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JP4100223B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

車両用操舵制御装置 Download PDF

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JP4100223B2
JP4100223B2 JP2003101562A JP2003101562A JP4100223B2 JP 4100223 B2 JP4100223 B2 JP 4100223B2 JP 2003101562 A JP2003101562 A JP 2003101562A JP 2003101562 A JP2003101562 A JP 2003101562A JP 4100223 B2 JP4100223 B2 JP 4100223B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操向輪の転舵装置に機械的に連結されていないステアリングホイールを備えた、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ方式による車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用操舵制御装置は、目標回転角θsiと出力角θpとの制御偏差が大となった場合に、補正処理部72による補正処理を開始する。この補正処理は、制御偏差がより小さくなるように目標回転角θsiを変更すると共に、変更した目標回転角θsiと入力角θhとを基に、設定部71で設定される伝達比を変更するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開特開平11−208499号公報(図5)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用操舵制御装置にあっては、目標回転角と出力角との制御偏差が大となった場合に、この制御偏差がより小さくなるように目標回転角を変更すると共に、変更した目標回転角と入力角とを基に伝達比を変更する、という構成になっていたため、伝達比のゲインが高い(ステアリングホイールの操舵角が小さくても操向輪の転舵角が大きく転舵する)状態でドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵など比較的急峻な操舵を行うと、アクチュエータがドライバの操作に追従できれば伝達比のゲインは高いままなので、車両挙動が不安定になるおそれがある、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等、ドライバが比較的急峻な操舵を行ったとき、ドライバの入力に対する車両挙動の応答性を緩やかにして、速い操舵入力でも車両挙動を制御しやすくすることができる車両用操舵制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
ステアリングホイールの操舵角と操向輪の転舵角との比であるギヤ比を設定するギヤ比設定手段と、
少なくとも設定されたギヤ比に基づいて算出された目標転舵角となるように転舵アクチュエータを駆動する転舵制御手段と、
を備えた車両用操舵制御装置において、
前記ギヤ比設定手段は、車両の走行状態や操舵角に応じて最適な基準ギヤ比を算出する基準ギヤ比算出部と、基準ギヤ比よりも操舵入力に対し転舵出力が小さくなる低ゲインギヤ比を算出または保持する低ゲインギヤ比算出・保持部と、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っているか否かを判定するドライバ急操舵判定部と、該ドライバ急操舵判定部によりドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていると判定された場合、設定ギヤ比を基準ギヤ比から低ゲインギヤ比へ変更する設定ギヤ比変更部と、を有することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
よって、本発明の車両用操舵制御装置にあっては、ギヤ比設定手段において、ドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、操舵角と転舵角との比であるギヤ比が、ステアリングホイールへの操舵入力に対して、操向輪の転舵出力が小さくなるように変更されるため、車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等、ドライバが比較的急峻な操舵を行ったとき、ドライバの入力に対する車両挙動の応答性を緩やかにして、速い操舵入力でも車両挙動を制御しやすくすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用操舵制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例〜第3実施例に基づいて説明する。
【0009】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システム図である。図1において、1はステアリングホイール、2は操舵反力アクチュエータ、3はトルクセンサ、4は操舵角センサ、5は操向輪、6は伝達部、7はステアリングギア(転舵装置)、8は転舵アクチュエータ、9は転舵角センサ、10は舵角コントローラ(転舵制御手段)、11は車速センサ、12はヨーレートセンサである。
【0010】
第1実施例装置の操作部は、車両の運転者の操作を伝えるステアリングホイール1と、ステアリングホイール1に操舵反力を発生させる操舵反力アクチュエータ2と、ステアリングホイール1と操舵反力アクチュエータ2の間で発生している操舵トルクTsを計測するトルクセンサ3と、ステアリングホイール1が操作された操舵角θを計測する操舵角センサ4と、により構成される。
【0011】
第1実施例装置の転舵部は、車両を操向させるための操向輪5,5と、操向するための力を操向輪5,5に伝達するための伝達部6と、車両を操向するために車両横方向への力を伝達するステアリングギア7と、ステアリングギア7を操作して車両を操向するための力を発生させる転舵アクチュエータ8と、により構成される。
【0012】
第1実施例装置の舵角制御系は、前記操舵トルクTsを計測するトルクセンサ3と、操舵角θを計測する操舵角センサ4と、操向輪5,5の転舵角δを計測する転舵角センサ9と、操向輪5,5に転舵角δを発生させるための制御量と操舵反力アクチュエータ2に操舵反力を発生させるための制御量を算出する舵角コントローラ10と、車両の車速Vを計測する車速センサ11と、車両のヨーレートψ’を計測するヨーレートセンサ12と、により構成される。
【0013】
図2は第1実施例装置の舵角制御系を示すブロック図で、舵角コントローラ10内には、基準ギヤ比算出部10aと、低ゲインギヤ比算出・保持部10bと、ドライバ急操舵判定部10cと、設定ギヤ比変更部10dと、操舵反力算出部10eと、目標転舵角算出部10fと、が設定されている。このうち、基準ギヤ比算出部10aと、低ゲインギヤ比算出・保持部10bと、ドライバ急操舵判定部10cと、設定ギヤ比変更部10dと、によってギヤ比設定手段が構成される。
【0014】
前記基準ギヤ比算出部10aは、車速V(車両の走行状態)や操舵角θに応じて最適な基準ギヤ比(θ/δ)を算出する(図4参照)。
【0015】
前記低ゲインギヤ比算出・保持部10bでは、基準ギヤ比(θ/δ)よりも操舵入力に対し転舵出力が小さくなる低ゲインギヤ比[θ/δ]を算出または保持する。例えば、過去の走行状況でドライバが体感的に慣れていると推定される基準ギヤ比(θ/δ)に基づいて低ゲインギヤ比[θ/δ]を算出し保持する。
【0016】
前記ドライバ急操舵判定部10cでは、操舵角θ、車速V、ヨーレートψ’を入力し、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避等の比較的急峻な操舵を行っているか否かを判定する。
【0017】
前記設定ギヤ比変更部10dでは、前記ドライバ急操舵判定部10cによりドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避等の比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)から低ゲインギヤ比[θ/δ]へ変更する。
【0018】
前記操舵反力算出部10eでは、操舵角θ、操舵トルクTs、車速V、設定ギヤ比θ/δに基づいて、目標操舵反力を算出し、この操舵反力を発生するための操舵反力アクチュエータ2への指令値を算出する。
【0019】
前記目標転舵角算出部10fでは、操舵角θ、操舵トルクTs、車速V、設定ギヤ比θ/δに基づいて目標転舵角δ*を算出し、操向輪5,5が目標転舵角δ*になるように転舵アクチュエータ8への指令値を算出する。
【0020】
以上の構成により、ドライバ入力による操舵角θに対する転舵角δの特性(ギヤ比特性)を任意に変更することができる、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤの機能を実現することができる。
【0021】
次に、作用を説明する。
【0022】
[ギヤ比設定及び転舵制御処理]
図3は第1実施例装置の舵角コントローラ10にて実行されるギヤ比設定及び転舵制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0023】
ステップS300では、車両のイグニッションスイッチなどにより本システムが起動され、ステップS301へ移行する。
【0024】
ステップS301では、車速センサ11、操舵角センサ4およびヨーレートセンサ12からの信号を入力し、ステップS302へ移行する。
【0025】
ステップS302では、ステップS301で得られた車速Vおよび操舵角θに基づいて、ステアリングホイール1の操舵角θと操向輪5,5の転舵角δとの基準ギヤ比(θ/δ)を算出し、ステップS303へ移行する。
これは、例えば、車速Vが設定車速V0(例えば、V0=約20km/h)以上で、かつ、操舵角θが設定舵角θ0以下の走行域では、操舵角θが変化してもギヤ比が一定であるため、図4(a)に示すように、車速Vが上がるにつれて基準ギヤ比(θ/δ)が大きくなり、同じ操舵角θでも、車速Vが上がるにつれて転舵角δが小さくなるように設定される。一方、車速Vが設定車速V0未満で、かつ、操舵角θが設定舵角θ0を超える走行域では、車速Vが変化してもギヤ比が一定であるため、図4(b)に示すように、操舵角θが増大するにつれて基準ギヤ比(θ/δ)が小さくなり、同じ車速Vでも、操舵角θが上がるにつれて二次関数的に転舵角δが増大するように設定される。それ以外の走行域では、車速Vと操舵角θの一方で決めたギヤ比を他方で補正するというように、車速Vと操舵角θの両方に対応して基準ギヤ比(θ/δ)が設定される。
【0026】
ステップS303では、現在よりもギヤ比が低く設定されていた状態で、かつ、その状態が定常的に続いていた状況のギヤ比を低ゲインギヤ比[θ/δ]として算出し、これを保持し、ステップS304へ移行する。
例えば、ドライバが交差点を右折もしくは左折した場合は、その交差点に進入する前に道路をほぼ一定速で、かつ操舵角の変化も少なく走行していた状態でのギヤ比を低ゲインギヤ比[θ/δ]として算出し、保持する。
【0027】
ステップS304では、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っているかどうかを判定し、YESの場合はステップS305へ移行し、NOの場合はステップS307へ移行する。
【0028】
このステップS304では、下記の何れか一つの条件に該当した場合には、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていると判定する。
▲1▼ステアリングホイール1の操舵角θが周期的な動作を表し、その周期・振幅・継続時間が各々所定値以上で、かつ、車両が直進状態となる前記ステアリングホイール1の中立位置を含むような場合には、ドライバが車両の軌道修正操舵を行っていると判定する。
▲2▼車速Vと操舵角θと車両の運動モデルを用いて推定される推定ヨーレートψ#'と、計測された実ヨーレートψ’との差が所定値以上となった場合には、ドライバが車両の軌道修正操舵を行っていると判定する。
▲3▼計測された操舵角θに基づいて操舵角加速度θ’を算出し(操舵角加速度算出手段)、操舵角加速度θ’が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定する。
▲4▼車速Vと操舵角θと車両の運動モデルを用いて推定ヨー角加速度ψ#''を算出し(推定ヨー角加速度算出手段)、推定ヨー角加速度ψ#''が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定する。
▲5▼ヨーレートセンサ12からのヨーレート計測値に基づいてヨー角加速度ψ''を算出し(ヨー角加速度算出手段)、ヨー角加速度ψ''が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定する。
【0029】
ステップS305では、ステップS304においてドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていると判定された場合、操舵角θのみに応じて変化するように算出される低車速域では、操舵角θの中立位置ギヤ比(図4(b)参照)に変更し、ギヤ比が車速Vのみ、あるいは、車速Vと操舵角θに応じて変化するように算出される走行域では、ステップS303において算出・保持したギヤ比に変更する。つまり、設定ギヤ比θ/δとして、基準ギヤ比(θ/δ)よりもゲインの低い低ゲインギヤ比[θ/δ]に変更して適用し、ステップS306へ移行する。
【0030】
ステップS306では、ステップS304においてドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていないと判定された場合、ステップS302において算出した基準ギヤ比(θ/δ)を設定ギヤ比θ/δとして適用し、ステップS307へ移行する。
【0031】
ステップS307では、設定ギヤ比θ/δが低ゲインギヤ比[θ/δ]から基準ギヤ比(θ/δ)に変更されることによってステアリングホイール1の中立位置と操向輪5,5の直進とが合うように目標転舵角δ*を徐々に修正し、ステップS301へ戻る。
【0032】
[ギヤ比設定作用]
まず、ドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵等を行っていない通常操舵時には、図3のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS306へと進む流れとなり、ステップS306では、ステップS302において車速Vと操舵角θに基づいて算出した基準ギヤ比(θ/δ)が設定ギヤ比θ/δとして適用される。
【0033】
よって、車速Vに対しては、低車速域では操舵応答ゲインの高いギヤ比で、車速Vが上昇するにつれて操舵応答ゲインが低くなるギヤ比に設定され、かつ、操舵角θに対して小操舵角域では操舵応答ゲインの低いギヤ比で、操舵角θが大きくなるに従って操舵応答ゲインが高くなるギヤ比に設定されるというように、車速Vおよび操舵角θに応じ、ドライバにとって最適な操舵応答を得ることができる。
【0034】
次に、ドライバが通常操舵から車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等を行った場合には、図3のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS305へと進む流れとなり、ステップS305では、低ゲインギヤ比[θ/δ](中立位置ギヤ比、あるいは、ステップS303において算出・保持したギヤ比)が設定ギヤ比θ/δとして適用される。
【0035】
よって、車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等、ドライバが比較的急峻な操舵を行ったとき、設定ギヤ比θ/δが高ゲインのギヤ比から低ゲインのギヤ比に変更されることで、ドライバの入力に対する車両挙動の応答性が緩やかになり、速い操舵入力でも車両挙動を安定性を増す方向に制御しやすくなる。ちなみに、ドライバが比較的急峻な操舵を行っても、設定ギヤ比を高ゲインのまま維持すれば、速い操舵入力に対し応答良く車両挙動が発生し、ドライバが挙動修正しようとしても車両挙動の変化に追従できず、不安定な車両挙動を招くおそれがある。
【0036】
さらに、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等を行っている間は、ステアリングホイール1の中立位置と操向輪5,5の直進がずれても修正を加えないが、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等が終了した時点で、設定ギヤ比θ/δを低ゲインギヤ比[θ/δ]から基準ギヤ比(θ/δ)に変更した場合には、ステップS307において、ステアリングホイール1の中立位置と操向輪5,5の直進が合うように目標転舵角δ*が徐々に修正される。
【0037】
よって、例えば、ステアリングホイール1が中立位置にない操舵途中においてギヤ比の変更がなされることで、ステアリングホイール1の中立位置と操向輪5,5の直進が合わなくなる状況となっていても、設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)に戻したときに、直進時のステアリングホイール1の操作性を損なわせることがない。
【0038】
次に、効果を説明する。
第1実施例の車両用操舵制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0039】
(1)操向輪5,5のステアリングギヤ7に機械的に連結されていないステアリングホイール1と、該ステアリングホイール1に操舵反力を与える操舵反力アクチュエータ2と、前記ステアリングギヤ7にその出力を加える転舵アクチュエータ8と、ステアリングホイール1の操舵角θと操向輪5,5の転舵角δとの比であるギヤ比θ/δを設定するギヤ比設定手段と、少なくとも設定されたギヤ比θ/δに基づいて算出された目標転舵角δ*となるように転舵アクチュエータ8を駆動する転舵制御手段と、を備えた車両用操舵制御装置において、前記ギヤ比設定手段は、ドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、前記ギヤ比θ/δを、ステアリングホイール1への操舵入力に対して、操向輪5,5の転舵出力が小さくなるように変更するため、ドライバが比較的急峻な操舵を行ったとき、ドライバの入力に対する車両挙動の応答性を緩やかにして、速い操舵入力でも車両挙動を制御しやすくすることができる。
【0040】
(2)前記ギヤ比設定手段は、車両の走行状態や操舵角θに応じて最適な基準ギヤ比(θ/δ)を算出する基準ギヤ比算出部10aと、基準ギヤ比(θ/δ)よりも操舵入力に対し転舵出力が小さくなる低ゲインギヤ比[θ/δ]を算出または保持する低ゲインギヤ比算出・保持部10bと、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っているか否かを判定するドライバ急操舵判定部10cと、該ドライバ急操舵判定部10cによりドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていると判定された場合、設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)から低ゲインギヤ比[θ/δ]へ変更する設定ギヤ比変更部10dと、を有するため、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行ったとき、ドライバの入力に対する車両挙動の応答性を緩やかにして、速い操舵入力でも車両挙動を制御しやすくすることができる。
【0041】
(3)ステアリングホイール1の操舵角θが周期的な動作を表し、その周期・振幅・継続時間が各々所定値以上で、かつ、車両が直進状態となる前記ステアリングホイール1の中立位置を含むような場合には、ドライバが車両の軌道修正操舵を行っていると判定するため、操舵角θの変化状況を監視することで精度良くドライバの軌道修正操舵を判定することができる。
【0042】
(4)車速Vと操舵角θと車両の運動モデルを用いて推定される推定ヨーレートψ#'と、計測された実ヨーレートψ’との差が所定値以上となった場合には、ドライバが車両の軌道修正操舵を行っていると判定するため、推定ヨーレートψ#'と実ヨーレートψ’との偏差を用いて精度良くドライバの軌道修正操舵を判定することができる。
【0043】
(5)計測された操舵角θに基づいて操舵角加速度θ’を算出し、操舵角加速度θ’が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定するため、算出される操舵角加速度θ’を用いて精度良くドライバの障害物回避操舵を判定することができる。
【0044】
(6)車速Vと操舵角θと車両の運動モデルを用いて推定ヨー角加速度ψ#''を算出し、推定ヨー角加速度ψ#''が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定するため、推定ヨー角加速度ψ#''を用いて精度良くドライバの障害物回避操舵を判定することができる。
【0045】
(7)ヨーレートセンサ12からのヨーレート計測値に基づいてヨー角加速度ψ''を算出し、ヨー角加速度ψ''が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定するため、算出されるヨー角加速度ψ''を用いて精度良くドライバの障害物回避操舵を判定することができる。
【0046】
(8)設定ギヤ比変更部10dは、ドライバ急操舵判定部10cによりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、中立位置ギヤ比に変更するため、ギヤ比が操舵角θのみに応じて変化するように算出される走行域において、操舵角θに対し最も操舵応答ゲインが低くなり、ドライバが容易に車両挙動を安定とする操舵を行うことができる。
【0047】
(9)設定ギヤ比変更部10dは、ドライバ急操舵判定部10cによりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、ドライバ急操舵判定時点から所定時間内の過去で、車速変化および操舵角変化が所定値以内となる状態において適用されていた低ゲインギヤ比[θ/δ]に変更するため、ギヤ比が車速Vのみ、あるいは、車速Vと操舵角θに応じて変化するように算出される走行域において、ドライバが体感的に慣れていたギヤ比にて車両挙動を安定とする操舵を行うことができる。
【0048】
(10)設定ギヤ比変更部10dは、ドライバ急操舵判定部10cによりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定と同時に設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)から低ゲインギヤ比[θ/δ]に変更し、ドライバの比較的急峻な操舵が終了したとの判定と同時に設定ギヤ比θ/δをその時点での走行状態に応じた基準ギヤ比(θ/δ)に変更するため、ドライバ急操舵判定に対し応答良くギヤ比の変更を行うことができる。
【0049】
(11)目標転舵角算出部10fは、ドライバ急操舵判定部10cによりドライバの比較的急峻な操舵が終了したとの判定した場合、設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)に変更した後、変更後の基準ギヤ比(θ/δ)においてステアリングホイール1の中立位置が操向輪の直進位置と合うように目標転舵角δ*を徐々に修正するため、ギヤ比変更により、ステアリングホイール1の中立位置と操向輪5,5の直進が合わなくなる状況となっていても、設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)に戻したときに、直進時のステアリングホイール1の操作性を損なわせることを防止できる。
【0050】
(第2実施例)
第2実施例は、低ゲインギヤ比から基準ギヤ比に戻すとき、ドライバ急操舵判定時の基準ギヤ比に戻すようにした例である。なお、構成については、第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0051】
次に、作用を説明する。
【0052】
[ギヤ比設定及び転舵制御処理]
図5は第2実施例装置の舵角コントローラ10にて実行されるギヤ比設定及び転舵制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、ステップS300〜ステップS305は、第1実施例の図3の対応するステップと同様であるので説明を省略する。
【0053】
ステップS308では、ステップS304においてドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていると判定された場合、この判定された起動周期においてステップS302において算出された基準ギヤ比(θ/δ)を保存したかどうかが判断され、YESの場合はステップS305へ移行し、NOの場合はステップS309へ移行する。
【0054】
ステップS309では、ステップS302において算出された基準ギヤ比(θ/δ)を保存し、ステップS305へ移行する。
【0055】
ステップS310では、ステップS304においてドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていないと判定された場合、判定変更直後か否かが判断され、YESの場合はステップS311へ移行し、NOの場合はステップS306へ移行する。
【0056】
ステップS311では、ステップS309において保存されたドライバ急操舵判定時における基準ギヤ比(θ/δ)を設定ギヤ比θ/δとして適用し、ステップS307へ移行する。
【0057】
[ギヤ比設定作用]
まず、ドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵等を行っていない通常操舵時には、図5のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS310→ステップS306へと進む流れとなり、ステップS306では、ステップS302において車速Vと操舵角θに基づいて算出した基準ギヤ比(θ/δ)が設定ギヤ比θ/δとして適用される。
【0058】
次に、ドライバが通常操舵から車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等を行った場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS308→ステップS309→ステップS305へと進む流れとなり、ステップS309において、判断時にステップS302において算出された基準ギヤ比(θ/δ)を保存し、ステップS305において、低ゲインギヤ比[θ/δ](中立位置ギヤ比、あるいは、ステップS303において算出・保持したギヤ比)が設定ギヤ比θ/δとして適用される。次の起動周期からは、図5のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS308→ステップS305へと進む流れが繰り返される。
【0059】
さらに、ドライバの軌道修正操舵や障害物回避操舵等が終了した場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS310→ステップS311→ステップS307へと進む流れとなり、ステップS311において、ステップS309において、保存されたドライバ急操舵判定時の基準ギヤ比(θ/δ)に変更され、ステップS307において、ステアリングホイール1の中立位置と操向輪5,5の直進が合うように目標転舵角δ*が徐々に修正される。その後、所定時間待って、もしくは、保持したギヤ比とステップS302で算出される基準ギヤ比(θ/δ)がほぼ一致すると、ステップS306からステップS306へ進む通常の流れとなる。
【0060】
次に、効果を説明する。
この第2実施例の車両用操舵制御装置にあっては、第1実施例の(1)〜(9)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0061】
(12)設定ギヤ比変更部10dは、ドライバ急操舵判定部10cによりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定した時点で設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)から低ゲインギヤ比[θ/δ]に変更し、ドライバの比較的急峻な操舵が終了したとの判定時点で設定ギヤ比θ/δをドライバ急操舵判定時におけるギヤ比に戻すため、ドライバ急操舵を行う直前でドライバが体感的に慣れていたギヤ比に変更されることで、ドライバにとって違和感の少ないギヤ比に変更することができる。
【0062】
(第3実施例)
第3実施例は、設定ギヤ比の変更タイミングを、操舵角が中立位置となるタイミングで行うようにした例である。なお、構成については、第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0063】
次に、作用を説明する。
【0064】
[ギヤ比設定及び転舵制御処理]
図6は第3実施例装置の舵角コントローラ10にて実行されるギヤ比設定及び転舵制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、ステップS300〜ステップS305は、第1実施例の図3の対応するステップと同様であるので説明を省略する。
【0065】
ステップS312では、ステップS304においてドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていると判定された場合、操舵角センサ3からその時の操舵角θを入力し、ステップS313へ移行する。
【0066】
ステップS313では、ステップS312において入力された操舵角θに基づいて、中立位置か、もしくは、中立位置を経験したか否かが判断され、YESの場合はステップS305へ移行し、NOの場合はステップS301へ移行する。
【0067】
ステップS314では、ステップS304においてドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていないと判定された場合、操舵角センサ3からその時の操舵角θを入力し、ステップS315へ移行する。
【0068】
ステップS315では、ステップS314において入力された操舵角θに基づいて、中立位置か、もしくは、中立位置を経験したか否かが判断され、YESの場合はステップS306へ移行し、NOの場合はステップS301へ移行する。
【0069】
[ギヤ比設定作用]
まず、ドライバが軌道修正操舵や障害物回避操舵等を行っていない通常操舵時で、操舵中立位置を経験している場合には、図6のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS314→ステップS315→ステップS306へと進む流れとなり、ステップS306では、ステップS302において車速Vと操舵角θに基づいて算出した基準ギヤ比(θ/δ)が設定ギヤ比θ/δとして適用される。
【0070】
次に、ドライバが通常操舵から車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵等を行った場合には、図6のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS312→ステップS313へと進み、急操舵判定直後で操舵中立位置になっていないと、ステップS313からステップS301へと戻る。そして、急操舵判定後で操舵中立位置になると、ステップS313からステップ305へと進む流れとなり、ステップS305において、低ゲインギヤ比[θ/δ](中立位置ギヤ比、あるいは、ステップS303において算出・保持したギヤ比)が設定ギヤ比θ/δとして適用される。
【0071】
さらに、ドライバの軌道修正操舵や障害物回避操舵等が終了した場合には、図6のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS314→ステップS315へと進み、急操舵判定終了直後で操舵中立位置となっていないと、ステップS315からステップS301へと戻る。そして、急操舵判定終了後で操舵中立位置になると、ステップS315からステップ306へと進む流れとなり、ステップS306において、ステップS302で算出される基準ギヤ比(θ/δ)に変更される。
【0072】
次に、効果を説明する。
この第3実施例の車両用操舵制御装置にあっては、第1実施例の(1)〜(9)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0073】
(13)設定ギヤ比変更部10dは、ドライバ急操舵判定部10cによりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、該判定がなされた後、最初に操舵角中立位置に到達した時点で設定ギヤ比θ/δを基準ギヤ比(θ/δ)から低ゲインギヤ比[θ/δ]に変更し、ドライバが比較的急峻な操舵を行っているとの判定が終了した場合、該終了判定がなされた後、最初に操舵角中立位置に到達した時点で設定ギヤ比θ/δを低ゲインギヤ比[θ/δ]から基準ギヤ比(θ/δ)に変更するため、操舵中立位置と車両の直進とがずれることなく、ギヤ比を変更することができる。すなわち、この第3実施例では、第1実施例や第2実施例のように、目標転舵角δ*の修正による中立位置調整を必要としない。
【0074】
以上、本発明の車両用操舵制御装置を第1実施例〜第3実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0075】
例えば、実施例では、ドライバ急操舵判定部において、車両の軌道修正操舵と障害物回避操舵を判定する例を示したが、ドライバが比較的急峻な操舵を行っているか否かを判定するものであれば、実施例にて記載した判定以外の判定による例としても良い。
【0076】
実施例では、低ゲインギヤ比として、中立位置ギヤ比と過去の安定走行時ギヤ比とを用いる例を示したが、予め決めた固定値による低ゲインギヤ比に変更するようにしても良いし、また、ドライバ急操舵判定部における急操舵の判定度合いに応じた可変値による低ゲインギヤ比に変更するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例装置の舵角制御系を示すブロック図である。
【図3】第1実施例装置の舵角コントローラにて実行されるギヤ比設定及び転舵制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第1実施例の車両用操舵制御装置における車速に対するギヤ比特性及び操舵角に対するギヤ比特性を示す図である。
【図5】第2実施例装置の舵角コントローラにて実行されるギヤ比設定及び転舵制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第3実施例装置の舵角コントローラにて実行されるギヤ比設定及び転舵制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 操舵反力アクチュエータ
3 トルクセンサ
4 操舵角センサ
5 操向輪
6 伝達部
7 ステアリングギア(転舵装置)
8 転舵アクチュエータ
9 転舵角センサ
10 舵角コントローラ(転舵制御手段)
10a 基準ギヤ比算出部
10b 低ゲインギヤ比算出・保持部
10c ドライバ急操舵判定部
10d 設定ギヤ比変更部
10e 操舵反力算出部
10f 目標転舵角算出部
11 車速センサ
12 ヨーレートセンサ

Claims (12)

  1. 操向輪の転舵装置に機械的に連結されていないステアリングホイールと、
    該ステアリングホイールに操舵反力を与える操舵反力アクチュエータと、
    前記転舵装置にその出力を加える転舵アクチュエータと、
    前記ステアリングホイールの操舵角と前記操向輪の転舵角との比であるギヤ比を設定するギヤ比設定手段と、
    少なくとも設定されたギヤ比に基づいて算出された目標転舵角となるように前記転舵アクチュエータを駆動する転舵制御手段と、
    を備えた車両用操舵制御装置において、
    前記ギヤ比設定手段は、車両の走行状態や操舵角に応じて最適な基準ギヤ比を算出する基準ギヤ比算出部と、基準ギヤ比よりも操舵入力に対し転舵出力が小さくなる低ゲインギヤ比を算出または保持する低ゲインギヤ比算出・保持部と、ドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っているか否かを判定するドライバ急操舵判定部と、該ドライバ急操舵判定部によりドライバが車両の軌道修正操舵や障害物回避操舵を行っていると判定された場合、設定ギヤ比を基準ギヤ比から低ゲインギヤ比へ変更する設定ギヤ比変更部と、を有することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記ステアリングホイールの操舵角を計測する操舵角センサを設け、
    前記ドライバ急操舵判定部は、前記ステアリングホイールの操舵角が周期的な動作を表し、その周期・振幅・継続時間が各々所定値以上で、かつ、車両が直進状態となる前記ステアリングホイールの中立位置を含むような場合には、ドライバが車両の軌道修正操舵を行っていると判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記ステアリングホイールの操舵角を計測する操舵角センサと、車速を計測する車速センサと、車両のヨーレートを計測するヨーレートセンサと、を設け、
    前記ドライバ急操舵判定部は、車速と操舵角と車両の運動モデルを用いて推定される推定ヨーレートと、計測された実ヨーレートとの差が所定値以上となった場合には、ドライバが車両の軌道修正操舵を行っていると判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項に記載の車両用操舵制御装置において、
    計測された操舵角に基づいて操舵角加速度を算出する操舵角加速度算出手段を設け、
    前記ドライバ急操舵判定部は、操舵角加速度が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項に記載の車両用操舵制御装置において、
    車速と操舵角と車両の運動モデルを用いて推定ヨー角加速度を算出する推定ヨー角加速度算出手段を設け、
    前記ドライバ急操舵判定部は、推定ヨー角加速度が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項に記載の車両用操舵制御装置において、
    ヨーレートセンサからのヨーレート計測値に基づいてヨー角加速度を算出するヨー角加速度算出手段を設け、
    前記ドライバ急操舵判定部は、ヨー角加速度算出値が所定値以上となった場合、ドライバが障害物回避操舵を行っていると判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項のうち何れか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記基準ギヤ比算出部は、操舵角が大きくなるほど前記基準ギヤ比を小さく算出し、
    前記設定ギヤ比変更部は、前記ドライバ急操舵判定部によりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、操舵角の中立位置におけるギヤ比に変更することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項のうち何れか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記設定ギヤ比変更部は、前記ドライバ急操舵判定部によりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、ドライバ急操舵判定時点から所定時間内の過去で、車速変化および操舵角変化が所定値以内となる状態において適用されていた低ゲインギヤ比に変更することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項のうち何れか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記設定ギヤ比変更部は、前記ドライバ急操舵判定部によりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定と同時に設定ギヤ比を基準ギヤ比から低ゲインギヤ比に変更し、ドライバの比較的急峻な操舵が終了したとの判定と同時にギヤ比をその時点での走行状態に応じた基準ギヤ比に変更することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  10. 請求項1ないし請求項のうち何れか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記転舵制御手段は、前記ドライバ急操舵判定部によりドライバの比較的急峻な操舵が終了したとの判定した場合、ギヤ比を基準ギヤ比に変更した後、変更後の基準ギヤ比においてステアリングホイールの中立位置が操向輪の直進位置と合うように目標転舵角を徐々に修正することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  11. 請求項1ないし請求項のうち何れか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記設定ギヤ比変更部は、前記ドライバ急操舵判定部によりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定した時点で設定ギヤ比を基準ギヤ比から低ゲインギヤ比に変更し、ドライバの比較的急峻な操舵が終了したとの判定時点でギヤ比をドライバ急操舵判定時における基準ギヤ比に戻すことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  12. 請求項1ないし請求項のうち何れか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記設定ギヤ比変更部は、前記ドライバ急操舵判定部によりドライバが比較的急峻な操舵を行っていると判定された場合、該判定がなされた後、最初に操舵角中立位置に到達した時点で設定ギヤ比を基準ギヤ比から低ゲインギヤ比に変更し、ドライバが比較的急峻な操舵を行っているとの判定が終了した場合、該終了判定がなされた後、最初に操舵角中立位置に到達した時点で設定ギヤ比を低ゲインギヤ比から基準ギヤ比に変更することを特徴とする車両用操舵制御装置。
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