上記特許文献1に開示された調湿装置では、冷凍サイクル中に蒸発器として機能する冷却熱交換器が、最も手前側の室外側パネルに沿う空間と最も奥側の室内側パネルに沿う空間とに設けられている。このようにケーシング内の手前側と奥側に冷却熱交換器を配置する場合、これら冷却熱交換器の下方には、ドレン水を受けるためのドレンパンが1つずつ設置され、各ドレンパンからドレン水を排出するための排水管がドレンパンごとに設けられる。
このため、調湿装置を据え付ける際には、調湿装置の排水管にドレンホースを接続するといった作業をケーシングの手前側と奥側の2ヶ所で行う必要があり、調湿装置の据え付け作業が煩雑化していた。また、そのための作業スペースをケーシングの手前側と奥側の両方に確保しなければならず、調湿装置を設置する際の制約が大きくなるという問題もあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷媒回路を備える調湿装置において、冷凍サイクル中に蒸発器となる熱交換器で生じたドレン水を受けるためのドレンパンをケーシングの片側に配置することにより、調湿装置を据え付ける際の作業工数を削減すると共に調湿装置の設置自由度を高めることにある。
第1の発明は、ファン(95,96)と吸着素子(81,82)とが収納されて内部を被処理空気が流通するケーシング(10)と、上記吸着素子(81,82)を再生するために該吸着素子(81,82)へ向かう被処理空気を加熱する加熱用熱交換器(102)と、吸着素子(81,82)を通過した被処理空気との熱交換により冷媒を蒸発させるための熱源用熱交換器(103,104)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路とを備え、上記吸着素子(81,82)を用いて被処理空気の湿度調節を行う調湿装置を対象としている。
そして、上記ケーシング(10)内には、上記吸着素子(81,82)を通過した被処理空気が流入する下流側空間(91)が1つ形成され、上記下流側空間(91)には、第1の熱源用熱交換器(103)が設置されて室外に連通する第1空間(41)と、第2の熱源用熱交換器(104)が設置されて室内に連通する第2空間(42)とが形成されており、上記下流側空間(91)に設置されて上記第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を受けるドレンパン(105,106,107)と、上記ドレンパン(105,106,107)が受けたドレン水を排出する排水手段(1)とを備えるものである。
第2の発明は、請求項1に記載の調湿装置において、第1空間(41)における第1の熱源用熱交換器(103)の下流側に第1のファン(95)が設置され、第2空間(42)における第2の熱源用熱交換器(104)の下流側に第2のファン(96)が設置されており、排水手段(1)は、ドレンパン(105,106,107)に溜まったドレン水を吸い上げるためのドレンポンプ(120,121,122)と、該ドレンポンプ(120,121,122)に接続されてドレン水をケーシング(10)の外部へ導くための排水管(130,131,132)とを備えるものである。
第3の発明は、請求項1に記載の調湿装置において、第1空間(41)における第1の熱源用熱交換器(103)の上流側に第1のファン(95)が設置され、第2空間(42)における第2の熱源用熱交換器(104)の上流側に第2のファン(96)が設置されており、排水手段(1)は、ドレンパン(105,106,107)に溜まったドレン水をケーシング(10)の外部へ導くための排水管(130,131,132)を備えるものである。
第4の発明は、請求項2又は3に記載の調湿装置において、ドレンパン(106,107)は、第1空間(41)における第1の熱源用熱交換器(103)の下方と、第2空間(42)における第2の熱源用熱交換器(104)の下方とに1つずつ設けられ、排水手段(1)が、上記各ドレンパン(106,107)に溜まったドレン水をドレンパン(106,107)ごとに排出するものである。
第5の発明は、請求項2又は3に記載の調湿装置において、第1空間(41)における第1の熱源用熱交換器(103)の下方に第1のドレンパン(106)が、第2空間(42)における第2の熱源用熱交換器(104)の下方に第2のドレンパン(107)がそれぞれ設けられ、上記第1のドレンパン(106)と第2のドレンパン(107)の間には、第1及び第2のドレンパン(106,107)からドレン水が流入する第3のドレンパン(108)が設けられており、排水手段(1)が、上記第3のドレンパン(108)からドレン水を排出するものである。
第6の発明は、請求項2又は3に記載の調湿装置において、ドレンパン(105)は、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を受けるように構成されて1つだけ配置されるものである。
第7の発明は、請求項6に記載の調湿装置において、ドレンパン(105)には、熱源用熱交換器(103,104)から落下したドレン水を集めるためのドレン集合部(109)が1つ形成される一方、下流側空間(91)に第1空間(41)を形成するための仕切板(73)には、ドレン水を上記ドレン集合部(109)へ導くための連通口(76)が設けられ、排水手段(1)が、上記ドレン集合部(109)に集まったドレン水を排出するものである。 第8の発明は、請求項7に記載の調湿装置において、ドレン集合部(109)は、下流側空間(91)における第1空間(41)の外部に設けられるものである。
第9の発明は、請求項8に記載の調湿装置において、ドレン集合部(109)は、第2空間(42)に設けられるものである。
第10の発明は、請求項8に記載の調湿装置において、下流側空間(91)では、圧縮機(101)を収納するための圧縮機室(43)が形成され、上記圧縮機室(43)にドレン集合部(109)が設けられるものである。
第11の発明は、請求項7に記載の調湿装置において、仕切板(73)には、連通口(76)を通じた第1空間(41)への空気の出入りを抑制する流通制限機構(77)が設けられるものである。
第12の発明は、請求項2に記載の調湿装置において、ドレンパン(105)は、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を受けるように構成されて1つだけ配置され、上記ドレンパン(105)には、熱源用熱交換器(103,104)から落下したドレン水を集めるためのドレン集合部(109)が1つ形成される一方、排水手段(1)のドレンポンプ(120)は、上記ドレン集合部(109)に集まったドレン水を吸い込むように配置され、下流側空間(91)に第1空間(41)を形成するための仕切板(73)には、ドレン水を上記ドレン集合部(109)へ導くための連通口(76)及び連通口(76)を通じた第1空間(41)への空気の出入りを抑制する流通制限機構(77)が設けられ、上記流通制限機構(77)は、ドレンポンプ(120)の吸込口よりも高い位置に設けられるものである。
第13の発明は、請求項7に記載の調湿装置において、ドレン集合部(109)へドレン水を導くために第1のファン(95)及び第2のファン(96)を一時的に停止させる動作を行うものである。
第14の発明は、請求項2に記載の調湿装置において、ドレンパン(105)は、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を受けるように構成されて1つだけ配置され、上記ドレンパン(105)には、熱源用熱交換器(103,104)から落下したドレン水を集めるためのドレン集合部(109)が1つ形成される一方、上記ドレン集合部(109)は、下流側空間(91)における第1空間(41)の外部に設けられ、排水手段(1)のドレンポンプ(120)は、上記ドレン集合部(109)に集まったドレン水を吸い込むように配置され、下流側空間(91)に第1空間(41)を形成するための仕切板(73)には、ドレン水を上記ドレン集合部(109)へ導くための連通口(76)が設けられ、上記ドレン集合部(109)へドレン水を導くために第1のファン(95)を一時的に停止させる動作を行うものである。
第15の発明は、請求項3に記載の調湿装置において、ドレンパン(105)は、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を受けるように構成されて1つだけ配置され、上記ドレンパン(105)には、熱源用熱交換器(103,104)から落下したドレン水を集めるためのドレン集合部(109)が1つ形成される一方、上記ドレン集合部(109)は、下流側空間(91)における第1空間(41)の外部に設けられ、排水手段(1)のドレンポンプ(120)は、上記ドレン集合部(109)に集まったドレン水を吸い込むように配置され、下流側空間(91)に第1空間(41)を形成するための仕切板(73)には、ドレン水を上記ドレン集合部(109)へ導くための連通口(76)が設けられ、上記ドレン集合部(109)へドレン水を導くために第2のファン(96)を一時的に停止させる動作を行うものである。
−作用−
上記第1の発明では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)に室外に連通する第1空間(41)と室内に連通する第2空間(42)とが形成される。第1空間(41)には第1の熱源用熱交換器(103)が設置され、第2空間(42)には第2の熱源用熱交換器(104)が設置される。一方、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)の下方には、これら熱源用熱交換器(103,104)を通過する被処理空気と冷媒との熱交換により生じたドレン水を受けるためのドレンパン(105,106,107)が設置される。
ファン(95,96)を駆動すると、被処理空気がケーシング(10)内に取り込まれる。ケーシング(10)内において、被処理空気は、吸着素子(81,82)を通過する際に除湿され、又は加湿される。第1空間(41)へ流入した調湿後の被処理空気は、第1の熱源用熱交換器(103)を通過後に室外へ排出される。一方、第2空間(42)へ流入した調湿後の被処理空気は、第2の熱源用熱交換器(104)を通過後に室内へ供給される。
また、冷媒回路では、冷凍サイクルが行われる。その際、加熱用熱交換器(102)は凝縮器となる。また、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)は、少なくとも一方が蒸発器となる。加熱用熱交換器(102)では、冷媒が被処理空気へ放熱して凝縮する。第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)のうち蒸発器となっている方では、冷媒が被処理空気から吸熱して蒸発する。第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水は、ドレンパン(105,106,107)に受けられ、その後に排水手段(1)によってケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第2の発明において、第1空間(41)では、被処理空気が第1の熱源用熱交換器(103)を通過後に第1のファン(95)へ吸い込まれる。一方、第2空間(42)では、被処理空気が第2の熱源用熱交換器(104)を通過後に第2のファン(96)へ吸い込まれる。つまり、第1空間(41)及び第2空間(42)では、熱源用熱交換器(103,104)がファン(95,96)の吸込側に配置される。このため、下流側空間(91)のうち熱源用熱交換器(103,104)及びドレンパン(105,106,107)が設置される部分の圧力は、ファン(95,96)の吸込圧力と概ね等しくなっている。つまり、下流側空間(91)におけるドレンパン(105,106,107)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも低くなっている。
この発明では、排水手段(1)がドレンポンプ(120,121,122)と排水管(130,131,132)とを備えている。上述のように、下流側空間(91)におけるドレンパン(105,106,107)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも低くなっている。このため、排水管(130,131,132)によってドレンパン(105,106,107)をケーシング(10)の外部と連通させると、ドレンパン(105,106,107)に溜まったドレン水がドレンポンプ(120,121,122)によって吸い上げられ、排水管(130,131,132)を通ってケーシング(10)の外部へ排出されてゆく。
上記第3の発明において、第1空間(41)では、被処理空気が第1のファン(95)を通過後に第1の熱源用熱交換器(103)へ流入する。一方、第2空間(42)では、被処理空気が第2のファン(96)を通過後に第2の熱源用熱交換器(104)へ流入する。つまり、第1空間(41)及び第2空間(42)では、熱源用熱交換器(103,104)がファン(95,96)の吹出側に配置される。このため、下流側空間(91)のうち熱源用熱交換器(103,104)及びドレンパン(105,106,107)が設置される部分の圧力は、ファン(95,96)の吹出圧力と概ね等しくなっている。つまり、下流側空間(91)におけるドレンパン(105,106,107)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも高くなっている。
この発明では、排水手段(1)が排水管(130,131,132)を備えている。上述のように、下流側空間(91)におけるドレンパン(105,106,107)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも高くなっている。このため、排水管(130,131,132)によってドレンパン(105,106,107)をケーシング(10)の外部と連通させると、ドレンパン(105,106,107)に溜まったドレン水は、排水管(130,131,132)を通ってケーシング(10)の外部へ排出されてゆく。
上記第4の発明では、ドレンパン(106,107)が第1の熱源用熱交換器(103)の下方と第2の熱源用熱交換器(104)の下方とに1つずつ設けられる。これらドレンパン(106,107)に溜まったドレン水は、排水手段(1)によって、ドレンパン(106,107)ごとにケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第5の発明では、第1のドレンパン(106)が第1の熱源用熱交換器(103)の下方に設けられ、第2のドレンパン(107)が第2の熱源用熱交換器(104)の下方に設けられる。第1及び第2のドレンパン(106,107)の間には、第3のドレンパン(108)が設けられる。第1及び第2のドレンパン(106,107)に溜まったドレン水は、第3のドレンパン(108)へ流入する。第3のドレンパン(108)に溜まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第6の発明では、下流側空間(91)にドレンパン(105)が1つだけ設けられる。このドレンパン(105)には、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)のそれぞれで生じたドレン水が流入する。ドレンパン(105)に溜まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第7の発明では、ドレンパン(105)に溜まったドレン水がドレン集合部(109)に集められる。一方、第1空間(41)を区画するための仕切板(73)には、連通口(76)が設けられる。熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水は、ドレンパン(105)へと落下し、この連通口(76)を通ってドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第8の発明では、ドレンパン(105)のドレン集合部(109)が、第1空間(41)の外部に設けられる。第1の熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第1空間(41)の外部へ流出し、ドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第9の発明では、ドレンパン(105)のドレン集合部(109)が、第2空間(42)に設けられる。第1の熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第2空間(42)へ流入し、ドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第10の発明では、下流側空間(91)に圧縮機室(43)が形成される。つまり、下流側空間(91)には、第1空間(41)と第2空間(42)と圧縮機室(43)とが形成される。この圧縮機室(43)には、冷媒回路の圧縮機(101)が収納される。また、ドレンパン(105)のドレン集合部(109)は、圧縮機室(43)に設けられる。熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水は、ドレンパン(105)へと落下した後に圧縮機室(43)へ流入し、ドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第11の発明では、第1空間(41)を区画するための仕切板(73)に、流通制限機構(77)が設けられる。この流通制限機構(77)によって、連通口(76)を通じた第1空間(41)への空気の出入りが抑制される。
上記第12の発明では、下流側空間(91)にドレンパン(105)が1つだけ設けられる。このドレンパン(105)には、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)のそれぞれで生じたドレン水が流入する。一方、第1空間(41)を区画する仕切板(73)には、連通口(76)及び流通制限機構(77)が設けられる。連通口(76)及び流通制限機構(77)は、ドレンポンプ(120)の吸込口よりも高い位置に設けられる。この流通制限機構(77)によって、連通口(76)を通じた第1空間(41)への空気の出入りが抑制される。また、熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水は、ドレンパン(105)へと落下し、連通口(76)を通ってドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記第13の発明では、第1及び第2のファン(95,96)が一時的に停止される。ここで、装置の設置状態によっては、第1及び第2のファン(95,96)の運転中において、第1空間(41)の圧力が下流側空間(91)における第1空間(41)の外部の圧力よりも低下することがある。この場合、ドレン集合部(109)が第1空間(41)の外部に設けられていると、圧力の低い第1空間(41)に溜まったドレン水を圧力の高いドレン集合部(109)へ導くことが困難となる。そこで、このような場合には、第1及び第2のファン(95,96)を一時的に停止させて、下流側空間(91)における第1空間(41)の内外の圧力を均一化する。すると、第1空間(41)に溜まったドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第1空間(41)の外部へ流出し、ドレン集合部(109)に集められる。
また、装置の設置状態によっては、第1及び第2のファン(95,96)の運転中において、下流側空間(91)における第1空間(41)の外部の圧力が第1空間(41)の圧力よりも低下することがある。この場合、ドレン集合部(109)が第1空間(41)に設けられていると、圧力の低い第1空間(41)の外部に溜まったドレン水を圧力の高いドレン集合部(109)へ導くことが困難となる。そこで、このような場合には、第1及び第2のファン(95,96)を一時的に停止させて、下流側空間(91)における第1空間(41)の内外の圧力を均一化する。すると、第1空間(41)の外部に溜まったドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第1空間(41)へ流出し、ドレン集合部(109)に集められる。
上記第14の発明では、下流側空間(91)にドレンパン(105)が1つだけ設けられる。このドレンパン(105)には、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)のそれぞれで生じたドレン水が流入する。一方、第1空間(41)を区画する仕切板(73)には、連通口(76)が設けられる。第1の熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第1空間(41)の外部へ流出し、ドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
また、この発明では、第1のファン(95)が一時的に停止される。ここで、装置の設置状態によっては、第1及び第2のファン(95,96)の運転中において、第1空間(41)の圧力が下流側空間(91)における第1空間(41)の外部の圧力よりも低下することがある。この場合、圧力の低い第1空間(41)に溜まったドレン水を圧力の高いドレン集合部(109)へ導くことが困難となる。一方、下流側空間(91)におけるドレンパン(105)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも低くなっている。そこで、このような場合には、第1のファン(95)を一時的に停止させて第1空間(41)の圧力を大気圧と概ね等しい状態とし、第1空間(41)の圧力を第1空間(41)の外部の圧力よりも高くする。すると、第1空間(41)に溜まったドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第1空間(41)の外部へ流出し、ドレン集合部(109)に集められる。
上記第15の発明では、下流側空間(91)にドレンパン(105)が1つだけ設けられる。このドレンパン(105)には、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)のそれぞれで生じたドレン水が流入する。一方、第1空間(41)を区画する仕切板(73)には、連通口(76)が設けられる。第1の熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第1空間(41)の外部へ流出し、ドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
また、この発明では、第2のファン(96)が一時的に停止される。ここで、装置の設置状態によっては、第1及び第2のファン(95,96)の運転中において、第1空間(41)の圧力が下流側空間(91)における第1空間(41)の外部の圧力よりも低下することがある。この場合、圧力の低い第1空間(41)に溜まったドレン水を圧力の高いドレン集合部(109)へ導くことが困難となる。一方、下流側空間(91)におけるドレンパン(105)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも高くなっている。そこで、このような場合には、第2のファン(96)を一時的に停止させて第1空間(41)の外部の圧力を第1空間(41)の圧力よりも低くする。すると、第1空間(41)に溜まったドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って第1空間(41)の外部へ流出し、ドレン集合部(109)に集められる。
本発明では、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)の両方をケーシング(10)内の下流側空間(91)に設置し、これら熱源用熱交換器(103,104)の下方に設置されたドレンパン(105,106,107)から排水手段(1)がドレン水を排出している。
ここで、従来には、熱源用熱交換器(103,104)である冷却熱交換器がケーシング(10)内の両側に設けられており、各冷却熱交換器の下方にドレンパン及び排水管を1つずつ設ける必要があった。このため、調湿装置の据え付け作業が煩雑化すると共に、調湿装置を設置する際の制約が大きくなるという問題があった。
しかしながら、本発明では、ケーシング(10)の片側にドレンパン(105,106,107)を配置しているため、調湿装置を据え付ける際において、調湿装置の排水管(130,131,132)にドレンホースを接続するといった作業をケーシング(10)の片側で行うことができる。また、そのための作業スペースをケーシング(10)の片側のみに確保すればよい。従って、本発明によれば、調湿装置を据え付ける際の作業工数を削減でき、調湿装置の設置自由度を高めることができる。
上記第2の発明によれば、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)の下流側に第1及び第2のファン(95,96)を設置しており、ドレンパン(105,106,107)に溜まったドレン水をドレンポンプ(120,121,122)を用いて確実に排水することができる。
上記第3の発明では、第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)の上流側に第1及び第2のファン(95,96)を設置し、ドレンパン(105,106,107)付近が陽圧となることを利用してドレン水を排水管(130,131,132)を通じてケーシング(10)の外部へ排出している。このため、ドレンポンプ(120,121,122)を設ける必要がなくなり、排水手段(1)の構成を簡素化できる。
上記第5の発明では、第1及び第2のドレンパン(106,107)のドレン水を第3のドレンパン(108)へ集め、第3のドレンパン(108)から排水手段(1)がドレン水を排出している。このため、ドレンパン(106,107)ごとに排水管(131,132)等を設ける必要がなくなり、排水手段(1)の構成を簡素化できる。
上記第6の発明では、1つのドレンパン(105)によって第1及び第2の熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を受けるようにしている。このため、熱源用熱交換器(103,104)ごとにドレンパン(106,107)を設ける必要がなくなり、調湿装置の部品点数を削減することができる。
上記第7の発明では、ドレンパン(105)のドレン水を連通口(76)を通じてドレン集合部(109)へ集め、このドレン集合部(109)から排水手段(1)がドレン水を排出している。このため、排水管(131,132)等を複数設ける必要がなくなり、排水手段(1)の構成を簡素化できる。
上記第8の発明では、ドレン集合部(109)が第1空間(41)の外部に設けられる。特に、冬期に第1の熱源用熱交換器(103)が蒸発器となる運転を行う際には、第1の熱源用熱交換器(103)での冷媒蒸発温度の低下に伴って第1の熱源用熱交換器(103)を通過後の空気の温度が零度以下まで低下する場合がある。このような場合には、第1の熱源用熱交換器(103)を通過後の空気が流れる第1空間(41)の温度も低下し、ドレンパン(105)の第1空間(41)側に溜まったドレン水が凍結する恐れを生じる。
これに対し、この発明では、第1の熱源用熱交換器(103)を通過後の空気が流れていない第1空間(41)の外部にドレン集合部(109)を設け、このドレン集合部(109)からドレン水を排出している。従って、ドレン集合部(109)におけるドレン水の凍結を防止でき、ドレン水を確実にケーシング(10)の外部へ排出することができる。
上記第9の発明では、ドレン集合部(109)が第2空間(42)に設けられる。第2空間(42)は室内と連通しており、この第2空間(42)を室内へ供給される空気が通過する。このため、第2空間(42)の温度が零度以下になることはない。従って、ドレン集合部(109)におけるドレン水の凍結を防止でき、ドレン水を確実にケーシング(10)の外部へ排出することができる。
上記第10の発明では、ドレン集合部(109)が圧縮機室(43)に設けられる。圧縮機室(43)内は、圧縮機(101)から発生する熱により温度が高くなっている。このため、ドレン集合部(109)におけるドレン水の凍結を防止でき、ドレン水を確実にケーシング(10)の外部へ排出することができる。
上記第11の発明では、仕切板(73)に流通制限機構(77)を設けることにより、連通口(76)を通じた第1空間(41)への空気の出入りを抑制することができる。具体的に、第1空間(41)へ空気が流入して給気が排気に混入したり、第1空間(41)から空気が流出して排気が給気に混入するといった空気の漏れを防止することができる。従って、本発明によれば、調湿装置の性能を向上させることができる。
上記第12の発明では、流通制限機構(77)がドレンポンプ(120)の吸込口よりも高い位置に設けられる。このため、第1空間(41)と第2空間(42)との間にある程度の圧力差が生じた場合においても、ドレンパン(105)に溜まったドレン水は、流通制限機構(77)の高さに達することなく確実にドレンポンプ(120)に吸い込まれる。従って、本発明によれば、ケーシング(10)内の圧力が不安定な場合においても、ドレン水を確実にケーシング(10)の外部へ排出することができる。
上記第13の発明では、第1のファン(95)及び第2のファン(96)を一時的に停止させる動作を行うと、下流側空間(91)における第1空間(41)の内外の圧力が均一化される。従って、この動作を行うことにより、第1空間(41)の圧力が第1空間(41)の外部の圧力よりも低下するような状態で調湿装置が設置された場合であっても、ドレン水を確実にドレン集合部(109)へ導くことができる。また、第1空間(41)の外部の圧力が第1空間(41)の圧力よりも低下するような状態で調湿装置が設置された場合であっても、ドレン水を確実にドレン集合部(109)へ導くことができる。
上記第14の発明では、第1のファン(95)を一時的に停止させる動作を行うと、第1空間(41)の圧力が上がり、第1空間(41)の圧力が下流側空間(91)における第1空間(41)の外部の圧力よりも高くなる。従って、この動作を行うことにより、第1空間(41)の圧力が第1空間(41)の外部の圧力よりも低下するような状態で調湿装置が設置された場合であっても、第1空間(41)に溜まったドレン水を確実にドレン集合部(109)へ導くことができる。
上記第15の発明では、第2のファン(96)を一時的に停止させる動作を行うと、第1空間(41)の圧力が下流側空間(91)における第1空間(41)の外部の圧力よりも高くなる。従って、この動作を行うことにより、第1空間(41)の圧力が第1空間(41)の外部の圧力よりも低下するような状態で調湿装置が設置された場合であっても、第1空間(41)に溜まったドレン水を確実にドレン集合部(109)へ導くことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本実施形態に係る調湿装置は、減湿された空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿された空気を室内へ供給する加湿運転とを切り換えて行うように構成されている。また、この調湿装置は、冷媒回路と2つの吸着素子(81,82)とを備え、いわゆるバッチ式の動作を行うように構成されている。ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成について、図1,図6及び図7を参照しながら説明する。尚、本実施形態1の説明において、「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、図1に示す調湿装置を正面側から見た場合のものを意味している。
図1に示すように、上記調湿装置は、高さの低い扁平な直方体状のケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)には、2つの吸着素子(81,82)と冷媒回路とが収納されている。尚、図1において、(A)は左側面図、(B)は平面図、(C)は右側面図を示す。また、この点は、図2〜4,図12においても同様である。
上記冷媒回路には、加熱用熱交換器(102)、第1熱源用熱交換器(103)、第2熱源用熱交換器(104)、圧縮機(101)及び膨張弁が設けられている。尚、図1では、加熱用熱交換器(102)、第1熱源用熱交換器(103)、第2熱源用熱交換器(104)及び圧縮機(101)だけを図示している。この冷媒回路では、充填された冷媒を循環させることによって冷凍サイクルが行われる。また、本実施形態の調湿装置では、第1熱源用熱交換器(103)が蒸発器となる動作と、第2熱源用熱交換器(104)が蒸発器となる動作とが切り換えて行われる。
図6に示すように、上記吸着素子(81,82)は、平板状の平板部材(83)と波形状の波板部材(84)とを交互に積層して構成されている。波板部材(84)は、隣接する波板部材(84)の稜線方向が互いに90度ずれる姿勢で積層されている。そして、吸着素子(81,82)は、全体として直方体状ないし四角柱状に形成されている。
上記吸着素子(81,82)には、平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向において、調湿側通路(85)と冷却側通路(86)とが平板部材(83)を挟んで交互に区画形成されている。この吸着素子(81,82)において、平板部材(83)の長辺側の側面に調湿側通路(85)が開口し、平板部材(83)の短辺側の側面に冷却側通路(86)が開口している。
上記吸着素子(81,82)において、調湿側通路(85)に臨む平板部材(83)の表面や、調湿側通路(85)に設けられた波板部材(84)の表面には、水蒸気を吸着するための吸着剤が塗布されている。この種の吸着剤としては、例えばシリカゲル、ゼオライト、イオン交換樹脂等が挙げられる。
図1に示すように、上記ケーシング(10)において、最も手前側には第1パネル(11)が設けられ、最も奥側には第2パネル(12)が設けられている。これら第1,第2パネル(11,12)は、ケーシング(10)の手前側及び奥側の側面を構成している。また、ケーシング(10)において、第1パネル(11)及び第2パネル(12)の端部には、第1パネル(11)及び第2パネル(12)と直交するように、ケーシング(10)の右側面部(71)と左側面部(72)とが設けられている。
上記第1パネル(11)には、その右寄りの下部に排気口(14)が形成され、その左寄りの上部に給気口(16)が形成されている。一方、上記第2パネル(12)には、その右端寄りの下部に室外側吸込口(13)が形成され、その左端寄りの下部に室内側吸込口(15)が形成されている。
ケーシング(10)の内部は、第1パネル(11)側に形成された下流側空間(91)と第2パネル(12)側に形成された上流側空間(92)とに区画されている。
ケーシング(10)の第1パネル(11)側に形成された下流側空間(91)は、仕切板(73)によって左右に2つの空間に区画されている。この2つの空間のうち、仕切板(73)より右側の空間が第1空間(41)を構成し、仕切板(73)より左側の空間が第2空間(42)を構成している。
上記下流側空間(91)のうち第1空間(41)は、排気口(14)を介して室外に連通している。この第1空間(41)内には、左側から順に、第1のファンである排気ファン(95)と第1熱源用熱交換器(103)とが設置されている。第1熱源用熱交換器(103)は、排気ファン(95)の吸込側に設けられている。排気ファン(95)は、その吹出側が第1パネル(11)の排気口(14)に接続されている。
上記第1熱源用熱交換器(103)は、厚みの薄い直方体状に形成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、排気ファン(14)へ向けて第1空間(41)を流れる空気と冷媒回路の冷媒とを熱交換させるように構成されている。
上記下流側空間(91)のうち第2空間(42)は、給気口(16)を介して室外に連通している。この第2空間(42)内には、右側から順に、冷媒回路の圧縮機(101)と第2のファンである給気ファン(96)と第2熱源用熱交換器(104)とが設置されている。第2熱源用熱交換器(104)は、給気ファン(96)の吸込側に設けられている。給気ファン(96)は、その吹出側が第1パネル(11)の給気口(16)に接続されている。
上記第2熱源用熱交換器(104)は、厚みの薄い直方体状に形成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、給気ファン(16)へ向けて第2空間(42)を流れる空気と冷媒回路の冷媒とを熱交換させるように構成されている。
図7に示すように、上記第1熱源用熱交換器(103)及び第2熱源用熱交換器(104)の下方には、これら熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を受けるためのドレンパン(105)が1つだけ設けられている。ドレンパン(105)には、周囲より窪んだ部分であるドレン集合部(109)が形成されている。このドレン集合部(109)は、仕切板(73)より左側の第2空間(42)に設けられている。また、ドレンパン(105)の底部は、ドレン集合部(109)へ向かって傾斜している。熱源用熱交換器(103,104)からドレンパン(105)へ落下したドレン水は、このドレン集合部(109)に集められた後、後述する排水手段(1)によって、ケーシング(10)の外部へ排出される。
上記ドレンパン(105)には、ドレン水の水位を検知するために第1空間(41)側に第1フロートスイッチ(110)が、第2空間(42)側に第2フロートスイッチ(111)がそれぞれ取り付けられている。この第1,第2フロートスイッチ(110,111)のうち何れか一方が作動すると、圧縮機(101)と排気ファン(95)と給気ファン(96)とが停止され、ドレンパン(105)に溜まったドレン水がケーシング(10)の外部へ排出される。
上記仕切板(73)には、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を第2空間(42)のドレン集合部(109)へ導くための連通口(76)が設けられている。また、仕切板(73)には、上記連通口(76)を通じての第1空間(41)と第2空間(42)の間での空気流通を抑制する流通制限機構としての逆止弁(77)が取り付けられている。逆止弁(77)は、長方形状の銅板により構成され、その一方の長辺を軸に回動自在となっている。また、この逆止弁(77)は、第1空間(41)側から第2空間(42)側へ動くように構成されている。
そして、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水の水位が逆止弁(77)の高さを越えると逆止弁(77)に水圧がかかる。ドレン水の水位が更に高くなり逆止弁(77)にかかる水圧がある程度以上になると、逆止弁(77)が押されて第2空間(42)側へ動き、第1空間(41)のドレン水が第2空間(42)へ流入するようになっている。
上述の通り、第1,第2熱源用熱交換器(103,104)は、排気ファン(95)及び給気ファン(96)の吸込側に設けられている。このため、第1空間(41)及び第2空間(42)のうち第1,第2熱源用熱交換器(103,104)及びドレンパン(105)が設置される部分の圧力は、排気ファン(95)及び給気ファン(96)の吸込圧力と概ね等しくなっている。つまり、第1空間(41)及び第2空間(42)におけるドレンパン(105)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも低くなっている。
一方、調湿装置の排水手段(1)は、ドレンパン(105)のドレン集合部(109)に集まったドレン水を吸い上げるためのドレンポンプ(120)と、該ドレンポンプ(120)に接続されてドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する排水管(130)とを備えている。このドレンポンプ(120)は、仕切板(73)よりも左側、即ち第2空間(42)に設けられている。ドレンポンプ(120)の吸込口は、仕切板(73)における逆止弁(77)の取り付け位置よりも低い位置に設けられている。そして、ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
ケーシング(10)の第2パネル(12)側に形成された上流側空間(92)は、ケーシング(10)の右側面部(71)及び左側面部(72)と平行に設けられる右側仕切板(20)と左側仕切板(30)とによって、左右に3つの空間に区画されている。
右側仕切板(20)の右側の右側面部(71)に沿う空間は、上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が右上部流路(65)を構成し、下側の空間が右下部流路(66)を構成している。右上部流路(65)は、第1空間(41)と連通する。右下部流路(66)は、室外側吸込口(13)と連通する一方、第1空間(41)から仕切られている。
左側仕切板(30)の左側の左側面部(72)に沿う空間は、上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が左上部流路(67)を構成し、下側の空間が左下部流路(68)を構成している。左上部流路(67)は、第2空間(42)と連通する。左下部流路(68)は、室内側吸込口(15)と連通する一方、第2空間(42)から仕切られている。
右側仕切板(20)と左側仕切板(30)の間の空間には、2つの吸着素子(81,82)が設置されている。これら吸着素子(81,82)は、所定の間隔をおいて前後に並んだ状態に配置されている。具体的には、手前側の第1パネル(11)寄りに第1吸着素子(81)が設けられ、奥側の第2パネル(12)寄りに第2吸着素子(82)が設けられている。
第1,第2吸着素子(81,82)は、それぞれにおける平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向がケーシング(10)の左右方向と一致する姿勢で設置されている。この姿勢の各吸着素子(81,82)では、その上下の側面に調湿側通路(85)が開口し、その前後の側面に冷却側通路(86)が開口する一方、その左右の端面には何れの通路(85,86)も開口していない。
右側仕切板(20)と左側仕切板(30)の間の空間は、第1流路(51)、第2流路(52)、第1上部流路(53)、第1下部流路(54)、第2上部流路(55)、第2下部流路(56)及び中央流路(57)に区画されている。
第1流路(51)は、第1吸着素子(81)の手前側に形成され、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)に連通している。第2流路(52)は、第2吸着素子(82)の奥側に形成され、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)に連通している。
第1上部流路(53)は、第1吸着素子(81)の上側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。第1下部流路(54)は、第1吸着素子(81)の下側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。第2上部流路(55)は、第2吸着素子(82)の上側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。第2下部流路(56)は、第2吸着素子(82)の下側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。
中央流路(57)は、第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)の間に形成され、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(57)には、加熱用熱交換器(102)がほぼ垂直に立った状態で設置されている。この加熱用熱交換器(102)は、中央流路(57)を流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。そして、加熱用熱交換器(102)は、凝縮器として機能し、空気を加熱するための加熱器を構成している。
中央流路(57)と第1下部流路(54)の間の仕切りには、第1シャッタ(61)が設けられている。一方、中央流路(57)と第2下部流路(56)の間の仕切りには、第2シャッタ(62)が設けられている。第1シャッタ(61)と第2シャッタ(62)とは、何れもが開閉自在に構成されている。
右側仕切板(20)には、第1右側開口(21)、第2右側開口(22)、第1右上開口(23)、第1右下開口(24)、第2右上開口(25)、及び第2右下開口(26)が形成されている。これらの開口(21,22,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
第1右側開口(21)は、右側仕切板(20)における手前側の下部に設けられている。第1右側開口(21)の開閉シャッタが開いた状態では、第1流路(51)と右下部流路(66)が互いに連通する。第2右側開口(22)は、右側仕切板(20)における奥側の下部に設けられている。第2右側開口(22)の開閉シャッタが開いた状態では、第2流路(52)と右下部流路(66)が互いに連通する。
第1右上開口(23)は、右側仕切板(20)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1右上開口(23)の開閉シャッタが開いた状態では、第1上部流路(53)と右上部流路(65)が互いに連通する。第1右下開口(24)は、右側仕切板(20)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1右下開口(24)の開閉シャッタが開いた状態では、第1下部流路(54)と右下部流路(66)が互いに連通する。
第2右上開口(25)は、右側仕切板(20)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2右上開口(25)の開閉シャッタが開いた状態では、第2上部流路(55)と右上部流路(65)が互いに連通する。第2右下開口(26)は、右側仕切板(20)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2右下開口(26)の開閉シャッタが開いた状態では、第2下部流路(56)と右下部流路(66)が互いに連通する。
左側仕切板(30)には、第1左側開口(31)、第2左側開口(32)、第1左上開口(33)、第1左下開口(34)、第2左上開口(35)、及び第2左下開口(36)が形成されている。これらの開口(31,32,…)は、それぞれが開閉シャッタを備えて開閉自在に構成されている。
第1左側開口(31)は、左側仕切板(30)における手前側の下部に設けられている。第1左側開口(31)の開閉シャッタが開いた状態では、第1流路(51)と左下部流路(68)が互いに連通する。第2左側開口(32)は、左側仕切板(30)における奥側の下部に設けられている。第2左側開口(32)の開閉シャッタが開いた状態では、第2流路(52)と左下部流路(68)が互いに連通する。
第1左上開口(33)は、左側仕切板(30)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1左上開口(33)の開閉シャッタが開いた状態では、第1上部流路(53)と左上部流路(67)が互いに連通する。第1左下開口(34)は、左側仕切板(30)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1左下開口(34)の開閉シャッタが開いた状態では、第1下部流路(54)と左下部流路(68)が互いに連通する。
第2左上開口(35)は、左側仕切板(30)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2左上開口(35)の開閉シャッタが開いた状態では、第2上部流路(55)と左上部流路(67)が互いに連通する。第2左下開口(36)は、左側仕切板(30)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2左下開口(36)の開閉シャッタが開いた状態では、第2下部流路(56)と左下部流路(68)が互いに連通する。
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、除湿運転と加湿運転とを切り換えて行う。また、この調湿装置は、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって除湿運転や加湿運転を行う。更に、調湿装置は、加湿運転時に蒸発器となる第1熱源用熱交換器(103)が着霜すると、その霜を除去する除霜運転を行うように構成されている。
《除湿運転》
図1,図2に示すように、除湿運転時において、給気ファン(96)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(13)を通じてケーシング(10)内の右下部流路(66)へ第1空気として取り込まれる。一方、排気ファン(95)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(15)を通じてケーシング(10)内の左下部流路(68)へ第2空気として取り込まれる。また、除湿運転時において、冷媒回路では、加熱用熱交換器(102)が凝縮器となり、第2熱源用熱交換器(104)が蒸発器となる一方、第1熱源用熱交換器(103)が休止している。
(第1動作)
除湿運転の第1動作について、図1,図5及び図7を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第1吸着素子(81)で空気が減湿されると同時に、第2吸着素子(82)の吸着剤が再生される。
図1に示すように、右側仕切板(20)では、第1右下開口(24)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,23,26)が遮断状態となっている。この状態では、第1右下開口(24)によって右下部流路(66)と第1下部流路(54)とが連通され、第2右上開口(25)によって第2上部流路(55)と右上部流路(65)とが連通される。
左側仕切板(30)では、第1左側開口(31)と第1左上開口(33)とが連通状態となり、残りの開口(32,34,35,36)が遮断状態となっている。この状態では、第1左側開口(31)によって左下部流路(68)と第1流路(51)とが連通され、第1左上開口(33)によって第1上部流路(53)と左上部流路(67)とが連通される。
第1シャッタ(61)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第2下部流路(56)とが、第2シャッタ(62)を介して連通される。
第1空気は、右下部流路(66)から第1右下開口(24)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、第2空気は、左下部流路(68)から第1左側開口(31)を通って第1流路(51)へ流入する。
図5(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で減湿された第1空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
一方、第1流路(51)の第2空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(57)へ流入して加熱用熱交換器(102)を通過する。その際、加熱用熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
第1吸着素子(81)及び加熱用熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に第2上部流路(55)へ流入する。
図1に示すように、第1上部流路(53)へ流入した減湿後の第1空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第2空間(42)へ流入する。この第1空気は、第2空間(42)を流れる間に第2熱源用熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。減湿されて冷却された第1空気は、給気ファン(96)に吸い込まれ、その後に給気口(16)を通って室内へ供給される。
また、図7に示すように、第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水は、ドレンパン(105)へと落下し、第2空間(42)のドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
一方、第2上部流路(55)へ流入した第2空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第1空間(41)へ流入する。この第2空気は、第1空間(41)を流れる間に第1熱源用熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱源用熱交換器(103)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2空気は、排気ファン(95)に吸い込まれ、その後に排気口(14)を通って室外へ排出される。
(第2動作)
除湿運転の第2動作について、図2,図5及び図7を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、第2動作では、第2吸着素子(82)で空気が減湿されると同時に、第1吸着素子(81)の吸着剤が再生される。
図2に示すように、右側仕切板(20)では、第1右上開口(23)と第2右下開口(26)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,24,25)が遮断状態となっている。この状態では、第1右上開口(23)によって第1上部流路(53)と右上部流路(65)とが連通され、第2右下開口(26)によって右下部流路(66)と第2下部流路(56)とが連通される。
左側仕切板(30)では、第2左側開口(32)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,33,34,36)が遮断状態となっている。この状態では、第2左側開口(32)によって左下部流路(68)と第2流路(52)とが連通され、第2左上開口(35)によって第2上部流路(55)と左上部流路(67)とが連通される。
第1シャッタ(61)は開口状態となり、第2シャッタ(62)は閉鎖状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第1下部流路(54)とが、第1シャッタ(61)を介して連通される。
第1空気は、右下部流路(66)から第2右下開口(26)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、第2空気は、左下部流路(68)から第2左側開口(32)を通って第2流路(52)へ流入する。
図5(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で減湿された第1空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
一方、第2流路(52)の第2空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(57)へ流入して加熱用熱交換器(102)を通過する。その際、加熱用熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
第2吸着素子(82)及び加熱用熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。吸着剤から脱離した水蒸気は、第2空気と共に第1上部流路(53)へ流入する。
図2に示すように、第2上部流路(55)へ流入した減湿後の第1空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第2空間(42)へ流入する。この第1空気は、第2空間(42)を流れる間に第2熱源用熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。減湿されて冷却された第1空気は、給気ファン(96)に吸い込まれ、その後に給気口(16)を通って室内へ供給される。
また、図7に示すように、第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水は、ドレンパン(105)へと落下し、第2空間(42)のドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
一方、第1上部流路(53)へ流入した第2空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第1空間(41)へ流入する。この第2空気は、第1空間(41)を流れる間に第1熱源用熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱源用熱交換器(103)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2空気は、排気ファン(95)に吸い込まれ、その後に排気口(14)を通って室外へ排出される。
《加湿運転》
図3,図4に示すように、加湿運転時において、給気ファン(96)を駆動すると、室外空気(OA)が室外側吸込口(13)を通じてケーシング(10)内の右下部流路(66)へ第2空気として取り込まれる。一方、排気ファン(95)を駆動すると、室内空気(RA)が室内側吸込口(15)を通じてケーシング(10)内の左下部流路(68)へ第1空気として取り込まれる。また、加湿運転時において、冷媒回路では、加熱用熱交換器(102)が凝縮器となり、第1熱源用熱交換器(103)が蒸発器となる一方、第2熱源用熱交換器(104)が休止している。
(第1動作)
加湿運転の第1動作について、図3,図5及び図7を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第2吸着素子(82)で空気が加湿され、第1吸着素子(81)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
図3に示すように、右側仕切板(20)では、第1右側開口(21)と第1右上開口(23)とが連通状態となり、残りの開口(22,24,25,26)が遮断状態となっている。この状態では、第1右側開口(21)によって右下部流路(66)と第1流路(51)とが連通され、第1右上開口(23)によって第1上部流路(53)と右上部流路(65)とが連通される。
左側仕切板(30)では、第1左下開口(34)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,33,36)が遮断状態となっている。この状態では、第1左下開口(34)によって左下部流路(68)と第1下部流路(54)とが連通され、第2左上開口(35)によって第2上部流路(55)と左上部流路(67)とが連通される。
第1シャッタ(61)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62)は開口状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第2下部流路(56)とが、第2シャッタ(62)を介して連通される。
第1空気は、左下部流路(68)から第1左下開口(34)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、第2空気は、右下部流路(66)から第1右側開口(21)を通って第1流路(51)へ流入する。
図5(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第1吸着素子(81)で水分を奪われた第1空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
一方、第1流路(51)の第2空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(57)へ流入して加熱用熱交換器(102)を通過する。その際、加熱用熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
第1吸着素子(81)及び加熱用熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第2吸着素子(82)で加湿された第2空気は、その後に第2上部流路(55)へ流入する。
図3に示すように、第2上部流路(55)へ流入した第2空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第2空間(42)へ流入する。この第2空気は、第2空間(42)を流れる間に第2熱源用熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱源用熱交換器(104)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2空気は、給気ファン(96)に吸い込まれ、その後に給気口(16)を通って室内へ供給される。
一方、第1上部流路(53)へ流入した第1空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第1空間(41)へ流入する。この第1空気は、第1空間(41)を流れる間に第1熱源用熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。水分と熱を奪われた第1空気は、排気ファン(95)に吸い込まれ、その後に排気口(14)を通って室外へ排出される。
また、図7に示すように、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、ドレンパン(105)へと落下し、仕切板(73)の連通口(76)を通って第2空間(42)のドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
(第2動作)
加湿運転の第2動作について、図4,図5及び図7を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、この第2動作では、第1吸着素子(81)で空気が加湿され、第2吸着素子(82)の吸着剤が水蒸気を吸着する。
図4に示すように、右側仕切板(20)では、第2右側開口(22)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,23,24,26)が遮断状態となっている。この状態では、第2右側開口(22)によって右下部流路(66)と第2流路(52)とが連通され、第2右上開口(25)によって第2上部流路(55)と右上部流路(65)とが連通される。
左側仕切板(30)では、第1左上開口(33)と第2左下開口(36)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,34,35)が遮断状態となっている。この状態では、第1左上開口(33)によって第1上部流路(53)と左上部流路(67)とが連通され、第2左下開口(36)によって左下部流路(68)と第2下部流路(56)とが連通される。
第1シャッタ(61)は開口状態となり、第2シャッタ(62)は閉鎖状態となっている。この状態では、中央流路(57)と第1下部流路(54)とが、第1シャッタ(61)を介して連通される。
第1空気は、左下部流路(68)から第2左下開口(36)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、第2空気は、右下部流路(66)から第2右側開口(22)を通って第2流路(52)へ流入する。
図5(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1空気に含まれる水蒸気が吸着剤に吸着される。第2吸着素子(82)で水分を奪われた第1空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
一方、第2流路(52)の第2空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着剤に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(57)へ流入して加熱用熱交換器(102)を通過する。その際、加熱用熱交換器(102)では、第2空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
第2吸着素子(82)及び加熱用熱交換器(102)で加熱された第2空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2空気によって吸着剤が加熱され、吸着剤から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。そして、吸着剤から脱離した水蒸気が第2空気に付与され、第2空気が加湿される。第1吸着素子(81)で加湿された第2空気は、その後に第1上部流路(53)へ流入する。
図4に示すように、第1上部流路(53)へ流入した第2空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第2空間(42)へ流入する。この第2空気は、第2空間(42)を流れる間に第2熱源用熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱源用熱交換器(104)は休止しており、第2空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2空気は、給気ファン(96)に吸い込まれ、その通過後に給気口(16)を通って室内へ供給される。
一方、第2上部流路(55)へ流入した第1空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第1空間(41)へ流入する。この第1空気は、第1空間(41)を流れる間に第1熱源用熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。水分と熱を奪われた第1空気は、排気ファン(95)へ吸い込まれ、その後に排気口(14)を通って室外へ排出される。
また、図7に示すように、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、ドレンパン(105)へと落下し、仕切板(73)の連通口(76)を通って第2空間(42)のドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
−除霜運転−
本実施形態の調湿装置は、加湿運転時に室外温度が低い場合、蒸発器となる第1熱源用熱交換器(103)に着霜することがあるのに対して、この霜を除去する除霜運転を行うように構成されている。
具体的に、加湿運転が行われる冬期には、第1吸着素子(81)及び第2吸着素子(82)を再生するための室外空気(OA)である第2空気の温度が低下する。このため、凝縮器となる加熱用熱交換器(102)における第2空気への加熱量が増加する。これに伴い、第1熱源用熱交換器(103)では、冷媒の蒸発温度をより低く設定して第1空気からの熱回収量を増加させなければならなくなる。そして、冷媒の蒸発温度が零度以下にまで低下すると、第1熱源用熱交換器(103)に着霜する。
第1熱源用熱交換器(103)に着霜すると、冷媒回路の圧縮機(101)が停止される。一方、第1熱源用熱交換器(103)には、第1吸着素子(81)又は第2吸着素子(82)で除湿されて温度の上昇した第1空気が流入する。このため、第1熱源用熱交換器(103)に付着した霜は、第1空気によって温められて水滴となり、ドレンパン(105)へと落下する。
また、冷媒の蒸発温度が低下すると、第1熱源用熱交換器(103)を通過後の第1空気の温度が低下する。そして、場合によっては、第1熱源用熱交換器(103)を通過後の第1空気の温度が零度以下にまで低下し、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水が凍結する恐れを生じる。また、第1熱源用熱交換器(103)の除霜後に間もなく加湿運転を再開すると、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水が再び凍結する恐れを生じる。
一方、第1空間(41)へは第1吸着素子(81)と第2吸着素子(82)と加熱用熱交換器(102)を通過後の第2空気が流入し、第2空間(42)へは第1吸着素子(81)又は第2吸着素子(82)を通過後の第1空気が流入する。つまり、第2空気の方が第1空気よりも第1空間(41)及び第2空間(42)までの流通経路が長い。このため、第2空気の方が第1空気よりも圧力損失が大きい。よって、室外側吸込口(13)に接続されるダクトと室内側吸込口(15)に接続されるダクトの長さが等しい場合には、第2空気が流れる第2空間(42)の方が第1空気が流れる第1空間(41)よりも圧力が低くなる。
ところが、室外側吸込口(13)に接続されるダクトと室内側吸込口(15)に接続されるダクトの長さが異なる場合には、第2空間(42)の方が第1空間(41)よりも圧力が高くなることがある。そして、この場合には、圧力の低い第1空間(41)に溜まったドレン水を圧力の高い第2空間(42)のドレン集合部(109)へ導くことが困難となる。
このため、第1熱源用熱交換器(103)の除霜後には、排気ファン(95)及び給気ファン(96)を一時的に停止させる。すると、第1空間(41)と第2空間(42)の圧力が均一化され、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水が、仕切板(73)の連通口(76)を通って速やかに第2空間(42)のドレン集合部(109)へと導かれる。つまり、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水は、短い時間でドレン集合部(109)へと導かれ、その後に加湿運転が再開される。
よって、第1空間(41)側のドレンパン(105)に溜まったドレン水が再び凍結することがなく、次回の除霜運転時にこの凍結したドレン水が第1熱源用熱交換器(103)に着いた霜と共に融解して第1空間(41)側のドレンパン(105)に溜まったドレン水がドレンパン(105)から溢れるといった問題を回避することができる。
尚、第1熱源用熱交換器(103)の除霜後において、排気ファン(95)のみを一時的に停止させてもよい。すると、排気ファン(95)の運転中に大気圧より低くなっていた第1空間(41)の圧力が上昇し、給気ファン(96)の運転中に大気圧より低くなる第2空間(42)との圧力差が拡大する。そして、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って速やかに第2空間(42)のドレン集合部(109)へと導かれる。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、第1,第2熱源用熱交換器(103,104)の両方をケーシング(10)内の下流側空間(91)に設置し、これら熱源用熱交換器(103,104)の下方に設置されたドレンパン(105)から排水手段(1)がドレン水を排出している。
ここで、従来には、熱源用熱交換器(103,104)である冷却熱交換器がケーシング(10)内の両側に設けられており、各冷却熱交換器の下方にドレンパン及び排水管を1つずつ設ける必要があった。このため、調湿装置の据え付け作業が煩雑化すると共に、調湿装置を設置する際の制約が大きくなるという問題があった。
しかしながら、本発明では、ケーシング(10)の片側にドレンパン(105)を配置しているため、調湿装置を据え付ける際において、調湿装置の排水管(130)にドレンホースを接続するといった作業をケーシング(10)の片側で行うことができる。また、そのための作業スペースをケーシング(10)の片側のみに確保すればよい。従って、本実施形態によれば、調湿装置を据え付ける際の作業工数を削減でき、調湿装置の設置自由度を高めることができる。
また、本実施形態によれば、第1,第2熱源用熱交換器(103,104)の下流側に給気及び排気ファン(95,96)を設置しており、ドレンパン(105)に溜まったドレン水をドレンポンプ(120)を用いて確実に排水することができる。
本実施形態では、ドレン集合部(109)が第2空間(42)に設けられる。特に、冬期に第1熱源用熱交換器(103)が蒸発器となる運転を行う際には、第1熱源用熱交換器(103)での冷媒蒸発温度の低下に伴って第1熱源用熱交換器(103)を通過後の空気の温度が零度以下まで低下する場合がある。このような場合には、第1熱源用熱交換器(103)を通過後の空気が流れる第1空間(41)の温度も低下し、ドレンパン(105)の第1空間(41)側に溜まったドレン水が凍結する恐れを生じる。
これに対し、本実施形態では、第1熱源用熱交換器(103)を通過後の空気が流れていない第2空間(42)にドレン集合部(109)を設け、このドレン集合部(109)からドレン水を排出している。従って、ドレン集合部(109)におけるドレン水の凍結を防止でき、ドレン水を確実にケーシング(10)の外部へ排出することができる。
本実施形態では、仕切板(73)に逆止弁(77)を設けることにより、連通口(76)を通じた第1空間(41)と第2空間(42)の間の空気流通を抑制することができる。具体的に、第2空間(42)から第1空間(41)へ空気が流入して給気が排気に混入したり、第1空間(41)から第2空間(42)へ空気が流出して排気が給気に混入するといった空気の漏れを防止することができる。従って、本実施形態によれば、調湿装置の性能を向上させることができる。特に、逆止弁(77)を銅板により構成することにより、ドレン水が逆止弁(77)に接している際に銅イオンが溶出し、この銅イオンが有する除菌作用により、スライム発生を抑止することができる。
また、本実施形態では、逆止弁(77)がドレンポンプ(120)の吸込口よりも高い位置に設けられる。このため、第1空間(41)と第2空間(42)との間にある程度の圧力差が生じた場合においても、ドレンパン(105)に溜まったドレン水は、逆止弁(77)の高さに達することなく確実にドレンポンプ(120)に吸い込まれる。従って、本実施形態によれば、ケーシング(10)内の圧力が不安定な場合においても、ドレン水を確実にケーシング(10)の外部へ排出することができる。
更に、本実施形態では、排気ファン(95)及び給気ファン(96)を一時的に停止させる動作を行うと、第1空間(41)と第2空間(42)の圧力が均一化される。従って、この動作を行うことにより、第1空間(41)に溜まったドレン水を確実にドレン集合部(109)へ導くことができる。また、排気ファン(95)を一時的に停止させる動作を行うと、第1空間(41)の圧力が上がり、第1空間(41)の圧力が第2空間(42)の圧力よりも高くなる。従って、この動作を行うことにより、第1空間(41)に溜まったドレン水を確実にドレン集合部(109)へ導くことができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、上記実施形態1において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図8に示すように、本実施形態の調湿装置では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)が、仕切板(73)としての右側仕切板(74)及び左側仕切板(75)によって左右に3つの空間に区画されている。この3つの空間のうち、右側仕切板(74)より右側の空間が第1空間(41)を構成し、左側仕切板(75)より左側の空間が第2空間(42)を構成している。また、右側仕切板(74)と左側仕切板(75)の間の空間は、圧縮機室(43)を構成している。
上記第1空間(41)には、左側から順に、排気ファン(95)と第1熱源用熱交換器(103)とが設置されている。上記第2空間(42)には、右側から順に、給気ファン(96)と第2熱源用熱交換器(104)とが設置されている。上記圧縮機室(43)には、冷媒回路の圧縮機(101)が設置されている。本実施形態のドレンパン(105)では、ドレン集合部(109)が圧縮機室(43)に設けられている。
上記右側仕切板(74)及び左側仕切板(75)のそれぞれには、第1,第2熱源用熱交換器(103,104)で生じたドレン水を圧縮機室(43)のドレン集合部(109)へ導くための連通口(76)が設けられている。右側仕切板(74)には、上記連通口(76)を通じての第1空間(41)と圧縮機室(43)の間での空気流通を抑制する右側逆止弁(78)が取り付けられている。左側仕切板(75)には、上記連通口(76)を通じての第2空間(42)と圧縮機室(43)の間での空気流通を抑制する左側逆止弁(79)が取り付けられている。
右側逆止弁(78)及び左側逆止弁(79)は、実施形態1の逆止弁(77)と同様に、回動自在で長方形状の銅板により構成されている。そして、右側逆止弁(78)及び左側逆止弁(79)は、圧縮機室(43)側へ回動して開くように取り付けられている。
第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、右側仕切板(74)の連通口(76)を通って圧縮機室(43)のドレン集合部(109)に集められる。第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水は、左側仕切板(75)の連通口(76)を通って圧縮機室(43)のドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
本実施形態では、ドレン集合部(109)が圧縮機室(43)に設けられる。圧縮機室(43)内は、圧縮機(101)から発生する熱により温度が高くなっている。このため、ドレン集合部(109)におけるドレン水の凍結を防止でき、ドレン水を確実にケーシング(10)の外部へ排出することができる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3は、上記実施形態1において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図9に示すように、本実施形態の調湿装置では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)が、仕切板(73)としての右側仕切板(74)及び左側仕切板(75)によって左右に3つの空間に区画されている。この3つの空間のうち、右側仕切板(74)より右側の空間が第1空間(41)を構成し、左側仕切板(75)より左側の空間が第2空間(42)を構成している。また、右側仕切板(74)と左側仕切板(75)の間の空間は、圧縮機室(43)を構成している。
上記第1空間(41)には、左側から順に、排気ファン(95)と第1熱源用熱交換器(103)とが設置されている。上記第2空間(42)には、右側から順に、給気ファン(96)と第2熱源用熱交換器(104)とが設置されている。上記圧縮機室(43)には、冷媒回路の圧縮機(101)が設置されている。本実施形態のドレンパン(105)では、ドレン集合部(109)が第2空間(42)に設けられている。
上記右側仕切板(74)及び左側仕切板(75)のそれぞれには、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を第2空間(42)のドレン集合部(109)へ導くための連通口(76)が設けられている。右側仕切板(74)には、上記連通口(76)を通じての第1空間(41)と圧縮機室(43)の間での空気流通を抑制する右側逆止弁(78)が取り付けられている。左側仕切板(75)には、上記連通口(76)を通じての第2空間(42)と圧縮機室(43)の間での空気流通を抑制する左側逆止弁(79)が取り付けられている。
右側逆止弁(78)及び左側逆止弁(79)は、実施形態1の逆止弁(77)と同様に、回動自在で長方形状の銅板により構成されている。そして、右側逆止弁(78)は圧縮機室(43)側へ回動して開くように取り付けられ、左側逆止弁(79)は第2空間(42)側へ回動して開くように取り付けられている。
第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水は、右側仕切板(74)の連通口(76)を通って圧縮機室(43)へ流入し、更に左側仕切板(75)の連通口(76)を通って第2空間(42)のドレン集合部(109)に集められる。第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水は、第2空間(42)のドレン集合部(109)に集められる。ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4は、上記実施形態1の調湿装置において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図10に示すように、本実施形態の調湿装置では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)が、仕切板(73)によって第1空間(41)と第2空間(42)とに区画されている。第1空間(41)における第1熱源用熱交換器(103)の下方には、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を受けるための第1ドレンパン(106)が設置されている。第2空間(41)における第2熱源用熱交換器(104)の下方には、第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水を受けるための第2ドレンパン(107)が設置されている。
上記第1ドレンパン(106)には、第1ドレンパン(106)に溜まったドレン水の水位を検知するための第1フロートスイッチ(110)が取り付けられている。上記第2ドレンパン(107)には、第2ドレンパン(107)に溜まったドレン水の水位を検知するための第2フロートスイッチ(111)が取り付けられている。この第1,第2フロートスイッチ(110,111)が作動すると、第1,第2ドレンパン(106,107)に溜まったドレン水がケーシング(10)の外部へ排出される。
一方、調湿装置の排水手段(1)は、第1ドレンパン(106)に溜まったドレン水を吸い上げるための第1ドレンポンプ(121)と、第1ドレンポンプ(121)に接続されてドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する第1排水管(131)とを備えている。また、排水手段(1)は、第2ドレンパン(107)に溜まったドレン水を吸い上げるための第2ドレンポンプ(122)と、第2ドレンポンプ(122)に接続されてドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する第2排水管(132)とを備えている。第1,第2ドレンパン(106,107)に溜まったドレン水は、それぞれ第1,第2ドレンポンプ(121,122)によって吸い上げられ、第1,第2排水管(131,132)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
尚、上記第1,第2排水管(131,132)の配置形態として、それぞれの排水管(131,132)を独立した状態でケーシング(10)の外部へ延出させてもよいし、それぞれの排水管(131,132)をケーシング(10)内で接合させて1本の排水管とした後にケーシング(10)の外部へ延出させてもよい。
《発明の実施形態5》
本発明の実施形態5は、上記実施形態1の調湿装置において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図11に示すように、本実施形態の調湿装置では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)が、仕切板(73)によって第1空間(41)と第2空間(42)とに区画されている。この仕切板(73)には、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を後述する集合ドレンパン(108)へ導くための連通口(76)が設けられている。
上記第1空間(41)における第1熱源用熱交換器(103)の下方には、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を受けるための第1ドレンパン(106)が設置されている。第2空間(42)における第2熱源用熱交換器(104)の下方には、第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水を受けるための第2ドレンパン(107)が設置されている。上記第1ドレンパン(106)と第2ドレンパン(107)の間には、これらドレンパン(106,107)に溜まったドレン水が流入する第3のドレンパンである集合ドレンパン(108)が設置されている。そして、第1,第2ドレンパン(106,107)のそれぞれにおけるドレン水の水位が一定の高さを越えると、集合ドレンパン(108)へドレン水が流入する。
上記第1ドレンパン(106)には、第1ドレンパン(106)に溜まったドレン水の水位を検知するための第1フロートスイッチ(110)が取り付けられている。上記第2ドレンパン(107)には、第2ドレンパン(107)に溜まったドレン水の水位を検知するための第2フロートスイッチ(111)が取り付けられている。この第1,第2フロートスイッチ(110,111)のうち何れか一方が作動すると、圧縮機(101)と排気ファン(95)と給気ファン(96)とが停止され、第1,第2ドレンパン(106,107)に溜まったドレン水がケーシング(10)の外部へ排出される。
一方、調湿装置の排水手段(1)は、集合ドレンパン(108)に溜まったドレン水を吸い上げるためのドレンポンプ(120)と、該ドレンポンプ(120)に接続されてドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する排水管(130)とを備えている。上記集合ドレンパン(108)に溜まったドレン水は、ドレンポンプ(120)によって吸い上げられ、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
本実施形態では、第1,第2ドレンパン(106,107)のドレン水を集合ドレンパン(108)へ集め、この集合ドレンパン(108)から排水手段(1)がドレン水を排出している。このため、ドレンパン(106,107)ごとに排水管(131,132)等を設ける必要がなくなり、排水手段(1)の構成を簡素化できる。
《発明の実施形態6》
本発明の実施形態6は、上記実施形態1の調湿装置において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
図12,図13に示すように、本実施形態の調湿装置において、ケーシング(10)内の下流側空間(91)のうち第1空間(41)には、左側から順に、第1熱源用熱交換器(103)と排気ファン(95)とが設置されている。第1熱源用熱交換器(103)は、排気ファン(95)の吹出側に設けられている。また、第1熱源用熱交換器(103)は、排気ファン(14)を通過後の第1空間(41)を流れる空気と冷媒回路の冷媒とを熱交換させるように構成されている。
上記ケーシング(10)内の下流側空間(91)のうち第2空間(42)には、右側から順に、冷媒回路の圧縮機(101)と、第2熱源用熱交換器(104)と、給気ファン(96)とが設置されている。第2熱源用熱交換器(104)は、給気ファン(96)の吹出側に設けられている。また、第2熱源用熱交換器(104)は、給気ファン(16)を通過後の第2空間(42)を流れる空気と冷媒回路の冷媒とを熱交換させるように構成されている。
上記第1,第2熱源用熱交換器(103,104)の下方に1つだけ設けられるドレンパン(105)は、排気ファン(95)及び給気ファン(96)の吹出側に設けられている。このため、第1空間(41)及び第2空間(42)のうち第1,第2熱源用熱交換器(103,104)及びドレンパン(105)が設置される部分の圧力は、排気ファン(95)及び給気ファン(96)の吹出圧力と概ね等しくなっている。つまり、第1空間(41)及び第2空間(42)におけるドレンパン(105)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも高くなっている。
一方、調湿装置の排水手段(1)は、ドレンパン(105)のドレン集合部(109)に溜まったドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する排水管(130)を備えている。上述のように、第1空間(41)及び第2空間(42)におけるドレンパン(105)の周囲の気圧は、ケーシング(10)外部の大気圧よりも高くなっている。このため、排水管(130)によってドレンパン(105)をケーシング(10)の外部と連通させると、ドレンパン(105)に溜まったドレン水は、排水管(130)を通ってケーシング(10)の外部へ排出されてゆく。
また、本実施形態では、除霜運転時における第1熱源用熱交換器(103)の除霜後に、排気ファン(95)及び給気ファン(96)を一時的に停止させる。すると、第1空間(41)と第2空間(42)の圧力が均一化され、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水が、仕切板(73)の連通口(76)を通って速やかに第2空間(42)のドレン集合部(109)へと導かれる。
尚、第1熱源用熱交換器(103)の除霜後において、給気ファン(96)のみを一時的に停止させてもよい。すると、給気ファン(96)の運転中に大気圧より高くなっていた第2空間(42)の圧力が低下し、排気ファン(95)の運転中に大気圧より高くなる第1空間(41)との圧力差が拡大する。そして、第1空間(41)のドレンパン(105)に溜まったドレン水は、仕切板(73)の連通口(76)を通って速やかに第2空間(42)のドレン集合部(109)へと導かれる。
本実施形態では、第1,第2熱源用熱交換器(103,104)の上流側に排気ファン(95)及び給気ファン(96)を設置し、ドレンパン(105)の周囲の気圧がケーシング(10)外部の大気圧よりも高くなることを利用してドレン水を排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出している。このため、ドレンポンプ(120)を設ける必要がなくなり、排水手段(1)の構成を簡素化できる。
また、本実施形態では、給気ファン(96)を一時的に停止させる動作を行うと、第2空間(42)の圧力が下がり、第1空間(41)の圧力が第2空間(42)の圧力よりも高くなる。従って、この動作を行うことにより、第1空間(41)に溜まったドレン水を確実にドレン集合部(109)へ導くことができる。
《発明の実施形態7》
本発明の実施形態7は、上記実施形態6の調湿装置において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態6と異なる点を説明する。
図14に示すように、本実施形態の調湿装置では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)が、仕切板(73)によって第1空間(41)と第2空間(42)とに区画されている。また、第1熱源用熱交換器(103)及び第2熱源用熱交換器(104)の下方に1つだけ設置されるドレンパン(105)には、該ドレンパン(105)に溜まったドレン水を集めるためのドレン集合部(109)が、第1空間(41)と第2空間(42)とに1つずつ形成されている。つまり、各熱源用熱交換器(103,104)からドレンパン(105)に落下したドレン水は、第1空間(41)と第2空間(42)のそれぞれに形成されるドレン集合部(109)に集まるようになっている。
一方、調湿装置の排水手段(1)は、第1空間(41)のドレン集合部(109)に集まったドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する第1排水管(131)と、第2空間(42)のドレン集合部(109)に集まったドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する第2排水管(132)とを備えている。各ドレン集合部(109)に集まったドレン水は、第1,第2排水管(131,132)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
尚、上記第1,第2排水管(131,132)の配置形態として、それぞれの排水管(131,132)を独立した状態でケーシング(10)の外部へ延出させてもよいし、それぞれの排水管(131,132)をケーシング(10)内でに接合させて1本の排水管とした後にケーシング(10)の外部へ延出させてもよい。
《発明の実施形態8》
本発明の実施形態8は、上記実施形態6の調湿装置において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態6と異なる点を説明する。
図15に示すように、本実施形態の調湿装置では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)が、仕切板(73)によって第1空間(41)と第2空間(42)とに区画されている。第1空間(41)における第1熱源用熱交換器(103)の下方には、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を受けるための第1ドレンパン(106)が設置されている。第2空間(41)における第2熱源用熱交換器(104)の下方には、第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水を受けるための第2ドレンパン(107)が設置されている。
上記第1ドレンパン(106)には、第1ドレンパン(106)に溜まったドレン水の水位を検知するための第1フロートスイッチ(110)が取り付けられている。上記第2ドレンパン(107)には、第2ドレンパン(107)に溜まったドレン水の水位を検知するための第2フロートスイッチ(111)が取り付けられている。この第1,第2フロートスイッチ(110,111)が作動すると、第1,第2ドレンパン(106,107)に溜まったドレン水がケーシング(10)の外部へ排出される。
一方、調湿装置の排水手段(1)は、第1ドレンパン(106)に溜まったドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する第1排水管(131)と、第2ドレンパン(107)に溜まったドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する第2排水管(132)とを備えている。上記第1,第2ドレンパン(106,107)に溜まったドレン水は、それぞれ第1,第2排水管(131,132)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。
尚、上記第1,第2排水管(131,132)の配置形態として、それぞれの排水管(131,132)を独立した状態でケーシング(10)の外部へ延出させてもよいし、それぞれの排水管(131,132)をケーシング(10)内でに接合させて1本の排水管とした後にケーシング(10)の外部へ延出させてもよい。
《発明の実施形態9》
本発明の実施形態9は、上記実施形態6の調湿装置において、調湿装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態6と異なる点を説明する。
図16に示すように、本実施形態の調湿装置では、ケーシング(10)内の下流側空間(91)が、仕切板(73)によって第1空間(41)と第2空間(42)とに区画されている。この仕切板には、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を後述する集合ドレンパン(108)へ導くための連通口(76)が設けられている。
上記第1空間(41)における第1熱源用熱交換器(103)の下方には、第1熱源用熱交換器(103)で生じたドレン水を受けるための第1ドレンパン(106)が設置されている。第2空間(41)における第2熱源用熱交換器(104)の下方には、第2熱源用熱交換器(104)で生じたドレン水を受けるための第2ドレンパン(107)が設置されている。上記第1ドレンパン(106)と第2ドレンパン(107)の間には、これらドレンパン(106,107)に溜まったドレン水が流入する第3のドレンパンである集合ドレンパン(108)が設置されている。そして、第1,第2ドレンパン(106,107)のそれぞれにおけるドレン水の水位が一定の高さを越えると、集合ドレンパン(108)へドレン水が流入する。
上記第1ドレンパン(106)には、第1ドレンパン(106)に溜まったドレン水の水位を検知するための第1フロートスイッチ(110)が取り付けられている。上記第2ドレンパン(107)には、第2ドレンパン(107)に溜まったドレン水の水位を検知するための第2フロートスイッチ(111)が取り付けられている。この第1,第2フロートスイッチ(110,111)のうち何れか一方が作動すると、圧縮機(101)と排気ファン(95)と給気ファン(96)とが停止され、第1,第2ドレンパン(106,107)に溜まったドレン水がケーシング(10)の外部へ排出される。
一方、調湿装置の排水手段(1)は、集合ドレンパン(108)に溜まったドレン水をケーシング(10)の外部へ排出する排水管(130)を備えている。上記集合ドレンパン(108)に溜まったドレン水は、排水管(130)を通じてケーシング(10)の外部へ排出される。