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JP4193495B2 - 画像信号処理装置、画像信号処理方法およびそれを使用した画像表示装置、それに使用される係数種データ生成装置および生成方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体およびプログラム - Google Patents

画像信号処理装置、画像信号処理方法およびそれを使用した画像表示装置、それに使用される係数種データ生成装置および生成方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体およびプログラム Download PDF

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JP4193495B2
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靖 立平
伸幸 朝倉
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  • Signal Processing (AREA)
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  • Image Processing (AREA)

Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば第1の画像信号をこの第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる第2の画像信号に変換する際に使用して好適な画像信号処理装置、画像信号処理方法およびそれを使用した画像表示装置、それに使用される係数種データ生成装置および生成方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体およびプログラムに関する。
【0002】
詳しくは、第1の画像信号を第2の画像信号に変換する際に使用される推定式の係数データを複数に階層化された生成式を用いて生成することによって、1ステップ毎の演算処理を圧縮できると共に、ハードウェアの規模縮小および有効利用を図ることができる画像信号処理装置等に係るものである。
【0003】
フォーマットまたは画像サイズを変換するためには、入力画像信号の画素データとは異なった位相の画素データを求めて出力画像信号を得る必要がある。この場合、変換後のフォーマットまたは画像サイズによって、入力画像信号の画素に対する出力画像信号の画素の位相関係が一義的に決まる。
【0004】
フォーマット変換の例として、入力画像信号が525i信号であって出力画像信号が1080i信号である場合を説明する。525i信号は、ライン数が525本でインタレース方式の画像信号を意味し、1080i信号は、ライン数が1080本でインタレース方式の画像信号を意味する。図16は、525i信号と1080i信号の画素位置関係を示している。ここで、大きなドットが525i信号の画素であり、小さなドットが1080i信号の画素である。また、奇数フィールドの画素位置を実線で示し、偶数フィールドの画素位置を破線で示している。
【0005】
525i信号を1080i信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の各4×4の画素ブロックに対応して1080i信号の9×9の画素ブロックを得る必要がある。
【0006】
図17は、525i信号と1080i信号の画素の垂直方向の位相関係を示している。図中の1080i信号の画素(小さな丸)のそれぞれに付された数値は、525i信号の画素(大きな丸)からの垂直方向の最短距離を示している。この場合、525i信号の垂直方向の画素間隔は16とされている。図17では、1080i信号の画素のそれぞれに付された数値は、当該画素の525i信号の画素に対する垂直方向の位相情報を示すものとなる。
【0007】
なお、この位相情報は、1080i信号の画素が525i信号の画素(最短距離にある画素)より上方向にある場合は負の値とされ、また下方向にある場合は正の値とされる。これは、後述するXGA信号と525i信号の垂直方向の位相関係を示す図においても同様である。
【0008】
図18は、525i信号と1080i信号の画素の水平方向の位相関係を示している。図中の1080i信号の画素(小さな丸)のそれぞれに付された数値は、525i信号の画素(大きな丸)からの水平方向の最短距離を示している。この場合、525i信号の水平方向の画素間隔は8とされている。図18では、1080i信号の画素にそれぞれ付された数値は、当該画素の525i信号の画素に対する水平方向の位相情報を示すものとなる。
【0009】
なお、この位相情報は、1080i信号の画素が525i信号の画素(最短距離にある画素)より左方向にある場合は負の値とされ、また右方向にある場合は正の値とされる。これは、後述するXGA信号と525i信号の水平方向の位相関係を示す図においても同様である。
【0010】
次に、フォーマット変換の例として、入力画像信号が525i信号であって出力画像信号がXGA信号である場合を説明する。XGA信号は解像度1024×768ドットの表示を行うためのプログレッシブ方式(ノンインタレース方式)の画像信号である。図19は、525i信号とXGA信号の画素位置関係を示している。ここで、大きなドットが525i信号の画素であり、小さなドットがXGA信号の画素である。また、525i信号に関しては、奇数フィールドの画素位置を実線で示し、偶数フィールドの画素位置を破線で示している。
【0011】
525i信号をXGA信号に変換する場合、奇数、偶数のそれぞれのフィールドにおいて、525i信号の各5×5の画素ブロックに対応して1080i信号の8×16の画素ブロックを得る必要がある。
【0012】
図20は、525i信号とXGA信号の画素の垂直方向の位相関係を示している。図中のXGA信号の画素のそれぞれに付された数値は、525i信号の画素からの垂直方向の最短距離を示している。この場合、525i信号の垂直方向の画素間隔は16とされている。このようにXGA信号の画素のそれぞれに付された数値は、当該画素の525i信号の画素に対する垂直方向の位相情報を示すものとなる。
【0013】
図21は、525i信号とXGA信号の画素の水平方向の位相関係を示している。図中のXGA信号の画素のそれぞれに付された数値は、525i信号の画素からの水平方向の最短距離を示している。この場合、525i信号の水平方向の画素間隔は8とされている。このようにXGA信号の画素のそれぞれに付された数値は、当該画素の525i信号の画素に対する水平方向の位相情報を示すものとなる。
【0014】
画像サイズ変換の例は特に示さないが、上述したフォーマット変換の場合と同様に、入力画像信号の画素に対する出力画像信号の画素の位相関係が一意的に決まる。例えば、画像サイズ(表示画像の拡大倍率)を垂直、水平とも9/4倍にする場合の位相関係は上述した525i信号と1080i信号の画素の位相関係と同じくなる。
【0015】
従来、フォーマットまたは画像サイズを変換するために入力画像信号の画素データより出力画像信号の画素データを得る際に、入力画像信号の画素に対する出力画像信号の画素の各位相に対応した推定式の係数データをメモリに格納しておき、この係数データを用いて推定式によって出力画像信号の画素データを求めることが提案されている。
【0016】
上述したように、変換後のフォーマットまたは画像サイズが異なれば、入力画像信号の画素に対する出力画像信号の画素の位相関係は異なったものとなる。そのため、推定式の係数データをメモリに格納しておくものにあっては、種々のフォーマットまたは画像サイズへの変換を行う場合、それぞれのフォーマットまたは画像サイズに対応して係数データをメモリに格納しておく必要がある。さらに、それぞれのフォーマットまたは画像サイズへの変換を行う場合、画質を多段階に調整可能とする場合にはそれぞれの段階に対応して係数データをメモリに格納しておく必要がある。したがって、その場合には、大量の係数データを格納しておくメモリが必要となり、変換装置が高価なものとなる等の不都合がある。
【発明の開示】
【0017】
そこで、この発明の目的は、種々のフォーマットまたは画像サイズへの変換や画質の多段階の調整を行うために大量の係数データを格納しておくメモリを不要とすることにある。
【0018】
また、この発明の目的は、係数データを格納しておくメモリを不要とするために推定式によって係数データを生成する際に、1ステップ毎の演算処理を圧縮すると共に、ハードウェアの規模縮小および有効利用を図ることにある。
【0022】
また、この発明に係る画像信号処理装置は、複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する画像信号処理装置であって、記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段と、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データが記憶された第1のメモリ手段と、上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成し、該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを発生する係数データ発生手段と、上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第1のデータ選択手段と、上記係数データ発生手段で発生された上記第2係数データと上記第1のデータ選択手段で選択された上記複数の第1の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る演算手段とを備えものである。
【0023】
また、この発明に係る画像信号処理方法は、複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する画像信号処理方法であって、記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データと上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方とを演算して第1係数データを生成、当該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを生成し、生成された第2係数データを発生する第2のステップと、上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第3のステップと、上記第2のステップで発生された上記第2係数データと上記第3のステップで選択された上記複数の第1の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る第4のステップとを備えものである。
【0024】
また、この発明に係るプログラムは、上述の画像信号処理方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上述のプログラムを記録したものである。
【0025】
また、この発明に係る画像表示装置は、複数の画素データからなる第1の画像信号を入力する画像信号入力手段と、上記画像信号入力手段より入力された上記第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理手段と、上記画像信号処理手段より出力される上記第2の画像信号による画像を画像表示素子に表示する画像表示手段と、記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段とを有してなり、上記画像信号処理手段は、上記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データが記憶された第1のメモリ手段と、上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成し、該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを発生する係数データ発生手段と、上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択するデータ選択手段と、上記係数データ発生手段で発生された上記第2係数データと上記データ選択手段で選択された上記複数の第1の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る演算手段とを備えものである。
【0026】
この発明においては、第2の情報信号に係る複数のパラメータの値が設定される。ここで、情報信号は、例えば画像信号である。情報信号が画像信号である場合、複数のパラメータは、例えば第2の画像信号による画像の画質を決める第1のパラメータと、第2の画像信号における注目位置の位相情報を示す第2のパラメータとからなる。情報信号が画像信号である場合、変換後のフォーマットまたは画像サイズによって入力画像信号の画素に対する出力画像信号の画素の位相関係が一意的に決まる。また、第1の情報信号に基づいて、第2の情報信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の情報データが選択される。
【0027】
そして、複数のパラメータに対応して、その注目位置の情報データが求められる。すなわち、推定式の係数データを生成するための複数に階層化された生成式を構成する最下層の生成式の係数データが係数種データとしてメモリ手段に記憶されており、この係数種データと、設定された複数のパラメータの値とを用いて、設定された複数のパラメータの値に対応した推定式の係数データが発生され、この係数データと複数の第1の情報データとを用いて、推定式に基づいて注目位置の情報データが生成される。
【0028】
係数データ発生手段は、例えば、複数に階層化された生成式を構成する各階層の生成式の演算を行うための単一の積和器と、この積和器で第1の階層の生成式の演算を行って得られる当該第1の階層の上位にある第2の階層の生成式の係数データを第2の階層の生成式の演算のために記憶しておく第2のメモリ手段とを有する構成とされる。
【0029】
このように、第1の情報信号を第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを係数種データを用いて生成するものであり、設定された複数のパラメータに対応した係数データを容易に得ることができ、大量の係数データを格納しておくメモリが不要となる。また、推定式の係数データを複数に階層化された生成式を用いて生成するものであり、1ステップ毎の演算処理を圧縮できると共に、ハードウェアの規模縮小および有効利用を図ることが可能となる。また、複数に階層化された生成式を構成する各階層の生成式が、上位層ほど更新頻度の高いパラメータを含むようにすることで、含まれるパラメータの更新頻度が少ない下位層側の生成式の演算を少なく抑えることが可能となる。
【0030】
また、この発明に係る係数種データ生成装置は、複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する装置であって、上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段と、上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択するデータ選択手段と、上記データ選択手段で選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための正規方程式を生成する正規方程式生成手段と、上記正規方程式を解いて上記係数データを得る係数データ演算手段と、第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記係数データ演算手段で得られた係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る係数種データ演算手段とを備えものである。
【0031】
また、この発明に係る係数種データ生成方法は、複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する方法であって、上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための正規方程式を生成する第3のステップと、上記第3のステップで生成された上記正規方程式を解いて上記係数データを得る第4のステップと、第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第4のステップで得られた係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第5のステップとを備えものである。
【0032】
また、この発明に係るプログラムは、上述の係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な媒体は、上述のプログラムを記録したものである。
【0033】
この発明においては、例えば、教師信号として1050i信号が使用され、この1050i信号が間引き処理されて生徒信号として525i信号が得られる。そして、この生徒信号の状態は、設定された複数のパラメータに対応したものとされる。例えば、情報信号が画像信号である場合、複数のパラメータによって、生徒信号の位相シフトやその生徒信号による画像の画質が決められる。
【0034】
この複数のパラメータに対応した状態の生徒信号から教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の情報データが選択される。そして、この複数の情報データおよび教師信号における注目位置の情報データを用いて、未階層状態における生成式の係数データを得るための正規方程式が生成され、この方程式を解くことで未階層状態の生成式の係数データが得られる。そして、この未階層状態における生成式の係数データを用いて、複数に階層化された生成式を構成する最下層の生成式の係数データが係数種データとして得られる。
【0035】
ここで、係数種データは、第1の情報信号から第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成する、複数のパラメータを含む複数に階層化された生成式を構成する最下層の生成式の係数データである。この係数種データを使用することで、複数に階層化された生成式によって、複数のパラメータに対応した係数データを得ることが可能となる。これにより、フォーマットまたはサイズを変換する際、さらには第2の情報信号によって得られる出力の質を変える際に、第2の情報信号における注目位置の位相情報に基づいて係数種データより推定式の係数データを生成し、この係数データを使用してその注目位置の情報データを求めることが可能となる。
【0036】
また、この発明に係る係数種データ生成装置は、複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する装置であって、上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段と、上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択するデータ選択手段と、上記データ選択手段で選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記パラメータ設定手段で設定されるパラメータの値の組み合わせ毎に、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための第1の正規方程式を生成する第1の正規方程式生成手段と、上記第1の正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎に係数データを得る第1の係数データ演算手段と、上記第1の係数データ演算手段で得られた上記組み合わせ毎の係数データから、複数に階層化された生成式の未階層状態における生成式の係数データを得るための第2の正規方程式を生成する第2の正規方程式生成手段と、上記第2の正規方程式を解いて上記未階層状態における生成式の係数データを得る第2の係数データ演算手段と、第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第2の係数データ演算手段で得られた上記未階層状態における生成式の係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る係数種データ演算手段とを備えものである。
【0037】
また、この発明に係る係数種データ生成方法は、複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する方法であって、上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記第1のステップで設定されるパラメータの値の組み合わせ毎に、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための第1の正規方程式を生成する第3のステップと、上記第3のステップで生成された上記第1の正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎に係数データを得る第4のステップと、上記第4のステップで得られた上記組み合わせ毎の係数データから、複数に階層化された生成式の未階層状態における生成式の係数データを得るための第2の正規方程式を生成する第5のステップと、上記第5のステップで生成された上記第2の正規方程式を解いて、上記未階層状態における生成式の係数データを得る第6のステップと、第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第6のステップで得られた上記未階層状態における生成式の係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第7のステップとを備えものである。
【0038】
また、この発明に係るプログラムは、上述の係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのものである。また、この発明に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上述のプログラムを記録したものである。
【0039】
この発明においては、例えば、教師信号として1050i信号が使用され、この1050i信号が間引き処理されて生徒信号として525i信号が得られる。そして、この生徒信号の状態は、設定された複数のパラメータの値に対応したものとされる。例えば、情報信号が画像信号である場合、複数のパラメータの値によって、生徒信号の位相シフトやその生徒信号による画像の画質が決められる。
【0040】
この複数のパラメータに対応した状態の生徒信号から教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の情報データが選択される。そして、この複数の情報データおよび教師信号における注目位置の情報データを用いて、複数のパラメータの値の組み合わせ毎に、推定式の係数データを得るための第1の正規方程式が生成され、この方程式を解くことで、上記組み合わせ毎の推定式の係数データが得られる。
【0041】
そしてさらに、上記組み合わせ毎の係数データから、未階層状態における生成式の係数データを得るための第2の正規方程式が生成され、この方程式を解くことで未階層状態の生成式の係数データが得られる。そして、この未階層状態における生成式の係数データを用いて、複数に階層化された生成式を構成する最下層の生成式の係数データが係数種データとして得られる。
【0042】
ここで、係数種データは、第1の情報信号から第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを生成する、複数のパラメータを含む複数に階層化された生成式を構成する最下層の生成式の係数データである。この係数種データを使用することで、複数に階層化された生成式によって、複数のパラメータに対応した係数データを得ることが可能となる。これにより、フォーマットまたはサイズを変換する際、さらには第2の情報信号によって得られる出力の質を変える際に、第2の情報信号における注目位置の位相情報に基づいて係数種データより推定式の係数データを生成し、この係数データを使用してその注目位置の情報データを求めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としてのテレビ受信機100の構成を示している。このテレビ受信機100は、放送信号より525i信号を得、その525i信号を1080i信号またはXGA信号に変換して画像表示をしたり、あるいはその525i信号をその画像の一部を任意の倍率で拡大表示するための新たな525i信号に変換して画像表示をするものである。
【0044】
テレビ受信機100は、マイクロコンピュータを備え、システム全体の動作を制御するためのシステムコントローラ101と、リモートコントロール信号を受信するリモコン信号受信回路102とを有している。リモコン信号受信回路102は、システムコントローラ101に接続され、リモコン送信機200よりユーザの操作に応じて出力されるリモートコントロール信号RMを受信し、その信号RMに対応する操作信号をシステムコントローラ101に供給するように構成されている。
【0045】
また、テレビ受信機100は、受信アンテナ105と、この受信アンテナ105で捕らえられた放送信号(RF変調信号)が供給され、選局処理、中間周波増幅処理、検波処理等を行って525i信号を得るチューナ106と、このチューナ106より出力される525i信号を一時的に保存するためのバッファメモリ109とを有している。
【0046】
また、テレビ受信機100は、バッファメモリ109に一時的に保存される525i信号を入力画像信号Vinとし、1080i信号またはXGA信号に変換し、あるいはその525i信号をその画像の一部を任意の倍率で拡大表示するための新たな525i信号に変換して出力する画像信号処理部110と、この画像信号処理部110より出力される出力画像信号Voutによる画像を表示するディスプレイ部111とを有している。ディスプレイ部111は、例えばCRT(cathode-ray tube)ディスプレイ、あるいはLCD(liquid crystal display)等のフラットパネルディスプレイで構成されている。
【0047】
図1に示すテレビ受信機100の動作を説明する。
【0048】
チューナ106より出力される525i信号は、バッファメモリ109に供給されて一時的に保存される。そして、このバッファメモリ109に一時的に記憶された525i信号は入力画像信号Vinとして画像信号処理部110に入力される。
【0049】
この画像信号処理部110では、ユーザのリモコン送信機200の操作による設定に応じて、入力画像信号Vinとしての525i信号が、1080i信号またはXGA信号に変換され、あるいはその525i信号がその画像の一部を任意の倍率で拡大表示するための新たな525i信号に変換される。この画像信号処理部110より出力される出力画像信号Voutはディスプレイ部111に供給され、このディスプレイ部111の画面上にはその出力画像信号Voutによる画像が表示される。
【0050】
また、上述せずも、ユーザは、リモコン送信機200の操作によって、上述したようにディスプレイ部111の画面上に表示される画像の水平および垂直の解像度を連続的になめらかに調整できる。画像信号処理部110では、後述するように、出力画像信号Voutを構成する画素データが推定式によって算出される。その際、この推定式の係数データとして、ユーザのリモコン送信機200の操作によって設定された水平、垂直の解像度を決めるパラメータg,fの値に対応したものが、これらパラメータg,fを含む生成式によって生成されて使用される。これにより、画像信号処理部110より出力される出力画像信号Voutによる画像の水平、垂直の解像度は、設定されたパラメータg,fの値に対応したものとなる。
【0051】
次に、画像信号処理部110の詳細を説明する。この画像信号処理部110は、バッファメモリ109に記憶されている525i信号より、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素(注目位置の画素)の周辺に位置する複数の画素データを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路121〜123を有している。
【0052】
第1のタップ選択回路121は、予測に使用する画素(「予測タップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第2のタップ選択回路122は、空間クラス分類に使用する画素(「空間クラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第3のタップ選択回路123は、動きクラス分類に使用する画素(「動きクラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。なお、空間クラスを複数フィールドに属する画素データを使用して決定する場合には、この空間クラスにも動き情報が含まれることになる。
【0053】
また、画像信号処理部110は、第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(複数個)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路124を有している。
【0054】
空間クラス検出回路124では、例えば、空間クラスタップのデータを、8ビットデータから2ビットデータに圧縮するような演算が行われる。そして、空間クラス検出回路124からは、空間クラスタップのデータにそれぞれ対応した圧縮データが空間クラスのクラス情報として出力される。本実施の形態においては、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)によって、データ圧縮が行われる。なお、情報圧縮手段としては、ADRC以外にDPCM(予測符号化)、VQ(ベクトル量子化)等を用いてもよい。
【0055】
本来、ADRCは、VTR(Video Tape Recorder)向け高性能符号化用に開発された適応再量子化法であるが、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現できるので、上述したデータ圧縮に使用して好適なものである。ADRCを使用する場合、空間クラスタップのデータの最大値をMAX、その最小値をMIN、空間クラスタップのデータのダイナミックレンジをDR(=MAX−MIN+1)、再量子化ビット数をPとすると、空間クラスタップのデータkiに対して、(1)式の演算により、圧縮データとしての再量子化コードqiが得られる。ただし、(1)式において、[ ]は切り捨て処理を意味している。空間クラスタップのデータとして、Na個の画素データがあるとき、i=1〜Naである。
qi=[(ki−MIN+0.5)*2P/DR] ・・・(1)
【0056】
また、画像信号処理部110は、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(複数個)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報を出力する動きクラス検出回路125を有している。
【0057】
この動きクラス検出回路125では、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータからフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対してしきい値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。すなわち、動きクラス検出回路125では、(2)式によって、差分の絶対値の平均値AVが算出される。第3のタップ選択回路123で、例えばクラスタップのデータとして、6個の画素データm1〜m6とその1フレーム前の6個の画素データn1〜n6が取り出されるとき、(2)式におけるNbは6である。
【0058】
【数1】
Figure 0004193495
【0059】
そして、動きクラス検出回路125では、上述したように算出された平均値AVが1個または複数個のしきい値と比較されて動きクラスのクラス情報MVが得られる。例えば、3個のしきい値th1,th2,th3(th1<th2<th3)が用意され、4つの動きクラスを検出する場合、AV≦th1のときはMV=0、th1<AV≦th2のときはMV=1、th2<AV≦th3のときはMV=2、th3<AVのときはMV=3とされる。
【0060】
また、画像信号処理部110は、空間クラス検出回路124より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードqiと、動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、作成すべき出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素(注目位置の画素)が属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路126を有している。
【0061】
このクラス合成回路126では、(3)式によって、クラスコードCLの演算が行われる。なお、(3)式において、Naは空間クラスタップのデータの個数、PはADRCにおける再量子化ビット数を示している。
【0062】
【数2】
Figure 0004193495
【0063】
また、画像信号処理部110は、レジスタ130〜133を有している。後述する後処理回路129は、出力画像信号Voutとして、1080i信号を出力する場合と、XGA信号を出力する場合と、525i信号を出力する場合とで、その動作を切り換える必要がある。レジスタ130は、後処理回路129の動作を指定する動作指定情報を格納するものである。後処理回路129は、レジスタ130より供給される動作指定情報に従った動作をする。
【0064】
レジスタ131は、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップのタップ位置情報を格納するものである。第1のタップ選択回路121は、レジスタ131より供給されるタップ位置情報に従って予測タップを選択する。タップ位置情報は、例えば選択される可能性のある複数の画素に対して番号付けを行い、選択する画素の番号を指定するものである。以下のタップ位置情報においても同様である。
【0065】
レジスタ132は、第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップのタップ位置情報を格納するものである。第2のタップ選択回路122は、レジスタ132より供給されるタップ位置情報に従って空間クラスタップを選択する。
【0066】
ここで、レジスタ132には、動きが比較的小さい場合のタップ位置情報Aと、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報Bとが格納される。これらタップ位置情報A,Bのいずれを第2のタップ選択回路122に供給するかは、動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVによって選択される。
【0067】
すなわち、動きがないか、あるいは動きが小さいためにMV=0またはMV=1であるときは、タップ位置情報Aが第2のタップ選択回路122に供給され、この第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップは、複数フィールドに跨るものとされる。また、動きが比較的大きいためにMV=2またはMV=3であるときは、タップ位置情報Bが第2のタップ選択回路122に供給され、この第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップは、図示せずも、作成すべき画素と同一フィールド内の画素のみとされる。
【0068】
なお、上述したレジスタ131にも動きが比較的小さい場合のタップ位置情報と、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報が格納されるようにし、第1のタップ選択回路121に供給されるタップ位置情報が動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVによって選択されるようにしてもよい。
【0069】
レジスタ133は、第3のタップ選択回路123で選択される動きクラスタップのタップ位置情報を格納するものである。第3のタップ選択回路123は、レジスタ133より供給されるタップ位置情報に従って動きクラスタップを選択する。
【0070】
また、画像信号処理部110は、情報メモリバンク135を有している。この情報メモリバンク135には、レジスタ130に格納するための動作指定情報と、レジスタ131〜133に格納するためのタップ位置情報が予め蓄えられている。
【0071】
ここで、レジスタ130に格納するための動作指定情報として、情報メモリバンク135には、後処理回路129を1080i信号を出力するように動作させるための第1の動作指定情報と、後処理回路129をXGA信号を出力するように動作させるための第2の動作指定情報と、後処理回路129を525i信号を出力するように動作させるための第3の動作指定情報とが予め蓄えられている。
【0072】
ユーザはリモコン送信機200を操作することで、1080i信号を出力する第1の変換方法か、XGA信号を出力する第2の変換方法か、さらには525i信号を出力する第3の変換方法かを選択できる。なお、第3の変換方法を選択するとき、ユーザは、さらに表示画像の倍率(画像サイズ)を指定できる。情報メモリバンク135にはシステムコントローラ101よりその変換方法の選択情報が供給され、この情報メモリバンク135よりレジスタ130にはその選択情報に従って第1、第2または第3の動作指定情報がロードされる。
【0073】
また、情報メモリバンク135には、レジスタ131に格納するための予測タップのタップ位置情報として、第1の変換方法(1080i)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(XGA)に対応する第2のタップ位置情報と、第3の変換方法(525i)に対応する第3のタップ位置情報が予め蓄えられている。この情報メモリバンク135よりレジスタ131には、上述した変換方法の選択情報に従って第1、第2または第3のタップ位置情報がロードされる。
【0074】
なお、情報メモリバンク135に、第3の変換方法に対応する第3のタップ位置情報として、表示画像の倍率に対応したタップ位置情報を予め蓄えておき、第3の変換方法が選択された場合に、併せて指定された倍率に対応したタップ位置情報を情報メモリバンク135よりレジスタ131にロードするようにしてもよい。このことは、後述するレジスタ132,133へのタップ情報のロードにおいても同様である。
【0075】
また、情報メモリバンク135には、レジスタ132に格納するための空間クラスタップのタップ位置情報として、第1の変換方法(1080i)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(XGA)に対応する第2のタップ位置情報と、第3の変換方法(525i)に対応する第3のタップ位置情報とが予め蓄えられている。第1、第2および第3のタップ位置情報は、それぞれ動きが比較的小さい場合のタップ位置情報と、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報とからなっている。この情報メモリバンク135よりレジスタ132には、上述した変換方法の選択情報に従って第1、第2または第3のタップ位置情報がロードされる。
【0076】
また、情報メモリバンク135には、レジスタ133に格納するための動きクラスタップのタップ位置情報として、第1の変換方法(1080i)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(XGA)に対応する第2のタップ位置情報と、第3の変換方法(525i)に対応する第3のタップ位置情報とが予め蓄えられている。この情報メモリバンク135よりレジスタ133には、上述した変換方法の選択情報に従って第1、第2または第3のタップ位置情報がロードされる。
【0077】
また、画像信号処理部110は、ROMで構成される下位係数記憶部136を有している。この下位係数記憶部136には、各クラスの係数種データが予め蓄えられている。この下位係数記憶部136には、システムコントローラ101より読み出し制御信号RCSが供給される。この係数種データは、後述する推定予測演算回路127で使用される推定式の係数データを生成するための、上位層および下位層に2層化された生成式のうち、下位層の生成式の係数データである。
【0078】
後述する推定予測演算回路127では、予測タップのデータxiと、生成式によって生成される係数データWiとから、(4)式の推定式によって、作成すべき画素データyが演算される。第1のタップ選択回路121で選択される予測タップが10個であるとき、(4)式におけるnは10となる。
【0079】
【数3】
Figure 0004193495
【0080】
そして、この推定式の係数データWi(i=1〜n)は、例えば(5)式で示されるように、水平解像度g、垂直解像度f、水平位相h、垂直位相vをパラメータとする生成式(未階層状態)で表される。この発明では、この(5)式の関係を更に2層化して得られた(6)式で示す上位層の生成式および(7)式で示す下位層の生成式によって、係数データWi(i=1〜n)が生成される。下位係数記憶部136には、下位層の生成式の係数データである係数種データbij0〜bij8(i=1〜n、j=0〜8)が、クラス毎に、記憶されている。この係数種データの生成方法については後述する。
【0081】
なお、(6)式で示す上位層の生成式にはパラメータh,vが含まれ、(7)式で示す下位層の生成式にはパラメータg,fが含まれている。この場合、パラメータh,vは、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素の水平方向、垂直方向の位相情報であり、後述するように垂直有効走査期間で頻繁に更新されるが、解像度情報としてのパラメータg,fはそのように頻繁には更新されない。
【0082】
このように頻繁に更新されないパラメータで下位層の生成式を構成する。また、同一の生成式中のパラメータは、同じタイミングで更新されるパラメータとする方が望ましい。
【0083】
【数4】
Figure 0004193495
【0084】
また、画像信号処理部110は、各クラスの係数種データbij0〜bij8およびパラメータg,fの値とを用い、(7)式によって、クラス毎に、(6)式に示す上位層の生成式の係数データai0〜ai8(i=1〜n)を生成すると共に、クラス合成回路126で得られるクラスコードCLに対応したクラスの係数データai0〜ai8およびパラメータh,vの値とを用い、(6)式によって、当該クラスにおける推定式の係数データWi(i=1〜n)を生成する適応型積和器137を有している。この適応型積和器137で生成された係数データWiは後述する推定予測演算回路127に供給される。
【0085】
この適応型積和器137には、システムコントローラ101よりパラメータg,fの値が供給されると共に、後述する位相情報発生回路139よりパラメータh,vの値が供給される。また、この適応型積和器137には、システムコントローラ101より積和構造情報INFが供給され、(7)式の演算を行うときにはその演算を行うための積和構造となり、また(6)式の演算を行うときにはその演算を行うための積和構造となる。本実施の形態においては、(6)式と(7)式は同じ形をしているので、適応型積和器137は(7)式の演算を行う場合と(6)式の演算を行う場合とで同一の積和構造となる。
【0086】
ここで、適応型積和器137で、上述したように(7)式によってクラス毎に生成される、(6)式に示す上位層の生成式の係数データai0〜ai8(i=1〜n)は、RAMで構成される上位係数記憶部138に記憶され、(6)式の演算に備えられる。この上位係数記憶部138には、システムコントローラ101より書き込み/読み出し制御信号W/RCSが供給される。本実施の形態においては、(7)式の演算は出力画像信号Voutの垂直ブランキング期間で行われ、(6)式の演算はその垂直有効走査期間で行われる。
【0087】
また、画像信号処理部110は、システムコントローラ101より供給される、変換方法の選択情報および倍率の指定情報に対応した入力画像信号Vinと出力画像信号Voutにおける垂直方向、水平方向の各フィールドにおける画素数の対応関係情報n/mに基づいて、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素の水平方向、垂直方向の位相情報h,vを発生させる位相情報発生回路139を有している。この位相情報発生回路139は例えばROMテーブルで構成される。
【0088】
この位相情報発生回路139で発生される各画素の水平方向、垂直方向の位相情報h,vは、それぞれ画素番号(タップ番号)と関連付けられて、適応型積和器137に供給される。なお、位相情報発生回路139からは、入力画像信号Vinの奇数、偶数のフィールドのそれぞれに対応して位相情報h,vが発生される。
【0089】
例えば、第1の変換方法(1080i)が選択される場合、垂直方向に関してn/m=9/4であり、水平方向に関してn/mは9/4である(図16参照)。そのため、入力画像信号Vinとしての525i信号の4×4の画素ブロックに対して出力画像信号Voutとしての1080i信号の9×9の画素ブロックが対応したものとなる。この場合、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロックは9×9の画素ブロックということになる。
【0090】
この場合、位相情報発生回路139では、この9×9の単位画素ブロック内の各画素について、上述した525i信号の4×4の画素ブロック内の画素のうち、垂直方向に最も近い位置にある画素(最短画素)までの距離を求めて位相情報vとすると共に、水平方向に最も近い位置にある画素(最短画素)までの距離を求めて位相情報hとする。本実施の形態においては、525i信号の垂直方向の画素間隔が16、水平方向の画素間隔が8とされて、上述の位相情報h,vが求められる。これは、第2、第3の変換方法が選択される場合も同様である。
【0091】
ここで、位相情報vに関しては、9×9の単位画素ブロック内の対象画素が最短画素より上方に位置するときは負の値とされ、逆にその対象画素が上述の最短画素より下方に位置するときは正の値とされる。また、位相情報hに関しては、その対象画素が最短画素より左方に位置するときは負の値とされ、逆にその対象画素が最短画素より右方に位置するときは正の値とされる。これは、第2、第3の変換方法が選択される場合も同様である。
【0092】
このように、第1の変換方法(1080i)が選択される場合、位相情報発生回路139では、奇数、偶数のフィールドのそれぞれに対応して、9×9の単位画素ブロックを構成する81個の画素のそれぞれについての位相情報h,vが発生される。
【0093】
また例えば、第2の変換方法(XGA)が選択される場合、垂直方向に関してn/m=16/5であり、水平方向に関してn/mは8/5である(図19参照)。そのため、入力画像信号Vinとしての525i信号の5×5の画素ブロックに対して出力画像信号VoutとしてのXGA信号の8×16の画素ブロックが対応したものとなる。この場合、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロックは8×16の画素ブロックということになる。
【0094】
この場合、位相情報発生回路139では、この8×16の単位画素ブロック内の各画素について、上述した525i信号の5×5の画素ブロック内の画素のうち、垂直方向に最も近い位置にある画素(最短画素)までの距離を求めて位相情報vとすると共に、水平方向に最も近い位置にある画素(最短画素)までの距離を求めて位相情報hとする。
【0095】
このように、第2の変換方法(XGA)が選択される場合、位相情報発生回路139では、奇数、偶数のフィールドのそれぞれに対応して、8×16の単位画素ブロックを構成する128個の画素のそれぞれついての位相情報h,vが発生される。
【0096】
また例えば、第3の変換方法(525i)が選択される場合、指定された表示画像の倍率(画像サイズ)に応じて垂直方向および水平方向に関するn/mが一意的に決まる。垂直方向に関してn/m=nv/mv、水平方向に関してn/m=nh/mhであるとすると、入力画像信号Vinとしての525i信号のmh×mvの画素ブロックに対して出力画像信号Voutとしての525i信号のnh×nvの画素ブロックが対応したものとなる。この場合、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロックはnh×nvの画素ブロックということになる。
【0097】
この場合、位相情報発生回路139では、このnh×nvの単位画素ブロック内の各画素について、上述した入力画像信号Vinとしての525i信号のmh×mvの画素ブロック内の画素のうち、垂直方向に最も近い位置にある画素(最短画素)までの距離を求めて位相情報vとすると共に、水平方向に最も近い位置にある画素(最短画素)までの距離を求めて位相情報hとする。
【0098】
このように、第3の変換方法(525i)が選択される場合、位相情報発生回路139では、奇数、偶数のフィールドのそれぞれに対応して、nh×nvの単位画素ブロックを構成する各画素についての位相情報h,vが発生される。
【0099】
また、画像信号処理部110は、適応型積和器137で生成される各位相情報h,vの係数データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sを、(8)式によって演算する正規化係数生成回路140を有している。ここで生成された正規化係数Sは、後述する正規化演算回路128に供給されることとなる。
【0100】
【数5】
Figure 0004193495
【0101】
また、画像信号処理部110は、第1のタップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのデータxiと、適応型積和器137で生成される係数データWiとから、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素のデータを演算する推定予測演算回路127を有している。
【0102】
この推定予測演算回路127では、出力画像信号Voutを構成する画素データが単位画素ブロック毎に生成される。すなわち、この推定予測演算回路127には、第1のタップ選択回路121より単位画素ブロック内の各画素(注目位置の画素)に対応した予測タップのデータxiと、適応型積和器137よりその単位画素ブロックを構成する各画素に対応した係数データWiとが供給され、単位画素ブロックを構成する各画素のデータは、それぞれ個別に上述した(4)式の推定式で演算される。
【0103】
例えば、推定予測演算回路127では、第1の変換方法(1080i)が選択されている場合には、単位画素ブロックを構成する81個の画素のデータが順次繰り返し生成され、第2の変換方法(XGA)が選択されている場合には、単位画素ブロックを構成する128個の画素のデータが順次繰り返し生成され、さらに第3の変換方法(525i)が選択されている場合には、単位画素ブロックを構成する(nh×nv)個(nh,nvは、表示画像の指定倍率によって変化する)の画素データが順次繰り返し生成される。
【0104】
また、画像信号処理部110は、推定予測演算回路127より順次出力される出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素のデータy1〜yP(Pは単位ブロックを構成する画素の個数)を、正規化係数演算部140で演算され、それぞれの生成に使用された係数データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sで除算して正規化する正規化演算回路128を有している。上述せずも、適応型積和器137で推定式の係数データWiを演算して出力する際に丸め処理を行っている。したがって、係数データWiは丸め誤差を含むため、この係数データWi(i=1〜n)の総和が1.0になることは保証されない。そのため、推定予測演算回路127で演算される各画素のデータy1〜yPは、丸め誤差によってレベル変動したものとなる。上述したように、正規化演算回路128で正規化することで、その変動を除去できる。
【0105】
また、画像信号処理部110は、正規化演算回路128で正規化されて順次供給される単位画素ブロック内の画素のデータy1′〜yP′を、第1〜第3の変換方法によって特定されるフォーマットで出力して、出力画像信号Voutを得る後処理回路129を有している。すなわち、この後処理回路129からは、第1の変換方法が選択されている場合には1080i信号が出力され、第2の変換方法が選択されている場合にはXGA信号が出力され、さらに第3の変換方法が選択されている場合には525i信号が出力される。この後処理回路129の動作指定情報は、上述したようにレジスタ130より供給される。
【0106】
次に、画像信号処理部110の動作を説明する。
【0107】
バッファメモリ109に記憶されている入力画像信号Vinとしての525i信号より、第2のタップ選択回路122で、作成すべき出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素(注目位置の画素)の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第2のタップ選択回路122では、レジスタ132より供給される、ユーザによって選択された変換方法、および動きクラス検出回路125で検出される動きクラスに対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0108】
この第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータは空間クラス検出回路124に供給される。この空間クラス検出回路124では、空間クラスタップのデータとしての各画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0109】
また、バッファメモリ109に記憶されている入力画像信号Vinとしての525i信号より、第3のタップ選択回路123で、作成すべき出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素(注目位置の画素)の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第3のタップ選択回路123では、レジスタ133より供給される、ユーザによって選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0110】
この第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータは動きクラス検出回路125に供給される。この動きクラス検出回路125では、動きクラスタップのデータとしての各画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0111】
この動き情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路126に供給される。このクラス合成回路126では、これら動き情報MVと再量子化コードqiとから、作成すべき出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック毎にその単位画素ブロック内の各画素(注目位置の画素)が属するクラスを示すクラスコードCLが順次得られる((3)式参照)。
【0112】
出力画像信号Voutの垂直ブランキング期間において、適応型積和器137では、下位係数記憶部136より読み出された各クラスの係数種データbij0〜bij8と、システムコントローラ101より供給された解像度情報としてのパラメータg,fの値とを用い、(7)式によって、クラス毎に、(6)式に示す上位層の生成式の係数データai0〜ai8(i=1〜n)が生成される。そして、このように適応型積和器137でクラス毎に生成される、(6)式に示す上位層の生成式の係数データai0〜ai8(i=1〜n)は、上位係数記憶部138に記憶され、垂直有効走査期間で行われる(6)式の演算に備えられる。
【0113】
そして、出力画像信号Voutの垂直有効走査期間において、上述したようにクラス合成回路126で順次得られるクラスコードCLは、上位係数記憶部138に読み出しアドレス情報として供給される。適応型積和器137では、この上位係数記憶部138より読み出された、クラスコードCLに対応したクラスの係数データai0〜ai8と、位相情報発生回路139で発生される出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素の水平方向、垂直方向の位相情報としてのパラメータh,vの値とを用い、(6)式によって、各画素の位相情報h,vに対応した推定式の係数データWi(i=1〜n)が順次生成される。
【0114】
このように適応型積和器137で生成された、位相情報発生回路139で発生された出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素の位相情報h,vに対応した係数データWi(i=1〜n)は、推定予測演算回路127に供給される。また、正規化係数演算部140では、上述したように適応型積和器137で順次生成された各画素の位相情報h,vに対応した係数データWi(i=1〜n)より正規化係数Sが演算される。このように正規化係数演算部140で演算された正規化係数Sは正規化演算回路128に供給される。
【0115】
また、バッファメモリ109に記憶されている入力画像信号Vinとしての525i信号より、第1のタップ選択回路121で、作成すべき出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素(注目位置の画素)の周辺に位置する予測タップのデータ(画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第1のタップ選択回路121では、レジスタ131より供給される、ユーザによって選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。この第1のタップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのデータxiは推定予測演算回路127に供給される。
【0116】
推定予測演算回路127では、予測タップのデータxiと、適応型積和器137で生成された各位相情報h,vにおける係数データWiとから、作成すべき出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素のデータy1〜yPが順次繰り返し演算される((4)式参照)。そして、この推定予測演算回路127より順次出力される出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素のデータy1〜yPは正規化演算回路128に供給される。
【0117】
この正規化演算回路128には、上述したように正規化係数演算部140で演算された正規化係数S、つまり推定予測演算回路127より出力されるデータy1〜yPの演算に使用された係数データWiに対応した正規化係数Sが供給される。正規化演算回路128では、推定予測演算回路127より出力されるデータy1〜yPがそれぞれ対応する正規化係数Sで除算されて正規化される。これにより、係数種データを用いて生成式((7)式、(6)式参照)で推定式((4)式参照)の係数データWiを求める際の丸め誤差によるデータy1〜yPのレベル変動が除去される。
【0118】
このように正規化演算回路128で正規化されて順次出力される単位画素ブロック内の各画素のデータy1′〜yP′は後処理回路129に供給される。この後処理回路129では、データy1′〜yP′が第1〜第3の変換方法によって特定されるフォーマットで出力され、出力画像信号Voutとして、第1の変換方法が選択されている場合には1080i信号が出力され、第2の変換方法が選択されている場合にはXGA信号が出力され、さらに第3の変換方法が選択されている場合には525i信号が出力される。
【0119】
図2は、上述した画像信号処理部110における各部の演算タイミングを示している。
【0120】
すなわち、出力画像信号Voutの垂直ブランキング期間では、適応型積和器137で、下位係数記憶部136より読み出される各クラスの係数種データbij0〜bij8と、システムコントローラ101(図1参照)から供給される解像度情報としてのパラメータg,fの値とを用いて、下位層の生成式((7)式)の演算が行われ、クラス毎に、上位層の生成式((6)式)の係数データai0〜ai8が生成され、このクラス毎の係数データai0〜ai8は上位係数記憶部138に記憶される。
【0121】
また、出力画像信号Voutの垂直有効走査期間では、適応型積和演算器13で、上位係数記憶部138より読み出される、クラスコードCLに対応したクラスの係数データai0〜ai8と、位相情報発生回路139で発生される出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素の位相情報としてのパラメータh,vの値とを用い、上位層の生成式((6)式)の演算が行われ、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素にそれぞれ対応した推定式の係数データWiが生成される。
【0122】
そして、この出力画像信号Voutの垂直有効走査期間では、推定予測演算回路127で、上述したように適応型積和器137で順次生成される係数データWiを用いて、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素のデータy1〜yPが演算され、さらに正規化演算回路128で、正規化係数Sを用いて、各画素のデータy1〜yPの正規化が行われて、正規化された各画素のデータy1′〜yP′が得られる。
【0123】
上述したように、適応型積和器137では、下位係数記憶部136より読み出される各クラスの係数種データbij0〜bij8と、システムコントローラ101より供給される解像度情報としてのパラメータg,fの値と、位相情報発生回路139で発生される位相情報としてのパラメータh,vの値とを用い、クラス合成回路126で得られるクラスコードCLに対応したクラスに対応し、かつパラメータg,f,h,vの値に対応した推定式の係数データWiが生成され、推定予測演算回路127ではこの係数データWiを用いて出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素のデータy1〜yPが演算される。
【0124】
したがって、1080i信号やXGA信号へのフォーマット変換、さらには種々の画像サイズへの変換を行う場合、さらには出力画像信号Voutによる画像の解像度を多段階に調整可能とする場合に、大量の係数データを格納しておくメモリを不要とできる。
【0125】
また、適応型積和器137では、垂直ブランキング期間で、各クラスの係数種データbij0〜bij8とパラメータg,fの値とを用い、下位層の生成式((7)式)によって、クラス毎に、上位層の生成式((6)式)の係数データai0〜ai8を生成し、その後の垂直有効走査期間で、上位係数記憶部138より読み出されるクラスコードCLに対応したクラスの係数データai0〜ai8とパラメータh,vの値とを用い、上位層の生成式によって、当該クラスに対応し、かつパラメータg,f,h,vの値に対応した推定式の係数データWiを生成するものである。
【0126】
したがって、適応型積和器137における各ステップの演算は、(5)式ではなく、(7)式または(6)式の演算であり、1ステップ毎の演算処理を圧縮でき、ハードウェアの規模縮小を図ることができる。また、(7)式および(6)式の双方の演算を適応型積和器137で時分割的に行うものであり、ハードウェアの有効利用を図ることができる。
【0127】
また、上位層の生成式((6)式)にはパラメータh,vが含まれ、下位層の生成式((7)式)には、パラメータg,fが含まれるようにしたので、下位層の生成式((7)式)演算は垂直ブランキング期間で、上位層の生成式((6)式)の係数データai0〜ai8を生成する際に行うだけで済み、下位層の生成式の演算を少なく抑えることができる。
【0128】
上述したように、下位係数記憶部136には、下位層の生成式((7)式)の係数データである係数種データが、クラス毎に、記憶されている。この係数種データは、予め学習によって生成されたものである。
【0129】
この係数種データの生成方法の一例について説明する。この例は、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80(i=1〜n)を求め、さらにこの係数データwi,0〜wi,80を用いて、下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8(i=1〜n、j=0〜8)を求めるものである。
【0130】
まず、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80を求める。ここで、以下の説明のため、g0000,g0001,g0002,・・・,g2221,g2222を、それぞれt0,t1,t2,・・・,t79,t80と定義する。これにより、(5)式は、(9)式のように書き換えられる。
【0131】
【数6】
Figure 0004193495
【0132】
最終的に、学習によって未定係数wi,jを求める。すなわち、クラス毎に、生徒信号の画素データと教師信号の画素データとを用いて、二乗誤差を最小にする係数値を決定する。いわゆる最小二乗法による解法である。学習数をm、k(1≦k≦m)番目の学習データにおける残差をek、二乗誤差の総和をEとすると、(4)式および(5)式を用いて、Eは(10)式で表される。ここで、xikは生徒画像のi番目の予測タップ位置におけるk番目の画素データ、ykはそれに対応する教師画像のk番目の画素データを表している。
【0133】
【数7】
Figure 0004193495
【0134】
最小二乗法による解法では、(10)式のwi,jによる偏微分が0になるようなwi,jを求める。これは、(11)式で示される。
【0135】
【数8】
Figure 0004193495
【0136】
以下、(12)式、(13)式のように、Xi,p,j,q、Yi,pを定義すると、(11)式は、行列を用いて(14)式のように書き換えられる。
【0137】
【数9】
Figure 0004193495
【0138】
【数10】
Figure 0004193495
【0139】
この方程式は一般に正規方程式と呼ばれている。この正規方程式は、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)等を用いて、wi,jについて解かれ、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80(i=1〜n)が算出される。
【0140】
図3は、係数データwi,0〜wi,80の生成方法の概念を示している。
【0141】
教師信号としてのHD信号(1050i信号)から生徒信号としてのSD信号(525i信号)を生成する。図4は、525i信号と1050i信号の画素位置関係を示している。ここで、大きなドットが525i信号の画素であり、小さなドットが1050i信号の画素である。また、奇数フィールドの画素位置を実線で示し、偶数フィールドの画素位置を破線で示している。
【0142】
この場合、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータg,fをそれぞれ9段階に可変して、合計81種類のSD信号を生成する。また、上述したように生成される81種類のSD信号のそれぞれに対して、その位相を垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトさせ、合計81×32種類のSD信号を生成する。
【0143】
図5は、垂直方向への8段階の位相シフト状態V1〜V8を示している。ここでは、SD信号の垂直方向の画素間隔は16であり、下方向が正の方向とされている。また、「o」は奇数フィールドを、「e」は偶数フィールドを表している。
【0144】
V1の状態はSD信号のシフト量が0とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、4,0,−4,−8の位相を持つようになる。V2の状態はSD信号のシフト量が1とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、7,3,−1,−5の位相を持つようになる。V3の状態はSD信号のシフト量が2とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、6,2,−2,−6の位相を持つようになる。V4の状態はSD信号のシフト量が3とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、5,1,−3,−7の位相を持つようになる。
【0145】
V5の状態はSD信号のシフト量が4とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、4,0,−4,−8の位相を持つようになる。V6の状態はSD信号のシフト量が5とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、7,3,−1,−5の位相を持つようになる。V7の状態はSD信号のシフト量が6とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、6,2,−2,−6の位相を持つようになる。V8の状態はSD信号のシフト量が7とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、5,1,−3,−7の位相を持つようになる。
【0146】
図6は、水平方向への4段階の位相シフト状態H1〜H4を示している。ここでは、SD信号の水平方向の画素間隔は8であり、右方向が正の方向とされている。
【0147】
H1の状態はSD信号のシフト量が0とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、0,−4の位相を持つようになる。H2の状態はSD信号のシフト量が1とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、3,−1の位相を持つようになる。H3の状態はSD信号のシフト量が2とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、2,−2の位相を持つようになる。さらに、H4の状態はSD信号のシフト量が3とされたものであり、この場合、HD信号の画素は、SD信号の画素に対して、1,−3の位相を持つようになる。
【0148】
図7は、上述したように垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトさせて得られた32種類のSD信号に関し、SD信号の画素を中心にした場合のHD信号の画素の位相を示している。すなわち、SD信号の画素に対して、HD信号の画素は、図中の●で示す位相(h=−4、v=−8〜h=3、v=7)を持つようになる。
【0149】
図3に戻って、上述したようにSD信号を得る際のパラメータg,fをそれぞれ9段階に可変すると共に、そのSD信号を垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトさせて得られた、合計81×32種類のSD信号とHD信号との間で学習を行って係数データwi,0〜wi,80を生成する。
【0150】
図8は、上述した概念で係数データwi,0〜wi,80を生成し、その係数データwi,0〜wi,80より下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8を係数種データとして得る係数種データ生成装置150の構成を示している。
【0151】
この係数種データ生成装置150は、教師信号としてのHD信号(1050i信号)が入力される入力端子151と、このHD信号に対して水平および垂直の間引き処理を行って、生徒信号としてのSD信号を得るSD信号生成回路152Aを有している。このSD信号生成回路152Aには、パラメータg,fが制御信号として供給される。このパラメータg,fの値に対応して、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの水平帯域と垂直帯域とがそれぞれ9段階に可変される。ここで、フィルタの詳細について、いくつかの例を示す。
【0152】
例えば、フィルタを、水平帯域を制限する帯域フィルタと垂直帯域を制限する帯域フィルタとから構成することが考えられる。この場合、図9に示すように、パラメータgまたはfの段階的な値に対応した周波数特性を設計し、逆フーリエ変換をすることにより、パラメータgまたはfの段階的な値に対応した周波数特性を持つ1次元フィルタを得ることができる。
【0153】
また例えば、フィルタを、水平帯域を制限する1次元ガウシアンフィルタと垂直帯域を制限する1次元ガウシアンフィルタとから構成することが考えられる。この1次元ガウシアンフィルタは(15)式で示される。この場合、パラメータgまたはfの段階的な値に対応して標準偏差σの値を段階的に変えることにより、パラメータgまたはfの段階的な値に対応した周波数特性を持つ1次元ガウシアンフィルタを得ることができる。
【0154】
【数11】
Figure 0004193495
【0155】
また例えば、フィルタを、パラメータg,fの両方で水平および垂直の周波数特性が決まる2次元フィルタF(g,f)で構成することが考えられる。この2次元フィルタの生成方法は、上述した1次元フィルタと同様に、パラメータg,fの段階的な値に対応した2次元周波数特性を設計し、2次元の逆フーリエ変換をすることにより、パラメータg,fの段階的な値に対応した2次元周波数特性を持つ2次元フィルタを得ることができる。
【0156】
また、図8に戻って、係数種データ生成装置150は、SD信号生成回路152Aで得られたSD信号の位相をシフトする位相シフト回路152Bを有している。位相シフト回路152Bには垂直方向および水平方向への位相シフト値を指定するパラメータH,Vが入力され、この位相シフト回路152Bでは入力されるSD信号の位相が垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトされる。
【0157】
この位相シフト回路152Bは、例えばsinx/xの特性のフィルタで構成されるが、その他の位相シフトが可能な別のフィルタを用いてもよい。他のフィルタ例として、オーバーサンプリングフィルタから欲しい位相だけ抜き出す方法等が挙げられる。
【0158】
上述したようにSD信号生成回路152AではHD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの水平帯域と垂直帯域とがそれぞれ9段階に可変され、また位相シフト回路152BではSD信号生成回路152Aで生成されるSD信号の位相が垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトされることから、結果として位相シフト回路152Bからは、81×32種類のSD信号が得られることとなる。
【0159】
また、係数種データ生成装置150は位相シフト回路152Bより出力されるSD信号より、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路153〜155を有している。
【0160】
これら第1〜第3のタップ選択回路153〜155は、上述した画像信号処理部110の第1〜第3のタップ選択回路121〜123と同様に構成される。これら第1〜第3のタップ選択回路153〜155で選択されるタップは、タップ選択制御回路156からのタップ位置情報によって指定される。また、タップ選択制御回路156には後述する動きクラス検出回路158より出力される動きクラスのクラス情報MVが供給される。これにより、第2のタップ選択回路154に供給されるタップ位置情報動きが大きいか小さいかによって異なるようにされる。
【0161】
また、係数種データ生成装置150は、第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路157を有している。この空間クラス検出回路157は、上述した画像信号処理部110の空間クラス検出回路124と同様に構成される。この空間クラス検出回路157からは、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データ毎の再量子化コードqiが空間クラスを示すクラス情報として出力される。
【0162】
また、係数種データ生成装置150は、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報MVを出力する動きクラス検出回路158を有している。この動きクラス検出回路158は、上述した画像信号処理部110の動きクラス検出回路125と同様に構成される。この動きクラス検出回路158では、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)からフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対してしきい値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。
【0163】
また、係数種データ生成装置150は、空間クラス検出回路157より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードqiと、動きクラス検出回路158より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、HD信号(1050i信号)における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路159を有している。このクラス合成回路159も、上述した画像信号処理部110のクラス合成回路126と同様に構成される。
【0164】
また、係数種データ生成装置150は、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLと、フィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータg,fと、垂直方向および水平方向への位相シフト値のパラメータH,Vとから、各クラス毎に、係数データwi,0〜wi,80を得るための正規方程式((14)式参照)を生成する正規方程式生成部160を有している。
【0165】
この場合、1個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップ画素データとの組み合わせで学習データが生成される。その際、SD信号生成回路152Aへのパラメータg,fおよび位相シフト回路152BへのパラメータH,Vが順次変更されていき、水平および垂直の帯域、並びに水平および垂直の位相シフト値が段階的に変化した81×32種類のSD信号が生成されていく。これにより、正規方程式生成部160では、パラメータg,f,h,vの値の各組み合わせに対してそれぞれ多くの学習データが登録された正規方程式が生成される。このように複数種類のSD信号を順次生成して学習データを登録することで、多段階の解像度および任意位相の画素データを得るための係数データwi,0〜wi,80を求めることが可能となる。
【0166】
なお、図示せずも、第1のタップ選択回路153の前段に時間合わせ用の遅延回路を配置することで、この第1のタップ選択回路153から正規方程式生成部160に供給されるSD画素データxiのタイミング合わせを行うことができる。
【0167】
また、係数種データ生成装置150は、正規方程式生成部160でクラス毎に生成された正規方程式のデータが供給され、クラス毎に正規方程式を解いて、各クラスの係数データwi,0〜wi,80を求める係数データ決定部161と、この求められた未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80より、クラス毎に、下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8を求める係数演算部162と、この各クラスの係数データbij0〜bij8を係数種データとして記憶する係数種メモリ163とを有している。係数データ決定部161では、正規方程式が例えば掃き出し法などによって解かれて、係数データwi,0〜wi,80が求められる。
【0168】
図8に示す係数種データ生成装置150の動作を説明する。
【0169】
入力端子151には教師信号としてのHD信号(1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152Aで水平および垂直の間引き処理が行われて生徒信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。この場合、SD信号生成回路152Aにはパラメータg,fが制御信号として供給され、水平および垂直の帯域が段階的に変化した81種類のSD信号が順次生成されていく。
【0170】
また、この81種類のSD信号が位相シフト回路152Bに供給され、各SD信号の位相が垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトされる(図5,図6参照)。したがって、この位相シフト回路152Bからは、81×32種類のSD信号が順次出力される。
【0171】
これら複数種類のSD信号より、第2のタップ選択回路154で、HD信号における注目位置の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路154では、タップ選択制御回路156より供給される、動きクラス検出回路158で検出される動きクラスに対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0172】
この第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0173】
また、位相シフト回路152Bより出力される複数種類のSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号における注目位置の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第3のタップ選択回路155では、タップ選択制御回路156より供給されるタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0174】
この第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0175】
この動き情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これら動き情報MVと再量子化コードqiとを用いて、HD信号における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0176】
また、位相シフト回路152Bより出力される複数種類のSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号における注目位置の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第1のタップ選択回路153では、タップ選択制御回路156より供給されるタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0177】
そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLと、フィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータg,fと、垂直方向および水平方向への位相シフト値のパラメータH,Vとから、正規方程式生成部160では、各クラス毎に、係数データwi,0〜wi,80を生成するための正規方程式((14)式参照)が生成される。
【0178】
そして、係数データ決定部161でその正規方程式が解かれ、クラス毎に、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80が求められる。さらに、この各クラスの係数データwi,0〜wi,80が係数演算部162に供給される。この係数演算部162では、クラス毎に、係数データwi,0〜wi,80より、上位層の生成式((6)式)と下位層の生成式((7)式)との関係に基づいて、下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8を決定する。その係数データbij0〜bij8は、係数種データとして、クラス別にアドレス分割された係数種メモリ163に記憶される。
【0179】
このように、図8に示す係数種データ生成装置150においては、図1の画像信号処理部110の下位係数記憶部136に記憶される各クラスの係数種データbij0〜bij8を生成することができる。
【0180】
次に、係数種データの生成方法の他の例について説明する。この例は、パラメータg,f,h,vの値の組み合わせ毎に、(4)式の推定式の係数データWi(i=1〜n)を求め、この各組み合わせの係数データWiを用いて、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80(i=1〜n)を求め、さらにこの係数データwi,0〜wi,80を用いて、下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8(i=1〜n、j=0〜8)を求めるものである。
【0181】
図10は、この例における、係数データwi,0〜wi,80の生成方法の概念を示している。上述した係数種データの生成方法の一例と同様に、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータg,fをそれぞれ9段階に可変して81種類のSD信号を得ると共に、この81種類のSD信号のそれぞれに対してその位相を垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトさせ、合計81×32種類のSD信号を順次生成する。
【0182】
そして、各SD信号とHD信号との間で学習を行って、パラメータg,f,h,vの組み合わせ毎に、(4)式の推定式の係数データWiを生成する。そして、各組み合わせの係数データWiを使用して係数種データを生成する。
【0183】
まず、推定式の係数データの求め方を説明する。ここでは、(4)式の推定式の係数データWi(i=1〜n)を最小二乗法により求める例を示すものとする。一般化した例として、Xを入力データ、Wを係数データ、Yを予測値として、(16)式の観測方程式を考える。この(16)式において、mは学習データの数を示し、nは予測タップの数を示している。
【0184】
【数12】
Figure 0004193495
【0185】
(16)式の観測方程式により収集されたデータに最小二乗法を適用する。この(16)式の観測方程式をもとに、(17)式の残差方程式を考える。
【0186】
【数13】
Figure 0004193495
【0187】
(17)式の残差方程式から、各Wiの最確値は、(18)式のe2を最小にする条件が成り立つ場合と考えられる。すなわち、(19)式の条件を考慮すればよいわけである。
【0188】
【数14】
Figure 0004193495
【0189】
つまり、(19)式のiに基づくn個の条件を考え、これを満たす、W1,W2,・・・,Wnを算出すればよい。そこで、(17)式の残差方程式から、(20)式が得られる。さらに、(20)式と(16)式とから、(21)式が得られる。
【0190】
【数15】
Figure 0004193495
【0191】
そして、(17)式と(21)式とから、(22)式の正規方程式が得られる。
【0192】
【数16】
Figure 0004193495
【0193】
(22)式の正規方程式は、未知数の数nと同じ数の方程式を立てることが可能であるので、各Wiの最確値を求めることができる。この場合、掃き出し法等を用いて連立方程式を解くことになる。
【0194】
次に、パラメータg,f,h,vの値の組み合わせ毎に生成された(4)式の推定式の係数データWi(i=1〜n)を使用しての、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80の求め方を説明する。
【0195】
あるパラメータg,f,h,vの値に対応した、あるクラスの推定式の係数データが、kgfhviとなったとする。ここで、iは予測タップの番号である。このkgfhviから、このクラスの未階層状態の生成式の係数データwi,0〜wi,80を求める。
【0196】
係数データWi(i=1〜n)は、係数種データwi,0〜wi,80を使って、上述した(5)式で表現される。ここで、係数データWiに対して最小二乗法を使用することを考えると、残差は、(23)式で表される。
【0197】
【数17】
Figure 0004193495
【0198】
ここで、t0,t1,t2,・・・,t79,t80は、それぞれg0000,g0001,g0002,・・・,g2221,g2222である。(23)式に最小二乗法を作用させると、(24)式が得られる。
【0199】
【数18】
Figure 0004193495
【0200】
ここで、Xj,k,Yjをそれぞれ(25)式、(26)式のように定義すると、(24)式は(27)式のように書き換えられる。この(27)式も正規方程式であり、この式を掃き出し法等の一般解法で解くことにより、係数データwi,0〜wi,80を算出することができる。
【0201】
【数19】
Figure 0004193495
【0202】
図11は、上述した概念で係数データwi,0〜wi,80を生成し、その係数データwi,0〜wi,80より下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8を得る係数種データ生成装置150′の構成を示している。この図11において、図8と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0203】
係数種データ生成装置150′は、正規方程式生成部171を有している。この正規方程式生成部171は、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとを用いて、クラス毎に、かつパラメータg,f,h,vの値の組み合わせ毎に、係数データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式((22)式参照)を生成する。
【0204】
この場合、1個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップ画素データとの組み合わせで学習データが生成されるが、SD信号生成回路152Aへのパラメータg,fおよび位相シフト回路152BへのパラメータH,Vが順次変更されていき、水平および垂直の帯域、並びに水平および垂直の位相シフト値が段階的に変化した81×32種類のSD信号が生成されていき、HD信号と各SD信号との間でそれぞれ学習データの生成が行われる。これにより、正規方程式生成部171では、パラメータg,f,h,vの値の各組み合わせに対応して、クラス毎に、係数データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式が生成される。
【0205】
また、係数種データ生成装置150′は、係数データ決定部172および正規方程式生成部173を有している。係数データ決定部172には、正規方程式生成部171で生成された正規方程式のデータが供給される。係数データ決定部172は、その正規方程式を解いて、パラメータg,f,h,vの値の各組み合わせに対応した各クラスの推定式((4)式)の係数データWiを求める。正規方程式生成部173は、この係数データWiと、フィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータg,fと、垂直方向および水平方向への位相シフト値のパラメータH,Vとを使用して、クラス毎に、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80を得るための正規方程式((27)式参照)を生成する。
【0206】
また、係数種データ生成装置150′は、係数データ決定部174、係数演算部175および係数種メモリ163を有している。係数データ決定部174には、正規方程式生成部173でクラス毎に生成された正規方程式のデータが供給される。係数データ決定部174は、クラス毎に正規方程式を解いて、各クラスの係数データwi,0〜wi,80を求める。係数演算部175は、この求められた未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80より、クラス毎に、上位層の生成式((6)式)と下位層の生成式((7)式)の関係に基づいて、下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8を求める。係数種メモリ163は、この各クラスの係数データbij0〜bij8を係数種データとして記憶する。
【0207】
図11に示す係数種データ生成装置150′のその他は、図8に示す係数種データ生成装置150と同様に構成される。
【0208】
図11に示す係数種データ生成装置150′の動作を説明する。
入力端子151には教師信号としてのHD信号(1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152Aで水平および垂直の間引き処理が行われて生徒信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。この場合、SD信号生成回路152Aにはパラメータg,fが制御信号として供給され、水平および垂直の帯域が段階的に変化した81種類のSD信号が順次生成されていく。
【0209】
また、この81種類のSD信号が位相シフト回路152Bに供給され、各SD信号の位相が垂直方向に8段階、水平方向に4段階にシフトされる(図5、図6参照)。したがって、この位相シフト回路152Bからは、81×32種類のSD信号が順次出力される。
【0210】
これら複数種類のSD信号より、第2のタップ選択回路154で、HD信号(1050i信号)における注目位置の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路154では、タップ選択制御回路156より供給される、動きクラス検出回路158で検出される動きクラスに対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0211】
この第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードqiが得られる((1)式参照)。
【0212】
また、位相シフト回路152Bより出力される複数種類のSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号における注目位置の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第3のタップ選択回路155では、タップ選択制御回路156より供給されるタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0213】
この第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0214】
この動き情報MVと上述した再量子化コードqiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これら動き情報MVと再量子化コードqiとから、HD信号における注目位置の画素データが属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0215】
また、位相シフト回路152Bより出力される複数種類のSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号における注目位置の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第1のタップ選択回路153では、タップ選択制御回路156より供給されるタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0216】
そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目位置の画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、正規方程式生成部171では、パラメータg,f,h,vの値の各組み合わせに対応して、クラス毎に、推定式((4)式)の係数データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式((22)式参照)が生成される。
【0217】
そして、係数データ決定部172でその正規方程式が解かれ、パラメータg,f,h,vの値の各組み合わせに対応した各クラスの係数データWiが求められる。正規方程式生成部173では、この各クラスの係数データWiと、フィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータg,fと、垂直方向および水平方向への位相シフト値のパラメータH,Vとから、クラス毎に、係数データwi,0〜wi,80を得るための正規方程式((27)式参照)が生成される。
【0218】
そして、係数データ決定部174でその正規方程式が解かれ、クラス毎に、未階層状態の生成式((5)式)の係数データwi,0〜wi,80が求められる。さらに、この各クラスの係数データwi,0〜wi,80が係数演算部175に供給され、この係数演算部175では、クラス毎に、係数データwi,0〜wi,80より、下位層の生成式((7)式)の係数データbij0〜bij8が求められ、その係数データbij0〜bij8は係数種データとしてクラス別にアドレス分割された係数種メモリ163に記憶される。
【0219】
このように、図11に示す係数種データ生成装置150においても、図1の画像信号処理部110の下位係数記憶部136に記憶される各クラスの係数種データbij0〜bij8を生成することができる。
【0220】
なお、図1の画像信号処理部110では、係数データWi(i=1〜n)を生成するために、(5)式の未階層状態の生成式を2層化して得られた(7)式および(6)式を使用したが、階層化は2層化に限らず3層以上に階層化してもよい。
【0221】
また、未階層状態の生成式としても、(5)式に限定されるものではなく、さらに次数の異なった多項式や、他の関数で表現される式でも実現可能である。また、生成式に含まれるパラメータに関しても、g,f,h,vに限定されるものではなく、これと共にあるいはこれとは別個のパラメータを持つものも同様に構成できる。
【0222】
また、下位層の生成式((7)式)および上位層の生成式((6)式)の形が同じものを示したが、別の形であってもよい。その場合には、適応型積和器137に供給される積和構造情報を変化させることで、この適応型積和器137を共通に使用可能となる。またこの場合、適応型積和器137は、各層の生成式の演算が可能な最小公倍数的な規模で済む。
【0223】
なお、図1の画像信号処理部110における処理を、例えば図12に示すような画像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。
【0224】
まず、図12に示す画像信号処理装置300について説明する。この画像信号処理装置300は、装置全体の動作を制御するCPU301と、このCPU301の動作プログラムや係数種データ等が格納されたROM(read only memory)302と、CPU301の作業領域を構成するRAM(random access memory)303とを有している。これらCPU301、ROM302およびRAM303は、それぞれバス304に接続されている。
【0225】
また、画像信号処理装置300は、外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)305と、フロッピー(登録商標)ディスク306をドライブするディスクドライブ(FDD)307とを有している。これらドライブ305,307は、それぞれバス304に接続されている。
【0226】
また、画像信号処理装置300は、インターネット等の通信網400に有線または無線で接続する通信部308を有している。この通信部308は、インタフェース309を介してバス304に接続されている。
【0227】
また、画像信号処理装置300は、ユーザインタフェース部を備えている。このユーザインタフェース部は、リモコン送信機200からのリモコン信号RMを受信するリモコン信号受信回路310と、LCD(liquid crystal display)等からなるディスプレイ311とを有している。受信回路310はインタフェース312を介してバス304に接続され、同様にディスプレイ311はインタフェース313を介してバス304に接続されている。
【0228】
また、画像信号処理装置300は、入力画像信号Vinとしての525i信号を入力するための入力端子314と、出力画像信号Voutを出力するための出力端子315とを有している。入力端子314はインタフェース316を介してバス304に接続され、同様に出力端子315はインタフェース317を介してバス304に接続される。
【0229】
ここで、上述したようにROM302に処理プログラムや係数種データ等を予め格納しておく代わりに、例えばインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードし、ハードディスクやRAM303に蓄積して使用することもできる。また、これら処理プログラムや係数種データ等をフロッピーディスク306で提供するようにしてもよい。
【0230】
また、画像信号処理装置300は、入力画像信号Vinとしての525i信号を入力端子314より入力する代わりに、予めハードディスクに記録しておき、あるいはインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードしてもよい。
【0231】
また、画像信号処理装置300は、出力画像信号Voutを出力端子315に出力する代わり、あるいはそれと並行してディスプレイ311に供給して画像表示をしたり、さらにはハードディスクに格納したり、通信部308を介してインターネットなどの通信網400に送出するようにしてもよい。
【0232】
図13のフローチャートを参照して、図12に示す画像信号処理装置300における、入力画像信号Vinより出力画像信号Voutを得るため処理手順を説明する。
【0233】
まず、ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、例えば入力端子314より装置内に1フレームまたは1フィールド分の入力画像信号Vinを入力する。このように入力端子314より入力される入力画像信号Vinを構成する画素データはRAM303に一時的に格納される。なお、この入力画像信号Vinが装置内のハードディスクドライブ307に予め記録されている場合には、このハードディスクドライブ307からこの入力画像信号Vinを読み出し、この入力画像信号Vinを構成する画素データをRAM303に一時的に格納する。そして、ステップST3で、入力画像信号Vinの全フレームまたは全フィールドの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST4で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST5に進む。
【0234】
このステップST5では、ユーザがリモコン送信機200を操作して設定された水平、垂直の解像度を決めるパラメータg,fの値を例えばRAM303より取得する。そして、ステップST6で、取得したパラメータg,fの値と、各クラスの係数種データを用いて、下位層の生成式((7)式参照)により、各クラスにおける上位層の生成式((6)式参照)の係数データを生成し、RAM303に格納する。
【0235】
次に、ステップST7で、ステップST2で入力された入力画像信号Vinの画素データより、生成すべき出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST8で、ステップST7で取得されたクラスタップの画素データからクラスコードCLを生成する。
【0236】
次に、ステップST9で、ユーザがリモコン送信機200を操作して選択した変換方法(表示画像の倍率も含む)に対応するn/mの値を用いて、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素の位相情報h,vを発生する。そして、ステップST10で、この単位画素ブロック内の各画素の位相情報h,vとステップST8で生成されたクラスコードCLに対応したクラスの上位層の生成式の係数データとを用い、上位層の生成式により、単位画素ブロック内の各画素にそれぞれ対応して、推定式((4)式参照)の係数データWiを生成する。
【0237】
次に、ステップST11で、ステップST10で生成された係数データWiとステップST7で取得された予測タップの画素データを用いて、推定式に基づいて、出力画像信号Voutを構成する単位画素ブロック内の各画素のデータを生成する。そして、ステップST12で、ステップST2で入力された1フレームまたは1フィールド分の入力画像信号Vinの画素データの全領域において出力画像信号Voutの画素データを得る処理が終了したか否かを判定する。終了しているときは、ステップST2に戻り、次のフレームまたはフィールドの入力画像信号Vinの入力処理に移る。一方、処理が終了していないときは、ステップST7に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。
【0238】
このように、図13に示すフローチャートに沿って処理をすることで、入力された入力画像信号Vinの画素データを処理して、出力画像信号Voutの画素データを得ることができる。上述したように、このように処理して得られた出力画像信号Voutは出力端子315に出力されたり、ディスプレイ311に供給されてそれによる画像が表示されたり、さらにはハードディスクドライブ305に供給されてハードディスクに記録されたりする。
【0239】
また、処理装置の図示は省略するが、図8の係数種データ生成装置150における処理を、ソフトウェアで実現することも可能である。
【0240】
図14のフローチャートを参照して、係数種データを生成するための処理手順を説明する。
【0241】
まず、ステップST21で、処理を開始し、ステップST22で、学習に使われる、SD信号の位相シフト値(例えば、パラメータH,Vで特定される)を選択する。そして、ステップST23で、全ての位相シフト値に対して学習が終わったか否かを判定する。全ての位相シフト値に対して学習が終わっていないときは、ステップST24に進む。
【0242】
このステップST24では、既知のHD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。そして、ステップST25で、全てのHD画素データについて処理が終了したか否かを判定する。終了したときは、ステップST22に戻って、次の位相シフト値を選択して、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了していないときは、ステップST26に進む。
【0243】
このステップST26では、ステップST24で入力されたHD画素データより、ステップST22で選択された位相シフト値だけ位相シフトされたSD画素データを生成する。そして、ステップST27で、ステップST26で生成されたSD画素データより、ステップST24で入力された各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST28で、生成されたSD画素データの全領域において学習処理を終了しているか否かを判定する。学習処理を終了しているときは、ステップST24に戻って、次のHD画素データの入力を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、一方、学習処理を終了していないときは、ステップST29に進む。
【0244】
このステップST29では、ステップST27で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST30で、正規方程式((14)式参照)を生成する。その後に、ステップST27に戻る。
【0245】
また、ステップST23で、全ての位相シフト値に対して学習が終わったときは、ステップST31に進む。このステップST31では、正規方程式を掃き出し法等で解くことによって、各クラスにおける未階層状態の生成式((5)式参照)の係数データwi,0〜wi,80を算出する。
【0246】
そして、ステップST32で、係数データwi,0〜wi,80より、上位層の生成式((6)式)と下位層の生成式((7)式)の関係に基づいて、各クラスにおける下位層の生成式((7)式参照)の係数データbij0〜bij8を決定する。そして、ステップST33で、この各クラスにおける係数データbij0〜bij8を係数種データとしてメモリに保存し、その後にステップST34で、処理を終了する。
【0247】
このように、図14に示すフローチャートに沿って処理をすることで、図8に示す係数種データ生成装置150と同様の手法によって、各クラスの係数種データを得ることができる。
【0248】
また、処理装置の図示は省略するが、図11の係数種データ生成装置150′における処理も、ソフトウェアで実現可能である。
【0249】
図15のフローチャートを参照して、係数種データを生成するための処理手順を説明する。
【0250】
まず、ステップST41で、処理を開始し、ステップST42で、学習に使われる、SD信号の位相シフト値(例えば、パラメータH,Vで特定される)を選択する。そして、ステップST43で、全ての位相シフト値に対する係数データの算出処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST44に進む。
【0251】
このステップST44では、既知のHD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。そして、ステップST45で、全てのHD画素データについて処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST46で、ステップST44で入力されたHD画素データより、ステップST42で選択された位相シフト値だけ位相シフトされたSD画素データを生成する。
【0252】
そして、ステップST47で、ステップST46で生成されたSD画素データより、ステップST44で入力された各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST48で、生成されたSD画素データの全領域において学習処理を終了しているか否かを判定する。学習処理を終了しているときは、ステップST44に戻って、次のHD画素データの入力を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、一方、学習処理を終了していないときは、ステップST49に進む。
【0253】
このステップST49では、ステップST47で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST50で、係数データを得るための正規方程式((22)式参照)を生成する。その後に、ステップST47に戻る。
【0254】
上述したステップST45で、全てのHD画素データについて処理が終了したときは、ステップST51で、ステップST50で生成された正規方程式を掃き出し法などで解いて、各クラスの係数データを算出する。その後に、ステップST42に戻って、次の位相シフト値を選択して、上述したと同様の処理を繰り返し、次の位相シフト値に対応した、各クラスの係数データを求める。
【0255】
また、上述のステップST43で、全ての位相シフト値に対する係数データの算出処理が終了したときは、ステップST52に進む。このステップST52では、全ての位相シフト値に対する係数データから、未階層状態の生成式((5)式)の係数データを求めるための正規方程式((27)式参照)を生成する。
【0256】
そして、ステップST53で、ステップST52で生成された正規方程式を掃き出し法等で解くことによって、各クラスにおける未階層状態の生成式((5)式参照)の係数データwi,0〜wi,80を算出する。
【0257】
そして、ステップST54で、係数データwi,0〜wi,80より、上位層の生成式((6)式)と下位層の生成式((7)式)の関係に基づいて、各クラスにおける下位層の生成式((7)式参照)の係数データbij0〜bij8を求める。そして、ステップST55で、この各クラスにおける係数データbij0〜bij8を係数種データとしてメモリに保存し、その後にステップST56で、処理を終了する。
【0258】
このように、図15に示すフローチャートに沿って処理をすることで、図11に示す係数種データ生成装置150′と同様の手法によって、各クラスの係数種データを得ることができる。
【0259】
なお、上述実施の形態においては、出力画像信号Voutを生成する際の推定式として線形一次方程式を使用したものを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば推定式として高次方程式を使用するものであってもよい。
【0260】
また、上述実施の形態においては、クラスコードCLを検出し、推定予測演算ではこのクラスコードに応じた係数データWiを使用するものを示したが、クラスコードCLの検出部分を省略したものも考えられる。その場合には、下位係数記憶部136に格納される係数種データbij0〜bij8は1種類のみとなる。
【0261】
また、上述実施の形態においては、クラスとして空間クラスおよび動きクラスを求めるものを示したが、これらのクラス以外にも、エッジの有無、自己相関の程度など、様々な特徴量に基づいてクラスを求めて使用するようにしてもよい。
【0262】
また、上述実施の形態においては、パラメータとして解像度、位相情報を使用しているが、他にも、ノイズ除去の程度などのような画像や音声等の質を示すようなパラメータを使用するものにも、この発明を同様に適用することができる。
【0263】
また、上述実施の形態においては、下位層の生成式((7)式)に含まれるパラメータg,fを1フィールド期間、あるいは1フレーム期間毎に更新(取得)するものを示したが、パラメータg,fの更新期間(取得期間)はこれに限定されない。すなわち、各階層の生成式に含まれるパラメータの値を、それぞれ独立に、所定数の情報データを算出する毎に更新(取得)するように構成できる。
【0264】
また、上述実施の形態においては、画像信号処理部110より出力される出力画像信号Voutをディスプレイ部111に供給して、その出力画像信号Voutによる画像を表示するものを示したが、この出力画像信号Voutをビデオテープレコーダなどの記録装置に供給して記録するようにしてもよい。その場合、後処理回路129の部分で、記録に最適なデータ構造となるように処理してもよい。
【0265】
また、上述実施の形態においては、入力画像信号Vinとしての525i信号を、出力画像信号Voutとしての1080i信号、XGA信号、あるいは倍率の異なる表示画像を得るための525i信号に変換する例を示したが、この発明はそれに限定されるものでなく、推定式を使用して第1の画像信号を第2の画像信号に変換するその他の場合にも同様に適用できることは勿論である。
【0266】
また、上述実地の形態においては、情報信号が画像信号である場合を示したが、この発明はこれに限定されない。例えば、情報信号が音声信号である場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0267】
この発明によれば、第1の情報信号を第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の係数データを係数種データを用いて生成するものであり、設定された複数のパラメータに対応した係数データを容易に得ることができ、大量の係数データを格納しておくメモリを不要とできる。
【0268】
また、この発明によれば、推定式の係数データを複数に階層化された生成式を用いて生成するものであり、1ステップ毎の演算処理を圧縮できると共に、ハードウェアの規模縮小および有効利用を図ることができる。
【0269】
また、この発明によれば、複数に階層化された生成式を構成する各階層の生成式が、上位層ほど更新頻度の高いパラメータを含むようにすることで、含まれるパラメータの更新頻度が少ない下位層側の生成式の演算を少なく抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0270】
以上のように、この発明に係る情報信号処理装置、情報信号処理方法、画像信号処理装置、画像信号処理方法およびそれを使用した画像表示装置、それに使用される係数種データ生成装置および生成方法、並びにコンピュータ読み取り可能な媒体およびプログラムは、525i信号を1080i信号に変換する場合、525i信号をXGA信号に変換する場合等のようにフォーマットを変換する際、あるいは画像サイズを変換する際に適用して好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施の形態としてのテレビ受信機の構成を示すブロック図である。図2は、画像信号処理部における各部の演算タイミングを説明するための図である。図3は、未階層状態の生成式の係数データwi,0〜wi,80の生成方法の一例の概念を示す図である。図4は、525i信号(SD信号)と1050i信号(HD信号)の画素位置関係を示す図である。図5は、垂直方向への8段階の位相シフトを説明するための図である。図6は、水平方向への4段階の位相シフトを説明するための図である。図7は、SD信号(525i信号)とHD信号(1050i信号)との位相関係を示す図である。図8は、係数種データ生成装置の構成例を示すブロック図である。図9は、帯域フィルタの周波数特性の一例を示す図である。図10は、未階層状態の生成式の係数データwi,0〜wi,80の生成方法の他の例の概念を示す図である。図11は、係数種データ生成装置の他の構成例を示すブロック図である。図12は、ソフトウェアで実現するための画像信号処理装置の構成例を示すブロック図である。図13は、画像信号処理を示すフローチャートである。図14は、係数種データ生成処理を示すフローチャートである。図15は、他の係数種データ生成処理を示すフローチャートである。図16は、525i信号と1080i信号の画素位置関係を示す図である。図17は、525i信号と1080i信号の画素の垂直方向の位相関係を示す図である。図18は、525i信号と1080i信号の画素の水平方向の位相関係を示す図である。図19は、525i信号とXGA信号の画素位置関係を示す図である。図20は、525i信号とXGA信号の画素の垂直方向の位相関係を示す図である。図21は、525i信号とXGA信号の画素の水平方向の位相関係を示す図である。

Claims (33)

  1. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する画像信号処理装置であって、
    記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    上記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データが記憶された第1のメモリ手段と、
    上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成し、該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを発生する係数データ発生手段と、
    上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第1のデータ選択手段と、
    上記係数データ発生手段で発生された上記第2係数データと上記第1のデータ選択手段で選択された上記複数の第1の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る演算手段とを備える画像信号処理装置。
  2. 上記パラメータ設定手段は、上記演算手段で所定数の画素データを算出する毎に上記第1又は第2のパラメータの値を設定する請求項に記載の画像信号処理装置。
  3. 上記パラメータ設定手段は、上記第1又は第2のパラメータの値を設定する場合に、設定頻度の高いパラメータの設定順序を後にする請求項に記載の画像信号処理装置。
  4. 上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の画素データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の画素データから、少なくとも動きの程度を表す差分値を求め、当該差分値をしきい値判定して上記注目位置の画素データが属するクラスを検出するクラス検出手段とをさらに備え、
    上記第1のメモリ手段には、上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に予め求められた上記係数種データが記憶されており、
    上記係数データ発生手段は、上記クラス検出手段で検出されたクラスに対応した上記第1係数データおよび上記パラメータ設定手段で設定された上記第1又は第2のパラメータを演算して上記第2係数データを発生する請求項に記載の画像信号処理装置。
  5. 上記係数データ発生手段は、
    上記第1係数データ及び第2係数データの演算を行うための単一の積和器と、
    上記積和器により演算を行って得られる上記第1係数データを上記第2係数データの演算のために記憶しておく第2のメモリ手段とを有してなる請求項に記載の画像信号処理装置。
  6. 上記係数データ発生手段は、
    上記第2の画像信号の垂直ブランキング期間で、上記第1のメモリ手段に記憶されている係数種データと上記パラメータ設定手段で設定された上記第1パラメータの値とを演算して上記第1パラメータの値に対応した上記第1係数データを生成し、
    上記第2の画像信号の垂直有効走査期間で、上記生成された第1係数データと上記パラメータ設定手段で設定された上記第2パラメータの値とを演算して上記第1パラメータおよび上記第2パラメータの値に対応した上記第2係数データを生成する請求項に記載の画像信号処理装置。
  7. 上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の画素データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の画素データから、少なくとも動きの程度を表す差分値を求め、当該差分値をしきい値判定して上記注目位置の画素データが属するクラスを検出するクラス検出手段とをさらに備え、
    上記第1のメモリ手段には、上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に予め求められた上記係数種データが記憶されており、
    上記係数データ発生手段は、
    上記第2の画像信号の垂直ブランキング期間で上記第1のメモリ手段に記憶されている係数種データと上記パラメータ設定手段で設定された上記第1パラメータの値とを演算し、上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に上記第1パラメータの値に対応した上記第1係数データを生成し、
    上記第2の画像信号の垂直有効走査期間で、上記生成された各クラスの上記第1係数データのうち、上記クラス検出手段で検出されるクラスの上記第1係数データと、上記パラメータ設定手段で設定された上記第2パラメータの値とを演算し、上記第1パラメータおよび上記第2パラメータの値、並びに上記クラス検出手段で検出されるクラスに対応した上記第2係数データを生成する請求項に記載の画像信号処理装置。
  8. 上記係数データ発生手段で発生される上記第2係数データの総和を求める加算手段と、
    上記演算手段で得られた上記注目位置の画素データを上記加算手段で求められた上記総和で除算して正規化する正規化手段をさらに備える請求項に記載の画像信号処理装置。
  9. 複数の画素データからなる第1の画像信号を入力する画像信号入力手段と、
    上記画像信号入力手段より入力された上記第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換して出力する画像信号処理手段と、
    上記画像信号処理手段より出力される上記第2の画像信号による画像を画像表示素子に表示する画像表示手段と、
    記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段とを有してなり、
    上記画像信号処理手段は、
    上記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データが記憶された第1のメモリ手段と、
    上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成し、該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを発生する係数データ発生手段と、
    上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択するデータ選択手段と、
    上記係数データ発生手段で発生された上記第2係数データと上記データ選択手段で選択された上記複数の第1の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る演算手段とを備える画像表示装置。
  10. 上記パラメータ設定手段は、上記演算手段で所定数の画素データを算出する毎に上記第1又は第2のパラメータの値を設定する請求項に記載の画像表示装置。
  11. 上記パラメータ設定手段は、上記第1又は第2のパラメータの値を設定する場合に、設定頻度の高いパラメータの設定順序を後にする請求項に記載の画像表示装置。
  12. 上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の画素データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の画素データから、少なくとも動きの程度を表す差分値を求め、当該差分値をしきい値判定して上記注目位置の画素データが属するクラスを検出するクラス検出手段とをさらに備え、
    上記第1のメモリ手段には、上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に予め求められた上記係数種データが記憶されており、
    上記係数データ発生手段は、上記クラス検出手段で検出されたクラスに対応した上記第1係数データおよび上記パラメータ設定手段で設定された上記第1又は第2のパラメータを演算して上記第2係数データを発生する請求項に記載の画像表示装置。
  13. 上記係数データ発生手段は、
    上記第1係数データ及び第2係数データの演算を行うための単一の積和器と、
    上記積和器により演算を行って得られる上記第1係数データを上記第2係数データの演算のために記憶しておく第2のメモリ手段とを有してなる請求項に記載の画像表示装置。
  14. 上記係数データ発生手段は、
    上記第2の画像信号の垂直ブランキング期間で、上記第1のメモリ手段に記憶されている係数種データと上記パラメータ設定手段で設定された上記第1パラメータの値とを演算して上記第1パラメータの値に対応した上記第1係数データを生成し、
    上記第2の画像信号の垂直有効走査期間で、上記生成された第1係数データと上記パラメータ設定手段で設定された上記第2パラメータの値とを演算して上記第1パラメータおよび上記第2パラメータの値に対応した上記第2係数データを生成する請求項に記載の画像表示装置。
  15. 上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の画素データを選択する第2のデータ選択手段と、
    上記第2のデータ選択手段で選択された上記複数の第2の画素データから、少なくとも動きの程度を表す差分値を求め、当該差分値をしきい値判定して上記注目位置の画素データが属するクラスを検出するクラス検出手段とをさらに備え、
    上記第1のメモリ手段には、上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に予め求められた上記係数種データが記憶されており、
    上記係数データ発生手段は、
    上記第2の画像信号の垂直ブランキング期間で上記第1のメモリ手段に記憶されている係数種データと上記パラメータ設定手段で設定された上記第1パラメータの値とを演算し、上記クラス検出手段で検出されるクラス毎に上記第1パラメータの値に対応した上記第1係数データを生成し、
    上記第2の画像信号の垂直有効走査期間で、上記生成された各クラスの上記第1係数データのうち、上記クラス検出手段で検出されるクラスの上記第1係数データと、上記パラメータ設定手段で設定された上記第2パラメータの値とを演算し、上記第1パラメータおよび上記第2パラメータの値、並びに上記クラス検出手段で検出されるクラスに対応した上記第2係数データを生成する請求項に記載の画像表示装置。
  16. 上記係数データ発生手段で発生される上記第2係数データの総和を求める加算手段と、
    上記演算手段で得られた上記注目位置の画素データを上記加算手段で求められた上記総和で除算して正規化する正規化手段をさらに備える請求項に記載の画像表示装置。
  17. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する画像信号処理方法であって、
    記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データと上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方とを演算して第1係数データを生成、当該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを生成し、生成された第2係数データを発生する第2のステップと、
    上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第1の画素データを選択する第3のステップと、
    上記第2のステップで発生された上記第2係数データと上記第3のステップで選択された上記複数の第1の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る第4のステップとを備える画像信号処理方法。
  18. 記パラメータの値は、上記第4のステップで所定数の画素データを算出する毎に上記第1又は第2のパラメータの値を設定する請求項17に記載の画像信号処理方法。
  19. 上記第1のステップで、上記第1又は第2のパラメータの値を設定する場合に、設定頻度の高いパラメータの設定順序を後にする請求項17に記載の画像信号処理方法。
  20. 上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の画素データを選択する第5のステップと、
    上記第5のステップで選択された上記複数の第2の画素データから、少なくとも動きの程度を表す差分値を求め、当該差分値をしきい値判定して上記注目位置の画素データが属するクラスを検出する第6のステップとをさらに備え、
    上記第2のステップでは、上記第6のステップで検出されたクラスに対応した上記第1係数データおよび上記第1のステップで設定された上記第1又は第2のパラメータを演算して上記第2係数データを生成する請求項17に記載の画像信号処理方法。
  21. 上記第2のステップでは、
    上記第2の画像信号の垂直ブランキング期間で、上記係数種データと上記第1パラメータの値とを演算して上記第1パラメータの値に対応した上記第1係数データを生成し、
    上記第2の画像信号の垂直有効走査期間で、上記生成された第1係数データと上記第2パラメータの値とを演算して上記第1パラメータおよび上記第2パラメータの値に対応した上記第2係数データを生成する請求の範囲第17項に記載の画像信号処理方法。
  22. 上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の第2の画素データを選択する第5のステップと、
    上記第5のステップで選択された上記複数の第2の画素データから、少なくとも動きの程度を表す差分値を求め、当該差分値をしきい値判定して上記注目位置の画素データが属するクラスを検出する第6のステップとをさらに備え、
    上記第2のステップでは、
    上記第2の画像信号の垂直ブランキング期間で各クラスの上記係数種データと上記第1パラメータの値とを演算し、クラス毎に上記第1パラメータの値に対応した上記第1係数データを生成し、
    上記第2の画像信号の垂直有効走査期間で、上記生成された各クラスの上記第1係数データのうち、上記第6のステップで検出されるクラスの上記第1係数データと、上記第2パラメータの値とを演算し、上記第1パラメータおよび上記第2パラメータの値、並びに上記第6のステップで検出されるクラスに対応した上記第2係数データを生成する請求の範囲第17項に記載の画像信号処理方法。
  23. 上記第2のステップで発生される上記第2係数データの総和を求める第7のステップと、
    上記第4のステップで得られた上記注目位置の画素データを上記第7のステップで求められる上記総和で除算して正規化する第8のステップとをさらに備える請求項17に記載の画像信号処理方法。
  24. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換するために、
    記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データと上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方とを演算して第1係数データを生成、当該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを生成し、生成された第2係数データを発生する第2のステップと、
    上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第3のステップと、
    上記第2のステップで発生された上記第2係数データと上記第3のステップで選択された上記複数の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る第4のステップとを有する画像信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  25. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換するために、
    記第1の画像信号の複数の画素データに対する上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    記第2の画像信号における注目位置の画素データを算出する際に用いられる係数データを生成するための係数種データと上記第1又は第2のパラメータのいずれか一方とを演算して第1係数データを生成、当該第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して上記第1の画像信号と上記第2の画像信号の誤差を最小にする第2係数データを生成し、生成された第2係数データを発生する第2のステップと、
    上記第1の画像信号から、上記第2の画像信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第3のステップと、
    上記第2のステップで発生された上記第2係数データと上記第3のステップで選択された上記複数の画素データとを演算して上記注目位置の画素データを算出して得る第4のステップとを有する画像信号処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  26. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する装置であって、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    上記パラメータ設定手段により状態が決められた生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択するデータ選択手段と、
    上記データ選択手段で選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための正規方程式を生成する正規方程式生成手段と、
    上記正規方程式を解いて上記係数データを得る係数データ演算手段と、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記係数データ演算手段で得られた係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る係数種データ演算手段とを備える係数種データ生成装置。
  27. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する方法であって、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための正規方程式を生成する第3のステップと、
    上記第3のステップで生成された上記正規方程式を解いて上記係数データを得る第4のステップと、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第4のステップで得られた係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第5のステップとを備える係数種データ生成方法。
  28. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成するために、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための正規方程式を生成する第3のステップと、
    上記第3のステップで生成された上記正規方程式を解いて係数データを得る第4のステップと、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第4のステップで得られた上記係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第5のステップとを有する係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  29. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成するために、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための正規方程式を生成する第3のステップと、
    上記第3のステップで生成された上記正規方程式を解いて係数データを得る第4のステップと、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第4のステップで得られた係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第5のステップとを有する係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  30. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する装置であって、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択するデータ選択手段と、
    上記データ選択手段で選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記パラメータ設定手段で設定されるパラメータの値の組み合わせ毎に、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための第1の正規方程式を生成する第1の正規方程式生成手段と、
    上記第1の正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎に係数データを得る第1の係数データ演算手段と、
    上記第1の係数データ演算手段で得られた上記組み合わせ毎の係数データから、複数に階層化された生成式の未階層状態における生成式の係数データを得るための第2の正規方程式を生成する第2の正規方程式生成手段と、
    上記第2の正規方程式を解いて上記未階層状態における生成式の係数データを得る第2の係数データ演算手段と、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第2の係数データ演算手段で得られた上記未階層状態における生成式の係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る係数種データ演算手段とを備える係数種データ生成装置。
  31. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成する方法であって、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記第1のステップで設定されるパラメータの値の組み合わせ毎に、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための第1の正規方程式を生成する第3のステップと、
    上記第3のステップで生成された上記第1の正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎に係数データを得る第4のステップと、
    上記第4のステップで得られた上記組み合わせ毎の係数データから、複数に階層化された生成式の未階層状態における生成式の係数データを得るための第2の正規方程式を生成する第5のステップと、
    上記第5のステップで生成された上記第2の正規方程式を解いて、上記未階層状態における生成式の係数データを得る第6のステップと、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第6のステップで得られた上記未階層状態における生成式の係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第7のステップとを備える係数種データ生成方法。
  32. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成するために、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記第1のステップで設定されるパラメータの値の組み合わせ毎に、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための第1の正規方程式を生成する第3のステップと、
    上記第3のステップで生成された上記第1の正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎に係数データを得る第4のステップと、
    上記第4のステップで得られた上記組み合わせ毎の係数データから、複数に階層化された生成式の未階層状態における生成式の係数データを得るための第2の正規方程式を生成する第5のステップと、
    上記第5のステップで生成された上記第2の正規方程式を解いて、上記未階層状態における生成式の係数データを得る第6のステップと、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第6のステップで得られた上記未階層状態における生成式の係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第7のステップとを有する係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  33. 複数の画素データからなる第1の画像信号を上記第1の画像信号の複数の画素データと位相の異なる複数の画素データを含む第2の画像信号に変換する際に使用される係数データを生成するための係数種データを生成するために、
    上記第2の画像信号に対応した教師信号から上記第1の画像信号に対応した生徒信号の状態を決めるパラメータであって、上記第2の画像信号の質を決定するための第1パラメータ、及び上記第2の画像信号の質の情報から画素間距離を求めて得られ、上記第2の画像信号の複数の画素データの位相関係を一意的に決定するための第2パラメータを設定する第1のステップと、
    上記生徒信号から、上記教師信号における注目位置の周辺に位置する複数の画素データを選択する第2のステップと、
    上記第2のステップで選択された上記複数の画素データおよび上記教師信号における注目位置の画素データを演算して、上記第1のステップで設定されるパラメータの値の組み合わせ毎に、上記生徒信号と上記教師信号の誤差を最小にする係数データを得るための第1の正規方程式を生成する第3のステップと、
    上記第3のステップで生成された上記第1の正規方程式を解いて、上記組み合わせ毎に係数データを得る第4のステップと、
    上記第4のステップで得られた上記組み合わせ毎の係数データから、複数に階層化された生成式の未階層状態における生成式の係数データを得るための第2の正規方程式を生成する第5のステップと、
    上記第5のステップで生成された上記第2の正規方程式を解いて、上記未階層状態における生成式の係数データを得る第6のステップと、
    第1又は第2のパラメータのいずれか一方と上記係数種データとを演算して第1係数データを生成する第1階層の生成式と、当該第1階層の生成式により生成された第1係数データと上記第1又は第2のパラメータの他方を演算して第2係数データを生成する第2階層の生成式とを有し、上記第6のステップで得られた上記未階層状態における生成式の係数データより、上記第1階層の生成式と上記第2階層の生成式との関係に基づいて、上記第1階層の生成式の係数データを係数種データとして得る第7のステップとを有する係数種データ生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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