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JP4284304B2 - ヒートポンプ給湯機及びその運転方法、冷凍サイクル装置 - Google Patents

ヒートポンプ給湯機及びその運転方法、冷凍サイクル装置 Download PDF

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Description

本発明は、ヒートポンプ給湯機に関わり、特に瞬間式における運転開始時の立ち上がり特性の向上に関するものである。
従来のヒートポンプ給湯機は電気温水器と同様に300〜500Lもの大容量の貯湯タンクを有し、夜間の安価な電力を使って夜中にヒートポンプ運転を行い、水を沸き上げて貯湯タンクに蓄えておき、前記貯湯タンクの湯を日中に使う貯湯式が一般的であった。
近年になって、前記貯湯タンクの小形軽量化と省エネを目的とし、給湯使用時に随時ヒートポンプ運転を行い水冷媒熱交換機器で加熱した湯を直接出湯し、使用端末へ給湯する瞬間式が提案されている。
このような瞬間式ヒートポンプ給湯機としては、特開2003−240344号公報(特許文献1)に開示された貯湯タンクを全く有しないタンクレス瞬間式のものと、特開2003−240339号公報(特許文献2)及び特開2003−279133号公報(特許文献3)に開示された貯湯タンクを有するタンク付瞬間式のものとが提案されている。
特開2003−240344号公報 特開2003−240339号公報 特開2003−279133号公報
特許文献1のような貯湯タンクなし瞬間式ヒートポンプ給湯機においては、貯湯タンクが無いので大幅な小形軽量化が図れるが、運転立ち上がり特性、すなわち蛇口を開いて給水使用が始まってから適温(約40℃)になるまでの時間が数分掛かってしまい、比較的短時間で済む手洗いや食器洗いには適しないため、製品化には至っていない。
特許文献2,3のような貯湯タンク付瞬間式ヒートポンプ給湯機によれば、運転立ち上がり時には適温に達していない水(例えば20〜30℃)に、貯湯タンクの高温湯(約60〜90℃)を混合し適温にして蛇口から給湯することができるので、ユーザーから見れば運転立ち上がり特性が改善されたと考えることができる。
しかし、貯湯タンクから出湯すれば、貯湯タンクから放熱されることとなり、加熱効率(日平均COPや年間平均COP)の観点からは好ましくない。従って、なるべく加熱効率を低下させないように貯湯タンクからの出湯量を抑える必要がある。それには水冷媒熱交換器から直接出湯する瞬間型経路が素早く立ち上がる必要がある。
本発明は、瞬間式ヒートポンプ給湯機における立ち上がり時間の短縮を図ることを目的とする。
本発明の目的は、運転開始時には先ず圧縮機を短時間予備的に運転し、一旦停止した後、本運転を行うことによって達成される。
本発明によれば、圧縮機の運転立ち上がり時間を短縮することができる。また、貯湯タンクを有する給湯機であれば、運転立ち上がり時における貯湯タンクからの出湯量を抑えることができる。
以下、本発明の第一の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1において、部品構成及び各部品の働きについて説明すると、ヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ冷媒回路30、給湯回路40、および運転制御手段50を備えて構成されている。ヒートポンプ冷媒回路30及び給湯回路40は同一箱体内に一体的に収納されている。運転制御手段50は電気信号に関する部分のことであり、台所リモコン51及び風呂リモコン52(前記箱体とは別個に設けられている)、更には各リモコン・センサから信号が入力され、圧縮機の1a、1bの回転数や各弁の開閉、ポンプの運転などの制御信号を演算・出力する制御部(前記箱体内に配設されているが図示せず)により構成されている。
ヒートポンプ冷媒回路30は冷媒回路A30a、冷媒回路B30bの2サイクル方式で、主要部品を2個づつ有しており、圧縮機1a、1b、冷媒開閉弁A2、水冷媒熱交換器3に配置される冷媒側伝熱管3a、3b、冷媒開閉弁B4、風呂用熱交換器5に配置される風呂用冷媒管5a、冷媒調整弁6a、6b、蒸発器7a、7bを、それぞれ冷媒配管を介して順次接続して構成されており、その中に冷媒が封入されている。この冷媒はCO2であることが好ましく、このときの冷凍サイクルは、高圧側がCO2の超臨界状態で運転される超臨界サイクルである。
圧縮機1a、1bは、瞬間式ヒートポンプ給湯機に適合できるような大容量で、かつ、給湯量に応じて回転数を変えることができるスクロール圧縮機である。すなわち、圧縮機1a、1bはPWM制御、電圧制御(例えばPAM制御)及びこれらの組合せ制御により、低速(例えば700回転/分)から高速(例えば7,000回転/分)まで回転数制御されるようになっている。
水冷媒熱交換器3は、冷媒側伝熱管3a、3b及び給水側伝熱管3c、3dを備えており、冷媒側伝熱管3a、3bと給水側伝熱管3c、3dとの間で熱交換を行うように構成されている。
冷媒調整弁6a、6bとして、一般的にはキャピラリ、温度式膨張弁、電動膨張弁等が使用される。冷媒調整弁6a、6bは、水冷媒熱交換器3を経て送られてくる中温高圧冷媒を減圧し、蒸発し易い低圧冷媒として蒸発器7a、7bへ送る減圧装置の働きを担う。また、冷媒通路の絞り量を変えてヒートポンプ回路内の冷媒循環量を調節する働きや、絞り量を全開にして蒸発器7a、7bに中温冷媒を多量に送って霜を溶かす除霜装置の働きをも担うものである。
冷媒調整弁6a、6bとしては運転制御手段50からの開閉指示信号に対する応答速度の速い電動膨張弁または電磁二方弁が適している。なお、冷媒調整弁6a、6bとして電磁二方弁を使用するときには、冷媒の開閉操作を行う電磁二方弁と共に冷媒の減圧制御を行うキャピラリチューブが必要である。
また、蒸発器7a、7bは空気と冷媒との熱交換を行う空気冷媒熱交換器で構成されている。図示しないファンを利用することで効率的に熱交換を行うことができる。8a、8bは圧力センサで、圧縮機1a、1bの高圧側圧力である吐出圧力(Pd’)を検知して運転制御手段50に信号を送り、圧縮機の回転数及び蒸発器7a、7bへの風量制御用ファンモータ(図示せず)の回転数などを制御するためのものである。なお、低圧側圧力である吸込み圧力(Ps’)の検知は圧力センサ8に代えて、蒸発器7a、7bに取り付けられた蒸発器サーミスタ7c、7dで温度を感知し吸込み圧力に代行することが出来る。
また、減圧弁10は、例えば水道の給水源から供給される200〜500kPaものバラツキのある高い水圧を約170kPa程度の使用上適切な一定水圧にコントロールするものであり、水逆止弁12は、一方向にのみ水を流し、逆流を防止するものである。
給湯回路40は蛇口給湯、風呂給湯、タンク沸戻し、風呂追焚きを行うための水循環回路を備えて構成されている。
台所蛇口給湯回路は、給水金具9、減圧弁10、給水水量センサ11、水逆止弁12、給水側伝熱管3c、3d、タンク混合弁29、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15が水配管を介して順次接続された直接給湯回路(いわゆる瞬間型経路)と、給水金具9、減圧弁10、給水水量センサ11、貯湯タンク27、タンク混合弁29、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15が水配管を介して順次接続されたタンク給湯回路とで構成されている。なお、給水金具9は水道などの給水源に接続され、台所出湯金具15は台所蛇口16、風呂蛇口25などに接続されている。
風呂給湯回路は、給水金具9、減圧弁10、給水水量センサ11、水逆止弁12、給水側伝熱管3c、3d、タンク混合弁29、湯水混合弁13、流量調整弁14、風呂注湯弁17、フロースイッチ18、風呂循環ポンプ19、水位センサ20、入出湯金具21が水配管を介して順次接続された風呂用直接給湯回路と、給水金具9、減圧弁10、給水水量センサ11、貯湯タンク27、タンク混合弁29、湯水混合弁13、流量調整弁14、風呂注湯弁17、フロースイッチ18、風呂循環ポンプ19、水位センサ20、入出湯金具21が水配管を介して順次接続された風呂用タンク給湯回路とで構成されている。
タンク沸戻し回路は、貯湯タンク27、機内循環ポンプ28、給水側伝熱管3c、3d、タンク混合弁29、貯湯タンク27が水配管を介して順次接続され構成されている。なお、タンク沸戻し運転時には、ヒートポンプ運転と共に機内循環ポンプ28を運転し、貯湯タンク27内の水を下部から取り出して循環し、給水側伝熱管3c、3dで加熱された後、貯湯タンク27に上側から戻し順次沸き上げられるものである。また、27a〜27dは貯湯タンク27側面に取り付けられた温度検知用サーミスタで、貯湯タンク27を上下に区分して貯湯量及び/又は湯の使用量を検出するためのものである。
風呂追焚き回路は、入出湯金具21、水位センサ20、風呂循環ポンプ19、フロースイッチ18、風呂用熱交換器5の風呂用水配管5b、風呂出湯金具24が水配管を介して順次接続され構成されている。なお、入出湯金具21は風呂循環アダプター22を介して浴槽23に接続され、風呂給湯時は水位センサ20側から浴槽23へ給湯し、風呂追焚き時には浴槽23側から水位センサ20側へ水循環するように構成されている。また、風呂追焚き時には、水循環ポンプ19を運転して上記風呂追焚回路による浴槽水の水循環を行うと共に、ヒートポンプ運転を行い、冷媒開閉弁A2を閉じ、冷媒開閉弁B4を開いて風呂用冷媒管5aに高温冷媒を循環させ、風呂用水配管5bを循環する浴槽23の残り湯を加熱して浴槽23に戻すことにより風呂追焚きを行うものである。
ヒートポンプ給湯機には、蒸発器サーミスタ7c、7d及び圧力センサ8a、8bの他に、給水温度を検知する給水サーミスタ11a、水冷媒熱交換器3の出湯温度を検知する熱交サーミスタ3e、給湯温度を検知する給湯サーミスタ13a、浴槽23内の水位を検出する水位センサ20等が設けられ、各検出信号は運転制御手段50に入力されるように構成されている。
運転制御手段50はこれらの信号に基づいて各機器を制御するものである。すなわち、台所リモコン51及び風呂リモコン52の操作設定により、ヒートポンプ冷媒回路30の運転・停止、圧縮機1a、1bの回転数制御、冷媒開閉弁A2、冷媒開閉弁B4の開閉、冷媒調整弁6a、6bの冷媒絞り量調整、風呂循環ポンプ19の運転・停止及び湯水混合弁13、流量調整弁14、風呂注湯弁17、フロースイッチ18等を制御することにより、直接給湯運転、風呂湯張り運転、風呂追焚運転等を行うものである。また、運転制御手段50は後述する二段階始動制御を行わせ、運転開始時には、圧縮機1a、1bの予備運転を行ってから本運転を行う。
次に、ヒートポンプ給湯機の運転動作について、図1のヒートポンプ回路30及び給湯回路40を参照しながら図2〜図12(図7を除く)に基づいて説明する。
先ず、図2及び図3によって圧縮機の構成、圧縮動作について説明する。
図2は、スクロール圧縮機1aを含む冷凍サイクルを表し、特に圧縮機1aのチャンバ内における冷媒圧力の概略を示す図である。スクロール圧縮機1bのチャンバ内についても図2と同様である。
図3は、図2の圧縮室103及び背圧室123等の構成を説明するための図である。断面図等については、ヒートポンプ給湯機用の圧縮機を用いて図8〜12で説明する。
図8は本発明第1の実施例にかかる横置スクロール圧縮機の縦断面図であり、旋回スクロール、固定スクロール、フレーム、オルダムリングの各部品に対して、複数の断面からみた図、図9は固定スクロールをスクロールラップ側からみた図8のA−A矢視断面図、図10は差圧制御弁108の拡大図である。
まず、構造を説明する。図8において、旋回スクロール101は、鏡板101aにスクロールラップ101bが立設し、その背面には旋回軸受101cを挿入した軸受保持部101dと、旋回オルダム溝101eが設けられる。固定スクロール102は、図9に示されるように、スクロールラップ歯先面と同一面である非旋回基準面102aを設けそこに周囲溝102bを形成する。
そして、歯底には4個のバイパス穴102cが設けられる。ここでバイパス穴102cを設けた理由は、圧縮室103の圧力が吐出圧以上になった場合に、このバイパス穴102cから冷媒ガスを抜くためである。図8において、このバイパス穴102cを覆うようにリード弁板であるバイパス弁板104およびその弁板104の開口度を制限するリテーナ104aをバイパスねじ105で固定する。中央近くには吐出穴102dが開口している。
また、図9において、歯底面の外縁側に吸込掘込102eを設け、そこに背面から吸込パイプ106を挿入するための吸込穴102fを設ける。この吸込穴102fに前記吸込パイプ106を挿入するが、そのときに弁体107aと逆止弁ばね107bを入れ、吸込側逆止弁107を形成する。さらに、固定スクロール102の外周に吐出ガスおよび油を流す複数個の流通溝102gを設ける。
図9、図10において弁穴102hを開け、弁シール面102iを設ける。そして、この弁穴102hの側面からR溝102mと通じる吸込側導通路102kを設ける。図10において、前記弁穴102hに弁体108aと差圧弁ばね108bを入れ、ばね位置決具108cに前記差圧弁ばね108bの一端を挿入した状態で弁キャップ108dを前記弁穴102hよりも直径の大きい弁キャップ挿入部102lに圧入し、差圧制御弁108を形成する。
フレーム109は、外周部に前記固定スクロール102を取り付ける固定取付面109a、その内側に旋回はさみこみ面109bが設けられる。そのさらに内側には、オルダムリング110をフレーム109と旋回スクロール101の間に配置するため、フレームオルダム溝109cを設ける。また、中央部には軸シール109dと主軸受109eを設け、そのスクロール側にシャフト111を受けるシャフトスラスト面109fを設ける。外周面にはガス及び油の流路となる複数の流通溝109hが設けられる。
オルダムリング110の一面にフレーム突起部110aが設けられ、もう一方の面には旋回突起部110bが設けられる。
シャフト111には内部にシャフト給油孔111aと主軸受給油孔111bと軸シール給油孔111cと副軸受給油孔111dが設けられる。さらに偏心部111eに旋回軸受101cに挿入され、一方の端部には副軸受113が挿入される。副軸受113は副軸ハウジング115に組み込まれ、副軸ハウジング115は密閉容器122に固定された副軸受支持板114に固定される。さらに、シャフト111にはロータ112aが圧入されており、密閉容器122に焼き嵌めされたステータ112bとでモータ112を形成する。
次に動作を説明する。前記ロータ112aが回転することにより、前記シャフト111が回転し前記旋回スクロール101が旋回運動する。ここで、前記オルダムリング110があるので前記旋回スクロール101の自転が防止される。この動作により吸込口116内の冷媒ガスが両スクロールの間に形成される圧縮室103に入り圧縮されて前記吐出穴102dから固定背面室117に吐出される。このときの圧力はPdである。
前記固定背面室117に吐出された冷媒ガスは前記固定スクロール102およびフレーム外周部にある流通溝102g、109hを通ってモータ室118に入る。そのモータ室118に入った冷媒ガスはモータ112を通る。その過程で、冷媒ガスはロータ112aやステータ112bに衝突しその中に含まれる油を分離し、分離された油はモータ室118の下部におちる。モータ室118に入った冷媒ガスは副軸支持板114に形成された通気孔114aを通って、油分離板125に衝突しその中に含まれる油を分離して吐出パイプ120より外部に出る。
ここで冷媒ガスが前記通気孔114aを通る流路抵抗により絞られて、貯油室121の圧力は前記モータ室118の圧力より低く、Pd’となる。この結果、モータ室118の潤滑油119は副軸支持板114の導油孔114bより押し出されモータ室118の油面より貯油室121の油面が高くなる。
次に給油について説明する。旋回スクロール101と固定スクロール102とフレーム109により形成される中間圧室123の圧力は前記差圧制御弁108により吸込圧力Psと吐出圧力Pdの間の圧力(以後、中間圧Pbとする。)となる。吐出圧雰囲気にある貯油室121内の潤滑油119は吐出圧Pd’と中間圧Pbの差圧により、給油パイプ124からシャフト給油孔111aを通って旋回軸受101cに給油される。
また、シャフト111の回転による遠心力により主軸受給油孔111b、軸シール給油孔111c、副軸受給油孔111dから各摺動部へ給油される。旋回軸受101cに給油された潤滑油119は、前記中間圧室123に漏れこみ、差圧制御弁108から吸込口116に入り冷媒ガスとともに前記固定背面室117に吐出される。
次に各室と圧力について説明する。
吸込室116は、主に旋回スクロール101と固定スクロール102により形成され、吸込圧Psの圧力状態にあり、逆止弁107を介して蒸発器7aに接続されている。逆止弁107から圧縮室103の入口までの圧力も吸込圧と考えられる。そのような意味では、後述の高圧Pdに対して、低圧Psとも言える。
圧縮室103は、主に旋回スクロール101と固定スクロール102により形成され、シャフト111の回転運動に伴い容積が縮小して冷媒を低圧Psから高圧Pdへと圧縮するもので、固定スクロール102の渦巻きの中心部が吐出側で圧縮機チャンバ内(図3では上側,図8では固定背面室117)に連通している。Pdは吐出圧、つまり圧縮室103から吐き出された冷媒の圧力である。その後、114aを通って、圧力センサ8で計測される圧縮機の吐出圧はPd’である。
背圧室(中間圧室)123は、主に旋回スクロール101とフレーム109により形成され、吸込室116とは旋回スクロール101の鏡板101aの面(鏡板面)と、これに対向する固定スクロール102の対向面との間の微小隙間であるサンドイッチクリアランス(絞りX1)を介して連通し、圧縮機1a下部に貯留した潤滑油とはシャフト111に形成されたシャフトスラスト面109fと旋回スクロール101との微小隙間及びシャフト111と各軸受101c,109eとの微小隙間(絞りX2)を介して連通している。
低圧室(吸込室116)に入った冷媒は、圧縮室103に導入されて圧縮され、低圧Psから高圧Pdとなりチャンバ内を経て吐き出され冷媒開閉弁2、4へと循環される。すなわち、図8等で説明されている圧縮機は、チャンバ内空間が高圧Pdとなる高圧タイプ圧縮機である。背圧室123は、絞りX1を介した低圧室116の低圧Psの影響と、絞りX2を介した潤滑油の高圧Pdの影響とを受けて中間圧Pbとなる。この中間圧Pbと低圧Psとの差圧が旋回スクロール101の背圧△P(=Pb−Ps)となって旋回スクロール101を固定スクロール102に密着させ、圧縮室の密閉性を高める働きをする。詳細は図11の左半分を用いて後述する。
圧縮室の密閉性について説明を続ける。図12は、旋回スクロール101の鏡板面(固定スクロール102の歯先面)を表している。旋回スクロール101の鏡板面と固定スクロール102の歯先面との間隔は、圧縮室103の密閉性に鑑みれば理想的にはゼロとされるが、機械的には微小隙間があり、密閉性は100%とはならない。従って、前述のサンドイッチクリアランスがある分、各スクロールの歯先を介して吸込室116と圧縮室103とは連通している。この隙間を絞りX0とする(図示せず)。絞りX0は、図2における圧縮室103の台形の中に存在すると考えることができる。
前記の構成において圧縮機1a、1bの運転中は、蒸発器7a、7b側から吸い込んだ圧力Ps’の低圧冷媒は、逆止弁107を介して低圧室116に入りPs’とほぼ等しい圧力Psとなる。Ps’は蒸発器側の圧力であり、冷媒調整弁6a,6bから逆止弁107までの圧力であるが、逆止弁107が開のときはPs’=Psと考えられる。なお、逆止弁107は、圧縮機1a停止時には閉じて、吐出圧Pdの流体が蒸発器7aに逆流することを防止するものであるが、圧縮機運転時には開いているものである。但し、運転停止後十分長い時間が経過した後は、各室の圧力がバランスするので逆止弁107は開放される。
圧縮機運転中は、絞りX2を介して中間圧室123に漏れ込んだ潤滑油が、絞りX1を介して吸込室116に供給され、絞りX0を介して圧縮室103に供給される。この際、潤滑油が絞りX0部分をシールすることで圧縮室103の密閉性を高めている。すなわち圧縮機運転中は、潤滑油が絞りX0部分に供給され続けるので、圧縮室103の密閉性が保たれるが、圧縮機が停止されると潤滑油の供給が止まり、絞りX0部分のシール作用が無くなって圧縮室103と吸込室116とは連通して同じ圧力になってバランスする。この作用は、図12に図示されている。
図12は、図8のA−A矢視断面図である。従って、この紙面上では固定スクロール102の歯先と、旋回スクロール101の歯底が表示されている。なお、歯底は断面であるのでハッチングを施しているが、歯先は実物なのでハッチングを施していない。図12では、ハッチングを施している旋回スクロール101が反時計方向に回転する。絞りX0部分のシール作用が無くなって高圧Pdの冷媒が漏れるのは、図12の紙面上ではハッチングのない固定スクロールの歯先の部分から外側へ向かって漏れることになる。
このとき、高圧Pdの冷媒がX0を介して吸込室116に漏れ、低圧PsがPdの影響を受けて、ほぼPdへと増加する。各室の関係を見ると、吸込室116と圧縮室103は同等の容積と考えられるが、圧力に注目すると、圧縮機が高圧タイプ圧縮機であるため、低圧Psの空間である吸込室116よりも高圧Pdの空間の方が非常に大きいからである。高圧Pdの空間は、少なくとも圧縮室103、固定背面室117、モータ室118の合計である。
以上、圧縮機の運転が停止すると、吸込室116の圧力もPdとなる。また、吸込室116は、絞りX1を介して背圧室(中間圧室)123と連通しているので、背圧室123の圧力もPdへと増加する。背圧室123の容積も高圧Pdの空間に比して非常に小さいと考えられるからである。
この作用を図11を用いて説明する。 図11は、旋回スクロール101,固定スクロール102と圧力Pd,Ps,Pbの大きさを示しており、左半分は圧縮機運転中の圧力の関係、右半分は圧縮機運転停止後の圧力の関係を示している。左半分で圧力の分布が曲線状になっているのは、スクロール圧縮機であるからであり、シャフト111の回転軸心の半径が大きい方から、すなわち外側から低圧の冷媒が入ってきて前記回転軸心、すなわち中心へ行くほど圧縮されて圧力が高くなるからである。
圧縮機運転中は、図中左半分の下向きの圧力と上向きの圧力との関係は、上向きの圧力、延いては上向きの押付力が大きいように設計されており、前述の通り、背圧△P(=Pb−Ps)で旋回スクロール101を固定スクロール102に密着させ、圧縮室の密閉性を高める。また、潤滑油によっても圧縮室の密閉性が高められている。
ところが圧縮機が停止されると、回転慣性でロータは多少回るものの回転数が落ちてくる、それに伴って潤滑油の供給が低減して、そのうち潤滑油によるシール効果がなくなる。すると圧縮室103の密閉性が保てなくなり、吸込室116が高圧Pdとなる。図11の右半分と図12は、このときの状態を表している。図12は、中心から外側に向かって高圧の冷媒が漏れて行く様子を表しており、図11は、左半分と比較して、右半分の下向きの圧力が外側まで大きくなったことが表されている。この圧力状態では、上向きの旋回スクロールの押付力よりも、下向きの力が大きくなる。従って、旋回スクロールが下向きに押されて絞りX1の機能が低減され、背圧室123も高圧Pdとなって、旋回スクロール101の上下の圧力がPdでバランスする。
圧縮機の運転停止後十分長い時間、例えば30分を経ると、圧力バランス状態は、Pd=Pb=Ps=Pd’=Ps’となる。このとき逆止弁107は開放されている。
図4は本発明を適用しない場合の運転開始時の動作説明図で、横軸はヒートポンプ運転の時間経過を示し、縦軸は給湯使用状態、例えば蛇口16の開閉、圧縮機の運転状態、圧縮機内臓の逆止弁107の開閉状態及び圧縮機内外の圧力変化を示す。
先ず、左端に示す給湯運転状態において、中間圧Pbは吐出圧Pdと吸込圧Psの中間にあり、中間圧Pbと吸込圧Psの差圧、すなわち背圧△Pは圧縮室103の密閉性を十分に維持できる値である。また、圧縮機1a、1bの吸引作用によりPs≦Ps’となっており前記逆止弁107は開放されているが、運転停止すると逆止弁107は閉止し、Pd、Pb、Psは徐々にバランスして低圧Psは高くなる。更に時間が経過して図1の圧縮機、冷媒開閉弁、冷媒側伝熱管、冷媒調整弁、蒸発器のサイクルを通じてヒートポンプ回路全体の圧力がバランスすると、ほぼPd=Pb=Ps=Pd’=Ps’となり逆止弁は開放される。なお、圧力がバランスしたTaの間は、グラフ上の各圧力線は一本に重ねて表示している。
逆止弁107が開放されている状態では、圧縮機の低圧側内容積、すなわち吸込室116が「圧縮機低圧部+蒸発器内容積」へと拡大されたのと同様となり、圧縮機始動時に低圧側冷媒が吸引されても、低圧側内容積が大きいので容易に吸込室116の圧力が低下しない。そのため低圧側圧力Psの低下が遅く、背圧△Pが拡大しにくい。つまり背圧△P(=Pb−Ps)が上がらず、旋回スクロール101が固定スクロール102に十分密着しないことにより圧縮室の十分な密閉性が確保されず、効率が悪いので、加熱立ち上がり時間を遅らせることとなる。すなわち運転立ち上がり時間T1が長く掛かってしまう。
ヒートポンプ運転開始から水冷媒熱交換器3を介した直接出湯による給湯の温度が使用適温になるまでの加熱立ち上がり時間を運転立ち上がり時間といい、貯湯タンク27の大きさや給湯使用の使い勝手に大きく影響し、瞬間式ヒートポンプ給湯機においては最も重要な指標の一つである。
前記運転立ち上がり時間T1の間は、水熱交換器3からの直接給湯と貯湯タンク27からのタンク給湯を併用しており、T1が長いほどタンクからの出湯量が多くなるので、タンク容量を大きくしなければならない。特に瞬間式ヒートポンプ給湯機においては、加熱能力の大容量化を必要とするため、蒸発器7a、7bの容積が大きい。従って、低圧側圧力Psの影響が大きいので、密閉不完全→低圧漏れ→中間圧Pb上がらず→背圧不十分→密閉不完全の悪循環となり、圧縮不足による加熱遅れが生じ、T1が長い。
次に図5は本発明の第一の実施例を示す運転開始時の動作説明図で、図4と同様横軸はヒートポンプ運転の時間経過を示し、縦軸は給湯使用状態、圧縮機の運状態、逆止弁107の開閉状態、及び圧縮機内外の圧力変化を示す。
左端に示す給湯運転状態においては図4と同様である。また、図5の右側に示す、本運転前の予備的な運転(予備運転)時においては逆止弁107が開放されているため、圧縮機1a、1bの吸引側容積として圧縮機1a、1b内の低圧部容積に蒸発器7a、7bの容積が加わるため、低圧側圧力Psの低下が遅く、背圧△Pの拡大が遅いため固定スクロール102と旋回スクロール101の密着が不完全な状態が続くが、予備的な運転は数十秒の短時間T3で停止する。この予備運転が停止すると、吸込圧Ps,中間圧PbともほぼPdへと高まることは前述の通りである。また、圧縮機の予備的な運転が停止すると逆止弁107は閉じる。
予備運転停止後しばらくの時間が経過しても、背圧△Pが十分高い状態を保っている間に本運転を開始するよう予備運転停止時間T4を設定する。短時間(T3)の予備運転の一旦停止後運転を再開(本運転を開始)すると、先ず逆止弁107が開く。すると、吸込室116が「圧縮機低圧部+蒸発器内容積」へと拡大されたのと同様となり、容易に吸込室116の圧力が低下しないはずである。
しかし、予備運転停止時間T4中Pdとなっていた吸込室116の圧力は、逆止弁107が開いたことによって、Ps’へと低下し、背圧△Pは急速に拡大する。なお、背圧△Pは拡大されるが、差圧制御弁108により、所定値以下に保たれる。この拡大した背圧△Pにより、固定スクロール102を押圧し、旋回スクロール101との密閉性が十分な状態になるため、十分圧縮された高温高圧冷媒が圧縮機1a、1b内を通して水冷媒熱交換器3側へ吐き出される。
図4の運転立ち上がり時間はT1で示すように比較的長く掛かるが、予備運転と本運転の二段階始動制御を用いた場合においては、図5のT2で示すように運転立ち上がり時間の短縮を図ることができる。この時間短縮分、貯湯タンク27からの出湯量を抑えることができる。T2の終わりは、すなわち貯湯タンクからの出湯をやめることができる時刻であるから、T2の終期の明確化という点では好ましくない。また、本運転開始からT2の終わりまでは比較的短いと考えられる。従って、少なくとも給湯要求があってから本運転が開始されるまでの間で考えたとしても、貯湯タンクからの出湯量を抑えることができる。延いてはタンク容量の小型化を図ることができ、ほぼT2/T1に比例して小型化を図り得る。
なお、予備運転時間T3はPd、Psの圧力変化により運転停止後、背圧△Pが確保できる、例えば30〜40秒前後とする。また、背圧△Pが確保されている時間内において本運転を開始するには、予備運転停止時間T4は例えば10〜20秒前後とする。もちろん、これらの時間は、運転立ち上がり時間を短縮することができる範囲で、短いほど好ましい。
予備運転時間30〜40秒及び予備運転停止時間10〜20秒の合計一分程度を使うと一見遠回りのようであるが、これらの時間を使ったとしても、運転立ち上がり時間を短縮することができる。例えば、従来の1サイクルヒートポンプで約6分、2サイクルヒートポンプで約4分掛かったものが、二段階始動制御を行うことにより約3分へと短縮できる。このように、貯湯タンクからの高温給湯量を少なくすることができ、熱量の放出を低減できるので加熱能力を高く維持することができる。また、貯湯タンクからの給湯量を抑えることができるので、貯湯タンクの小形化を図ることができる。また、前記予備運転を行うことによって、予め圧縮機の各摺動部に潤滑油が供給され、本運転時の回転数の加速化に対応し、圧縮機の始動信頼性の向上を図ることができる効果をも有するものである。
なお、本実施例においては圧縮機の加速特性を考慮し、運転開始時は中速回転数で始動・運転(中速運転)し、一旦停止後、所定時間内に圧縮機の中速運転を行い、その後圧縮機が十分加速してから、給湯温度や給湯量に応じて高速回転数で運転(高速運転)するものである。予備運転を高速運転とすることもできるが、差圧が大きくなり過ぎる虞があり、延いては予備運転停止時間を長く取る必要が生じる虞がある。ここで、高速回転数とはヒートポンプ給湯機の定常状態における回転数をいい、中速回転数は高速回転数の半分以下とする。また、中速回転数は予備運転内の最も大きな回転数で定義される。
また、二段階始動制御は、圧縮機1a、1bの停止時間Taが例えば30分以上のような長時間にわたったときに特に効果がある。圧力バランスしてPsとPs’がほぼ等しい状態から、運転を立ち上げることになるからである。また、逆止弁107は圧縮機に内臓のものであるが、圧縮機の外部に配設されているような冷凍サイクルがあったとしても、この二段階始動制御を適用することができる。
次に、図6は台所蛇口16を開けて給湯使用する場合の運転動作を示すフローチャートの一実施例である。以下、図6を用いて、予備運転と本運転とを含む二段階始動制御を中心に説明する。
給湯要求があると、すなわち台所蛇口16を開けて湯水使用が始まる(ステップ71)と、給水水量センサ11、給水サーミスタ11a、給湯サーミスタ13a等によって各部の流量、温度が検知され、運転制御手段50は検知された値の入力を受けると共に給湯要求があったと判断する。そして、給湯開始の判定を行い(ステップ72)、一定以上の流量が一定時間以上続けば給湯開始と判定して、運転制御手段50は、各部にヒートポンプ運転の運転開始指令信号を出す。
前記一定流量、一定時間を条件とするのは、ヒートポンプ運転を行うまでもない短時間の給湯使用と、ヒートポンプ運転が必要な連続給湯使用とを判別し、無用なヒートポンプ運転を行わないためである。例えば、ちょっとした手洗いや、薬を服用するためにコップに水を注ぐような場合は、大きな流量が要求されても直ぐ(例えば3秒)に給湯要求も停止されるので、所定時間T0(例えば5秒)以内の給湯要求であれば要求流量に関わらずヒートポンプ運転を行わないようにするものである。つまり、給湯要求があってから所定時間T0(例えば5秒)経っても給湯要求が継続されているときに限り圧縮機の運転を開始するものである。また、水漏れと同視し得るような小さな流量が要求された場合もヒートポンプ運転は行わない。
運転制御手段50は運転開始指令を出し、二段階始動制御により、先ず予備運転を開始(ステップ73)し、圧縮機1a、1bを始動させ、給水金具9、減圧弁10、給水水量センサ11、水逆止弁12、給水側伝熱管3c、3d、タンク混合弁29、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15、台所蛇口16の給湯回路により給湯を行う。(ステップ74)。
運転停止後30分以上経過した後の予備運転(ステップ73)時は、逆止弁107が開放されて低圧側容量が大きく、背圧△Pが無いため圧縮室103の密閉性が不完全であり、運転立ち上がり時間は長く掛かるが、前記予備運転(ステップ73)は短時間のうちに停止(ステップ74)させ、所定時間経過後ヒートポンプ本運転を開始する(ステップ75)。本運転(ステップ75)においては、背圧△Pは本運転開始直後から急速に拡大するため(或る値α以上となるため)、圧縮室103の密閉性も十分保たれ、運転立ち上がり時間は大幅に短縮される。
前記給湯開始(ステップ72)後は、給水水量センサ11、給水サーミスタ11a、給湯サーミスタ13a等の検知データによって、運転制御手段50は給湯温度及び流量の調整を行い(ステップ75)、適正温度、適正流量の給湯運転を続ける。なお、給湯温度及び流量の判定は常時行い(ステップ76)、規定外であれば給湯温度及び流量の調整を行い(ステップ75)、規定内であれば蛇口が閉じられるまで、すなわち給湯要求が継続されている限り水冷媒熱交換器3からの直接出湯による給湯を継続する(ステップ77)。別の表現をするならば以下のようになる。圧縮機が一旦停止した後、予備運転停止時間T4(例えば10〜20秒)以上経過しても給湯要求が継続されていれば圧縮機の運転を再開して、直接出湯を行う。
瞬間型経路のみに着目すると、圧縮機1a、1bが運転開始しても即座に水冷媒熱交換器3から高温湯が直接出湯されるわけではなく、冷媒の圧縮加熱、高温冷媒の循環及び給水との熱交換を経て給湯されるため、台所蛇口16を開いてからしばらくの間は水道からの冷水ないしは少し温まったぬるま湯が出ることになる。蛇口使用を開始してからヒートポンプ運転によって使用適温(約40℃)の湯が直接給湯されるまでの間は適宜貯湯タンク27からの出湯によって高温湯を給湯し、直接出湯による給湯又は給水と合わせて使用適温として給湯する。
台所蛇口16が閉じられ湯水使用が終了すると(ステップ78)、運転制御手段50は、圧縮機1a、1bを停止し、給湯運転を終了する(ステップ79)。
次に第二の実施例を図7によって説明する。
前記図1にて説明した貯湯タンク付の瞬間式ヒートポンプ給湯機に対し、本実施例は、2サイクル方式で且つ大容量の圧縮機を用い、且つ、二段階始動制御を用いることにより、貯湯タンクを設けない、本格的な瞬間式ヒートポンプ給湯機を提供するものである。
図7は、前記図1のヒートポンプ給湯機と比較した場合、圧縮機1a、1b〜風呂蛇口25までは同一構成で、給湯回路40において、貯湯タンク27、タンクサーミスタ27a〜27d、タンク循環ポンプ28及びタンク混合弁29のないものである。
図7において、先ずヒートポンプ給湯機を設置した後、給水金具9、減圧弁10、給水水量センサ11、水逆止弁12、水冷媒熱交換器3、湯水混合弁13、流量調整弁14、台所出湯金具15の給水回路で給湯機内の台所給湯側の水回路を満水状態にしておき、台所蛇口16が開放されて給湯使用される度にヒートポンプ運転を行い直接出湯により給湯するものである。
本実施例においては、ヒートポンプ給湯機の加熱容量を第一の実施例に示した貯湯タンク付に対し、約2倍程度に大容量化を図り、且つ、二段階始動制御を適用することにより、実現し得るものである。すなわち、運転立ち上がり時間が従来約6分掛かったものを2サイクルとすることにより約半減し、更にヒートポンプ容量の大容量化及び二段階始動制御を適用することにより、1分以下へと短縮して実用化を図るものである。
この二段階始動制御を従来の貯湯式ヒートポンプ給湯機に適用した場合、貯湯式においては1日に1回夜間のみ運転するので、断続回数が少なく加熱立ち上がり時間短縮の効果は顕著ではないが、圧縮機の圧縮性能を向上し、不完全圧縮防止などの信頼性向上の効果を有するものである。
なお、第一の実施例において考えられる様々なバリエーションは第二の実施例においても有効である。
以上説明した二段階始動制御はヒートポンプ給湯機に適用しているが、他の冷凍サイクル装置にも適用することができる。例えば、エアコンやスーパーマーケット、コンビニエンスストア等に設置されるショーケース等である。ヒートポンプ給湯機は水を温めるものであったが、エアコンやショーケース等に適用する場合には、空気を冷やしたり温めたりすることになるので、水冷媒熱交換器3を空気冷媒熱交換器に変更するなど、装置構成を適宜変更しなければならない箇所が出てくる。なお、エアコンに適用すれば、従来に比して直ぐに部屋等が涼しく、または暖かくなるという効果があり、ショーケースに適用すれば、直ぐに冷却効果を得られるという効果がある。サーモスタットを用いたようなON/OFFのフィードバック制御であれば、ONの都度(二段階始動制御の都度)直ぐに冷却効果が得られるので、電力量を低減し得る。
第一の実施例を示し、貯湯タンク付瞬間式ヒートポンプ給湯機の場合の部品構成を示す模式図である。 圧縮機内部の冷媒圧力の概略を示す図 圧縮機の圧縮室及び背圧室等の構成を説明するための図 本発明を適用しない場合の動作説明図 本発明の第一の実施例を示す動作説明図 湯水使用時の運転経過の一例を示すフローチャートである。 第二の実施例を示し、貯湯タンクなし瞬間式ヒートポンプ給湯機の部品構成を示す模式図である。 横置スクロール圧縮機の縦断面図(複数の断面からみた図) 固定スクロールをスクロールラップ側からみた図8のA−A矢視断面図 差圧制御弁拡大図 旋回スクロール101,固定スクロール102と圧力Pd,Ps,Pbの大きさを示す図 図8のA−A矢視断面図
符号の説明
1a、1b…圧縮機
2…冷媒開閉弁A
3…水冷媒熱交換器
3a、3b…冷媒側伝熱管
3c、3d…給水側伝熱管
4…冷媒開閉弁B
5…風呂用熱交換器
5a…風呂用冷媒管
5b…風呂用水配管
6a、6b…冷媒調整弁
7a、7b…蒸発器
8a、8b…圧力センサ
9…給水金具
10…減圧弁
11…給水水量センサ
11a…給水サーミスタ
12…水逆止弁
13…湯水混合弁
13a…給湯サーミスタ
14…流量調整弁
15…台所出湯金具
16…台所蛇口
17…風呂注湯弁
18…フロースイッチ
19…風呂循環ポンプ
20…水位センサ
21…入出湯金具
22…風呂循環アダプター
23…浴槽
24…風呂出湯金具
25…風呂蛇口
30…ヒートポンプ冷媒回路
40…給湯回路
50…運転制御手段
51…台所リモコン
52…風呂リモコン
101…旋回スクロール
101a…鏡板
101b…スクロールラップ
101c…旋回軸受
101d…軸受保持部
101e…旋回オルダム溝
102…固定スクロール
102a…非旋回基準面
102b…周囲溝
102c…バイパイ弁
102d…吐出穴
102e…吸込掘込
102f…吸込堀込
102g…流通溝
102h…弁穴
102i…弁シール面
102k…吸込側導通路
102l…弁キャップ挿入部
102m…R溝
103…圧縮室
104…バイパス弁板
104a…リテーナ
105…バイパスねじ
106…吸込パイプ
107…吸込側逆止弁
107a…弁体
107b…逆止弁ばね
108…差圧制御弁
108a…弁体
108b…差圧弁ばね
108c…ばね位置決突起
108d…弁キャップ
109…フレーム
109a…固定取付面
109b…旋回はさみこみ面
109c…フレームオルダム溝
109d…軸シール
109e…主軸受
109f…シャフトスラスト面
109h…流通溝
110…オルダムリング
110a…フレーム突起部
110b…旋回突起部
111…シャフト
111a…シャフト給油孔
111b…主軸受給油孔
111c…軸シール給油孔
111d…副軸受給油孔
111e…偏心部
112…モータ
112a…ロータ
112b…ステータ
113…副軸受
114…副軸受支持板
114a…通気孔
114b…導油孔
115…副軸ハウジング
116…吸込口
117…固定背面室
118…モータ室
119…潤滑油
120…吐出パイプ
121…貯油室
122…密閉容器
123…中間圧室
124…給油パイプ
125…油分離板

Claims (14)

  1. 圧縮機と、給水された水と冷媒との熱交換を行う水冷媒熱交換器と、冷媒調整弁と、大気と冷媒との熱交換を行う蒸発器とを、冷媒配管を介して順次接続したヒートポンプ冷媒回路と、
    前記圧縮機を制御する運転制御手段とを備えたヒートポンプ給湯機であって、
    前記運転制御手段は、運転開始時には圧縮機を所定の短時間運転して冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を行い、一旦停止後、所定時間内に圧縮機を再度運転して冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を再開するヒートポンプ給湯機。
  2. 前記圧縮機は、固定スクロール、旋回スクロール、逆止弁、フレームを有し、
    少なくとも、前記旋回スクロール及び前記フレームで形成される背圧室内の圧力である第一圧力と、前記固定スクロール、前記旋回スクロール及び前記逆止弁で形成される吸込室内の圧力である第二圧力との差圧で、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに押圧させることにより圧縮室を形成するスクロール形圧縮機である請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  3. 前記圧縮機の短時間の運転開始時から、前記所定時間内に圧縮機の運転が行われるまでの時間が1分以内である請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  4. 前記運転制御手段は、前記圧縮機の回転数を制御するものであって、
    運転開始時には圧縮機を短時間中速で運転し、一旦停止後、所定時間内に圧縮機の中速運転を行い、その後更に高速運転を行って、
    前記水冷媒熱交換器で加熱した水を、使用端末へ直接出湯する請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  5. 少なくとも前記所定時間内に圧縮機の運転が行われるまでの間の前記使用端末への給湯量を補助するための貯湯タンクを有する請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
  6. 逆止弁を内蔵したスクロール圧縮機と、給水された水とCO2冷媒との熱交換を行う水冷媒熱交換器と、電動膨張弁と、大気と冷媒との熱交換を行う蒸発器とを、冷媒配管を介して順次接続したヒートポンプ冷媒回路と、
    貯湯タンクと、
    給湯要求がなされた場合には、前記スクロール圧縮機の運転開始時に冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を40秒以内行い、一旦停止後10秒以上経過しても前記給湯要求が継続されているときには、前記スクロール圧縮機を再度運転して冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を再開するように前記スクロール圧縮機の回転数を制御する運転制御手段と、
    前記水冷媒熱交換器で加熱された水を、使用端末へ直接出湯する直接給湯回路と、
    少なくとも、前記給湯要求がなされてから前記スクロール圧縮機の運転が再開されるまでの間、前記貯湯タンクからの出湯によっての前記使用端末への給湯を補助するためのタンク給湯回路と、
    を有するヒートポンプ給湯機。
  7. 前記運転制御手段は、
    前記スクロール圧縮機の40秒以内の運転は中速回転数で行い、一旦停止後、運転再開後の運転は中速回転数で行い、その後、中速回転数から高速回転数へと回転数を上げるよう前記スクロール圧縮機の回転数を制御する請求項6記載のヒートポンプ給湯機。
  8. 給湯要求がある間、圧縮機を制御することでCO2冷媒を循環させ、熱交換器で水を加熱し給湯するヒートポンプ給湯機の運転方法において、
    前記圧縮機が30分以上停止している状態から給湯要求があった場合、
    前記給湯要求に応じて前記圧縮機の運転を開始して冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を行い、所定時間が経過した後運転を停止し、
    前記圧縮機の運転を停止してから所定時間が経過した後においても前記給湯要求が継続されているときには、当該給湯要求に応じて前記圧縮機を再度運転して冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を再開し、
    前記熱交換器で加熱した水を直接出湯するヒートポンプ給湯機の運転方法。
  9. 前記ヒートポンプ給湯機は、湯を貯湯する貯湯タンクを備え、
    少なくとも前記給湯要求があった時から前記圧縮機運転の再開するまでの間は、前記貯湯タンクから出湯することで、給湯を補助することを特徴とする請求項8記載のヒートポンプ給湯機の運転方法。
  10. 前記圧縮機の運転開始から停止までの時間が40秒以内であり、
    前記圧縮機の運転停止から再開までの時間が20秒以内であることを特徴とする請求項8記載のヒートポンプ給湯機の運転方法。
  11. 前記給湯要求から前記圧縮機の運転開始までが5秒以上であることを特徴とする請求項8記載のヒートポンプ給湯機の運転方法。
  12. スクロール圧縮機と、熱交換器と、冷媒調整弁と、蒸発器とを、配管を介して順次接続した冷凍サイクル回路と、
    前記圧縮機を制御する運転制御手段とを備えた冷凍サイクル装置であって、
    前記運転制御手段は、運転開始時には圧縮機を所定の短時間運転して冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を行い、一旦停止後、所定時間内に前記圧縮機を再度運転して冷媒を蒸発器側から吸い込み且つ水冷媒熱交換器側へ吐出する動作を再開する冷凍サイクル装置。
  13. 前記圧縮機は、固定スクロール、旋回スクロール、逆止弁、フレームを有し、
    少なくとも、前記旋回スクロール及び前記フレームで形成される背圧室内の圧力である第一圧力と、前記固定スクロール、前記旋回スクロール及び前記逆止弁で形成される吸込室内の圧力である第二圧力との差圧で、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに押圧させることにより圧縮室を形成するスクロール形圧縮機である請求項12記載の冷凍サイクル装置。
  14. 前記圧縮機の短時間の運転開始時から、前記所定時間内に圧縮機の運転が行われるまでの時間が1分以内である請求項12記載の冷凍サイクル装置。
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