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JP4128056B2 - 医療用テレビカメラ装置とこれを用いた眼科撮影装置 - Google Patents

医療用テレビカメラ装置とこれを用いた眼科撮影装置 Download PDF

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JP4128056B2
JP4128056B2 JP2002272866A JP2002272866A JP4128056B2 JP 4128056 B2 JP4128056 B2 JP 4128056B2 JP 2002272866 A JP2002272866 A JP 2002272866A JP 2002272866 A JP2002272866 A JP 2002272866A JP 4128056 B2 JP4128056 B2 JP 4128056B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用テレビカメラ装置とこれを用いた眼科撮影装置に関し、特にフルオレセイン法等の蛍光撮影時での光源の影響を相殺するような好適なホワイトバランス調整の切り替え機能を備えた医療用テレビカメラ装置とこれを用いた眼科撮影装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン等のOA機器を長時間使用することにより生じるドライアイ患者が増加して、角膜上皮障害や結膜障害等の眼科疾患を併発するケースが増えつつある。今日の眼科診断においては、これらの疾患を如何に認識し易く撮影するかが、重要な診断のテーマの一つになっている。
【0003】
従来から、これらの眼科疾患にかかる患者を撮影する方法としては、生体染色による撮影方法、例えば、フルオレセイン法等が広く行われている。フルオレセイン法は、フルオレセインナトリウムという蛍光物質を患者の眼に点眼した後、スリットランプを用いた青色系の短波長光源からなる励起光を、角膜等の患者へ向けて照射して診断する撮影方法である。
【0004】
この診断における撮影装置には、目的に応じてスチルカメラか、又はテレビカメラの何れかを使用して撮影されている。例えば、テレビカメラを使用する場合は、通常ハロゲンランプ等の白色光源下で、ホワイトバランスを調整して患部の撮影が行われている。角膜等に疾患がある場合は、励起光による緑色の蛍光が疾患部から発せられる。眼科診断では、これらの蛍光量を測定することによって、患者の疾患の程度を定量化して診断が行われている。
【0005】
この種の先行技術文献には、例えば、特許文献として、特開平8−117192号公報(従来例1)、特開平9−201334号公報(従来例2)等があり、非特許文献としては、「メディカルレンズによる角膜生体染色撮影」(日本医学写真学会雑誌,1998年,第36巻,第3号,P59−66)(従来例3)等がある。
【0006】
従来例1は、被検眼を照明する照明光学系とこの照明光学系によって照明される被検眼を撮影するビデオカメラを有する撮影光学系とで構成される眼科撮影装置であり、手動での照明光源の明るさの調整が必要でなく、ビデオカメラのAGC(オートゲインコントロール)を働かせることなく、ビデオ画像の明るさを常に適正なものにすることができるものである。
【0007】
従来例2は、被検眼の涙液表面層の干渉模様を観察してドライアイを診断する眼科装置に関し、干渉模様の撮影に複数個のエリアを設定して、これらのエリアの色相を演算処理して求めて、エリア毎の色相によりドライアイを診断する眼科装置に関している。
【0008】
従来例3は、メディカルレンズによる角膜生体染色撮影に関し、長焦点メディカルレンズを一眼レフレックスカメラに装填したクローズアップ装置に蛍光用フィルタを用いてフルオレセイン角膜染色撮影の有用性を検討している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の医療用テレビカメラ装置では、患者の眼を撮影する際に、そのカメラのエンコーダー出力がサブキャリアゼロとなるように、ホワイトバランス調整が行われており、その際、ハロゲンランプ等の白色光源下で調整が行われている。このようにホワイトバランス調整されたテレビカメラ装置によって、上記のようなフルオレセイン法による検眼を行うために青色光源下で蛍光撮影を行うと、カメラ内部の信号処理では、青色の信号レベルだけが異常に高くなる現象があった。このようなことから、被検眼の疾患部からの緑色の蛍光色は、青色光源の強さに負けてしまい、撮影画像では疾患部であるフルオレセインナトリウムの染色部が識別できるなくなるという問題があった。このような問題は、従来例1,2に共通することである。
【0010】
また、肉眼で直接患部を観察する場合には、人間の知覚恒常性によって、青色光源下であっても徐々に目が慣れて行くため、疾患部であるフルオレセインナトリウムの染色部を識別することができる。しかし、肉眼では染色部を識別できるにもかかわらず、テレビカメラで撮影したモニタ上では染色部を識別ができないという問題があった。
【0011】
また、従来のテレビカメラ装置におけるAWB(オートホワイトバランス)は、R(赤),G(緑),B(青)チャンネル信号のGチャンネル信号のゲインコントロールを行わないで固定し、アイリス(レンズ側の露光調整機構)等で100%の輝度信号レベル(100IRE)の入力レベルになるように調整した後、R,Bチャンネル信号のゲインを制御して、各チャンネルの信号レベルを揃えてホワイトバランスをとっている。しかし、スリットランプの青色光のもとでの撮影した場合、スリット幅によっては光量が足りなくなり、Gチャンネルの信号レベルは、100IRSに達するものの、Rチャンネル信号のゲインを最大にしても100IRSに達しない場合があり、このように調整されたテレビカメラ装置で撮影された映像は、赤色系の光量(波長が600nm付近)が不足して違和感を感ずることとなり、医療用テレビカメラ装置としては使用できなかった。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、フルオレセイン法等の青色光源撮影下において、疾患部をより識別し易く撮影し得るセットアップ切り替え機能を備える医療用テレビカメラ装置とこれを用いた眼科撮影装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成したものであり、請求項1の発明は、被写体を照明する光源の種類に対応した切り換え操作によって、予め記憶したセットアップ情報を選択して、ホワイトバランス調整値を再現する医療用テレビカメラ装置において、
少なくとも青色光源用のホワイトバランス調整値を設定する情報を含む前記セットアップ情報が記憶されるメモリと
被写体光を色分解して得られるR(赤)、G(緑)、B(青)の各チャンネル信号の各ゲインを調整することができるゲイン調整手段と、
前記メモリに記憶されたセットアップ情報に基づいて、前記光源が青色光源の場合、Rチャンネル信号のゲインを最大にした後、BチャンネルとGチャンネルとの信号レベルを下げて、前記Rチャンネル信号のゲインに合わせるように前記ゲイン調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする医療用テレビカメラ装置である。
また、本発明は、RGBチャンネル信号をゲインアップできるゲイン切替え手段(ゲイン切替え部)と、ゲイン切替え手段からの各チャンネル信号のゲインを調整することができるゲイン調整手段(ゲイン調整部)と、ゲイン調整手段からの各チャンネル信号の信号レベルを検出するレベル検出手段(レベル検出部)とを備えている。
【0014】
請求項1の発明では、被写体を照明する光源の種類に対応した切り換え操作によって、予め記憶したセットアップ情報を選択して、ホワイトバランス調整値を再現する医療用テレビカメラ装置において、
少なくとも青色光源用のホワイトバランス調整値を設定する情報を含む前記セットアップ情報が記憶されるメモリと、
被写体光を色分解して得られるR(赤)、G(緑)、B(青)の各チャンネル信号の各ゲインを調整することができるゲイン調整手段と、
前記メモリに記憶されたセットアップ情報に基づいて、前記光源が青色光源の場合、Rチャンネル信号のゲインを最大にした後、BチャンネルとGチャンネルとの信号レベルを下げて、前記Rチャンネル信号のゲインに合わせるように前記ゲイン調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする医療用テレビカメラ装置であり、種々の光源に応じた最適なホワイトバランス調整を可能としたものであり、殊に、光源が青色光源の場合、赤系の光量が不足するために、ゲイン調整手段(ゲイン調整部)によって、Rチャンネルのゲインを最大にした後、BチャンネルとGチャンネルとの信号レベルを下げて、Rチャンネルのゲインに合わせるように制御することによって、青系の被写体をモニタ画面で識別できる作用を有する。また、色分解光学系からのR(赤)G(緑)B(青)な各信号は、ゲイン切替え手段を通し、ゲイン調整手段、レベル検出手段を経て出力しており、ゲイン切替え手段が制御手段によって制御し得る構成として、このように色分解光学系の出力の信号レベルを調整する構成とすることによって、種々の光源に応じた最適なホワイトバランス調整を可能としたものである。
【0015】
また、本発明は、被写体からの光量を調整する露光調整手段を備え、該露光調整手段を制御手段によって制御することができるので、特定の波長の輝度信号レベルが100%(100IRE)になるように制御することが可能であり、光源の波長の分布に応じて調整できる作用を有する。
【0017】
また、本発明、ホワイトバランス調整値を再現するセットアップ情報に基づいて、制御手段は、ゲイン調整手段によって、白色光源用のホワイトバランス調整値に比べてBチャンネルのゲイン値を下げ、かつRチャンネルのゲイン値を上げるように制御し、さらに前記ゲイン切替え手段によって、全チャンネルをゲインアップするように制御することができる。
【0018】
また、本発明は、セットアップ情報が、被写体(疾患部)を青色光源下で撮影を行う場合に、青色の光の波長の影響を相殺するように、ホワイトバランス調整におけるセットアップ情報が記憶された医療用テレビカメラ装置であり、青色系の被写体を撮影しても容易に識別することができるようにしたものであり、そのホワイトバランス調整値は、青色の波長の光りの影響を相殺するように、ホワイトバランス調整値が白色光源用に比べてB(青)チャンネルのゲイン値を下げ、かつR(赤)チャンネルのゲイン値を上げ、さらにゲイン切替え手段(ゲイン切替え部)により全チャンネルをゲインアップさせるようにゲイン調整するように、制御手段によって、ゲイン調整手段及びゲイン切替え手段を制御するようにしており、このホワイトバランス調整値がセットアップ情報としてメモリに記憶されている。医療用テレビカメラ装置のゲイン調整を自動的に調整することによって、その都度、最適な調整値に調整する必要がなく、操作が簡便なものとなる作用を有する。
【0019】
また、発明は、セットアップ情報により再現されるホワイトバランス調整値は、既に切り替え操作により全チャンネルが一律にゲインアップされている場合、当該ゲインアップ値に前記セットアップ情報による調整値を加算した値である。このように、セットアップ情報に基づく調整値が、既に切り替え操作によって、ゲイン切替え手段によるゲインアップ操作が行われている場合、当該ゲインアップ値に加算して設定するようにして、光源の輝度や撮影環境下の光の波長のバラツキに対応して、ホワイトバランス調整に設定できる作用を有する。
【0021】
また、本発明は、セットアップ情報により再現されるホワイトバランス調整値は、切り換え操作が手動操作を備え、既に該手動操作によって、調整値の操作が行われている場合、該手動操作による設定値を中心に設定した値であり、この手動操作、例えばペイントボリュームによって、各チャンネルのゲインを調整した場合に、その調整値を基準として、ホワイトバランス調整することによって、光源の輝度や撮影環境下の光の波長のバラツキに対応してホワイトバランス調整に設定できる作用を有する。
【0025】
また、請求項の発明は、被写体を照明する光源の種類に対応した切り替え操作によって、予め記憶したセットアップ情報を選択して、ホワイトバランス調整値を再現する医療用テレビカメラ装置であって
少なくとも青色光源用のホワイトバランス調整値を設定する情報を含む前記セットアップ情報が記憶されるメモリと
被写体光を色分解して得られるR(赤)、G(緑)、B(青)の各チャンネル信号の各ゲインを調整することができるゲイン調整手段と、
被写体から光量を調整する露光調整手段と、
前記セットアップ情報に基づいて、前記光源が青色光源の場合、Gチャンネル信号のゲインを下げるように前記ゲイン調整手段を制御した後、Gチャンネルの信号レベルが最大となるように前記露光調整手段を制御し、RチャンネルとBチャンネルの信号レベルをGチャンネルの信号レベルに合わせるように前記ゲイン調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする医療用テレビカメラ装置である。
【0026】
請求項の発明では、制御手段が、光源が青色光源の場合、ゲイン調整手段によって、Gチャンネルのゲインを予め下げて青系のレベルを下げた後に、Gチャンネルの信号レベルの輝度信号レベルが最大となるように露光調整手段を制御し、ゲイン調整手段によって、RチャンネルとBチャンネルの信号レベルをGチャンネルの信号レベルに合わせるように制御しており、青系の被写体をモニタ画面で識別できる作用を有する。
【0027】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の医療用テレビカメラ装置による撮影系に被検眼を照明する照明光学系を備え、前記撮影系により被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、
前記照明光学系には光源の切り替えを検知するセンサが備えられ、該センサからの検知信号が前記医療用テレビカメラ装置の制御手段に入力され、前記検知信号に対応するホワイトバランス調整を再現するための前記セットアップ情報を選択し、前記医療用テレビカメラ装置のホワイトバランス調整値を再現し、前記被検眼を撮影することを特徴とする眼科撮影装置である。
【0028】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の医療用テレビカメラ装置による撮影系に被検眼を照明する照明光学系を備え、前記撮影系により被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、
前記照明光学系には光源の切り替えを検知するセンサが備えられ、該センサからの検知信号が前記医療用テレビカメラ装置の制御手段に入力され、前記検知信号に対応するホワイトバランス調整を再現するためのセットアップ情報を選択し、前記医療用テレビカメラ装置のホワイトバランス調整値を再現して、前記被検眼を撮影することを特徴とする眼科撮影装置である。
【0029】
請求項の発明では、撮影系である請求項1〜7に記載の医療用テレビカメラ装置による撮影系に、被検眼を照明する照明光学系とを備えた眼科撮影装置であり、照明光学系により照明された被検眼を上記撮影系により撮影する。前記照明光学系には、光源の種類を検知するセンサが備えられているので、センサからの検知信号によって、照明光学系での光源の切り替えが検出され、この光源に対応するように、医療用テレビカメラ装置のセットアップ情報を自動的に選択するように制御して、操作を簡便なものとした眼科撮影装置であり、撮影系のメモリにセットアップ情報が記憶されているので、その都度、ホワイトバランス調整を行う必要がなく、セットアップ情報を選択するのみで、モニタには青色系の被写体の映像が識別可能に映し出せる作用を有する。
【0030】
〔信号系〕
本実施形態の医療用テレビカメラ装置の信号系は、撮影用レンズを通過して光学プリズムにより分光されたR(赤),G(緑),B(青)の各色の被写体光が光電変換されて、R,G,Bチャンネル(以下、チャンネルはchとする。)12R,12G,12BからRch信号,Gch信号,Bch信号の各信号が出力され、Rch信号,Gch信号,Bch信号のゲインアップを、一律にオン・オフ制御によって切り替えることができるゲイン切替え部13と、Rch信号,Gch信号,Bch信号の各ゲインをそれぞれ調整することができるゲイン調整部(Rch用ゲイン調整部14R,Gch用ゲイン調整部14G,Bch用ゲイン調整部14B)14と、各Rch,Gch,Bch用ゲイン調整部14R,14G,14Bから出力されたR,G,B信号の相互の信号レベルを検出するレベル検出部15とを含んでいる。
【0031】
〔制御系〕
本実施形態の医療用テレビカメラ装置の制御系は、制御スイッチ16と、制御部(制御手段)17とから構成され、制御部(制御手段)17にはセットアップ情報が記憶されるメモリ11が備えられている。制御スイッチ16は、白色光源下でのホワイトバランス調整を再現するスイッチ(ホワイトバランス調整ボタン)と、光源種に基づくホワイトバランス調整を行うモード切り替えスイッチと、ペイントボリューム(RchとBchのゲインを手動操作するもの)と、ゲインアップスイッチ(全チャンネルのゲインを一律に上げることができるスイッチ)とを備えている。制御部17は、制御スイッチ16からの制御信号に基づいて、ゲイン切替え部13と、Rch用ゲイン調整部14RとBch用ゲイン調整部14Bとにゲイン制御信号を送って、それぞれのゲインを調整する機能を有する。さらに、制御部17は、光量を調整するためにIRIS調整部(露光調整手段)18を制御する制御信号を出力することができる。なお、IRIS調整部は、レンズの絞り(アイリス)を調整する機構やCCDの電子シャッター機能を含む。
【0032】
次に、本実施形態の動作について、青色光源下での蛍光撮影時を想定して、信号系と制御系との各動作を説明する。
【0033】
〔信号系の動作〕
本実施形態の信号系の動作を説明する。被検眼はスリットランプで照らされ、被検眼から反射光(緑色の蛍光も含む)が発せられる。反射光は、撮影用レンズを介して光学プリズムで分光されて、R(赤),G(緑),B(青)の各チャンネル用の撮像素子に受光される。そして、各チャンネル毎に光電変換された後、各チャンネルのRch信号,Gch信号,Bch信号がゲイン切替え部13へと入力されている。
【0034】
被検眼から蛍光色が暗く、信号が微少レベルである場合は、後述する制御部17からのゲイン制御信号によって、ゲイン切替え部13により各チャンネル全てが一律にゲインアンプされる。その後、各チャンネル毎のゲイン調整部14(Rch用ゲイン調整部14R,Gch用ゲイン調整部14G,Bch用ゲイン調整部14B)に入力される。操作者が、制御スイッチ16のホワイトバランス調整ボタンを操作すると、制御部17からのゲイン制御信号によって、Rch用ゲイン調整部14RとBch用ゲイン調整部14Bのゲインが所定の値になるように個別に制御される。
【0035】
このようにゲインが調整されたR,G,Bchの各信号は、レベル検出部15へ入力される。レベル検出部15では、各チャンネル毎の信号レベルが検出され、ホワイトバランスを調整する間だけそれらの信号が制御部17へフィードバックされ、所定のゲイン値に設定される。この時のゲイン値を含むセットアップ情報は、制御部17の内部にあるメモリ11にも記憶される。その後、ゲイン値の調整された映像信号は、信号処理系へ送られて、色復調やガンマ補正等の処理が行われ、NTSC方式等の所定のビデオ信号にエンコードされる。なお、通常Gch用ゲイン調整部14Gは、ゲインコントロールが行わないように固定されている。
【0036】
〔制御系の動作〕
本実施形態の制御系の動作を説明する。先ず、予め青色光源下でグレーチャートや白い被写体を医療用テレビカメラ装置で撮影してホワイトバランス調整を行う。その際、この時のホワイトバランスにかかるゲイン調整値は、青色光源モード(通常の白色光源モードに比べて、Bチャンネルのゲインを下げ、Rチャンネルを上げた設定)として、制御部17の中にあるメモリ11に記憶させる。その後、白色光源下でホワイトバランス調整をし、通常はこちらの調整値で撮影が行われる。白色光源下で撮影中に、蛍光撮影に切り替えて撮影を行う場合、照明を通常の白色光源から青色光源に切り替え、制御スイッチ16の一つである青色光源用のモード切り替えボタンを操作してオン状態とする。
【0037】
制御スイッチ16のモード切り替えボタンが操作されると、当該モード切り替え信号が制御部17へ伝わり、制御部17の中にあるメモリ11に記憶されているセットアップ情報(青色光源での各チャンネルのゲイン調整値等)が読み出される。制御部17は、当該セットアップ情報に従ってRch用アンプ14RとBch用アンプ14Bにゲイン制御信号が送られる。このようにして、前記青色光源下でのホワイトバランス調整値が再現される。
【0038】
さらに、本実施形態では、青色光源下での緑色の蛍光色が一般に暗く見難いことを考慮して、青色光源でのホワイトバランスが再現された後、全チャンネルのゲインをゲイン切替え部13によって、例えば、+12dbゲインアップさせるようにしている。必要あれば、操作者が手動で+6dbまたは+3dbに設定することができる。
【0039】
なお、通常の白色光源用のホワイトバランスモードに戻したい場合は、上記で操作した制御スイッチ16のモード切り替えボタンを再度押すことによって復帰させることができる。この場合、上記手順と逆の順序でもとの機能に戻すことがきる。この他の機能としては、制御スイッチ16部のボタンを操作するだけで、Bチャンネルのゲイン値だけが瞬時に光量が絞られる簡易的な機能を設けてもよい。
【0040】
周知のように、ホワイトバランスは、カメラで撮影している被写体の光源の色温度を検出し、無彩色が無彩色に、すなわち白が白になるように制御するものであるが、それと同時に色再現を最適に保つという働きをする。特に、生体染色による蛍光撮影を多用する眼科撮影用のテレビカメラは、色の再現性により眼科の診断結果(例えば、角膜上皮障害の程度)が大きく左右される場合があるので、本実施形態のようにホワイトバランスを含めた複数のセットアップ情報をメモリに記憶し、その撮影方法に応じて各モードを使い分けることで、色再現を最適に保つようにして、疾患部の診断が可能としたものであり、眼科の診断において非常に重要なものである。
【0041】
また、本発明にかかる医療用テレビカメラ装置を使用する際には、撮影状態に応じて制御パネル上の各スイッチ(ゲインアップボタン、Rch及びBch用ペイントボリューム(手動操作によるゲイン調整手段)を操作しながらホワイトバランスのモード切り替えをする場合もある。このような場合に、当該モード切り替え機能がどのように働くかが問題となる。以下、各操作におけるモード切り替え機能の動作について説明する。
【0042】
先ず、青色光源モードに切り替える際に、既に制御スイッチ16のゲインアップボタンが押されている場合について説明すると、ゲインアップボタンが操作されて、制御部17からの制御信号に基づいて、全チャンネルのゲインがゲイン切り替え部13により一律にゲインアップされており、この場合、上記青色光源でのゲイン調整値にゲインアップの値が、そのまま加算される。特に、蛍光色をよりはっきりと表示したい場合等に有効である。
【0043】
一方、既に制御スイッチ16のRch及びBch用ペイントボリュームを操作していた場合には、当該ボリュームを回した位置で設定されている調整値を基準にして、ホワイトバランスが調整が行われ、調整後もその位置を中心にペイント機能が働くことになる。従って、ペイントボリュームを、例えば、ゲインを上げる方向に操作した状態でホワイトバランスを調整すると、その後はゲインを上げる方向の調整範囲が狭まる反面、ゲインを下げる方向の調整範囲が広がることになり、Gchの信号レベルに対して、Rch及びBchの信号レベルを下げる場合に有効である。特に、ゲイン調整範囲の広狭調節をしたい場合等に有効である。
【0044】
続いて、本発明の医療用テレビカメラ装置の他の実施形態について、図1を参照して説明する。本実施形態は、上記実施形態とはブロック図は同じであるが、通常Gchのゲインが固定されているのに対して、Gchのゲインを調整するようにしたものである。本実施形態は、光源がスリットランプ等の青色光源の場合、被検眼(被写体)からの光量が少なく、Gchの輝度信号レベルは100%(100IRE)に達するものの、Rchのゲインを最大にしたとしても100IREに達しない場合に、制御スイッチ16により青色光源モードに切り替えて、そのモード切り替え信号に基づいて、制御手段(制御部17)は、Rch用ゲイン調整部14Rを制御して、Rchのゲインが最大となるように調整した後、Bch用ゲイン調整部14BとGch用ゲイン調整部14Gを制御して、BchとGchとの信号レベルを下げるように制御し、Rチャンネルのゲインに合わせるように調整して、青色光源下で撮影された被検眼をモニタで確認できるようにした医療用テレビカメラ装置である。
【0045】
また、本発明の他の実施形態について、図1を参照して説明すると、本実施形態では、医療用テレビカメラ装置のレンズにIRIS調整部(露光調整手段)18を備えている場合であり、制御部17は、IRIS調整部18を制御する制御信号を出力することができる。なお、IRIS調整部18は、レンズの絞り(アイリス)を調整する機構やCCDの電子シャッター機能を含むものとする。
被検眼の光源が青色光源の場合、赤系の光量が不足するために、制御スイッチ16により青色光源モードに切り替えて、そのモード切り替え信号に基づいて、ゲイン調整部14によって、Gchゲイン調整部14Gを制御して、Gchのゲインを意図的に下げておき、Gchゲイン調整部14Gの出力を100IRISとなるようにIRIS調整部18を調整する。その後、Rchゲイン調整部14RとBchゲイン調整部14Bからの出力が、Gchの信号レベルに一致するように制御して、青系の被写体からの反射光をモニタ画面で識別できるように制御する。
【0046】
次に、本発明に係る眼科撮影装置の実施形態について、図2を参照して説明する。図2は、医療用テレビカメラ装置(図1)を用いた眼科撮影装置の実施形態を示す概略構成図である。その構成は、照明光学系と撮影系とからなり、撮影系は図1に示した医療用テレビカメラ装置である。
【0047】
〔照明光学系〕
本実施形態について、先ず、照明光学系の光路順に説明する。被検眼26Eを照らすための白色光源21は、ハロゲンランプ等が用いられ、調光器(図示なし)により光量が適宜調節されている。白色光源21から照射された光は、光源用レンズ22によって導光され、コバルトフィルタ23aを通過して、短波長(青色)の光が選択透過する。青色光源への切り替えは、上記コバルトフィルタ23aを手動若しくはソレノイド駆動回路の駆動によりスライドさせて照明光路内へ挿入することにより行う。このようにして得られた青色の光は、ミラー24で全反射され、スリット25を通過してスリット状に絞られて被検眼26Eに投光される。
【0048】
〔撮影系〕
上記反射光は撮影用レンズ27を介して、必要に応じて拡大されてCCDカメラ28に被写体光として受光される。CCDカメラ28は、図1の医療用テレビカメラ装置で説明したように、青色光源下でのセットアップ情報を記憶し、モード切り替えボタンを操作するのみで当該セットアップ情報を読み出して再現することができるホワイトバランス制御部(制御手段)29を備えている。なお、ホワイトバランス制御部29は、図1の実施形態の制御部17と略等しい機能であるが、下記の機能が異なる。
【0049】
本実施形態では、眼科撮影装置としての操作性を考慮し、上記コバルトフィルタ23aをスライドさせて光源21の光軸を切るように挿入されたことをセンサ23bで検知し、その検知信号がCCDカメラ28内のホワイトバランス制御部29に送られている。このように構成することによって、ホワイトバランス制御部29では、青色光源の切り替えを行ったことを検知すると同時に、これに対応するセットアップ情報を自動的に選択して、青色光源下でのホワイトバランス調整値を再現することができる。
【0050】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、他の種類の蛍光撮影、例えば赤外蛍光撮影に使用するものであっても同様に、その光源下でのホワイトバランス調整値を設定して記憶することによって、迅速に適切なホワイトバランス調整値に設定できることは勿論である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、医療用テレビカメラ装置に設けられたホワイトバランス調整の切り替え手段を操作することによって、例えば青色光源用のセットアップ情報が選択されると、このセットアップ情報に基づいて、ホワイトバランス調整値が再現できる。従って、被写体を蛍光撮影に切り替えたい場合であっても、モード切り替えボタンを操作することによって、即座に対応し、疾患部を識別し易く撮影することができる医療用テレビカメラ装置を提供できる利点がある。
【0052】
また、本発明によれば、従来のように照明の色を切り替える度にホワイトバランス調整をする必要がないので、操作者の手間が省け、簡単な操作性によって、迅速な眼科診断が実現できる眼科撮影装置を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用テレビカメラ装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の医療用テレビカメラ装置を用いた眼科撮影装置の一実施形態を示す概略構成である。
【符号の説明】
11 メモリ
12R,12G,12B R,G,Bチャンネル
13 ゲイン切替え部
14 ゲイン調整部
14R Rch用ゲイン調整部
14G Gch用ゲイン調整部
14B Bch用ゲイン調整部
15 レベル検出部
16 制御スイッチ
17 制御部(制御手段)
21 白色光源
22 光源用レンズ
23a コバルトフィルタ
23b センサ
24 ミラー
25 スリット
27 撮影用レンズ
28 CCDカメラ
29 ホワイトバランス制御部(制御手段)

Claims (3)

  1. 被写体を照明する光源の種類に対応した切り換え操作によって、予め記憶したセットアップ情報を選択して、ホワイトバランス調整値を再現する医療用テレビカメラ装置において、
    少なくとも青色光源用のホワイトバランス調整値を設定する情報を含む前記セットアップ情報が記憶されるメモリと、
    被写体光を色分解して得られるR(赤)、G(緑)、B(青)の各チャンネル信号の各ゲインを調整することができるゲイン調整手段と、
    前記メモリに記憶されたセットアップ情報に基づいて、前記光源が青色光源の場合、Rチャンネル信号のゲインを最大にした後、BチャンネルとGチャンネルとの信号レベルを下げて、前記Rチャンネル信号のゲインに合わせるように前記ゲイン調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする医療用テレビカメラ装置。
  2. 被写体を照明する光源の種類に対応した切り替え操作によって、予め記憶したセットアップ情報を選択して、ホワイトバランス調整値を再現する医療用テレビカメラ装置であって、
    少なくとも青色光源用のホワイトバランス調整値を設定する情報を含む前記セットアップ情報が記憶されるメモリと、
    被写体光を色分解して得られるR(赤)、G(緑)、B(青)の各チャンネル信号の各ゲインを調整することができるゲイン調整手段と、
    被写体から光量を調整する露光調整手段と、
    前記セットアップ情報に基づいて、前記光源が青色光源の場合、Gチャンネル信号のゲインを下げるように前記ゲイン調整手段を制御した後、Gチャンネルの信号レベルが最大となるように前記露光調整手段を制御し、RチャンネルとBチャンネルの信号レベルをGチャンネルの信号レベルに合わせるように前記ゲイン調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする医療用テレビカメラ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の医療用テレビカメラ装置による撮影系に被検眼を照明する照明光学系を備え、前記撮影系により被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、
    前記照明光学系には光源の切り替えを検知するセンサが備えられ、該センサからの検知信号が前記医療用テレビカメラ装置の制御手段に入力され、前記検知信号に対応するホワイトバランス調整を再現するための前記セットアップ情報を選択し、前記医療用テレビカメラ装置のホワイトバランス調整値を再現し、前記被検眼を撮影することを特徴とする眼科撮影装置
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