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JP4175397B2 - 有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法に関する。
ディスプレイなどの表示装置に用いられている有機エレクトロルミネセンス装置(以下、「有機EL装置」という。)は、一般的に、発光性を有する発光層と正孔輸送性を有する正孔輸送層とを含んだ有機層と、この有機層を挟持する陰極及び陽極とが基板上に設けられた構成になっている。有機EL装置の発光層と正孔輸送層とは積層された構成になっている。陰極からの電子と陽極からの正孔とが発光層で結合することで発光するようになっている。
発光層、正孔輸送層の2つの有機層を形成する手法として、この発光層及び正孔輸送層を構成する材料を蒸着法によって基板上に順番に成膜して積層する手法(ドライプロセス)や、発光層及び正孔輸送層を構成する材料を有機溶媒に溶解又は分散させた液状組成物を作製し、この液状組成物を基板上に成膜した後、有機溶媒を蒸発させる手法(ウェットプロセス)などがある。ウェットプロセスとしては、例えばインクジェット法を挙げることができる。インクジェット法によれば、大面積の基板上にも容易に有機層を形成することが可能であるため、近年大型化しているディスプレイ用の有機EL装置などの製造において、特に期待されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
特開2000−77185号公報 特開2000−208254号公報 特開2000−243300号公報
しかしながら、インクジェット法によって有機層を形成する場合、液状組成物を塗布する対象面の表面の撥液性又は親液性が不均一になっていることが多く、塗布膜の膜厚が不均一になることが多い。有機EL装置のみならず、有機膜を積層させたデバイス、例えば有機トランジスタなど、他の有機半導体装置においても同様の問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、有機半導体層の層厚を均一にすることが可能な有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る有機半導体装置の製造方法は、基板上に複数の有機半導体層が積層されてなる有機半導体装置の製造方法であって、前記複数の有機半導体層のうち一の有機半導体層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を前記基板の表面上及び前記複数の有機半導体層のうちの他の有機半導体層の表面上を含めた対象面上に形成する塗布膜形成工程と、前記塗布膜のうち前記対象面側の所定の厚さ部分を前記第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させる変質工程と、前記塗布膜のうち前記変質工程で変質していない非変質部分を前記所定の溶媒によって除去する除去工程とを有する第1有機半導体層形成工程と、前記第1有機半導体層形成工程で形成された前記第1有機半導体層上に前記第2有機半導体層を形成する第2有機半導体層形成工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、複数の有機半導体層のうち一の有機半導体層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を、基板の表面上及び複数の有機半導体層のうちの他の有機半導体層の表面上を含めた対象面上に形成し、この塗布膜のうち対象面側の所定の厚さ部分を、第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させ、塗布膜のうち変質していない非変質部分を所定の溶媒によって除去することとしたので、変質した所定の厚さ部分の塗布膜が残留し、当該塗布膜の残留部分が有機半導体層になる。これにより、均一な膜厚を有する有機半導体層を形成することができる。
また、前記基板の表面には前記複数の有機半導体層に電気的に接続された電極が設けられており、前記対象面が前記電極の表面であることが好ましい。
本発明によれば、基板の表面には複数の有機半導体層に電気的に接続された電極が設けられており、対象面が電極の表面であるので、有機半導体層を電極の表面上に直接形成されることになる。有機半導体層を電極の表面上に直接形成することによって、有機半導体層と電極とを面接触させることができるので、有機半導体層と電極との間の電気抵抗を小さく抑えることができ、導電性を向上させることができる。
また、前記電極が、導電性を有する金属酸化物を主成分とすることが好ましい。
本発明者らは、有機半導体層が導電性を有する金属酸化物上に形成されている場合、有機化合物を架橋化させることで金属酸化物に含まれる酸素原子と有機半導体層に含まれる有機化合物の分子の架橋部分とが化学的に結合し、この部分において所定の溶媒に特に溶解されにくくなることを見出した。本発明では、電極が導電性を有する金属酸化物を主成分とすることとしたので、上記一の有機半導体層が所定の溶媒に溶解するのを一層効果的に抑えることができる。
本発明に係る有機半導体装置は、上記の有機半導体装置の製造方法によって製造されたことが好ましい。
本発明によれば、有機半導体層の層厚が均一であり、有機半導体層を流れる電流の電流密度にムラの無い、高品質の有機半導体装置を得ることができる。
本発明に係る有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法は、少なくとも正孔輸送性を有する有機層と発光性を有する有機層とを含んだ複数の有機層と、前記複数の有機層を挟持する陰極及び陽極とを基板上に備えた有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法であって、前記複数の有機層のうち一の有機層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を前記陽極上及び前記複数の有機層のうち他の有機層の表面上を含めた対象面上に形成する塗布膜形成工程と、前記塗布膜のうち前記対象面側の所定の厚さ部分を前記第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させる変質工程と、前記塗布膜のうち前記変質工程で変質していない非変質部分を前記所定の溶媒によって除去する除去工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、複数の有機層のうち一の有機層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を陽極上及び複数の有機層のうち他の有機層の表面上を含めた対象面上に形成し、塗布膜のうち対象面側の所定の厚さ部分を第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させ、塗布膜のうち変質していない非変質部分を所定の溶媒によって除去することとしたので、変質した所定の厚さ部分の塗布膜が残留し、当該塗布膜の残留部分が有機層になる。これにより、均一な層厚を有する有機層を形成することが可能となる。
本発明に係る有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法は、少なくとも正孔輸送性を有する第1有機層と発光性を有する第2有機層とを有する複数の有機層が積層され、前記複数の有機層が基板上で陰極及び陽極によって挟持されてなる有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法であって、前記第1有機層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の第1塗布膜を前記陽極上に形成する第1塗布膜形成工程と、前記第1塗布膜のうち前記対象面側の所定の厚さ部分を前記第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させる第1変質工程と、前記第1塗布膜のうち前記第1変質工程で変質していない非変質部分を前記所定の溶媒によって除去する第1除去工程とを有する第1有機層形成工程と、前記第1有機層上に前記第2有機層を形成する第2有機層形成工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、第1有機層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の第1塗布膜を陽極上に形成し、第1塗布膜のうち対象面側の所定の厚さ部分を第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させ、第1塗布膜のうち変質していない非変質部分を所定の溶媒によって除去して第1有機層を形成するので、変質した所定の厚さ部分の第1塗布膜が残留し、当該第1塗布膜の残留部分が層厚の均一な第1有機層になる。層厚の均一な第1有機層上に第2有機層を形成するので、第2有機層に均一に正孔が注入されることになる。これにより、発光ムラを無くすことが可能となる。
また、前記第2有機層形成工程が、前記第2有機層を構成する材料を前記所定の溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の第2塗布膜を前記第1有機層上に形成する第2塗布膜形成工程と、前記第2塗布膜のうち前記第1有機層の表面側の所定の厚さ部分を前記所定の溶媒に溶解しないように変質させる第2変質工程と、前記第2塗布膜のうち前記第2変質工程で変質していない非変質部分を前記所定の溶媒によって除去する第2除去工程とを有することが好ましい。
本発明によれば、第2有機層形成工程において、第2有機層を構成する材料を所定の溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の第2塗布膜を陽極上に形成し、第2塗布膜のうち第1有機層の表面側の所定の厚さ部分を所定の溶媒に溶解しないように変質させ、第2塗布膜のうち変質していない非変質部分を所定の溶媒によって除去することとしたので、変質した所定の厚さ部分の第2塗布膜が残留し、当該第2塗布膜の残留部分が層厚の均一な第2有機層になる。正孔輸送性を有する第1有機層に加えて発光性を有する第2有機層についても層厚が均一になるため、発光ムラを一層確実に無くすことができる。
また、前記陽極が、導電性を有する金属酸化物を主成分とすることが好ましい。
本発明によれば、陽極が、導電性を有する金属酸化物を主成分とするので、第1塗布膜のうち陽極の表面側において所定の溶媒に特に溶解されにくくなる。基板及び陽極が光透過性を有している場合、第2有機層で発光した光が陽極を透過して基板側から光を射出する、いわゆるボトムエミッション型の有機エレクトロルミネセンス装置として利用することが可能である。
また、前記第1塗布膜が、キャリア輸送性有機化合物と、ポリシロキサンからなる架橋性有機化合物とを含んでおり、前記第1変質工程では、前記第1塗布膜に含まれる前記架橋性有機化合物を熱処理によって架橋させることが好ましい。
本発明によれば、第1塗布膜が、キャリア輸送性有機化合物と、ポリシロキサンからなる架橋性有機化合物とを含んでおり、第1変質工程では、第1塗布膜に含まれる架橋性有機化合物を熱処理によって架橋させることとしたので、第1塗布膜における架橋反応を確実に発生させることができる。例えば、加熱温度や加熱時間を調節することによって、第1塗布膜の全部を架橋させずに第1塗布膜の所定の厚さ部分のみを架橋させることが可能となる。
また、前記第1塗布膜が、トリフェニルアミン誘導体及びポリチオフェン誘導体のうち少なくとも一方を含んだキャリア輸送性有機化合物と、シランカップリング化合物を含む架橋性有機化合物とを含んでおり、前記第1変質工程では、前記第1塗布膜に含まれる前記架橋性有機化合物を熱処理によって架橋させることが好ましい。
本発明によれば、所定の厚さ部分における架橋反応を確実に発生させることができる。例えば、加熱温度や加熱時間を調節することによって、第1塗布膜の全部を架橋させずに第1塗布膜の所定の厚さ部分のみを架橋させることが可能となる。
また、前記第1塗布膜が、キャリア輸送性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基のうち少なくとも1種類を含む架橋性有機化合物とを含んでおり、前記第1変質工程では、前記第1塗布膜に含まれる前記架橋性有機化合物を熱処理する、前記架橋性有機化合物に紫外線を照射する、前記架橋性有機化合物に電子ビームを照射する又は前記架橋性有機化合物にプラズマを照射することによって架橋させることが好ましい。
本発明によれば、第1塗布膜が、キャリア輸送性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基のうち少なくとも1種類を含む架橋性有機化合物とを含んでおり、第1変質工程では、第1塗布膜に含まれる架橋性有機化合物を熱処理する、架橋性有機化合物に紫外線を照射する、架橋性有機化合物に電子ビームを照射する又は架橋性有機化合物にプラズマを照射することによって架橋させることとしたので、所定の厚さ部分における架橋反応を確実に発生させることができる。例えば、加熱の場合は加熱温度や加熱時間を調節し、紫外線、電子ビーム、プラズマの照射の場合はそれぞれ照射強度や照射時間を調節することによって、第1塗布膜の全部を架橋せずに第1塗布膜の所定の厚さ部分のみを架橋することが可能となる。
特に、架橋性有機化合物に紫外線を照射することによって架橋させる場合、当該紫外線の透過率が場所によって異なるようなフォトマスクを用いることで、第1塗布膜の位置によって照射される紫外線の照射量に差をつけることができる。紫外線の照射量が大きいほど、変質する第1塗布膜の厚さが厚くなることがわかっている。これに沿えば、紫外線の照射量に差をつけることで、変質工程において変質する第1塗布膜の厚さに差を設けることができ、ひいては第1有機層の層厚に差をつけることができる。例えば、有機エレクトロルミネセンス装置が複数の画素領域を有しており、赤色、緑色、青色など波長(色)の異なる光を射出するものである場合、色毎に最適な正孔注入量が異なっている。これに対して、本発明によれば、色毎に第1有機層の層厚に差をつけることによって最適な正孔注入量で正孔を注入することができる。このように、有機エレクトロルミネセンス装置を設計する上での選択の幅が広がるという利点がある。
また、前記第2塗布膜が、発光性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基のうち少なくとも1種類を含む架橋性有機化合物とを含んでおり、前記第2変質工程では、前記第2塗布膜に含まれる前記架橋性有機化合物を熱処理する、前記架橋性有機化合物に紫外線を照射する、前記架橋性有機化合物に電子ビームを照射する又は前記架橋性有機化合物にプラズマを照射することによって架橋させることが好ましい。
本発明によれば、第2有機層を構成する材料が、発光性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基のうち少なくとも1種類を含む架橋性有機化合物とを含んでおり、第2変質工程では、第2塗布膜に含まれる架橋性有機化合物を加熱する、架橋性有機化合物に紫外線を照射する、架橋性有機化合物に電子ビームを照射する又は架橋性有機化合物にプラズマを照射することによって架橋させることとしたので、所定の厚さ部分における架橋反応を確実に発生させることができる。例えば、加熱の場合は加熱温度や加熱時間を調節し、紫外線、電子ビーム、プラズマの照射の場合はそれぞれ照射強度や照射時間を調節することによって、第1塗布膜の全部を架橋せずに第2塗布膜の所定の厚さ部分のみを架橋することが可能となる。
特に、架橋性有機化合物に紫外線を照射することによって架橋させる場合、当該紫外線の透過率が場所によって異なるようなフォトマスクを用いることで、第2塗布膜の位置によって照射される紫外線の照射量に差をつけることができる。上述したように、紫外線の照射量に差をつけることで、変質工程において変質する第2塗布膜の厚さに差を設けることができ、ひいては第2有機層の層厚に差をつけることができる。例えば、有機エレクトロルミネセンス装置が複数の画素領域を有しており、赤色、緑色、青色など波長(色)の異なる光を射出するものである場合、色毎に最適な明るさや光強度が異なっている。これに対して、本発明によれば、色毎に第2有機層の層厚に差をつけることによって最適な明るさ、光強度で発光させることができる。このように、有機エレクトロルミネセンス装置を設計する上での選択の幅が広がるという利点がある。
本発明に係る有機エレクトロルミネセンス装置は、基板と、前記基板の表面に設けられた陽極と、前記陽極を覆うように前記基板上に設けられ、前記陽極に平面視で重なる位置に前記陽極の一部を露出する第1開口部を有する絶縁層と、正孔輸送性を有する部分が前記第1開口部内に収まるように前記陽極上に設けられた正孔輸送層と、前記正孔輸送層上に設けられた発光層と、前記絶縁層上に設けられ、前記第1開口部に平面視で重なる位置に第2開口部を有する隔壁と、前記隔壁を覆うように設けられ、前記発光層に電気的に接続された陰極とを具備することを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネセンス装置は、上記の有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法によって製造された場合の特有の構成を有している。上記の製造方法では、第1有機層(正孔輸送層)を形成する際に第1塗布膜の非変質部分を除去するため、その分形成された正孔輸送層の層厚が薄くなる。層厚が薄くなることにより、正孔輸送性を有する部分が隔壁の開口部(第2開口部)内まで形成されることが無く、絶縁層の開口部(第1開口部)内に全部収まるように形成されることになる。
特に、絶縁層の開口部の開口面積よりも隔壁の開口部の開口面積が大きい場合、液滴吐出法によって液滴を塗布すると、液滴が絶縁層の開口部内に収まりきらず、隔壁の開口部内にまで形成され、絶縁層の上面が覆われることが多い。絶縁層の上面が覆われた状態で正孔輸送層が形成されると、陽極からの正孔は絶縁層の上面に形成された部分にも供給されることになる。
正孔輸送層が絶縁層の上面に形成されると、当該正孔輸送層の上層である発光層も絶縁層の上面に形成されることになる。発光層のうち絶縁層の上面に形成された部分にも正孔が注入されるので、この部分においても発光することになる。有機エレクトロルミネセンス装置の望ましい発光領域は、陽極が露出している領域(第1開口部の領域)である。絶縁層の上面に形成された部分に正孔が注入されると、第1開口部の領域の外側で発光することになる。本来の発光領域である第1開口部よりも広い領域で発光するため、表示精度が低下してしまう。
これに対して、本発明によれば、正孔輸送層の正孔輸送性を有する部分が第1開口部内に収まるように設けられているので、本来の発光領域の外側で光が発光するのを回避することができる。これにより、表示精度の高い有機エレクトロルミネセンス装置を得ることができる。
また、前記発光層が、前記第1開口部内に収まるように設けられていることが好ましい。
本発明では、正孔輸送層の正孔輸送性を有する部分に加えて発光層の発光部分も第1開口部内収まるように設けられている。上述の製造方法では、第2有機層(発光層)を形成する際に第2塗布膜の非変質部分を除去するため、発光層についても層厚が薄く形成されることになる。本発明によれば、発光層の発光部分も第1開口部内収まっているので、第1開口部の領域の外側で発光するのを一層確実に回避することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。
(有機EL装置)
図1は、有機EL装置1の概略的な構成を示す断面図である。以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。本実施形態の有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタが設けられたアクティブマトリクス型の有機EL装置である。
有機EL装置1は、素子基板2と、有機EL層3と、保護層4とを主体として構成されている。この有機EL装置1は、素子基板2上に有機EL層3が形成され、当該有機EL層3を覆うように保護層4が形成された構成になっている。本実施形態では、有機EL層3からの光が素子基板2の方向に射出される、いわゆるボトムエミッション型の有機EL装置を例に挙げて説明する。
素子基板2は、基板5と、表面層6と、半導体層7と、ゲート絶縁層8と、ゲート電極9と、第1絶縁層10と、ソース電極11と、第2絶縁層12とを有している。
基板5は、例えばガラスや石英などの光を透過可能な材料からなる矩形の基板である。
表面層6は、基板5の表面に形成されており、例えば酸化シリコンや窒化シリコンなどからなる絶縁層である。
半導体層7は、例えばアモルファスシリコンからなる層であり、5つの領域に区分されている。半導体層7の図中左右方向の中央にはチャネル領域7aが設けられている。チャネル領域7aを基準としてソース側(図中右側)には、当該チャネル領域7aの図中右隣に低濃度ソース領域7bが設けられており、当該低濃度ソース領域7bの図中右隣に高濃度ソース領域7cが設けられている。チャネル領域7aのドレイン側(図中左側)には、当該チャネル領域7aの図中左隣に低濃度ドレイン領域7dが設けられており、当該低濃度ドレイン領域7dの図中左隣に高濃度ドレイン領域7eが設けられている。
ゲート絶縁層8は、表面層6及び半導体層7を覆うように設けられた絶縁層である。
ゲート電極9は、ゲート絶縁層8上に設けられた電極であり、半導体層7のチャネル領域7aに平面視で重なる位置に配置されている。図示を省略するが、ゲート電極9は例えば金属層が3層重なった多層構造になっており、下層(ゲート絶縁層8の直上)が窒化チタン層、中層がアルミニウム・銅の混合層、上層がチタン層になっている。
半導体層7、ゲート絶縁層8及びゲート電極9は、有機EL装置1のスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)を構成している。
第1絶縁層10は、例えば酸化シリコンや窒化シリコンからなり、ゲート絶縁層8及びゲート電極9を覆うように設けられている。
ソース電極11は、第1絶縁層10上に設けられた電極であり、第1絶縁層10及びゲート絶縁層8を貫通して形成されたコンタクトホール13を介して半導体層7の高濃度ソース領域7cに接続されている。ソース電極11は、単層の金属、あるいはゲート電極9と同様に、金属層が多層重なった構造になっており、例えば3層の場合、下層(第1絶縁層10の直上)がチタン層(又は窒化チタン層)、中層がアルミニウム・銅の混合層、上層がチタン層になっている。
第2絶縁層12は、例えば酸化シリコンや窒化シリコンからなり、第1絶縁層10及びソース電極11を覆うように設けられている。
素子基板2の第2絶縁層12上には、有機EL層3が設けられている。有機EL層3は、陽極21と、正孔輸送層(第1有機層)22と、発光層(第2有機層)23と、陰極24と、隔壁25と、絶縁層27とを主体として構成されている。
陽極21は、素子基板2の第2絶縁層12の直上に薄膜状に設けられており、導電性を有する金属酸化物で光を透過可能な材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの材料からなる。この陽極21は、第2絶縁層12、第1絶縁層10及びゲート絶縁層8の3つの絶縁層を貫通するコンタクトホール14を介して半導体層7の高濃度ドレイン領域7eに接続されている。
絶縁層27は、例えば窒化シリコンなどの絶縁部材からなり、陽極21を含めた素子基板2の第2絶縁層12の表面上に設けられている。この絶縁層27には、平面視でマトリクス状に配列された開口部26が設けられている。開口部26は、陽極21の一部を露出するように設けられている。
正孔輸送層22は、陽極21からの正孔を発光層23に注入する層であり、陽極21上に設けられている。正孔輸送層22は、絶縁層27の開口部26内に完全に収まるように設けられている。正孔輸送層22の上面22aの高さ位置(第2絶縁層12からの高さ)は、絶縁層27の上面27aの高さ位置よりも低い位置に設けられており、上面22aは平坦になっている。
この正孔輸送層22は、キャリア輸送性の有機化合物と架橋性の有機化合物とからなる。キャリア輸送性の有機化合物としては、従来公知の電子輸送性有機化合物および該電子輸送性有機化合物に官能基を導入したもの、例えば、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2,5−ビス(1−(2−オキサ−ペンテニル)ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾールや、2−(4−(2−オキサ−4−ペンテニル)フェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール等を用いることができる。架橋性の有機化合物としては、例えばポリメチルハイドロジェンシリコーン、ポリフェニルハイドロジェンシリコーンなどのポリシロキサン及びこれらの共重合物などを用いることができる。
また、キャリア輸送性の有機化合物として例えば[化1]に示すポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−アルト−(N、N’−ビス(4−ターシャリー−ブチルフェニル)−N、N’−ジフェニルベンジジン−4’、4’’−ジイル))(以下、PF8−TPDという)などのトリフェニルアミン誘導体やポリチオフェン誘導体を、架橋性の有機化合物として例えば[化2]に示すγグリシジルオキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング架橋剤を組み合わせて用いても構わない。
Figure 0004175397
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さらに、キャリア輸送性の有機化合物として二重結合基やエポキシ基、環状エーテル基を有する低分子架橋剤を用いても構わない。低分子架橋剤としては、紫外線照射、電子ビーム照射、プラズマ照射または加熱等によって架橋する架橋剤が好ましく用いられる。分子量が5000以下の低分子架橋剤を用いることが好ましく、さらに好ましくは、分子量が15〜3000の範囲内、特に好ましくは分子量が50〜1000の範囲内である。本発明において用いる低分子架橋剤は、少なくとも2つの官能基を有していることが好ましい。官能基をG、分子骨格をRで示すと、本発明における低分子架橋剤としては、例えば、[化3]に示す構造のものが用いられる。
Figure 0004175397
また、[化4]に示すような1つの官能基を有する架橋剤が含まれていてもよい。
Figure 0004175397
分子骨格Rとしては、例えば、[化5]及び[化6]に示す構造のものが挙げられる。
Figure 0004175397
Figure 0004175397
官能基が1つである架橋剤の場合、Rは、例えば、水素、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、ヘテロ環状化合物基などが好ましい。
官能基Gとしては、二重結合基、エポキシ基、環状エーテル基などが挙げられる。二重結合基としては、ビニール基、アクリレート基、メタクリレート基などが挙げられる。エポキシ基は、グリシジル基であってもよい。環状エーテル基としては、オキセタン基などが挙げられる。従って、官能基Gとしては、[化7]に示す構造のものが挙げられる。
Figure 0004175397
本発明における低分子架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、アクリレート類、メタクリレート類、ビニルアセテート、アクリロニトリル、アクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキンサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロポキシレートジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジメタクリレートなどが挙げられる。
発光層23は、正孔輸送層22からの正孔と陰極24からの電子とが結合して発光する層であり、正孔輸送層22上に設けられている。
この発光層23は発光性の有機化合物からなり、例えばフルオレン誘導体(又はポリフルオレン誘導体)、パラフェニレンビニレン誘導体(又はポリパラフェニレンビニレン誘導体)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
陰極24は、導電率及び光反射率の高い金属、例えばアルミニウムや銀などからなる電極であり、発光層23に電子を注入する電極である。陰極24は、発光層23で発光する光を基板5の側(図中下側)に反射する反射層としての機能も有している。この陰極24は、絶縁層27、隔壁25及び発光層23を含めた有機EL層3の表面全体に形成されている。
(有機EL装置の製造方法)
次に、上記のように構成された有機EL装置1の製造方法を説明する。
まず、基板5上に表面層6、半導体層7、ゲート絶縁層8、ゲート電極9を順に形成し、第1絶縁層10、コンタクトホール13及びソース電極11、第2絶縁層、コンタクトホール14を形成する。その後、コンタクトホール14の表面に重なるように陽極21を成膜し、パターニング後隔壁25を形成する。
次に、隔壁25内に正孔輸送層22を形成する。この工程について具体的に説明する。
キャリア輸送性の材料である例えばPF8−TPDと、架橋性の材料である例えばγグリシジルオキシプロピルトリメトキシシランとを有機溶媒に溶解させた液状組成物を予め作製しておく。有機溶媒としては、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類などを用いることができる。
図2に示すように、この液状組成物をインクジェット法によって隔壁25内の陽極21上に吐出し、塗布膜40を形成して当該塗布膜40を乾燥させる。
塗布膜40を成膜したら、基板5の周囲を真空状態にして30分程度乾燥させた後、窒素雰囲気中のホットプレート上で塗布膜40を150℃程度の温度で10分間程度加熱する。図3に示すように、加熱により塗布膜40のうち陽極21の表面側の所定の厚さ部分が架橋化され硬化する。硬化した部分(硬化部分41)は、有機化合物を架橋化させることで陽極21の金属酸化物に含まれる酸素原子と架橋部分とが化学的に結合し、この部分においては有機溶媒に対して不溶となる。塗布膜40の表面側は加熱によっても硬化せず(非硬化部分42)、有機溶媒に対して可溶のままである。
基板5を加熱した後、図4に示すように、塗布膜40の非硬化部分42を除去する。例えば基板5上にトルエンなどの有機材料からなるリンス液を滴下し、このリンス液をスピンコート法によって基板5の表面全体に行き渡らせて非硬化部分42を洗い流す。このとき、例えば基板5の回転数を2000rpm程度とし、回転時間を30秒程度にする。塗布膜40の硬化部分41は有機溶媒に対して不溶であるから、非硬化部分42のみが洗い流され、硬化部分41は基板5上に残留する。リンス後は基板5上を乾燥させる。残留した硬化部分41が正孔輸送層22となる。
次に、隔壁25内に発光層23を形成する。上記の発光材料を上記の有機溶媒に溶解させた液状組成物を予め作成しておく。図5に示すように、この液状組成物の塗布膜50をインクジェット法によって隔壁25内の正孔輸送層22上に吐出成膜する。正孔輸送層22は上述の硬化部分41であり、有機溶媒に対して不要であるから、この有機溶媒が正孔輸送層22を溶解することは無い。吐出成膜した塗布膜50を加熱・乾燥させて発光層23を形成する。
発光層23の形成後、陰極24をEL素子上に全面形成して有機EL層3を形成する。さらに、当該有機EL層3を覆うように樹脂封止と保護層4を形成して、有機EL装置1が完成する。
このように、本実施形態によれば、正孔輸送層22を構成する材料を有機溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜40を陽極21上に形成し、塗布膜40のうち対象面側の所定の厚さ部分を当該有機溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように硬化させて硬化部分41を形成し、塗布膜40のうち硬化していない非硬化部分42をトルエンなどによって除去して正孔輸送層22を形成するので、硬化部分41が残留し、当該硬化部分41が層厚の均一な正孔輸送層22になる。層厚の均一な正孔輸送層22上に発光層23を形成するので、発光層23に均一に正孔が注入されることになる。これにより、発光ムラを無くすことが可能となる。
本実施形態の有機EL装置1は、上記の製造工程を経て製造された場合の特有の構成を有している。上記の製造工程では、正孔輸送層22を形成する際に塗布膜40の非変質部分42を除去するため、その分形成された正孔輸送層22の層厚が薄くなる。層厚が薄くなることにより、正孔輸送性を有する部分が隔壁25の開口部28内まで形成されることが無く、絶縁層27の開口部26内に全部収まるように形成されることになる。
有機EL装置1は、絶縁層27の開口部26の開口面積よりも隔壁25の開口部の開口面積が大きく、液滴吐出法によって液滴を塗布すると、液滴が絶縁層27の開口部26内に収まりきらず、隔壁25の開口部28内にまで形成され、絶縁層27の上面27aが覆われることになる。絶縁層27の上面27aが覆われた状態で正孔輸送層22が形成されると、陽極21からの正孔は絶縁層27の上面27aに形成された部分にも供給されることになる。
正孔輸送層22が絶縁層27の上面27aに形成されると、当該正孔輸送層22の上層である発光層23も絶縁層27の上面27aに形成されることになる。発光層23のうち絶縁層27の上面27aに形成された部分にも正孔が注入されるので、この部分においても発光することになる。有機EL装置1の望ましい発光領域は、陽極21が露出している領域(開口部26の領域)である。絶縁層27の上面27aに形成された部分に正孔が注入すると、開口部26の領域の外側で発光することになる。本来の発光領域である第1開口部よりも広い領域で発光するため、表示精度が低下してしまう。
これに対して、本実施形態によれば、正孔輸送層22が開口部26内に収まるように設けられているので、開口部26の領域の外側で光が発光するのを回避することができる。これにより、表示精度の高い有機EL装置1を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。また、第1実施形態と同一の構成要素については、その説明を省略する。本実施形態では、有機EL装置の発光層の構成及び有機EL装置の製造工程において正孔輸送層を形成した後の工程が第1実施形態と異なっているため、この点を中心に説明する。
図8は、本実施形態に係る有機EL装置101の構成を示す断面図である。発光層123以外の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
発光層123は、絶縁層127の開口部126内に正孔輸送層122に積層されるように設けられている。発光層123の材料は、第1実施形態の発光性有機化合物と、架橋性の有機化合物とを適宜組み合わせることができる。発光層123の上面123aの高さ位置(第2絶縁層112からの高さ)は、絶縁層127の上面127aの高さ位置よりも低い位置に設けられており、上面123aは平坦になっている。すなわち、本実施形態では、正孔輸送層122と同様、発光層123についても、絶縁層127の開口部126内に完全に収容されるように設けられている。
次に、このように構成された有機EL装置101の製造工程を説明する。本実施形態では、正孔輸送層122の形成(図9に示す状態)までは第1実施形態と同様であるため説明を省略し、正孔輸送層122の形成以降の工程を中心に説明する。
発光材料を有機溶媒に溶解させた液状組成物を予め作成しておく。発光材料及び有機溶媒については、第1実施形態で用いたものと同様のものを用いる。図10に示すように、この液状組成物の塗布膜150をインクジェット法によって隔壁125内の正孔輸送層22上に吐出成膜する。
塗布膜150を成膜したら、基板102の周囲を真空状態にして30分程度乾燥させた後、窒素雰囲気中のホットプレート上で塗布膜150を150℃程度の温度で10分間程度加熱する。図11に示すように、加熱により塗布膜150のうち正孔輸送層122の表面側の所定の厚さ部分が架橋化されて硬化する。硬化した部分(硬化部分151)は、有機溶媒に対して不溶となる。塗布膜150の表面側は、加熱によっても硬化せず(非硬化部分152)、有機溶媒に対して可溶のままである。
基板102を加熱した後、図12に示すように、塗布膜150の非硬化部分152を除去する。正孔輸送層122の形成時と同様、トルエンなどのリンス液を基板102上に滴下し、リンス液をスピンコート法によって基板102の表面全体に行き渡らせて非硬化部分152を洗い流す。基板5の回転数及び回転時間については、正孔輸送層122の形成時と同様である。塗布膜150の硬化部分151は有機溶媒に対して不溶であるから、非硬化部分152のみが洗い流され、硬化部分151は正孔輸送層122上に残留する。リンス後は基板102上を乾燥させる。残留した硬化部分151が発光層123である。その後は、第1実施形態と同様の工程を経て有機EL装置101が完成する。
本実施形態によれば、発光層123の形成において、当該発光層123を構成する材料を有機溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜150を正孔輸送層122上に形成し、塗布膜150のうち第1有機層の表面側の所定の厚さ部分をトルエンなどの溶媒に溶解しないように硬化させ、塗布膜150の非硬化部分152を当該トルエンなどの溶媒によって除去することとしたので、硬化部分151が残留し、当該硬化部分151が層厚の均一な発光層123になる。正孔輸送層122に加えて発光層123についても層厚が均一になるため、発光の均一性が極めて高い有機EL装置101を製造することができる。
また、本実施形態によれば、正孔輸送層122と共に発光層123についても絶縁層127の開口部126内に収まるように設けられており、開口部126の外側には設けられていないため、発光領域が広がってしまうのを回避することができる。これにより、表示精度の低下を回避することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。また、第1実施形態と同一の構成要素については、その説明を省略する。本実施形態では、有機EL装置の正孔輸送層並びに発光層の構成、有機EL装置の製造工程において正孔輸送層並びに発光層の形成方法が第1実施形態と異なっているため、この点を中心に説明する。
図13は、本実施形態に係る有機EL装置201の構成を示す断面図である。
本実施形態では、陽極221上に設けられた正孔輸送層222及び発光層223が共に絶縁層227の開口部226内に完全に収容されるように設けられており、当該正孔輸送層222及び発光層223の層厚が画素によって異なった構成になっている。陰極224は、隔壁225の全面及び絶縁層227の一部を覆うように設けられ、絶縁層227の開口部226内を埋めると共に、当該開口部226内では発光層223の上面223aの全面に接するように設けられている。図13においては、図中左側から右側に移るにつれて正孔輸送層122及び発光層123の層厚が徐々に薄くなっている。
正孔輸送層222は、第1実施形態で示したキャリア輸送性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基などの架橋性有機化合物とを含んでいる。発光層223は、第1実施形態で示した発光性有機化合物と、正孔輸送層222と同様の二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基などの架橋性有機化合物とを含んでいる。
次に、このように構成された有機EL装置201の製造工程を説明する。本実施形態では、正孔輸送層222の形成を中心に説明する。
第1実施形態で示したキャリア輸送性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基などの架橋性有機化合物とを有機溶媒に溶解させた液状組成物を予め作製しておく。有機溶媒については第1実施形態と同様のもので構わない。
この液状組成物をインクジェット法によって隔壁225内の陽極221上に吐出し、塗布膜240を形成する。
塗布膜240を成膜したら、基板202の周囲を真空状態にして30分程度乾燥させた後、大気圧下において塗布膜240に一定時間紫外線を照射する。塗布膜240に紫外線を照射することによって、塗布膜240に含まれる架橋性有機化合物が架橋反応を起こし、有機溶媒に対して不溶化する(変質部分241)。
紫外線を照射する際には、部分的に光透過率が異なるように構成されたフォトマスク250を用いるようにする。例えば、フォトマスク250のうち図14中左側の画素230aに平面視で重なる領域250aでは光透過率が最も高くなっており、図14中右側の画素230cに平面視で重なる領域250cでは光透過率が最も低くなっている。図14中中央の画素230bに平面視で重なる領域250bでは光透過率は領域250aよりも低く領域250cよりも高くなっている。このため、左側の画素230aに照射される紫外線の光量が最も大きく、中央の画素230bに照射される紫外線の光量が次に大きく、右側の画素230cに照射される紫外線の光量が最も小さくなる。
このように画素によって紫外線の照射量に差をつけながら一定時間照射すると、塗布膜240の変質部分241の層厚に差が生じる。具体的には、紫外線の光量が最も大きい左側の画素230aに形成された変質部分241の層厚が最も厚くなり、紫外線の光量が次に大きい中央の画素230bに形成された変質部分241の層厚がその次に厚くなり、紫外線の光量が最も小さい右側の画素230cに形成された変質部分241の層厚が最も薄くなる。つまり、紫外線の照射量が大きいほど、変質部分241の層厚は厚く形成されることになる。
塗布膜240に変質部分240aを形成した後、塗布膜240の変質部分241を除去する。例えば素子基板202上にトルエンなどの有機材料からなるリンス液を滴下し、このリンス液をスピンコート法によって素子基板202の表面全体に行き渡らせて非変質部分242を洗い流す。塗布膜240の変質部分241は有機溶媒に対して不溶であるから、非変質部分242のみが洗い流され、変質部分241は素子基板202上に残留する。リンス後は素子基板202上を乾燥させる。残留した変質部分241が正孔輸送層222となる。
次に、隔壁225内に発光層223を形成する。上記の発光材料を上記の有機溶媒に溶解させた液状組成物を予め作成しておき、この液状組成物の塗布膜をインクジェット法によって隔壁225内の正孔輸送層222上に吐出成膜する。正孔輸送層222は上述の変質部分241であり、有機溶媒に対して不要であるから、この有機溶媒が正孔輸送層222を溶解することは無い。正孔輸送層222の形成時と同様、吐出成膜した塗布膜に紫外線を照射して、塗布膜のうち正孔輸送層222側の所定の厚さ部分に架橋反応を起こさせて有機溶媒に対して不溶化となるように変質させる。変質部分を形成した後、塗布膜の非変質部分をトルエンなどの有機溶媒によって除去する。変質部分はトルエンに溶解せずに残留する。残留した変質部分が発光層223となる。
発光層223の形成後、陰極224をEL素子上に全面形成して有機EL層203を形成する。さらに、当該有機EL層203を覆うように樹脂封止と保護膜(図示せず)を形成して、有機EL装置201が完成する。
このように、本実施形態によれば、正孔輸送層222及び発光層223を形成する塗布膜には、発光性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基のうち少なくとも1種類を含む架橋性有機化合物とが含まれており、塗布膜に含まれるこれら架橋性有機化合物に紫外線を照射することによって架橋させることとしたので、所定の厚さ部分における架橋反応を確実に発生させることができる。紫外線の照射の照射強度や照射時間を調節することによって、塗布膜の全部を架橋せずに架橋させる部分の厚さを調節することが可能となる。
特に、架橋性有機化合物に紫外線を照射する場合に当該紫外線の透過率が場所によって異なるようなフォトマスク250を用いているので、画素毎に当該変質部分241の層厚に差を設けることができる。例えば、有機EL装置201が赤色、緑色、青色など波長(色)の異なる光を射出するものである場合、色毎に正孔輸送層222や発光層223の厚さに差を設けることができ、有機EL装置201の設計の幅が広がるという利点がある。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態においては、有機EL装置について説明したが、これに限られることは無く、例えば有機トランジスタにおいても本発明の適用は可能である。
有機トランジスタを構成する有機半導体層の形成材料としては、特にC60やC82、金属を内包した金属内包フラーレンなどが好適に用いられる。金属内包フラーレンとしては、例えばディスプロシウム(Dy)を内包したフラーレン(以下、Dy@C82と記す)等のフラーレン類が挙げられる。これ以外にも、ペンタセンやオリゴチオフェン等の有機低分子、ポリチオフェン等の有機高分子、フタロシアニン等の金属錯体、及びカーボンナノチューブ類等も用いられる。
このような有機半導体層に対し、アンバイポーラ特性を付与する電圧制御層を構成する材料については、有機半導体層の形成材料に応じて適宜に選択され使用される。具体的には、有機半導体層がフラーレン類からなる場合、シラン化合物が好適に用いられる。シラン化合物としては、例えば、R1(CH)mSiR2nX3−n(mは自然数、nは1または2)の一般式で表されるシラン化合物が用いられる。このような一般式で表されるシラン化合物において、Xをハロゲンまたはアルコキシ基等とすると、ゲート絶縁膜として好適に用いられるSiO、Al等の酸化物表面に容易に化学吸着し、緻密で強固な超薄膜(単分子膜)を形成する。また、この結果、末端基R1は電圧制御層の表面に配置され、したがってフラーレン等からなる有機半導体層との化学的親和力も高くなる。また、R2は、水素、メチル基(−CH)等のアルキル基またはその誘導体である。
このような電圧制御層において、特にフラーレン類からなる有機半導体層にアンバイポーラ特性を良好に付与し得るシラン化合物としては、例えば前記式においてR1がメチル基(−CH)、あるいはトリフルオロメチル基(−CF)であるものが好ましい。これらの電圧制御層は、有機半導体層に対してアンバイポーラ特性を付与するのに加えて、有機薄膜トランジスタの閾値電圧を制御する作用も奏する。具体的には、R1を適宜に変えることにより、有機半導体層の閾値電圧特性を制御することができる。
上記実施形態では、ボトムエミッション型の有機EL装置を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、発光層からの光が基板と反対側に射出されるトップエミッション型の有機EL装置であっても、本発明の適用は勿論可能である。また、有機EL装置や有機トランジスタだけではなく、有機半導体層を有する太陽電池などのデバイスにも本発明の適用は可能である。
上記実施形態では、正孔輸送層22に含まれるキャリア輸送性の有機化合物として二重結合基やエポキシ基、環状エーテル基を有する低分子架橋剤を用いた場合に、加熱によって架橋させる例及び紫外線照射によって架橋させる例を挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えばプラズマ照射、電子ビーム照射によって架橋させるようにしても構わない。
次に、第1実施形態における有機EL装置1についての実施例を説明する。
図7は、図1に示す有機EL装置1のうち一つの画素における断面図である。同図は、インクジェット法によって形成される正孔輸送層の表面の変化を示している。
表面(1)は、インクジェット法により塗布膜40を形成して加熱し、硬化部分41を形成した直後に当該塗布膜40の膜厚を測定した結果である。表面(2)は、表面(1)で示した塗布膜40の非硬化部分をリンス液によって除去した後、残留した硬化部分の膜厚を測定した結果である。
表面(1)に示すように、隔壁25の側面25bから開口部28の中央部分にかけて、塗布膜40の厚さ徐々に厚くなっており、中央部分でピークに達している。つまり、塗布膜40が画素の中央部分で盛り上がった形状に形成されていることを示している。インクジェット法により塗布膜40を形成して加熱しただけでは、このように膜厚に分布が形成されてしまうことを示している。
この表面(1)は、絶縁層27の開口部26の側面27b及び絶縁層27の上面27aをも覆った状態になっている。つまり、塗布膜40が絶縁層27の上面27a及び側面27bにも形成されており、塗布膜40のうち陽極21上に形成された部分と上面27aに形成された部分とが側面27bに形成された部分を介して一体的に形成されていることを示している。
これに対して、表面(2)が示すように、隔壁25の側面25bから中央部分にかけて、塗布膜40が陽極21上に均一な膜厚で形成されている。均一な膜厚の塗布膜40が正孔輸送層22となるため、正孔輸送層22内の電流密度の分布が均一になる。したがって、画素内で発光ムラが生じることは無い。
また、開口部26の側面27b及び絶縁層27の上面27aでは、塗布膜40が絶縁層27の上面27a及び側面27bには形成されていないことを示している。正孔輸送性を有する部分は陽極21上に形成された部分のみである。このため、陽極21からの正孔は、絶縁層27の開口部26の領域内にのみ供給されることになる。正孔輸送層22上に発光層23を形成した場合であっても、画素内の発光領域の外側の領域が発光することは無く、表示精度の低下を回避することができる。
本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の全体構成を示す断面図。 本実施形態に係る有機EL装置の製造過程を示す工程図。 同、工程図。 同、工程図。 同、工程図。 同、工程図。 有機EL装置の製造過程における正孔輸送層の膜厚の変化を示す図。 本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の全体構成を示す断面図。 本実施形態に係る有機EL装置の製造工程を示す工程図。 同、工程図。 同、工程図。 同、工程図。 同、工程図。 同、工程図。
符号の説明
1…有機EL装置 2…素子基板 3…有機EL層 21…陽極 22…正孔輸送層 23…発光層 24…陰極 25…隔壁 26…開口部 27…絶縁層 28…開口部 40…塗布膜 41…硬化部分 42…非硬化部分 50…塗布膜

Claims (3)

  1. 少なくとも正孔輸送性を有する有機層と発光性を有する有機層とを含んだ複数の有機層と、前記複数の有機層を挟持する陰極及び陽極とを基板上に備えた有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法であって、
    前記複数の有機層のうち一の有機層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の塗布膜を対象面である前記陽極の表面に形成する塗布膜形成工程と、
    前記塗布膜のうち前記対象面側の所定の厚さ部分を前記第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させる変質工程と、
    前記塗布膜のうち前記変質工程で変質していない非変質部分を前記所定の溶媒によって除去する除去工程と
    を具備し、
    前記陽極が、導電性を有する金属酸化物を主成分とし、
    前記塗布膜が、キャリア輸送性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基のうち少なくとも1種類を含む架橋性有機化合物とを含んでおり、
    前記変質工程では、前記塗布膜に含まれる前記架橋性有機化合物に紫外線を照射することによって前記金属酸化物に含まれる酸素原子と前記架橋性有機化合物の分子とを架橋させる
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法。
  2. 少なくとも正孔輸送性を有する第1有機層と発光性を有する第2有機層とを含んだ複数の有機層と、前記複数の有機層を挟持する陰極及び陽極とを基板上に備えた有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法であって、
    前記第1有機層を構成する材料を第1溶媒に溶解又は分散させた液状組成物の第1塗布膜を対象面である前記陽極の表面に形成する第1塗布膜形成工程と、
    前記第1塗布膜のうち前記対象面側の所定の厚さ部分を前記第1溶媒を含む所定の溶媒に溶解しないように変質させる第1変質工程と、
    前記第1塗布膜のうち前記第1変質工程で変質していない非変質部分を前記所定の溶媒によって除去する第1除去工程と
    を有する第1有機層形成工程と、
    前記第1有機層上に前記第2有機層を形成する第2有機層形成工程と
    を具備し、
    前記陽極が、導電性を有する金属酸化物を主成分とし、
    前記第1塗布膜が、キャリア輸送性有機化合物と、二重結合基、エポキシ基及び環状エーテル基のうち少なくとも1種類を含む架橋性有機化合物とを含んでおり、
    前記第1変質工程では、前記第1塗布膜に含まれる前記架橋性有機化合物に紫外線を照射することによって前記金属酸化物に含まれる酸素原子と前記架橋性有機化合物の分子とを架橋させる
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法。
  3. 前記塗布膜を複数形成し、
    複数の前記塗布膜のうち所定の異なる前記塗布膜に対しては、照射される光量が異なるように前記紫外線を照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス装置の製造方法。
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