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JP4136323B2 - 加熱装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導により渦電流を発生させて加熱する加熱装置に関するものであるとともに、複写機、ファクシミリ、電子写真プリンタ等の電子写真記録装置において、紙等の記録媒体面上に形成された加熱溶融性のトナーからなる画像を、加熱・加圧して永久固着画像として記録材面上に定着する加熱定着装置、およびその加熱定着装置を像加熱手段として備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、電子写真方式等の作像プロセス機構により、シート状の記録媒体上に未定着トナー像を転写方式または直接方式で形成担持させる。この未定着トナー像のトナーは簡単に剥がれ落ちるので、トナーに熱あるいは圧力あるいは熱と圧力の両方を加えることによりシート状の記録媒体表面に永久的に固着させることが必要となる。この工程は定着プロセスと呼ばれている。シート状の記録媒体は、シートの形状をしていてトナー像を定着できるものであれば、素材に制限はない。シート状の記録媒体の例としては、A4サイズやA3サイズなどにカットされた普通紙やOHPシートが一般的である。
定着プロセスを実現するには色々な方法があるが、熱と圧力の両方を加える方法が最も多く普及している。その際の加熱方式として、従来から、熱ローラ定着方式、フィルム加熱定着方式などの接触加熱定着方式が一般に用いられている。
【0003】
熱ローラ定着方式およびフィルム加熱定着方式の定着装置は、回転可能な中空あるいは中実の円筒形状の部材(以後回転体と呼ぶ)と、この回転体に圧接してシート状の記録媒体を挟持する加圧体(中空あるいは中実の円筒形状の場合は加圧ローラと呼ぶ)とを有してなる。上記回転体は、それに接してあるいはその近傍に配置した発熱体により加熱されるものと、回転体の一部または全部が発熱体からなり自己発熱するものとがある。熱ローラ定着方式では、上記回転体とその回転体を加熱する発熱体とを合わせて、定着ローラと呼ぶ。あるいは、上記回転体のみを定着ローラと呼ぶこともある。
【0004】
熱ローラ定着方式とフィルム加熱定着方式との主な違いは、前者では回転体がある程度の厚みを持ち、回転体に外部から圧力がかかっても変形しにくいが、後者は圧力がかかれば容易に変形するほど回転体が薄いという点にある。シート状の記録媒体は上記回転体あるいは上記加圧体の回転運動に従動して回転体と加圧体の間を搬送される。そして、回転体と加圧体との圧接部(以下、ニップ部という)において、シート状の記録媒体上のトナーは、回転体の熱により融解し、回転体と加圧体によって加えられる圧力により記録媒体に定着される。
【0005】
熱ローラ定着方式は、ハロゲンランプやニクロム線ヒータ等の棒管状発熱ヒータを、上記回転体の中心軸上に配設し、そのヒータに所定の電圧を印加して発熱させることにより、回転体を加熱するのが一般的である。回転体の外側表面は、その温度が定着に適する温度になるまで加熱される。回転体の外側表面には温度検知器が取り付けられて回転体の外側表面の温度を計測できるようにしてあり、回転体の温度が定着に適した温度に維持されるように、発熱体への電力供給が制御される。
【0006】
フィルム加熱定着方式では、回転体であるフィルムの回転方向に対し直交する方向に長手方向を一致させて配置した細長い板上の発熱体をフィルムに当接させて加熱するのが一般的である。
【0007】
従来、上記熱ローラ定着方式の定着装置では、回転体の加熱に時間を要し、電源を投入してから回転体表面の温度が定着に適した温度に達するまでの時間(以下、ウォームアップタイムという)が、比較的長かった。その間、使用者は複写機を使用することができず、長時間の待機を強いられるという問題があった。また、待機時から使用可能状態に至るまでの待ち時間を短くするために、待機中も回転体を比較的高温に保つために発熱体に通電することが行われており、そのために少なからず電力を消費していた。多量の電力を回転体に投入すればウォームアップタイムを短縮できるが、定着装置の消費電力が増大し、省エネルギーという観点から望ましくない。定着装置の省エネルギー化(低消費電力化)と、ユーザーの操作性(クイックプリント)との両立を図るために、消費電力を増やさずにウォームアップタイムを短縮することが望まれている。
【0008】
一方、フィルム加熱定着方式の定着装置は、フィルム状の回転体の熱容量が小さいため、ウォームアップタイムが短いものの、回転体が保持することができる熱量が少ないため、ニップ部内において、定着に必要な熱を、加熱体から回転体を経由してトナーに供給しなければならず、シート状の記録媒体を高速に搬送し定着させようとすると、トナーに熱を供給しきれなくなり、高速な定着には対応できない。また、回転体が蛇行したり破損したりし易いため、記録媒体の搬送の安定性および耐久性の点で熱ローラ定着方式と比較として劣っていた。
【0009】
そこで、回転体の加熱源として電磁誘導作用による発熱現象を利用した誘導加熱方式の定着装置が提案されている。これは、交番磁界中に導電体を置くと電磁誘導により導電体中に渦電流が流れ、その渦電流により発生するジュール熱により導電体が発熱する現象を利用して回転体を加熱するものである。すなわち、回転体の一部または全部を導電体で構成し、回転体の内部または外部に磁束生成コイルを配置し、この磁束生成コイルに交流電流を流して生じた交番磁界により回転体内の導電体に誘導渦電流を発生させ、その渦電流と回転体内の導電体自身の抵抗によって回転体自体をジュール熱で発熱させるものである。この誘導加熱定着装置は、電気から熱への変換効率を大きく向上させることができるため、また、回転体の肉厚が厚い場合でもその表面近傍の薄い層のみを発熱させることができるため、ウォームアップタイムの短縮が可能となる。
【0010】
誘導加熱方式定着装置の従来技術のうち、磁束生成コイルを回転体の外部に配置するものとして、特開平7−295414号、特開平10−74007号、特開平10−63126号、特開平11−297462号、特開平11−297463号、特開2000−131981号、特開2000−172098号、特開2000−181258号の各公報記載のものがある。これらの公報に記載されているように、磁束生成コイルを回転体の外部に配置すると、回転体の内部に配置するのに比べて、次のような利点がある。すなわち、回転体のうち定着に利用される外側表面に近い部分を集中的に加熱できるので、ウォームアップタイムを短縮できること、磁束生成コイルの電気抵抗により生じた熱を放熱させ易いので磁束生成コイルが高温になって発熱効率が下がったりコイルの被覆材が破壊されたりするのを防ぎ易いこと、組み立て工程が容易であること、事故や寿命により交換が必要になったときに磁束生成コイルを取り外し易いことなどである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の磁束生成コイルを回転体の外部に配置する従来技術においては、大別して2種類のコイルが使われている。1つは、特開平7−295414、特開平10−63126、特開平11−297462、特開平11−297463、特開2000−131981、特開2000−172098、特開2000−181258の各公報において使用されているもので、図18に示すように、円筒状回転体の表面に沿って湾曲した2次元曲面上に導電性線材を引き回した形状をなし、かつコアを用いていないコイル87である。これを第1の形状のコイルと呼ぶことにする。第1の形状のコイル87を使用する場合、コイル87の回転体とは反対側の面に面して磁性体を配設し、磁場が回転体の周辺部に漏れるのを防止することも行われている。
【0012】
もう1つは、特開平10−74007、特開2000−131981の各公報において使用されているもので、図19に示すように、長手方向に対し垂直な断面すなわち横断面の形状が、E字型すなわち平行な3つの突出部を持つ形状のコア85を持ち、コア85の3つの突出部のうち、中央の突出部に導電性線材86を巻回してなるコイルである。これを第2の形状のコイルと呼ぶことにする。
【0013】
第1の形状のコイル87を使用する場合、回転体の長手方向に均一に加熱するのが難しいという問題がある。すなわち、回転体の発熱量はコイルと回転体の導電体層との距離に敏感に依存して変わるため、上記のような2次元曲面上に導電性線材を引き回した形状のコイル87の場合、回転体の長手方向に均一に加熱するためには、コイル87と回転体の導電体層との距離を回転体の長手方向に一定に保たなければならず、高い組み立て精度が要求される。たとえば、コイル面と回転体表面との距離が回転体の周方向に均一になるように湾曲させたコイル87において、図20に実線87Aで示すように、長手方向の1個所で他の場所に比べてコイル面の湾曲の曲率が小さくなっていたとすると、その個所において図20に示すように回転体88の周方向のコイル端でコイルと回転体88との距離が大きくなり、そのためその個所における発熱量が他の場所に比べて少なくなってしまう。また、回転体の各場所の発熱量は、その場所に対面しているコイルのその場所での導電性線材の密度に依存しているため、回転体の長手方向に均一に加熱するためには、コイルを構成している導電性線材の密度も回転体の長手方向に一定に保たなければならず、高い製造精度が要求される。
【0014】
前記第2の形状のコイルによれば、回転体をその長手方向に均一に加熱するためには、回転体とコア85との隙間の間隔を長手方向に一定にすればよいので、回転体を長手方向に均一に加熱するのは第1の形状のコイルよりも容易である。しかし、コイル86がコア85の突出部に挟まれているため、コイル86の自己発熱がコア87内にこもり、コイル86が高温になり易いという問題点がある。また、回転体の周方向の狭い範囲に発熱が集中するため、待機時に回転体を待機時温度に保つ際に、回転体の周方向の一部のみが高温になるのを避けるために、待機時にも回転体を比較的高速に回転させる必要があるという難点もある。
【0015】
なお、第2形状のコイルの変形例として、コアの突出部の個数を増やし、導電性線材の巻回部を複数個に増やすことによって、回転体の周方向に広い範囲を加熱するようにしたものが特開平10−74007号公報で提案されているが、形状が複雑になる分だけ製造コストがアップし、また、コイルがコアの突出部に挟まれているため、コイルの自己発熱によりコイルが高温になり易いという問題点は残る。また、特開平10−74007号公報には、第2形状のコイルの変形例として、中央の突出部の無いコの字型のコアの中央部に導電性線材を巻いたものが提案されているが、第2形状のコイルの低コスト代替品として提案されているものであり、回転体の周方向に広い範囲を加熱できるものではない。
【0016】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、磁束生成コイルが高温にならず、回転体をその長手方向に均一に加熱でき、また、回転体の周方向にも比較的広く均一に近く加熱できる誘導加熱方式の加熱装置、定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁束の作用によって発熱する誘導発熱体を有する回転体と、この回転体に圧接される加圧部材と、回転体の外周面に対向して配設された磁束生成手段とを有し、回転体と加圧部材との間に被加熱体を通過させて被加熱体を加熱する加熱装置において、磁束生成手段は、高透磁性材からなるコアと、このコアに回転体の長手方向に平行に巻回され高周波電流が供給される導電性線材とを有し、コアは、中空の4角柱からその4角柱の長手方向に伸びる1辺の全長を含む4角柱の1部を切り欠いた形状をなし、コアは、導電性線材が作る輪環のなす面に垂直な方向におけるコアの両側端あるいは両側端の近傍において上記回転体に最接近し、この最接近位置における上記コアと回転体との距離がこの回転体の長手方向に一定であり、上記最接近位置を避けて上記コアの長手方向に平行に導電性線材が巻回され、上記コアの切り欠き部を含まない2つの表面に押圧部材が接触し、残りの2つの表面に移動防止材が接触していることを最も主要な特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、コアと回転体との最接近位置近傍においてコアに熱伝導率の高い非磁性体からなる部材が接触していることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、回転体の外周面に対向させて回転体表面を清掃するクリーニング部材が配置され、回転体の回転方向において上記クリーニング部材よりも下流側に磁束生成コイルが設置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の加熱装置を用いた電子写真装置の定着装置であって、回転体は定着装置の定着ローラであり、未定着画像を担持した記録媒体を上記定着ローラで加熱して上記画像を記録媒体に定着させる定着装置に関する。
【0024】
請求項記載の発明は、シート状の記録媒体上にトナー像を形成担持させる像形成手段と、上記トナー像を担持した記録媒体を加熱処理する像定着手段とを有する画像形成装置であって、像定着手段として請求項記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる加熱装置、定着装置および画像形成装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明における画像形成装置の一実施形態を示す。画像形成装置は、周知の電子写真プロセスを実行することによって画像を得ることができるものであって、像担持体として円筒状に形成された光導電性の感光体1を有している。感光体1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、現像装置4、転写ローラ5、クリーニング装置7、除電装置8が配備されている。また、それらのほかに、画像形成装置は、光走査装置3と定着装置6を備えている。帯電手段としては、コロナチャージャを用いることもできる。光走査装置は帯電ローラと現像装置との間の感光体面で光走査による露光を行う。
【0026】
画像形成を実行する際は、感光体1が図1の時計回りに回転され、その表面が帯電ローラ2により均一に帯電された後、光走査装置3の露光により感光体1の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置4により反転現像され、感光体1の表面にトナー画像が形成される。このトナー画像は、感光体1のトナー画像が転写位置へ移動するのとタイミングを合わせて図示されない給紙機構により転写部へ送り込まれた記録媒体9と重ね合わされ、転写ローラ5の作用により、記録媒体9へ静電転写される。トナー画像を転写された記録媒体9は、定着装置6でトナー画像を定着された後、装置外部へ排出される。トナー画像が転写された後、感光体1の表面はクリーニング装置7により残留トナーや紙粉などが除去され、さらに除電装置8により除電される。
【0027】
次に、上記画像形成装置に備えられている定着装置の具体例について説明する。
定着装置の具体例1
図2に定着装置の長手方向に対して垂直な断面を示す。図2において、符号11は定着ローラ、12は磁束生成コイル、13は加圧部材としての加圧ローラ、14は定着ローラの回転の向きを示す矢印、9は未定着トナー像を担持したシート状の記録媒体、16は温度検知器、17はクリーニング部材、18は記録媒体を定着ローラから分離させるための分離爪をそれぞれ示している。図2では、磁束生成手段としての磁束生成コイル12の断面を厚肉円弧形状として表示しているが、これは磁束生成コイル12のおよその大きさと位置を示したものであり、実際の磁束生成コイル12は、コア(芯材)とそれに巻き付けたコイルからなり、その断面形状は単なる厚肉円弧形状ではない。磁束生成コイルの形状は後で詳しく説明する。
【0028】
定着ローラ11は、特許請求の範囲でいうところの回転体に該当するもので、厚さ1.0mmのSUS(ステンレス鋼)円管である芯金層の表面に厚さ15μmのテフロン(商品名)からなる離型層を設けたものである。定着ローラ11の外径は、40mmである。ただし、本発明はこの大きさと層構成の定着ローラに限らず、任意の層構成と径と厚さの定着ローラに適用可能である。たとえば、芯金層はSUSに限らず、磁性体であれば何でも用いることができる。例を挙げると、鉄、ニッケル、コバルト、あるいはそれらの合金を使うことができる。また、芯金層は1層に限るものではなく、アルミニウム、銅などの非磁性体からなる層と磁性体からなる層との2層構造にしてもよいし、さらに1つ以上の別の層を追加してもよい。離型層の材料もテフロンに限るものではない。上記磁性体層は、磁束の作用によって発熱する誘導発熱体を構成している。
【0029】
加圧ローラ13は、芯金の回りに厚さ5mmのシリコーンゴム層を設け、さらにその外側を厚さ50μmのテフロンキャップで覆った構造である。加圧ローラ13の外径は、40mmである。定着ローラ11と加圧ローラ13は、図示していない圧接機構により、ニップ幅が4mmになるように圧接してある。ただし、本発明の適用対象はこの加圧ローラに限らず、任意の層構成と径と厚さの加圧ローラに適用可能である。またニップ幅も4mmに限るものではない。
定着ローラ11は、図示していない駆動手段により、図2の矢印4の方向に回転駆動され、その回転に連れて加圧ローラ13が従動回転する。図1と図2は、互いに定着ローラ11と加圧ローラ13の軸方向反対側から描かれている。
【0030】
この定着ローラ11と加圧ローラ13の圧接部(ニップ部)に未定着トナー像を担持したシート状の記録媒体9が搬送され、記録媒体9が圧接部を通過している間に、熱と圧力によりトナー像を記録媒体9上に定着する。
定着ローラ11には温度検知器16が取り付けてあり、その温度に基づいて、図示されない制御機構により磁束生成コイル12に供給する電力を調整して、定着ローラ11の温度を所定の温度に制御する。定着ローラ11が磁束生成コイル12に対向した位置を通過して加熱された後の温度を検知するために、温度検知器16は、定着ローラ11が回転する方向において磁束生成コイル12より下流側に設置されている。
【0031】
定着ローラ11には付着した未定着トナーや紙粉等を除去するために、クリーニング部材17が取り付けてある。未定着トナーや紙粉等が磁束生成コイル12と定着ローラ11との間に詰まらないように、クリーニング部材17は、定着ローラ11が回転する方向においた磁束生成コイル12より上流側に設置されている。
また、定着ローラ11と加圧ローラ13とのニップ部の出口外側に、ニップ部を通過して出てきた記録媒体9を定着ローラ11から分離させるための分離爪18が設けてある。
なお、定着ローラ11にオフセット防止用のオイルを塗布するオイル塗布機構(図示されず)を設けてもよい。
【0032】
磁束生成コイル12は、フェライト製のコア(芯材)に導電性線材としてのリッツ線を巻回したものを用いる。コアは、フェライトに限らず、鉄、パーマロイ等の透磁率の高い材料を用いてもよい。リッツ線は外周を絶縁した銅の細線を複数本束ねたものである。図3にコアの形状を示す。図3において、コア21は上記定着ローラ11の外周面とコア21との距離が定着ローラ11の周方向に一定になるように、定着ローラ11の外周面の曲率に適合させた曲率で湾曲しており、さらに、その周方向の両側端に定着ローラ11に向かって突き出た突出部22、23が設けられている。すなわち、コア21はその長手方向に垂直な断面の形状(横断面形状)が、湾曲したコの字型になっている。
【0033】
図4はコア21へのリッツ線の巻き方を示すための図である。図4において符号24、25、26は、1本のリッツ線の、3つの部分を示し、21はコアを示している。符号24と25は、図の視点方向から見て、リッツ線のうち見えている部分を、26はリッツ線のうちコア21に隠れている部分を示している。図4において矢印27、28は、コア21の長さ方向両端におけるリッツ線の折り曲げの向きを示している。図4に示すように、リッツ線はコア21の長手方向と平行にコア21に巻回してある。図4には、リッツ線の巻回し方が分かりやすいように、リッツ線を1巻き半だけ間隔を空けて巻回した状態を示しているが、実際にはもっと密にかつ巻数も多く巻回してある。
【0034】
この磁束生成コイルの長手方向に対し垂直な断面を拡大して図5に示す。図5において、21はコア、30はリッツ線を示す。図5ではリッツ線30はコア21に一重に巻回してあるが、もっと多重に巻回しても構わない。また巻数も、図5に示されている巻き数に限るものではない。図5からわかるように、導電性線材であるリッツ線30が形成する輪環はその面が紙面およびコア面に対し直交し、この輪環のなす面に垂直な方向におけるコア21の両側端に突出部22、23が形成されている。この突出部22、23の先端が定着ローラ11の表面に最接近する。
【0035】
図6に、リッツ線30をコア21に二重に巻回した場合の断面図を示す。コア21の長手方向の長さは、画像形成装置で使用することができる最大サイズの記録媒体の幅にほぼ等しくしてある。コア21の長手方向と垂直な方向、すなわち湾曲している方向の湾曲に沿った長さは90mmとしている。図6に両端矢印付実線29で示したコア21の突出部22、23の長さは15mmとしている。
【0036】
図7は、磁束生成コイル30と定着ローラ11との位置関係を示す断面図である。図7において、11は定着ローラ、13は加圧ローラ、21は磁束生成コイルのコア、30は磁束生成コイル12のリッツ線、31、32はコア21の突出部22、23と定着ローラ11の外側表面との隙間を示す。図7では、分かりやすいように各部の寸法を実際とは変えて描いてある。また、リッツ線30の断面は、その多くを省略して8個の断面のみを描いてある。
【0037】
磁束生成コイル12は、定着ローラ11に対して図7に示したように配設されている。すなわち、磁束生成コイル12は、そのコア21がニップ部以外の定着ローラ11外周面のうちニップ部入口に近い側を覆うようにして、コア21の突出部22、23を定着ローラ11に向けて配設されている。また、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との間隔が一定になるように配設されている。コア21の突出部22、23が定着ローラ11の外側表面に接近しているほど効率よく定着ローラ11を加熱することができる。本実施例では、このコア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との隙間の距離を1mmにした。
【0038】
なお、リッツ線30と定着ローラ11外周面との隙間の距離が、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との隙間の距離よりも長くなるように、コア21の突出部22、23の高さを確保している。そのようにしておくと、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面とに隙間を確保できているときは、リッツ線30が定着ローラ11外周面に触れることもないから、定着ローラ11を傷つけることはない。したがって、磁束生成コイル12と定着ローラ11との接触を防止することが容易になる。
【0039】
コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との隙間の間隔は、図8に示すような間隙保持機構によって保持するようにするとよい。図8において、符号21はコアを示し、符号41、42、43は、コア21の突出部22、23の長さ方向両端に設けた4個の支えローラのうち3個を示している。もう1個の支えローラはコア21に隠れており表示されていない。これらの支えローラ41、42、43はシリコーンゴムからなり、コア21の突出部22、23の長さ方向両端から外側にコア21の長手方向に突き出た芯金35、36、37の回りを自在に回転するように取り付けてある。
【0040】
上記支えローラ41、42、43は、図9に示すように、コア21を図示しない押圧機構により定着ローラ11に向かって押し当てているときに、定着ローラ11の外周面に回転可能に当接し、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との隙間の間隔を一定に保つ役割を果たす。図9は、定着ローラ11の軸方向の端から定着ローラ11とコア21と支えローラ41、42を見た図である。これらの支えローラ41、42、43は、使用可能な最大サイズの記録媒体が通過する範囲よりも外側の位置において定着ローラ11に接するように、支えローラ41、42、43の芯金35、36、37の長さを調整しておく。
【0041】
コア21の長手方向の長さが最大サイズの記録媒体の幅にほぼ等しい場合は、支えローラ41、42、43の芯金35、36、37の長さは1cm以下の短いものとなる。支えローラ41、42、43の半径は4mmであり、支えローラ41、42、43の軸方向の厚さは5mmであるが、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面とが所望の距離だけ離れさえすればよいので、半径は4mmに限るものではない。また、支えローラ41、42、43の強度が保てる範囲内で、支えローラ41、42、43の軸方向の厚さを5mmより薄くしてもよい。支えローラ41、42、43の軸方向の厚さを許容できるだけ定着ローラ11の長さがコア21の長さに比べて長い場合は、支えローラ41、42、43の軸方向の厚さを5mmより厚くしてもかまわない。
【0042】
磁束生成コイル12には、図示していない電源により30kHzの高周波電流を印加する。この高周波電流により磁束生成コイル12に生成された交番磁界は、定着ローラ11の誘導発熱体層に渦電流を発生させる。この渦電流と誘導発熱体層の電気抵抗により、誘導発熱体層にジュール熱が生じ、誘導発熱体層が発熱する。誘導発熱体層は磁性体からなる。磁性体は非磁性体に比べて透磁率が著しく大きいので、非磁性体を発熱層に使った場合に比べて大きな渦電流を生じさせることが容易である。またヒステリシス損失による発熱も生じるため、非磁性体を発熱層に用いた場合に比べて加熱し易い。図2に符号16で示すような温度検出器により検出した定着ローラ11の表面温度に基づいて、定着ローラ11の表面温度を所定の温度に保つように、高周波電流の印加を制御している。
【0043】
図10は、磁束生成コイル12によって生じる磁力線の様子を示したものである。図10において、符号11は定着ローラ、21は磁束生成コイルのコアを示しており、太い線44と45は磁力線を示している。コア21に定着ローラ11に向かった突出部22、23が存在しているため、磁束の多くが突出部22、23を経由して定着ローラ11の磁性体層に侵入する。すなわち、線44で示したような突出部22、23を経由する磁力線の数が、線45で示したようなコイルから空間を経由して定着ローラ11に至る磁力線の数よりも圧倒的に多い。そのため、図10に両端矢印付き実線46で示した範囲において、定着ローラ11内の磁束密度は周方向に比較的均一に近くなる。
【0044】
一方、図11は、コア21の突出部22、23を取り去った場合の磁力線を示したものである。コア21に突出部22、23が無いと、線47や線48で示したような、定着ローラ11の周方向におけるコイルの両端でなく、コイルの途中から空間を経由して定着ローラ11に至る磁力線の割合が多くなる。このため、図11に両端矢印付き実線46で示した範囲において、定着ローラ11内の周方向の磁束密度は中央部が高い山形になる。磁束密度が高い所は発熱量も高いので、コア21に突出部が22、23無いと、定着ローラ11内の周方向の発熱量分布も中央が尖った山形になる。これに対し、コア21に突出部22、23が有ると、上述のように、磁束密度が比較的均一に近くなるため、定着ローラ11内の周方向の発熱量分布は、よりなだらかな均一に近い分布になる。
【0045】
図12に、コア21に突出部22、23が有る場合と無い場合における定着ローラ11の周方向の発熱量分布を示す。図12にAとBで示した位置がコア21の突出部22、23と定着ローラ11との最近接点であり、コア21の2つの突出部22、23に挟まれた範囲の定着ローラ11の領域で発熱している。この発熱範囲が狭いと、回転する定着ローラ11がコア21の2つの突出部22、23に挟まれた範囲を通過中に急激な温度上昇を体験することになるが、耐久性の面からは急激な温度変化は好ましくない。また、定着ローラ11の予熱時には定着ローラ11の温度が周方向になるべく均一になっていることが好ましい。したがって、コア21の2つの突出部22、23が定着ローラ11に接近している位置は、なるべく周方向に離れているのが好ましい。たとえば、定着ローラ11表面の周方向長さの4分の1から3分の1程度離れているのが好ましい。また、加熱された定着ローラ11が冷めないうちにニップ部に入っていくことが望ましいので、磁束生成コイル12はニップ部の出口側でなく入口側に設置するのが好ましい。
【0046】
本実施例の磁束生成コイル12の場合は、磁束の多くがコア21の突出部22、23を経由して定着ローラ11に侵入するため、定着ローラ11内の磁束密度は、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との隙間の距離が一定ならば、コア21の突出部22、23以外のコイル12の部分と定着ローラ11との距離に大きくは依存しない。したがって、定着ローラ11の発熱量も、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との隙間の距離が一定ならば、コア21の突出部22、23以外のコイル12の部分と定着ローラ11との距離に大きくは依存しない。そのため、コイル12と定着ローラ11との距離が周方向に異なっても、たとえば、図13に両端矢印付き実線51、52および53で示したコア21と定着ローラ11との距離が互いに異なっていても、従来例の磁束生成コイルと違って、定着ローラ11の発熱ムラを生じることはない。同様に、図13の両端矢印付き実線51、52および53等で示されているコア21と定着ローラ11との距離が、定着ローラ11の長手方向に多少変動していても、定着ローラ11の長手方向の発熱ムラを生じることはない。したがって、製造時の寸法精度を緩くとることができ、製造コストを低く抑えることが可能である。
【0047】
リッツ線の電気抵抗によるリッツ線の発熱と定着ローラ11からの熱輻射とにより、リッツ線とコア21は温度が上昇する。リッツ線の温度上昇はその抵抗値が上がることによって定着ローラの発熱量に対するリッツ線の発熱量の相対的な増加をもたらし、定着ローラ11の加熱効率を低下させる。また、磁束生成コイルの破壊も引き起こしかねない。本実施例の磁束生成コイル12の場合は、定着ローラ11の加熱効率は、コア21の突出部22、23と定着ローラ11外側表面との隙間の距離に大きく依存し、コア21のリッツ線が巻かれている部分と定着ローラ11との距離には大きくは依存しないので、コア21の突出部22、23の高さを高くすることにより、図13に両端矢印付き実線51、52、53で示したリッツ線が巻いてあるコア21の部分と定着ローラ11との距離を大きくとることができる。そのため、定着ローラ11からリッツ線が受け取る熱が減り、またリッツ線が自己発熱した熱も放熱し易く、したがって、リッツ線が高温になって加熱効率が下がったり、リッツ線の被覆材が破壊されたりする事態が生じるのを防ぎ易い。
【0048】
図7に示すコア21は、定着ローラ11の外周面とコア21との距離が定着ローラ11の周方向に一定になるように、すなわち定着ローラ11と同心円状に湾曲させていた。このように湾曲させると、磁束生成コイル12と定着ローラ11との距離を小さい値に抑えられるので、定着ローラ11の周りの空間に余裕が無い場合には好都合である。定着ローラ11の周りの空間に余裕がある場合は、コアを定着ローラ11と同心円状に湾曲させなくてもかまわない。図14に、コアを定着ローラ11と同心円状に湾曲させない場合の例を示す。図14において、符号11は定着ローラ、55はコア、56はリッツ線をそれぞれ示している。これらの部材はいずれもの長手方向中間部の横断面で示されている。リッツ線56は一部のみを示してある。この図14に示すコア55は、ほぼ半円筒形に形成してある。このようなコア55の断面形状の場合は、コア55の周方向の両端で定着ローラ11に最接近するので、コア55に突出部を設ける必要はない。
【0049】
磁束生成コイルが高温になるのを防止するために、磁束生成コイルの冷却機構を付加してもよい。図15は、前記実施例の磁束生成コイルに冷却機構を付加した例を示す。図15において、定着ローラ、加圧ローラ、コア、リッツ線等は、図7等に示す前記実施例と同じ構成であるため、同一の符号を付した。図15に斜線を引いて示した部分が上記実施例の磁束生成コイルに付加した冷却機構57、58である。この冷却機構57、58は、アルミ製のフィンの付いた板状の部材であり、図15に示すように、磁束生成コイルのコア21の、周方向両側の突出部22、23の外端面に沿って接着する。材料をアルミにしたのは、熱伝導率が高くかつ非磁性体であることによる。この冷却機構57、58は、図15に示した断面形状で磁束生成コイルのコア21の長手方向にコア21の全長にわたって伸びている。この冷却機構57、58を付加することにより、コア21の放熱面積が増加し、コア21の突出部22、23から冷却機構57、58に熱を伝導し、冷却機構57、58から放熱させることにより、定着ローラ11からの熱伝達で特に加熱され易いコア21の突出部22、23を効果的に冷却することができる。なお、フィンの数は、図15に示したように2葉に限るものではない。
【0050】
定着装置の実施例2
次に、定着装置の第2の実施例について説明する。この実施例は、磁束生成コイル以外は実施例1と同じである。
フェライトは複雑な形状に成型しくい。そこでコアの材料としてフェライトを用いる場合は、コアをなるべく単純な形状にするのが望ましい。本実施例では、直方体を組み合わせた形状のコアにした。
【0051】
図16は本実施例を示すもので、磁束生成コイルと定着ローラと加圧ローラを、それらの長手方向に対し垂直な断面で切って示した。図16において、符号61はフェライトからなるコア、62はリッツ線、13は加圧ローラ、11は定着ローラ、68と69はコアの突出部、70と71は磁束生成コイルの移動防止機構、72と73は磁束生成コイル押圧機構である。リッツ線62の断面は、そのうちの8個のみを示してある。コア61のリッツ線62が巻かれている部分の断面は、直交する2つの長方形からなり、図16に2つの両端矢印付直線66と67で示した2つの辺の長さはほぼ等しい。また、コア61のリッツ線62が巻かれている部分から定着ローラ11に向かって伸びているコアの突出部68、69は、コア61のリッツ線62が巻かれている部分に直角に交わっている。
【0052】
磁束生成コイルは移動防止機構70により、図16の下方向への移動が制限されている。また、移動防止機構71により、図16に向かって右方向への移動が制限されている。このため、磁束生成コイルのコア61が定着ローラ11に接触することはない。移動防止機構70と71は、定着装置の側板に固定されたアルミ製の板である。これらは、コア61の熱を放熱する機能も持っている。磁束生成コイルのコア61はバネによって付勢された押圧機構72と73により移動防止機構70、71に押しつけられている。本実施例の磁束生成コイルは、実施例1について図8、図9に示したような支えローラは必要としない。
【0053】
本実施例の磁束生成コイルでは、直方体のフェライトを接着してコア61を成形できるので、製造コストを低く押さえることができる。また、磁束生成コイルを定着ローラ11と適正な間隔を保って設置するのが容易である。
【0054】
なお、図17に示すように、上記突出部68、69のないコア61にしてもよい。図17において、61はフェライトからなるコア、62はリッツ線、11は定着ローラ、13は加圧ローラ、70と71は磁束生成コイルの移動防止機構、72と73は磁束生成コイル押圧機構である。図17の定着装置は、コア61に図16に示す例における突出部68、69がないことと、コア61と定着ローラ11との距離が異なること以外は、図16の定着装置と同じである。図17の磁束生成コイルは、図16の磁束生成コイルに比べて、コア61が全体的に定着ローラに接近しているため、リッツ線62を巻く位置が制限されてしまうものの、コア61の形状が単純になった分だけ製造コストを低く押さえることができる。なお、図17においては、コア61が直角に折れ曲がっているが、図17に両端矢印付き破線80で示す折れ曲がりの角度は90度でなくても構わない。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、コアと回転体との最接近位置においてコアと回転体との距離を回転体の長手方向に一定に保ってさえおけば、磁束生成コイルの残りの部分と回転体との距離が回転体の長手方向に多少変動していても、あるいは、導電性線材同士の間隔が回転体の長手方向に多少変動していても、回転体の長手方向の発熱ムラが生じない。したがって、磁束生成コイルの製造時の寸法精度および加熱装置への設置精度を緩くとることができ、製造コストを低く抑えることができる。また、回転体の周方向に広い範囲を比較的一様に加熱できるので、回転体の周方向に急激な温度変化が生じるのを避けることができ、回転体の耐久性が増す。また、加熱装置の待機時に回転体の温度を所定の温度に維持するために予備加熱する際も、回転体の周方向に広い範囲を比較的一様に加熱できるので、回転体を高速に回転させなくても良い。
また、本発明によれば、直方体のフェライトを接着してコアを成形できるので、製造コストを低く押さえることができる。また、コアの断面が矩形であるため、コアを固定しやすく、したがって磁束生成コイルを定着ローラと適正な間隔を保って設置するのが容易である。
【0063】
請求項記載の発明によれば、コアが回転体に最接近している位置では、コアが回転体から熱を特に受けやすいが、その位置でコアの熱を放熱させることができ、コアがキュリー温度を超えて強磁性を失うことにより磁束が回転体に侵入しにくくなることを防止することができる。
【0064】
請求項記載の発明によれば、塵埃等が磁束生成コイルと定着ローラとの間に詰まるのを防止できる。
【0065】
請求項記載の発明によれば、定着ローラの長手方向に発熱ムラが生じにくい。また、定着ローラの周方向に広い範囲を比較的一様に加熱できるので、定着ローラの周方向に急激な温度変化が生じるのを避けることができ、定着ローラの耐久性が増す。また、定着装置の待機時に定着ローラの温度を所定の温度に維持するために予備加熱する際も、定着ローラの周方向に広い範囲を比較的一様に加熱できるので、定着ローラを高速に回転させなくてもよい。
【0066】
請求項記載の発明によれば、上記請求項の効果を持つ加熱装置を画像形成装置に備えているので、定着能力の高い画像処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる加熱装置、定着装置および画像形成装置の実施の形態を示す正面図である。
【図2】上記実施形態中の定着部を示す背面図である。
【図3】上記実施形態に用いられている磁束生成手段のコアを示す斜視図である。
【図4】同上コアへのコイル巻回の様子を概念的に示す斜視図である。
【図5】上記コアにコイルが巻き回された例を示す横断面図である。
【図6】上記コアにコイルが巻き回された別の例を示す横断面図である。
【図7】定着部の別の例を示す横断面図である。
【図8】本発明に用いることができる磁束生成手段用コアの別の例を示す斜視図である。
【図9】同上コアと定着ローラとの配置関係を示す横断面図である。
【図10】本発明の実施例において用いられている磁束生成手段で生じる磁束の様子を示す横断面図である。
【図11】従来の磁束生成手段で生じる磁束の様子を図10との対比で示す横断面図である。
【図12】図10に示す磁束と図11に示す磁束とでの発熱量の違いを示すグラフである。
【図13】本発明の実施例によって得られる効果を説明するために図7に準じて示した定着部の横断面図である。
【図14】本発明に用いることができる定着部の別の例を示す横断面図である。
【図15】本発明に用いることができる定着部のさらに別の例を示す横断面図である。
【図16】本発明に用いることができる定着部のさらに別の例を示す横断面図である。
【図17】本発明に用いることができる定着部のさらに別の例を示す横断面図である。
【図18】従来の画像形成装置に用いられている加熱装置の磁束生成手段の例を示す斜視図である。
【図19】従来の画像形成装置に用いられている加熱装置の磁束生成手段の別の例を示す横断面図である。
【図20】図18に示す磁束生成手段の問題点を説明するための横断面図である。
【符号の説明】
6 定着部
9 被加熱体としての記録媒体
11 回転体としての定着ローラ
12 磁束生成手段としての磁束生成コイル
13 加圧ローラ
17 クリーニング部材
21 コア
22 突出部
23 突出部
30 導電性材としてのリッツ線
41 隙間形成部材としてのローラ
42 隙間形成部材としてのローラ
43 隙間形成部材としてのローラ
61 コア
62 リッツ線

Claims (5)

  1. 磁束の作用によって発熱する誘導発熱体を有する回転体と、上記回転体に圧接される加圧部材と、上記回転体の外周面に対向して配設された磁束生成手段とを有し、上記回転体と加圧部材との間に被加熱体を通過させて被加熱体を加熱する加熱装置において、
    上記磁束生成手段は、高透磁性材からなるコアと、このコアに上記回転体の長手方向に平行に巻回され高周波電流が供給される導電性線材とを有し、
    上記コアは、中空の4角柱からその4角柱の長手方向に伸びる1辺の全長を含む4角柱の1部を切り欠いた形状をなし、
    上記コアは、導電性線材が作る輪環のなす面に垂直な方向におけるコアの両側端あるいは両側端の近傍において上記回転体に最接近し、
    この最接近位置における上記コアと回転体との距離がこの回転体の長手方向に一定であり、
    上記最接近位置を避けて上記コアの長手方向に平行に導電性線材が巻回され、上記コアの切り欠き部を含まない2つの表面に押圧部材が接触し、残りの2つの表面に移動防止材が接触していることを特徴とする加熱装置。
  2. コアと回転体との最接近位置近傍においてコアに熱伝導率の高い非磁性体からなる部材が接触していることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 回転体の外周面に対向させて回転体表面を清掃するクリーニング部材が配置され、回転体の回転方向において上記クリーニング部材よりも下流側に磁束生成コイルが設置されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の加熱装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の加熱装置を用いた電子写真装置の定着装置であって、回転体は定着装置の定着ローラであり、未定着画像を担持した記録媒体を上記定着ローラで加熱して上記画像を記録媒体に定着させる定着装置。
  5. シート状の記録媒体上にトナー像を形成担持させる像形成手段と、上記トナー像を担持した記録媒体を加熱処理する像定着手段とを有する画像形成装置であって、像定着手段として請求項4記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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