JP4163140B2 - 建設機械の操作パターン切り換え装置 - Google Patents
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Description
また運転室内には、走行体の走行系を操作する操作レバーと、旋回体の旋回や作業機を操作する操作レバー等が設けられている。
これら操作レバー群のうち、走行体の走行系を操作する操作レバーは運転席の前方に設置され、旋回体の旋回や作業機を操作する操作レバーは使用頻度が高いため、運転席の両側に通常設置されており、これら操作レバー群の配置は、建設機械を製造している各メーカともほぼ統一されている。
また不慣れな操作パターンで作業を行った場合、オペレータが早期に疲労したり、作業能率が著しく低下する等の問題がある。
かかる問題を解決するため、建設機械のメーカが変わっても操作パターンを切り換えることにより、オペレータの慣れた操作パターンで建設機械の操縦が行えるようにした建設機械の操作パターン切り換え装置が提案されている(例えば特許文献1)。
そして操作パターンを切り換えるべくパターンを切り換えセレクタを操作すると、電動モータにより回動される操作パターン切り換え弁のロータと一体のレバーを、電磁力により出没するソレノイドにより機械的に係止して、ロータリスプールの位置決めとロックを同時に行うことにより、操作パターンの切り換えが運転室内より行えるようになっている。
また運転室内に設置した操作パターン切り換えセレクタと操作パターン切り換え弁間を電気ケーブルで接続する必要があることから、配線のためのスペースを必要とする上、配線に手間がかかると共に、電気ケーブルが短絡したり断線した場合、漏れた油に引火して火災の原因となる等の問題もある。
またロックピンによりスプールをロックしたり解除する簡単な構成のため、安価に提供できる。
またロックピンによりスプールをロックしたり解除する簡単な構成のため、容易かつ安価に実施できると共に、パイロット弁へパイロット圧を供給するパイロットポンプの吐出圧によりロックピンを動作させて、スプールのロック及び解除を行うようにしたことにより、既存のパイロット回路を利用してロック手段を動作させることができるため、新たに油圧回路を設ける必要がないことから経済的な上、短絡や断線等による火災の心配もない。
図1は油圧ショベルよりなる建設機械の側面図、図2は建設機械の油圧回路図、図3はパターン切り換え装置の断面図、図4及び図5はパターン切り換え装置の変形例を示す説明図である。
走行体1は、センタフレーム3aと、その両側に互に平行するよう設けられた一対のサイドフレーム3bよりなるトラックフレーム3を有していて、各サイドフレーム3bの一端側にはアイドラ4が前後移動自在に支承されており、他端側には油圧モータよりなる走行モータ5により回転駆動されるスプロケット6が設けられている。
アイドラ4とスプロケット6の間には無端状の履帯7が捲装されていて、この履帯7をスプロケット6で駆動することにより、走行体1が自走できるようになっていると共に、サイドフレーム3bの上下部には、複数の転輪8が回転自在に支承されている。
作業機11は図1に示すように、基端が車体フレーム10に枢着され、かつブームシリンダ13により起伏自在なブーム12と、ブーム12の先端に基端側が枢着され、かつアームシリンダ14により回動自在なアーム15と、アーム15の先端に枢着され、かつバケットシリンダ16により回動自在なバケット17とより構成されている。
車体フレーム10の前部には、作業機11の左側に運転室18が設置され、車体フレーム10の後部には、ボンネットカバー19aにより覆われたエンジン室19が設置されていて、このエンジン室19内に動力用のエンジン(図示せず)が収容されており、車体フレーム10の後端にはカウンタウエイト20が取り付けられている。
作業機アクチュエータ24は、作業機11に設けられたブームシリンダ13や、アームシリンダ14、バケットシリンダ16等より構成されていて、各作業機アクチュエータ24毎にパイロット制御弁23が設けられており、油圧ポンプ22とパイロット制御弁23の間を接続する管路25には、作業機アクチュエータ24に過負荷が加わった場合に圧油をリリーフするリリーフ弁26が接続されている。
ゲートロック弁28は、運転室18の出入口18aに上下方向に回動自在に設けられたロックレバー28cに連動されていて、ロックレバー28cを上方へ回動するとロックポジション28aに切り換えられ、これによってパイロットポンプ27より吐出されたパイロット圧は、ヒート回路29の絞り31及びチェック弁32を介してパイロット制御弁群23のパイロット回路33へと流入される。
このときパイロット圧が絞り31に絞られた際にパイロット圧の温度が上昇し、その後チェック弁32を介してパイロット回路33へ供給されるため、パイロット回路33の予熱が行えると共に、パイロット圧によりパイロット制御弁群23が中立位置にロックされるため、建設機械の運転が不能になる。
パイロット弁30とパイロット制御弁群23の間を接続するパイロット回路33の途中には操作パターン切り換え弁34が介在されている。
操作パターン切り換え弁34は、建設機械のメーカが変わっても、スプールにより入口ポートと出口ポートの連通関係を切り換えることにより、オペレータの慣れた操作パターンで作業機11等が操作できるように操作パターンを切り換えるもので、図3に示すように弁本体34a内にスプール34bが回動自在に収容されている。
弁本体34aの上面と下面は端板34cにより液密に閉鎖されており、上側の端板34cの中心部には操作ハンドル35の回転軸35aが回転自在に貫通されている。
操作パターン切り換え弁34のスプール34bには、入口ポート34eと出口ポート34fの連通関係を切り換えることにより操作パターンを切り換えるための複数の通孔34dが形成されていて、操作ハンドル35により所望の操作パターンとなるようにスプール34bを回動すると、弁本体34aに形成された入口ポート34eと出口ポート34fが通孔34dにより連通されて、パイロット弁30よりパイロット制御弁23へ供給されるパイロット圧が切り換えられるようになっている。
デテント手段36は、スプール34bの端面に形成された凹部36aに嵌入するボール36bと、端板34cに形成されたばね孔36c内に収容され、かつボール36bをスプール34b側へ付勢する圧縮ばね36dとから形成されていて、操作ハンドル35によりスプール34bを回動すると、圧縮ばね36dのばね圧に抗してボール36bがばね孔36c内に没入し、スプール34cの回動を許容するようになっている。
ピストン37bからはスプール34c方向へロックピン37cが突設されていて、このロックピン37cをスプール34cの外周面に形成されたロック孔37dへ嵌挿することにより、スプール34cを操作パターン切り換え位置にロックできるようになっていると共に、ピストン37bによりシリンダ37a内がばね室37eと圧力室37fに区割りされている。
ばね室37e内には、ロック解除方向へピストン37bを付勢する戻しばね37gが収容されており、圧力室37fは、パイロットポンプ27とゲートロック弁28の間を接続する管路38より分岐された管路39が接続されていて、パイロットポンプ27より吐出されたパイロット圧が供給されており、パイロット圧の一部は絞り40を介してタンク41へドレンされるようになっている。
なお、図2中42は、パイロット圧を一定に保持するリリーフ弁である。
建設機械により作業するに当たって、建設機械のメーカ毎に旋回体2の旋回や作業機11を動作させるための操作パターンが変わることから、オペレータが慣れた操作パターンで作業が行えるように操作パターンの切り換えを行う。
操作パターンの切り換えはエンジンを停止させた状態で行うが、エンジンの停止状態では、油圧ポンプ22及びパイロットポンプ27も停止状態にあるため、操作パターン切り換え弁34に設けられたロック手段37へパイロット圧が供給されていず、これによってロック手段37のピストン37bは戻しばね37gによりロック解除位置に戻されている。
この状態で操作ハンドル35により操作パターン切り換え弁34のスプール34bを回動して操作パターンの切り換えを行うもので、操作パターン切り換え弁34の上側の端板34cや、その近傍に予め操作パターンの種類を表示しておくことにより、所望とする操作パターンの切り換えが容易かつ正確に行えると共に、操作パターン切り換え位置では、デテント手段36により操作ハンドル35にクリック感が得られるため、スプール34bの位置合わせも正確に行える。
これによってピストン37bより突設されたロックピン37cがスプール34bの外周面に穿設されたロック孔37dに図3に示すように嵌入してスプール34bの回動をロックするため、作業中スプール34bが回動して操作パターンが切り換わるのを未然に防止することができる。
またエンジンを停止するとロック手段37へ供給されているパイロット圧も消滅するため、戻しばね37gによりピストン37bがロック解除位置へ戻され、これによってスプール34bのロック孔37dよりロックピン37cが抜け出すため、エンジンの停止中は操作パターンの切り換えが自由に行えるようになる。
この場合ロック手段37のシリンダ37aは、スプール34bの回動中心に対し偏心した位置に設けると共に、ロックピン37cが嵌挿されるロック孔37dをスプール34bの端面に穿設すればよい。
操作パターンの変更後キースイッチ43によりエンジンを起動すると、電磁ソレノイド37hに通電されてロックピン37cがスプール34bのロック孔37dへ嵌挿され、スプール34bが操作パターン切り換え位置にロックされるため、作業中操作パターンが切り換わるのを未然に防止することができる。
この変形例の場合も、電磁ソレノイド37hよりなるロック手段37を操作パターン切り換え弁34の下側の端板37dに設けてもよい。
2 旋回体
11 作業機
23 パイロット制御弁
30 パイロット弁
34 パターン切り換え弁
34b スプール
34e 入口ポート
34f 出口ポート
37 ロック手段
37c ロックピン
Claims (5)
- 作業機等の動作を制御するパイロット制御弁と、前記パイロット制御弁をパイロット制御するパイロット弁と、前記パイロット制御弁と前記パイロット弁の間に設けられ、かつスプールにより入口ポートと出口ポートの連通関係を切り換えることにより、前記パイロット弁の操作パターンを切り換える操作パターン切り換え弁とを備えた建設機械のパターン切り換え装置であって、前記操作パターン切り換え弁に、エンジンの起動時ロックピンにより前記スプールをロックし、エンジンの停止時前記スプールのロックを解除するロック手段を設けたことを特徴とする建設機械のパターン切り換え装置。
- 前記エンジンの起動時前記パイロット弁へパイロット圧を供給するパイロットポンプの吐出圧により前記ロックピンを動作させて、前記スプールのロック及び解除を行うことを特徴とする請求項1に記載の建設機械のパターン切り換え装置。
- 前記エンジンを起動するキースイッチによりオン、オフされる電磁ソレノイドにより前記ロックピンを動作させて、前記スプールのロック及び解除を行うことを特徴とする請求項1に記載の建設機械のパターン切り換え装置。
- 前記ロック手段を、前記スプールの外周側または端面側に設けてなる請求項1ないし3の何れかに記載の建設機械のパターン切り換え装置。
- 自走自在な走行体と、前記走行体上に旋回自在に設けられた旋回体と、前記旋回体に設けられた作業機と、前記旋回体の旋回や前記作業機の動作を制御するパイロット制御弁と、前記パイロット制御弁をパイロット制御するパイロット弁と、前記パイロット制御弁と前記パイロット弁の間に設けられ、かつスプールにより入口ポートと出口ポートの連通関係を切り換えることにより、前記パイロット弁の操作パターンを切り換える操作パターン切り換え弁とを備えた建設機械のパターン切り換え装置であって、前記操作パターン切り換え弁に設けられ、かつ前記エンジンの起動時発生するパイロット圧により前記スプール側へ突出するロックピンにより前記スプールをロックし、前記エンジンの停止時前記ロックピンを後退させて前記スプールのロックを解除するロック手段を設けたことを特徴とする建設機械のパターン切り換え装置。
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