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JP4168880B2 - 液浸用溶液 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等のデバイスを製造するためのリソグラフィ工程でマスクパターンを感光性の基板上に転写するために用いられる液浸法を用いた投影露光装置に使用される液浸用溶液に関するものである。
半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンの像を投影光学系を介して、感光性の基板としてのレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上の各ショット領域に転写する投影露光装置が使用されている。従来は投影露光装置として、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型の露光装置(ステッパ)が多用されていたが、最近ではレチクルとウエハとを同期走査して露光を行うステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置も注目されている。
投影露光装置に備えられている投影光学系の解像度は、使用する露光波長が短くなるほど、また投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。そして、現在主流の露光波長は、KrFエキシマレーザの248nmであるが、更に短波長のArFエキシマレーザの193nmも実用化されている。
ところで露光光の短波長化に伴い所望の結像性能を確保しつつ露光に十分な光量を確保できる透過率を有する硝材は限定されていることから、投影光学系の下面とウエハ表面との間を水、又は有機溶媒等の液体で満たし、液体中での露光光の波長が、空気中の1/n倍(nは液体の屈折率で通常1.2〜1.6程度)になることを利用して解像度を向上する液浸型の投影露光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−303114号公報
この液浸型の投影露光装置によりステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置を構成すると、投影光学系と液体とが接するために、液体と接した投影光学系の先端部が液体によって浸食される可能性があり、所望の光学性能が得られないという問題があった。
また、液浸型の投影露光装置によりステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置を構成する場合には、ウエハを移動させながら露光を行うため、ウエハを移動させている間も投影光学系とウエハとの間には液体が満たされている必要がある。従って、液体と接した投影光学系の先端部が液体によって浸食される可能性があり、所望の光学性能が得られないという問題があった。
本発明の課題は、液浸型の投影露光装置において、投影光学系の先端部を浸食しない液浸用溶液を提供することである。
請求項1記載の液浸用溶液は、露光ビームでマスクを照明し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する液浸型投影露光装置の前記基板の表面と前記投影光学系の前記基板側の蛍石により形成された光学素子との間に介在する液浸用溶液であって、該液浸用溶液は、フッ素イオンまたはフッ化物イオンを含むことを特徴とする。
この請求項1記載の液浸用溶液によれば、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。
また、請求項2記載の液浸用溶液は、PHが6以下であることを特徴とする。この請求項2記載の液浸用溶液は、酸性度が高いことから弱酸性汚染物質が溶解することがなく、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。
また、請求項3記載の液浸用溶液は、露光ビームでマスクを照明し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する液浸型投影露光装置の前記基板の表面と前記投影光学系の前記基板側の蛍石により形成された光学素子との間に介在する液浸用溶液であって、該液浸用溶液は、アンモニウムイオンを含むことを特徴とする。
この請求項3記載の液浸用溶液によれば、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。
また、請求項4記載の液浸用溶液は、PHが8以上であることを特徴とする。この請求項4記載の液浸用溶液は、アルカリ度が高いことから弱アルカリ性汚染物質が溶解することがなく、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。
また、請求項5記載の液浸用溶液は、露光ビームでマスクを照明し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する液浸型投影露光装置の前記基板の表面と前記投影光学系の前記基板側の蛍石により形成された光学素子との間に介在する液浸用溶液であって、該液浸用溶液は、緩衝溶液により構成されることを特徴とする。

この請求項5記載の液浸用溶液によれば、外部から酸性又はアルカリ性汚染物質が混入した場合においても、溶液のPH変化を防止することができ、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。
本発明の液浸用溶液によれば、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる投影露光装置を含む液浸露光機システムの説明を行う。図1は、第1の実施の形態にかかるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置を含む液浸露光機システムの概略構成図である。この図1において、露光光源としての、ArFエキシマレーザ光源、オプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)、視野絞り、コンデンサレンズ等を含む照明光学系1から射出された波長193nmの紫外パルス光よりなる露光光(露光ビーム)ILは、レチクル(マスク)Rに設けられたパターンを照明する。レチクルRのパターンは、両側(又はウエハW側に片側)テレセントリックな投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)でフォトレジストが塗布されたウエハ(基板)W上の露光領域に縮小投影される。
なお、露光光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、Fレーザ光(波長157nm)や水銀ランプのi線(波長365nm)等を使用してもよい。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に垂直にY軸を取り、図1の紙面に平行にX軸を取って説明する。
レチクルRはレチクルステージRST上に保持され、レチクルステージRSTにはX方向、Y方向、回転方向にレチクルRを微動する機構が組み込まれている。レチクルステージRSTの2次元的な位置、及び回転角はレーザ干渉計(不図示)によってリアルタイムに計測され、この計測値に基づいて主制御系14がレチクルRの位置決めを行う。
一方、ウエハWはウエハホルダ(不図示)を介してウエハWのフォーカス位置(Z方向の位置)及び傾斜角を制御するZステージ9上に固定されている。Zステージ9は投影光学系PLの像面と実質的に平行なXY平面に沿って移動するXYステージ10上に固定され、XYステージ10はベース11上に載置されている。Zステージ9は、ウエハWのフォーカス位置(Z方向の位置)、及び傾斜角を制御してウエハW上の表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ10はウエハWのX方向、及びY方向の位置決めを行う。Zステージ9(ウエハW)の2次元的な位置、及び回転角は、移動鏡12の位置としてレーザ干渉計13によってリアルタイムに計測されている。この計測結果に基づいて主制御系14からウエハステージ駆動系15に制御情報が送られ、これに基づいてウエハステージ駆動系15は、Zステージ9、XYステージ10の動作を制御する。露光時にはウエハW上の各ショット領域を順次露光位置にステップ移動し、レチクルRのパターン像を露光する動作がステップ・アンド・リピート方式で繰り返される。
この投影露光装置においては、露光波長を実質的に短くして解像度を向上させるために液浸法を適用する。そのため、少なくともレチクルRのパターン像をウエハW上に転写している間は、ウエハWの表面と投影光学系PLのウエハ側の光学素子4の先端面(下面)との間に液浸用溶液7を満たしておく。投影光学系PLは、鏡筒3内に、石英又は蛍石により形成された複数の光学素子を収容して構成されている。この投影光学系PLにおいては、最もウエハW側の光学素子4が蛍石により形成されており、光学素子4のみが液浸用溶液7と接触するように構成されている。これによって、金属よりなる鏡筒3の腐食等が防止されている。ここで、液浸用溶液7は、フッ素イオンまたはフッ化物イオンを含む溶液であり、PHが6以下に調整されている。
液浸用溶液7は、液浸用溶液を収容するタンク、加圧ポンプ、温度制御装置等からなる液体供給装置5によって、所定の排出ノズル等を介してウエハW上に温度制御された状態で供給され、液浸用溶液を収容するタンク及び吸引ポンプ等からなる液体回収装置6によって、所定の流入ノズル等を介してウエハW上から回収される。液浸用溶液7の温度は、例えば本例の投影露光装置が収納されているチャンバ内の温度と同程度に設定されている。そして、投影光学系PLの光学素子4の先端部をX方向に挟むように先端部が細くなった排出ノズル21a、及び先端部が広くなった2つの流入ノズル23a,23b(図2参照)が配置されており、排出ノズル21aは供給管21を介して液体供給装置5に接続され、流入ノズル23a,23bは回収管23を介して液体回収装置6に接続されている。
更に、その1対の排出ノズル21a、及び流入ノズル23a,23bをほぼ180°回転した配置の1対のノズル、及びその光学素子4の先端部をY方向に挟むように配置された2対の排出ノズル、及び流入ノズルも配置されている。
図2は、図1の投影光学系PLの光学素子4の先端部4A及びウエハWと、その先端部4AをX方向に挟む2対の排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示している。この図2において、先端部4Aの+X方向側に排出ノズル21aが、−X方向側に流入ノズル23a,23bがそれぞれ配置されている。また、流入ノズル23a,23bは先端部4Aの中心を通りX軸に平行な軸に対して扇状に開いた形で配置されている。そして、1対の排出ノズル21a、及び流入ノズル23a,23bをほぼ180°回転した配置で別の1対の排出ノズル22a、及び流入ノズル24a,24bが配置され、排出ノズル22aは供給管22を介して液体供給装置5に接続され、流入ノズル24a,24bは回収管24を介して液体回収装置6に接続されている。
また、図3は、図1の投影光学系PLの光学素子4の先端部4Aと、その先端部4AをY方向に挟む2対の排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示している。この図3において、先端部4Aの+Y方向側に排出ノズル27aが、−Y方向側に流入ノズル29a,29bがそれぞれ配置され、排出ノズル27aは供給管27を介して液体供給装置5に接続され、流入ノズル29a,29bは回収管29を介して液体回収装置6に接続されている。また、1対の排出ノズル27a、及び流入ノズル29a,29bをほぼ180°回転した配置で別の1対の排出ノズル28a、及び流入ノズル30a,30bが配置され、排出ノズル28aは供給管28を介して液体供給装置5に接続され、流入ノズル30a,30bは回収管30を介して液体回収装置6に接続されている。液体供給装置5は、供給管21,22,27,28の少なくとも一つを介して光学素子4の先端部4AとウエハWとの間に温度制御された液浸用溶液を供給し、液体回収装置6は回収管23,24,29,30の少なくとも一つを介してその液浸用溶液を回収する。
次に、液浸用溶液7の供給及び回収方法について説明する。図2において、実線で示す矢印25Aの方向(−X方向)にウエハWをステップ移動させる際には、体供給装置5は、供給管21、及び排出ノズル21aを介して光学素子4の先端部4AとウエハWとの間に液浸用溶液7を供給する。そして、液体回収装置6は、回収管23及び流入ノズル23a,23bを介してウエハW上から液浸用溶液7を回収する。このとき、液浸用溶液7はウエハW上を矢印25Bの方向(−X方向)に流れており、ウエハWと光学素子4との間は液浸用溶液7により安定に満たされる。
一方、2点鎖線で示す矢印26Aの方向(+X方向)にウエハWをステップ移動させる際には、液体供給装置5は供給管22、及び排出ノズル22aを使用して光学素子4の先端部4AとウエハWとの間に液浸用溶液7を供給し、液体回収装置6は回収管24及び流入ノズル24a,24bを使用して液浸用溶液7を回収する。このとき、液浸用溶液7はウエハW上を矢印26Bの方向(+X方向)に流れており、ウエハWと光学素子4との間は液浸用溶液7により満たされる。このように、本例の投影露光装置では、X方向に互いに反転した2対の排出ノズルと流入ノズルとを設けているため、ウエハWを+X方向、又は−X方向のどちらに移動する場合にも、ウエハWと光学素子4との間を液浸用溶液7により安定に満たし続けることができる。
また、液浸用溶液7がウエハW上を流れるため、ウエハW上に異物が付着している場合であっても、その異物を液浸用溶液7により流し去ることができるという利点がある。また、液浸用溶液7は液体供給装置5により所定の温度に調整されているため、ウエハW表面の温度調整が行われて、露光の際に生じる熱によるウエハの熱膨張による重ね合わせ精度等の低下を防ぐことができる。従って、EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のアライメントのように、アライメントと露光とに時間差のある場合であっても、ウエハの熱膨張により重ね合わせ精度が低下してしまうことを防ぐことができる。また、本例の投影露光装置では、ウエハWを移動させる方向と同じ方向に液浸用溶液7が流れているため、異物や熱を吸収した液浸用溶液を光学素子4の先端部4Aの直下の露光領域上に滞留させることなく回収することができる。
また、ウエハWをY方向にステップ移動させる際にはY方向から液浸用溶液7の供給及び回収を行う。即ち、図3において実線で示す矢印31Aの方向(−Y方向)にウエハをステップ移動させる際には、液体供給装置5は供給管27、排出ノズル27aを介して液浸用溶液を供給し、液体回収装置6は回収管29及び流入ノズル29a,29bを使用して液浸用溶液の回収を行ない、液浸用溶液は光学素子4の先端部4Aの直下の露光領域上を矢印31Bの方向(−Y方向)に流れる。また、ウエハを+Y方向にステップ移動させる際には、供給管28、排出ノズル28a、回収管30及び流入ノズル30a,30bを使用して液浸用溶液の供給及び回収が行われ、液浸用溶液は先端部4Aの直下の露光領域上を+Y方向に流れる。これにより、ウエハWをX方向に移動する場合と同様に、ウエハWを+Y方向、又は−Y方向のどちらに移動する場合であっても、ウエハWと光学素子4の先端部4Aとの間を液浸用溶液7により満たすことができる。
なお、X方向、又はY方向から液浸用溶液7の供給及び回収を行うノズルだけでなく、例えば斜めの方向から液浸用溶液7の供給及び回収を行うためのノズルを設けてもよい。
次に、液浸用溶液7の供給量、及び回収量の制御方法について説明する。図4は、投影光学系PLの光学素子4とウエハWとの間への液浸用溶液の供給及び回収の様子を示し、この図4において、ウエハWは矢印25Aの方向(−X方向)に移動しており、排出ノズル21aより供給された液浸用溶液7は、矢印25Bの方向(−X方向)に流れ、流入ノズル23a,23bにより回収される。光学素子4とウエハWとの間に存在する液浸用溶液7の量をウエハWの移動中でも一定に保つため、本例では液浸用溶液7の供給量Vi(m/s)と回収量Vo(m/s)とを等しくし、また、XYステージ10(ウエハW)の移動速度vに比例するように液浸用溶液7の供給量Vi、及び回収量Voを調整する。即ち、主制御系14は液浸用溶液7の供給量Vi、及び回収量Voを、以下の式により決定する。
Vi=Vo=D・v・d (1)
ここで、図1に示すようにDは光学素子4の先端部の直径(m)、vはXYステージ10の移動速度(m/s)、dは投影光学系PLの作動距離(ワーキング・ディスタンス)(m)である。XYステージ10をステップ移動するときの速度vは、主制御系14により設定されるものであり、D及びdは予め入力されているため、(1)式に基づいて液浸用溶液7の供給量Vi、及び回収量Voを調整することで、図4の光学素子4とウエハWとの間には液浸用溶液7が常時満たされる。
なお、投影光学系PLの作動距離dは、投影光学系PLとウエハWとの間に液浸用溶液7を安定して存在させるためには、できるだけ狭くすることが望ましい。しかしながら、作動距離dが小さ過ぎるとウエハWの表面が光学素子4に接触する恐れがあるため、或る程度の余裕を持つ必要がある。そこで、作動距離dは、一例として2mm程度に設定される。
この第1の実施の形態にかかる投影露光装置においては、液浸用溶液がフッ素イオンまたはフッ化物イオンを含む溶液であるため、蛍石により形成された光学素子4を侵食することがない。また、液浸用溶液の酸性度が高いことから弱酸性汚染物質が溶解することがなく、汚染物質により蛍石により形成された光学素子4を侵食することがない。従って、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができることから、浸食された光学素子を交換するために、装置の稼動を止めることがなく、最終製品を効率よく生産することができる。また、投影光学系のウエハ側の光学素子が液浸用溶液により浸食されることを防止することができるため、投影光学系の光学特性を安定させることができ、生産される最終製品の品質を安定させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる投影露光装置を含む液浸露光機システムの説明を行う。第2の実施の形態にかかる投影露光装置は、液浸用溶液として純水を用い、ウエハWの表面と投影光学系PLの基板側の光学素子4との間の液浸用溶液を循環させる循環系を備え、循環系内にイオン交換部材、及びフィルタを設置した構成を有する。その他の構成は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置を含む液浸露光機システムの構成と同一である。
図5に示すように、回収管23には、フィルタ孔径が1μm以下のメンブレンフィルタ40、イオン交換部材42が配置されており、回収管24には、フィルタ孔径が1μm以下のメンブレンフィルタ41、イオン交換部材43が配置されている。また、図6に示すように、回収管29には、フィルタ孔径が1μm以下のメンブレンフィルタ44、イオン交換部材46が配置されており、回収管30には、フィルタ孔径が1μm以下のメンブレンフィルタ45、イオン交換部材47が配置されている。
従って、液体回収装置6により液浸用溶液が回収される直前で、メンブレンフィルタ40,41,44,45により、液浸用溶液中に存在する粒子、固形物を除去することができるため、液浸用溶液により光学素子を傷つけることを防止することができる。また、イオン交換部材42,43,46,47により外部から溶け込んだイオンを除去することができるため溶液のPHを一定に保つことができ、液浸用溶液により光学素子が侵食することを防止することができる。これにより、投影光学系の光学性能の変化を防止して所望の光学性能を維持することができる。なお、純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できると共に、ウエハ上のフォトレジストや光学レンズ等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないと共に、不純物の含有量が極めて低いため、ウエハの表面を洗浄する作用も期待できる。
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる投影露光装置を含む液浸露光機システムを説明する。図7は、第3の実施の形態にかかるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置の投影光学系PLAの下部、液体供給装置5、及び液体回収装置6等を示す正面図である。この図7においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置と同一の構成には、第1の実施の形態で用いたのと同一の符号を付して説明を行う。
この投影露光装置においては、投影光学系PLAの鏡筒3Aの最下端の光学素子32は、先端部32Aが走査露光に必要な部分だけを残してY方向(非走査方向)に細長い矩形に削られている。なお、この投影光学系PLAにおいては、光学素子32は蛍石により形成されている。走査露光時には、先端部32Aの直下の矩形の露光領域にレチクルの一部のパターン像が投影され、投影光学系PLAに対して、レチクル(不図示)が−X方向(又は+X方向)に速度Vで移動するのに同期して、XYステージ10を介してウエハWが+X方向(又は−X方向)に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。そして、1つのショット領域への露光終了後に、ウエハWのステッピングによって次のショット領域が走査開始位置に移動し、以下ステップ・アンド・スキャン方式で各ショット領域への露光が順次行われる。
本例においても走査露光中は液浸法の適用によって、光学素子32とウエハWの表面との間に液浸用溶液7が満たされる。液浸用溶液7の供給及び回収はそれぞれ液体供給装置5及び液体回収装置6によって行われる。液浸用溶液7は、第1の実施の形態と同様に、フッ素イオンまたはフッ化物イオンを含む溶液であり、PHが6以下に調整されている。
図8は、投影光学系PLAの光学素子32の先端部32Aと液浸用溶液7をX方向に供給、回収するための排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示している。この図8において、光学素子32の先端部32Aの形状はY方向に細長い矩形になっており、投影光学系PLAの光学素子32の先端部32AをX方向に挟むように+X方向側に3個の排出ノズル21a〜21cが配置され、−X方向側に2個の流入ノズル23a,23bが配置されている。
そして、排出ノズル21a〜21cは供給管21を介して液体供給装置5に接続され、流入ノズル23a,23bは回収管23を介して液体回収装置6に接続されている。また、排出ノズル21a〜21cと流入ノズル23a,23bとをほぼ180゜回転した配置に、排出ノズル22a〜22cと流入ノズル24a,24bとを配置している。排出ノズル21a〜21cと流入ノズル24a,24bとはY方向に交互に配列され、排出ノズル22a〜22cと流入ノズル23a,23bとはY方向に交互に配列され、排出ノズル22a〜22cは供給管22を介して液体供給装置5に接続され、流入ノズル24a,24bは回収管24を介して液体回収装置6に接続されている。
そして、実線の矢印で示す走査方向(−X方向)にウエハWを移動させて走査露光を行う場合には、供給管21、排出ノズル21a〜21c、回収管23、及び流入ノズル23a,23bを使用して液体供給装置5及び液体回収装置6によって液浸用溶液7の供給及び回収を行い、光学素子32とウエハWとの間を満たすように−X方向に液浸用溶液7を流す。また、2点鎖線の矢印で示す方向(+X方向)にウエハWを移動させて走査露光を行う場合には、供給管22、排出ノズル22a〜22c、回収管24、及び流入ノズル24a,24bを使用して液浸用溶液7の供給及び回収を行い、光学素子32とウエハWとの間を満たすように+X方向に液浸用溶液7を流す。走査方向に応じて液浸用溶液7を流す方向を切り換えることにより、+X方向、又は−X方向のどちらの方向にウエハWを走査する場合にも、光学素子32の先端部32AとウエハWとの間を液浸用溶液7により満たすことができ、高い解像度が得られる。
また、液浸用溶液7の供給量Vi(m/s)、及び回収量Vo(m/s)は、以下の式により決定する。
Vi=Vo=DSY・v・d (2)
ここで、DSYは光学素子32の先端部32AのX方向の長さ(m)である。これによって走査露光中においても光学素子32とウエハWとの間を液浸用溶液7により安定に満たすことができる。
なお、ノズルの数や形状は特に限定されるものでなく、例えば先端部32Aの長辺について2対のノズルで液浸用溶液7の供給又は回収を行うようにしてもよい。なお、この場合には、+X方向、又は−X方向のどちらの方向からも液浸用溶液7の供給及び回収を行うことができるようにするため、排出ノズルと流入ノズルとを上下に並べて配置してもよい。また、ウエハWをY方向にステップ移動させる際には、第1の実施の形態と同様に、Y方向から液浸用溶液7の供給及び回収を行う。
図9は、投影光学系PLAの光学素子32の先端部32AとY方向用の排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示している。この図9において、ウエハを走査方向に直交する非走査方向(−Y方向)にステップ移動させる場合には、Y方向に配列された排出ノズル27a、及び流入ノズル29a,29bを使用して液浸用溶液7の供給及び回収を行い、また、ウエハを+Y方向にステップ移動させる場合には、Y方向に配列された排出ノズル28a、及び流入ノズル30a,30bを使用して液浸用溶液7の供給及び回収を行う。また、液浸用溶液7の供給量Vi(m/s)、及び回収量Vo(m/s)は、以下の式により決定する。
Vi=Vo=DSX・v・d (3)
ここで、DSXは光学素子32の先端部32AのY方向の長さ(m)である。第1の実施の形態と同様に、Y方向にステップ移動させる際にもウエハWの移動速度vに応じて液浸用溶液7の供給量を調整することにより、光学素子32とウエハWとの間を液浸用溶液7により満たし続けることができる。
以上のようにウエハWを移動させる際には、その移動方向に応じた方向に液浸用溶液を流すことにより、ウエハWと投影光学系PLの先端部との間を液浸用溶液7により満たし続けることができる。
この第3の実施の形態にかかる投影露光装置においては、液浸用溶液がフッ素イオンまたはフッ化物イオンを含む溶液であるため、蛍石により形成された光学素子32を侵食することがない。また、液浸用溶液の酸性度が高いことから弱酸性汚染物質が溶解することがなく、汚染物質により蛍石により形成された光学素子32を侵食することがない。従って、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができることから、浸食された光学素子を交換するために、装置の稼動を止めることがなく、最終製品を効率よく生産することができる。また、投影光学系のウエハ側の光学素子が液浸用溶液により浸食されることを防止することができるため、投影光学系の光学特性を安定させることができ、生産される最終製品の品質を安定させることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態にかかる投影露光装置を含む液浸露光機システムの説明を行う。第4の実施の形態にかかる投影露光装置は、液浸用溶液として純水を用い、ウエハWの表面と投影光学系PLの基板側の光学素子4との間の液浸用溶液を循環させる循環系を備え、循環系内にイオン交換樹脂、及びフィルタを設置した構成を有する。その他の構成は、第3の実施の形態にかかる投影露光装置を含む液浸露光機システムの構成と同一である。
図10に示すように、回収管23には、フィルタ孔径が1μm以下のメンブレンフィルタ40、イオン交換部材42が配置されており、回収管24には、フィルタ孔径が1μm以下のメンブレンフィルタ41、イオン交換部材43が配置されている。
なお、この第4の実施の形態にかかる液浸露光機システムにおいては、第3の実施の形態にかかる液浸露光機システムと同様に光学素子32の先端部32Aに対してY方向に配置された排出ノズル27a,28a及び流入ノズル29a,29b,30a,30bを用いて液浸用溶液の供給及び回収を行うが、流入ノズル29a,29b,30a,30bから回収された液浸用溶液が液体回収装置6に回収される直前の位置にメンブレンフィルタ及びイオン交換部材が配置されている。
従って、液体回収装置6により液浸用溶液が回収される直前で、メンブレンフィルタ40,41により、液浸用溶液中に存在する粒子、固形物を除去することができるため、液浸用溶液により光学素子を傷つけることを防止することができる。また、イオン交換部材42,43により外部から溶け込んだイオンを除去することができるため溶液のPHを一定に保つことができ、液浸用溶液により光学素子が侵食することを防止することができる。これにより、投影光学系の光学性能の変化を防止して所望の光学性能を維持することができる。なお、純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できると共に、ウエハ上のフォトレジストや光学レンズ等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないと共に、不純物の含有量が極めて低いため、ウエハの表面を洗浄する作用も期待できる。
なお、上述の第1、第3の実施の形態においては、液浸用溶液としてフッ素イオンまたはフッ化物イオンを含む溶液であり、PHが6以下に調整された溶液を用いているが、これに代えて、液浸用溶液としてアンモニウムイオンを含む溶液であり、PHが8以上に調整された溶液を用いても良い。
液浸用溶液がアンモニウムイオンを含む溶液である場合には、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。また、PHが8以上に調整されていることから、アルカリ度が高く弱アルカリ性汚染物質が溶解することがない。従って、蛍石により形成された光学素子を侵食することがないことから、投影光学系の光学性能が変化することがなく所望の光学性能を維持することができる。
また、上述の第2、第4の実施の形態においては、フィルタとして、フィルタ孔径が1μm以下のメンブレンフィルタを用いているが、濾紙、活性炭フィルタ、中空糸フィルタ、限外濾過フィルタ等の中の1つをであって、フィルタ孔径が1μm以下のものを用いても良い。また、メンブレンフィルタ、濾紙、活性炭フィルタ、中空糸フィルタ、限外濾過フィルタ等の中の2つ以上を組み合わせてフィルタを構成しても良い。
また、上述の実施の形態においては、ウエハの表面と投影光学系のウエハ側の蛍石により形成された光学素子との間を液浸用溶液により満たしているが、ウエハの表面と投影光学系のウエハ側の蛍石により形成された光学素子との間の一部に液浸用溶液を介在させるようにしても良い。
また、上述の実施の形態においては、液体回収装置6により液浸用溶液7が回収される直前の位置に、メンブレンフィルタ、イオン交換部材を配置しているが、配置位置は、液浸用溶液の循環系内であれば、適宜変更可能である。
また、上述の実施の形態において、投影光学系のウエハ側の蛍石により形成された光学素子の表面に溶解防止膜を形成しても良い。この場合において、液浸用溶液が酸性度の高いフッ素イオン若しくはフッ化物イオンを含む溶液またはアルカリ度の高いアンモニウムイオンを含む溶液の場合には、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、フッ化イットリウム(YF3)、フッ化ルテニウム(LuF3)、フッ化ハフニウム(HfF4)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ガドリニウム(GdF3)、フッ化イッテリビウム(YbF3)、フッ化ディスプロシウム(DyF3)、フッ化アルミニウム(AlF3)、クリオライト(Na3AlF6)、チオライト(5NaF・3AlF3)などの溶解防止膜を形成することが好ましい。このような溶解防止膜を形成した場合においても、液浸用溶液により溶解防止膜を溶解させることを防止することができる。
また、上述の実施の形態においては、投影光学系PLとウエハ(基板)Wとの間を局所的に液体で満たす露光装置を採用しているが、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置にも本発明を適用可能である。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報等に開示されているように、ウエハ等の被処理基板を別々に載置してXY方向に独立に移動可能な2つのステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
閉鎖循環系にフッ素イオンまたはフッ化物イオンを溶かした溶液を循環させ、さらにコートのないレンズ、薄膜をコートしたレンズを約10時間、この水溶液に常にさらした。実験後サンプルを引き上げ自然乾燥しても、サンプル上にウオーターマークは認められなかった。実験後レンズの表面を段差測定、SEMで調べたところ、溶解等の変化は確認されなかった。また透過率を測定したが、実験前後で変化は見られなかった。さらに薄膜をコートしたサンプルについても透過率、反射率を測定したところ、実験前後で変化は認められなかった。
以下に、実験前後におけるコートしていない蛍石により形成されているレンズ、コートしていない石英により形成されているレンズの透過率の測定結果を表1に示す。なお、測定光として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた。
Figure 0004168880
また、以下に、実験前後における蛍石に薄膜として酸化アルミニウム(Al2O3)をコートしたレンズ、蛍石に薄膜としてフッ化ランタン(LaF3)をコートしたレンズ、蛍石に薄膜としてフッ化マグネシウム(MgF2)をコートしたレンズの透過率の測定結果を表2に示す。なお、測定光として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた。
Figure 0004168880
閉鎖循環系にアンモニウムイオンが溶けた溶液を循環させ、さらにコートのないレンズ、薄膜をコートしたレンズを約10時間、この水溶液に常にさらした。実験後サンプルを引き上げ自然乾燥しても、サンプル上にウオーターマークは認められなかった。実験後レンズの表面を段差測定、SEMで調べたところ、溶解等の変化は確認されなかった。また透過率を測定したが、実験前後で変化は見られなかった。さらに薄膜をコートしたサンプルについても透過率、反射率を測定したところ、実験前後で変化は認められなかった。
閉鎖循環系にフッ酸とフッ化アンモニウムを混合してPHを7以下に調整した緩衝溶液を循環させ、さらにコートのないレンズ、薄膜をコートしたレンズを約10時間、この水溶液に常にさらした。実験後サンプルを引き上げ自然乾燥しても、サンプル上にウオーターマークは認められなかった。実験後レンズの表面を段差測定、SEMで調べたところ、溶解等の変化は確認されなかった。また透過率を測定したが、実験前後で変化は見られなかった。さらに薄膜をコートしたサンプルについても透過率、反射率を測定したところ、実験前後で変化は認められなかった。
閉鎖循環系にホウ砂と塩酸を混合してPHを7から9に調整した緩衝溶液を循環させ、さらにコートのないレンズ、薄膜をコートしたレンズを約10時間、この水溶液に常にさらした。実験後サンプルを引き上げ自然乾燥しても、サンプル上にウオーターマークは認められなかった。実験後レンズの表面を段差測定、SEMで調べたところ、溶解等の変化は確認されなかった。また透過率を測定したが、実験前後で変化は見られなかった。さらに薄膜をコートしたサンプルについても透過率、反射率を測定したところ、実験前後で変化は認められなかった。
閉鎖循環系にホウ砂と炭酸ナトリウムを混合してPHを9から11に調整した緩衝溶液を循環させ、さらにコートのないレンズ、薄膜をコートしたレンズを約10時間、この水溶液に常にさらした。実験後サンプルを引き上げ自然乾燥しても、サンプル上にウオーターマークは認められなかった。実験後レンズの表面を段差測定、SEMで調べたところ、溶解等の変化は確認されなかった。また透過率を測定したが、実験前後で変化は見られなかった。さらに薄膜をコートしたサンプルについても透過率、反射率を測定したところ、実験前後で変化は認められなかった。
閉鎖循環系にリン酸水素二ナトリウムとクエン酸を混合してPHを2から8に調整した緩衝溶液を循環させ、さらにコートのないレンズ、薄膜をコートしたレンズを約10時間、この水溶液に常にさらした。実験後サンプルを引き上げ自然乾燥しても、サンプル上にウオーターマークは認められなかった。実験後レンズの表面を段差測定、SEMで調べたところ、溶解等の変化は確認されなかった。また透過率を測定したが、実験前後で変化は見られなかった。さらに薄膜をコートしたサンプルについても透過率、反射率を測定したところ、実験前後で変化は認められなかった。
閉鎖循環系の一部にイオン交換樹脂を設置し、約10時間、純水を循環させた。実験途中で数回溶液をサンプリングし、PHを測定したところ、PHは6.9〜7.2であり、一定に保たれていた。また、サンプリングした水をイオンクロマトグラフィーで分析したところ、陽イオン、陰イオンいずれも確認できなかった。さらにサンプリングした水をシリコンウエハー上にたらして自然乾燥させても、シリコンウエハー上にウオーターマークは認められなかった。
閉鎖循環系の一部にイオン交換樹脂を設置して純水を循環させ、さらにレンズ、薄膜をコートしたレンズを約10時間、この水に常にさらした。実験後サンプルを引き上げ自然乾燥しても、サンプル上にウオーターマークは認められなかった。実験後レンズ表面を段差測定、SEMで調べたところ、溶解等の変化は確認されなかった。また薄膜をコートしたサンプルの透過率、反射率を測定したところ、実験前後で変化は無かった。
閉鎖循環系の一部にメンブレンフィルター(孔径0.45μm)を取り付け、約10時間、純水を循環させた。実験後水溶液中の粒子状物質を粒度分布計で測定したところ、粒子状物質の存在は確認できなかった。フィルタにより粒子状物質が除去されていることを確認した。さらにサンプリングした水をシリコンウエハー上にたらして自然乾燥させても、シリコンウエハー上にウオーターマークは認められなかった。
本発明の第1の実施の形態にかかる投影露光装置を含む液浸露光機システムの概略構成を示す図である。 図1の投影光学系の光学素子の先端部とX方向用の排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示す図である。 図1の投影光学系の光学素子の先端部と、Y方向から液浸用溶液の供給及び回収を行う排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示す図である。 図1の光学素子とウエハとの間への液浸用溶液の供給及び回収の様子を示す要部の拡大図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる液浸露光機システムに含まれる投影露光装置の液浸用溶液循環系を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる液浸露光機システムに含まれる投影露光装置の液浸用溶液循環系を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態において使用される投影露光装置の投影光学系の下端部、液体供給装置、及び液体回収装置等を示す正面図である。 図7の投影光学系の光学素子の先端部とX方向用の排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示す図である。 図7の投影光学系の光学素子の先端部と、Y方向から液浸用溶液の供給及び回収を行う排出ノズル及び流入ノズルとの位置関係を示す図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる液浸露光機システムに含まれる投影露光装置の液浸用溶液循環系を説明するための図である。
符号の説明
R…レチクル
PL…投影光学系
W…ウエハ
1…照明光学系
4、32、105…光学素子
5…液体供給装置
6…液体回収装置
7…液浸用溶液
9…Zステージ
10…XYステージ
14…主制御系
21,22…供給管
21a〜21c,22a〜22c…排出ノズル
23,24…回収管
23a,23b,24a,24b…流入ノズル
40,41,44,45…フィルタ
42,43,46,47…イオン交換部材

Claims (5)

  1. 露光ビームでマスクを照明し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する液浸型投影露光装置の前記基板の表面と前記投影光学系の前記基板側の蛍石により形成された光学素子との間に介在する液浸用溶液であって、
    該液浸用溶液は、フッ素イオンまたはフッ化物イオンを含むことを特徴とする液浸用溶液。
  2. PHが6以下であることを特徴とする請求項1記載の液浸用溶液。
  3. 露光ビームでマスクを照明し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する液浸型投影露光装置の前記基板の表面と前記投影光学系の前記基板側の蛍石により形成された光学素子との間に介在する液浸用溶液であって、
    該液浸用溶液は、アンモニウムイオンを含むことを特徴とする液浸用溶液。
  4. PHが8以上であることを特徴とする請求項3記載の液浸用溶液。
  5. 露光ビームでマスクを照明し、投影光学系を介して前記マスクのパターンを基板上に転写する液浸型投影露光装置の前記基板の表面と前記投影光学系の前記基板側の蛍石により形成された光学素子との間に介在する液浸用溶液であって、
    該液浸用溶液は、緩衝溶液により構成されることを特徴とする液浸用溶液。
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