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JP2005041982A - 発光材料、発光材料の精製方法および層形成方法 - Google Patents

発光材料、発光材料の精製方法および層形成方法 Download PDF

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JP2005041982A
JP2005041982A JP2003206954A JP2003206954A JP2005041982A JP 2005041982 A JP2005041982 A JP 2005041982A JP 2003206954 A JP2003206954 A JP 2003206954A JP 2003206954 A JP2003206954 A JP 2003206954A JP 2005041982 A JP2005041982 A JP 2005041982A
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compounds
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JP2003206954A
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Homare Shinohara
誉 篠原
Yuji Shinohara
祐治 篠原
Masamitsu Uehara
正光 上原
Masamitsu Shimazu
雅光 島津
Takashi Ishii
隆司 石井
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる発光材料、発光材料の精製方法および発光性能に優れる発光層を容易かつ確実に形成し得る層形成方法を提供すること。
【解決手段】有機EL素子1では、陽極3と陰極5との間に電圧を印加すると、正孔輸送層41中を正孔が、また、電子輸送層43中を電子が移動し、発光層42において正孔と電子とが再結合して発光層42が発光する。本発明の発光材料は、発光層42に用いられるものであり、これを用いて発光層42を形成したとき、発光層42中に含まれる金属不純物のうち最も多いものの含有量でも2.5ppm以下、または、これを2.0wt%となるように液体に溶解させたとき、この液体中に含まれる金属不純物のうち最も多いものの含有量でも50ppb以下とされている。これにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子が備える発光層に用いられる発光材料、発光材料の精製方法および層形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも一層の発光性有機層(有機エレクトロルミネッセンス層)が陰極と陽極に挟まれている構造を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する。)は、無機EL素子に比べて印加電圧を大幅に低下させることができ、多彩な発光色の素子が作製可能である。
【0003】
現在、より高性能な有機EL素子を得るため、材料の開発・改良をはじめ、様々なデバイス構造が提案されており、活発な研究が行われている。
また、この有機EL素子については既に様々な発光色の素子、また高輝度、高効率の素子が開発されており、表示装置の画素としての利用や光源としての利用など多種多様な実用化用途が検討されている。
しかしながら、実用化において、長期間の使用に伴う有機EL素子の発光輝度の減衰が問題となっており、対策技術の確立が望まれている。
【0004】
有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制する方法として、高純度の有機化合物を使用する方法が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の有機EL素子では、素子を構成する材料中のハロゲン含有化合物(不純物)の含有量を、1000ppm未満に抑えることにより、素子の長期使用に伴う発光輝度の減衰を抑制しようというものである。
ところが、有機EL素子における発光輝度の減衰と、材料中に含まれる不純物の種類およびその含有量との関係については、明確な指針はできておらず、実用化に向けて、更なる検討がなされているのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−175885号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる発光材料、発光材料の精製方法および発光性能に優れる発光層を容易かつ確実に形成し得る層形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の発光材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子が備える発光層に用いられる発光材料であって、
該発光材料を用いて、前記発光層を形成したとき、該発光層中に含まれる1種または2種以上の金属不純物のうち最も多いものの含有量が、2.5ppm以下であることを特徴とする。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる発光材料とすることができる。
本発明の発光材料では、前記発光層中の前記金属不純物の総含有量が、10ppm以下であることが好ましい。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる。
【0008】
本発明の発光材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子が備える発光層に用いられる発光材料であって、
該発光材料を2.0wt%となるように液体に溶解させたとき、該液体中に含まれる1種または2種以上の金属不純物のうち最も多いものの含有量が、50ppb以下であることを特徴とする。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる発光材料とすることができる。
【0009】
本発明の発光材料では、前記液体中の前記金属不純物の総含有量が、200ppb以下であることが好ましい。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる。
本発明の発光材料では、前記金属不純物は、金属元素または金属イオンであることが好ましい。
かかる金属不純物を除去することにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる発光材料とすることができる。
【0010】
本発明の発光材料では、前記金属は、典型金属元素であることが好ましい。
これらの金属不純物を除去することにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制する効果が、特に顕著に発揮される。
本発明の発光材料では、常温で固形物または半固形物であることが好ましい。これにより、有機EL素子の経時的変質・劣化を防止または抑制することができ、結果として、発光輝度の減衰の抑制効果を向上させることができる。
【0011】
本発明の発光材料では、透明電極上に、厚さ50nmの薄膜を形成し、前記薄膜上に金属電極を形成した素子に、6Vの印加電圧で10cd/m以上の輝度が得られることが好ましい。
かかる発光材料で構成した有機EL素子を、例えばディスプレイに適用した場合には、視認性の高い画像を得ることができる。
本発明の発光材料では、低分子の発光材料を含むことが好ましい。
低分子の発光材料を用いることにより、緻密な発光層が得られ、その結果、発光層の発光性能を向上させることができる。
【0012】
本発明の発光材料では、前記低分子の発光材料は、ベンゼン系化合物、ナフタレン系化合物、フェナントレン系化合物、クリセン系化合物、ペリレン系化合物、コロネン系化合物、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、ピラン系化合物、アクリジン系化合物、スチルベン系化合物、チオフェン系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ブタジエン系化合物、ナフタルイミド系化合物、クマリン系化合物、ペリノン系化合物、オキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、シクロペンタジエン系化合物、キナクリドン系化合物、ピリジン系化合物、スピロ化合物、フタロシアニン系化合物、フローレン系化合物および金属錯体よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0013】
本発明の発光材料では、高分子の発光材料を含むことが好ましい。
高分子の発光材料を用いることにより、比較的容易に溶剤へ溶解させることができるため、インクジェット印刷法等の各種塗布法により、発光層を容易に形成することができる。
本発明の発光材料では、前記高分子の発光材料は、ポリアセチレン系化合物、ポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ポリフルオレン系化合物、ポリパラフェニレン系化合物、ポリカルバゾール系化合物およびポリシラン系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種、または、前記群から選択される2種以上の化合物の共重合体であることが好ましい。
本発明の発光材料を用いて形成する前記発光層の厚さ(平均)は、10〜150nmであることが好ましい。
本発明の発光材料は、かかる比較的薄い発光層を形成する場合に、特に有用である。
【0014】
本発明の発光材料の精製方法は、発光材料を溶媒に溶解してなる溶液中から、金属不純物を分離または除去し得る除去手段により、金属不純物を除去した後、前記溶媒を除去して、前記発光材料の精製を行うことを特徴とする。
かかる方法によれば、比較的容易かつ短時間で、発光材料中から金属不純物の除去を行うことができる。また、用いる除去手段の種類を適宜選択するだけで、目的とする金属不純物を効率よくかつ確実に除去することができる。
【0015】
本発明の発光材料の精製方法は、本発明の発光材料を得るための発光材料の精製方法であって、
発光材料を溶媒に溶解してなる溶液中から、金属不純物を分離または除去し得る除去手段により、金属不純物を除去した後、前記溶媒を除去して、前記発光材料の精製を行うことを特徴とする。
かかる方法によれば、発光材料中の金属不純物の含有量を、目的とする範囲に調整することが容易である。
【0016】
本発明の層形成方法は、本発明の発光材料を用いて、発光層を形成する層形成方法であって、
前記発光材料を溶媒に溶解してなる溶液を、塗布、乾燥することにより、前記発光層を形成することを特徴とする。
これにより、発光性能に優れる発光層を、容易かつ確実に形成し得る。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の発光材料、発光材料の精製方法および層形成方法について説明する前に、本発明の発光材料を用いて形成される発光層を備える有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の一例について説明する。
【0018】
<有機EL素子>
図1は、有機EL素子の一例を示した縦断面図である。
図1に示す有機EL素子1は、透明な基板2と、基板2上に設けられた陽極3と、陽極3上に設けられた有機EL層4と、有機EL層4上に設けられた陰極5と、各前記層3、4、5を覆うように設けられた保護層6とを備えている。
【0019】
基板2は、有機EL素子1の支持体となるものであり、この基板2上に各前記層が形成されている。
基板2の構成材料としては、透光性を有し、光学特性が良好な材料を用いることができる。
このような材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような各種樹脂材料や、各種ガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
基板2の厚さ(平均)は、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
陽極3は、有機EL層4(後述する正孔輸送層41)に正孔を注入する電極である。また、この陽極3は、有機EL層4(後述する発光層42)からの発光を視認し得るように、実質的に透明(無色透明、有色透明、半透明)とされている。
【0021】
かかる観点から、陽極3の構成材料(陽極材料)としては、仕事関数が大きく、導電性に優れ、また、透光性を有する材料を用いるのが好ましい。
このような陽極材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
陽極3の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。陽極3の厚さが薄すぎると、陽極3としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陽極3が厚過ぎると、陽極材料の種類等によっては、光の透過率が著しく低下し、実用に適さなくなるおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
【0023】
一方、陰極5は、有機EL層4(後述する電子輸送層43)に電子を注入する電極である。
陰極5の構成材料(陰極材料)としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
このような陰極材料としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、陰極材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極材料として用いることにより、陰極5の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
【0024】
陰極5の厚さ(平均)は、1nm〜1μm程度であるのが好ましく、100〜400nm程度であるのがより好ましい。陰極5の厚さが薄すぎると、陰極5としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極5が厚過ぎると、発光効率が低下するおそれがある。
陽極3と陰極5との間には、有機EL層4が設けられている。有機EL層4は、正孔輸送層41と、発光層42と、電子輸送層43とを備え、これらがこの順で陽極3上に形成されている。
【0025】
正孔輸送層41は、陽極3から注入された正孔を発光層42まで輸送する機能を有するものである。
正孔輸送層41の構成材料(正孔輸送材料)としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD1)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD3)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)のようなアリールアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、オキサゾール系化合物、トリフェニルメタンのようなトリフェニルメタン系化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7,−トリニトロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリアニリンのようなアニリン系化合物、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)のようなチオフェン系化合物、ポリ(2,2’−チエニルピロール)、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのようなポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシアニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が挙げられる。
【0026】
なお、これらの化合物は、モノマーやオリゴマーとして用いることができ、また、これらの化合物を主鎖または側鎖に有するプレポリマーやポリマーとして用いることもできる。
また、その他の正孔輸送材料としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等を用いることもできる。
また、正孔輸送材料は、以上のような化合物のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
正孔輸送層41の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。正孔輸送層41の厚さが薄すぎると、ピンホールが生じショートするおそれがあり、一方、正孔輸送層41が厚過ぎると、正孔輸送層41が着色してしまい、有機EL素子1の発光色の色度(色相)が変化してしまうおそれがある。
【0028】
電子輸送層43は、陰極5から注入された電子を発光層42まで輸送する機能を有するものである。
電子輸送層43の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)ようなベンゼン系化合物(スターバースト系化合物)、ナフタレンのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセンのようなクリセン系化合物、ペリレンのようなペリレン系化合物、アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、チオフェン系化合物、ブタジエンのようなブタジエン系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、キノリンのようなキノリン系化合物、ビスチリルのようなビスチリル系化合物、ピラジン、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリンのようなキノキサリン系化合物、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノンのようなナフトキノン系化合物、アントラキノンのようなアントラキノン系化合物、オキサジアゾール、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)のようなオキサジアゾール系化合物、トリアゾール、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロンのようなアントロン系化合物、フルオレノン、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、ジフェノキノンのようなジフェノキノン系化合物、スチルベンキノンのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられる。
また、電子輸送材料は、以上のような化合物のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
電子輸送層43の厚さ(平均)は、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。電子輸送層43の厚さが薄すぎると、ピンホールが生じるおそれがあり、一方、電子輸送層43が厚過ぎると、抵抗値が高くなるおそれがある。
陽極3と陰極5との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層41中を正孔が、また、電子輸送層43中を電子が移動し、発光層42において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層42では、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
【0030】
この発光層42の構成材料(発光材料)としては、電圧印加時に陽極3側から正孔を、また、陰極5側から電子を注入することができ、正孔と電子が再結合する場を提供できるものであれば、いかなるものであってもよい。
また、発光材料は、常温で固形物または半固形物であるものが好ましい。これにより、有機EL素子1の経時的変質・劣化を防止または抑制することができ、結果として、発光輝度の減衰の抑制効果を向上させることができる。
【0031】
さらに、発光材料は、透明電極上に、厚さ50nmの薄膜を形成し、前記薄膜上に金属電極を形成した素子に、6Vの印加電圧で10cd/m以上(特に、100cd/m以上)の発光輝度が得られるものであるのが好ましい。かかる発光材料で構成した有機EL素子1を、例えばディスプレイに適用した場合には、視認性の高い画像を得ることができる。
【0032】
以上のような条件を満足する発光材料には、以下に示すような、各種低分子の発光材料、各種高分子の発光材料があり、本発明では、これらのうちの1種または任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、低分子の発光材料を用いることにより、緻密な発光層42が得られ、その結果、発光層42の発光性能を向上させることができる。また。高分子の発光材料を用いることにより、比較的容易に溶剤へ溶解させることができるため、インクジェット印刷法等の各種塗布法により、発光層42を容易に形成することができる。さらに、低分子の発光材料と高分子の発光材料とを組み合わせて用いることにより、緻密かつ発光性能に優れる発光層42を、インクジェット印刷法等の各種塗布法により、容易に形成することができる。
【0033】
低分子の発光材料としては、例えば、ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート) アルミニウム(III)(Almq)、トリス(4−メチル−8−ハイドロキシキノリン)アルミニウム、トリス−(5−クロロ−8−ハイドロキシ−キノリネイト)−アルミニウム、8−ヒドロキシキノリン 亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン プラチナム(II)のような各種金属錯体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
高分子の発光材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、ポリ[9,9’−ジヘキシル−2,7−(2−シアノビニレン)フルオレニレン]、ポリ[(9,9’−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(ビフェニル−4,4’−ジイル)]のようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、前記化合物の2種以上を組み合わせる場合は、共重合体として用いるのが好ましい。その他、2種以上の前記化合物は、ブレンド体、ポリマーアロイ等として用いることもできる。これらのものは、溶剤に可溶であるため、インクジェット印刷法等の各種塗布法への適用に優れている。
【0035】
発光層42の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。発光層の厚さを前記範囲とすることにより、正孔と電子との再結合が効率よくなされ、発光層42の発光効率をより向上させることができる。
また、本発明の発光材料は、かかる比較的薄い発光層42を形成する場合に、特に有用である。
【0036】
なお、本実施形態では、発光層42は、正孔輸送層41および電子輸送層43と別個に設けられているが、正孔輸送層41と発光層42とを兼ねた正孔輸送性発光層や、電子輸送層43と発光層42とを兼ねた電子輸送性発光層とすることもできる。この場合、正孔輸送性発光層の電子輸送層43との界面付近が、また、電子輸送性発光層の正孔輸送層41との界面付近が、それぞれ、発光層42として機能する。これらの正孔輸送性発光層および電子輸送性発光層には、それぞれ、本発明の発光材料のうち、電子および正孔(キャリヤ)の輸送機能を有するものを適宜選択して使用することができる。
このように、本発明の発光材料は、単に発光に寄与する材料のみならず、キャリヤ注入機能やキャリヤ輸送機能を併有する材料をも含む。
【0037】
また、正孔輸送性発光層を用いた場合には、陽極から正孔輸送性発光層に注入された正孔が電子輸送層によって閉じこめられ、また、電子輸送性発光層を用いた場合には、陰極から電子輸送性発光層に注入された電子が電子輸送性発光層に閉じこめられるため、いずれも、正孔と電子との再結合効率を向上させることができるという利点がある。
また、各層3、4、5同士の間には、任意の目的の層が設けられていてもよい。例えば、正孔輸送層41と陽極3との間には銅フタロシアニン等で構成される正孔注入層を、また、電子輸送層43と陰極5との間にはLiF等で構成される電子注入層等を設けることができる。
【0038】
保護層6は、有機EL素子1を構成する各層3、4、5を覆うように設けられている。この保護層6は、有機EL素子1を構成する各層3、4、5を気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。保護層6を設けることにより、有機EL素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止等の効果が得られる。
保護層6の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、保護層6の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、保護層6と各層3、4、5との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。
【0039】
この有機EL素子1は、例えばディスプレイ用として用いることができるが、その他にも光源等としても使用可能であり、種々の光学的用途等に用いることが可能である。
また、有機EL素子1をディスプレイに適用する場合、その駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
【0040】
このような有機EL素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、基板2を用意し、この基板2上に陽極3を形成する。
陽極3は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
【0041】
[2] 次に、陽極3上に正孔輸送層41を形成する。
正孔輸送層41は、例えば、前述したような正孔輸送材料を溶媒に溶解してなる正孔輸送層材料を、陽極3上に塗布して形成することができる。
この塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。かかる塗布法によれば、正孔輸送層41を比較的容易に形成することができる。
【0042】
正孔輸送材料を溶解する溶媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
【0043】
得られた塗膜には、必要に応じて、例えば大気中、不活性雰囲気中、減圧(または真空)下等において熱処理を施すようにしてもよい。これにより、例えば、塗膜の乾燥(脱溶媒)、正孔輸送材料の重合等を行うことができる。なお、塗膜は、熱処理によらず乾燥してもよい。
また、低分子の正孔輸送材料を用いる場合、正孔輸送層材料中には、必要に応じて、バインダー(高分子バインダー)を添加するようにしてもよい。
【0044】
バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害せず、かつ、可視光の吸収率が低いものを用いるのが好ましく、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリビニリデンフロライド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、このバインダーには、前述したような高分子の正孔輸送材料を用いるようにしてもよい。
なお、低分子の正孔輸送材料を用いる場合、正孔輸送層41は、例えば真空蒸着法等を用いて形成することもできる。
【0045】
[3] 次に、正孔輸送層41上に発光層42を形成する。
発光層42は、正孔輸送層41と同様にして形成することができる。すなわち、発光層42は、前述したような発光材料を用いて、正孔輸送層41で説明したような方法により形成することができる。
具体的には、発光材料を溶媒に溶解してなる発光層材料(発光層形成用材料)を、正孔輸送層41上に、塗布、乾燥することにより形成することができる。
[4] 次に、発光層42上に電子輸送層43を形成する。
電子輸送層43は、正孔輸送層41と同様にして形成することができる。すなわち、電子輸送層43は、前述したような電子輸送材料を用いて、正孔輸送層41で説明したような方法により形成することができる。
【0046】
[5] 次に、電子輸送層43上に陰極5を形成する。
陰極5は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[6] 次に、陽極3、有機EL層4および陰極5を覆うように、保護層6を形成する。
保護層6は、例えば、前述したような材料で構成される箱状の保護カバーを、各種硬化性樹脂(接着剤)で接合すること等により形成する(設ける)ことができる。
硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、反応性硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂のいずれも使用可能である。
以上のような工程を経て、有機EL素子1が製造される。
【0047】
次に、本発明の発光材料および発光材料の精製方法について説明する。
<発光材料>
本発明の発光材料は、前述したような有機EL素子1が備える発光層42に用いられるものである。
本発明者は、有機EL素子1の発光輝度の減衰を抑制すべく、有機EL素子1を構成する各層の構成材料の中でも、特に、発光材料に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者は、発光材料中に含まれる不純物、その中でも、金属不純物の含有量を所定量以下に抑えることにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を効果的に抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0048】
すなわち、本発明の発光材料では、A:これを用いて発光層42を形成したとき、この発光層42中に含まれる金属不純物のうち最も多いものの含有量でも、2.5ppm以下(好ましくは2.0ppm以下)であるように、または、B:これを2.0wt%となるように液体に溶解させたとき、この液体中に含まれる金属不純物のうち最も多いものの含有量でも、50ppb以下(好ましくは40ppb以下)であるようにした。
これにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を抑制することができ、その結果、有機EL素子1は、長期間に亘って良好な発光特性を維持することができるようになる。これは、不純物に起因する副反応を抑制できることが大きな要因の一つであるものと推察される。
【0049】
また、発光材料が複数種の金属不純物を含有する場合、金属不純物の発光層42中における総含有量は、10ppm以下であるのが好ましく、5ppm以下であるのがより好ましい。また、金属不純物の2.0wt%液体中における総含有量は、200ppb以下であるのが好ましく、100ppb以下であるのがより好ましい。
【0050】
発光層42中および2.0wt%液体中における金属不純物の総含有量を、それぞれ前記範囲とすることにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる。
除去すべき金属不純物は、金属元素または金属イオンであるのが好ましい。かかる金属不純物を除去することにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる発光材料とすることができる。
【0051】
このような金属不純物を構成する金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Sc、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Al、Ga、In、Tl、Pbのような典型金属元素、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、OsIr、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hgのような遷移金属元素が挙げられるが、これらの中でも、典型金属元素、特に、Mg、Ca、Al、Naであるのが好ましい。これらの金属の金属不純物を除去することにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を抑制する効果が、特に顕著に発揮される。
【0052】
<発光材料の精製方法>
発光材料中から金属不純物を除去する方法(除去方法)としては、低分子の発光材料の場合と、高分子の発光材料の場合とで、それぞれ、例えば、次のような方法を用いることができる。
すなわち、低分子の発光材料の場合、除去方法としては、例えば、電界分離法、中和法、昇華精製法、再結晶法、再沈精製法、金属不純物を分離または除去し得る除去手段を用いる方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
ここで、除去手段としては、例えば、フィルタ、カラム充填剤、透析膜(透析器)、密度勾配を形成した媒体等が挙げられる。すなわち、除去手段を用いる除去方法としては、例えば、フィルトレーション法、吸着クロマトグラフィー法、イオン交換クロマトグラフィー法、分配(順相または逆相)クロマトグラフィー法、分子ふるいクロマトグラフィー法(ゲルろ過法)、向流分配クロマトグラフィー法、液滴向流分配クロマトグラフィー法のような各種クロマトグラフィー法、密度勾配遠心分離法のような遠心分離法、限外ろ過法、透析法等が挙げられる。
【0054】
一方、高分子の発光材料の場合、除去方法には、フィルトレーション法、限外ろ過法、透析法等の除去手段を用いる除去方法が好適に用いられる。
これらの中でも、金属不純物の除去方法としては、除去手段を用いる除去方法(本発明の発光材料の精製方法)を用いるのが好ましく、特に、フィルトレーション法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、比較的容易かつ短時間で、発光材料中から金属不純物の除去を行うことができる。また、用いるフィルタ(除去手段)の種類を適宜選択するだけで、目的とする金属不純物を効率よくかつ確実に除去することができる。
【0055】
以下、金属不純物の除去方法として、フィルトレーション法を用いる場合を代表に説明する。
フィルトレーション法では、発光材料を溶媒に溶解してなる精製用溶液をフィルタに通し、精製用溶液中からフィルタにより金属不純物を分離、除去した後、溶媒を除去して、発光材料の精製を行う。これにより、発光材料中の金属不純物の含有量を、目的とする範囲(好ましくは、前述したような範囲)に調整する。かかる方法によれば、発光材料中の金属不純物の含有量を、前述したような範囲に調整することが容易である。
【0056】
精製用溶液の調製には、有機EL素子1の製造方法(正孔輸送層41の形成工程)で挙げた溶媒と同様のものを用いることができる。
フィルトレーション法で用いるフィルタとしては、各種のものが使用可能であるが、特に、陽イオン交換樹脂を主材料としてなるものを用いるのが好ましい。
これにより、目的とする金属不純物を、発光材料中から効率よく除去することができる。
【0057】
陽イオン交換樹脂には、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、重金属を選択的に除去し得るキレート樹脂等があり、これらは、例えば、スチレン系、メタクリル系、アクリル系等の各種ポリマーの主鎖に、−SOM、−COOM、−N=(CHCOO)M等の各種の官能基が導入されてなるものを用いることができる。なお、官能基は、陽イオン交換樹脂の種類等によって適宜選択される。
【0058】
精製用溶液をフィルタに通す際の速度(通液速度)は、特に限定されないが、1〜1000mL/min程度であるのが好ましく、50〜100mL/min程度であるのがより好ましい。精製用溶液の通液速度を前記範囲とすることにより、金属不純物の除去をより効率よく行うことができる。
また、精製用溶液の温度(溶液温度)も、特に限定されないが、金属不純物の除去操作に支障をきたさない範囲で高い方がよく、0〜80℃程度であるのが好ましく、10〜25℃程度であるのがより好ましい。溶液温度を前記範囲とすることにより、金属不純物の除去をより効率よく行うことができる。
【0059】
また、この場合、精製用溶液は、フィルタに1回だけ通すのではなく、複数回フィルタに通すようにしてもよいし、異なる種類の複数枚のフィルタに通すようにしてもよいし、これらを組み合わせるようにしてもよい。これにより、金属不純物をより効率よく除去することができる。
また、精製後の精製用溶液は、溶媒を除去することなく、そのまま有機EL素子1の製造に供するようにしてもよい。
以上、本発明の発光材料、発光材料の精製方法および層形成方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0060】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[発光材料の精製]
(実施例1)
発光材料として、ポリ[9,9’−ジヘキシル−2,7−(2−シアノビニレン)フルオレニレン](重量平均分子量:120,000)を準備した。
【0061】
次に、この発光材料を2.0wt%となるようにトルエンに溶解して、発光材料溶液を調製した。
この発光材料溶液を、6枚のフィルタを備えたカラム中に、溶液温度20℃、通液速度50mL/minで通すことにより、金属不純物を除去した。
なお、各フィルタには、いずれも、スチレン系スルホン酸形の強酸性陽イオン交換樹脂製のものを用いた。
【0062】
(実施例2)
6枚のフィルタとして、いずれも、メタクリル系カルボン酸形の弱酸性陽イオン交換樹脂製のものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
(実施例3)
6枚のフィルタとして、いずれも、アクリル系カルボン酸形の弱酸性陽イオン交換樹脂製のものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
【0063】
(実施例4)
前記実施例1と同様のフィルタを3枚、前記実施例2と同様のフィルタを3枚用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
(実施例5)
前記実施例1と同様のフィルタを3枚、前記実施例3と同様のフィルタを3枚用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
【0064】
(実施例6)
前記実施例2と同様のフィルタを3枚、前記実施例3と同様のフィルタを3枚用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
(実施例7)
前記実施例1と同様のフィルタを2枚、前記実施例2と同様のフィルタを2枚、および、前記実施例3と同様のフィルタを2枚用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
【0065】
(実施例8)
前記実施例1と同様のフィルタを2枚、前記実施例2と同様のフィルタを2枚、および、スチレン系イミノ二酢酸形のキレート樹脂製のフィルタを2枚用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
(実施例9)
前記実施例1と同様のフィルタを2枚、前記実施例3と同様のフィルタを2枚、および、スチレン系イミノ二酢酸形のキレート樹脂製のフィルタを2枚用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
(実施例10)
前記実施例2と同様のフィルタを2枚、前記実施例3と同様のフィルタを2枚、および、スチレン系イミノ二酢酸形のキレート樹脂製のフィルタを2枚用いた以外は、前記実施例1と同様にして、発光材料の精製を行った。
【0066】
(実施例11〜20)
発光材料として、前記実施例1と同様の発光材料と、ポリ[(9,9’−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(ビフェニル−4,4’−ジイル)](重量平均分子量:20,000)とを、50:50(重量比)で混合した発光材料を用いた以外は、前記実施例1〜10と同様にして、発光材料の精製を行った。
【0067】
(実施例21〜30)
発光材料として、前記実施例1と同様の発光材料と、トリス(4−メチル−8−ハイドロキシキノリン)アルミニウムとを、90:10(重量比)で混合した発光材料を用いた以外は、前記実施例1〜10と同様にして、発光材料の精製を行った。
【0068】
(実施例31〜40)
発光材料として、前記実施例1と同様の発光材料と、トリス(4−メチル−8−ハイドロキシキノリン)アルミニウムと、トリス−(5−クロロ−8−ハイドロキシ−キノリネイト)−アルミニウムとを、85:10:5(重量比)で混合した発光材料を用いた以外は、前記実施例1〜10と同様にして、発光材料の精製を行った。
【0069】
(比較例1)
前記実施例1と同様の発光材料を用意したが、その精製を省略した。
(比較例2)
前記実施例11と同様の発光材料を用意したが、その精製を省略した。
(比較例3)
前記実施例21と同様の発光材料を用意したが、その精製を省略した。
(比較例4)
前記実施例31と同様の発光材料を用意したが、その精製を省略した。
【0070】
[評価]
1.金属不純物含有量の測定
各実施例1〜40で得られた精製後の発光材料溶液、および、比較例1〜4の未精製の発光材料溶液中の金属不純物の含有量を、それぞれ、Inductively coupled plazma mass spectroscopy法(ICP−MS法)を用いて測定した。
具体的には、石英製のるつぼに、前記発光材料溶液を0.5g秤量し、ホットプレートおよび電気炉にて、順次灰化処理を行った。次に、灰化物を硝酸で加熱分解した後、希硝酸で定容し、得られた定溶液をICP−MS法により分析した。
【0071】
この分析結果は、金属不純物の含有量に応じて、以下の8段階の基準に従って評価した。
+ : 1ppb超、10ppb以下
2+:10ppb超、20ppb以下
3+:20ppb超、30ppb以下
4+:30ppb超、40ppb以下
5+:40ppb超、50ppb以下
6+:50ppb超、100ppb以下
7+:100ppb超、200ppb以下
8+:200ppb超
【0072】
2.有機EL素子の発光輝度の減衰評価
各実施例1〜40で得られた精製後の発光材料溶液、および、比較例1〜4の未精製の発光材料溶液を、そのまま発光層材料(発光層形成用材料)として用いて、それぞれ、次のようにして有機EL素子を製造した。
まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。
次に、この基板上に、真空蒸着法により、平均厚さ100nmのITO電極(陽極)を形成した。
【0073】
次に、ITO電極上に、ポリチオフェン系化合物(バイエル社製、「バイトロンP」)の2.0wt%水溶液を、スピンコート法により塗布した後、乾燥して、平均厚さ50nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、前記発光材料溶液を、スピンコート法により塗布した後、乾燥して、平均厚さ50nmの発光層を形成した。
【0074】
次に、発光層上に、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールを真空蒸着し、平均厚さ20nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層上に、真空蒸着法により、平均厚さ300nmのAlLi電極(陰極)を形成した。
次に、形成した各層を覆うように、ポリカーボネート製の保護カバーを被せ、紫外線硬化性樹脂により固定、封止して、有機EL素子を完成した。
以上のようにして製造された各有機EL素子のITO電極とAlLi電極との間に6Vの電圧を印加し、それぞれ、発光輝度を測定し、発光輝度が初期値の半分になる時間(半減期)を測定した。
【0075】
金属不純物含有量の測定結果、および、有機EL素子の発光輝度の減衰評価結果を、以下の表1〜表4に示す。
表1〜表4には、それぞれ、Na、Mg、Al、Caの各金属不純物の含有量および金属不純物の総含有量を示した。
なお、発光材料溶液の調製に用いたトルエン中には、ICP−MS法により金属不純物が検出されなかったことから、得られた結果は、発光材料中に含まれる金属不純物に起因するものであると考えられる。
また、有機EL素子の発光輝度の減衰評価結果は、対応する比較例の発光材料を用いて製造された有機EL素子の発光輝度の半減期を「1」とし、各実施例の発光材料を用いて製造された有機EL素子の発光輝度の半減期を、それぞれ相対値で示した。
【0076】
【表1】
Figure 2005041982
【0077】
【表2】
Figure 2005041982
【0078】
【表3】
Figure 2005041982
【0079】
【表4】
Figure 2005041982
【0080】
表1〜表4に示すように、精製を行った各実施例の発光材料溶液では、いずれも、金属不純物が減少し、Na、Mg、Al、Caのいずれについても、50ppb以下に抑えられていた。
また、各実施例の発光材料溶液では、表1〜表4には示していないが、Na、Mg、Al、Ca以外の金属不純物についても、金属不純物の含有量が50ppb以下(特に10ppb以下)であった。
【0081】
さらに、各実施例の発光材料溶液では、いずれも、金属不純物の総含有量も200ppb以下に抑えられていた。
また、発光材料溶液中の金属不純物の含有量から、発光層中の金属不純物の含有量を換算すると、各実施例の有機EL素子では、いずれも、各金属不純物の含有量が2.5ppm以下、総含有量が10ppm以下に抑えられていることがわかる。
これに対し、精製を行わなかった各比較例の発光材料溶液では、金属不純物のうち最も多く含まれるものの含有量が50ppbを上回り、かつ、総含有量も200ppb(特に300ppb)を上回っていた。
【0082】
また、各実施例の発光材料溶液を用いて作製した有機EL素子は、各比較例の発光材料溶液を用いて作製した有機EL素子に比べ、発光輝度の減衰が抑制された。
また、各表に示すように、金属不純物の含有量が少なくなるのにしたがって、有機EL素子の発光輝度の半減期が長くなる傾向を示した。
【0083】
以上より、各金属不純物の含有量が、2.0wt%溶液中において50ppb以下、発光層中において2.5ppm以下となるように抑えられた発光材料(本発明の発光材料)を用いた有機EL素子は、発光輝度の減衰が抑えられ、長期間に亘って良好な発光特性を維持することができ、優れたものとなることがわかった。
なお、各実施例および各比較例の発光材料溶液を用いて作製した有機EL素子は、いずれも、発光輝度の初期値が1000cd/m以上であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の一例を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1……有機EL素子 2……基板 3……陽極 4……有機EL層 41……正孔輸送層 42……発光層 43……電子輸送層 5……陰極 6……保護層

Claims (16)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子が備える発光層に用いられる発光材料であって、
    該発光材料を用いて、前記発光層を形成したとき、該発光層中に含まれる1種または2種以上の金属不純物のうち最も多いものの含有量が、2.5ppm以下であることを特徴とする発光材料。
  2. 前記発光層中の前記金属不純物の総含有量が、10ppm以下である請求項1に記載の発光材料。
  3. 有機エレクトロルミネッセンス素子が備える発光層に用いられる発光材料であって、
    該発光材料を2.0wt%となるように液体に溶解させたとき、該液体中に含まれる1種または2種以上の金属不純物のうち最も多いものの含有量が、50ppb以下であることを特徴とする発光材料。
  4. 前記液体中の前記金属不純物の総含有量が、200ppb以下である請求項3に記載の発光材料。
  5. 前記金属不純物は、金属元素または金属イオンである請求項1ないし4のいずれかに記載の発光材料。
  6. 前記金属は、典型金属元素である請求項5に記載の発光材料。
  7. 常温で固形物または半固形物である請求項1ないし6のいずれかに記載の発光材料。
  8. 透明電極上に、厚さ50nmの薄膜を形成し、前記薄膜上に金属電極を形成した素子に、6Vの印加電圧で10cd/m以上の輝度が得られる請求項1ないし7のいずれかに記載の発光材料。
  9. 低分子の発光材料を含む請求項1ないし8のいずれかに記載の発光材料。
  10. 前記低分子の発光材料は、ベンゼン系化合物、ナフタレン系化合物、フェナントレン系化合物、クリセン系化合物、ペリレン系化合物、コロネン系化合物、アントラセン系化合物、ピレン系化合物、ピラン系化合物、アクリジン系化合物、スチルベン系化合物、チオフェン系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ブタジエン系化合物、ナフタルイミド系化合物、クマリン系化合物、ペリノン系化合物、オキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、シクロペンタジエン系化合物、キナクリドン系化合物、ピリジン系化合物、スピロ化合物、フタロシアニン系化合物、フローレン系化合物および金属錯体よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項9に記載の発光材料。
  11. 高分子の発光材料を含む請求項1ないし10のいずれかに記載の発光材料。
  12. 前記高分子の発光材料は、ポリアセチレン系化合物、ポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ポリフルオレン系化合物、ポリパラフェニレン系化合物、ポリカルバゾール系化合物およびポリシラン系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種、または、前記群から選択される2種以上の化合物の共重合体である請求項11に記載の発光材料。
  13. 前記発光層の厚さ(平均)は、10〜150nmである請求項1ないし12のいずれかに記載の発光材料。
  14. 発光材料を溶媒に溶解してなる溶液中から、金属不純物を分離または除去し得る除去手段により、金属不純物を除去した後、前記溶媒を除去して、前記発光材料の精製を行うことを特徴とする発光材料の精製方法。
  15. 請求項1ないし13のいずれかに記載の発光材料を得るための発光材料の精製方法であって、
    発光材料を溶媒に溶解してなる溶液中から、金属不純物を分離または除去し得る除去手段により、金属不純物を除去した後、前記溶媒を除去して、前記発光材料の精製を行うことを特徴とする発光材料の精製方法。
  16. 請求項1ないし13のいずれかに記載の発光材料を用いて、発光層を形成する層形成方法であって、
    前記発光材料を溶媒に溶解してなる溶液を、塗布、乾燥することにより、前記発光層を形成することを特徴とする層形成方法。
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