JP4026370B2 - 胸芯地の染色方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヨコ方向の曲げ反発性が高く、曲げ回復性が良いヨコハリ織物をロープ状染めスジやシワなどのない品位に仕上げる染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在では一般的に織物を染色する方法として、液流染色法が挙げられる。しかしながら、液流染色では生地をロープ状で染色することからロープ状の染めムラやシワが発生しやすく、特にヨコハリ織物は一旦シワが発生するとシワの移動が少ないため、表面品位が問題であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消せんとするものであり、ヨコハリ織物を染めスジやシワなどのない表面品位の良好なものとすることのできる胸芯地の染色法を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、ヨコ糸に単糸繊度20デシテックス以上のポリエステルマルチフィラメント糸を含むものであって、KES曲げ特性のヨコのB値をタテのB値で除した値が15以上であるヨコハリ織物を拡布状で染料を染着させることを特徴とする胸芯地の染色方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳しく説明する。
【0006】
本発明により得られる良好なヨコハリを有する織物は、胸芯地として用いると好適である。
【0007】
本発明が対象とする織物は、構成するヨコ糸に単糸繊度が20デシテックス以上のポリエステルマルチフィラメント糸を含むことが重要であり、単糸繊度が20デシテックス未満のポリエステルマルチフィラメント糸では十分なヨコハリが得られない。
【0008】
本発明のヨコ糸として、単糸繊度が20デシテックス以上のポリエステルマルチフィラメント糸とその他のポりエステル糸が合撚、交撚、引き揃え、交絡などにより複合しているものが好適である。
【0009】
単糸繊度が20デシテックス以上のポリエステル糸の総繊度および、その他のポリエステル糸の総繊度は、太くなりすぎると織物が厚くなり重くなるため、単糸繊度が20デシテックス以上のポリエステル糸の総繊度は200〜400デシテックスが好ましく、その他のポリエステル糸の総繊度は200〜400デシテックスが好ましい。
【0010】
単糸繊度が20デシテックス以上のポリエステル糸とその他のポリエステル糸の複合比率は、その他のポリエステル糸の複合比率が高くなると織物が重くなるため、単糸繊度が20デシテックス以上のポリエステル糸が40〜95重量%が好ましい。
【00011】
また、その他のポリエステル糸として好ましくは溶融紡糸における引取速度が2000〜4500m/分のPOYなどが挙げられ、引き取り速度は2500〜3500m/分がより好ましい。
【0012】
例えば、引き取り速度1500m/分のポリエステル糸は実質的に未延伸といわれるものであり、延伸の伴わない熱処理を施すと極めて脆弱なものとなり、産業上の利用価値を失ってしまうため好ましくなく、また、引き取り速度5000m/分のポリエステル糸は反発弾性や形状保持性の発現が著しく劣ったものになるため好ましくない。
【0013】
タテ糸としては、一般に多く用いられる、例えば総繊度が84デシテックスのポリエステルマルチフィラメント糸を用いればよく、仮撚加工糸や融着糸あるいは、複合糸を用いてもよい。総繊度が110デシテックスより太いポリエステルマルチフィラメント糸を用いると織物が厚く、織物のヨコ密度が少なくなりヨコ方向の反発性が低くなるので好ましくない。
【0014】
使用する織機は、エアージェット方式やウォータージェット方式やスルーザー方式やレピア方式などがあるが製織できる織機で織ることが望ましい。
【0015】
織物の組織は、平組織が織物の変形が少なく好ましい。
【0016】
製織した生機はヨコハリを持たせるため生機セットを175〜200℃で実施し、ヨコ方向に7〜14%収縮させることが望ましい。
【0017】
精練は、通常の精練機を用い、生機に付着している糊剤を除去するポリエステル系繊維織物の条件でよい。
【0018】
本発明の染色前の織物としては、風合い評価法である、Kawabata`sEvaluation SystemいわゆるKESにおける物理特性のヨコの曲げ剛性B値(gf・cm2/cm)をタテの曲げ剛性B値(gf・cm2/cm)で除した値が15以上の織物であって、本発明の良好な表面品位を得るためには拡布状で染色することであり、拡布状で染料を染着させる方法であれば特に限定するものではない。
【0019】
例えば、拡布状で染料を染着させる方法としては、染液浸漬後に絞り、スチーミングまたは乾燥・ベーキングする方法、染料を含んだ色糊を生地表面にプリント後スチーミングする方法、染料を含んだ液を片面または両面に塗布後熱処理をする方法などの連続染色法やジッガー染色、ビーム染色などのバッチ染色法などが挙げられる。染色加工時にシワなどの欠点が発生しにくい方式など、染色しやすい方法を選択することが好ましい。染料は織物素材であるポリエステル系繊維、例えばポリエチレンテレフタレート繊維やポリプロピレンテレフタレート繊維やポリブチレンテレフタレート繊維などに適する染料を用いることが好ましく、ポリエステル系繊維織物を染色する通常条件でよい。
【0020】
染色後の還元洗浄もポリエステル系繊維織物を還元洗浄する通常条件でよい。
【0021】
乾燥は、120〜130℃で行うのが好ましい。
【0022】
仕上げセットは、しわを取り除く程度で仕上げセット前の幅に対し0〜1cmの範囲で広く設定し150〜180℃で行うことが望ましい。
【0023】
また、仕上げに用いる樹脂加工は、必要に応じて帯電防止剤、撥水剤、柔軟剤、硬仕上げ剤、抗菌剤、制菌剤、防汚剤、吸湿剤、などを使用してもよい。
【0024】
KESにおける物理特性のヨコの曲げ剛性B値(gf・cm2 /cm)をタテの曲げ剛性B値(gf・cm2/cm)で除した値が15以上の織物としては、前記したヨコ糸を用いて製織し、好ましくは前記したタテ糸を用い、好ましくは前記した生機セットを行い、KESにおける物理特性のヨコの曲げ剛性B値(gf・cm2/cm)をタテの曲げ剛性B値(gf・cm2/cm)で除した値が15以上の織物となるように、適宜これらの条件を選択設定することにより得ることができる。
【0025】
本発明においては、スーツなどの表地と裏地の間に挿入され、胴の形態を保持する役目を果たす胸芯地などの織物に好適に使用され、ヨコ方向の曲げ反発性が高い(ハリ、コシがあること)ことが特徴である。
【0026】
本発明の織物としては平織り、綾織りなど特に限定するものではない。
なお、本発明の物性の測定法は次のとおりである。
1)KES曲げ特性B値
風合い評価法Kawabata`s Evaluation System いわゆるKESにおける物理特性の曲げ剛性B値(gf・cm2 /cm)を測定する。
測定条件
最大曲率:K=±2.5cm-1
変形速度:曲率 0.5/sec
試 料 :20cm×20cm
KESの測定法は、衣料の風合いを数値化する方法で、社団法人繊維機械学会繊維機械学会誌 1980年Vol.33 に、「風合いと衣料」で示され、たとえば、カトーテック(株)で測定器が製造販売されている。
【0027】
ヨコの曲げ剛性は、織物のヨコ糸を折り曲げ(織物をタテに折る形)、その剛性を測定したものである。
2)洗濯試験
JIS−L−0844のA−2法で洗濯する。
【0028】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
【0029】
実施例1
83デシテックス、36フィラメントのポリエステル仮撚り加工糸のタテ糸に、333デシテックス、10フィラメントの延伸糸と285デシテックス、30フィラメントのPOY(引き取り速度3000m/分)糸を引き揃えヨコ糸として打ち込み、タテ密度110本/インチ、ヨコ密度40本/インチの生機を製織した。
【0030】
この生機をピンテンターを用い、タテヨコとも張力負荷の小さい状態で180℃×30秒のセットを行い幅方向に8%収縮させ、次いで拡布状で精練乾燥を行った。この生地を風合い評価法Kawabata`s Evaluation SystemいわゆるKESにおける物理特性のヨコの曲げ剛性B値(gf・cm2/cm)をタテの曲げ剛性B値(gf・cm2/cm)で除した値が26であった
次にパッド液として
Dianix Black E−G 30g/L
イオネット300(三洋化成製分散剤) 2g/L
アルギン酸ナトリウム 2g/l
の水溶液を作り、ピックアップ60%で絞り100℃で乾燥後、220℃×45秒で熱処理、還元洗浄湯水洗、乾燥、ピンテンターによる仕上げセットを行った。
得られた織物はシワ、染めスジのない表面品位の良好なグレーであった。
【0031】
比較例1
同様の生機を用いて、液流染色機でグレーに染色したところ、ロープ状の染めシワが確認された。
【0032】
【発明の効果】
本発明の効果は次のとおりである。
1)良好な表面品位のヨコハリ織物が得られる。
2)胸芯地として洗濯による寸法変化が少ない。
Claims (1)
- ヨコ糸に単糸繊度20デシテックス以上のポリエステルマルチフィラメント糸を含むものであって、KES曲げ特性のヨコのB値をタテのB値で除した値が15以上である織物を拡布状で染料を染着させることを特徴とする胸芯地の染色方法。
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