JP4157067B2 - 移植機 - Google Patents
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Description
移植装置は、昇降自在に支持されていて内部に苗を保持した状態で畝に突入し且つ前後に開くことにより畝に植え穴を形成すると共に該植え穴に苗を放出する植付体と、苗植付位置の左右両側を転動して植え穴に放出された苗の株際に土を押し付けて覆土すると共に土壌を鎮圧する鎮圧輪とを備えている(特許文献1参照)。
前記鎮圧輪は、移植装置を支持するフレームに回転自在に支持されていて、走行体を走行させることにより土壌との抵抗により回転する。
本発明は、苗の側方を鎮圧する鎮圧輪による土壌水分保持効果を向上させることができる移植機を提供することを目的とする。
前記走行体の対地速度よりも速い周速度で鎮圧輪を回転駆動するように構成し、前記鎮圧輪を左右方向位置調整自在とし、走行体の動力を前記鎮圧輪へと伝達する動力伝達装置を、走行体のエンジンから動力が伝達される出力軸と、鎮圧輪側に備えられていて該鎮圧輪へと動力の伝達が可能な回転軸と、出力軸から回転軸へと動力を伝達する伝動軸とを備えて構成すると共に、前記伝動軸が、一端がユニバーサルジョイントを介して出力軸に連結されると共に他端がユニバーサルジョイントを介して回転軸に連結され且つ長さ方向に伸縮自在とされていることにより、動力伝達状態を維持しながら鎮圧輪の左右方向の位置変更を可能としたことを特徴とする。
図1及び図2において、1は玉葱等の野菜の苗Nを圃場に植え付ける移植機であり、本実施の形態では、前部に走行体1Aを備え、後部に移植装置1B及びハンドル4を備えた歩行型の移植機1を例示している。
走行体1Aは、エンジン(動力源)E、ミッションケースM、左右一対の前輪(車輪)3及び左右一対の後輪(車輪)2を備えており、エンジンE、ミッションケースM及び架台K等から機体60が構成され、架台KはミッションケースMの前後方向中途部下部から前方突出状に設けられ、この架台K上にエンジンEが搭載され、エンジンEの後部にミッションケースMの前端側が連結されている。
このミッションケースMから左右両側に出力されるエンジンEからの動力は、後輪支軸62内の伝動軸及び走行伝動ケース20内の動力伝達機構を経て後輪2に伝達されて該後輪2が回転駆動され、走行体1Aが走行する(したがって、後輪2が駆動輪とされている)。
したがって、前輪支軸18が軸心廻りに回動すると、左右の前輪支持アーム19が前輪支軸18の軸心廻りに上下に揺動して左右の前輪3が機体60に対して昇降すると共に、左右の連動ロッド65が押し引きされて左右の走行伝動ケース20が後輪支軸62の軸心廻りに上下に揺動して左右の後輪2が機体60に対して昇降し、左右一対の前後輪3,2が、機体60に対して4輪同時に昇降自在とされている。
この移植装置1Bは走行体1Aの機体60に固定されたフレームFを有し、この移植装置1BのフレームFは、図5及び図6に示すように、株間伝動ケース44と、植付伝動ケース46と、第1フレーム40と、第2フレーム41とで主構成されている。
この株間伝動ケース44の上部後面側には筒体52が後方突出状に取付固定され、この筒体52の後端側に植付伝動ケース46が連結されている。
第1フレーム40は、前部から中途部にかけて前後方向直線状に形成され、後部が後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状に形成されている。
第2フレーム41は、第1フレームの下方側に配置され、前部から中途部にかけて前後方向直線状に形成され、後部が後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状に形成されており、この第2フレーム41の後上部が、第1フレーム40の前後方向中途部に連結されている。
第2フレーム41の前部の左右両側には、取付板43が固定され、この取付板43には、該取付板43の上方に位置する支持部材24が固定され、この支持部材24は、前記筒体45の前端側に下方突出状に取り付けられた連結板25の下部に連結されている。
動力取出軸47に伝達された動力は、株間伝動ケース44内の動力伝達機構、及び、筒体52内に配置されていて植付伝動ケース46内に挿入状とされた入力軸58等を介して、植付伝動ケース46内の動力伝達機構に入力され、この植付伝動ケース46内の動力伝達機構から苗供給装置152及び植付装置151に動力伝達される。
また、本実施の形態にあっては、2条植えの移植機1が例示されており、したがって、植付カップ155は左右一対備えられている。
苗供給装置152は、移植機1の後部上側に配置されていて第1フレーム40等に取り付けられた苗載台5と、この苗載台5に搭載された苗箱(苗トレイ)Tから苗Nを取り出す苗取出し装置7と、この苗取出し装置7で取り出された苗Nを植付カップ155上方に搬送する苗搬送装置6と、この苗搬送装置6で植付カップ155上方に送られた横向きの苗Nを縦向きに姿勢変更して植付カップ155に供給する苗姿勢変更装置39とを有し、各装置は植付伝動ケース46から出力される動力によって駆動される。
また、苗箱Tは、ポット苗室Pの開口が前方を向くように(苗Nの茎葉部Nbが前方を向くように)苗載台5に上方からセットされる。
苗取出し装置7は、苗搬送装置6の上方に配置され、ポット苗室Pから苗Nを押し出す押出杆8と、この押出杆8で押し出された苗Nを受持すると共に苗搬送装置6へと渡す苗受渡し機構9とを有する。
なお、苗Nが押し出された後、苗箱Tは苗Nの横一列分下方に縦送りされ、押出杆8は、搬送ベルト16上の苗Nがなくなるまで(または、大部分がなくなるまで)待機する。
また、苗箱Tは苗載台5の下部側で湾曲されて、後方側に取り出される。
ポット苗室Pから押し出された横一列の苗Nは、その根部(根鉢、床土)Naが苗受渡し機構9の苗受けアーム10の苗受け溝10a内に押し込まれる。
各苗搬送装置6は、左右一対のプーリ15と、この左右プーリ15に掛装されたエンドレスの搬送ベルト16を有し、一方のプーリ15は、植付伝動ケース46内の動力伝達機構から伝達される動力によって回転駆動する回転軸26によって駆動され、搬送ベルト16は、プーリ15の回転駆動によって、その上部側が、移植装置1Bの左右方向中央側から左右方向外方側に向けて移動されるように構成されており、搬送ベルト16上の苗Nを左右方向外方に移送し、それぞれの左右方向外端部(終端部)において下方側に位置する植付カップ155に落下させる。
姿勢変更装置39は、植付カップ115に対応して左右一対設けられており、搬送ベルト16の終端(外側端)下方で且つ植付カップ155の上方に設けられた左右一対の苗挟持ローラ17と、この一対の苗挟持ローラ17の上方に配置されたシャッター27と、苗Nの根部Nbを押し下げる押下げ手段23とを備えている。
また、一方の苗挟持ローラ17は、植付伝動ケース46から後方に突出する回転軸31によって前後軸廻りに回転駆動されると共に、他方の苗挟持ローラ17は、前記回転軸31からギヤ伝動機構32によって動力伝達されて回転する回転軸35によって前後軸廻りに回転駆動されていて、左右の苗挟持ローラ17は、対向内側で下側に向けて回転するように互いに逆向きに回転駆動され、苗Nの茎葉部Nbを挟持した一対の挟持ローラ17の回転に伴って苗Nを根部Naが下向きとなる垂直姿勢で下方移動させるように構成されている。
また、シャッター27の後側にはシャッターストッパー(図示省略)が設けられ、このシャッターストッパーは、シャッター27が下方に行くに従って搬送ベルト16側に移行する傾斜状態で、シャッター27の搬送ベルト16側への揺動を規制し、シャッター27はこの傾斜した位置で、搬送ベルト16終端との間で苗Nを落下しないように1つずつ保持する。
支持アーム35は、その前端側が移植装置1BのフレームFに左右方向の支軸36廻りに回動自在に支持されていて上下揺動自在とされており、また、前後方向中途部がリンク37の一端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結されており、このリンク37の他端側は、植付伝動ケース46の前部側の側面上部に設けられた左右方向の出力軸38によって回転駆動される回転体50の回転中心から外れた位置に左右方向のピン56を介して枢支連結されており、回転体50の回転により、支持アーム35が上下に揺動して、根部押し棒33及び規制板34が上下動する(根部押し棒33及び規制板34が、上下方向に間欠的に往復移動する)ように構成されている。
このとき、規制板34は搬送ベルト16の終端と、シャッター27との間に位置して、次の苗Nがシャッター27側に落下するのを規制するようになっている。
前記構成のものによれば、搬送ベルト16によって苗Nが終端側に向けて順次間欠的に搬送されてシャッター27と搬送ベルト16終端との間で、苗Nが順次1つずつ保持され、シャッター27と搬送ベルト16との間に保持された苗Nの根部Naは、根部押し棒33により下方に押圧されて一対の苗挟持ローラ17よりも下方に移動し、茎葉部Nbの基端側が一対の苗挟持ローラ17間に入り込んで、水平姿勢から根部Naが下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更しながら苗Nの茎葉部Nbが挟持され、さらに一対の苗挟持ローラ17の回転に伴って苗Nを根部Naが下向きとなる垂直姿勢で下方移動させれて、上方移動している植付カップ155内に落下し、これにより、植付カップ155は、その移動域の上側で一対の苗挟持ローラ17から苗Nを受け取る。
その後、植付カップ155が上昇動作し、この上昇動作に連動して植付カップ155が閉じる。
この間に、次の苗Nが、シャッター27と搬送ベルト16との間に保持されて、苗Nは、水平姿勢から根部Naが下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更しがら苗Nの茎葉部Nbが挟持され、一対の苗挟持ローラ17の回転に伴って苗Nを根部Naが下向きとなる垂直姿勢で下方移動させて、上方移動した植付カップ155内に再び落下されて、植付カップ155は、上側で一対の苗挟持ローラ17から苗Nを受け取る。
植付装置151は、前記植付カップ155と、この植付カップ155を上下運動させる植付カップ駆動機構(植付体駆動機構)156とを備え、左右一対設けられている。
各植付カップ駆動機構156は、苗搬送装置6の下側に配置されていて、移植装置1BのフレームFの第2フレーム41に固定された支持カバー体157に回転自在に支持された第1回転ケース161と、第1回転ケース161の遊端側に、回転自在に支持された第2回転ケース162と、第2回転ケース162の遊端側に回転自在に支持された回転支持軸163とを備え、回転支持軸163に支持部材164を介して植付カップ155が支持され、第1回転ケース161の回転に連動して、第2回転ケース162を第1回転ケース161とは逆方向に回転させると共に回転支持軸163を第2回転ケース162とは逆方向に回転させて、植付カップ155を上下運動させるようになっている。
すなわち、先ず、苗供給装置152の左右一方(左側)の押下げ手段23の支持アーム35を駆動する回転体50がスプロケットで構成され、この第1のスプロケット50からチェーン120を介して、該第1のスプロケット50の前下方に位置する第2のスプロケット121に動力伝達され、この第2のスプロケット121の左右方向外方側には、該第2のスプロケット121と左右方向同軸状に設けられていて該第2のスプロケット121と一体回転する第3のスプロケット122が設けられ、この第3のスプロケット122からチェーン123を介して、該第3のスプロケット122の下方側に位置する第4のスプロケット124に動力伝達される。
そして、左右各第5のスプロケット129からチェーン130を介して、該第5のスプロケット129の下方側のやや後方側に位置する左右各入力ギヤ181に動力が伝達される。
前記一対の第1回転ケース161及び第2回転ケース162等は、下方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜状に配置され、左右一対の植付カップ155が上方側に移動したとき互いに離間し下方側に移動したとき互いに接近するようになっている。
また、各植付カップ155に対応して、それぞれ左右一対の鎮圧輪213が設けられ、植付カップ155が上昇して上死点又は上死点近傍にあるとき、植付カップ155の左右位置が、左右一対の鎮圧輪213のうちの左右方向外側の鎮圧輪213の左右位置に略対応するようになっている。
また、図10に仮想線で示すように、左右方向内方への下降傾斜の異なる他の植付カップ155と交換することによって、苗Nを植え付ける条間L1,L2を調整できるようになっている。
株間変更装置115は、例えば動力取出軸47からの動力が株間クラッチを介して断続自在に伝達される入力軸を有し、この入力軸の一回転で、前記植付カップ155が1サイクル動作する(植付カップ155がその移動軌跡の上部で苗Nを受け取り、下降して苗Nを植え穴に放出し、再び元の位置に戻ってくるまで動作する(1動作する))ようになっており、入力軸が一回転したところで、株間クラッチを一旦切断した後に接続し且つこの株間クラッチの切断時間を調整することにより、株間(苗Nの進行方向の植付間隔)が変更(調整)できるように構成されている。
図12〜図17に示すように、覆土・鎮圧装置116は、鎮圧輪213と、この鎮圧輪213を上下位置調整可能に移植装置1BのフレームFに支持する支持機構251と、エンジンE(動力源)からの動力を鎮圧輪213に伝達して該鎮圧輪213を強制的に回転駆動させる駆動装置252と、鎮圧輪213の表面に付着した土を落とすスクレーパ253とを有する。
鎮圧輪213は、各植付カップ155に対してそれぞれ左右一対備えられており(従って、本実施の形態では、鎮圧輪213は4個備えられている)、各植付カップ155に対する左右の鎮圧輪213は、植付カップ155の左右両側の後方に配置されていて、苗Nの植付位置の左右両側の畝上を転動して、植え穴に供給された苗Nの左右両側の土を押圧して鎮圧すると共に苗Nの株際に土を押し付けて覆土する。
前記支持機構251は、移植装置1BのフレームFの第2フレーム41の後部に設けられた支持フレーム254を有する。
この支持フレーム254は、図2及び図7に示すように、第2フレーム41を横切るように左右方向に配設されて第2フレーム41に固定された支持杆部255と、この支持杆部255の左右両端から前下方に向けて突出状に延設されたアーム部256とを有し、この支持フレーム254に揺動フレーム257を介して全鎮圧輪213が上下動自在に支持されている。
この揺動フレーム257の主杆258の左右方向中央部、及び、左右各副杆260の後端側には、取付板261,262が固定され、中央の取付板261に取付ステー263が左右一対ボルト264によって取り付けられると共に、左右の各取付板262にそれぞれ1つの取付ステー263がボルト264によって取付固定され、各取付ステー263にそれぞれ鎮圧輪213が取り付けられている。
各取付ステー263の下部側は、各植付カップ155に対応する左右の鎮圧輪213の反対向側に位置し、各取付ステー263の下端部に前後方向の軸心を有する支持筒267が固定され、各支持筒267に径方向外方に突出状とされて鎮圧輪213を貫通する支軸269が固定され、この支軸269に鎮圧輪213が軸心廻りに回転自在に支持されている。
また、支持機構251は、鎮圧輪213の上下位置を調整する上下位置調整機構271を有する。
この上下位置調整機構271は、係止板272と、この係止板272を支持する支持アーム273と、係止板272に係合して鎮圧輪213の高さ調整操作をする操作レバー274と、この操作レバー274と揺動フレーム257とを連動連結するリンク機構275とを有する。
支持アーム273の前端側には、左右方向の回動軸278が固定され、この回動軸278は、移植装置1BのフレームFの第2フレーム41の後端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されており、これにより支持アーム273が移植装置1BのフレームFに対して上下揺動自在に支持されている。
また、連動レバー279の下端側は、ボーデンケーブル等の連動部材を介して走行体1Aの昇降シリンダ22を制御する制御バルブに連動連結されていて、支持アーム273の上下の揺動動作に連動して、走行体1Aの機体60が昇降制御されるように構成されている。
前記リンク機構275は、一端側が操作レバー274の前端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結された第1リンク282と、この第1リンク282の他端側に一端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結された第2リンク283とを備え、第2リンク283の他端側は揺動フレーム257の主杆258に固定されている。
また、操作レバー274の係止部285を係止溝277に係止した状態において、鎮圧輪213の上下動に連動して支持アーム273が上下に揺動する。
この覆土・鎮圧装置116にあっては、走行体1Aの機体60を上昇させて、連動レバー279がストッパ280に接当した状態で、移植機1を畝の端部に位置させ、その後、走行体1Aの機体60を下降させて鎮圧輪213を畝の上面に接当させる。
そして、畝の上面に追従して鎮圧輪213が上下動すると、これに連動して支持アーム273が上下に揺動して、連動レバー279にボーデンケーブルを介して連動連結された昇降シリンダ22の制御バルブが制御され、走行体1Aの機体60が上下動するようになっている。
なお、この支持機構251には、鎮圧輪213を引き上げる方向に付勢又は押し下げる方向に付勢する付勢手段が設けられると共に該付勢手段の付勢力を調整する調整機構を備えていて、覆土圧の調整が行えるようになっている。
前記スクレーパ253は、線材を鎮圧輪213に沿って折曲することによって構成されており、一端側が取付ステー263にねじ込まれたボルト287で取付ステー263に固定され、他端側が前記抜止めボルト270で支軸269に固定され、中途部が鎮圧輪213の外周面に摺接するように又は外周面と若干の隙間をあけて設けられていて、鎮圧輪213が転動することにより、スクレーパ253で鎮圧輪213の表面に付いた土が削り取られる。
係合孔288は、各植付カップ155に対応する左右の鎮圧輪213の反対向側に形成されていて、支軸269を中心とする円周上に等間隔をおいて且つ全周に亘って形成されている。
駆動ギヤ289は各鎮圧輪213に対して1つ設けられており、前記支持筒267に挿通されて前後方向の軸心廻りに回動自在に支持された回転軸291の角軸部292に外嵌固定されていて、該回転軸291と一体回動し、駆動ギヤ289が前後軸廻りに回動することにより、該駆動ギヤ289が係合孔288に噛み合って、鎮圧輪213が前進するように回転駆動(前転駆動)される。
これは、後述する本実施の形態の動力伝達装置では、4つの鎮圧輪213の内、外側の2つの鎮圧輪213に設けられた回転軸291は同方向に回転し、この回転軸291に対して、内側の2つの鎮圧輪213に設けられた回転軸291の回転方向が逆方向であるからである。
覆土伝動ケース293は、株間伝動ケース44の背面下部に下方突出状に取付固定された第1ケース294と、この第1ケース294の下部前方で且つ株間伝動ケース44の下方側に位置する第2ケース295とを有し、第2ケース295は、植付カップ155の前側に位置し、その下部側は、4つの鎮圧輪213の左右一端側から左右他端側に亘る長さに形成されている。
また、第2ケース295の下部側には、各鎮圧輪213に対応して4本の出力軸300が前後軸廻りに回動自在に設けられ、各出力軸300には、スプロケット301が一体回動自在に設けられ、前記中間伝動軸296の前側には、スプロケット302が一体回動自在に設けられ、これら各スプロケット301,302にわたってエンドレスのチェーン303が掛装され、出力軸300に動力伝達されるように構成されている。
また、各出力軸300には、ユニバーサルジョイント304を介して長さ方向に伸縮自在な伝動軸305の前端側が連結され、各伝動軸305の後端側は、ユニバーサルジョイント304を介して、左右方向で対応する鎮圧輪213の回転軸291に連結されており、動力取出軸47からの動力が、覆土伝動ケース293内の動力伝達機構を経て、伝動軸305を介して、鎮圧輪213に伝達される。
したがって、鎮圧輪213は土壌に対してスリップしながら該土壌の表面を転動することとなるので、該鎮圧輪213は土壌表面を擦るようにして土壌を押圧し、これによって、土壌がしっかりと鎮圧され、土壌水分保持効果が向上する。
図例の移植機1にあっては、前記動力取出軸47から、株間変更装置115を経て苗供給装置152及び植付装置151に動力伝達する系統と、覆土伝動ケース293内の動力伝達機構を経て鎮圧輪213に動力伝達する系統とに分岐されており、苗供給装置152及び植付装置151への動力伝達が断たれても、鎮圧輪213には、走行中、常時動力が伝達されて回転駆動されるようになっている。
本実施の形態は、本発明の一例を開示したものであり、株間変更装置、植付装置、苗供給装置等は他の形式の装置を採用できる。
前述した移植機1にあっては、2条植え移植機であると共に移植装置1Bが左右前後輪3,2の左右方向中央から左右一側(左側)にオフセットされて設けられており、往復4条植え(往路で畝上面側の左右方向一側に2条を植え付け、復路で畝上面側の左右方向他側に2条を植え付ける)が行えるように構成されている。
機体60の左右方向の傾きを調整することができないと、往復4条植えを行う場合に中高畝に対応できないという問題がある。
すなわち、中高畝は畝の左右方向中央部が高く、左右方向中央部から左右方向外方に行くに従って低くなるように形成されているので、畝の左右方向片側に2条の苗を植え付ける場合、左右方向中央側に植え付けられる苗に対し、左右方向外側に植え付けられる苗が浅植えになってしまうのである。
図18〜20に記載されたものは、その機構の一例を示すものである。
図18〜20において、前輪支軸18は架台Kの右側において分割されていると共に、分割された一方の支軸構成体18Aと、他方の支軸構成体18Bとは、一方の支軸構成体18Aに固定され且つ他方の支軸構成体18Bに前輪支軸18の軸心廻りに相対回動自在に挿通され且つ抜け止めされた連結軸71によって連結されている。
75は、ロックナットである。
この構成によって、連結軸71が他方の支軸構成体18Bに対して抜け止めされていると共に、一方の支軸構成体18Aと他方の支軸構成体18Bとの、前輪支軸18の軸心廻りの相対回動が許容されている。
その他の構成は前記移植機と略同様に構成される。
また、図例では、機体60の左右方向に関する傾きを調整するローリング機構には、ブラケット79を押し引きするのに、油圧シリンダからなるローリングシリンダ77を採用しているが、これに限定されることはなく、例えば、ネジジャッキ等に採用されているネジ式の伸縮装置をブラケット76,79間に介装し、油圧モータ、電動モータ等のアクチュエータ又は手動によって該ネジ式の伸縮装置を伸縮させることによってブラケット79を押し引きするようにしてもよい。
1B 移植装置
213 鎮圧輪
N 苗
Claims (1)
- 圃場に形成した植え穴に苗(N)を供給すると共に圃場の苗植付位置の左右両側を転動する左右一対の鎮圧輪(213)によって苗(N)の左右両側の土を鎮圧するように構成した移植装置(1B)を走行体(1A)に設け、走行しながら圃場に苗を植え付けるようにした移植機において、
前記走行体(1A)の対地速度よりも速い周速度で鎮圧輪(213)を回転駆動するように構成し、
前記鎮圧輪(213)を左右方向位置調整自在とし、
走行体(1A)の動力を前記鎮圧輪(213)へと伝達する動力伝達装置(290)を、走行体(1A)のエンジン(E)から動力が伝達される出力軸(300)と、鎮圧輪(213)側に備えられていて該鎮圧輪(213)へと動力の伝達が可能な回転軸(291)と、出力軸(300)から回転軸(291)へと動力を伝達する伝動軸(305)とを備えて構成すると共に、前記伝動軸(305)が、一端がユニバーサルジョイント(304)を介して出力軸(300)に連結されると共に他端がユニバーサルジョイント(304)を介して回転軸(291)に連結され且つ長さ方向に伸縮自在とされていることにより、動力伝達状態を維持しながら鎮圧輪(213)の左右方向の位置変更を可能としたことを特徴とする移植機。
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