JP4165862B2 - Thermal inkjet recording ink, ink set, inkjet recording method, inkjet recording apparatus, recording unit, and ink cartridge - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインク、特にはインクジェット用インク、詳しくは長期にわたって画質の低下しない、もしくは画質の低下が極めて抑制された記録物を与える、サーマルインクジェット方式にも好適に用いられるインク、インクセット、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニットおよびインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録画像の、より一層の改善された堅牢性(耐光性、耐ガス性等)に対する要求の高まりに対応すべく、顔料を色材として含むインクジェット用インクの検討が精力的に行われるようになってきた。
【0003】
その結果、インクジェット用顔料インクの当面の課題であったヘッド部分のノズル目詰まり、および、長期間にわたる保存安定性の問題は、当初に比べるとかなり改善されてきている。
【0004】
ところで、水溶性の色材、具体的には染料を含んでいるインクを用いたインクジェット記録に於いて、高品位な写真調の画像を得る為に4色のインク(例えばイエロー(Y)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク及びブラック(Bk)インク)に加えて、上記4色のインクの少なくとも1つが与える画像の色相と同じ色相の画像を形成し、且つ着色力が低いインク、即ち淡インク(light ink)を用いる方法がある。淡インクとしては、淡シアンインク及び淡マゼンタインクの使用が一般的である。
【0005】
一方、水不溶性の色材、例えば顔料を含んでいるインクセットを用いるインクジェット記録に於いても、同一の色相の画像を与え、かつ着色力が異なっている2つのインクの組み合わせ、所謂、濃インク(dark ink)と淡インクとの組み合わせを使用することが検討されてきている。例えば、WO 01/48100は、濃インクと淡インクとのいずれもが顔料と分散剤とを含み、濃インク中の樹脂の重量割合B1と顔料の重量割合P1との比(B1/P1)が、淡インク中の樹脂の重量割合B2と顔料の重量割合P2との比(B2/P2)よりも低く、且つB1とB2とが異なるインクセットを開示し、それによりインクの浸透性が一様で、ざらつきのない高品質な画像を得ることのできるインクセットを開示し、更にB1>B2とすることで、淡インクの耐光性を濃インクの耐光性と同程度にまで改善できることを開示している。また、特開2001-179956号公報は、顔料と分散剤とを含む濃インクと淡インクとを用いて記録する場合において、淡インクの表面張力を濃インクの表面張力よりも低くすることにより、よりザラツキ感を改善する技術を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、顔料と分散剤とを含む濃淡インクを用いるインクジェット記録についての技術的な知見は蓄積されて来ているものの、未だ十分とは言えないのが実情である。この様な状況の下で、本発明者らは、顔料と分散剤とを含む濃インクと淡インクの、サーマルインクジェット記録への適用について検討を重ねてきた。その過程で、本発明者らは、長期にわたる吐出試験において、淡インクの液滴のサイズが、濃インクよりも低いパルス数で小さくなり、ドロップレットがよれる場合があり、またヘッドの使用寿命が短くなる傾向があることを見出した。このことは、淡インクが、インク中の固形分(顔料や分散剤等)の量において、濃インクよりも低いことを考慮すると、本発明者らにとって予想外の実験結果であった。そして、これは、顔料と分散剤とを含むインクによって形成されたインクジェット記録画像のより一層の高品位化を達成し、またかかるインクを搭載したプリンタの信頼性を高めるうえで是非とも解決すべき課題として認識するに至ったものである。
【0007】
そこで、本発明の目的は、サーマルインクジェット記録に適用したときにも、長期にわたって優れた吐出性が得られ、インクジェット記録のより一層の安定化を図ることのできる、水不溶性の色材を含むインクを提供することである。
【0008】
また、本発明は、高品位なインクジェット記録画像のより一層の安定的形成に有効なインクセットを提供することを目的とする。
また、本発明は、インクジェット記録画像を安定に形成することのできるインクジェット記録方法を提供することを他の目的とする。
【0009】
更にまた本発明は、上記のインクジェット記録方法に好適に用いられるインクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含む、サーマルインクジェット記録用インクであって、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいことを特徴とするサーマルインクジェット記録用インクが提供される。
【0013】
本発明の一態様によれば、第1のインクと第2のインクとを有しているインクセットであって、
該第1のインクが、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含む、サーマルインクジェット記録用インクであって、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、
該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいインクであり、該第2のインクが、該第1のインクと同一若しくは実質的に同一の色相の画像を記録媒体に形成する色相を有し、且つ着色力が該第1のインクよりも高いインクであることを特徴とするインクセットが提供される。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含み、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいサーマルインクジェット記録用インクを記録信号に応じて吐出させる工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
【0017】
本発明の一実施態様によれば、インクセットを構成している第1のインクおよび第2のインクの少なくとも一方を記録信号に応じて吐出させる工程を有するインクジェット記録方法であって、該第1のインクが、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含む、サーマルインクジェット記録用インクであって、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、
該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいインクであり、該第2のインクが、該第1のインクと同一若しくは実質的に同一の色相の画像を記録媒体に形成する色相を有し、且つ着色力が該第1のインクよりも高いインクであることを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
【0019】
本発明の一実施態様によれば、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含み、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいサーマルインクジェット記録用インクを収納しているインク収納部と、該サーマルインクジェット記録用インクを吐出させるヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
【0020】
本発明の一実施態様によれば、第1のインクとして、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含み、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいサーマルインクジェット用インクと、第2のインクとして、該第1のインクと同一若しくは実質的に同一の色相の画像を記録媒体に形成する色相を有し、且つ着色力が該第1のインクよりも高いサーマルインクジェット用インクと、を各々収納しているインク収納部と、該インクの各々を吐出させるサーマルインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
【0022】
本発明の一実施態様によれば、第1のインクとして、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含み、該色材の濃度が、該インク全質量の1%以下であり、該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいサーマルインクジェット記録用インクと、第2のインクとして、該第1のインクと同一若しくは実質的に同一の色相の画像を記録媒体に形成する色相を有し、且つ着色力が該第1のインクよりも高いサーマルインクジェット記録用インクと、を各々収納しているインク収納部と、該インクの各々を吐出させるサーマルインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
【0024】
本発明の一態様によれば、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含み、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいサーマルインクジェット記録用インクを収納しているインク収納部と、該インクを吐出させるインクジェットヘッドとを具備していることを特徴とする記録ユニットが提供される。
【0026】
本発明の一態様によれば、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含み、該色材の濃度が、インク全質量の1%以下であり、該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいインクを収納しているインク収納部を備えていることを特徴とするインクカートリッジが提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0028】
まず、本発明にかかるインクは、前記した様に、水性媒体と、該水性媒体に分散剤の作用により分散させられている色材と、を含み、該色材の濃度が、該インク全質量の1%以下のサーマルインクジェット用インクであって、該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きい点に特徴を有するものである。
【0029】
そしてかかる構成を採用することによって、前記した液滴サイズの経時的な変化が、濃インクよりも早く発現する、という、サーマルインクジェット記録における顔料インクの課題を解決することができる、という効果を得られるものである。
【0030】
本発明に係る構成によって上記した効果が得られる理由は明らかでない。しかし、本発明者らによる前記課題の検討の結果、水不溶性の色材とそれを水性媒体に分散させる分散剤とを含む淡インクにおけるB/P比が、濃インクのそれと同程度とあった場合、淡インク中に存在する分散剤の絶対量が少ない為に、色材の分散性が不安定化し易く、特に分散の不安定化が、サーマルインクジェットヘッドのヒータ近傍において多く生じているのではないか、と推察し、その分散不安定化を補うために、淡インクに対して分散剤を、サーマルインクジェット用のインクのB/P比として最大の値であると本発明者らが認識している“1”を超えて添加してみた。その結果、液滴サイズの経時的な変化や吐出されたインク滴のヨレなどが改善されたのである。この実験事実から、上記推察が正しいことが裏付けられるものと考えられる。また、本発明に於ける、より好ましいB/P比は、1.2以上、更には1.5以上である。これにより、液滴サイズの経時的な変化や、インク滴のヨレなどの大幅な改善が認められる。
【0031】
中でも本発明にかかるインクの効果がより顕著であるのは、液滴量が40pl以下、より好ましくは20pl以下、特に好ましくは10pl以下のヘッドを使用した場合である。
【0032】
また本発明による副次的な効果として、淡インクによる画像の耐光性の向上も挙げることができる。これは、通常、インクジェット用のカラー顔料は、スクリーン印刷等に使用される顔料に比べて粒径が小さく、およそ200nm以下、特に近年は100nm程度のものも多い。一方で、カラー顔料が好んで使用される分野はポスター等の大判や写真等の長期に展示が望まれる分野なので、通常、紙の上に何らかの処理をしたコート紙あるいは光沢紙と呼ばれる被記録材上に印字される。このような被記録材上では、インク中の顔料は被記録材中に吸収されないので、表面に残っている。したがって、顔料に対して光を遮るものはないので、一般的に耐光性が強いといわれている顔料でも長期にわたる照射後は退色することがある。特に、淡インクの場合、紙面上の顔料の量が少ないことから、影響をうけやすい。
【0033】
本発明では、淡インク中の顔料に対する分散剤の割合を多くすることにより、耐光性を格段に向上させている。これは、おそらく、光退色には酸素の存在が関わってくるが、紙面上で分散剤が顔料を被覆することにより空気を遮断し、光退色を起こしにくくしているためと推定される。
【0034】
ところで、色材量が、インク全量に対して1%以下のインクジェット記録用インクは、記録媒体上に、色相が同一の画像を与える、着色力の高いインクジェット記録用のインク(濃インク)と組み合わせてインクジェット記録に用いられることが多い。これにより、ドットの目立たない、階調性の極めて滑らかな、銀塩写真調のインクジェット記録画像を形成することができる。しかし、本発明に係るインクは、必ずしも濃インクとの組み合わせに於いてのみ使用されるものでなく、それ単独で用いることももちろん可能である。但し、本発明においては、便宜上、色材濃度が、インク全質量に対し1%以下のインクを「淡インク」と称する。
【0035】
ところで本発明に係る淡インクの色材の好ましい濃度は、色材の種類、またインクセットとして用いられる場合には、濃インクとのバランス等によっても異なるが、1ドット単位での輪郭が目視で見えない、という淡インク本来の目的を考慮すると、色材濃度は、1質量%以下であり、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。一方、顔料濃度の下限としては、インクとしての着色力が低くなり過ぎない様に、インク全質量に対して、0.1質量%以上、特には0.2質量%以上、さらには0.3質量%以上とすることが好ましい。
【0036】
(顔料)
次に、本発明にかかる淡インクに用いられる顔料について説明する。
【0037】
黒色インクに使用される顔料としては、例えばカーボンブラックが好適に使用される。
【0038】
カラー顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、55、74、83、86、93、97、98、109、110、117、120、125、128、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。
【0039】
これらの中でも、シアン、マゼンタの顔料を使用した場合に、本発明の効果がより顕著に発現する。特に、マゼンタ顔料としてはC.I.ピグメントレッド122、シアン顔料としてはC.I.ピグメントブルー15:3及び15:4から選ばれる少なくとも一方を使用した場合が、色調と、濃インクと淡インクの耐光性のバランス上、好ましい。
【0040】
なお、用いる顔料の粒径は特に限定されないが、200nm以上であることが好ましい。
【0041】
ところで本発明において、色材として自己分散型の顔料、即ち親水性基が直接、もしくは他の原子団を介して顔料表面に化学的に結合している顔料を、分散剤の作用により水性媒体に分散させることのできる顔料と併用することは、何ら妨げられるものでない。
【0042】
(分散剤)
つぎに、本発明の重要な特徴の1つである、インク中の顔料に対する分散剤について説明する。
【0043】
分散剤としては、例えばインクジェット用インクの顔料分散剤として一般的に用いられる、親水部と疎水部とを備えた、水溶性樹脂を用いることができる。
【0044】
水溶性樹脂の具体例としてはα,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた親水性単量体の少なくとも1つ以上の単量体とスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体等から選ばれた疎水性の単量体の少なくとも1つ以上の単量体からなるであるブロック共重合体あるいはランダム共重合体、または、これらの塩等が挙げられる。
【0045】
重合体の構造としては、ランダム重合体およびブロック共重合体、枝分かれ重合体、グラフト重合体が挙げられる。中でも、分散剤はブロック重合体(ブロックポリマー)であることが特に好ましい。即ち、サーマルインクジェット記録は、インクをヒータで加熱する工程を有することから、インク中に含有させる水溶性樹脂としては、ヒータ上にコゲなどを生じさせることのない、或いは殆どないものを選択して用いることが好ましい。そして、ブロックポリマーは、この目的に特に合致したものと言うことが出来る。
【0046】
ブロック重合体は、AB、BABおよびABC型構造等(ここで、A、B、Cは互いに構造の異なるポリマーブロックを模式的に示しているものである)が挙げられるが、ブロック部が存在していれば別に構造の制約はない。特に、疎水性のブロックと親水性のブロックとを有し、また、分散安定性に貢献する均衡のとれたブロックサイズを有するブロック重合体が好ましい。官能基を疎水性ブロック(着色剤が結合するブロック)に組み込むことができ、それによって分散安定性を改善するために分散剤と着色剤との間の特異的相互作用をより強化される。さらに、熱エネルギーを利用した方式、特に小液滴対応のヘッドに使用した場合、そのレオロジー適性により、より好ましい。
【0047】
重合体の量は、用いる重合体の構造、分子量および他の特性、さらにはインク組成物の他の成分に依存する。
【0048】
本発明で用いる重合体の数平均分子量は、2000以上40000未満、好ましくは2000以上20000未満、さらには2000以上20000未満、特には2000以上10000未満とした場合、特に熱エネルギーを用いたヘッドに使用する場合においても、高周波数での応答性が劣ることがなく、また分散安定性をも確保することができる。
【0049】
また、これらの重合体についての製造法は、特開平05-179183号公報、特開平06-136311号公報、特開平07-053841号公報、特開平10-87768号公報、特開平11-043639号公報、特開平11-236502号公報、特開平11-269418号公報の特許請求の範囲、特に実施例において開示されている。
【0050】
ブロック共重合体に用いることができる疎水性モノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート(BMAまたはNBMA)、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート(LMA)、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、メタクリロニトリル、2-トリメチルシロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、p-トリルメタクリレート、ソルビルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリロニトリル、2-トリメチルシロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、p-トリルアクリレート、ソルビルアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
疎水性モノマーとしては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2-フェニルエチルメタクリレートまたはベンジルアクリレートが特に好ましい。
疎水性ポリマーブロックとしては上記単量体のホモポリマーおよびコポリマーブロック、特に、メチルメタクリレートとブチルメタクリレートとのコポリマーブロックが好ましい。
【0052】
また、ブロック共重合体に用いることができる親水性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸(MAA)、アクリル酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジエチルアミノエチルメタクリレート、第3-ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
親水性モノマーとしては、好ましくはメタクリル酸、アクリル酸またはジメチルアミノエチルメタアクリレートであり、親水性ポリマーブロックとしては上記のホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。
【0054】
酸を含有するポリマーは、不飽和酸を直接製造されるか、または、重合後除去できるブロッキング基を有するブロックされたモノマーから製造される。ブロッキング基の除去後にアクリル酸またはメタクリル酸を生ずるブロックされたモノマーの例としては、トリメチルシリルメタクリレート(TMS-MAA)、トリメチルシリルアクリレート、1-ブトキシエチルメタクリレート、1-エトキシエチルメタクリレート、1-ブトキシエチルアクリレート、1-エトキシエチルアクリレート、2-テトラヒドロピラニルアクリレート、2-テトラヒドロピラニルメタクリレート等が挙げられる。
【0055】
特に、熱エネルギーを用いたヘッドにて高周波数で駆動させた場合に、これらブロックポリマーを本発明のインクに用いることにより、吐出性の向上効果はより顕著になる。
【0056】
また、熱エネルギーを用いたヘッドの場合、より吐出持続性が得られるので、本発明のインクにノニオン系の界面活性剤を添加することが好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物等が好ましい。HLBは10以上、特に12以上、さらには15以上のものが好ましい。これら界面活性剤の使用量は、吐出持続性の効果を十分に得るために、インク全質量に対し0.3%以上、特に0.5%以上、さらには0.8%以上であることが好ましく、また、インクの粘度を考慮すると、インク全質量に対し3%以下、特に2.5%以下、さらには2.0%以下であることが好ましい。
【0057】
(水性媒体)
本発明に係る淡インクに於ける水性媒体とは、水、もしくは水及び水溶性有機溶剤の混合物を指す。
【0058】
水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n-ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレンまたはオキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;スルホラン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0059】
これらの溶剤の中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2-ピロリドン、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオールを用いることが好ましい。
【0060】
本発明の水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、インク全質量に対して、3質量%以上であることが好ましく、また、50質量%以下であることが好ましい。
【0061】
また、淡インク中の水の含有量は、インク全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、また、95質量%以下であることが好ましい。
【0062】
また、淡インク中に、溶剤と同じような保湿剤として、尿素やエチレン尿素、トリメチロールプロパンを含有させることも好ましい。特に、エチレン尿素、トリメチロールプロパンは本発明に非常に適したものである。これらの含有量は、インク全質量に対し1質量%以上であることが好ましく、また、20質量%以下であることが好ましい。
【0063】
(インクセット)
次に、本発明に係るインクセットについて説明する。
【0064】
本発明にかかるインクセットは、第1のインクと第2のインクとを具備し、第1のインクは、上記した本発明に係る淡インクである。また第2のインクは、該第1のインクと同じ、もしくは実質的に同じ色相の画像を形成し、しかし該第1のインクよりも着色の高いインクである。なお、濃インクと淡インクとの定義に関して、濃インクと淡インクとが、同一の色相の画像を与えると言ったときの、同一の色相の画像とは、濃インク及び淡インクの各々を、吐出量が20〜50pl(ピコリットル)程度のインクジェット記録ヘッドを用いて、360dpi(dot per inch)×720dpiの画像を普通紙上に形成して得られた画像を、目視で観察し、その色相を、マンセルの色票に基づくマンセル記号の10のカテゴリー(R,YR,Y,GY,G,BG,B,PB,P,RP)に分類したときに、各々の画像が同じカテゴリーに属しているか、或いは隣接するカテゴリーに属していることを意味する。
【0065】
また着色力が高いとは、具体的には色材の含有量が、第1のインクよりも多いこと、即ちインク全量に対して1%より大きいことを指す。なお、第1のインクと第2のインクとで、色材種は必ずしも同じである必要はない。
【0066】
該第1のインク、つまり淡インクについてはこれまで説明してきた通りである。
【0067】
第2のインク、即ち、濃インクについても、使用に好適な顔料、樹脂分散剤、水性媒体、顔料濃度および顔料に対する樹脂分散剤の割合を除くインク組成等は淡インクについて記載したものと同一である。
【0068】
濃インク中の顔料に対する樹脂分散剤の割合は、淡インク中の顔料に対する分散剤の割合よりも小さいことが好ましい。濃インク中の顔料と樹脂分散剤の質量(分散剤/顔料)は、特に限定されるものではないが、優れたインクの長期保存安定性が得られるので、1/10以上、特に1/8以上、さらには1/6以上であることが好ましく、また、インクの粘度が十分低くなり、優れた吐出特性が得られるので、1以下、特に4/5以下、さらには2/3以下であることが好ましい。
【0069】
また、本発明のインクセットにおいて、濃インクと淡インクとは異なる顔料を用いてもかまわないが、同一の顔料を用い、インク中の量のみが異なるものであることが好ましい。
【0070】
同一の顔料を用いる場合、グラデーションを濃淡の2色で表現する場合で、濃インク中の顔料の含有量としては、十分な画像濃度が得られるので、1.5質量%以上であることが好ましく、また、インク中の固形分が多くなりすぎず、目詰まり等の問題がほとんど起こらないので、6質量%以下であることが好ましい。
【0071】
(インクジェット記録装置、記録ユニット等)
本発明で使用するインクおよびインクセットを用いて記録を行うのに好適なインクジェット記録装置としては、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーにより液滴を発生させる装置が挙げられる。
【0072】
まず、その装置の主要部であるヘッド構成例を、図1、図2および図3に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は、図1のA-B線での断面図である。ヘッド13は、インクを通す溝14を有する、ガラス、セラミックまたはプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものではない。)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17-1および17-2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、およびアルミナ等の放熱性のよい基板20よりなっている。
【0073】
インク21は、吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりャjスカス23を形成している。今、アルミニウム電極17-1および17-2に電気信号情報が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出しインク小滴24となり、吐出オリフィス22より被記録材25に向って飛翔する。
【0074】
図3には、図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドは、マルチ溝26を有するガラス板27と、図1で説明したものと同様の発熱ヘッド28を密着して作製されている。尚、図1はインク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA-B線の切断面である。
【0075】
図4に、上記ヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。さらに、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0076】
上記ブレード61、キャップ62およびインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61およびインク吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵挨等の除去が行われる。65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載してその移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域およびその隣接した領域の移動が可能となる。
【0077】
51は被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆動する紙送りローラーである。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
【0078】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0079】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62およびブレード61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッド65のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0080】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで、40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。本発明において、このインク収容部は、ポリアセテートおよびポリオレフィンからなる群より選択される化合物によって形成されている。特に、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。
【0081】
本発明で使用するインクジェット記録装置は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク保持体が収納されており、かかるインク保持体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。
【0082】
インク保持体の材料としては、無機化合物のポリマー、ポリビニルアセテート、ポリオレフィン等を用いることができるが、本発明においては、ポリアセテートおよびポリオレフィンからなる群より選択される化合物によって構成されたインク保持体を使用する。さらに、インク保持体が多孔質体であるものや、好ましくは多層構造を有するものを使用することが好ましいが、インク保持性、インク吐出性、信頼性の面から、繊維の集合体を圧縮したタイプが特に良好である。また、多層構造体の多層配列方向や繊維集合体の繊維配列方向が、インク収容部のインク廃出方向に配列しているものを使用することが好ましい。さらに、上記したようなインク保持体がインク収容部と接触面を有しているものを使用することが好ましい。72は、記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0083】
次に、本発明に好適に使用できる記録装置および記録ヘッドの他の具体例を説明する。図7は、本発明に係る吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッドとしての液体吐出ヘッドおよびこのヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
【0084】
図7においては、インクジェットプリンタは、ケーシング1008内に長手方向に沿って設けられる記録媒体としての用紙1028を図中に示す矢印Pで示す方向に間欠的に搬送する搬送装置1030と、搬送装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交する矢印S方向に、ガイド軸1014に沿って略平行に往復運動せしめられる記録部1010と、記録部1010を往復運動させる駆動手段としての移動駆動部1006とを含んで構成されている。
【0085】
上記搬送装置1030は、互いに略平行に対向配置されている一対のローラユニット1022aおよび1022bと、一対のローラユニット1024aおよび1024bと、これらの各ローラユニットを駆動させるための駆動部1020とを備えている。かかる構成により、搬送装置1030の駆動部1020が作動状態とされると、用紙1028が、それぞれのローラユニット1022aおよび1022bと、ローラユニット1024aおよび1024bにより狭持されて、図7に示す矢印P方向に間欠送りで搬送されることとなる。
【0086】
移動駆動部1006は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a、および、プーリ1026bに巻きかけられるベルト1016、ローラユニット1022a、および、ローラユニット1022bに略平行に配置され記録部1010のキャリッジ部材1010aに連結されるベルト1016を順方向および逆方向に駆動させるモータ1018とを含んで構成されている。
【0087】
モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図7の矢印R方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは図7の矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。また、モータ1018が作動状態とされてベルト1016が図中に示した矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキャリッジ部材1010aは図7の矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。さらに、移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1010の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026が記録部1010のインク吐出口配列に対向して設けられている。
【0088】
記録部1010は、インクジェットカートリッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合がある)1012Y、1012M、1012Cおよび1012Bが各色、例えばイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック毎にそれぞれ、キャリッジ部材1010aに対して着脱自在に備えられる。この場合に於いては、本発明に係るインクセットを構成する第1、第2のインクは、各々独立のカートリッジに収納されているが、他の例としては、図24に示したように、例えば本発明に係る第1のインクと第2のインクとの各々を収納しているインク収納部2401と2403を備え、図25に示す様にインクジェット記録ヘッド2501に対して着脱可能に構成されているインクカートリッジ2405が挙げられる。
【0089】
そして図24に係るインクカートリッジは、図25に示した様にインクジェット記録ヘッド2501に装着されることにより、第1のインク及び第2のインクの各々が記録ヘッドに供給され、各々のインクが吐出されることとなるものである。更に図24、25ではインクカートリッジとインクジェット記録ヘッドとが着脱可能な構成について説明したが、インクカートリッジとインクジェット記録ヘッドとが一体となった構成も他の例として挙げることができる。
【0090】
図8は上述のインクジェット記録装置に搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示す。本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプのものであり、インクジェット記録ヘッド100と、インク等の液体を収容する液体タンク1001とで主要部が構成されている。
【0091】
インクジェット記録ヘッド100は液体を吐出するための多数の吐出口832が形成されており、インク等の液体は、液体タンク1001から図示しない液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室(図9参照)へと導かれるようになっている。図8に示したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるようにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採用するようにしてもよい。
【0092】
このような構成のインクジェットプリンタに搭載され得る上述の液体吐出ヘッドの具体例を以下にさらに詳しく説明する。
【0093】
図9は、本発明で使用するインクジェット記録装置に好適な液体吐出ヘッドの要部を模式的に示す概略斜視図であり、図10〜図13は図9に示した液体吐出ヘッドの吐出口形状を示す正面図である。尚、これらの図において電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は省略している。
【0094】
本例の液体吐出ヘッドにおいては、例えば図9に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチック或いは金属等からなる基板934が用いられる。このような基板の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出エネルギー発生素子、および後述する液流路、吐出口を形成する材料層の支持体として、機能し得るものであれば特に限定されるものではない。そこで、本例では、Si基板(ウエハ)を用いた場合で説明する。このような基板934上にインク吐出口を形成するが、その方法としては、レーザー光による形成方法の他、例えば後述するオリフィスプレート(吐出口プレート)935を感光性樹脂として、MPA(Mirror Projection Aligner)等の露光装置により吐出口を形成する方法も挙げられる。
【0095】
図9において934は電気熱変換素子(以下、ヒータと記述する場合がある)931および共通液室部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口933を備える基板であり、インク供給口933の長手方向の両側には、熱エネルギー発生手段であるヒータ931がそれぞれ1列ずつ千鳥状に、電気熱変換素子の間隔が、例えば、300dpiで配列されている。また、この基板934上には、インク流路を形成するためのインク流路壁936が設けられている。このインク流路壁936には、さらに吐出口832を備える吐出口プレート935が設けられている。
【0096】
ここで、図9においてはインク流路壁936と吐出口プレート935とは、別部材として示されているが、このインク流路壁936を例えばスピンコート等の手法によって基板934上に形成することによりインク流路壁936と吐出口プレート935とを同一部材として同時に形成することも可能である。ここでは、さらに、吐出口面(上面)935a側は撥水処理が施されている。
【0097】
例示した装置では、図7の矢印S方向に走査しながら記録を行うシリアルタイプのヘッドを用い、例えば、1,200dpiで記録を行う。駆動周波数は10kHzであり、一つの吐出口では最短時間間隔100μs毎に吐出を行うことになる。
【0098】
また、ヘッドの実例寸法の一例としては、例えば、図10に示すように、隣接するノズルを流体的に隔離する隔壁936aは、幅w=14μmである。図13に示すように、インク流路壁936により形成される発泡室1337は、N1(発泡室の幅寸法)=33μm、N2(発泡室の長さ寸法)=35μmである。ヒータ931のサイズは30μm×30μmでヒータ抵抗値は53Ωであり、駆動電圧は10.3Vである。また、インク流路壁936および隔壁936aの高さは12μmで、吐出口プレート厚は11μmのものが使用できる。
【0099】
図9に示したように、吐出口832を含む吐出口プレートに設けられた吐出口部940の断面のうち、インクの吐出方向(オリフィスプレート935の厚み方向)に交差する方向で切断してみた断面の形状は、図11に示したように、概略星形となっており、鈍角の角を有する6つの起部832aと、これら起部832aの間に交互に配され、且つ、鋭角の角を有する6つの伏部832bとから概略構成されている。即ち、吐出口の中心Oから局所的に離れた領域としての伏部832bをその頂部、この領域に隣接する吐出口の中心Oから局所的に近い領域としての起部832aをその基部として、図9に示すオリフィスプレートの厚み方向(液体の吐出方向)に6つの溝が形成されている(溝部の位置については図14の1141a参照)。
【0100】
図示した例の液体吐出ヘッドにおいては、吐出口部940は、例えばその厚み方向に交差する方向で切断した断面が一辺27μmの二つの正三角形を60度回転させた状態で組み合わせた形状となっており、図11に示すT1は8μmである。起部832aの角度はすべて120度であり、伏部832bの角度はすべて60度である。
【0101】
従って、吐出口の中心Oと、互いに隣接する溝の中心部(溝の頂部と、この頂部に隣接する2つの基部とを結んでできる図形の中心(重心))を結んで形成される多角形の重心Gとが一致するようになっている。(図11参照)本例の吐出口832の開口面積は400μm2であり、溝部の開口面積(溝の頂部と、この頂部に隣接する2つの基部とを結んでできる図形の面積)は1つあたり約33μm2となっている。
【0102】
図12は図11に示した吐出口の部分のインク付着状態を示す模式図である。
【0103】
次に、上述の構成のインクジェット記録ヘッドによる液体の吐出動作について図14〜図21を用いて説明する。
【0104】
図14〜図21は、図9〜図13に記載の液体吐出ヘッドの液体吐出動作を説明するための断面図であり、図13に示す発泡室1337のX-X断面図である。この断面において吐出口部940のオリフィスプレート厚み方向の端部は、溝1141の頂部1141aとなっている。
【0105】
図14はヒータ上に膜状の気泡が生成した状態を示し、図15は図14の約1μs後、図16は図14の約2μs後、図17は図14の約3μs後、図18は図14の約4μs後、図19は図14の約5μs後、図20は図14の約6μs後、図21は図14の約7μs後の状態をそれぞれ示している。尚、以下の説明において、「落下」または「落とし込み」、「落ち込み」とは、いわゆる重力方向への落下という意味ではなく、ヘッドの取り付け方向によらず、電気熱変換素子の方向への移動をいう。
【0106】
まず、図14に示すように、記録信号等に基づいたヒータ931への通電に伴いヒータ931上の液流路1338内に気泡101が生成されると、該気泡は約2μs間に図15および図16に示すように急激に体積膨張して成長する。気泡101の最大体積時における高さは吐出口面935aを上回るが、このとき、気泡の圧力は大気圧の数分の1から10数分の1にまで減少している。
【0107】
次に、気泡101の生成から約2μs後の時点で気泡101は上述のように最大体積から体積減少に転じるが、これとほぼ同時にメニスカス1004の形成も始まる。このメニスカス1004も図17に示すようにヒータ931側への方向に後退、すなわち落下してゆく。
【0108】
ここで、図示した例の液体吐出ヘッドにおいては、吐出口部に複数の溝1141が分散した状態で設けられていることにより、メニスカス1004が後退する際に、溝1141の部分ではメニスカス後退方向FMとは反対方向FCに毛管力が作用する。その結果、仮に何らかの原因により気泡101の状態に多少のバラツキが認められたとしても、メニスカスの後退時のメニスカスおよび主液滴(以下、液体またはインクと記述する場合がある)Iaの形状が、吐出口中心に対して略対称形状となるように補正される。
【0109】
そして、図示した例の液体吐出ヘッドでは、このメニスカス1004の落下速度が気泡101の収縮速度よりも速いために、図18に示したように、気泡の生成から約4μs後の時点で気泡101が吐出口832の下面近傍で大気に連通する。このとき、吐出口832の中心軸近傍の液体(インク)はヒータ931に向かって落ち込んでゆく。これは、大気に連通する前の気泡101の負圧によってヒータ931側に引き戻された液体(インク)Iaが、気泡101の大気連通後も慣性でヒータ931面方向の速度を保持しているからである。
【0110】
ヒータ931側に向かって落ち込んでいった液体(インク)は、図19に示すように気泡101の生成から約5μs後の時点でヒータ931の表面に到達し、図20に示すようにヒータ931の表面を覆うように拡がってゆく。このようにヒータ931の表面を覆うように拡がった液体はヒータ931の表面に沿った水平方向のベクトルを有するが、ヒータ931の表面に交差する、例えば、垂直方向のベクトルは消滅し、ヒータ931の表面上に留まろうとし、それよりも上側の液体、すなわち吐出方向の速度ベクトルを保つ液体を下方向に引っ張ることになる。
【0111】
その後、ヒータ931の表面に拡がった液体と上側の液体(主液滴)との間の液体部分Ibが細くなってゆき、気泡101の生成から約7μs後の時点で図21に示すようにヒータ931の表面の中央で液体部分Ibが切断され、吐出方向の速度ベクトルを保つ主液滴Iaとヒータ931の表面上に拡がった液体Icとに分離される。このように分離の位置は液流路1338内部、より好ましくは吐出口832よりも電気熱変換素子931側が望ましい。
【0112】
主液滴Iaは吐出方向に偏りがなく、吐出ヨレすることなく、吐出口832の中央部分から吐出され、記録媒体の被記録面の所定位置に着弾される。また、ヒータ931の表面上に拡がった液体Icは、従来であれば主液滴の後続としてサテライト滴となって飛翔するものであるが、ヒータ931の表面上に留まり、吐出されない。
【0113】
このようにサテライト滴の吐出を抑制することができるため、サテライト滴の吐出により発生し易いスプラッシュを防止することができ、霧状に浮遊するミストにより記録媒体の被記録面が汚れるのを確実に防止することが可能となる。尚、図18〜図21において、Idは溝部に付着したインク(溝内のインク)を、また、Ieは液流路内に残存しているインクを表している。
【0114】
このように、図示した例の液体吐出ヘッドでは、気泡が最大体積に成長した後の体積減少段階で液体を吐出する際に、吐出口の中心に対して分散した複数の溝により、吐出時の主液滴の方向を安定化させることができる。その結果、吐出方向のヨレのない、着弾精度の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。また、高い駆動周波数での発泡ばらつきに対しても吐出を安定して行うことができることによる、高速高精細印字を実現することができる。
【0115】
特に、図示した例の液体吐出ヘッドでは、気泡の体積減少段階でこの気泡を始めて大気と連通させることで液体を吐出することにより、気泡を大気に連通させて液滴を吐出する際に発生するミストを防止できるので、所謂、突然不吐出の要因となる、吐出口面に液滴が付着する状態を抑制することもできる。
【0116】
本発明に好適に使用できる、上記したような吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の記録ヘッドの他の実施態様として、例えば特許第2783647号公報に記載のように、いわゆるエッジシュータータイプが挙げられる。
【0117】
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッドや記録装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0118】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。
【0119】
この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型の何れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0120】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号明細書および同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことができる。
【0121】
本発明で使用するインクジェット記録装置を構成する記録ヘッドの構成としては、上記に挙げた各明細書に開示されているような吐出口、液路および電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,459,600号明細書を用いた構成のものを使用することも好ましい。
【0122】
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59-123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59-138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効である。
【0123】
さらに、記録装置が記録できる最大範囲の被記録材の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成の何れでもよいが、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
【0124】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0125】
また、本発明で使用するインクジェット記録装置の構成に設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或いは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0126】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0127】
以上の説明においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、若しくは液体であるもの、或いは上述のインクジェット方式においては、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば何れのものでもよい。
【0128】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、何れにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとして吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能である。このような場合インクは、特開昭54-56847号公報或いは特開昭60-71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても良い。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0129】
さらに加えて、本発明で使用するインクジェット記録装置の形態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体、または別体に設けられるものの他、リーダと組み合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0130】
次に、上述した液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置の概略について説明する。
【0131】
図22は、上記構成を有する液体吐出ヘッドを装着して適用することのできる液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置600の概略斜視図である。図22において、インクジェットヘッドカートリッジ601は、上述した液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに供給するインクを保持するインクタンクとが一体となったものである。このインクジェットヘッドカートリッジ601は、駆動モータ602の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア603、604を介して回転するリードスクリュ605の螺旋溝606に対して係合するキャリッジ607上に搭載されており、駆動モータ602の動力によってキャリッジ607とともにガイド608に沿って矢印a,b方向に往復移動される。被記録材P'は、図示しない被記録材搬送手段によってプラテンローラ609上を搬送され、紙押え板610によりキャリッジ607の移動方向にわたってプラテンローラ609に対して押圧される。
【0132】
リードスクリュ605の一端の近傍には、フォトカプラ611および612が配設されている。これらはキャリッジ607のレバー607aのこの領域での存在を確認し、駆動モータ602の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知手段である。
【0133】
支持部材613は、上述のインクジェットヘッドカートリッジ601の吐出口のある前面(吐出口面)を覆うキャップ部材614を支持するものである。また、インク吸引手段615は、キャップ部材614の内部にインクジェットヘッドカートリッジ601から空吐出等されて溜まったインクを吸引するものである。このインク吸引手段615によりキャップ内開口部(不図示)を介してインクジェットヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われる。インクジェットヘッドカートリッジ601の吐出口面を払拭するためのクリーニングブレード617は、移動部材618により前後方向(上記キャリッジ607の移動方向に直交する方向)に移動可能に設けられている。これらクリーニングブレード617および移動部材618は、本体支持体619に支持されている。クリーニングブレード617は、この形態に限らず、他の周知のクリーニングブレードであってもよい。
【0134】
液体吐出ヘッドの吸引回復操作にあたって、吸引を開始させるためのレバー620は、キャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。インクジェットヘッドカートリッジ601の液体吐出ヘッドに設けられた発熱体に信号を付与したり、前述した各機構の駆動制御を司ったりするインクジェット記録制御部は装置本体側に設けられており、ここには図示しない。
【0135】
上述の構成を有するインクジェット記録装置600は、図示しない被記録材搬送手段によりプラテンローラ609上を搬送される被記録材P'に対し、インクジェットヘッドカートリッジ601は被記録材P'の全幅にわたって往復移動しながら記録を行う。
【0136】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例および比較例中の部は質量部を、%は質量%を表す。
【0137】
シアンインク1を下記の方法で作製した。
【0138】
<シアンインク1>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸とを原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2000のAB型ブロックポリマーを作り、さらに、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。
【0139】
上記のポリマー溶液を500g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水を400g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0140】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が5%、分散剤濃度が14%であった。
【0141】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.5%、分散剤濃度1.4%の顔料インクを調製した。
上記シアン分散液 10部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 10部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO 30) 1部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(商品名アセチレノールEH、川研ファインケミカル製)
イオン交換水 66.5部。
【0142】
マゼンタインク1を下記の方法で作製した。
【0143】
<マゼンタインク1>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸とを原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、さらに、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作成した。
【0144】
上記のポリマー溶液を300g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を400g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に6回通すことによって処理した。
【0145】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が6%、分散剤濃度が10%であった。
【0146】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.6%、分散剤濃度1%のインクを調製した。
上記マゼンタ分散液 10部
グリセリン 8部
1,2,6-ヘキサントリオール 5部
トリメチロールプロパン 5部
ポリオキシエチレンセチルエーテル(EO 40) 0.5部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(商品名アセチレノールEH、川研ファインケミカル製)
イオン交換水 71部。
【0147】
シアンインク2を下記の方法で作製した。
【0148】
<シアンインク2>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレート、メタクリル酸およびエトキシエチレングリコールメタクリレートを原料として、常法により、酸価350、数平均分子量2500のABC型ブロックポリマーを作り、さらに、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作製した。
【0149】
上記の50%ポリマー溶液を550g、C.I.ピグメントブルー15:4を100gおよびイオン交換水を350g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0150】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が5%、分散剤濃度が15%であった。
【0151】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.3%、分散剤濃度3%の顔料インクを調製した。
【0152】
マゼンタインク2を下記の方法で作製した。
【0153】
<マゼンタインク2>
(1)分散液の作製
シアンインク1で用いた50%ポリマー溶液を330g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を370g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に6回通すことによって処理した。
【0154】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が6%、分散剤濃度が9%であった。
【0155】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.9%、分散剤濃度1.35%のインクを調製した。
上記マゼンタ分散液 15部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
2-ピロリドン 5部
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(EO 20) 0.5部
サーフィノール440(川研ファインケミカル製) 0.1部
イオン交換水 59.4部。
【0156】
マゼンタインク3を下記の方法で作製した。
【0157】
<マゼンタインク3>
(1)分散液の作製
シアンインク1で用いた50%ポリマー溶液を260g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を440g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に6回通すことによって処理した。
【0158】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が6%、分散剤濃度が7.2%であった。
【0159】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.9%、分散剤濃度1.80%のインクを調製した。
上記マゼンタ分散液 15部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
2-ピロリドン 5部
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(EO 20) 0.5部
サーフィノール440(川研ファインケミカル製) 0.1部
イオン交換水 59.4部。
【0160】
シアンインク3を下記の方法で作製した。
【0161】
<シアンインク3>
(1)分散液の作製
シアンインク1で用いた50%ポリマー溶液を90g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水を310g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0162】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が5%であった。
【0163】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度0.5%、分散剤濃度0.25%のシアンインク3を調製した。
上記シアン分散液 5部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO 30) 1部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(商品名アセチレノールEH、川研ファインケミカル製)
イオン交換水 73.5部。
【0164】
濃シアンインク1を下記の方法で調製した。
【0165】
<濃シアンインク1>
(1)分散液の作製
シアンインク1で用いた50%ポリマー溶液を120g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水を280g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
【0166】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が7%であった。
【0167】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度3%、分散剤濃度2.1%の濃シアンインク1を調製した。
上記シアン分散液 30部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 10部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO 30) 1部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(商品名アセチレノールEH、川研ファインケミカル製)
イオン交換水 46.5部。
【0168】
濃マゼンタインク1を下記の方法で作製した。
【0169】
<濃マゼンタインク1>
(1)分散液の作製
マゼンタインク1で用いた50%ポリマー溶液を90g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を310g混合し、そして機械的に0.5時間撹拌した。次いで、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を液体圧力約10,000psi(約70MPa)下で相互作用チャンバ内に6回通すことによって処理した。
【0170】
さらに、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が10%、分散剤濃度が5%であった。
【0171】
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4%、分散剤濃度2%の濃マゼンタインク1を調製した。
上記マゼンタ分散液 40部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 10部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO 30) 1部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(商品名アセチレノールEH、川研ファインケミカル製)
イオン交換水 6.5部。
【0172】
上記したシアンインク1(C1)、マゼンタインク1(M1)、シアンインク2(C2)、マゼンタインク2(M2)、マゼンタインク3(M3)、シアンインク3(C3)、濃シアンインク1(DC1)、及び濃マゼンタインク1(DM2)の組成並びにB/P比を下記表1にまとめる。
【0173】
【表1】
【0174】
<実施例1>
上記のようにして得られた<シアンインク1>を、記録信号に応じた熱エネルギーを付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型記録ヘッドを複数個有するインクジェットカラー記録装置BJF-850(キヤノン社製)に適用して画像を形成し、耐光試験および吐出試験を行った。
【0175】
まず、本実施例のインクを用い、記録媒体HG-201(キヤノン社製)上に、フルベタ画像を印字した。その際、フルベタ印字部のインク打込み量は、10g/m2〜12g/m2の範囲とした。次に、上記で得られた印字物に対して、スーパーキセノンSX-75(スガ試験機製)を用いて、キセノンランプで300時間まで促進耐光試験を行い、100時間毎に、耐光試験前後の印刷物のOD値をX-Rite(X-Rite社製)で測定した。そして、それらの測定値から、耐光試験後のOD値の耐光試験前のOD値に対する割合を計算することにより、光退色のパラメーターとしてOD残存率(耐光試験後OD値/初期OD値×100(%))を求めた。その結果を図23に示す。このOD残存率の数値が小さい程、印刷物の濃度の劣化が大きいことを示す。
【0176】
また、本実施例のインクをBJF-850(キヤノン社製)にて、10ノズル、2×108パルス連続吐出させ、不吐の発生具合と、ヒーター面の付着物の有無を評価した。その結果を下記表2に示す。(吐出耐久性1)
表2において、吐出耐久性試験の結果は、
A:問題がないノズルが10本(全ノズル)で、ヒーター面に付着物はみられなかった。
B:問題がないノズルが10本(全ノズル)だが、ヒーター面に多少の付着物が見られた。
C:問題がないノズルが7本〜9本、
D:問題がないノズルが6本以下、
のように評価した。
【0177】
さらに、上記吐出耐久性1と同様の方法で、4×108パルス連続吐出させ、不吐の発生具合と、ヒーター面の付着物の有無を評価した。その結果を下記表2に示す。(吐出耐久性2)
評価基準は吐出耐久性1と同様である。
【0178】
<実施例2>
上記のようにして得られた<マゼンタインク1>を、実施例1と同様に耐光性と吐出耐久性とについて評価した。その結果を図23および表2に示す。
【0179】
<実施例3>
上記のようにして得られた<シアンインク2>を、実施例1と同様に耐光性と吐出耐久性とについて評価した。その結果を図23および表2に示す。
【0180】
<実施例4>
上記のようにして得られた<マゼンタインク2>を、実施例1と同様に耐光性と吐出耐久性とについて評価した。その結果を図23および表2に示す。
【0181】
<実施例5>
上記のようにして得られた<マゼンタインク3>を、実施例1と同様に耐光性と吐出耐久性とについて評価した。その結果を図23および表2に示す。
【0182】
<比較例1>
上記のようにして得られた<シアンインク3>を、実施例1と同様に耐光性と吐出耐久性とについて評価した。その結果を図23および表2に示す。
【0183】
図23からわかるように、本実施例1〜4のインクは光劣化がほとんどなく、良好な耐光性を示した。一方、比較例1のインクは光劣化する挙動を示した。
【0184】
また、表2からわかるように、本実施例1〜5のインクは、比較例1のインクと比べて吐出耐久性に優れていた。
【0185】
【表2】
【0186】
<実施例6>
上記のようにして得られた<シアンインク1>、<濃シアンインク1>からなる本実施例のインクセットを、インクジェットカラー記録装置BJF-850(キヤノン社製)に適用して、これら2インクの組合わせからなるグラデーション画像を印字した。次に、上記で得られた印字物に対して、スーパーキセノンSX-75(スガ試験機製)を用いて、キセノンランプで300時間まで促進耐光試験を行った。
【0187】
本実施例のインクセットを用いた印字物は、耐光試験後も、グラデーションのつなぎが初期と同様滑らかであった。
【0188】
<実施例7>
上記のようにして得られた<マゼンタインク1>、<濃マゼンタインク1>からなる本実施例のインクセットを、実施例6と同様に評価した。
【0189】
本実施例のインクセットを用いた印字物は、耐光試験後も、グラデーションのつなぎが初期と同様滑らかであった。
【0190】
【発明の効果】
本発明の淡インクは、画像の堅牢度、特に耐光性に優れ、かつ、熱エネルギーを用いた高精細なヘッドでも長期にわたって優れた吐出性が得られる。また、この淡インクを用いた本発明の濃淡インクセットは、屋外長期間暴露後においても色バランスがくずれず、高品質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置ヘッドの縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置ヘッドの縦横面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
【図8】液体吐出ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの一例を示す概略斜視図である。
【図9】図8に示したインクジェットカートリッジに用いられている液体吐出ヘッドの一例の要部を模式的に示す概略斜視図である。
【図10】図8に示した液体吐出ヘッドの一例の一部を抽出した概念図である。
【図11】図10に示した吐出口の部分の拡大図である。
【図12】図11に示した吐出口の部分のインク付着状態を示す模式図である。
【図13】図10における主要部の模式図である。
【図14】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図15〜図21とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図15】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図14および図16〜図21とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図16】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図14、図15および図17〜図21とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図17】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図14〜図16および図18〜図21とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図18】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図14〜図17および図19〜図21とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図19】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図14〜図18および図20、図21とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図20】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図14〜図19および図21とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図21】図13中のX-X斜視断面形状に対応し図14〜図20とともに液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面図である。
【図22】本発明のインクジェット記録方法に用いることのできる液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置600の概略斜視図である。
【図23】実施例1〜5のインクおよび比較例1のインクの耐光性を示すグラフである。
【図24】本発明に係るインクカートリッジの一実施態様を示す概略図である。
【図25】本発明に係る記録ユニットの一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17-1、17-2:アルミニウム電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
31:発熱体
32:液室
33:基板
34:隔壁
35:インク滴
36:保護膜
37:吐出口
38:インク液路
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キヤップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キヤリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
100:インクジェット記録ヘッド
101:気泡
102:記録ヘッド
103:記録ヘッドユニット
104:ガイド軸
105:ガイド軸
106:記録媒体
107:スイッチ部と表示素子部
108:プラテン
109:送りローラ
110:回復系ユニット
111:キャリッジ
20Bk、20C、20M、20Y:インクのタンク
600:インクジェット記録装置
601:インクジェットヘッドカートリッジ
602:駆動モータ
603、604:駆動力伝達ギア
605:リードスクリュ
606:螺旋溝
607:キャリッジ
607a:レバー
608:ガイド
609:プラテンローラ
610:紙押え板
611、612:フォトカプラ
613:支持部材
614:キャップ部材
615:インク吸引手段
617:クリーニングブレード
618:移動部材
619:本体支持体
620:(吸引開始)レバー
621:カム
701:インクカートリッジ
703:インク収納部
705:インク収納部
801:インクジェット記録ヘッド
832:吐出口
832a:起部
832b:伏部
931:電気熱変換素子(ヒータ、インク吐出エネルギー発生素子)
933:インク供給口(開口部)
934:基板
935:オリフィスプレート(吐出口プレート)
935a:吐出口面
936:インク流路壁
936a:隔壁
940:吐出口部
1337:発泡室
1338:液流路
1141:溝
1141a:頂部
1004:メニスカス
1001:液体タンク
1006:移動駆動部
1008:ケーシング
1010:記録部
1010a:キャリッジ部材
1012:カートリッジ
1012Y,M,C,B:インクジェットカートリッジ
1014:ガイド軸
1016:ベルト
1018:モータ
1020:駆動部
1022a、1022b:ローラユニット
1024a、1024b:ローラユニット
1026:回復ユニット
1026a、1026b:プーリ
1028:用紙
1030:搬送装置
C:濡れインク
FM:メニスカス後退方向
FC:メニスカス後退方向と反対方向
G:重心
I:インク
Ia:主液滴(液体,インク)
Ib,Ic:液体(インク)
Id:溝部に付着したインク(溝内のインク)
Ie:液流路内に残存しているインク
N1:発泡室の幅寸法
N2:発泡室の長さ寸法
O:吐出口の中心
P':被記録材
P:用紙の搬送方向
R:ベルトの回転方向
S:用紙の搬送方向と略直交する方向
T1:吐出口伏部寸法
w:隔壁の幅寸法[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention is an ink, particularly an ink jet ink, and more specifically, an ink, an ink set, and an ink jet recording that can be suitably used for a thermal ink jet system that gives a recorded matter in which image quality does not deteriorate over a long period of time or the deterioration in image quality is extremely suppressed The present invention relates to a method, an ink jet recording apparatus, a recording unit, and an ink cartridge.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in order to respond to the increasing demand for further improved fastness (light resistance, gas resistance, etc.) of ink jet recorded images, ink jet inks containing pigments as color materials have been energetically studied. It has become like this.
[0003]
As a result, the nozzle clogging of the head part and the problem of storage stability over a long period of time, which have been problems for the ink-jet pigment ink for the time being, have been considerably improved compared to the beginning.
[0004]
By the way, in ink-jet recording using a water-soluble color material, specifically, an ink containing a dye, four color inks (for example, yellow (Y) ink, In addition to cyan (C) ink, magenta (M) ink, and black (Bk) ink), an ink having the same hue as that of an image provided by at least one of the four color inks and having low coloring power That is, there is a method using light ink. As the light ink, light cyan ink and light magenta ink are generally used.
[0005]
On the other hand, even in ink jet recording using an ink set containing a water-insoluble colorant, for example, a pigment, a combination of two inks that give images of the same hue and have different coloring powers, so-called dark ink It has been considered to use a combination of (dark ink) and light ink. For example, in WO 01/48100, both dark ink and light ink contain a pigment and a dispersant, and the ratio (B1 / P1) of the weight ratio B1 of the resin in the dark ink to the weight ratio P1 of the pigment is Discloses an ink set which is lower than the ratio (B2 / P2) of the weight ratio B2 of the resin in the light ink and the weight ratio P2 of the pigment, and B1 and B2 are different, thereby uniform ink permeability An ink set that can obtain a high-quality image without roughness is disclosed, and further, by setting B1> B2, it is disclosed that the light resistance of light ink can be improved to the same level as that of dark ink. ing. JP-A-2001-179956 discloses that when recording using a dark ink and a light ink containing a pigment and a dispersant, the surface tension of the light ink is made lower than the surface tension of the dark ink. A technique for further improving the roughness is disclosed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, although technical knowledge about ink jet recording using dark and light ink containing a pigment and a dispersant has been accumulated, it is still not sufficient. Under such circumstances, the present inventors have repeatedly studied application of dark ink and light ink containing a pigment and a dispersant to thermal ink jet recording. In the process, in the long-term ejection test, the present inventors have found that the size of the light ink droplet may be smaller at a lower pulse number than that of the dark ink, and the droplet may be swung. Found that it tends to be shorter. This is an unexpected experimental result for the present inventors, considering that the light ink is lower than the dark ink in the amount of solids (pigment, dispersant, etc.) in the ink. This should be solved by all means in order to achieve further improvement in the quality of ink-jet recorded images formed with inks containing pigments and dispersants and to improve the reliability of printers equipped with such inks. It has come to be recognized as an issue.
[0007]
Accordingly, an object of the present invention is an ink containing a water-insoluble colorant that can provide excellent ejection properties over a long period of time even when applied to thermal ink jet recording and can further stabilize ink jet recording. Is to provide.
[0008]
Another object of the present invention is to provide an ink set that is effective for further stable formation of high-quality inkjet recording images.
Another object of the present invention is to provide an ink jet recording method capable of stably forming an ink jet recorded image.
[0009]
Still another object of the present invention is to provide an ink cartridge, a recording unit, and an ink jet recording apparatus that are preferably used in the above ink jet recording method.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
According to one embodiment of the present invention, an aqueous medium, and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, For thermal inkjet recording Ink, the concentration of the colorant is 1% or less of the total mass of the ink, the dispersant is a block copolymer, and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) Is greater than 1 For thermal inkjet recording Ink is provided.
[0013]
According to one aspect of the present invention, an ink set having a first ink and a second ink,
The first ink includes an aqueous medium, and a coloring material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant. For thermal inkjet recording An ink having a color material concentration of 1% or less of the total mass of the ink;
The dispersant is a block copolymer, and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) is greater than 1, and the second ink is the same as the first ink. Alternatively, an ink set is provided that has a hue that forms an image of substantially the same hue on a recording medium and has a higher coloring power than the first ink.
[0015]
According to one embodiment of the present invention, an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, and the concentration of the color material is 1% or less of the total mass of the ink. Yes, the dispersant is a block copolymer, and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) is greater than 1. For thermal inkjet recording There is provided an ink jet recording method comprising a step of discharging ink in accordance with a recording signal.
[0017]
According to an embodiment of the present invention, there is provided an inkjet recording method including a step of ejecting at least one of a first ink and a second ink constituting an ink set in accordance with a recording signal. The ink comprises an aqueous medium and a colorant dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant. For thermal inkjet recording An ink having a color material concentration of 1% or less of the total mass of the ink;
The dispersant is a block copolymer, and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) is greater than 1, and the second ink is the same as the first ink. Alternatively, there is provided an ink jet recording method characterized in that the ink has a hue that forms an image having substantially the same hue on a recording medium and has a higher coloring power than the first ink.
[0019]
According to one embodiment of the present invention, an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, and the concentration of the color material is 1% or less of the total mass of the ink. Yes, the dispersant is a block copolymer, and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) is greater than 1. For thermal inkjet recording An ink storage section for storing ink; and For thermal inkjet recording An ink jet recording apparatus comprising an ink ejecting head is provided.
[0020]
According to one embodiment of the present invention, the first ink includes an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant. A thermal ink-jet ink having a mass of 1% or less, the dispersant being a block copolymer, and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) being greater than 1, and a second ink; A thermal ink jet ink having a hue that forms an image of the same or substantially the same hue as that of the first ink on a recording medium and having a higher coloring power than the first ink. There is provided an ink jet recording apparatus comprising: an ink storage portion that is configured to discharge the ink and a thermal ink jet head that discharges each of the ink.
[0022]
According to an embodiment of the present invention, the first ink includes an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, and the concentration of the color material is the ink. Less than 1% of total mass The dispersant is a block copolymer, An image having the same or substantially the same hue as that of the first ink is used as the thermal ink jet recording ink having a ratio (B / P ratio) of the dispersant to the color material of greater than 1 and the second ink. Thermal ink jet having a hue formed on a recording medium and having a higher coloring power than the first ink Record An ink jet recording apparatus is provided, comprising: an ink storage portion that stores each of the inks for use; and a thermal ink jet head that discharges each of the inks.
[0024]
According to one embodiment of the present invention, an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, and the concentration of the color material is 1% or less of the total mass of the ink. The dispersant is a block copolymer and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) is greater than 1. Thermal Inkjet Record There is provided a recording unit comprising: an ink storage portion that stores the ink for use, and an ink jet head that discharges the ink.
[0026]
According to one embodiment of the present invention, an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, and the concentration of the color material is 1% or less of the total mass of the ink. The dispersion agent is a block copolymer, and the ink storage unit stores ink having a ratio (B / P ratio) of the dispersion agent to the color material of greater than 1. An ink cartridge is provided.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0028]
First, as described above, the ink according to the present invention includes an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, and the concentration of the color material has a total mass of the ink. 1% or less of the thermal ink-jet ink, wherein the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) is greater than 1.
[0029]
By adopting such a configuration, it is possible to solve the problem of the pigment ink in the thermal ink jet recording that the change with time of the droplet size described above appears faster than the dark ink. It is what
[0030]
The reason why the above-described effect can be obtained by the configuration according to the present invention is not clear. However, as a result of the examination of the above problem by the present inventors, the B / P ratio in the light ink containing the water-insoluble colorant and the dispersant for dispersing it in the aqueous medium was almost the same as that of the dark ink. In this case, since the absolute amount of the dispersant present in the light ink is small, the dispersibility of the coloring material is likely to be unstable, and in particular, the dispersion is unstable in the vicinity of the heater of the thermal ink jet head. In order to compensate for the dispersion instability, the present inventors have recognized that the dispersant is the maximum value as the B / P ratio of the ink for thermal ink jet to the light ink. I tried adding more than "1". As a result, changes in the droplet size over time and deviation of the ejected ink droplets have been improved. From this experimental fact, it is considered that the above inference is supported. In the present invention, a more preferable B / P ratio is 1.2 or more, and further 1.5 or more. Thereby, a drastic improvement such as a change in the droplet size with time and a twist of the ink droplet is recognized.
[0031]
Among them, the effect of the ink according to the present invention is more remarkable when a head having a droplet amount of 40 pl or less, more preferably 20 pl or less, and particularly preferably 10 pl or less is used.
[0032]
Further, as a secondary effect according to the present invention, an improvement in light resistance of an image by light ink can be mentioned. This is because, in general, color pigments for inkjet use have a particle size smaller than that of pigments used for screen printing and the like, and are generally about 200 nm or less, particularly about 100 nm in recent years. On the other hand, the field where color pigments are favorably used is a field that is desired to be displayed for a long period of time, such as large-format posters and photographs. Printed on top. On such a recording material, the pigment in the ink remains on the surface because it is not absorbed into the recording material. Therefore, since there is nothing that blocks light from the pigment, even a pigment that is generally said to have high light resistance may fade after long-term irradiation. In particular, in the case of light ink, since the amount of pigment on the paper surface is small, it is easily affected.
[0033]
In the present invention, the light resistance is remarkably improved by increasing the ratio of the dispersant to the pigment in the light ink. This is presumably because the photobleaching involves the presence of oxygen, but the dispersing agent coats the pigment on the paper surface to block the air and make it difficult to cause photobleaching.
[0034]
By the way, the ink for ink jet recording whose color material amount is 1% or less with respect to the total amount of the ink is combined with the ink for ink jet recording (dark ink) having high coloring power that gives an image having the same hue on the recording medium. Are often used for inkjet recording. As a result, it is possible to form a silver salt photographic tone ink jet recording image in which dots are not noticeable and the gradation is extremely smooth. However, the ink according to the present invention is not necessarily used only in combination with the dark ink, and can of course be used alone. However, in the present invention, for convenience, an ink having a color material concentration of 1% or less with respect to the total mass of the ink is referred to as “light ink”.
[0035]
By the way, the preferred density of the color material of the light ink according to the present invention varies depending on the type of color material and the balance with the dark ink when used as an ink set, but the outline in units of one dot is visually observed. Considering the original purpose of the light ink that cannot be seen, the color material concentration is 1% by mass or less, preferably 0.9% by mass or less, more preferably 0.8% by mass or less. On the other hand, the lower limit of the pigment concentration is 0.1% by mass or more, particularly 0.2% by mass or more, and more preferably 0.3% by mass or more with respect to the total mass of the ink so that the coloring power as the ink does not become too low. Is preferred.
[0036]
(Pigment)
Next, the pigment used for the light ink according to the present invention will be described.
[0037]
For example, carbon black is preferably used as the pigment used in the black ink.
[0038]
As color pigments, the color index (C.I.) numbers indicate C.I. Pigment Yellow 12, 13, 14, 17, 20, 24, 55, 74, 83, 86, 93, 97, 98, 109, 110, 117, 120, 125, 128, 137, 138, 139, 147, 148, 150, 151, 153, 154, 155, 166, 168, 180, 185,
[0039]
Among these, when cyan and magenta pigments are used, the effects of the present invention are more remarkably exhibited. In particular, when using at least one selected from CI Pigment Red 122 as the magenta pigment and CI Pigment Blue 15: 3 and 15: 4 as the cyan pigment, the color tone, dark ink, and light ink are used. It is preferable in terms of the balance of light resistance.
[0040]
The particle size of the pigment used is not particularly limited, but is preferably 200 nm or more.
[0041]
By the way, in the present invention, a self-dispersing pigment as a colorant, that is, a pigment in which a hydrophilic group is chemically bonded to the pigment surface directly or through other atomic groups is applied to an aqueous medium by the action of a dispersant. Use in combination with pigments that can be dispersed is not impeded.
[0042]
(Dispersant)
Next, the dispersant for the pigment in the ink, which is one of the important features of the present invention, will be described.
[0043]
As the dispersant, for example, a water-soluble resin having a hydrophilic portion and a hydrophobic portion, which is generally used as a pigment dispersant for inkjet ink, can be used.
[0044]
Specific examples of water-soluble resins include aliphatic alcohol esters of α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acids, acrylic acid, acrylic acid derivatives, maleic acid, maleic acid derivatives, itaconic acid, itaconic acid derivatives, fumaric acid, fumar At least one monomer selected from acid derivatives and the like and at least one monomer selected from hydrophobic monomers selected from styrene, styrene derivatives, vinylnaphthalene derivatives, and the like And a block copolymer or a random copolymer, or a salt thereof.
[0045]
Examples of the polymer structure include random polymers, block copolymers, branched polymers, and graft polymers. Among these, the dispersant is particularly preferably a block polymer (block polymer). That is, since thermal ink jet recording has a step of heating the ink with a heater, a water-soluble resin to be contained in the ink is selected so as not to cause kogation or the like on the heater. It is preferable to use it. The block polymer can be said to particularly meet this purpose.
[0046]
Examples of the block polymer include AB, BAB, and ABC type structures (here, A, B, and C schematically show polymer blocks having different structures from each other), but there is a block portion. If there are, there are no structural restrictions. In particular, a block polymer having a hydrophobic block and a hydrophilic block, and having a balanced block size that contributes to dispersion stability is preferable. Functional groups can be incorporated into the hydrophobic block (block to which the colorant is attached), thereby further enhancing the specific interaction between the dispersant and the colorant to improve dispersion stability. Furthermore, it is more preferable because of its rheological suitability when it is used in a system utilizing thermal energy, particularly in a head corresponding to a small droplet.
[0047]
The amount of polymer depends on the structure, molecular weight and other properties of the polymer used, as well as other components of the ink composition.
[0048]
The number average molecular weight of the polymer used in the present invention is 2000 or more and less than 40,000, preferably 2000 or more and less than 20000, more preferably 2000 or more and less than 20000, and particularly 2000 or more and less than 10,000, especially for heads using thermal energy. Even in this case, the response at a high frequency is not inferior, and the dispersion stability can be secured.
[0049]
The production methods for these polymers are described in JP-A Nos. 05-179183, 06-136311, 07-053841, 10-87768, and 11-043639. This is disclosed in the claims, particularly in the examples of Japanese Patent Laid-Open Nos. 11-236502 and 11-269418.
[0050]
Examples of the hydrophobic monomer that can be used in the block copolymer include methyl methacrylate (MMA), ethyl methacrylate (EMA), propyl methacrylate, n-butyl methacrylate (BMA or NBMA), hexyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate ( EHMA), octyl methacrylate, lauryl methacrylate (LMA), stearyl methacrylate, phenyl methacrylate, hydroxylethyl methacrylate (HEMA), hydroxypropyl methacrylate, 2-ethoxyethyl methacrylate, methacrylonitrile, 2-trimethylsiloxyethyl methacrylate, glycidyl methacrylate (GMA) ), P-tolyl methacrylate, sorbyl methacrylate, methyl acrylate, ethyl acrylate, propylene Acrylate, butyl acrylate, hexyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, octyl acrylate, lauryl acrylate, stearyl acrylate, phenyl acrylate, hydroxyethyl acrylate, hydroxypropyl acrylate, acrylonitrile, 2-trimethylsiloxyethyl acrylate, glycidyl acrylate, p-tolyl acrylate, Examples include sorbyl acrylate, benzyl acrylate, benzyl methacrylate, 2-phenylethyl methacrylate, but are not limited thereto.
[0051]
As the hydrophobic monomer, methyl methacrylate, butyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-phenylethyl methacrylate or benzyl acrylate is particularly preferable.
The hydrophobic polymer block is preferably a homopolymer or copolymer block of the above-mentioned monomers, particularly a copolymer block of methyl methacrylate and butyl methacrylate.
[0052]
Examples of hydrophilic monomers that can be used in the block copolymer include methacrylic acid (MAA), acrylic acid, dimethylaminoethyl methacrylate (DMAEMA), diethylaminoethyl methacrylate, 3-butylaminoethyl methacrylate, dimethylamino. Examples include, but are not limited to, ethyl acrylate, diethylaminoethyl acrylate, dimethylaminopropyl methacrylamide, methacrylamide, acrylamide, dimethylacrylamide and the like.
[0053]
The hydrophilic monomer is preferably methacrylic acid, acrylic acid or dimethylaminoethyl methacrylate. The hydrophilic polymer block is preferably the above homopolymer or copolymer.
[0054]
Acid-containing polymers are produced directly from unsaturated acids or from blocked monomers having blocking groups that can be removed after polymerization. Examples of blocked monomers that yield acrylic acid or methacrylic acid after removal of the blocking group include trimethylsilyl methacrylate (TMS-MAA), trimethylsilyl acrylate, 1-butoxyethyl methacrylate, 1-ethoxyethyl methacrylate, 1-butoxyethyl acrylate, Examples thereof include 1-ethoxyethyl acrylate, 2-tetrahydropyranyl acrylate, 2-tetrahydropyranyl methacrylate and the like.
[0055]
In particular, when these block polymers are used in the ink of the present invention when driven at a high frequency by a head using thermal energy, the effect of improving the discharge property becomes more remarkable.
[0056]
Further, in the case of a head using thermal energy, it is preferable to add a nonionic surfactant to the ink of the present invention because discharge sustainability can be obtained more. As the nonionic surfactant, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl phenyl ether, polyoxyethylene fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, ethylene oxide adduct of acetylene glycol and the like are preferable. HLB is preferably 10 or more, particularly 12 or more, and more preferably 15 or more. The amount of these surfactants used is preferably 0.3% or more, particularly 0.5% or more, more preferably 0.8% or more with respect to the total mass of the ink in order to obtain a sufficient discharge sustaining effect. Considering the viscosity, it is preferably 3% or less, particularly 2.5% or less, and more preferably 2.0% or less with respect to the total mass of the ink.
[0057]
(Aqueous medium)
The aqueous medium in the light ink according to the present invention refers to water or a mixture of water and a water-soluble organic solvent.
[0058]
Examples of the water-soluble organic solvent include 1 carbon atom such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol, isobutyl alcohol, and n-pentanol. Alkyl alcohols of 5 to 5; amides such as dimethylformamide and dimethylacetamide; ketones or ketoalcohols such as acetone and diacetone alcohol; ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, dipropylene Oxyethylene or oxypropylene copolymers such as glycol, tripropylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol; ethylene glycol, propylene Alkylene glycols wherein the alkylene group contains 2 to 6 carbon atoms such as recall, trimethylene glycol, triethylene glycol, 1,2,6-hexanetriol; glycerin; ethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, diethylene glycol monomethyl ( Or lower alkyl ethers such as ethyl) ether and triethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether; lower dialkyl ethers of polyhydric alcohols such as triethylene glycol dimethyl (or ethyl) ether and tetraethylene glycol dimethyl (or ethyl) ether Alkanolamines such as monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine; sulfolane, N-methyl-2-pyrrolidone, 2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazo Jin Won, and the like.
[0059]
Among these solvents, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, 2-pyrrolidone, glycerin, and 1,2,6-hexanetriol are preferably used.
[0060]
The content of the water-soluble organic solvent in the water-based ink of the present invention is not particularly limited, but is preferably 3% by mass or more, and preferably 50% by mass or less with respect to the total mass of the ink.
[0061]
Further, the water content in the light ink is preferably 50% by mass or more, and preferably 95% by mass or less, based on the total mass of the ink.
[0062]
Further, it is also preferable that urea, ethylene urea, or trimethylolpropane is contained in the light ink as a humectant similar to the solvent. In particular, ethylene urea and trimethylolpropane are very suitable for the present invention. These contents are preferably 1% by mass or more, and preferably 20% by mass or less, based on the total mass of the ink.
[0063]
(Ink set)
Next, the ink set according to the present invention will be described.
[0064]
The ink set according to the present invention includes a first ink and a second ink, and the first ink is the light ink according to the present invention described above. The second ink forms an image having the same or substantially the same hue as the first ink, but is higher in color than the first ink. Regarding the definition of dark ink and light ink, when the dark ink and light ink give the same hue image, the image of the same hue is the dark ink and the light ink. Using an inkjet recording head with a discharge volume of about 20-50 pl (picoliter), visually observe the image obtained by forming an image of 360 dpi (dot per inch) x 720 dpi on plain paper, and check its hue. Whether the images belong to the same category when classified into 10 categories (R, YR, Y, GY, G, BG, B, PB, P, RP) of the Munsell symbol based on the Munsell color chart Or belonging to an adjacent category.
[0065]
The high coloring power specifically means that the content of the coloring material is higher than that of the first ink, that is, higher than 1% with respect to the total amount of ink. Note that the color material types are not necessarily the same between the first ink and the second ink.
[0066]
The first ink, that is, the light ink is as described above.
[0067]
For the second ink, that is, the dark ink, the ink composition except for the pigment, resin dispersant, aqueous medium, pigment concentration, and the ratio of the resin dispersant to the pigment is the same as that described for the light ink. is there.
[0068]
The ratio of the resin dispersant to the pigment in the dark ink is preferably smaller than the ratio of the dispersant to the pigment in the light ink. The mass of the pigment and the resin dispersant in the dark ink (dispersant / pigment) is not particularly limited. However, since excellent long-term storage stability of the ink can be obtained, it is 1/10 or more, particularly 1/8. In addition, it is preferably 1/6 or more, and since the viscosity of the ink is sufficiently low and excellent ejection characteristics can be obtained, it is 1 or less, particularly 4/5 or less, and further 2/3 or less. It is preferable.
[0069]
In the ink set of the present invention, different pigments may be used for the dark ink and the light ink, but it is preferable that the same pigment is used and only the amount in the ink is different.
[0070]
When the same pigment is used, the gradation is expressed by two shades of light and dark, and the content of the pigment in the dark ink is preferably 1.5% by mass or more because sufficient image density can be obtained. In addition, the solid content in the ink does not increase excessively, and problems such as clogging hardly occur. Therefore, the content is preferably 6% by mass or less.
[0071]
(Inkjet recording device, recording unit, etc.)
As an ink jet recording apparatus suitable for recording using the ink and ink set used in the present invention, thermal energy corresponding to the recording signal is applied to the ink in the recording head chamber, and droplets are generated by the thermal energy. Apparatus to be used.
[0072]
First, an example of a head configuration which is a main part of the apparatus is shown in FIGS. FIG. 1 is a cross-sectional view of the
[0073]
The
[0074]
FIG. 3 shows an external view of a multi-head in which a large number of heads shown in FIG. 1 are arranged. The multi-head is produced by closely contacting a
[0075]
FIG. 4 shows an example of an ink jet recording apparatus incorporating the head. In FIG. 4, reference numeral 61 denotes a blade as a wiping member, one end of which is held by a blade holding member to become a fixed end and forms a cantilever. The blade 61 is disposed at a position adjacent to the recording area by the recording head 65, and in this example, is held in a form protruding in the movement path of the recording head 65. 62 is a cap on the discharge port surface of the recording head 65, which is disposed at the home position adjacent to the blade 61, moves in a direction perpendicular to the moving direction of the recording head 65, contacts the ink discharge port surface, and capping The structure which performs is provided. Further, reference numeral 63 denotes an ink absorber provided adjacent to the blade 61 and, like the blade 61, is held in a form protruding in the moving path of the recording head 65.
[0076]
The blade 61, the
[0077]
51 is a paper feed section for inserting a recording material, and 52 is a paper feed roller driven by a motor (not shown). With these configurations, the recording material is fed to a position facing the ejection port surface of the recording head 65, and is discharged to a paper discharge portion provided with a paper discharge roller 53 as recording progresses.
[0078]
In the above configuration, when the recording head 65 returns to the home position due to the end of recording or the like, the
[0079]
When the recording head 65 moves from the home position to the recording start position, the
[0080]
FIG. 5 is a diagram showing an example of an
[0081]
The ink jet recording apparatus used in the present invention is not limited to the one in which the head and the ink cartridge are separated as described above, but is preferably used in an apparatus in which they are integrated as shown in FIG. In FIG. 6,
[0082]
As the material of the ink holder, an inorganic compound polymer, polyvinyl acetate, polyolefin or the like can be used. In the present invention, an ink holder made of a compound selected from the group consisting of polyacetate and polyolefin is used. use. In addition, it is preferable to use a porous body or preferably an ink holding body having a multilayer structure, but the fiber assembly is compressed from the viewpoints of ink holding performance, ink ejection performance, and reliability. The type is particularly good. In addition, it is preferable to use one in which the multilayer arrangement direction of the multilayer structure and the fiber arrangement direction of the fiber assembly are arranged in the ink discharge direction of the ink containing portion. Furthermore, it is preferable to use an ink holding member having an ink container and a contact surface as described above.
[0083]
Next, other specific examples of the recording apparatus and the recording head that can be suitably used in the present invention will be described. FIG. 7 is a schematic perspective view showing a main part of an example of a liquid discharge head as a liquid discharge head of a discharge method for communicating bubbles with the atmosphere during discharge according to the present invention, and an ink jet printer as a liquid discharge apparatus using the head. is there.
[0084]
In FIG. 7, the ink jet printer includes a conveying
[0085]
The conveying
[0086]
The moving drive unit 1006 is disposed substantially parallel to the
[0087]
When the
[0088]
The
[0089]
24 is mounted on the ink jet recording head 2501 as shown in FIG. 25, whereby each of the first ink and the second ink is supplied to the recording head, and each ink is ejected. It will be done. 24 and 25, the configuration in which the ink cartridge and the ink jet recording head can be attached and detached has been described. However, a configuration in which the ink cartridge and the ink jet recording head are integrated can be given as another example.
[0090]
FIG. 8 shows an example of an ink jet cartridge that can be mounted on the above-described ink jet recording apparatus. The
[0091]
The ink
[0092]
A specific example of the above-described liquid discharge head that can be mounted on the ink jet printer having such a configuration will be described in more detail below.
[0093]
FIG. 9 is a schematic perspective view schematically showing a main part of a liquid discharge head suitable for the ink jet recording apparatus used in the present invention, and FIGS. 10 to 13 show the discharge port shape of the liquid discharge head shown in FIG. FIG. In these drawings, electrical wiring and the like for driving the electrothermal transducer are omitted.
[0094]
In the liquid discharge head of this example, a
[0095]
In FIG. 9,
[0096]
Here, in FIG. 9, the ink
[0097]
In the illustrated apparatus, a serial type head that performs recording while scanning in the direction of arrow S in FIG. 7 is used, for example, recording is performed at 1,200 dpi. The driving frequency is 10 kHz, and one discharge port performs discharge at the shortest time interval of 100 μs.
[0098]
As an example of the actual dimensions of the head, for example, as shown in FIG. 10, a
[0099]
As shown in FIG. 9, the cross section of the
[0100]
In the liquid discharge head of the illustrated example, the
[0101]
Therefore, a polygon formed by connecting the center O of the discharge port and the center of the groove adjacent to each other (the center (center of gravity) of the figure formed by connecting the top of the groove and the two bases adjacent to the top). The center of gravity G of the two coincides with each other. (Refer to FIG. 11) The opening area of the
[0102]
FIG. 12 is a schematic diagram showing an ink adhesion state at the discharge port portion shown in FIG.
[0103]
Next, a liquid discharge operation by the ink jet recording head having the above-described configuration will be described with reference to FIGS.
[0104]
14 to 21 are cross-sectional views for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head described in FIGS. 9 to 13 and are cross-sectional views taken along line XX of the
[0105]
14 shows a state where a film-like bubble is generated on the heater, FIG. 15 shows about 1 μs after FIG. 14, FIG. 16 shows about 2 μs after FIG. 14, FIG. 17 shows about 3 μs after FIG. 14 shows a state after about 4 μs, FIG. 19 shows a state after about 5 μs in FIG. 14, FIG. 20 shows a state after about 6 μs in FIG. 14, and FIG. 21 shows a state after about 7 μs in FIG. In the following description, “falling” or “falling” and “falling” do not mean dropping in the so-called gravity direction, and the movement in the direction of the electrothermal conversion element is independent of the mounting direction of the head. Say.
[0106]
First, as shown in FIG. 14, when the
[0107]
Next, at about 2 μs after the generation of the
[0108]
Here, in the liquid discharge head of the illustrated example, the plurality of
[0109]
In the liquid discharge head of the illustrated example, the falling speed of the
[0110]
The liquid (ink) that has fallen toward the
[0111]
Thereafter, the liquid portion I between the liquid spread on the surface of the
[0112]
Main droplet I a Is discharged from the central portion of the
[0113]
As described above, since the discharge of the satellite droplets can be suppressed, it is possible to prevent the splash that is likely to occur due to the discharge of the satellite droplets, and it is ensured that the recording surface of the recording medium is soiled by the mist floating in the form of mist. It becomes possible to prevent. Note that in FIGS. d Indicates ink adhering to the groove (ink in the groove) and I e Represents ink remaining in the liquid flow path.
[0114]
As described above, in the liquid discharge head of the illustrated example, when liquid is discharged at the volume reduction stage after the bubble has grown to the maximum volume, a plurality of grooves dispersed with respect to the center of the discharge port can be used. The direction of the main droplet can be stabilized. As a result, it is possible to provide a liquid ejection head with no landing deviation and high landing accuracy. In addition, high-speed and high-definition printing can be realized due to stable ejection even with respect to foaming variation at a high driving frequency.
[0115]
In particular, in the liquid discharge head of the illustrated example, the liquid is discharged by first communicating the air bubbles with the air at the volume reduction stage of the air bubbles, and this occurs when the liquid droplets are discharged with the air bubbles communicating with the air. Since mist can be prevented, it is possible to suppress a state in which droplets adhere to the discharge port surface, which is a cause of sudden non-discharge.
[0116]
As another embodiment of the recording head of the discharge method that can be suitably used in the present invention and communicates bubbles with the atmosphere at the time of discharge as described above, for example, as described in Japanese Patent No. 2783647, a so-called edge shooter type can be cited. It is done.
[0117]
The present invention provides an excellent effect particularly in an ink jet recording head or recording apparatus that performs recording by forming flying droplets using thermal energy among ink jet recording methods.
[0118]
As the typical configuration and principle, for example, those performed using the basic principle disclosed in US Pat. Nos. 4,723,129 and 4,740,796 are preferable.
[0119]
This method can be applied to both the so-called on-demand type and continuous type. In particular, in the case of the on-demand type, it is arranged corresponding to the sheet or liquid path holding the liquid (ink). By applying at least one drive signal corresponding to the recorded information and giving a rapid temperature rise exceeding the film boiling to the electrothermal transducer, the thermal energy is generated in the electrothermal transducer, and the recording head This is effective because film boiling occurs on the heat acting surface, and as a result, bubbles in the liquid (ink) corresponding to the drive signal on a one-to-one basis can be formed. By the growth and contraction of the bubbles, liquid (ink) is ejected through the ejection opening to form at least one droplet. It is more preferable that the drive signal has a pulse shape, because the bubble growth and contraction is performed immediately and appropriately, and thus it is possible to achieve discharge of a liquid (ink) having particularly excellent responsiveness.
[0120]
As this pulse-shaped drive signal, those described in US Pat. Nos. 4,463,359 and 4,345,262 are suitable. Further excellent recording can be performed by employing the conditions described in US Pat. No. 4,313,124 of the invention relating to the temperature rise rate of the heat acting surface.
[0121]
As the configuration of the recording head constituting the ink jet recording apparatus used in the present invention, a combination configuration of a discharge port, a liquid path and an electrothermal transducer as disclosed in the above-mentioned specifications (linear liquid flow) (U.S. Pat.No. 4,558,333, U.S. Pat. It is also preferable to do.
[0122]
In addition, for a plurality of electrothermal transducers, Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-123670 which discloses a configuration in which a common slit is used as a discharge portion of an electrothermal transducer or an opening for absorbing a pressure wave of thermal energy. The present invention is also effective as a configuration based on Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-138461 which discloses a configuration corresponding to the discharge unit.
[0123]
Furthermore, as a full-line type recording head having a length corresponding to the width of the maximum recording material that can be recorded by the recording apparatus, the length of the recording head is a combination of a plurality of recording heads as disclosed in the above specification. However, the present invention can exhibit the above-described effects more effectively.
[0124]
In addition, by mounting on the apparatus main body, the ink can be integrated with the replaceable chip type recording head that can be electrically connected to the apparatus main body and supplied with ink from the apparatus main body, or the recording head itself. The present invention is also effective when a cartridge type recording head provided with a tank is used.
[0125]
In addition, it is preferable to add recovery means for the recording head, preliminary auxiliary means, etc. provided in the configuration of the ink jet recording apparatus used in the present invention, since the effects of the present invention can be further stabilized. . Specifically, the capping means, the cleaning means, the pressurizing or suction means for the recording head, the preheating means by the electrothermal converter or another heating element or a combination thereof, and the recording Performing a preliminary discharge mode for performing another discharge is also effective for performing stable recording.
[0126]
Further, the recording mode of the recording apparatus is not limited to the recording mode of only the mainstream color such as black, but the recording head may be integrally formed or may be a combination of a plurality of colors. The present invention is extremely effective for an apparatus having at least one of full colors.
[0127]
In the above description, the ink is described as a liquid. However, the ink is solidified at room temperature or lower and softens at room temperature, or is a liquid, or in the ink jet method described above, the ink itself In general, the temperature is adjusted so that the viscosity of the ink is within the stable discharge range by adjusting the temperature within the range of 30 ° C to 70 ° C. Any one may be used.
[0128]
In addition, it is possible to prevent the temperature rise by heat energy from being used as the energy for changing the state of the ink from the solid state to the liquid state, or to use ink that solidifies in the standing state for the purpose of preventing ink evaporation. In any case, thermal energy such as ink that is liquefied by application of thermal energy according to a recording signal and discharged as liquid ink, or that already starts to solidify when reaching the recording medium. The use of ink having the property of being liquefied for the first time is also applicable to the present invention. In such a case, the ink is in a state of being held as a liquid or solid in a porous sheet recess or through-hole as described in JP-A-54-56847 or JP-A-60-71260, It is good also as a form which opposes with respect to an electrothermal converter. In the present invention, the most effective one for each of the above-described inks is to execute the above-described film boiling method.
[0129]
In addition, as an ink jet recording apparatus used in the present invention, as an image output terminal of an information processing device such as a word processor or a computer, a copying apparatus combined with a reader in addition to being provided integrally or separately, A facsimile apparatus having a transmission / reception function may be used.
[0130]
Next, an outline of a liquid discharge apparatus equipped with the above-described liquid discharge head will be described.
[0131]
FIG. 22 is a schematic perspective view of an ink
[0132]
[0133]
The
[0134]
In the suction recovery operation of the liquid ejection head, the
[0135]
In the
[0136]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples. In addition, the part in an Example and a comparative example represents a mass part, and% represents the mass%.
[0137]
[0138]
<
(1) Preparation of dispersion
First, using benzyl acrylate and methacrylic acid as raw materials, an AB type block polymer having an acid value of 300 and a number average molecular weight of 2000 is prepared by a conventional method, further neutralized with an aqueous potassium hydroxide solution, and diluted with ion-exchanged water. A homogeneous 50% aqueous polymer solution was made.
[0139]
500 g of the above polymer solution, 100 g of CI Pigment Blue 15: 3 and 400 g of ion-exchanged water were mixed and mechanically stirred for 0.5 hour. The mixture was then processed using a microfluidizer by passing the mixture five times through the interaction chamber under a liquid pressure of about 10,000 psi (about 70 MPa).
[0140]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a cyan dispersion. The resulting cyan dispersion had a pigment concentration of 5% and a dispersant concentration of 14%.
[0141]
(2) Preparation of ink
The ink was prepared using the above-mentioned cyan dispersion liquid, and the following components were added to this to obtain a predetermined concentration. After these components were sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm was used. The mixture was filtered under pressure to prepare a pigment ink having a pigment concentration of 0.5% and a dispersant concentration of 1.4%.
10 parts of the above cyan dispersion
Diethylene glycol 10 parts
1 part of polyoxyethylene lauryl ether (EO 30)
Acetylene glycol EO adduct 0.5 parts
(Product name: acetylenol EH, manufactured by Kawaken Fine Chemicals)
Ion exchange water 66.5 parts.
[0142]
[0143]
<
(1) Preparation of dispersion
First, using benzyl acrylate and methacrylic acid as raw materials, an AB type block polymer having an acid value of 250 and a number average molecular weight of 3000 is prepared by a conventional method, further neutralized with an aqueous potassium hydroxide solution, and diluted with ion-exchanged water. A homogeneous 50% aqueous polymer solution was made.
[0144]
300 g of the above polymer solution, 100 g of CI Pigment Red 122 and 400 g of ion-exchanged water were mixed and mechanically stirred for 0.5 hour. The mixture was then processed using a microfluidizer by passing the mixture six times through the interaction chamber under a liquid pressure of about 10,000 psi (about 70 MPa).
[0145]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a magenta dispersion. The obtained magenta dispersion had a pigment concentration of 6% and a dispersant concentration of 10%.
[0146]
(2) Preparation of ink
The ink is prepared using the above magenta dispersion, and the following components are added to this to a predetermined concentration. After these components are sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm is used. By pressure filtration, an ink having a pigment concentration of 0.6% and a dispersant concentration of 1% was prepared.
10 parts of the above magenta dispersion
Glycerin 8 parts
1,2,6-hexanetriol 5 parts
5 parts trimethylolpropane
Polyoxyethylene cetyl ether (EO 40) 0.5 part
Acetylene glycol EO adduct 0.5 parts
(Product name: acetylenol EH, manufactured by Kawaken Fine Chemicals)
71 parts of ion exchange water.
[0147]
Cyan ink 2 was produced by the following method.
[0148]
<Cyan ink 2>
(1) Preparation of dispersion
First, using benzyl acrylate, methacrylic acid and ethoxyethylene glycol methacrylate as raw materials, an ABC type block polymer having an acid value of 350 and a number average molecular weight of 2500 is prepared by a conventional method, and further neutralized with an aqueous potassium hydroxide solution, and ion-exchanged water. To obtain a homogeneous 50% aqueous polymer solution.
[0149]
550 g of the above 50% polymer solution, 100 g of CI Pigment Blue 15: 4 and 350 g of ion-exchanged water were mixed and mechanically stirred for 0.5 hour. The mixture was then processed using a microfluidizer by passing the mixture five times through the interaction chamber under a liquid pressure of about 10,000 psi (about 70 MPa).
[0150]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a cyan dispersion. The resulting cyan dispersion had a pigment concentration of 5% and a dispersant concentration of 15%.
[0151]
(2) Preparation of ink
The ink was prepared using the above-mentioned cyan dispersion liquid, and the following components were added to this to obtain a predetermined concentration. After these components were sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm was used. The mixture was filtered under pressure to prepare a pigment ink having a pigment concentration of 0.3% and a dispersant concentration of 3%.
[0152]
Magenta ink 2 was produced by the following method.
[0153]
<Magenta ink 2>
(1) Preparation of dispersion
330 g of the 50% polymer solution used in
[0154]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a magenta dispersion. The obtained magenta dispersion had a pigment concentration of 6% and a dispersant concentration of 9%.
[0155]
(2) Preparation of ink
The ink is prepared using the above magenta dispersion, and the following components are added to this to a predetermined concentration. After these components are sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm is used. By pressure filtration, an ink having a pigment concentration of 0.9% and a dispersant concentration of 1.35% was prepared.
15 parts of the above magenta dispersion
Glycerin 10 parts
Diethylene glycol 10 parts
2-pyrrolidone 5 parts
0.5 parts of polyoxyethylene stearyl ether (EO 20)
Surfynol 440 (by Kawaken Fine Chemical) 0.1 part
Ion exchange water 59.4 parts.
[0156]
Magenta ink 3 was produced by the following method.
[0157]
<Magenta ink 3>
(1) Preparation of dispersion
260 g of the 50% polymer solution used in
[0158]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a magenta dispersion. The obtained magenta dispersion had a pigment concentration of 6% and a dispersant concentration of 7.2%.
[0159]
(2) Preparation of ink
The ink is prepared using the above magenta dispersion, and the following components are added to this to a predetermined concentration. After these components are sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm is used. By filtration under pressure, an ink having a pigment concentration of 0.9% and a dispersant concentration of 1.80% was prepared.
15 parts of the above magenta dispersion
Glycerin 10 parts
Diethylene glycol 10 parts
2-pyrrolidone 5 parts
0.5 parts of polyoxyethylene stearyl ether (EO 20)
Surfynol 440 (by Kawaken Fine Chemical) 0.1 part
Ion exchange water 59.4 parts.
[0160]
Cyan ink 3 was produced by the following method.
[0161]
<Cyan ink 3>
(1) Preparation of dispersion
90 g of the 50% polymer solution used in
[0162]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a cyan dispersion. The resulting cyan dispersion had a pigment concentration of 10% and a dispersant concentration of 5%.
[0163]
(2) Preparation of ink
The ink was prepared using the above-mentioned cyan dispersion liquid, and the following components were added to this to obtain a predetermined concentration. After these components were sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm was used. By filtering under pressure, cyan ink 3 having a pigment concentration of 0.5% and a dispersant concentration of 0.25% was prepared.
5 parts of the above cyan dispersion
Glycerin 10 parts
Diethylene glycol 10 parts
1 part of polyoxyethylene lauryl ether (EO 30)
Acetylene glycol EO adduct 0.5 parts
(Product name: acetylenol EH, manufactured by Kawaken Fine Chemicals)
73.5 parts of ion exchange water.
[0164]
A
[0165]
<
(1) Preparation of dispersion
120 g of the 50% polymer solution used in
[0166]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a cyan dispersion. The resulting cyan dispersion had a pigment concentration of 10% and a dispersant concentration of 7%.
[0167]
(2) Preparation of ink
The ink was prepared using the above-mentioned cyan dispersion liquid, and the following components were added to this to obtain a predetermined concentration. After these components were sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm was used. By filtration under pressure,
30 parts of the above cyan dispersion
Diethylene glycol 10 parts
1 part of polyoxyethylene lauryl ether (EO 30)
Acetylene glycol EO adduct 0.5 parts
(Product name: acetylenol EH, manufactured by Kawaken Fine Chemicals)
46.5 parts of ion exchange water.
[0168]
[0169]
<
(1) Preparation of dispersion
90 g of the 50% polymer solution used in
[0170]
Further, the dispersion obtained above was centrifuged (12,000 rpm, 20 minutes) to remove non-dispersed materials containing coarse particles to obtain a magenta dispersion. The obtained magenta dispersion had a pigment concentration of 10% and a dispersant concentration of 5%.
[0171]
(2) Preparation of ink
The ink is prepared using the above magenta dispersion, and the following components are added to this to a predetermined concentration. After these components are sufficiently mixed and stirred, a microfilter (made by Fuji Film) with a pore size of 2.5 μm is used. By filtration under pressure, a
40 parts of the above magenta dispersion
Diethylene glycol 10 parts
1 part of polyoxyethylene lauryl ether (EO 30)
Acetylene glycol EO adduct 0.5 parts
(Product name: acetylenol EH, manufactured by Kawaken Fine Chemicals)
6.5 parts of ion exchange water.
[0172]
Cyan ink 1 (C1), magenta ink 1 (M1), cyan ink 2 (C2), magenta ink 2 (M2), magenta ink 3 (M3), cyan ink 3 (C3), dark cyan ink 1 (DC1) ), And the composition and B / P ratio of dark magenta ink 1 (DM2) are summarized in Table 1 below.
[0173]
[Table 1]
[0174]
<Example 1>
Inkjet color recording apparatus BJF-850 (Canon Inc.) having a plurality of on-demand recording heads that discharge ink by applying thermal energy according to a recording signal to <
[0175]
First, a full solid image was printed on a recording medium HG-201 (manufactured by Canon Inc.) using the ink of this example. At that time, the amount of ink applied to the solid printing part is 10 g / m 2 ~ 12g / m 2 It was made the range. Next, the printed matter obtained above was subjected to an accelerated light resistance test for up to 300 hours with a xenon lamp using Super Xenon SX-75 (manufactured by Suga Test Instruments), and the printed matter before and after the light resistance test every 100 hours The OD value was measured with X-Rite (manufactured by X-Rite). Then, by calculating the ratio of the OD value after the light resistance test to the OD value before the light resistance test from those measured values, the OD residual ratio (OD value after the light resistance test / initial OD value × 100 ( %)). The results are shown in FIG. The smaller the numerical value of this OD remaining rate, the greater the deterioration of the density of the printed matter.
[0176]
In addition, the ink of this example is BJF-850 (manufactured by Canon Inc.), 10 nozzles, 2 × 10 8 Pulses were discharged continuously, and the occurrence of discharge failure and the presence or absence of deposits on the heater surface were evaluated. The results are shown in Table 2 below. (Discharge durability 1)
In Table 2, the result of the discharge durability test is
A: There were no problem nozzles (all nozzles), and no deposits were observed on the heater surface.
B: There are 10 nozzles with no problem (all nozzles), but some deposits were seen on the heater surface.
C: 7 to 9 nozzles with no problem,
D: 6 or less nozzles with no problem,
It was evaluated as follows.
[0177]
Furthermore, in the same manner as the
The evaluation criteria are the same as for
[0178]
<Example 2>
<
[0179]
<Example 3>
<Cyan ink 2> obtained as described above was evaluated in terms of light resistance and ejection durability in the same manner as in Example 1. The results are shown in FIG.
[0180]
<Example 4>
<Magenta ink 2> obtained as described above was evaluated for light resistance and ejection durability in the same manner as in Example 1. The results are shown in FIG.
[0181]
<Example 5>
<Magenta ink 3> obtained as described above was evaluated in terms of light resistance and ejection durability in the same manner as in Example 1. The results are shown in FIG.
[0182]
<Comparative Example 1>
<Cyan ink 3> obtained as described above was evaluated in terms of light resistance and ejection durability in the same manner as in Example 1. The results are shown in FIG.
[0183]
As can be seen from FIG. 23, the inks of Examples 1 to 4 showed almost no light deterioration and good light resistance. On the other hand, the ink of Comparative Example 1 showed the behavior of light degradation.
[0184]
Further, as can be seen from Table 2, the inks of Examples 1 to 5 were excellent in ejection durability as compared with the ink of Comparative Example 1.
[0185]
[Table 2]
[0186]
<Example 6>
The ink set of the present embodiment comprising <
[0187]
The printed matter using the ink set of this example was smooth in gradation as in the initial stage even after the light resistance test.
[0188]
<Example 7>
The ink set of this example composed of <
[0189]
The printed matter using the ink set of this example was smooth in gradation as in the initial stage even after the light resistance test.
[0190]
【The invention's effect】
The light ink of the present invention is excellent in fastness of an image, particularly light resistance, and an excellent discharge property can be obtained over a long period even with a high-definition head using thermal energy. In addition, the dark and light ink set of the present invention using this light ink does not lose color balance even after long-term outdoor exposure, and a high-quality image can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of an ink jet recording apparatus head.
FIG. 2 is a vertical and horizontal view of an inkjet recording apparatus head.
FIG. 3 is an external perspective view of a head in which the head shown in FIG.
FIG. 4 is a perspective view illustrating an example of an ink jet recording apparatus.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view of an ink cartridge.
FIG. 6 is a perspective view illustrating an example of a recording unit.
FIG. 7 is a schematic perspective view illustrating a main part of an example of an ink jet printer on which a liquid discharge head can be mounted.
FIG. 8 is a schematic perspective view illustrating an example of an ink jet cartridge including a liquid discharge head.
9 is a schematic perspective view schematically showing a main part of an example of a liquid discharge head used in the ink jet cartridge shown in FIG.
10 is a conceptual diagram in which a part of an example of the liquid ejection head shown in FIG. 8 is extracted.
11 is an enlarged view of a portion of the discharge port shown in FIG.
12 is a schematic diagram illustrating an ink adhesion state at a portion of the discharge port illustrated in FIG.
13 is a schematic diagram of the main part in FIG.
14 is a schematic cross-sectional view for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time corresponding to the XX perspective cross-sectional shape in FIG. 13 together with FIGS. 15 to 21. FIG.
FIG. 15 is a schematic cross-sectional view for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time corresponding to FIG. 13 and FIG.
16 is a schematic cross-sectional view corresponding to the XX perspective cross-sectional shape in FIG. 13 for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time together with FIGS. 14, 15, and 17 to 21. FIG.
17 is a schematic cross-sectional view for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time corresponding to FIGS. 14 to 16 and FIGS. 18 to 21 corresponding to the XX perspective cross-sectional shape in FIG.
18 is a schematic cross-sectional view for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time corresponding to FIGS. 14 to 17 and FIGS. 19 to 21 corresponding to the XX perspective cross-sectional shape in FIG.
19 is a schematic cross-sectional view for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time corresponding to FIGS. 14 to 18, 20 and 21, corresponding to the XX perspective cross-sectional shape in FIG.
20 is a schematic cross-sectional view for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time corresponding to FIGS. 14 to 19 and FIG. 21 corresponding to the XX perspective cross-sectional shape in FIG.
FIG. 21 is a schematic cross-sectional view for explaining the liquid discharge operation of the liquid discharge head over time corresponding to the XX perspective cross-sectional shape in FIG. 13 together with FIGS.
FIG. 22 is a schematic perspective view of an ink
23 is a graph showing the light resistance of the inks of Examples 1 to 5 and the ink of Comparative Example 1. FIG.
FIG. 24 is a schematic view showing an embodiment of an ink cartridge according to the present invention.
FIG. 25 is a schematic view showing an embodiment of a recording unit according to the present invention.
[Explanation of symbols]
13: Head
14: Ink groove
15: Heat generation head
16: Protective film
17-1, 17-2: Aluminum electrode
18: Heating resistor layer
19: Thermal storage layer
20: Board
21: Ink
22: Discharge orifice (micro hole)
23: Meniscus
24: Ink droplet
25: Recording material
26: Multi groove
27: Glass plate
28: Heat generation head
31: Heating element
32: Liquid chamber
33: Board
34: Bulkhead
35: Ink droplet
36: Protective film
37: Discharge port
38: Ink liquid path
40: Ink bag
42: stopper
44: Ink absorber
45: Ink cartridge
51: Feeder
52: Paper feed roller
53: Paper discharge roller
61: Blade
62: Cap
63: Ink absorber
64: Discharge recovery part
65: Recording head
66: Carriage
67: Guide shaft
68: Motor
69: Belt
70: Recording unit
71: Head part
72: Air communication port
100: Inkjet recording head
101: Bubble
102: Recording head
103: Recording head unit
104: Guide shaft
105: Guide shaft
106: Recording medium
107: Switch part and display element part
108: Platen
109: Feed roller
110: Recovery unit
111: Carriage
20Bk, 20C, 20M, 20Y: ink tank
600: Inkjet recording device
601: Inkjet head cartridge
602: Drive motor
603, 604: Driving force transmission gear
605: Lead screw
606: Spiral groove
607: Carriage
607a: Lever
608: Guide
609: Platen roller
610: Paper holding plate
611, 612: Photocoupler
613: Support member
614: Cap member
615: Ink suction means
617: Cleaning blade
618: Moving member
619: Body support
620: (Suction start) lever
621: Cam
701: Ink cartridge
703: Ink storage
705: Ink storage
801: Inkjet recording head
832: Discharge port
832a: Starting part
832b: Prone
931: Electrothermal conversion element (heater, ink discharge energy generating element)
933: Ink supply port (opening)
934: Board
935: Orifice plate (discharge port plate)
935a: Discharge port surface
936: Ink channel wall
936a: Bulkhead
940: Discharge port
1337: Foaming chamber
1338: Liquid flow path
1141: Groove
1141a: Top
1004: Meniscus
1001: Liquid tank
1006: Movement drive unit
1008: casing
1010: Recording section
1010a: Carriage member
1012: Cartridge
1012Y, M, C, B: Inkjet cartridge
1014: Guide shaft
1016: Belt
1018: Motor
1020: Drive unit
1022a, 1022b: Roller unit
1024a, 1024b: Roller unit
1026: Recovery unit
1026a, 1026b: Pulley
1028: Paper
1030: Conveyor
C: Wet ink
FM: Meniscus backward direction
FC: Meniscus reverse direction
G: Center of gravity
I: Ink
I a : Main droplet (liquid, ink)
I b , I c : Liquid (ink)
I d : Ink adhering to the groove (ink in the groove)
I e : Ink remaining in the liquid flow path
N 1 : Width of foaming chamber
N 2 : Length of foaming chamber
O: Center of discharge port
P ': Recording material
P: Paper transport direction
R: Belt rotation direction
S: Direction substantially perpendicular to the paper transport direction
T 1 : Discharge port dimension
w: width of bulkhead
Claims (14)
該分散剤がブロック共重合体であって、且つ該分散剤の該色材に対する割合(B/P比)が1より大きいことを特徴とするサーマルインクジェット記録用インク。A thermal ink jet recording ink comprising an aqueous medium and a color material dispersed in the aqueous medium by the action of a dispersant, wherein the concentration of the color material is 1% or less of the total mass of the ink. ,
An ink for thermal ink jet recording, wherein the dispersant is a block copolymer and the ratio of the dispersant to the colorant (B / P ratio) is greater than 1.
該第1のインクが、請求項1に記載のサーマルインクジェット記録用インクであり、
該第2のインクが、該第1のインクと同一若しくは実質的に同一の色相の画像を記録媒体に形成する色相を有し、且つ着色力が該第1のインクよりも高いインクであることを特徴とするインクセット。An ink set having a first ink and a second ink,
The first ink is the thermal inkjet recording ink according to claim 1 ,
The second ink has a hue that forms an image having the same or substantially the same hue as that of the first ink on a recording medium, and has a higher coloring power than the first ink. An ink set characterized by
該インクの各々を吐出させるサーマルインクジェットヘッドと、
を具備していることを特徴とするインクジェット記録装置。An ink storage portion storing each of the first ink and the second ink constituting the ink set according to claim 6 ;
A thermal inkjet head for discharging each of the inks;
An ink jet recording apparatus comprising:
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