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JP4163631B2 - 無辛味品種トウガラシの発酵組成物及びその利用 - Google Patents

無辛味品種トウガラシの発酵組成物及びその利用 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、食品、医薬品等の原料として用いられ、抗疲労効果、体力増強効果、抗肥満効果、美肌効果、美白効果、風味改善効果等に優れる、無辛味品種トウガラシの発酵組成物に関する。
トウガラシ(Capsicum annuum L.)の果実及び葉は、食品、香辛料及び医薬品原料として世界中で広く利用されている。その辛味成分はカプサイシン、ジヒドロカプサイシンなど12種類以上の同族体からなる一群の物質であり、カプサイシノイドと総称されている。
上記のカプサイシノイドのうち、カプサイシンについては、様々な生理活性、例えば、アドレナリンの分泌促進に基づくエネルギー代謝の亢進によって肥満抑制をもたらす等の作用を有していることが知られている(非特許文献1参照)。
しかしながら、カプサイシノイドは辛味及び侵襲性が強い為にその使用量等が制限されることから、食品又は食品添加物、医薬品としての用途が限定されるという問題があった。
一方、タイ国で食用に栽培されているトウガラシ辛味品種「CH−19」(京都府立大学農学部野菜園芸学研究室導入番号)の自殖後代から京都大学実験圃場にて選抜固定された無辛味品種「CH−19甘」(品種登録番号:第10375号)には、カプサイシノイドがほとんど含まれず、代わりにカプシノイドと総称されるカプサイシノイド様の類似物質が多量に含有されている(非特許文献2参照)。
このカプシノイドは下記の一般式(I)、又は(II)で表される化合物であり、カプサイシノイドとカプシノイドの化学構造上の相違点は、カプサイシノイドがバニリルアミンに脂肪酸が酸アミド結合した化合物であるのに対し、カプシノイドはバニリルアルコールに脂肪酸がエステル結合した化合物である点のみである(非特許文献3参照)。
Figure 0004163631
Figure 0004163631
なお、上記一般式(I)、(II)中、nは0〜10の整数、好ましくは3〜5の整数を意味する。
カプシノイドは、カプサイシノイドと同様のエネルギー代謝促進作用、肥満抑制作用、免疫賦活作用などを有することが知られている。例えば、下記の特許文献1〜4には、カプシノイドを含有する食品や医薬品等が開示されており、血中トリグリセリド濃度低下、血中遊離脂肪酸濃度増加、血中アドレナリンのレベルの増加、血中グルコース濃度の増加及び酸素消費量増加作用を有することによりエネルギー代謝を活性化して、持久力を向上させる効果のほか、鎮痛作用、肥満抑制等に有用であることが開示されている。
また、美肌、美白化粧品として、近年、チロシナーゼを阻害することによって、メラニンの合成を抑制する製品が提案されている。このチロシナーゼは、皮膚の色素であるメラニンを合成する色素細胞中(メラノサイト)の顆粒(メラノソーム)に存在し、メラニンの合成で重要な働きをしているが、このようなチロシナーゼ阻害剤として、ビタミンC、アルブチン、コウジ酸などが知られている(例えば、特許文献5〜7参照)。
Buck SH,Burks TF.Pharmacol. Rev. 1986,38,179−226、岩井和夫,渡辺達夫編「トウガラシ 辛味の科学」,幸書房,2000年,P148−228 矢澤進・末留昇・岡本佳奈・並木隆和、1989、園芸学会雑誌58:601−607 Kobata K et al.J. Agricultural and Food Chemistry 1998,46,1695−1697 特開平11−246478号公報 特開2001−26538号公報 特開2001−158738号公報 特開2002−114676号公報 特開平6−56642号公報 特開平6−24931号公報 特開平7−17845号公報
上記の非特許文献1〜3、特許文献1〜4においては、いずれも原料トウガラシをそのまま用いるか、又は抽出、精製等を行なうことによりトウガラシ組成物を得て、これを食品や医薬品の原料として添加し、トウガラシに含まれるカプサイシノイド及び/又はカプシノイドを機能性成分として利用している。
しかし、上記のトウガラシ組成物を用いた場合には、カプサイシノイドを主に含有するトウガラシ組成物においては、カプサイシノイドの辛味によりその適用に制限があった。
更に、このトウガラシ組成物は、上記のカプサイシノイドやカプシノイドの他に、ビタミンやアミノ酸等の機能性成分も含有するが、このビタミンやアミノ酸の含有量が少ないため、ビタミンやアミノ酸等によって発揮される生理活性機能が不充分であった。
また、美肌剤、美白剤としてチロシナーゼ阻害活性を有するものとして知られている、上記のビタミンC、アルブチン、コウジ酸などの物質は、安定性および安全性に問題があり、これらの物質以外にも新規なチロシナーゼ阻害剤が求められている。
したがって、本発明の目的は、カプサイシノイドの辛さや刺激性が少なく、しかも風味に優れ、ビタミンやアミノ酸も増強された、抗疲労効果、体力増強効果、抗肥満効果、美肌効果、美白効果、風味改善効果等に優れる、トウガラシ由来組成物を提供することにある。
すなわち、本発明の発酵組成物(以下、単に組成物ともいう)は、無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を含有することを特徴とする。
発酵処理の場合においては、発酵に使用する菌の代謝によって、無辛味品種トウガラシに含まれている成分が、カプサイシノイドやカプシノイド以外の機能性化合物として存在していることが予想され、これらの成分が組成物中に存在するとともに、発酵によって菌が産生するビタミン類やアミノ酸類が増強されるので、抗疲労効果、体力増強効果、抗肥満効果、抗酸化効果、美肌効果、美白効果等に優れる組成物を得ることができる
また、カプサイシノイドの含量が少ないので、辛味や侵襲性の少ない組成物を得ることができる
また、組成物自身の風味が改善されるとともに、食品等に添加した場合には食品全体としての風味が改善されるという、風味改善効果に優れる組成物を得ることができる。
また、本発明の組成物においては、前記原料となるトウガラシが無辛味品種であることが好ましい。これによれば、カプサイシノイドの含量が少ないので、辛味や侵襲性の少ない組成物を得ることができる。
更に、本発明の組成物においては、前記原料となるトウガラシが無辛味固定品種のCH−19甘であることが好ましい。これによれば、「CH−19甘」品種はカプサイシノイドの含量が少なく、特にカプシノイドを多く含むので、辛味が少なく、抗疲労効果、体力増強効果、抗肥満効果、美肌効果、美白効果、風味改善効果に優れる組成物を得ることができる。
本発明の組成物においては、食品、医薬品、医薬部外品又は化粧品より選択される1種の原料として用いられることが好ましい。また、健康食品、機能性食品、栄養補助食品より選択される少なくとも1種として用いられることが好ましい。また、抗疲労剤、体力増強剤、抗肥満剤、美肌剤、美白剤、風味改善剤より選択される少なくとも1種として用いられることが好ましい。また、前記美肌剤又は前記美白剤がチロシナーゼ阻害活性を有するものであることが好ましい。
本発明の組成物は、カプサイシノイドの辛さが緩和されており、しかも風味に優れ、ビタミンやアミノ酸も増強されており、しかも安全であるので、上記の用途に特に好適に用いることができる。
本発明によれば、無辛味品種トウガラシに、発酵処理を行うことにより、カプサイシノイドの辛さや刺激性が少なく、更にアミノ酸、ビタミンを増強でき、抗疲労効果、体力増強効果、抗肥満効果、美肌効果、美白効果、風味改善効果を有する組成物を提供できる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明の発酵組成物は、無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を含有する。
発明における無辛味品種とは、辛くない品種のトウガラシを意味し、具体的には、CH−19甘、伏見甘長、ししとう、山科、万願寺、パプリカ、ピーマン等が例示できる。なかでも、カプシノイドを多量に含有し、かつ、辛味成分であるカプサイシノイドの含有量が少ない無辛味品種が望ましく、具体的には特にCH−19甘を用いることが好ましい。また、例えば、トウガラシ品種CH−19甘等と他のトウガラシ属植物との交配種であってもよい。
上記の原料トウガラシは、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、原料トウガラシとしてはどの部位を用いてもよいが、特に、カプシノイドは種子に多く含まれているため、種子または種子を含む果実を用いることが好ましい。また、使用する原料トウガラシの形態としては、青果、乾燥物、乾燥粉砕物のいずれも使用できる。
次に、本発明における、上記原料トウガラシを処理する方法について説明する。なお、以下には、処理方法として発酵処理又は加熱処理挙げて説明し、発酵処理又は加熱処理して得られた、発酵処理物又は加熱処理物を、併せて単に処理物ともいう。
まず、上記の原料は、そのまま処理に供することも可能であるが、処理に供される原料の表面積を増加させて、効率よく原料を処理できる点で、予め原料を破砕することが好ましい。例えば、原料トウガラシをスライサーまたはダイサーでカットした後に、マスコロイダー、ブレンダー、摩砕ミルなどで、破砕片の粒径が、好ましくは100〜3000μm、より好ましくは200〜1000μmになるまで破砕する。必要に応じて、水、エタノールなどを適宜加えて破砕してもよい。
また、処理を効率よく行なうために、原料又はその破砕物に予め水を加えることが好ましい。加える水の量は、原料又はその破砕物の全質量に対し、好ましくは等量〜5倍量、より好ましくは2〜3倍量である。水を加えることによって発酵処理においては、菌の生育環境が好適になる。また、加熱処理においては熱の伝導効率が高まる。
原料を発酵処理する場合、従来公知の発酵方法が使用でき特に限定されない。これにより、微生物によって産生される有機酸などによるpHの変化などにより、カプシノイドが分解され易くなり、さらに微生物が分解物である脂肪酸を資化し、資化された脂肪酸は、菌体の代謝により、有機酸、アミノ酸などへさらに変換され得る。
発酵は、乳酸発酵、クエン酸発酵、アルコール発酵、酢酸発酵、これらの組み合わせによる発酵などが挙げられる。発酵の種類に応じて、乳酸菌、酵母菌、酢酸菌などを上記の原料トウガラシ又はその破砕物と接触させる。
発酵の際の温度、時間、pH等の発酵条件や、原料量に対する菌の使用割合等は、使用する菌種、原料の種類、発酵条件等によって適宜設定可能であり特に限定されない。
発酵に用いる菌種としては特に限定されず、例えば、ビフィズス菌、L.カゼイ、L.ブルガリクス(ブルガリア菌)、S.サーモフィルス(サーモフィラス菌)、LG21、L.アシドフィルス、S.クレモリス、L.ヘルベティクス、S.ラクチス、S.ジアセチルラクティス、S.フェカーリス、ペディオコッカス・ハロフィルス、L.サケ、リューコノストックメセンテロイデス、S.フェカーリス、L.プランタルム、ラブレ菌等の乳酸菌、バチルス属菌等の納豆菌、アセトバクター属等の酢酸菌、ザイモモナス属等のザイモモナス菌、サッカロミセス・セレビッシェ、サケ、ウバルム、ルーキシイ等の酵母、アスペルギウス、クモノスカビ等のカビ、麹菌が挙げられる。これらの菌は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、乳酸菌を用いる乳酸発酵が好ましい。乳酸発酵は、カプシノイドを分解し、ならびに分解物を資化して有機酸を産生するだけでなく、発酵物を低いpHに維持できるため、他の雑菌の繁殖を防ぐことも可能である。また、乳酸菌により整腸作用を有する有機酸などが作られ、より胃腸機能改善効果の高い発酵物を得ることができる。
乳酸菌としては、ロイコノストック・メセントロイデス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプトコッカス・フェカリス、ビフィドバクテリウム・ロンガムなどが挙げられ、これらの菌は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、単独で用いる場合、ラクトバチルス・プランタラムが、その耐酸性、生育温度、および増殖速度の面から好適である。
乳酸菌が優先的に増殖できる環境をつくるため、原料又はその破砕物のpHを予め低くしておくことも好ましい。例えば、ラクトバチルス・プランタラムでは、pH4.0程度に調整してから発酵を開始すれば、短期間でその発酵を終了できる。また、乳酸菌の優先的な生育のために、グルタミン酸またはその塩を加えてもよい。添加するグルタミン酸の量は、原料トウガラシまたはその破砕物全量に対して0.05〜1質量%程度、好ましくは0.2質量%程度である。
乳酸菌代謝性の糖を添加してもよい。この糖の添加は、糖分含量が少ない植物(1質量%未満)を発酵させる場合に有用である。あるいは、発酵の促進および飲料への甘味の付加という目的で糖を添加してもよい。添加される糖は、乳酸菌が生育および発酵に利用し得る糖であり、例えば、庶糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの糖は、糖分が植物の糖分と合わせて約1〜6質量%になるように加えることが好ましい。
乳酸菌は、上記原料又はその破砕物100質量部に対して、湿菌体質量で好ましくは0.005〜5.0質量部、さらに好ましくは0.01〜2.0質量部添加される。なお、乾燥した乳酸菌を用いる場合は、その生菌数にもよるが、乾燥重量で0.0005〜5.0質量部、好ましくは0.005〜3.0質量部であればよい。発酵温度は、通常4℃〜50℃である。発酵時間は、20℃〜50℃で発酵を行なう場合、12時間〜72時間、好ましくは24時間〜72時間である。また、原料としてトウガラシを用いる場合、その青臭みを抑えた発酵物を得るために4℃〜10℃で発酵を行なう場合は、5日間〜14日間である。
乳酸発酵は、嫌気性条件下で行なうことが好ましい。嫌気性条件は、上記原料又はその破砕物を発酵槽に入れた後、脱気することにより、または発酵槽を密封するか、窒素、二酸化炭素などのガスで満たすか、減圧することにより、あるいはそれらを組み合わせることにより得られる。また、嫌気条件下で発酵を行なうことにより、得られる発酵処理物の風味も良くなる。
乳酸発酵は、糖を加えて発酵を停止させることができる。このような糖としては、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、オリゴ糖(例えば、マルトオリゴ糖、キトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖)などが挙げられる。このようなオリゴ糖は、整腸作用、う蝕の予防などに効果があり、得られる発酵処理物に機能性を付与し得る。
クエン酸発酵は、酵母を、上記原料又はその破砕物と好気的条件下で接触させて培養することによって行われる。酵母によって産生されるクエン酸も、発酵物のpHを低くし、カプシノイドの分解を促進し得る。
酵母としては、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母、パン酵母など呼ばれる酵母が挙げられる。好ましくは、サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属などに属する酵母が用いられ、例えば、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・パストリアヌス、シゾサッカロミセス・ポンベなどが挙げられる。特にアミノ酸やビタミンなどの有用物質を産生する点で、サッカロミセス・セレビシエおよびその単離株を用いることが好ましい。
酵母は、原料又はその破砕物100質量部に対して、湿菌体質量で0.01〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部を添加する。なお、乾燥した酵母を用いる場合は、その生菌数にもよるが、乾燥重量で0.0005〜5.0質量部、好ましくは0.005〜3.0質量部であればよい。
クエン酸発酵は、原料又はその破砕物と酵母とを発酵槽に入れ、通気攪拌しながら、4℃〜40℃、好ましくは10℃〜35℃で24時間〜14日間行なう。
アルコール発酵は、酵母を、上記原料トウガラシ又はその破砕物と嫌気条件下で接触させて培養することによって行われる。アルコール発酵に用いられる酵母の種類および量は、上記クエン酸発酵の場合と同様である。発酵条件も、嫌気条件にすること以外は、上記クエン酸発酵の場合と同様である。こうしてアルコール発酵で得られた発酵処理物は、さらに以下で述べる酢酸発酵に供することが好ましい。
酢酸発酵は、上記原料又はその破砕物にアルコールを添加して、所定のアルコール濃度にした後、酢酸発酵し得る微生物(酢酸菌)添加して行われる。あるいは上記のアルコール発酵によって得られた発酵処理物に酢酸菌を添加して二段発酵させてもよい。
アルコール濃度は、酢酸菌が生育できる濃度であれば、どのような濃度であってもよく、発酵時間などを考慮して、10質量/容量%以下にすることが好ましく、1〜6質量/容量%が特に好ましい。
酢酸菌としては、アセトバクター属に属する微生物、例えば、アセトバクター・アセチ、アセトバクター・パステウリアヌス、アセトバクター・ハンセニなどが挙げられる。
酢酸菌は、適切な培地で15℃〜40℃、好ましくは、25℃〜35℃で、6〜48時間予備培養しておくことが好ましい。予備培養した酢酸菌は、例えば、次のようにして得ることができる。ポテト200g、破砕酵母30g、肝臓エキス25g、肉エキス5g、チオグリコール酸培地10g、グルコース5g、グリセロール15g、および炭酸カルシウム15gを含有する1Lの酢酸菌培地(pH7.0)に酢酸菌を添加して、15℃〜40℃で24時間予備培養する。次いで、培養物を遠心分離し、回収した菌を滅菌水で洗浄し、再度遠心分離し、上清を除去して、予備培養した酢酸菌を得る。
酢酸発酵は、攪拌培養、振盪培養、または静置培養のいずれでも行なうことができる。発酵温度は10℃〜40℃、好ましくは20℃〜35℃の間である。発酵時間は、酢酸菌の添加量に応じて適宜設定され、通常、1日〜1週間が好適である。
なお、本発明においては、複数回の発酵工程を行なってもよい。すなわち、特定の菌で1次発酵させた後、更に異なる菌で2次発酵させてもよく、更に異なる菌で3次発酵させてもよい。
これにより、発酵に使用する菌の種類によって、それぞれの菌の持つ代謝活性が異なるため、新たに生成する機能性化合物も異なる。よって、複数の菌を発酵に使用することにより、複数の機能性化合物が生成するので、組成物の機能性をより向上することができる。
また、発酵を複数回行なうことによって、前発酵で産生された機能性化合物が更に別の菌の代謝によって修飾されることにより、機能性を増強する効果や、前発酵で産生された機能性をもたない化合物が、別の菌の代謝によって機能性化合物に修飾される効果が考えられる。
また、発酵に使用する菌の種類によって、それぞれの菌の産生するビタミン類やアミノ酸類などの種類が異なるため、複数の菌を使用することにより、ビタミン類やアミノ酸類などを更に強化する効果が得られる。
一方、上記の原料は、発酵以外に加熱処理してもよく、加熱処理を組み合わせて行ってもよい。例えば、原料トウガラシ又はその破砕物を加熱処理する場合、加熱処理は、原料トウガラシ又はその破砕物を、40℃〜120℃の範囲の温度で30分〜24時間加熱することによって行われる。
カプシノイドから効率よく分解物を生じさせるために、高い加熱温度で短時間で処理することが好ましい。例えば、40℃〜60℃にて3時間〜24時間、または60℃〜120℃にて30分間〜3時間処理することが好ましい。また、酢酸、焼成カルシウムなどを用いてpHを5〜6.5または8〜10に調整することにより、より低い加熱温度で処理することも可能である。このような高温かつ短時間での処理あるいは低温での処理により、カプシノイド以外の成分の変性(色素の褐変など)を避けることができる。
上記の発酵又は加熱処理時には、上記の原料以外に、アミノ酸、糖質、ビタミン、ミネラル等の添加物を適宜添加することができる。
具体的には、アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等が例示できる。
糖質としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース等の単糖類、麦芽糖、ショ糖、乳糖等の二糖類、デンプン、グリコーゲン、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン等の多糖類が例示できる。
ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンP、パントテン酸、コリン、葉酸、イノシトール、ナイアシン、パラアミノ安息香酸(PABA)等が例示できる。
ミネラルとしては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が例示できる。
なお、上記の添加物は1種類のみを添加してもよく、2種類以上を併用して添加してもよい。
上記加熱処理および発酵処理は、組み合わせて行っても良い。発酵処理前に加熱処理を行なうと、加熱処理によって予め脂肪酸が生成されているため、発酵処理のより早い段階で脂肪酸が資化され、短時間で香りなどの嗜好性を高めることができる。特に、酵母や酢酸菌を用いて発酵を行なう場合は、発酵処理前に加熱処理を行なうことによって、雑菌の繁殖を抑えることができる。
このようにして得られた発酵処理物又は加熱処理物は、上記の処理後の残渣を除去してそのまま用いてもよい。
また、この組成物は、水、エタノールなどに溶解するため、処理物から抽出を行い、得られた抽出物(エキス)として用いてもよい。
この抽出物は、処理物を必要に応じて粉砕し、水、エタノールなどの溶媒を加えて抽出を行い、当業者が通常用いる方法、例えば、遠心分離、濾過などにより処理物の残渣を除去することによって得られる。
なお、原料を粉砕せずに加熱処理又は発酵処理を行った場合には、原料中のカプシノイド及び/又はその分解物の抽出を容易にするために、上記処理後に粉砕してから抽出を行ってもよい。
抽出方法としては特に限定されず、例えば従来公知の有機溶媒抽出法等を用いることができる。また、精製によってカプサイシノイドやカプシノイド等の純度を向上してもよい。このような抽出、精製の方法としては、例えば、特開2002−226445号に記載されている抽出方法等を用いることができる。
このようにして得られた組成物は、半練り状(ペースト状)、粉体、液体等の形態として得ることができる。さらに、抽出物は、抽出に用いた溶媒の一部または全部を除去して、エキスとすることもできる。
本発明の組成物は、必要に応じて、殺菌処理して保存する。殺菌処理は、気流殺菌、高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者が通常用いる方法により行われ得る。殺菌は、各種の栄養分を保持するために、できるだけ低温、短時間で行なうことが好ましい。
本発明の組成物はまた、乾燥、粉末化して、乾燥形態の食品素材、例えば、そのまま乾燥して粉末としたり、濾過して得られた液を乾燥したエキス末とすることができる。乾燥方法は、当業者が一般的に用いる種々の方法が採用されるが、凍結乾燥、噴霧乾燥が好ましく用いられる。噴霧乾燥を行なう場合、必要に応じてデキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースのような賦形剤を添加して行われる。好適にはデキストリンが用いられ、組成物とデキストリンとの比は、質量比で1:5〜10:1が好ましい。濾過して得られた液を乾燥する場合、この液とデキストリンとの比は、質量比で1:10〜5:1が好ましい。
また、無辛味品種トウガラシであるトウガラシ品種CH−19甘は、カプシノイド含有植物である。ここで、カプシノイド含有植物の主な成分であるカプシノイドは加水分解されて、主にバリニルアルコールと脂肪酸とに分解される。これらの成分は、例えば、原料として用いる通常の辛味を有するトウガラシ中にはほとんど含有されていない物質であり、新たな機能や生理活性の増強作用を得ることができる。

カプシノイドは、上記の発酵又は加熱処理によって主にバリニルアルコールと脂肪酸に分解されていく。本発明の組成物中のカプシノイドの分解物の含有量は、バニリルアルコールの含有量を指標として測定され得る。理論的には、1molのカプシノイドが分解すると、1molのバニリルアルコールが生成され得る。したがって、バニリルアルコールの含有量を測定することによって、カプシノイドの分解率およびカプシノイドの分解物の生成量を知ることができる。バニリルアルコールは、例えば、HPLCによって測定し得る。
このようにして得られたカプシノイドの分解物を含有する組成物は、カプシノイドの分解物をバニリルアルコールを指標として、乾燥質量換算で0.05〜0.3質量%含有することが好ましい。このバニリルアルコールの含有量は、処理前の含有量に比べて、1.5倍〜25倍、好ましくは2〜20倍に相当する。
次に、上記の処理物を含有する組成物の用途について説明する。この組成物は、風味に優れ、ビタミンやアミノ酸が増強され、カプサイシノイドの辛さや刺激性が少なくなり、更に、毒性も認められずに安全であることから、食品、医薬品、医薬部外品又は化粧品より選択される1種の原料として好ましく用いられる。
すなわち、処理物を含有する組成物は、抗疲労効果、体力増強効果(滋養強壮効果)、抗肥満効果(痩身効果)、抗酸化効果(抗老化効果)、美肌効果、美白効果等が得られ、一般的な個体の栄養状況の改善、健康増進、美容に有用である。
また、特に、カプシノイド分解物由来の成分によって従来の原料トウガラシが持ち得ない新規な機能(例えば、リパーゼ活性阻害作用、鎮静作用、強壮作用)を有する。例えば、抗肥満剤として摂取した場合には、非摂取時に対し10〜20%の体重増加抑制効果が得られる。この抗肥満剤としての有効成分はいまだ明らかではないが、カプシノイドの分解物の一つ(例えば、バニリルアルコールなど)が関与しているものと考えられる。
また、例えば、酵母を用いて発酵処理を行った場合は、組成物中に酵母が産生するアミノ酸、タンパク質、ビタミン類などが含まれるため、栄養価が高く嗜好性に優れている。
医薬品又は医薬部外品として投与する形態としては、経口又は非経口的に投与することができる。この場合、その投与形態にあわせ、薬学的に許容される、例えばゼラチン等の添加剤を加えて製剤化することも可能である。
製剤の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくは坐薬等の固形製剤でもよく、ペースト状として用いてもよく、乳化液、スプレー、シロップ剤、エリキシル剤若しくは注射剤等の液体製剤であってもよく、貼布剤、軟膏等として用いてもよい。
なお、上記の処理物を含有する組成物を抗疲労剤、体力増強剤、抗肥満剤、抗酸化剤、美肌剤、美白剤として用いる場合の有効投与量は、未抽出の原料乾燥品換算で、0.0001〜10000g/1人1日であり、好ましくは0.01〜100g/1人1日である。
上記の処理物を含有する組成物を化粧品に添加した場合には、上記のような各種の生理活性を有する化粧品として利用することができる。化粧品としての形態も特に限定されず、液体、ジェル、粉末、乳化液、スプレー、軟膏等として用いることができる。
この場合、上記の処理物を含有する組成物を美肌剤又は美白剤として用いる場合の有効な量としては、未抽出の原料乾燥品換算で、化粧品全体に対して0.00001〜50質量%含有することが好ましく、0.001〜30質量%含有することがより好ましく、0.01〜20質量%含有することがさらに好ましい。
特に、美肌剤、美白剤がチロシナーゼ阻害効果を有するものとして経口摂取する場合は、通常、カプシノイドの分解物が、バニリルアルコールの一日の摂取量に換算して、好ましくは0.001mg〜10mg、より好ましくは0.005mg〜1mgとなるように含有される。この摂取量は、例えば、トウガラシCH−19甘として乾燥質量換算で、好ましくは約0.001g〜10g、より好ましくは0.005g〜1gに相当する。
この場合、美肌剤、美白剤はカプシノイドの分解物を含有するため、従来の原料が持ち得ない、優れたチロシナーゼ阻害作用を有する。さらに、香りや風味などの嗜好性に優れ、カプサイシンのような刺激性を持つ物質をほとんど含有しない。そのため、シミ・そばかすの改善などを目的とする、美肌剤、美白剤として利用され得る。
上記の処理物を含有する組成物は、香りがよく、リパーゼ活性阻害作用などを有するだけでなく、カプサイシンのような刺激性を持つ物質をほとんど含有しないため、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品などに広く適用し得る。例えば、化粧水、化粧クリーム、乳液、パック、ヘアトニック、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディーシャンプー、先顔剤、石鹸、ファンデーション、口紅、育毛剤、軟膏、入浴剤、歯磨剤、マウスウウォッシュ、シップ、ゲルなどが挙げられる。
また、上記の処理物を含有する組成物を食品に添加した場合には、上記の抗疲労効果、体力増強効果、抗肥満効果、抗酸化効果のような各種の生理活性効果を有する健康食品、機能性食品又は栄養補助食品として利用することができる。
また、組成物自身の風味が改善されるとともに、食品等に添加した場合には食品全体としての風味が改善されるという、風味改善効果等に優れる組成物として利用することができる。
食品としては、種々の食品、例えば、固体、液体、ゾル、ゲル、粉末及び顆粒状食品に任意に配合することが可能である。配合は従来公知の製造方法によって行なうことができ、例えば、特開平11−246478号公報に記載されているような方法により、チョコレートや焼菓子等の固体食品、スポーツ飲料などの液体食品等に容易に配合することができる。なお、上記の組成物は、未抽出の原料乾燥品換算で、食品全体に対して0.00001〜100質量%含有することが好ましく、0.01〜70質量%含有することがより好ましい。また、風味改善剤として用いる場合の添加量としては食品に対して0.00001〜70質量%含有することが好ましく、0.001〜30質量%含有することがより好ましく、0.01〜10質量%含有することがさらに好ましい。
また、上記の処理物を含有する組成物の添加形態としては、例えば、デキストリン、コーンスターチ、乳糖等の各種の賦形剤類や乳化剤等の副原料と共に、組成物を混合、造粒又はカプセル化等をすることにより製造してもよく、また、必要に応じて、保存料や香料などを添加することもできる。
なかでも、食物繊維(アルギン酸、難消化性デキストリン、グアガム酵素分解物、グルコマンナンなど)、コラーゲン、ショウガ抽出物、高麗人参エキス、プロポリス、ローヤルゼリー、ニンニク抽出物、ガラナ、パフィア、カテキン、カフェイン、カワラタケ抽出物、カンゾウ抽出物、キチン、キトサン、キナ抽出物、キラヤ抽出物、グルコサミン、クワ抽出物、ゲンチアナ抽出物、コウジ酸、ダイズサポニン、タウリン、タンニン、チャ抽出物、テオブロミン、トレハロース、パフィア抽出物、ヒメマツタケ抽出物、ブドウ果皮抽出物、ブドウ種子抽出物、ブラジルカンゾウ抽出物、プロポリス抽出物、ラクトフェリン濃縮物、ルチン、クロレラ、ココア、ブルーベリー色素、トマト色素、クレアチン、コエンエンザイムQ10、コンドリチン硫酸、ゼラチン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、ホスファチジルセリン、リノール酸、リノレン酸、イヌリン、オリゴ糖、γ―アミノ酪酸、イコサペント酸(EPA)、コエンザイムA、アントシアニジン、オクタコサノール、スクワレン、リグナン、アリノコ、ヤツメウナギ、タツノオトシゴ、カキ(牡蠣)、肝油、魚油、シジミ、スッポン、ハチノコ、マムシ、香辛料抽出物、乳酸菌、ビフィズス菌、ビール酵母等の機能性素材を添加することが好ましい。このような機能性素材を加えることで、更なる健康増進効果を得ることができる。
また、種々の調味料、例えば、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料、アルコール、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料、香料、色素などを加えて、好みの味に調整することができる。
また、上記の組成物は、他の発酵ジュースや野菜ジュースなど、例えば人参ジュースあるいは混合野菜ジュースと混合すれば、更に栄養価の高いジュースとすることができる。混合割合は任意である。また、この混合ジュースは、低pHであれば、120℃、4分の完全殺菌をしなくても、100℃以下の殺菌条件で殺菌できる。例えば、pHが4.0以下の場合では、65℃、10分相当の殺菌条件で十分に殺菌できる。本発明の組成物は、他の製法により得られた液と、または野菜ジュースなどと混合して食品に含ませることもできる。例えば、寒天などに混合してゼリーとすることもでき、シャーベット、フローズンヨーグルトあるいはアイスクリームとすることもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、実施例は本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
原料トウガラシとして「伏見甘長」及び「CH−19甘」を用い、それぞれ水洗後、天日にて乾燥させて乾燥トウガラシとした。
乾燥したそれぞれのトウガラシをフードプロセッサーで粉砕し、乾燥トウガラシ粉末を調製した後、それぞれの乾燥トウガラシ粉末を質量比1:1で混合した。
この乾燥トウガラシ粉末1kgあたり、水1000ml及び乾燥ビフィズス菌末1gを添加し、さらにグルコース10gを添加し、良く攪拌し、雑菌の入らない環境下で、30℃×48時間発酵後、80℃で1分間殺菌し1次発酵トウガラシを得た。
この1次発酵トウガラシを遠心分離し、上清液を回収、加熱、濃縮し、さらに加熱殺菌して1次発酵トウガラシ抽出物を得た。
(実施例2)
実施例1の1次発酵トウガラシに乾燥酵母菌末1gを添加し、さらにグルコース5gを添加し、良く攪拌し、雑菌の入らない環境下で、30℃×48時間発酵後、80℃で1分間殺菌し2次発酵トウガラシを得た。
この2次発酵トウガラシを遠心分離し、上清液を回収、加熱、濃縮し、さらに加熱殺菌して2次発酵トウガラシ抽出物を得た。
(実施例3)
実施例2の2次発酵トウガラシに乾燥納豆菌末1gを添加し、さらに食塩2gを添加し、良く攪拌し、雑菌の入らない環境下で、30℃×48時間発酵後、80℃で1分間殺菌し3次発酵トウガラシを得た。
この3次発酵トウガラシを遠心分離し、上清液を回収、加熱、濃縮し、さらに加熱殺菌して3次発酵トウガラシ抽出物を得た。
(実施例4)
原料トウガラシとして「八房辛」、「万願寺」及び「CH−19甘」を用い、それぞれ水洗後、天日にて乾燥させて乾燥トウガラシとした。
乾燥したそれぞれのトウガラシをフードプロセッサーで粉砕し、乾燥トウガラシ粉末を調製した後、それぞれの乾燥トウガラシ粉末を質量比1:1:1で混合した。
この乾燥トウガラシ粉末1kgあたり、水1000ml及び乾燥ビフィズス菌末1gを添加し、さらにグルコース10gを添加し、良く攪拌し、雑菌の入らない環境下で、30℃×48時間発酵後、80℃で1分間殺菌し1次発酵トウガラシを得た。
この1次発酵トウガラシを遠心分離し、上清液を回収、加熱、濃縮し、さらに加熱殺菌して1次発酵トウガラシ抽出物を得た。
(実施例5)
実施例4の1次発酵トウガラシに乾燥酵母菌末1gを添加し、さらにグルコース5gを添加し、良く攪拌し、雑菌の入らない環境下で、30℃×48時間発酵後、80℃で1分間殺菌し2次発酵トウガラシを得た。
この2次発酵トウガラシを遠心分離し、上清液を回収、加熱、濃縮し、さらに加熱殺菌して2次発酵トウガラシ抽出物を得た。
(実施例6)
実施例5の2次発酵トウガラシに乾燥納豆菌末1gを添加し、さらに食塩2gを添加し、良く攪拌し、雑菌の入らない環境下で、30℃×48時間発酵後、80℃で1分間殺菌し3次発酵トウガラシを得た。
この3次発酵トウガラシを遠心分離し、上清液を回収、加熱、濃縮し、さらに加熱殺菌して3次発酵トウガラシ抽出物を得た。
(比較例1)
実施例1において1次発酵を行なわない以外は、実施例1と同様な条件でトウガラシ及びトウガラシ抽出物を得た。
(比較例2)
実施例4において1次発酵を行なわない以外は、実施例4と同様な条件でトウガラシ及びトウガラシ抽出物を得た。
<調剤例1>(散剤の調製)
実施例1の1次発酵トウガラシ抽出物を、スプレードライにて乾燥粉末(発酵トウガラシ抽出末)とした。
この発酵トウガラシ抽出末、賦形剤(乳糖)を、下記の表1に示す処方に従って秤量し、これらを乳鉢に入れて混ぜ、混合粉末を篩に数回通すことにより散剤を調製した(発酵トウガラシ抽出末50質量%含有、0.2g/散剤)。
Figure 0004163631
<調剤例2>(顆粒剤の調製)
実施例2の2次発酵トウガラシ抽出物を、スプレードライにて乾燥粉末(発酵トウガラシ抽出末)とした。
発酵トウガラシ抽出末、賦形剤(乳糖)、崩壊剤(デンプン)を、下記の表2に示す処方に従って秤量し、これらを乳鉢に入れて混ぜ、混合粉末を篩に数回通すことにより、散剤とした。
次に、乳鉢中の混合粉末を結合剤(ポリビニルピロリドン:PVP)水溶液を表2に示す割合で練合し、50メッシュの篩を通して少量の練合物で試作し、湿り具合を適度に調整した。その後、全量を篩から押し出し、流動層乾燥機で乾燥させた後、20メッシュの篩で整粒し顆粒剤とした(発酵トウガラシ抽出末70質量%含有)。
Figure 0004163631
<調剤例3>(錠剤の調製)
実施例3の3次発酵トウガラシ抽出物を、スプレードライにて乾燥粉末(発酵トウガラシ抽出末)とした。
発酵トウガラシ抽出末、賦形剤(乳糖)、崩壊剤(デンプン)を、下記の表3に示す処方に従って秤量し、これらを乳鉢に入れて混ぜ、混合粉末を篩に数回通すことにより、散剤とした。
次に、乳鉢中の混合粉末を結合剤(ポリビニルピロリドン:PVP)水溶液を表3に示す割合で練合し、50メッシュの篩を通して少量の練合物で試作し、湿り具合を適度に調整した。その後、全量を篩から押し出し、流動層乾燥機で乾燥させた後、20メッシュの篩で整粒し顆粒とした。
タルク及びステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)を表3に示す割合で秤量し、顆粒とよく混合しロータリー打錠機で打錠して錠剤を製造した(発酵トウガラシ抽出末50質量%含有、0.2g/錠剤)。
Figure 0004163631
<調剤例4>(カプセル剤)
実施例4の1次発酵トウガラシを凍結乾燥し、凍結乾燥品をミキサーにて粉砕し、乾燥粉末化した。この乾燥粉末1gをカプセルに充填しカプセル剤を調製した(発酵トウガラシ末100質量%含有)。
<調剤例5>(乳液剤)
実施例5の2次発酵トウガラシ抽出物を1N水酸化ナトリウムでpH7.4に調整し、この調製液100mlと、オリーブオイル100mlとをよく攪拌して乳液とした(発酵トウガラシ抽出物50質量%含有)。
<調剤例6>(軟膏剤)
実施例6の3次発酵トウガラシを凍結乾燥し、この凍結乾燥品100gに対してオリーブオイル100mlを添加し室温で3時間攪拌した。その後、遠心分離し、上清を回収し発酵トウガラシオイルとした。
この発酵トウガラシオイルを下記の処方で混合し軟膏を調製した。まず、ビーカーに20グラムの蜜ろうを入れ湯せんをし、蜜ろうが溶けたら、キャリアオイルとして植物油(ホホバオイル)100mlを入れ、さらに湯せんを続けた。少し冷却した後、発酵トウガラシオイルを60滴(約3ml)加え攪拌し、固まる前に速やかに容器に移し、冷却して固まらせたものを軟膏剤とした(発酵トウガラシ末50質量%含有発酵トウガラシオイルを2.5体積%含有)。
<調剤例7>(スプレー剤)
実施例1の1次発酵トウガラシを凍結乾燥し、この凍結乾燥品100gに対してオリーブオイル100mlを添加し室温で3時間攪拌した。その後、遠心分離し、上清を回収し発酵トウガラシオイルとした。
この発酵トウガラシオイルを下記の処方で混合しスプレー剤を調製した。まず、ビーカーに6mlの無水エタノールを入れ、発酵トウガラシオイルを24滴(約1.2ml)加えて攪拌し、無水エタノールと発酵トウガラシオイルとが均等に混ざった後、54mlの精製水が入った容器に移し、攪拌したものをスプレー容器に入れてスプレー剤とした(発酵トウガラシ末50質量%含有発酵トウガラシオイルを2.0体積%含有)。
<調剤例8>(飲料の製造例)
実施例2の2次発酵トウガラシ抽出物をスプレードライし、乾燥発酵トウガラシ抽出末とした。この乾燥発酵トウガラシ抽出末100gを水900mlに懸濁したものを飲料とした(発酵トウガラシ抽出末10質量%含有)。
<調剤例9>(食品の製造例)
実施例3の3次発酵トウガラシ5gに水100mlを加え、発酵トウガラシを含んだ水溶液を調整した。
この発酵トウガラシ水溶液を4〜5回に分けて小麦粉200gに加えてソボロ状になるように混ぜ、均一にソボロ状になったらひとつにまとめるようによく練った後、まな板・麺棒に打ち粉(片栗粉)を付けて生地を伸ばし、生地を2〜3mm程度の厚さに切断して麺を作成した。
<調剤例10>(調剤例3の比較例)
実施例3の3次発酵トウガラシ抽出物の代わりに、比較例1のトウガラシ抽出物を用いた以外は、調剤例3と同様の条件で錠剤を製造した。
<調剤例11>(調剤例4の比較例)
実施例4の1次発酵トウガラシの代わりに、比較例2のトウガラシを用いた以外は、調剤例4と同様の条件でカプセル剤を製造した。
<調剤例12>(調剤例5の比較例)
実施例5の2次発酵トウガラシ抽出物の代わりに、比較例2のトウガラシ抽出物を用いた以外は、調剤例5と同様の条件で軟膏剤を製造した。
<調剤例13>(調剤例6の比較例)
実施例6の3次発酵トウガラシの代わりに、比較例2のトウガラシを用いた以外は、調剤例6と同様の条件で軟膏剤を製造した。
<調剤例14>(調剤例7の比較例)
実施例1の1次発酵トウガラシの代わりに、比較例1のトウガラシを用いた以外は、調剤例7と同様の条件でスプレー剤を製造した。
<調剤例15>(調剤例8の比較例)
実施例2の2次発酵トウガラシ抽出物の代わりに、比較例1のトウガラシ抽出物を用いた以外は、調剤例8と同様の条件で飲料を製造した。
[試験例1](抗疲労効果)
調剤例3及び調剤例10の錠剤10粒を、水150mlと一緒に、それぞれパネラー30人に1日3回、1ヶ月飲ませた。
1ヵ月後の効果の有無を、○○:カラダが非常に軽くなった、○:カラダが軽くなった、△:変化なし、×:カラダが重くなった、の4段階でパネラーが評価した。その結果を表4にまとめて示す。
Figure 0004163631
表4より、実施例3の3次発酵トウガラシ抽出物を用いた調剤例3においては、比較例1の未発酵のトウガラシ抽出物を用いた調剤例10と比較して、カラダが軽くなったと評価した人数が多く、本発明のトウガラシ発酵組成物からなる錠剤は、健康回復に顕著な効果を示すことがわかる。
[試験例2](体力増加効果)
調剤例4及び調剤例11のカプセル剤を、パネラー30人に水泳前にカプセル剤5個(5g)を服用させた。
服用前と服用後での持久力について、評価基準を○○:持久力が非常に向上した、○:持久力が向上した、△:変化なし、×:持久力が悪化した、の4段階でパネラーが評価した。その結果を表5にまとめて示す。
Figure 0004163631
表5より、実施例4の1次発酵トウガラシを用いた調剤例4においては、比較例2の未発酵のトウガラシを用いた調剤例11と比較して、持久力が向上したと評価した人数が多く、本発明のトウガラシ発酵組成物からなるカプセル剤は、滋養強壮剤としての顕著な効果を示すことがわかる。
[試験例3](抗肥満効果)
調剤例5及び調剤例12の乳液を、それぞれパネラー30人に1日2回腹部に塗布した。
1ヵ月後のウエストサイズを測定し、ウエストサイズが−4センチメートル以上:○○、−1〜−3センチメートル:○、−1〜+1センチメートル:△、+2センチメートル以上:×、の4段階で痩身効果の有無を評価した。その結果を表6にまとめて示す。



Figure 0004163631
表6より、実施例5の2次発酵トウガラシ抽出物を用いた調剤例5においては、比較例2の未発酵のトウガラシ抽出物を用いた調剤例12と比較して、ウエストサイズが減少した人数が多く、本発明の発酵トウガラシ抽出物からなる乳液は、痩身剤としての効果がより増強されていることがわかる。
[試験例4](美肌効果)
調剤例6及び調剤例13の軟膏を、20〜50才の女性25名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、8週間にわたって洗顔後に被験軟膏の適量を顔面に塗布した。
塗布による皮膚の抗老化効果を○○:肌にはり、つやが付与された、シワ・たるみが改善された、○:肌にはり、つやがやや付与された、シワ・たるみがやや改善された、△:使用前と変化なし、×:使用前より悪化した、の4段階で評価した。その結果を表7にまとめて示す。
Figure 0004163631
表7より、実施例6の3次発酵トウガラシを用いた調剤例6においては、比較例2のトウガラシを用いた調剤例13と比較して、肌にはり、つやが付与され、シワ・たるみが改善された人数が多く、本発明のトウガラシ発酵組成物からなる軟膏は、これらを皮膚に適用することにより美しい肌とし、優れた皮膚の抗老化効果を有することがわかる。
[試験例5](美白効果)
調剤例7及び調剤例14のスプレー剤を30〜55才の女性25名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に適量を顔面に噴霧した。
塗布による美白効果を○○:肌の色黒、シミ、ソバカス、くすみが目立たなくなった、○:肌の色黒、シミ、ソバカス、くすみがあまり目立たなくなった、△:使用前と変化なし、×:使用前より悪化、の4段階で評価した。その結果を表8にまとめて示す。






Figure 0004163631
表8より、実施例1の1次発酵トウガラシを用いた調剤例7においては、比較例1のトウガラシを用いた調剤例14と比較して、肌の色黒、シミ、ソバカス、くすみが目立たなくなった人数が多く、本発明のトウガラシ発酵組成物からなるスプレー剤は、これらを皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」等の発生の防止、改善することができ、美しい肌とし、美白剤として顕著な効果を示すことがわかる。
[試験例6](風味改善効果)
調剤例8及び調剤例15の飲料を、パネラー50人に飲み比べてもらい、風味について評価基準を○○:良好、○:やや良好、△:やや不良、×:不良、の4段階でパネラーが評価した。その結果を表9にまとめて示す。
Figure 0004163631
表9より、実施例2の2次発酵トウガラシ抽出物を用いた調剤例8においては、比較例1のトウガラシ抽出物を用いた調剤例15と比較して、風味が良好と答えた人数が多く、本発明のトウガラシ発酵組成物からなる飲料は、原料トウガラシを発酵することによって風味が改善されていることがわかる。
[試験例7](抗酸化効果)
調剤例4および調剤例11のカプセル剤を、パネラー30人にカプセル5個(5g)を1日3回1週間服用させた。服用前と1週間服用後の体内の活性酸素濃度を、活性酸素が体内に生産される時に生成される代謝物質マロンジアルデヒドの尿中量を測定することにより評価した。測定には市販されているキット『活性酸素はかるくん』(ゴールドライフ社)を用いた。評価基準を○○:大きく改善された、○:改善された、△:変化なし、×:悪化した、の4段階に分けて評価した。その結果を表にまとめて示す。
Figure 0004163631
表10より、実施例4の1次発酵トウガラシを用いた調剤例4においては、比較例2の未発酵のトウガラシを用いた調剤例11と比較して、活性酸素の生成が抑制されていた人数が多く、本発明のトウガラシ発酵組成物からなるカプセル剤は、抗酸化剤として効果を示していることがわかる。
以下の実施例においては、辛味品種と無辛味品種の発酵又は加熱処理物を比較する。
(参考例1)
カプシノイドを0.02質量%(乾燥質量換算で0.2質量%)含有する生のトウガラシCH−19甘の果実(森永製菓株式会社)2kgに、4kgの精製水を加え、マスコロイダーで破砕し、6kgの破砕物を得た。
この植物破砕物の200gと精製水200gとの混合物をホットプレートを用いて、100℃にて60分間加熱処理した。加熱処理開始から20分おきに破砕物の一部(50g)を回収した。加熱処理終了後、各時間に回収したサンプルを濾過し、凍結乾燥して、原料トウガラシの加熱処理物の乾燥粉末を得た。これらの各時間に回収された乾燥粉末1.2gを1mLの精製水に溶解し、カプシノイドの分解物の含有量を、バニリルアルコールを指標として、以下の条件でHPLC測定した。測定結果を以下の表11に示す。60分間加熱処理物の乾燥粉末については、カプシノイドの含有量を、以下の条件でHPLC測定した。また、60分間加熱後の残りの加熱処理物は、110℃にて2分間殺菌後、凍結乾燥し、4.2gの乾燥粉末を得た。
(バニリルアルコール測定条件)
機 種:JLC−500/V(日本電子株式会社)
カラム:Unison UK−18,4.6mm×150mm(インタクト株式会社)
移動相:5%〜10%アセトニトリル−0.5%酢酸溶液で40分間のグラジエントで行なう
流速:0.7mL/分
カラム温度:40℃(0→16.3分)
測定波長:励起280nm、検出320nm
標準試薬:バニリルアルコール(和光純薬株式会社)
(カプシノイド測定条件)
<試料の調製>
乾燥粉末0.5gを1mLの精製水に溶解し、この溶液から酢酸エチル1mL×3で抽出し、試料とする
<HPLC条件>
カラム:J’sphere ODS−H80(YMC製、4.6mm×150mm)
移動相:80%メタノール水溶液
流速:1mL/分
カラム温度:40℃
測定波長:励起280nm、検出320nm
(参考例2)
加熱温度を100℃から40℃に変更したこと以外は、参考例1と同様にして、原料トウガラシの加熱処理物の乾燥粉末を得た。この乾燥粉末のバニリルアルコール含有量を、参考例1と同様に測定した。結果を表11に併せて示す。
(参考例3)
トウガラシCH−19甘の代わりに、カプサイシンを含有する通常市販されているトウガラシを用いた以外は、参考例1と同様にして、カプサイシンを含有する原料トウガラシの加熱処理物の乾燥粉末を得た。この乾燥粉末のバニリルアルコール含有量を、参考例1と同様に測定した。結果を表11に併せて示す。
Figure 0004163631
表11からわかるように、原料トウガラシを加熱処理することによって、バニリルアルコールの含有量が時間とともに増加した(参考例1および2)。このことは、加熱処理によって、原料トウガラシ中のカプシノイドが分解されたことを示す。さらに、参考例1においては、60分加熱処理後の乾燥粉末中のバニリルアルコールの含有量は0.125質量%であり、これは、原料トウガラシ中に乾燥質量換算で0.2質量%含まれていたカプシノイドの90%以上がカプシノイドの分解物に変換されたことを示し、処理前に対し、10倍に増加していた。参考例1の60分間加熱した加熱処理物の乾燥粉末について、カプシノイドを測定した結果、全く検出できなかったことから、カプシノイドが分解されたことがわかる。なお、カプサイシンを含有する植物を加熱処理しても、バニリルアルコール含有量は増加しなかった(参考例3)。
(実施例7)
参考例1と同様にして、トウガラシCH−19甘の原料トウガラシ破砕物を得た。まず、200gの原料トウガラシ破砕物と200gの精製水との混合物を、ジャケットつきタンクへ充填した。乳酸菌(協和ハイフーズ株式会社)を、乾燥質量で最終濃度が0.1質量%となるように添加し、30℃にて64時間嫌気発酵を行った。発酵開始から0時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間、および64時間に発酵物の一部(50g)を回収した。発酵終了後、各回収サンプルのうちの10gを用いて、Brix値、およびpHを測定し、残りの40gは、凍結乾燥して、カプシノイドを含有する原料トウガラシの発酵処理物の乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末中のバニリルアルコール量を、参考例1と同様に測定した。測定結果を表12〜14に示す。また、64時間発酵後の残りの発酵処理物は、110℃にて2分間殺菌後、凍結乾燥し、1.5gの乾燥粉末を得た。この乾燥粉末のBrix値、pH、およびバニリルアルコール含有量を測定した。結果を表12〜14に示す。
参考例4
トウガラシCH−19甘の代わりに、カプサイシンを含有する通常市販されているトウガラシを用いたこと以外は、実施例と同様にして、カプサイシンを含有する原料トウガラシの発酵処理物の乾燥粉末を得た。この乾燥粉末のBrix値、pH、およびバニリルアルコール含有量を測定した。結果を表12〜14に併せて示す。
Figure 0004163631
Figure 0004163631
Figure 0004163631
表14からわかるように、カプシノイドを含有する原料トウガラシは発酵処理によってもバニリルアルコールの含有量が増加し、カプシノイドの分解が進んでおり、バニリルアルコールは64時間で発酵前の10倍に増加していた(実施例7)。分解されたバニリルアルコールの含有量から、カプシノイドはモル換算で64時間の発酵で90%以上分解されており、発酵によってpHも低下していることから(表13)、雑菌の繁殖を防ぎつつ、カプシノイドを分解できることがわかる。
[試験例8](抗肥満効果)
(参考例
参考例1で得られたカプシノイドを含有する原料トウガラシの加熱処理物10gを濾過し、濾液1mLを得た。この濾液1mLを、10%炭酸ナトリウムでpHを8.5に調整し、精製水で3倍希釈した牛乳溶液4mLに添加し、さらにリパーゼ(和光純薬工業株式会社製)の4質量%溶液を2mL添加し、35℃にて20分間インキュベートした。リパーゼ活性がある場合は、pHが低下することから、反応前および反応開始後20分のpHを測定した。なお、濾液の代わりに1mLの水を用いて測定したものを対照とした。反応によるpHの変化量(△で表す)から、以下の式により、対照のリパーゼ活性を100とした場合のリパーゼ阻害活性を求めた。結果を表15に示す。表中の値は3重測定の平均値である。
リパーゼ阻害活性(%)=((対照の△)−(試験の△))×100/対照の△
(実施例
参考例1で得られた加熱処理物の乾燥粉末の代わりに、実施例7で得られたカプシノイドを含有する原料トウガラシの発酵処理物の乾燥粉末を用いたこと以外は、参考例と同様にしてpHを測定した。結果を以下の表15に併せて示す。
(参考例6、参考例7、比較例3)
参考例1で得られた加熱処理物の乾燥粉末の代わりに、それぞれ参考例3で得られたカプサイシンを含有する原料トウガラシの加熱処理物の乾燥粉末(参考例)、参考例4で得られたカプサイシンを含有する原料トウガラシの発酵処理物の乾燥粉末(参考例7)、および処理を施していないカプシノイドを含有する原料トウガラシの破砕物(比較例3)を用いたこと以外は、参考例と同様にしてpHを測定した。結果を以下の表15に併せて示す。
Figure 0004163631
表15の結果から、カプシノイドを含有する原料トウガラシの加熱処理物(参考例)および発酵処理物(実施例)は、カプシノイドを含まない処理物(参考例および参考例7)およびカプシノイドを含有する原料トウガラシの破砕物(比較例3)に比べ、高いリパーゼ活性阻害効果を有することがわかる。このことから、カプシノイドを含有する原料トウガラシの処理物は、脂質の吸収を抑制する効果、すなわち抗肥満効果が期待できる。
[試験例9](嗜好性評価)
(参考例、実施例参考例10、比較例4)
参考例1で得られたカプシノイドを含有する原料トウガラシの加熱処理物の乾燥粉末(参考例)、実施例7で得られたカプシノイドを含有する原料トウガラシの発酵処理物の乾燥粉末(実施例)、参考例3で得られたカプサイシンを含有する原料トウガラシの加熱処理物の乾燥粉末(参考例)、参考例4で得られたカプサイシンを含有する原料トウガラシの発酵処理物の乾燥粉末(参考例10)、および処理を施していないカプシノイドを含有する原料トウガラシの破砕物の乾燥物(比較例4)の各50gを、気流式殺菌装置を用いて110℃、2分間殺菌した。これらの粉末1.0gずつを男女各20人ずつに試食させ、その時の嗜好性(香りおよび風味)について評価試験を行った。各評価において、5種の粉末についての順位付けをしてもらい、最も好ましいものから順に4、3、2、1、0点として数値化し、平均値を算出した。結果を表16に示す。
Figure 0004163631
表16の結果から、本発明の加熱処理物(参考例)および発酵処理物(実施例)は、香りおよび風味ともに他の処理物や破砕物に比べて優れていることがわかる。また、発酵処理物(実施例)の方が、加熱処理物(参考例)よりも香りおよび風味が優れていた。
(実施例10
参考例1と同様にして、トウガラシCH−19甘の原料トウガラシ破砕物を得た。まず、200gの原料トウガラシ破砕物と200gの精製水との混合物を、気流式殺菌装置(株式会社奈良製作所)に入れ、110℃にて1分間加熱した。室温になるまで放置した後、この混合物をジャケットつきタンクへ充填した。グルコースを最終濃度が5質量%となるように添加した。次いで、湿質量で4gのパン酵母(オリエンタル酵母工業株式会社)を添加して、30℃にて48時間発酵を行い、発酵処理物を得た。発酵処理物のBrix値は0.7であり、発酵前の2.3よりも低下していた。発酵処理物は、エタノールを0.1容量/容量%含有していた。また、カプシノイドの分解物であるバニリルアルコール含有量を測定したところ、トウガラシの乾燥質量当たり0.13質量%であり、効率よく分解されていた。さらに、発酵処理物は、風味および香りとも優れていた。
(実施例11
アセトバクター・アセチ(IFO 3284)を、ポテト0.2g、破砕酵母0.03g、肝臓エキス0.03g、肉エキス0.005g、チオグリコール酸培地0.01g、グルコース0.05g、グリセロール0.15g、および炭酸カルシウム0.15gを含有する酢酸菌培養液(pH7.0)1mlに接種し、30℃にて24時間振盪培養した。遠心分離後、上清を除去し、予備培養した菌体を回収した。次いで、参考例1と同様にして、トウガラシCH−19甘の原料トウガラシ破砕物を得て、この原料トウガラシ破砕物200gと10質量%のエタノール水溶液200gとの混合物を調製し、ジャケットつきタンクへ充填した。この混合物に上記予備培養した全菌体を添加し、30℃にて7日間酢酸発酵を行った。この発酵液を濾過して酢を得た。得られた酢の酸度は、4.1%であり、そして酢に含有されるバニリルアルコールの量は、トウガラシの乾燥質量当たり0.12質量%であった。また、この酢は、風味と特有の香りを有していた。
(実施例12
参考例1と同様にして、トウガラシCH−19甘の原料トウガラシ破砕物を得た。まず、400gの原料トウガラシ破砕物と400gの精製水との混合物を、気流式殺菌装置に入れ、110℃にて5分間加熱した。この混合物をジャケットつきタンクへ充填した。この混合物に、グルタミン酸を最終濃度0.1質量%となるように添加し、さらに乳酸菌(協和ハイフーズ株式会社)を最終濃度が0.1質量%となるように添加し、30℃にて24時間嫌気発酵を行った。発酵前のpHは5.9であったが、得られた発酵物のpHは3.2となり、乳酸発酵が進行したことがわかった。また、発酵物に含有されるカプシノイドの分解物であるバニリルアルコールは、トウガラシの乾燥質量当たり0.12質量%であり、カプシノイドが効率よく分解されたことがわかった。この発酵物200gを減圧濃縮乾固して10gの乾燥粉末を得た。さらに、上記発酵物から200gを分取して濾過し、発酵処理エキスを得た。次いで、この発酵処理エキスを80gまで減圧濃縮し、デキストリンを10g添加し、噴霧乾燥して、13gの発酵処理エキス末を得た。
[試験例10](抗肥満効果)
(参考例11および実施例13
8週齢の雄のSDラット(日本チャールズリバー株式会社)に、基本飼料(MF飼料:オリエンタル酵母工業株式会社製)および水を与えて、1週間馴化した後、各群の体重の平均値がほぼ均一となるように、一群5匹ずつ割り当てた。次いで、上記参考例1で得られたカプシノイドを含有する原料トウガラシの加熱処理物の乾燥粉末(参考例11)または実施例7で得られたカプシノイドを含有する原料トウガラシの発酵処理物の乾燥粉末(実施例13)を精製水に2mg/mLとなるように懸濁し、この懸濁液を、一日当たり20mg/kgとなるようにゾンデで21日間強制経口投与した。また、対照群として、水を強制経口投与する群を設けた。飲水については、各群とも、25質量%フルクトース含有の精製水を自由摂取させた。摂餌量は、摂取前の質量と各測定時の質量を測定し、摂取前の質量との差より求めた。また、摂取前の体重および給餌開始日から21日目の体重を測定し、下記式によって各飼料についての体重増加率(%)を算出した。
体重増加率(%)=(摂取後の体重−摂取前の体重)×100/摂取前の体重
また、下記式により算出されるダイエット効果(%)とは、対照群の体重増加率と、試験群の体重増加率との差を、対照群の体重増加率と比較して表した値である。結果を表6に示す。
ダイエット効果(%)=(対照群の増加率−試験群の増加率)×100/対照群の増加率
Figure 0004163631
表17より、各群とも摂取量は大きく変わらないにもかかわらず、カプシノイドの分解物を含む加熱処理物および発酵処理物を摂取した群は、対照群に比べ、体重増加が約25〜31%抑制されていることがわかる。いずれの処理物とも、原料トウガラシに含有されていたカプシノイドが分解されていることから、その分解物(バニリルアルコールなど)がダイエット効果、すなわち抗肥満効果に関与しているものと考えられた。
[試験例11](美肌効果、美白効果)
(参考例12
参考例1において60分間加熱後にホットプレートに残った200gの原料トウガラシの加熱処理物を110℃にて2分間殺菌後、濾過し、この濾液を凍結乾燥して4.2gの乾燥粉末を得た。この乾燥粉末を精製水に溶解させ、加熱処理物の乾燥粉末を10質量/容量%含有する水溶液10mLを得た。次いでこれを希釈して、乾燥粉末の最終濃度が10〜0.06質量/容量%の3倍希釈系列になるように調整し、これをサンプル溶液とした。
各サンプル溶液1mL、1100ユニット(U)/mLのチロシナーゼ溶液(シグマアルドリッチジャパン)0.1mL、および67mMリン酸緩衝液(pH6.8)0.9mLを混合し、37℃にて10分間インキュベートした。これに0.03%DOPA(和光純薬株式会社)を含有する基質溶液1mLを添加して、37℃にて5分間インキュベートした。その後、直ちに475nmの波長における吸光度を測定し、これを吸光度Iとした。これとは別に上記工程において、チロシナーゼ溶液の代わりに精製水を添加したこと以外は同様の操作を行い、これをブランクとした。このブランクの475nmにおける吸光度を吸光度iとした。
さらに、対照として、上記工程においてサンプル溶液の代わりに、精製水を用いたこと以外は同様の操作を行い、対照の吸光度IIおよびそのブランクの吸光度iiを得た。
各吸光度I、II、i、およびiiを用いて、以下の式から、チロシナーゼ阻害率を算出した。さらに、チロシナーゼ阻害率の値が50%であるサンプル溶液の濃度から、チロシナーゼ1ユニットあたりの50%阻害効果が得られる乾燥粉末量をそれぞれ算出した。結果を表18に示す。なお、得られた乾燥粉末量は、同様の操作を3回行なって得られた量の平均値である。表18において、乾燥粉末量が少ない程、チロシナーゼ阻害効果が高いことを示す。
チロシナーゼ阻害率(%)=[1−{(I−i)/(II− ii)}]×100
(実施例14
実施例7において、64時間発酵後にタンクに残った原料トウガラシの発酵処理物を回収し、110℃にて2分間殺菌後、濾過して発酵処理原料トウガラシ抽出物を得た。この抽出物を凍結乾燥して1.5gの乾燥粉末を得た。それ以後の操作は、参考例12と同様にして、チロシナーゼ1ユニットあたりの50%阻害効果が得られる乾燥粉末量をそれぞれ算出した。結果を表18に併せて示す。
(参考例13、14、比較例5)
参考例3の加熱処理物(60分間加熱処理)、参考例4のカプサイシン含有原料トウガラシの発酵処理物(64時間発酵処理)、および参考例1の原料トウガラシ破砕物(加熱処理を行っていない)を、それぞれ110℃にて2分間殺菌後、濾過し、濾液を凍結乾燥して1.5gの乾燥粉末を得た。これらの乾燥粉末を用いたこと以外は、参考例12と同様にして、チロシナーゼ1ユニットあたりの50%阻害効果が得られる乾燥粉末量をそれぞれ算出した(各々参考例13、14、比較例5)。結果を表18に併せて示す。
Figure 0004163631
表18の結果から、参考例12、実施例14は、参考例13参考例14、比較例5に比べて高いチロシナーゼ活性阻害効果を有することがわかる。このことは、カプシノイドを含有する原料トウガラシを加熱処理または発酵処理することによって得られる抽出物が、高いチロシナーゼ活性阻害効果を有することを示す。特に、実施例14は、参考例12に比べて、1/3以下の量で同等のチロシナーゼ阻害効果が得られた。このことは、すなわち発酵処理原料トウガラシ抽出物が加熱処理原料トウガラシ抽出物に比べて3倍以上優れたチロシナーゼ阻害効果を有することを示す。上記のことから、カプシノイドを含有する原料トウガラシの処理することによって得られる抽出物は、シミ・そばかすの改善といった美白剤として使用できることがわかる。
本発明の発酵組成物は、食品、医薬品等の原料として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を含有する発酵組成物。
  2. 無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を有効成分として含有してなる抗疲労剤
  3. 無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を有効成分として含有してなる体力増強剤
  4. 無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を有効成分として含有してなる抗肥満剤
  5. 無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を有効成分として含有してなる美肌剤
  6. 無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を有効成分として含有してなる美白剤
  7. 無辛味品種トウガラシを発酵させて得られる発酵処理物又はその抽出物を有効成分として含有してなる風味改善剤
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