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JP4108786B2 - デジタル多チャンネル放送の音楽番組をカラオケ装置で受信再生するとともに音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する方法 - Google Patents

デジタル多チャンネル放送の音楽番組をカラオケ装置で受信再生するとともに音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル多チャンネル放送における音楽番組の配信方法およびこの放送を受信するカラオケ装置に関するものであり、より具体的には音楽番組の番組楽曲の演奏とカラオケ楽曲の歌詞画像を同期させるための配信方法およびカラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、デジタル多チャンネル放送として、通信衛星(以下、CS)を中継局としたCSデジタル多チャンネル放送システムが稼働している。このシステムで放送される番組はMPEG2で規定されたデータ符号化圧縮方法によってデジタルデータに変換されている。番組には映像データや音声データのほかに、時間や文字などの各種データが必要に応じて付加される。これらのデータ群は時間軸多重されて1番組分のビットストリームが得られる。さらに、複数の番組を束ねてチャンネル多重することで、一つのトランスポンダ当たり4〜8チャンネル程度のTV番組を配信することができる。従って、一つのCSでTV番組とラジオ番組をそれぞれ100チャンネル以上同時に配信することができる。
これらのチャンネルの中には、音楽専門チャンネルも数多く存在する。音楽専門チャンネルにおける放送内容としては、コンサートやBGMさらにカラオケなどがあり、これらがジャンル毎に別チャンネルで放送されるなどして、多種多様な視聴者の要望に多角的に対応している。
【0003】
このようなCSデジタル多チャンネル放送を受信して番組の映像や音声を再生するためにIRD(統合受信復号装置)が用意されている。IRDはパラボラアンテナなどが捕らえた放送電波中の放送データを処理することで、番組の映像信号や音声信号を再生する。番組の映像や音声はIRDの音声/映像出力部に接続されたオーディオビジュアル(AV)機器によって出力される。
【0004】
このように、CSデジタル多チャンネル放送は、IRDをAV機器に接続するだけで簡単に試聴することができることから、カラオケ会場などにおいて、リクエスト楽曲の演奏と演奏の合間などの休止期間にCSデジタル多チャンネル放送の番組楽曲をBGMとしてカラオケ装置のスピーカやディスプレイ装置などから出力することができる。
【0005】
さらに、カラオケ装置はカラオケデータから生成されるカラオケ楽曲の伴奏音楽と歌詞画像を同期してスピーカとディスプレイに出力する。このことから、カラオケデータ中の歌詞描出データをCSデジタル多チャンネル放送の番組音楽の歌詞表示にも利用することが当然考えられる。しかも、通信カラオケシステムなどでは、カラオケデータはMIDIデータなどコンパクトなデータであり、電話回線を介して多数の楽曲を短時間でカラオケ装置に転送することができる。カラオケ利用者の増加や多様化とも相俟って、歌詞の付いている楽曲のほとんど全てがカラオケ楽曲として用意されていると言っても過言ではない。従って、番組楽曲に歌詞をつけて表示することができれば、カラオケ楽曲の演奏が休止中であっても、番組楽曲の歌詞を覚えたり、番組楽曲でカラオケを楽しむことも可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、番組楽曲とカラオケ楽曲の演奏は完全に同一ではなく、前奏や間奏の時間はもちろん、歌唱パートにおいても演奏の進度が微妙に食い違っている場合がほとんどである。従って、番組楽曲の開始に合わせて歌詞の描出をスタートさせても番組楽曲と歌詞画像がすぐに食い違ってしまい、歌詞表示の効果が全くない。さらに、カラオケ楽曲の演奏休止時間に番組楽曲を出力しようとした場合、休止時間の始まりに合わせて番組楽曲が丁度よく開始することなど到底あり得ない。
【0007】
そこで、本発明はデジタル多チャンネル放送における音楽番組で放送される番組楽曲とカラオケ装置で生成される歌詞画像を同期してディスプレイに出力することができる音楽番組の配信方法と、この音楽番組を受信するためのカラオケ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明は、便宜的に分説すると、つぎの事項(11)〜(17)により特定される方法発明である。
(11)デジタル多チャンネル放送の音楽番組をカラオケ装置で受信再生するとともに音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する方法であること
(12)カラオケ装置は、各楽曲の伴奏音楽データと歌詞描出データを楽曲IDに対応付けして格納した記憶手段を備えること
(13)歌詞描出データは、伴奏音楽データにより演奏されるカラオケ伴奏音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示するための時系列データであること
(14)放送局は、ある楽曲(ア)を放送する際に、楽曲(ア)の音声データに多重化して楽曲ID(イ)と演奏進捗データ(ウ)を繰り返し送出すること
(15)楽曲ID(イ)は、カラオケ装置における楽曲(ア)を特定すること
(16)演奏進捗データ(ウ)は、楽曲(ア)の放送中の時点が楽曲(ア)の歌詞描出データの時間軸上のどの時点に該当するのかを表すデータであること
(17)カラオケ装置は、放送中の楽曲(ア)の音声データ・楽曲ID(イ)・演奏進捗データ(ウ)を受信しつつ、楽曲(ア)の音声データを再生出力するとともに、楽曲ID(イ)に該当する歌詞描出データを記憶手段から読み出し、当該歌詞描出データと演奏進捗データ(ウ)とに基づいて放送中の音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示すること
【0009】
第2発明は、便宜的に分説すると、つぎの事項(21)〜(28)により特定される方法発明である。
(21)デジタル多チャンネル放送の音楽番組をカラオケ装置で受信再生するとともに音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する方法であること
(22)カラオケ装置は、各楽曲の伴奏音楽データと歌詞描出データと時間軸補正データを楽曲IDに対応付けして格納した記憶手段を備えること
(23)歌詞描出データは、伴奏音楽データにより演奏されるカラオケ伴奏音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示するための時系列データであること
(24)放送局は、ある楽曲(カ)を放送する際に、楽曲(カ)の音声データに多重化して楽曲ID(キ)と演奏進捗データ(ク)を繰り返し送出すること
(25)楽曲ID(キ)は、カラオケ装置における楽曲(カ)を特定すること
(26)演奏進捗データ(ク)は、楽曲(カ)の放送開始からの経過時間に対応したデータであること
(27)楽曲ID(キ)に該当する時間軸補正データは、演奏進捗データ(ク)に基づいて楽曲ID(キ)に該当する歌詞描出データの時間軸上の時点を求めるための補正計算用のデータであること
(28)カラオケ装置は、放送中の楽曲(カ)の音声データ・楽曲ID(キ)・演奏進捗データ(ク)を受信しつつ、楽曲(カ)の音声データを再生出力するとともに、楽曲ID(キ)に該当する歌詞描出データと時間軸補正データを記憶手段から読み出し、当該歌詞描出データと時間軸補正データと演奏進捗データ(ク)とに基づいて放送中の音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示すること
【0024】
【発明の実施の形態】
===デジタル多チャンネル放送システム===
本発明における音楽番組配信方法とそれを受信するカラオケ装置を含むデジタル多チャンネル放送システムの一実施例として、CSデジタル多チャンネル放送システムについて説明する。図1はその基本構成図であり、放送局1とCS10とカラオケ装置20で構成されている。カラオケ装置20はCSデジタル多チャンネル放送用の統合受信再生装置(IRD)を内蔵した受信再生カラオケ装置20となっている。受信再生カラオケ装置20は、必要に応じて放送局1あるいはカラオケホスト局200と電話回線を介してデータ通信を行えるようになっている。これらの基本構成は放送局1と受信再生カラオケ装置20の関係については従来のCSデジタル多チャンネル放送システムに準じ、カラオケホスト局200と受信再生カラオケ装置20の関係については通信カラオケシステムに準じている。
【0025】
===放送される音楽番組のデータ構造===
図2は本発明による配信方法によって配信される音楽番組において、番組楽曲の放送時に送出されるデータストリームの構成図を示している。データストリーム300は188バイトの固定データ長を持つTSパケット301によって区切られている。このTSパケット301はパケットヘッダ部302とペイロード部303とから構成されている。パケットヘッダ部302にはパケットの同期符号や識別符号が含まれている。そして、ペイロード部303に各種データが格納されることでデータが多重される。このデータ多重方式はMPEG2―Systems規格によって規定されており、現在のCSデジタル多チャンネル放送にも採用されている。したがって、この辺りの技術に関しての詳細な説明は必要ないであろう。
ペイロード部303には放送中の番組楽曲の音声信号をMPEG2規格によって圧縮符号化した番組楽曲データ303aのほかに、本実施例では、楽曲ID303bや演奏進捗データ303cが格納されている。楽曲ID303bは、放送中の番組楽曲を特定するための情報であり、後述するカラオケ装置においてリクエスト楽曲を指定するための楽曲IDとも対応している。演奏進捗データ303cは、放送中の番組楽曲の演奏が開始された時点を基準とした時刻情報が記述されている。そして、これらのデータ303a〜cが格納されてたTSパケット301がデータストリーム300中に適宜に配置されている。
楽曲ID303bおよび演奏進捗データ303cは、番組楽曲の音声信号をサンプリングするときのクロックパルスを一定数カウントする毎に時系列中に挿入させることで、一定の時間間隔でこの楽曲ID303bおよび演奏進捗データ303cが送出されるようになっている。本実施例ではその送出間隔を1/30秒毎としてある。もちろん、楽曲IDおよび演奏進捗データをそれぞれ違う時間間隔で送出してもよい。また、上述した音楽番組は音声のみのラジオ放送として説明したが、TV放送であってもよい。その場合は、ペイロード部303にTV放送の映像に対応したMPEG2ビデオデータが格納されたTSパケット301がデータストリーム300中に適宜に挿入されることになる。
この音楽番組のデータストリーム300には必要に応じてスクランブルデータが付加されたのち、他の複数のチャンネルで放送されている番組のデータストリームとチャンネル多重される。そして、QPSK変調を経て送出される。
【0026】
===受信再生カラオケ装置の構成===
<カラオケ楽曲の生成とCSデジタル多チャンネル放送の受信>
このような方法で配信される音楽番組を受信するためにCSデジタル多チャンネル放送用のIRDが組み込まれた受信再生カラオケ装置が用意されている。その受信再生カラオケ装置の構成を図3に示している。この受信再生カラオケ装置20は通信カラオケシステムの端末でもあり、適宜な通信機会にモデム44を介して電話回線100に接続し、カラオケホスト局200よりカラオケデータの配信を受ける。配信されたカラオケデータは中央制御部30を介してハードディスク装置50に蓄積される。中央制御部30は、操作パネル31やリモコン送信器32からのリクエスト入力を操作制御部33を介して受け取ると、適宜なカラオケデータをハードディスク50より読み出して処理する。カラオケデータはMIDI規格に準じたデータ形式を有し、シンセサイザ制御データや歌詞描出データなどを含んでいる。シンセサイザ制御データはシンセサイザ34に転送され伴奏音楽が生成される。生成された伴奏音楽はミキシングアンプ35でマイクロホン36から入力された歌唱者の音声信号と混合されてスピーカ37に出力される。
【0027】
歌詞描出データは歌詞文字列、表示レイアウト、歌詞描出シーケンス、歌唱時機指示などの各種情報を含んでいる。中央制御部30は歌詞描出シーケンスに従った歌詞画像(表示レイアウトや歌唱時機指示の表現情報が付加された歌詞文字列)を順次ビデオRAM38に転送する。ビデオRAM38内にビットマップ展開された歌詞画像は、映像制御部39でビデオCDチェンジャ41によって再生されたムード映像にスーパーインポーズされてディスプレイ40に出力される。
【0028】
一方、CSデジタル多チャンネル放送を受信するためのIRD70は中央制御部30が適時に発行する動作指令を受けて動作する。パラボラアンテナ60で捕らえられた放送電波は中間周波数(IF)信号に周波数変換されてIRD70に導入される。このIF信号から音楽番組のデータを復号する。復号された番組の音声信号は、中央制御部30が音声切替部42の信号入力をIRD70側に切り替え制御することで、ミキシングアンプ35を経てスピーカ37より出力される。音楽番組がTV放送である場合は、中央制御部30が映像切替部43の入力をIRD70側に切り替え制御することによってTV映像が映像制御部39を介してディスプレイ40に出力される。
【0029】
<IRDによる番組楽曲の復号/再生>
図4はIRD70の内部構成の概略を示している。この図に従ってIRD70のIF信号処理について説明する。IRD制御部71は内部にCPU、RAM、ROMなどを含んだマイコンである。このIRD制御部71と各構成部は制御バス78およびデータバス79によって適宜に接続されるている。また、IRD制御部71は内部の通信インタフェースを介して、受信再生カラオケ装置20本体の中央制御部30と制御信号やデータのやりとりも行う。なお、ICカードインタフェース部76にセットされたICカード77にはCSデジタル多チャンネル放送の試聴記録やスクランブル解除情報など課金システムおよびスクランブル解除システムに関連したデータが書き込まれている。そして、適宜な通信機会にモデム44を介して放送局とデータ通信を行って記録内容の転送などを行う。
IRD70の各構成部はIRD制御部71の制御に従って、次の経路でIF信号処理を行う。選局部72で音楽番組を放送している搬送波のIF周波数に同調してIF信号を取り出す。復調部73はこのIF信号をQPSK復調して番組のデータストリームを取り出す。多重分離部74では、必要に応じてスクランブルの解除処理を行うとともに、入力されたデータストリーム中からデータの種別毎にTSパケットを取り出して時系列順に並べる。これによって、データ種別毎のデータストリームが出力される。この多重分離部74から出力されたデータストリームの内、楽曲IDや演奏進捗データのデータストリームはデータバス79へ送出されIRD制御部71を介して中央制御部30へ転送される。一方、番組楽曲データはMPEG2デコード部75に送出される。ここで番組の映像信号や音声信号が再生される。
【0030】
以上は、通常のCSデジタル多チャンネル放送の受信再生制御であった。本実施例における受信再生カラオケ装置20によれば、楽曲IDや演奏進捗データを適宜に処理することで、IRDで再生された番組楽曲と歌詞描出データから生成される歌詞画像とを同期させてスピーカ37とディスプレイ40に出力する機能が備わっている。以下、この機能について説明する。
【0031】
===番組楽曲に歌詞画像を同期させる方法===
<時間軸補正データ>
図5(A)は、番組楽曲の演奏時系列に歌詞画像を同期させるために用意された時間軸補正データにおけるデータ構造の一例を示している。時間軸補正データは楽曲IDなどを記述してあるヘッダ部と区間毎の時間比を記述した区間時間比情報とからなっている。区間時間比情報は、楽曲を適宜な区間に区切ったとき、楽曲IDに対応する番組楽曲における区間毎の始まりと終わりの時刻情報と、この時刻情報から求められる番組楽曲における区間演奏時間に対するカラオケ楽曲におけるこの区間での演奏時間との時間比とを含んでいる。この例では1曲を3つの区間に区切り、それぞれが100秒ずつの時間を有している。区間1〜3に対して、時間比がそれぞれ1.2、1.0、1.2に既定されている。区間1を例に採れば、時刻情報が0〜100と記述され、時間比が1.2と記述されている。これは、番組楽曲ではこの区間1が100秒で演奏されるところをカラオケ楽曲では120秒かかることを意味している。
図5(B)に(A)に示した時間軸補正データに基づいて、番組楽曲とカラオケ楽曲を比較したときの演奏時系列を示した。ある楽曲が番組楽曲として演奏されるときは300秒の演奏時間であるのに対し、カラオケ楽曲として演奏するときは340秒かかることがわかる。次に、この時間軸補正データと演奏進捗データに基づいて番組楽曲と歌詞画像を同期させる方法を説明する。
【0032】
<歌詞画像同期制御>
音楽番組の放送データを受信すると、IRD70の多重分離部74が多重データから演奏進捗データと楽曲IDを抽出する。そして、これらのデータは、受信再生カラオケ装置本体の中央制御部30に送られる。中央制御部30は楽曲IDに基づいて、対応するカラオケデータ中の歌詞描出データと、対応する時間軸補正データとをハードディスク装置50より読み出す。演奏進捗データに記された時刻から番組楽曲における演奏場所をカラオケ楽曲における演奏開始時点からの経過時間に当てはめる。図5における楽曲を例に採って説明すると、受信時における演奏進捗情報には50秒という時刻が記されてあったとする。この時刻は区間1に在る。従って、カラオケ楽曲では50秒×1.2=60秒の時点が対応していることがわかる。中央制御部30がカラオケ楽曲における60秒経過時の歌詞描出データをビデオRAMに転送すれば受信時における番組音楽の演奏状況に合致した歌詞画像がディスプレイに出力される。
受信時に描出すべき歌詞画像が特定された後は、番組楽曲の演奏に同期させるように歌詞描出シーケンス(色換えなどの歌唱時機指示の時刻や文字列の表示/消去時刻)を補正する。つまり、区間1では演奏進捗データの受信毎に取得する時刻に1.2を掛けた時間を歌詞描出シーケンスの時間軸に置き換える。演奏進捗データの送出時間間隔は、歌詞画像をディスプレイに出力するときのフレーム周期である1/30秒に一致しているので、この補正された時間軸上の時系列に従った歌詞描出データを順次ビデオRAMに転送するだけで番組楽曲に同期した歌詞画像が出力される。
【0033】
===その他の実施例など===
上記実施例では放送データ中の演奏進捗データと受信再生カラオケ装置側に格納されている時間軸補正データに基づいて歌詞描出シーケンスを補正している。そして、この補正された歌詞描出シーケンスに従った時系列で歌詞画像を生成することで番組音楽と歌詞画像を同期させている。このような方法とせず、演奏進捗データにカラオケ楽曲における演奏時刻(カラオケ楽曲の演奏開始時点を基準とした時間)を記述する方法を採用してもよい。この場合、中央制御部がこの演奏進捗データを受け取って、そこに記述された時刻に該当する歌詞描出データをビデオRAMに送出する。従って、時間軸補正データを用意する必要はない。
【0034】
また、カラオケ楽曲の演奏と演奏の合間など、受信再生カラオケ装置がカラオケ楽曲の生成処理が休止しているときにIRDによって再生されて番組楽曲をスピーカに出力するようにも変更が可能である。この場合、中央制御部はカラオケデータの転送休止時など楽曲の生成処理が休止状態であることを検知すると、音声切替部をIRDからの音声信号を入力するように切り替え制御して伴奏音楽の音声信号をミキシングアンプに入力させる。音楽番組がTV放送であるときは音声切替部の切り替え制御に加えて、映像切替部の入力をIRD側に切り替え制御する。これによって、カラオケ楽曲の演奏休止時間に連動して番組楽曲を出力することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタル多チャンネル放送システムにおける音楽番組において、番組楽曲データに楽曲IDと演奏進捗データを多重して放送することで、番組楽曲の演奏に同期した歌詞画像をカラオケ装置のディスプレイに出力する音楽番組配信方法を提供することができる。しかも、データ多重方式を含む音楽番組の配信方法は、現在のCSデジタル多チャンネル放送で規格化されているシステムをそのまま流用することができる。そのため、特別なデータ多重装置やエンコーダを必要しない。従って、放送に余分な経費が掛からい。翻って、視聴者(カラオケ利用者)に視聴料(カラオケ利用料)の増額など経済的な負担を強いることがない。
【0036】
この音楽番組配信方法によって配信された番組楽曲の多重データを受信して処理するカラオケ装置は、従来のカラオケ装置にデジタル多チャンネル放送用のIRDと同様のデジタル多チャンネル放送データ処理系統と、この処理系統で多重分離された楽曲IDと演奏進捗データを処理するためのソフトウエア(データやプログラム)を付加するだけで番組楽曲と歌詞画像を同期してディスプレイに出力することが可能となる。しかも、放送途中の番組楽曲を受信したときでも途中からの歌詞画像を出力することができる。
【0037】
また、演奏進捗データには番組楽曲の演奏時刻を記述しても、カラオケ楽曲の演奏時刻を記述してもよく、放送事業者の都合に応じて適宜変更できる。カラオケ装置側では時間軸補正データをデータ通信などによりハードディスク装置などに追加格納したり、プログラムを変更したりするだけで演奏進捗データがどちらの形式で放送されても柔軟に対応することができる。
【0038】
番組楽曲の出力をカラオケ楽曲における演奏休止期間に連動させることによって、カラオケ利用者がカラオケ演奏の休止時間にもカラオケを楽しんだり、楽曲の歌詞を覚えたりすることができる。番組楽曲にボーカルが入っている場合には、模範的な歌唱状態を歌詞付きで覚えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるデジタル多チャンネル放送システムの構成図である。
【図2】上記実施例において配信される多重データの構造図である。
【図3】本発明の実施例における受信再生カラオケ装置の構成図である。
【図4】上記受信再生カラオケ装置におけるIRDの構成図である。
【図5】(A)は本発明の実施例における時間軸補正データの構造図の一例を示し、(B)は(A)に図示した時間軸補正データに基づいて、番組楽曲とカラオケ楽曲を比較したときの演奏時系列を示した。
【符号の説明】
1 放送局
20 受信再生カラオケ装置
30 中央制御部
50 ハードディスク装置
70 IRD

Claims (2)

  1. デジタル多チャンネル放送の音楽番組をカラオケ装置で受信再生するとともに音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する方法であって、
    カラオケ装置は、各楽曲の伴奏音楽データと歌詞描出データを楽曲IDに対応付けして格納した記憶手段を備え、
    歌詞描出データは、伴奏音楽データにより演奏されるカラオケ伴奏音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示するための時系列データであり、
    放送局は、ある楽曲(ア)を放送する際に、楽曲(ア)の音声データに多重化して楽曲ID(イ)と演奏進捗データ(ウ)を繰り返し送出し、
    楽曲ID(イ)は、カラオケ装置における楽曲(ア)を特定し、
    演奏進捗データ(ウ)は、楽曲(ア)の放送中の時点が楽曲(ア)の歌詞描出データの時間軸上のどの時点に該当するのかを表すデータであり、
    カラオケ装置は、放送中の楽曲(ア)の音声データ・楽曲ID(イ)・演奏進捗データ(ウ)を受信しつつ、楽曲(ア)の音声データを再生出力するとともに、楽曲ID(イ)に該当する歌詞描出データを記憶手段から読み出し、当該歌詞描出データと演奏進捗データ(ウ)とに基づいて放送中の音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する
    方法。
  2. デジタル多チャンネル放送の音楽番組をカラオケ装置で受信再生するとともに音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する方法であって、
    カラオケ装置は、各楽曲の伴奏音楽データと歌詞描出データと時間軸補正データを楽曲IDに対応付けして格納した記憶手段を備え、
    歌詞描出データは、伴奏音楽データにより演奏されるカラオケ伴奏音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示するための時系列データであり、
    放送局は、ある楽曲(カ)を放送する際に、楽曲(カ)の音声データに多重化して楽曲ID(キ)と演奏進捗データ(ク)を繰り返し送出し、
    楽曲ID(キ)は、カラオケ装置における楽曲(カ)を特定し、
    演奏進捗データ(ク)は、楽曲(カ)の放送開始からの経過時間に対応したデータであり、
    楽曲ID(キ)に該当する時間軸補正データは、演奏進捗データ(ク)に基づいて楽曲ID(キ)に該当する歌詞描出データの時間軸上の時点を求めるための補正計算用のデータであり、
    カラオケ装置は、放送中の楽曲(カ)の音声データ・楽曲ID(キ)・演奏進捗データ(ク)を受信しつつ、楽曲(カ)の音声データを再生出力するとともに、楽曲ID(キ)に該当する歌詞描出データと時間軸補正データを記憶手段から読み出し、当該歌詞描出データと時間軸補正データと演奏進捗データ(ク)とに基づいて放送中の音楽に同期して色変わりする歌詞字幕を表示する
    方法。
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