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JP4133796B2 - 口腔バイオフィルム抑制組成物 - Google Patents

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JP4133796B2 JP2003429361A JP2003429361A JP4133796B2 JP 4133796 B2 JP4133796 B2 JP 4133796B2 JP 2003429361 A JP2003429361 A JP 2003429361A JP 2003429361 A JP2003429361 A JP 2003429361A JP 4133796 B2 JP4133796 B2 JP 4133796B2
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Description

本発明は、口腔疾患の原因である口腔バイオフィルム抑制効果に優れ、歯肉炎、歯周病、う蝕、口臭の低減及び予防を効果的に行うことができる、革新的な口腔バイオフィルム抑制組成物に関する。
近年、デンタルプラークはバイオフィルムとして捉えられ(非特許文献1参照)、バイオフィルム中の細菌は、浮遊性細菌と比較すると細菌のタンパク質発現パターン(非特許文献2、3参照)や薬剤耐性(非特許文献4、5参照)が大きく異なることが明らかになってきた。これまで、細菌を殺菌するためにフェノール性殺菌剤(特許文献1参照)などが開発されてきたが、バイオフィルム中の細菌は強力な薬剤耐性メカニズムを有するため、これだけではバイオフィルム抑制効果は不充分であり、口腔疾患のリスクをゼロにすることは困難であった。
また、これらの殺菌力を増強するため、殺菌剤の滞留性向上技術が提案された(特許文献2参照)が、バイオフィルムの薬剤浸透性の低さなどにより、著効は期待できなかった。このような現状から、バイオフィルム中の細菌に対しても有効なバイオフィルム抑制組成物の開発が強く望まれている。
一方、近年、ヒスチジンキナーゼは、ブドウ球菌などの外的環境認知システム(2成分制御系)の一部として機能し、その阻害剤は感染症予防・治療に効果がある可能性が示唆された(非特許文献6参照)。また、グラム陽性細菌の抗菌のため、特定の構造を有するヒスチジンキナーゼ阻害剤が開発された(特許文献3参照)。
しかしながら、ヒスチジンキナーゼ阻害剤単独では、薬剤耐性を有するバイオフィルムに対しては充分なバイオフィルム抑制効果を期待できなかった。また、口腔バイオフィルムは、他のバイオフィルムとは異なり、300〜400種類もの菌種が存在するため(非特許文献7参照)、ヒスチジンキナーゼ阻害剤の口腔バイオフィルムに対する抑制効果は十分満足できるものではなかった。このような現状から、口腔バイオフィルムに対してより有効な口腔バイオフィルム抑制組成物の開発が強く望まれている。
Costerton, J. W., Stewart, P. S. and Greenberg, E. P. : Bacterial biofilms: a common cause of persistent infections. Science 284 : 1318−1322, 1999. Costerton, J. W., Lewandowski, Z., Caldwell, D. E., Korber, D. R. and Lappin−Scott, H. M. : Microbial biofilms. Annu. Rev. Microbiol. 49 : 711−745, 1995. Hudson, M. C., Curtiss, R. III : Regulation of expression of Streptococcus mutans genes important to virulence. Infect. Immun. 58 : 464−470, 1990. Stewart, P. S. : Mechanisms of antibiotic resistance in bacterial biofilms. Int. J. Med. Microbiol. 292 : 107−113, 2002. Philip Marsh and Michael V. Martin著「Oral Microbiology」、Wright出版、2000年、p.58−81(Dental plaque) Hilliard, J. J., Goldschmidt, R.M., Licata, L., Baum, E. Z. and Bush, K. : Multiple mechanisms of action for inhibitors of histidine protein kinases from bacterial two−component systems. Antimicrob. Agents. Chemother. 43 : 1693−1699, 1999. 奥田 克爾著「デンタルプラーク細菌 命さえ狙うミクロの世界」、医歯薬出版、1999年、p.1−26(第一章 武器を備えて逆転に転じた細菌) 特開平02−11511号公報 特開平04−139119号公報 特開2002−69034号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔疾患の原因である口腔バイオフィルム抑制効果に優れ、歯肉炎、歯周病、う蝕、口臭の低減及び予防を効果的に行うことができる口腔バイオフィルム抑制組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、ヒスチジンキナーゼ阻害剤単独、或いはフェノール性殺菌剤単独では、顕著な口腔バイオフィルム抑制活性を示さないのに対して、下記式(2)で示されるクロサンテル、又は前記クロサンテル及び下記式(1)で示されるオフロキサシンからなるヒスチジンキナーゼ阻害剤とフェノール性殺菌剤と界面活性剤及び/又はアルコールを組み合わせて配合することにより、上記ヒスチジンキナーゼ阻害剤とフェノール性殺菌剤とが相乗的に作用して、薬剤耐性により抑制効果が低下することもほとんどなく、非常に優れた口腔バイオフィルム抑制効果を示すことを初めて知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記式(2)で示されるクロサンテル、又は前記クロサンテル及び下記式(1)で示されるオフロキサシンからなるヒスチジンキナーゼ阻害剤、フェノール性殺菌剤と界面活性剤及びアルコールうちの1種又は2種以上とを含有してなり、前記ヒスチジンキナーゼ阻害剤を組成物全体に対して0.001〜1質量%の濃度で含有することを特徴とする口腔バイオフィルム抑制組成物を提供する。
Figure 0004133796
本発明の口腔バイオフィルム抑制組成物は、口腔疾患の原因である口腔バイオフィルム抑制効果に優れ、歯肉炎、歯周病、う蝕、口臭の低減及び予防に有効である。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の口腔バイオフィルム抑制組成物は、特定のヒスチジンキナーゼ阻害剤、フェノール性殺菌剤、界面活性剤及び/又はアルコール類等を含有するもので、固体、固形物、液体、液状、ゲル体、ペースト状、ガム状等の種々の形状に常法により製造、調製でき、例えば練歯磨、液状歯磨等の歯磨剤、洗口剤、マウスウォッシュ、ガム等の口腔用に使用することができる各種剤型に調製することができるものである。
本発明において、ヒスチジンキナーゼ阻害剤としては、下記式(1)で示されるオフロキサシン、下記式(2)で示されるクロサンテルが使用され、これらは塩として存在して良い。上記ヒスチジンキナーゼ阻害剤は、1種類を単独で使用しても、2種類を併用してもよいが、上記クロサンテルを単独で、又は上記クロサンテルとオフロキサシンとを併用して使用される
Figure 0004133796
ヒスチジンキナーゼ阻害剤の配合量は、組成物全体に対し0.001〜1%(質量%、以下同様。)である。配合量が0.0001%未満の場合は、充分なバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、10%を超えるとコストや嗜好性等の点で製剤化において問題となる場合がある。
フェノール性殺菌剤としては、例えばトリクロサン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール(ビオゾール)、2−イソプロピル−5−メチルフェノール(チモール)、フェノキシエタノール、フェノール等を挙げることができる。なお、安全性を考慮すると、特にトリクロサン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、フェノキシエタノールを使用することが好ましい。これらのフェノール性殺菌剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて配合することが可能である。
フェノール性殺菌剤の配合量は、組成物全体の0.0001〜10%が好ましく、より好ましくは0.0001〜5%である。配合量が0.0001%未満の場合は満足なバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、10%を超えると嗜好性やコスト等の点で製剤化において問題となる場合がある。
本発明においては、ヒスチジンキナーゼ阻害剤とフェノール性殺菌剤の両方を含有することが必須であり、ヒスチジンキナーゼ阻害剤とフェノール性殺菌剤との配合比(質量比)は、効果の面から1:10000〜100:1が好ましく、より望ましくは1:10000〜10:1である。配合比が上記範囲外であると満足なバイオフィルム抑制効果が得られない場合がある。
なお、ヒスチジンキナーゼ阻害剤及びフェノール性殺菌剤の組合せに関する制限は特にないが、安全性の点からクロサンテルあるいはオフロキサシン及びクロサンテルと、トリクロサン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、フェノキシエタノールから選ばれる1種又は2種以上とを組み合わせることが望ましい。
また、本発明では、上記ヒスチジンキナーゼ阻害剤とフェノール性殺菌剤を可溶化して充分なバイオフィルム抑制効果を発揮させるため、界面活性剤及び/又はアルコール配合することが必須である。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性イオン界面活性剤の1種又は2種以上を配合し得る。陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウムなどのN−アシルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等が用いられる。また、非イオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミドなどの脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が用いられる。両性イオン界面活性剤としては、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシンなどのN−アルキルジアミノエチルグリシン、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウムなどが用いられる。
界面活性剤の配合量は、組成物全体の好ましくは0.01〜30%、より好ましくは0.1〜10%である。配合量が0.01%未満の場合はヒスチジンキナーゼ阻害剤及び/又はフェノール性殺菌剤を可溶化することができず、充分なバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、30%を超えると嗜好性等の点で製剤化において問題となる場合がある。
アルコールしては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノール、それエチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールポリエチレングリコール200〜20,000、ポリプロピレングリコール300〜4,000の多価アルコールなどを挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用して使用することが可能である。
アルコール配合量は、組成物全体に対して好ましくは0.01〜70%、より好ましくは0.1〜50%である。配合量が0.01%未満の場合は、ヒスチジンキナーゼ阻害剤及び/又はフェノール性殺菌剤を可溶化することができず、充分なバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、70%を超えると嗜好性等の点で製剤化において問題となる場合がある。
本発明においては、界面活性剤又はアルコール単独配合(界面活性剤のみを配合、又はアルコールみを配合)しても、あるいは界面活性剤及びアルコール併用して配合してもよく、界面活性剤及び/又はアルコール配合は、組成物の形状、剤型、配合組成等に応じて適宜調整して使い分けることができ、ヒスチジンキナーゼ阻害剤及びフェノール性殺菌剤を可溶化できるように配合すれば良い。例えば、本発明のバイオフィルム抑制組成物が歯磨組成物として調製される場合には、界面活性剤の単独使用が好ましく、洗口剤組成物として調製される場合には、アルコール独、あるいは界面活性剤及びアルコール併用して配合することができる。
本発明に係わる口腔バイオフィルム抑制組成物には、上述した成分に加えて、更にその使用目的、組成物の剤型等に応じた適宜な成分を配合することができる。
例えば、歯磨類として調製される場合には、第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂等の1種又は2種以上を配合し得る(配合量通常5〜90%、練歯磨の場合には10〜60%)。
また、練歯磨等のペースト状組成物の場合には、粘結剤としてカラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビヤガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイトなどの無機粘結剤等の1種又は2種以上が配合され得る(配合量通常0.3〜10%)。
更に、歯磨類などのペースト状や液状口腔用組成物として調製される場合において、粘稠剤としてキシリトール、マルチトール、ラクチトール1種又は2種以上配合し得る(配合量通常10〜70%)。
また、香料として、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及びこれら天然香料の加工処理(前留部カット、後留部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
また、香料の配合量は特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
なお、本発明においては、有効成分として、クロルヘキシジン、ベンゼトニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、デカリニウムクロライドなどの陽イオン性殺菌剤、ヒノキチオール等のフェノール性化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素、スーパーオキサイド、ムターゼなどの酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロホスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫などのフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレスタノール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロール、グリセロホスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物等の有効成分を1種又は2種以上配合し得る。
以下、実験例及び実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実験例〕
凍結保存してあったアクチノマイセス ビスコーサス(Actinomyces viscosus),フゾバクテリウム ニュークレアタム(Fusobacterium nucleatum),ポルフィロモーナス ジンジバリス(Porhyromonas gingivalis)培養液40μLをそれぞれ5mg/L ヘミン(Sigma社製)及び1mg/L ビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM)4mLに添加し、37℃で一晩嫌気培養(80vol% 窒素、10vol% 二酸化炭素、10vol%水素)した。凍結保存してあったベイヨネラ パービューラ(Veillonella parvula)培養液80μLを1.26%乳酸ナトリウム(Sigma社製)を含むトッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBL)4mLに添加し、同様に培養した。
培養後、ベイヨネラ パービューラを除く3菌種の菌液からそれぞれ300μLを採取し、30mLのTHBHMに添加し、さらに一晩培養した。ベイヨネラ パービューラの菌液から同様に300μLを採取し、30mLのTHBLに添加し、一晩培養した。再培養後、各菌液を遠心分離(10000rpm、10min)し、上清を廃棄した。各沈査(細菌)に対して、吸光度(550nm)がおおよそ0.1になるように、ベイサルメディウムムチン培養液(BMM)*を添加し、再懸濁した。4種の菌液を等量混合し、攪拌後、24穴マルチディッシュ(住友ベークライト社製、1ウェル当りの培養面積;約1.9cm2)の各ウェルに1mLづつ分注した。一日間の嫌気培養を行った後、培養液全量を排出し、1mLのBMM*を添加した。同操作を6日間継続し、プレート上にバイオフィルムを形成させた。
培養6日目に表1に示した組成の水溶液を添加し、3分間放置した。その後、生理食塩水で12回洗浄し、1mLのBMMを添加し再び嫌気培養した。培養7日目にも同様の処置を行い、残存したバイオフィルムを4mLのTHBHM中で分散し、試験管(直径1.3cm×10cm)に移した。
本実験ではバイオフィルム抑制効果を評価するため、薬剤処置後のバイオフィルムの残存生菌数を測定した。上記バイオフィルムを超音波破砕後(10秒、200μA)、段階希釈(×10)を行い、各菌溶液を血液寒天平板**に塗沫した。平板は、肉眼でコロニーが確認できるまで嫌気培養した。各平板のコロニー数をカウント後、定法により生菌数(単位;cfu/ウェル、cfu: colony forming unitの略)を算出した。結果を表1に示す。
*BMMの組成:1リットル中の質量で表す。
プロテオースペプトン(Becton and Dickinson社製):
5g/L
イーストエキス(Becton and Dickinson社製):2.5g/L
トリプトン(Becton and Dickinson社製): 2.5g/L
ムチン(Sigma社製): 6.25g/L
ヘミン(Sigma社製): 2.5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 0.5mg/L
KCl(和光純薬工業社製): 1.25g/L
システイン(和光純薬工業社製): 0.25g/L
蒸留水: 残(全量が1リットルになるようにメスアップした。)
**血液寒天平板培地の組成:1リットル中の質量で表す。
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
寒天(Becton and Dickinson社製): 15g/L
ヘミン(Sigma社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残(全量が1リットルになるようにメスアップした。)
Figure 0004133796
上記表1中の比較例、参考例及び実施例の水溶液の調製法:1.5mg/mLアルブミン水溶液は、ウシ血清アルブミン(Sigma社製)0.15gを蒸留水100mLに溶解させ調製した。エタノール(和光純薬工業社製)に、トリクロサン(和光純薬工業社製)、3−メチル−4−イソプロピルフェノール(和光純薬工業社製)、ヒスチジンキナーゼ阻害剤を表1に示す配合割合で添加した後、全量が100mLになるように1.5mg/mLウシ血清アルブミン(Sigma社製)水溶液でメスアップした。ヒスチジンキナーゼ阻害剤としては、クロサンテル(和光純薬工業社製)、オフロキサシン(Sigma社製)を用いた。
上記の結果より、比較例であるヒスチジンキナーゼ阻害剤単独、或いはフェノール性殺菌剤単独では、6.0×107cfu/ウェル以上の細菌が生存するが、本発明にかかわるヒスチジンキナーゼ阻害剤とフェノール性殺菌剤を組み合わせると、いずれも6.0×106cfu/ウェル以下になり比較例3(バイオフィルム残存生菌数6.8×107cfu/ウェル)に比べてバイオフィルム中の細菌を90%以上死滅させることが分かった。
〔実施例〕 練歯磨
第2リン酸カルシウム 47.0%
無水ケイ酸 2.5
ソルビット液(70%水溶液、花王社製) 24.0
プロピレングリコール(ダウケミカル社製) 3.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
アルギン酸ナトリウム 0.2
ラウリル硫酸ナトリウム(日本サーファクタント工業社製) 1.5
サッカリンナトリウム 1.0
パラオキシ安息香酸エチル 0.1
香料A 1.0
クロサンテル(和光純薬工業社製) 0.05
3−メチル−4−イソプロピルフェノール(和光純薬工業社製) 0.1
トリクロサン 0.1
(Calbiochem−Novabiochem社製)
塩化アンモニウム 0.5
精製水 残
計 100.0%
〔実施例〕 練歯磨
グリセリン(ライオン社製) 20.0%
無水ケイ酸 20.0
ソルビット液(70%水溶液、東和化成工業社製) 40.0
プロピレングリコール(旭硝子社製) 2.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
ゼラチン 0.3
ラウリル硫酸ナトリウム(花王社製) 1.2
サッカリンナトリウム 1.0
フィチン酸5ナトリウム 0.8
香料D 1.0
硝酸カリウム 3.3
トリクロサン(Promochem社製) 0.3
3−メチル−4−イソプロピルフェノール(和光純薬工業社製) 0.05
クロサンテル(和光純薬工業社製) 0.005
オフロキサシン(Sigma社製) 0.05
硫酸アンモニウム 2.0
精製水 残
計 100.0%
〔実施例〕 練歯磨
炭酸カルシウム 40.0%
プロピレングリコール(旭電化社製) 3.0
グリセリン(坂本薬品工業社製) 20.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5
酸化チタン 0.5
ラウリル硫酸ナトリウム(日本サーファクタント工業社製) 0.2
サッカリンナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸エチル 0.1
香料G 1.0
フェノキシエタノール 0.75
(Avocado Research chemicals社製)
クロサンテル(和光純薬工業社製) 0.1
グリセロールリン酸カルシウム 1.2
精製水 残
計 100.0%
〔実施例〕 練歯磨
沈降性シリカ 20.0%
増粘性シリカ 3.0
ソルビット液(参松工業社製) 35.0
プロピレングリコール(昭和電工社製) 2.0
グリセリン(ライオン社製) 10.0
二酸化チタン 0.5
カラギーナン 1.0
ビニルメチルエーテル・マレイン酸共重合体 1.0
(Gantrez ES−225)
ラウリル硫酸ナトリウム(花王社製) 1.5
サッカリンナトリウム 1.0
パラオキシ安息香酸エチル 0.1
香料B 1.0
硝酸カリウム 5.0
3−メチル−4−イソプロピルフェノール(和光純薬工業社製) 0.02
トリクロサン(Ciba−Geigy社製) 0.05
クロサンテル(和光純薬工業社製) 0.01
精製水 残
計 100.0%
なお、香料A〜Gは下記の通りである。
Figure 0004133796
*フルーツミックスフレーバーFM3000(調合香料)
ストロベリーフレーバー 40%
アップルフレーバー 15
メロンフレーバー 17
バナナフレーバー 10
ピーチフレーバー 5
オレンジ油 2.5
ラズベリーフレーバー 2.0
パイナップルフレーバー 15
グレープフレーバー 1.0
トロピカルフルーツフレーバー 1.5
ミルクフレーバー 1.0
グレープフルーツ油 0.5
レモン油 0.5
ローズ油 0.2
エタノール** 残
合計 100%
**新エネルギー・産業技術総合開発機構製
以上、実施例4〜7に対して実験例と同様な評価を行った結果、バイオフィルム残存生菌数はいずれも6.0×106cfu/ウェル以下であり、良好な結果が得られた。

Claims (2)

  1. 下記式(2)で示されるクロサンテル、又は前記クロサンテル及び下記式(1)で示されるオフロキサシンからなるヒスチジンキナーゼ阻害剤、フェノール性殺菌剤と界面活性剤及びアルコールうちの1種又は2種以上とを含有してなり、前記ヒスチジンキナーゼ阻害剤を組成物全体に対して0.001〜1質量%の濃度で含有することを特徴とする口腔バイオフィルム抑制組成物。
    Figure 0004133796
  2. アルコールが、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール200〜20,000、ポリプロピレングリコール300〜4,000から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の口腔バイオフィルム抑制組成物。
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