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JP4242723B2 - 電子装置 - Google Patents

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JP4242723B2
JP4242723B2 JP2003204910A JP2003204910A JP4242723B2 JP 4242723 B2 JP4242723 B2 JP 4242723B2 JP 2003204910 A JP2003204910 A JP 2003204910A JP 2003204910 A JP2003204910 A JP 2003204910A JP 4242723 B2 JP4242723 B2 JP 4242723B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラユニットを搭載した携帯電話機、PDA(PersonalDigital Assistant)、デジタルカメラ、ノートパソコン等の電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラユニットを搭載した携帯電話機、PDA、デジタルカメラ、ノートパソコン等の携帯可能な電子装置である携帯端末装置の需要が高まりつつある。
【0003】
この種の電子装置としては、たとえば、携帯電話機等の携帯端末装置に着脱自在に装着し、情報通信機能によって送受話信号とともに画像等を送受信するアダプタにおいて、回動自在に軸支し、回動方向に従って撮影方向を変更することができる撮像部を設けた装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−164273号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の装置では、撮影方向を自在に変更することができることから、LCD等の表示部を見ながら被写体を随意に撮影することができるという撮影方向性に優れているという利点がある。
しかしながら、使用時には、接続すべき電子装置に対してアダプタを装着したり外したりする煩雑な作業が必要であり、また、本体の電子装置と別にカメラユニットを備えたアダプタの携帯する必要があり、使い勝手等の面で問題がある。
【0006】
そこで、近年、回転可能なカメラユニットを一体的に組み込んだ、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、ノートパソコン等の携帯端末装置が実用に供されている。
カメラユニットを搭載した携帯端末装置としては、たとえば、下部筐体と上部筐体とヒンジ部と撮影部と連動機構とを備え、撮影部がヒンジ部の端部に回動可能に設けられており、上部筐体の回動動作および指などによる摘み手動での回動動作で自由に回動角度を調整できるようになっているものがある。
【0007】
携帯端末装置はユーザは手で頻繁に触れるが、このときユーザが静電気帯電していると、端末装置の金属部に静電気が飛ぶ。静電気が端末装置の回路内の信号ライン(たとえば銅箔パターン)に飛び込むと、静電気のエネルギーが信号ライン上を伝わり、電気部品の破壊や製品の端末装置の予期せぬ異常動作を引き起こす。通常、携帯端末装置では、端末装置の上部筐体の表面側等に、静電気対策のため金属等によりシールドを施しているのが現状であるが、筐体の重量の増大、設計自由度の低下といった問題がある。
【0008】
そして、上述したように、回転可能なカメラユニットを一体的に組み込み、ユーザの指などによる摘み手動での回動動作で自由に回動角度を調整できるようになっている携帯端末装置においては、カメラユニットが静電気の影響を受ける可能性は非常に高いが、従来の端末装置においては、回転可能なカメラユニット自信に対して効果的な静電気対策がなされていないのが現状である。
【0009】
本発明の目的は、一体的に搭載されたカメラユニットへの静電気の影響を効果的に除去し得る電子装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の観点は、筐体と、上記筐体に配置されたカメラユニットと、を有し、上記カメラユニットは、撮像手段と、少なくとも一つの開口部が形成され、上記筐体の所定の位置に配置されるケーシングと、上記撮像手段が収容され、当該撮像手段における被撮像対象を撮像するための撮像部が上記開口部に位置可能に上記ケーシングに回転可能に軸支された回転体と、上記開口部において上記回転体の側面近傍に位置するように設けられた導電体と、を含み、上記導電体は、複数の爪片を有するとともに、上記回転体には、上記撮像手段の撮像部に対して並列に発光部が収容されており、前記複数の爪片のうち、上記発光部の近傍に配置される爪片は、他の位置の爪片より幅広に形成されている
【0012】
好適には、上記筐体内に、上記カメラユニットのケーシングを収容可能な収容部と、装置用グランドラインとが形成され、上記導電体は、上記ケーシングに取り付けられ、当該ケーシングが上記筐体の収容部に収容された際に上記装置用グランドラインと電気的に接続可能に形成されている。
【0013】
好適には、上記筐体は、少なくとも上記カメラユニットが収容される基体部と、上記基体部の収容側の第1面を覆うように当該基体部に取り付け可能な蓋体部とを有し、上記基体部および上記蓋体部の少なくとも一方に、上記カメラユニットの開口部と対向し、外部側から少なくとも上記撮像部を含む回転体に対して回転力を付与可能な開口部が形成されている。
【0015】
また、上記回転体は、円筒状に形成され、上記導電体は、上記回転体を上記開口部に臨む一部を除いて覆うように形成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0017】
図1および図2は、本発明に係る電子装置としての携帯電話機の一実施形態を示す図であって、図1は本発明を適用した携帯電話機(携帯端末装置)の開いた状態を前面側から見た斜視図であり、図2は本発明を適用した携帯電話機(携帯端末装置)の開いた状態を裏面側から見た斜視図である。
この携帯電話機は、携帯端末本体として、下部筐体(第2筐体)1と、上部筐体(第1筐体)2と、ヒンジ部3とを有している。
【0018】
下部筐体1は、テンキーボタン11aと、カーソルボタン11bと、決定ボタン11cとを有する操作部11が配置されている。
上部筐体2は、表示部21と、回転可能なカメラユニット22とが配置されている。そして、カメラユニット22の上部筐体2のヒンジ部3の近傍に配置され、上部筐体2の前面側(カメラユニット22や回路基板等が搭載される基体部を覆う蓋体部側)および裏面側(カメラユニット22や回路基板等が搭載される基体部側)には、カメラユニット22の撮像部を開口部と対向し、ユーザの指などによる摘み手動での回動動作で自由に回動角度を調整できるように所定の大きさの開口部4a,4bが形成されている。
表示部は、上部筐体2の前面側(カメラユニット22や回路基板等が搭載される基体部を覆う蓋体部側)に形成されるメイン表示部21aと裏面側(カメラユニット22や回路基板等が搭載される基体部側)に形成されるサブ表示部21bとを含む。
【0019】
ヒンジ部3は、下部筐体1の端部と一体化された下部ヒンジ3aと、上部筐体2の端部と一体化された上部ヒンジ3bとを備え、下部筐体1と上部筐体2とを連結し、下部筐体1に対して上部筐体2を回動可能となるように支持している。この携帯電話機は、非使用時には、下部筐体1の操作部11を有する面と上部筐体2の表示部21を有する面とが向かい合うようにヒンジ部3を支点として折り畳み可能となっている。
【0020】
表示部21は、たとえば液晶表示装置(LCD)によって構成され、操作部11によって入力された文字等の情報、携帯端末装置内に内蔵された図示しないメモリに記憶されている文字あるいは画像等の情報、操作部11を操作してカメラユニット22を用いて撮影された画像等の情報、および携帯端末装置内に内蔵された図示しない送受信装置によって送受信された画像等の情報が表示される。
これは、下部筐体1内に回路基板部が収容されており、この回路基板部と、フレキシブル配線基板、上部筐体2内に配置された中継基板部を通して上部筐体2内に配置されたバイブレータ等の駆動系電子部品とロジック系基板とが接続されていることにより、操作部11の操作に応じた各種動作が行われる。
【0021】
図3および図4は、上部筐体2の基体部側の内部構造を示す図である。
基体部200の内部側は、ヒンジ部3の近傍にカメラユニット22、および駆動系電子部品であるバイブレータ用モータ等を配置する駆動系配置領域210と、メイン表示部(LCD)21aやメインLCD21aと反対側の面に配置されるサブLCD(図3には図示せず)21b、DSP基板PRTB等が配置される駆動系配置領域210に壁状の境界部230を介して隣接するロジック系配置領域220が形成されている。ここで、カメラユニット22自体は駆動系配置領域210に配置されるが、その電気的接続に関しては、後述するように、フレキシブル配線基板26においてロジック系配置領域220においてなされている。
なお、ロジック系配置領域220の領域221には、サブLCD21bが所定のユニット体として、領域221を配線されるフレキシブル配線基板を基体部200の内面と挟持するように装着される。
【0022】
本実施形態においては、図5に示すように、シグナルグランドと静電用グランドとを分けて構成しており、静電用グランド部240が、DSP基板PRTBの周辺部に形成されている。
基本的に、図5に示すように、シグナルグランドSGNDには、メインLCD21a、サブLCD21b、カメラユニット22、DSP(IC)222等が、フレキシブル配線基板等を介して接続される。
静電用グランドSEGND(240)には、バイブレータ用モータ5が後述するように導電体(板金)により接続される。
【0023】
図6は、駆動系配置領域210の概要を示す斜視図である。
駆動系配置領域210には、カメラユニット22とバイブレータ用モータ5を並列に搭載するケーシングを収容するための第1収容部211と、第1収容部211の図中右側と重なるように形成されたフレキシブル配線基板等の中継基板部を収容する第2収容部212とが設けられている。
第1収容部212は、後述するように、円筒状のカメラユニットの回転体、およびケーシングに取り付けられ、静電用グランドSEGNDへの接続経路として形成され、かつ、カメラユニット22近傍の静電気を吸収するために回転体の周囲近傍に配置される導電体を容易に収容できるような窪み211aを設けている。そして、底面側は、基体部200(裏面)側の開口部4bが形成されている。
【0024】
次に、カメラユニット22について、図4、および図7〜図9に関連付けて説明する。
【0025】
カメラユニット22は、図に示すように、上部筐体2に内蔵され、上部筐体2の幅方向に延在するように略円筒状に形成されている。このカメラユット22は、軸22aを有して軸22aの両端を上部筐体2内で回動可能に支持された回転体23と、回転体23内に配置された撮像部としてのカメラモジュール24および発光部25と、回転体23の端部に設けられ、カメラモジュール24および発光部25に接続されたフレキシブル配線基板26を備えている。
【0026】
カメラユニット22は、図1に示すようにメイン表示部21側にカメラモジュール24が向いた状態で撮影すると、メイン表示部21aを見ながらメイン表示部21a側の被写体が撮影可能となる。
一方、メイン表示部21a側にカメラモジュール24が向いた状態から、回転体23の端部を指等で摘みながら上部筐体2内で180度回転させると、図2に示すようにメイン表示部21aの反対側にカメラモジュール24が向いた状態となり、この状態で撮影すると、メイン表示部21aを見ながらメイン表示部21aの反対側にある被写体が撮影可能となる。
【0027】
カメラユニット22は、上部筐体2内においてケーシング2aに格納されている。このケーシング2aの外側には、静電対策用の板金である第2導電体2bがセットされている。また、ケーシング2aは、長手方向に隣接してバイブレータ用モータ5をセットするためのモータセット部6が並設されている。
ケーシング2aは、図4および図7に示すように、上部および下部が開口しており、この開口部に回転体23が収容される。
そして、ケーシング2aの一側部を除く3つの側部に配置されるように、一体的に第2導電体2bがセットされる。
第2導電体2bの一端部は、ケーシング2aが駆動系配置領域210の第1収容部211に収容された際に、ロジック系配置領域220に位置し、ロジック系配置領域220に配置されたDSP基板PRTBの周辺に形成された静電用グランドに240に接続可能な接点端子250が形成されている。
また、ケーシング2aの長手方向の両側部に位置する第2導電体2bの上部および下部には、静電気を飛び込ませ吸収し、接点端子250を介して静電用グランド240に流す目的で、円筒状をなす回転体23の側面に沿うように複数の爪片251が形成されている。
このような複数の爪片251は、配置位置に応じて幅が異なるように形成される。たとえば発光部25の近傍に位置する爪片251aは、静電気を飛び込ませ吸収し易くするために他の爪片より、幅広に形成される。
【0028】
このように静電気吸収用の複数の爪片を形成したことにより、ケーシング2aに対して回転体23の位置を固定し易くなり、回転体23に対する外部からの力や衝撃を緩和することができ、また、筐体を金属製にする必要がなくなり、材料コストを低く抑えることができる。
ここでは、静電気吸収用の複数の爪片を形成した例を説明したが、一体的な平板状にしても静電気を吸収することが可能である。この場合、外部からの力や衝撃を緩和するのに効果的である。
【0029】
回転体23は、同軸で直径の異なる大径部23aと小径部23bとを備えて構成され、それら大径部23aと小径部23bとが連結されている。また、大径部23aの小径部23b側の端部には、回転体23を指で摘んで容易に回転可能となるように、複数の凹部23cが外周に設けられている。
また、回転体23は、その内部にカメラモジュール24、発光部25およびフレキシブル配線基板26が取り付け可能となるように、上下に分割可能な構成とされている。また、回転体23の側面には、カメラモジュール24および発光部25が外部から視認可能となるようにそれぞれ開口部23d,23eが設けられ、それら開口部23d,23eには、カメラモジュール24の撮影窓および発光部25の発光面を保護するように、それぞれ透明板23f,23gが設けられている。
【0030】
カメラモジュール24は、後述するフレキシブル配線基板26の一方の延在部26a上に配置され、その延在部26aに電気的に接続されている。このカメラモジュール24は、図示しない駆動部によって被写体を撮影するものであり、たとえばCCDあるいはCMOSセンサ等が使用されている。
発光部25は、後述するフレキシブル配線基板26の他方の延在部26b上に配置され、その延在部26bに電気的に接続されている。この発光部25は、カメラモジュール24で被写体を撮影する際、図示しない駆動部によって被写体を撮影すると同時に発光するようになっており、たとえば白色LEDが用いられている。
上述したように、この発光部25の近傍に位置する爪片251aは、静電気を飛び込ませ吸収し易くするために他の爪片より、幅広に形成されている。
発光部25の照射光は、撮像の補助に用いられるような強い光であり、LCDのガラス基板等に強く照射されると、TFTの照射光に基づくリーク電流等の問題からLCDが誤動作等が発生する可能性があるが、発光部25の近傍に位置する爪片251aを、他の爪片より、幅広に形成したことにより、LCDの誤動作等を防止するのに役立つ。
また、円筒状の回転体23の側部に沿った形態で各爪片251,251aを形成することが容易であり、ケーシング2aを第1収容部211に収容する際に、これら爪片251,251aは駆動系配置領域210の第1収容部211に形成した窪み211aに入り込むことから、位置決め自体が容易となるという利点がある。
また、この場合、筐体に爪のような金属片を極力露出させることなく、かつ、筐体の強度を保持した状態で指の触れるぎりぎりのところまで爪片を設けることができる。その結果、カメラユニット22を回転させる指の静電気を受けやすくすることができ、ひいては、カメラユニット22へ静電気が入り込むことを防止できる。このように、静電気のカメラユニット22への侵入を効果的に防止できることから、ノイズが極めて少ないより鮮明な撮影画像を得られるようになる。
【0031】
フレキシブル配線基板26は、図10に示すように、回転体23の軸方向に延在する一方の延在部26aおよび他方の延在部26bを有し、かつ回転体23の軸方向と垂直に延在する延在部26cを有して略丁字状に形成されている。このフレキシブル配線基板26には、一方の延在部26aにカメラモジュール24の制御部品としてのコンデンサ24a、抵抗器24b、フェライトビーズ24c、ダイオード24dが設置され、他方の延在部26bに発光部25の制御部品としてのコンデンサ25a、抵抗器25b、フエライトビーズ25c、ダイオード25dが設置されている。これらの制御部品は、カメラモジュール24および発光部25の近傍に設置されている。そして、フレキシブル配線基板26の延在部26cは、カメラユニット22を電気的に接続している。
【0032】
フレキシブル配線基板26は、延在部26bが折り曲げられて延在部26aの上部に重ねられている。このとき、カメラモジュール24と発光部25とがいずれも回転体23の開口部23d,23eから視認できるような配置になっている。
また、フレキシブル配線基板26は、このように延在部26bが折り曲げられて延在部26aの上部に重ねられた状態で延在部26aと延在部26bとが回転体23内に収納されている。
延在部26bには、発光部25から発光された光を反射されるように、その発光部25の周囲を覆うように反射板25dが設けられている。
【0033】
また、フレキシブル配線基板26は、上下に分割された回転体23を接合させてカメラモジュール24、発光部25、その他各構成要素を回転体23内に収納すると延在部26cが回転体23の外部に延設された状態となる。この延在部26cは、図11および図12に示すように、回転体23の小径部23bの外周に隙間を有しながら巻回される。
カメラユニット22は、延在部26cが回転体23の小径部23bの外周に隙間を有しながら巻回された状態でケーシング2aに収納される。
【0034】
また、回転体23を構成する大径部23aの端部には、図13に示すような、回転させたカメラユット22を所定の位置で固定させておくために、クリック機構27が設けられている。このクリック機構27は、ケーシング27aと、ケーシング27a内に設けられたバネ27bと、バネ27bによって回転体23に押え付けられる金属球27cとを備えている。
【0035】
バネ27bは、ケーシング2aの外部に設けられた板金2bによってケーシング27aの外部から押えられている。また、金属球27cが接触する大径部23aの端部には切欠き部23hが設けられており、指で摘んで回転させたカメラユニット22を停止させる場合、バネ27bの弾性力によって大径部23aの端部に押圧されている金属球27cが切欠き部23hに嵌ることでカメラユニット22が所定の位置で固定される。
【0036】
また、カメラユニット22の端部には、カメラユニット22が回転する際、その位置を検出する回転位置検出スイッチ28が設けられている。この回転位置検出スイッチ28は、2つのスイッチ28a,28bで構成されており、カメラモジュール24の透明板23fが一方の面に向いている位置、カメラモジュール24の透明板23fが他方の面に向いている位置、およびカメラモジュール24の透明板23fが隠れる位置のいずれかに設定されるカメラユニット22の位置を検出するようになっている。
【0037】
たとえば、カメラユニット22の透明板23fが一方の面に向いている位置にある場合、スイッチ28aが入り、スイッチ28bが切られる。カメラモジュール24の透明板23fが他方の面に向いている位置にある場合、スイッチ28aが切られ、スイッチ28bが入れられる。また、カメラモジュール24の透明板23fが隠れる位置にある場合、スイッチ28a,28bの双方が切られるようになっている。
【0038】
また、上述したように、上部筐体2の駆動系配置領域210には、カメラユニット22とバイブレータ用モータ5を並列に搭載するケーシング2aを収容するための第1収容部211と、フレキシブル配線基板等の中継基板部を収容する第2収容部212とが設けられている。
そして、この中継基板部は、カメラユニット22のケーシング2aのフレキシブル配線基板26の巻き回し部の収納部およびバイブレータ用モータ5の収容部6とが、基体部200との間に位置するように配置される。
【0039】
図14は、ケーシング2aと中継基板部7を下面側から見た斜視図である。
図14に示すように、中継基板部7の下面側においては、いわゆるフレキシブル配線基板のたとえばバイブレータ用モータ5のグランド等の静電用グランド7aが露出されている。
そして、本実施形態においては、駆動系配置領域210とロジック系配置領域220との境界部230の所定の位置に係架可能な係架部8aが形成され、ケーシング2aの側部から中継基板部7の露出した静電用グランド7aに到達し接触可能な第1接続子8bと、係架部8aを境界部230の所定の位置に係架させ、第1接続子8bを中継基板部7の露出した静電用グランド7aに接続した状態で、ケーシング2aの側部にセットされた第2導電体2bに接触可能の第2接続子8cが形成された板金である第1導電体8を有する。
この中継基板部7の露出した静電用グランド7a、第1導電体8の第1の接続子8b、第2の接続子8c、第2導電体2b、接点端子250、DSP基板PRTBの周辺部に形成された静電用グランド240とが接続されて、静電用グランドラインが、シグナルラインとは別に、板金による第1導電体8および第2導電体2bにより形成される。
【0040】
また、図14において、符号9aで示すフレキシブル配線基板は、下部筐体1内に回路基板部が収容された回路基板部と、中継基板部7とを接続するフレキシブル配線基板であり、符号9bで示すフレキシブル配線基板は、上部筐体2内に配置された中継基板部7と、ロジック系配置領域220に配置されたDSP基板PRTBと接続するためのフレキシブル配線基板である。
フレキシブル配線基板9aには、シグナルグランドと静電用グランドが含まれ、静電用グランドは、中継基板部7から別経路をとる。それが、上述したように、静電用グランド7a、第1導電体8の第1の接続子8b、第2の接続子8c、第2導電体2b、接点端子250、DSP基板PRTBの周辺部に形成された静電用グランド240を通るのに対し、シグナルグランドは中継基板部7からそのままフレキシブル配線基板9bを経由してDSP基板PRTBと接続される。
すなわち、本実施形態においては、極めて狭い筐体内の限られた領域にもかかわらず、シグナルグランドと静電用グランドとを極力接近させないようなグランド配線を実現している。その結果、両グランドが近接すると発生し易い電磁誘導や容量結合などにより、ノイズの影響を極力回避したいシグナルグランドへの静電ノイズが入ることを防止でき、ひいてはロジック系回路の誤動作等を防止できる利点がある。
【0041】
また、ケーシング2aの巻き回し部の収納部は上下とも開口している。
そして、本実施形態では、このケーシング2aの巻き回し部の収納部の下方側の開口を塞ぎ、さらに、延設されたフレキシブル配線基板26の一面側に貼付した導電体テープ10が配置されている。
この導電体テープ10は、カーボンテープなどからなり、フレキシブル配線基板26の巻き回し部の外部からの保護機能を有するとともに、フレキシブル配線基板26を高周波的に接地状態として、延設されて長く、しかも巻き回し部を形成したことによるフレキシブル配線基板26がアンテナと同じ効果を持ち、不要輻射による無線機能の劣化を防止している。
すなわち、巻き回したフレキシブル配線基板26自体がアンテナと同じ効果を持つようになったとしても、フレキシブル配線基板26の信号ラインからの高周波ノイズの不要輻射を抑止することが可能となる。その結果、高周波ノイズが無線機系のアンテナに入り、無線受信感度が劣化したり、カメラユニット22やロジック系回路の誤動作や破壊を防止することができる。
【0042】
また、導電体テープ10は、デジタルグランドを避け、装置用グランドであるフレームグランド等、ノイズの少ないグランドと接触するように配置することが望ましい。たとえば中継基板部7とフレキシブル配線基板9a,9bの接続部のたとえば一面側にある程度の面積を持ったグランド部(図示せず)を形成し、このグランド部と面接触するように接続させる。
フレキシブル配線基板26が、シグナルグランドとグランドラインとの2層構造を有することから、この導電体テープ10は、フレキシブル配線基板26の少なくともシグナルグランドが配線されている側の面に配置することがフレキシブル配線基板26の信号ラインからの高周波ノイズの不要輻射を抑止するのに効果的である。
また、本実施形態では、導電体テープ10は、ロジック系配置領域220の領域221に装着されるサブLCD21bが所定のユニット体として、領域221を配線されるフレキシブル配線基板26を基体部200の内面と挟持する位置まで配置して、安定した接触状態および接触面積をかせぐように構成することが好ましい。これにより、安定して高周波ノイズの不要輻射を抑止することが可能となる。
【0043】
次に、上記の構成からなる携帯電話機の機能および作用について説明する。
【0044】
まず、上部筐体2の駆動系配置領域210とロジック系配置領域220との境界部230の所定の位置に第1導電体8の係架部8aを係架させ、第1接続子8bの先端部を駆動系配置領域210の第2収容部212の所定の位置に位置させる。このとき、第1導電体8の第2接続子8cは、境界部230に沿って、後で第1収容部211に収容されるケーシング2aにセットされた第2導電体2bと接触可能な状態となっている。
この状態で、中継基板部7の露出した静電用グランド7aを下方として第2収容部212に中継基板部7をセットする。これにより、静電用グランド7aと第1導電体8の第1接続子8bが電気的に接続された状態となる。
また、ロジック系配置領域220には、周辺部に静電用グランド240が形成されたDSP基板PRTB等が所定の位置にセットされる。
そして、たとえば中継基板部7に接続されたフレキシブル配線基板9bがDSP基板PRTBの所定のコネクタに接続される。
【0045】
次に、駆動系配置領域210の第1収容部211に対してカメラユニット22およびバイブレータ用モータ5を収容させたケーシング2aが収容される。
これにより、ケーシング2aのモータ5aの接続端子が中継基板部7の図示しない端子と電気的に接続される。
さらに、中継基板部7はケーシング2aにより所定の押圧力を受けるために、静電用グランド7aと第1導電体8の第1接続子8bとの電気的接続状態が安定に保持される。
また、第1導電体8の第2接続子8cが、ケーシング2aにセットされている第2導電体2bと接触しその状態が安定に保持される。
そして、第2導電体2bに形成された弾性を有する接点端子250がロジック系配置領域220に配置されたDSP基板PRTB周辺部の静電用グランド240と接続され、その状態が保持される。
その結果、中継基板部7の露出した静電用グランド7a、第1導電体8の第1の接続子8b、第2の接続子8c、第2導電体2b、接点端子250、DSP基板PRTBの周辺部に形成された静電用グランド240とが接続されて、静電用グランドラインが、シグナルラインとは別に、板金による第1導電体8および第2導電体2bにより形成される。
また、カメラ用フレキシブル配線基板26がDSP基板PRTBの所定のコネクタに接続される。
そして、たとえばロジック系配置領域220の領域221に装着されるサブLCD21bが所定のユニット体として、領域221を配線されるフレキシブル配線基板26を基体部200の内面と挟持するようにセットされる。このとき、フレキシブル配線基板26に貼付された導電体テープ10も挟持され、安定した接触状態および接触面積を保持する。導電体テープ10はフレームグランドとも接続された状態に保持される。
これにより、フレキシブル配線基板26は高周波的に接地された状態となり、フレキシブル配線基板による高周波ノイズの輻射を防止でき、ひいては無線通信感度の劣化が防止される。
【0046】
このような構造を有する携帯電話機を用いて被写体の撮影を行う場合、カメラモジュール24および発光部25が被写体に向くように、カメラユニット22に設けられたカメラモジュール24の透明板23fを回転させた後、下部筐体1に設けられた操作部11の決定ボタン11cを押下することによって撮影する。
この場合、ケーシング2aの長手方向の両側部に位置する第2導電体2bの上部および下部には、静電気を飛び込ませ吸収し、接点端子250を介して静電用グランド240に流す目的で、円筒状をなす回転体23の側面に沿うように複数の爪片251が形成されていることから、カメラユニット22への静電気は、爪片251、第2導電体2b、接点端子250を介して静電用グランド240に放電され、カメラユニット22への静電気の影響が効果的に除去される。
【0047】
そして、携帯電話機を用いて被写体の撮影を行う際、携帯電話機が非使用時に折り畳まれた状態から、下部筐体1に重ね合わされている上部筐体2を手で開き、表示部21を見ながら操作部11を操作して撮影の設定を行い、必要に応じて発光部25が撮影と同時に作動するように設定し、上部筐体2に設けられたカメラユニット22を回転させて透明板23fと透明板23gとを被写体の方向に向けた後、決定ボタン11cを押下して撮影する。
【0048】
たとえば図11により、カメラユニット22を回転させてカメラモジュール24の透明板23fを被写体の方向に向ける際、たとえばその回転体23を右側面から見て時計回り方向に回転させると、その回転体23の小径部23bの外周に隙間を有しながら巻回された延在部26cの端部が、小径部23bの回転によって円周方向に押し付けられ、延在部26cがその隙間を狭くさせるように移動して、回転体23が回転することによって延在部26cに作用する力をその延在部26cの内部で吸収する。
【0049】
同じく図11によれば、カメラユニット22を回転させてカメラモジュール24の透明板23fを被写体の方向に向ける際、例えばその回転体23を右側面から見て反時計回り方向に回転させると、その回転体23の小径部23bの外周に隙間を有しながら巻回された延在部26cの端部が、小径部23bの回転によって円周方向に引き付けられ、延在部26cがその隙間を広くさせるように移動して、回転体23が回転することによって延在部26cに作用する力をその延在部26cの内部で吸収する。
【0050】
この場合、フレキシブル配線基板26の延在部26cの隙間が狭くなりあるいは広くなることでカメラユニット22からフレキシブル配線基板26の延在部26a,26bおよび26cに対して作用する力を吸収してその伝達を回避させるため、フレキシブル配線基板26の延在部26a,26bおよび26cに生じる曲げおよび捩れが回避され、これら延在部26a,26bおよび26cの破損あるいは破壊を防止することとなる。
【0051】
また、フレキシブル配線基板26の延在部26cがケーシング2a内で巻回されていることにより、フレキシブル配線基板26を設置する際に余分なスペースが排除され、フレキシブル配線基板26を備えたカメラユニット22がケーシング2a内に容易に収納されることとなる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、ケーシング2aの長手方向の両側部に位置する第2導電体2bの上部および下部には、静電気を飛び込ませ吸収し、接点端子250を介して静電用グランド240に流す目的で、円筒状をなす回転体23の側面に沿うように複数の爪片251が形成されていることから、一体的に搭載されたカメラユニットへの静電気の影響を効果的に除去することができる。
また、静電気吸収用の複数の爪片を形成したことにより、ケーシング2aに対して回転体23の位置を固定し易くなり、回転体23に対する外部からの力や衝撃を緩和することができる。また、筐体を金属製にする必要がなくなり、材料コストを低く抑えることができる。
また、発光部25の近傍に位置する爪片251aは、静電気を飛び込ませ吸収し易くするために他の爪片より、幅広に形成されていることから、発光部25の照射光がケーシング2aの配置領域から多量に漏れて、LCDのガラス基板等に強く照射されることを回避することが可能となり、その結果、LCDの誤動作等を防止することができる。
また、円筒状の回転体23の側部に沿った形態で各爪片251,251aを形成することが容易であり、ケーシング2aを第1収容部211に収容する際に、これら爪片251,251aは駆動系配置領域210の第1収容部211に形成した窪み211aに入り込むことから、位置決め自体が容易となるという利点がある。
また、この場合、筐体に爪のような金属片を極力露出させることなく、かつ、筐体の強度を保持した状態で指の触れるぎりぎりのところまで爪片を設けることができる。その結果、カメラユニット22を回転させる指の静電気を吸収しやすくカメラユニット22へ静電気が入り込むことを防止できる。このように、静電気のカメラユニット22への侵入を効果的に防止できることから、ノイズが極めて少ないより鮮明な撮影画像を得ることができる。
【0053】
また、フレキシブル配線基板の曲げおよび捩れによる信号線の断線を回避させ、かつ取り付け作業性を改善できることはもとより、フレキシブル配線基板による高周波ノイズの輻射を防止でき、ひいては無線通信感度の劣化を防止することができる。
【0054】
また、シグナルグランドとは別に駆動系から静電用グランドラインを板金からなる第1導電体8および第2導電体2bを通して形成することから、装置およびカメラユニットへの静電気への静電気の影響を効果的に除去できる。
【0055】
また、ヒンジ部3の近傍にバイブレータ用モータ5を配置することができることから、筐体中央近くにバイブレータ用モータを配することとなり、より筐体全体への均一な振動の伝達ができるばかりでなく、ロジック系と駆動系を区分けし、静電用グランドも別系とでき、設計が容易であり、ノイズ等にも強くなり安定した動作が可能となる。
【0056】
また、フレキシブル配線基板26の延在部26a,26bおよび26cに生じる曲げおよび捩れが回避され、これら延在部26a,26bおよび26cの破損あるいは破壊を防止することとなるので、フレキシブル配線基板26の曲げおよび捩れによる破損あるいは破壊を回避することができる。
【0057】
また、フレキシブル配線基板26を設置する際に余分なスペースが排除され、フレキシブル配線基板26を備えたカメラユニット22がケーシング2a内に容易に収納されるので、カメラユニット22の取り付け作業性がよくなるとともに、取り付け作業性がよいカメラユニット22を搭載した携帯電話機等の電子装置を実現することができる。
【0058】
なお、上記実施の形態において、電子装置として、携帯電話のみならず、たとえばPDA、デジタルカメラ、ノートパソコン等、カメラユニットを備えた携帯端末装置に適用してもよい。
また、上記実施の形態において、発光部のみならず、例えば音声を入力するマイク、あるいは使用者が携帯端末装置の操作内容を視認するための小型液晶画面等、携帯端末装置に新たな機能を付加する装置が内蔵されてもよい。
【0059】
【発明の効果】
発明によれば、一体的に搭載されたカメラユニットへの静電気の影響を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子装置としての携帯電話機の一実施形態を示す図であって、本発明を適用した携帯電話機(携帯端末装置)の開いた状態を前面側から見た斜視図である。
【図2】本発明に係る電子装置としての携帯電話機の一実施形態を示す図であって、本発明を適用した携帯電話機(携帯端末装置)の開いた状態を裏面側から見た斜視図である。
【図3】上部筐体の基体部側の内部構造を示す図である。
【図4】本実施形態に係る携帯電話機に設けられたカメラユニットの取り付け状態を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係るシグナルグランドと静電用グランドの接続形態を説明するための図である。
【図6】本実施形態に係る駆動系配置領域の構成例を示す斜視図である。
【図7】本実施形態に係る携帯電話機に設けられたカメラユニットの斜視図である。
【図8】図1のA−A線断面図である。
【図9】本実施形態に係る携帯電話機に設けられたカメラユニットの展開図である。
【図10】本実施形態に係る携帯電話機に設けられたフレキシブル配線基板の展開図である。
【図11】本実施形態に係る携帯電話機に設けられたカメラユニットの斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置に設けられたフレキシブル基板を側面から見た拡大斜視図である。
【図13】本実施形態に係る携帯電話機に設けられたクリック機構の断面図である。
【図14】本実施形態に係るケーシングと中継基板部を下面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1…下部筐体
11…操作部
2…上部筐体
2a…ケーシング
2b…第2導電体
21…表示部
22…カメラユニット
23…回転体
24…カメラモジュール
25…発光部
26…フレキシブル配線基板
26a…一方の延在部
26b…他方の延在部
26c…延在部
3…ヒンジ部
4a,4b…開口部
5…バイブレータ用モータ
6…モータセット部
7…中継基板部
8…第1導電体
10…導電体テープ
200…基体部
210…駆動系配置領域
220…ロジック系配置領域
230…境界部
240…静電用グランド
250…接点端子
251,251a…爪片

Claims (3)

  1. 筐体と、
    上記筐体に配置されたカメラユニットと、を有し、
    上記カメラユニットは、
    撮像手段と、
    少なくとも一つの開口部が形成され、上記筐体の所定の位置に配置されるケーシングと、
    上記撮像手段が収容され、当該撮像手段における被撮像対象を撮像するための撮像部が上記開口部に位置可能に上記ケーシングに回転可能に軸支された回転体と、
    上記開口部において上記回転体の側面近傍に位置するように設けられた導電体と、を含み、上記導電体は、複数の爪片を有するとともに、
    上記回転体には、上記撮像手段の撮像部に対して並列に発光部が収容されており、
    前記複数の爪片のうち、上記発光部の近傍に配置される爪片は、他の位置の爪片より幅広に形成されている
    ことを特徴とする電子装置。
  2. 上記筐体内に、上記カメラユニットのケーシングを収容可能な収容部と、装置用グランドラインとが形成され、
    上記導電体は、上記ケーシングに取り付けられ、当該ケーシングが上記筐体の収容部に収容された際に上記装置用グランドラインと電気的に接続可能に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 上記回転体は、円筒状に形成され、
    上記導電体は、上記回転体を上記開口部に臨む一部を除いて覆うように形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子装置。
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