計算機式断層写真法システムのためのプロセッサ。
  2. 前記選択された走査グループは、少なくとも2つのガントリ回転を含んでいる請求項1に記載のプロセッサ。
  3. 前記計算機式断層写真法システムは、前記選択された走査グループを記憶するように構成されているメモリ・ユニットを更に含んでおり、前記プロセッサは、該メモリ・ユニットに結合されている請求項1に記載のプロセッサ。
  4. 前記表示装置は、4つの部分を有しており、前記プロセッサは、第1の表示部分に第1の画像スライスを、第2の表示部分に第2の画像スライスを、第3の表示部分に第3の画像スライスを、及び第4の表示部分に3次元画像を同時に表示するようにプログラムされている請求項に記載のプロセッサ。
  5. 前記第1の画像スライス、前記第2の画像スライス、前記第3の画像スライス及び前記3次元画像を同時に表示するために、前記プロセッサは、前記第2の画像スライスと前記第1の画像スライスとの間の時間的な相違を示すように前記第2の画像スライスを色彩符号化し、前記第3の画像スライスと前記第2の画像スライスとの間の時間的な相違を示すように前記第3の画像を色彩符号化するようにプログラムされている請求項に記載のプロセッサ。
  6. 前記3次元画像を表示するために、前記プロセッサは、前記3次元画像が前記第2の画像スライスと前記第3の画像スライスとの間の時間的な相違を示すように、前記第2の画像の色彩符号と、前記第3の画像スライスの色彩符号とを配合するようにプログラムされている請求項に記載のプロセッサ。
  7. 前記3次元画像を表示するために、前記プロセッサは、前記3次元画像をある章動角度で章動させて、変化する視点からの該3次元画像を表示するようにプログラムされている請求項1に記載のプロセッサ。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載のプロセッサと、X線を投射するX線源と、該X線源からのX線であって、物体により減衰されるX線を検出する検出器と、表示装置とを含んでいる計算機式断層写真法システム。
  9. 侵襲的用具のガイドを提供する外部の感知装置を更に含んでいる請求項に記載の計算機式断層写真法システム。
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