JP4026211B2 - プッシュオンスイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてカメラ、ビデオカメラ等の各種電子機器の入力操作部に使用され、軽く押圧操作するとまず第一スイッチがオンし、更に強く押圧操作すると続いて第二スイッチがオンする二段動作のプッシュオンスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のプッシュオンスイッチについて、図面を用いて説明する。
【0003】
図20は従来のプッシュオンスイッチの外観斜視図、図21(a)は図20のX−X線における断面図、同(b)はY−Y線における断面図であり、同図において、1は上方開口の凹部1Aを備えた樹脂製のスイッチケースで、図22の上面図に示すように、凹部1Aの内底面には二つの周辺固定接点2およびこれよりも少し低い中央固定接点3が露出するようにインサート成形固定されると共に、各固定接点とそれぞれ導通した接続用端子2A,2Bおよび3Aが外周側部に突出して設けられている。
【0004】
また、凹部1Aの側壁には、対向した位置に一対の段状の可動接点受け部4およびそれと直交する位置に一対の切り欠き部5が設けられており、一方の可動接点受け部4Aにはコモン用固定接点6が上面を露出するようにインサート成形固定され、その上面の位置は他方の可動接点受け部4Bと同一高さになるように設定されていると共に、この接点6と導通した接続用端子6Aもスイッチケース1の外周側部に突出して設けられている。
【0005】
そして、7は弾性薄板金属板をプレス加工することにより形成された可動接点で、その形状は図23(a)の平面図および同(b)の側面図に示すように、上方に球面状に湾曲した中央の円板部8と、この外方に一定の間隔を空けて同心状に配され、中心に対して対称位置に一対で設けられて円板部8側が高くなるように傾斜した連結部9で円板部8と繋がれると共に、連結部9と直角な対向した二ヶ所の位置が頂点部10Bとなるように上方にV字状に湾曲した円形のリング状部10および連結部9と同一直径上のリング状部10から外方に突出するように設けた一対の突出部11により構成されている。
【0006】
そして、この可動接点7は、図24のスイッチケース1内に可動接点7を装着した状態の上面図に示すように、湾曲突部側が上方となるようにして突出部11が切り欠き部5に挿入されると共に、図21(b)に示すように、リング状部10のV字曲げ部分の側部10Aが可動接点受け部4A,4B上に載置されるようにスイッチケース1の凹部1A内に装着されている。
【0007】
すなわち、可動接点7のリング状部10のV字曲げ部分の側部10Aの一方は、可動接点受け部4A上に露出しているコモン用固定接点6と常に電気的に接続された状態になっている。
【0008】
そして、可動接点7の上方には、弾性を有する絶縁フィルム製のシート12が可動接点7のリング状部10のV字の頂点部10Bに支持されるように載置されていると共に、スイッチケース1の上面には、開口部13Aを有する金属板製のカバー13が取り付けられている。
【0009】
このように構成されたプッシュオンスイッチは、通常状態において、図21(b)に示すように、可動接点7がコモン用固定接点6のみに接触して周辺固定接点2および中央固定接点3に対して離れているため、スイッチはオフ状態になっている。
【0010】
次に、上記のプッシュオンスイッチが使用機器に装着されて、押圧操作される時の動作について、図25(a),(b)および図26(a),(b)の断面図を用いて説明する。
【0011】
なお、図25(a)および図26(a)は図20のX−X線における断面図、図25(b)および図26(b)は同Y−Y線における断面図である。
【0012】
まず、押圧操作体14によりシート12を介して可動接点7の円板部8を押圧操作し、その押圧力が所定の力を越えた時に、可動接点7は、図25(a)および同(b)に示すように、まず円板部8は球面状のままで連結部9の部分が節度を伴って下向き状態に反転して、二つの連結部9の円板部側根元部分9Aが二つの周辺固定接点2にそれぞれ接触し、可動接点7を介してコモン用固定接点6と二つの周辺固定接点2の間すなわち接続用端子6Aと2Aおよび2Bの間を電気的に短絡導通させて、第一スイッチとしてオン状態となる。
【0013】
そして、この状態から更に、押圧操作体14により可動接点7の円板部8を押し下げると、図26(a)および(b)に示すように、今度は、円板部8が節度を伴いながら下膨らみ状態に反転し、円板部8の中心部8Aが中央固定接点3に接触して、第一スイッチとして短絡したコモン用固定接点6および二つの周辺固定接点2に加えて中央固定接点3との間すなわち接続用端子6Aおよび2A,2Bに加えて3Aの間を電気的に短絡導通させて、第二スイッチとしてオン状態になる。
【0014】
この後、押圧操作体14による可動接点7の円板部8への押圧力を解除すると、まず円板部8がその弾性復元力により上方突状の球面状態に復元することによって、その中心部8Aが中央固定接点3から離れて第二スイッチがオフ状態に戻り、続いて連結部9が上方に傾斜した状態に戻ることにより円板部側根元部分9Aが周辺固定接点2から離れて第一スイッチもオフ状態に戻るものであった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のプッシュオンスイッチにおいては、スイッチの組立工程においてスイッチケース1の円形凹部1A内に可動接点7を装着する際に、可動接点7のリング状部10から外方に突出した突出部11を、スイッチケース1の凹部1Aの側壁の切り欠き部5に挿入して装着する必要があるため、スイッチ組立の作業効率が悪いという課題があった。
【0017】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、可動接点の装着が簡単で効率良く組み立てることができる二段動作のプッシュオンスイッチを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のプッシュオンスイッチは、上面開口の円形凹部の内底面に中央固定接点および電気的に独立した二個の周辺固定接点を備えるスイッチケース内に、上方に湾曲した内板部およびその外方に一定の間隔を空けて可撓性を有する細巾の連結部で同心円状に繋がれた円形リング部からなる可動接点を、その円板部の外周と円形リング部がほぼ同一面となるように、中心に対して等分位置に配された三つ以上の細巾の上記連結部で繋がれると共に、上記円形リング部の上記連結部を設けた位置の略中央位置から上記連結部と同数の突部が下方に突出して設けられているもの、もしくは、その円板部と円形リング部が、中心に対して対称位置に配され上記円板部側が少し高くなるように傾斜した二つの上記連結部で繋がれ、上記円形リング部が上記連結部と直角な二ヶ所の位置が頂点部となるように上方にV字状に湾曲し、上記二つの連結部と上記V字状湾曲の二つの頂点部の中間の位置から下方に突出した四つの突部が設けられたものとして、その突部を上記スイッチケースの円形凹部の内底面上に載せて、周辺固定接点の上方に円板部の外周が間隔を空けて位置するように配した構成とするものである。
【0019】
これにより、スイッチの組立工程においてスイッチケースの円形凹部内に可動接点を装着する際に、可動接点の向きを決める必要が無いために組立作業性がよく、動作の安定した二段動作のプッシュオンスイッチを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、上面開口の円形凹部の内底面に、中央固定接点およびこれから等距離の点対称位置に電気的に独立して配された二つの周辺固定接点を備え、各固定接点と導通した接続用端子を外周側部に有する絶縁樹脂製のスイッチケースと、上記二つの周辺固定接点の中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部およびその外方に一定の間隔を空けて可撓性を有する細巾の連結部で同心円状に繋がれた円形リング部からなり、円板部の外周が上記周辺固定接点の上方に所定の間隔を空けて位置するように、円形リング部の外周がスイッチケースの円形凹部の内周に係合した弾性金属薄板製の可動接点と、スイッチケースの円形凹部の上面開口部を覆う弾性を有する絶縁フィルム製のシートからなるプッシュオンスイッチであって、上記可動接点が、その円板部の外周と円形リング部がほぼ同一面となるように、中心に対して等分位置に配された三つ以上の細巾の上記連結部で繋がれると共に、上記円形リング部の上記連結部を設けた位置の略中央位置から上記連結部と同数の突部が下方に突出して設けられているものとされ、上記スイッチケースの円形凹部の内底面上に上記突部が載せられて上記可動接点が配されたことを特徴とするプッシュオンスイッチとしたものであり、可動接点の円形リング部の外形が円形であるために、スイッチの組立工程においてスイッチケースの円形凹部内に可動接点を装着する際、可動接点の向きを決める必要が無いためにスイッチの組立作業性がよく、動作の安定した二段動作のプッシュオンスイッチを実現できるという作用を有する。
【0024】
請求項2に記載の発明は、上面開口の円形凹部の内底面に、中央固定接点およびこれから等距離の点対称位置に電気的に独立して配された二つの周辺固定接点を備え、各固定接点と導通した接続用端子を外周側部に有する絶縁樹脂製のスイッチケースと、上記二つの周辺固定接点の中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部およびその外方に一定の間隔を空けて可撓性を有する細巾の連結部で同心円状に繋がれた円形リング部からなり、円板部の外周が上記周辺固定接点の上方に所定の間隔を空けて位置するように、円形リング部の外周がスイッチケースの円形凹部の内周に係合した弾性金属薄板製の可動接点と、スイッチケースの円形凹部の上面開口部を覆う弾性を有する絶縁フィルム製のシートからなるプッシュオンスイッチであって、上記可動接点が、その円板部と円形リング部が、中心に対して対称位置に配され上記円板部側が少し高くなるように傾斜した二つの上記連結部で繋がれ、上記円形リング部が上記連結部と直角な二ヶ所の位置が頂点部となるように上方にV字状に湾曲し、上記二つの連結部と上記V字状湾曲の二つの頂点部の中間の位置から下方に突出した四つの突部が設けられたものとされ、上記スイッチケースの円形凹部の内底面上に上記突部が載せられて上記可動接点が配されたことを特徴とするプッシュオンスイッチとしたものであり、可動接点の円形リング部の外形が円形であるために、スイッチの組立工程においてスイッチケースの円形凹部内に可動接点を装着する際、可動接点の向きを決める必要が無いためにスイッチの組立作業性がよく、動作の安定した二段動作のプッシュオンスイッチに実現でき、さらに当該構成であれば、第一スイッチの動作時および第二スイッチの動作時共に節度を有するものにできる上、その第一スイッチの動作時の節度がより明確なプッシュオンスイッチとして実現できるという作用を有する。
【0030】
以下、本発明の実施の形態によるプッシュオンスイッチについて、図面を用いて説明する。
【0031】
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態によるプッシュオンスイッチの外観斜視図、図2(a)は図1のX−X線における断面図、同(b)はY−Y線における断面図であり、同図において、21は上面開口の円形凹部21Aを備えた外形が四角形の樹脂製のスイッチケースで、図3の上面図に示すように、円形凹部21Aの内底面21Bには中央固定接点22およびこれから等距離の点対称位置の電気的に独立した二つの周辺固定接点23Aおよび23Bが露出するようにインサート成形固定されており、更に、四角形の外形の対向した一組の外周側部には、中央固定接点22と導通した二つの接続用端子24A,24Bがスイッチケース21の中心に対して対称な位置に一つずつ突出して設けられると共に、同じ一組の外周側部に、二つの周辺固定接点23Aおよび23Bとそれぞれ導通した接続用端子25Aおよび25Bが、スイッチケース21中心に対して対称な位置に一つずつ突出して設けられている。
【0033】
なお、上記の中央固定接点22の高さは二つの周辺固定接点23Aおよび23Bよりも少し低く設けられている。
【0034】
また、26は弾性金属薄板をプレス加工することにより形成された可動接点で、その形状は図4(a)の平面図および同(b)の側面断面図に示すように、上方に球面状に湾曲した中央の円板部27とこの外方に一定の間隔を空けて同心円状に配された円形リング部28を繋ぐように少しの間隔を空けて並べられた可撓性を有する二つの細巾の連結部29を、一つの直線30に沿って折り曲げることによって円板部27が上方に傾けられているものであり、円板部27の外径は上記スイッチケース21の二つの周辺固定接点23Aと23Bの中心間隔とほぼ同一の直径となっていると共に、円形リング部28の外周は上記スイッチケース21の円形凹部21Aの内周に係合するように設定されている。
【0035】
そして、このような可動接点26をスイッチケース21の円形凹部21A内に挿入し、図5のスイッチケース21内に可動接点26を装着した状態の上面図に示すように、円形リング部28をスイッチケース21の円形凹部21Aの内底面21B上に載せることによって、円板部27の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bの上方に所定の間隔を空けて位置するように配設され、この上方からスイッチケース21の上面開口部を塞ぐように上面開口部よりも大きな外形で弾性を有する絶縁フィルム製のシート31を被せると共に、その上方に開口部13Aを有する金属板製のカバー13を取付け、シート31の端部をスイッチケース21上面に設けた突起部21Cとの間に挟持させることによりプッシュスイッチとして完成する。
【0036】
なお、上記の可動接点26の円板部27の外周と周辺固定接点23A,23Bの関係は、可動接点26の向きによって、図2(a)に示したように、一方の周辺固定接点23Aと円板部27の外周との間隔は殆どゼロに近く、他の周辺固定接点23Bと円板部27の外周との間隔が最も大きい場合や、図6の断面図に示すように、二つの周辺固定接点23A,23Bと円板部27の外周との間隔が殆ど等しい場合等が考えられるが、いずれの場合においても、スイッチ・オフ時の接点ギャップとなる二つの周辺固定接点23Aおよび23Bと円板部27の外周との間隔寸法の合計は殆ど変わらないものである。
【0037】
次に、上記のプッシュオンスイッチが使用機器に装着されて、押圧操作される時の動作について、図7および図8の断面図を用いて説明する。
【0038】
まず、図2(a)の状態に対して、押圧操作体14によりカバー13の開口部13Aからシート31を介して可動接点26の円板部27を押圧操作すると、図7に示すように円板部27は球面状のままで、まず連結部29の部分が曲がることによって、円板部27は水平方向に向いてその外周が二つの周辺固定接点23Aおよび23Bに接触し、この二つの周辺固定接点23Aと23Bの間すなわち接続用端子25Aと25Bの間を短絡導通させて、第一スイッチとしてオン状態となる。
【0039】
そして、この状態から更に押圧操作体14により可動接点26の円板部27を押し下げると、図8に示すように、今度は、円板部27が節度を伴いながら下膨らみ状態に反転し、円板部27の中心部27Aが中央固定接点22に接触して、第一スイッチとして短絡した周辺固定接点23A,23Bに加えて中央固定接点22との間、すなわち接続用端子25Aと25Bに24A,24Bに加えた全接続用端子の間を電気的に短絡導通させて、第二スイッチとしてオン状態になる。
【0040】
この後、押圧操作体14による可動接点26の円板部27への押圧力を解除すると、まず円板部27がその弾性復元力により上方突状の球面状態に復元することによって、その中心部27Aが中央固定接点22から離れて第二スイッチがオフ状態の図7の状態に戻り、続いて連結部29が元の上方に傾斜した状態に戻ることにより、円板部27の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bの少なくとも一方から離れて図2(a)の第一スイッチもオフ状態に戻るものである。
【0041】
以上のように本実施の形態によるプッシュオンスイッチは、可動接点26の外形が円形であるため、スイッチ組立工程において、スイッチケース21の円形凹部21A内に可動接点26を装着する際に可動接点26の向きを決める必要がないのでスイッチの組立作業性がよいものであり、また、スイッチ動作において、第一スイッチとしての動作時は軽い操作力で節度がなく、第二スイッチとしての動作時は節度を有するものであるが、可動接点26の円板部27の動きが安定していて、第二スイッチとしての動作時の節度が明確なものであると共に、スイッチ接点部等の防塵性が優れた信頼性の高いものである。
【0042】
そして、接続用端子24A,24Bおよび25A,25Bが突出している位置が、スイッチケース21の四角形の外形の対向した一組の外周側部で、スイッチケース21の中心に対して対称であるため、本プッシュオンスイッチを使用機器の配線基板に装着する際に、スイッチの方向が180°逆になってもよいのでスイッチの装着作業性が優れていると共に、実装機で挟持して自動実装することも可能なものである。
【0043】
なお、上記の四つの接続用端子24A,24Bおよび25A,25Bをスイッチケース21の四角形の外形の対向した一組の外周側部のみに配することができない小形のスイッチ等の場合には、図9のスイッチケースの上面図に示すように、スイッチケース32の四角形の外形の対向する二組の各辺に対して、一組の辺には中央固定接点33と導通した二つの接続用端子34A,34Bをそれぞれ設けると共に、他の一組の辺には二つの周辺固定接点35Aおよび35Bとそれぞれ導通した二つの接続用端子36Aおよび36Bを設けてもよいことは言うまでもない。
【0044】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態によるプッシュオンスイッチは、実施の形態1の項で説明した図1の外観斜視図と同じ外観であり、同図に示すX−X線における断面図を図10(a)に、同Y−Y線における断面図を図10(b)に示す。
【0045】
同図で明らかなように、本実施の形態によるプッシュオンスイッチは、実施の形態1によるものに対して弾性金属薄板をプレス加工して形成された可動接点を変更したものである。
【0046】
この可動接点37の形状は、図11(a)の平面図および同(b)の側面断面図に示すように、上方に球面状に湾曲した中央の円板部38とその外方に一定の間隔を空けて円板部38の外周とほぼ同一面となるように同心円状に配された円形リング部39を、中心に対して等分位置に配設された三つ以上の連結部40A,40B,40C,…で繋ぐと共に、円形リング部39の連結部40A,40B,40C,…を設けた位置の略中央の位置から下方に連結部と同数の突部41A,41B,41C,…を折り曲げ形成したものであり、ここでは、細巾の連結部が40A,40B,40Cの三つで、下方への突部も同数の41A,41B,41Cの三つである場合について説明する。
【0047】
そして、可動接点37の上記円板部38の外径は、スイッチケース21の円形凹部21Aの内底面21Bの二つの周辺固定接点23Aと23Bの中心間隔とほぼ同一の直径となっていると共に、円形リング部39の外周は円形凹部21Aの内周に係合するように設定されており、この可動接点37をスイッチケース21の円形凹部21A内に挿入し、図12のスイッチケース内に可動接点37を装着した状態の上面図に示すように、上記円形リング部39から下方に突出した三つの突部41A,41B,41Cが円形凹部21Aの内底面21B上に載ることによって、円板部38の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bの上方に所定の間隔を空けて位置するように配設されるものであり、この上方からスイッチケース21の上面開口部を塞ぐように上面開口部よりも大きな外形で弾性を有する絶縁フィルム製のシート31を被せると共に、その上方に開口部13Aを有する金属板製のカバー13を取付け、シート31の端部をスイッチケース21上面に設けた突起部21Cとの間に挟持させることによりプッシュスイッチとして完成することは実施の形態1の場合と同様である。
【0048】
次に、上記のプッシュオンスイッチが使用機器に装着されて、押圧操作される時の動作について説明すると、まず、図10(a)の状態に対して、押圧操作体14によりカバー13の開口部13Aからシート31を介して可動接点37の円板部38を押圧操作すると、図13の断面図に示すように、円板部38は球面状のままで、三つの連結部40A,40B,40Cおよび円形リング部39の連結部を設けた部分である三つの突部41A,41B,41Cの略中央部分が引っ張られて水平方向から下方に撓むことによって、円板部38はほぼ水平状態を保ちながら下方に下がり、その外周が周辺固定接点23Aおよび23Bに接触し、この二つの周辺固定接点23Aと23Bの間すなわち接続用端子25Aと25Bの間を短絡導通させて、第一スイッチとしてオン状態となる。
【0049】
そして、この状態から更に押圧操作体14により可動接点37の円板部38を押し下げると、今度は、円板部38が節度を伴いながら反転し、周辺固定接点23A,23Bに加えて中央固定接点22との間、すなわち接続用端子25Aと25Bに24A,24Bを加えた全端子の間を電気的に短絡導通させて、第二スイッチとしてオン状態になり、この後、押圧操作体14による押圧力を解除すると、まず第二スイッチがオフ状態の図13の状態に戻ることは実施の形態1の場合と同様であり、続いて三つの連結部40A,40B,40Cおよび円形リング部39の下方に撓んでいた部分が元の水平状態に戻ることにより、円板部38の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bから離れて図11(a)の第一スイッチもオフ状態に戻るものである。
【0050】
以上のように本実施の形態によるプッシュオンスイッチは、前記の実施の形態1によるものと同様に、第一スイッチとしての動作時は節度がなく、第二スイッチとしての動作時には節度を有するものであるが、可動接点37の高さすなわちスイッチ・オフ時の接点ギャップの変動が少なく、スイッチ動作が安定しているものである。
【0051】
なお、上記の可動接点37の円板部38と外方の円形リング部39を繋ぐ連結部40A,40B,…および円形リング部39の下方の突部41A,41B,…の数は、三つまたは四つとするのが一般的であるが、大形のスイッチ等で可動接点37の外径が大きい場合には、この数を六つまたは八つ等としてもよいことは勿論である。
【0052】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態によるプッシュオンスイッチも、実施の形態1の項で説明した図1の外観斜視図と同じ外観であり、同図に示すX−X線における断面図を図14(a)に、同Y−Y線における断面図を図14(b)に示す。
【0053】
同図で明らかなように、本実施の形態によるプッシュオンスイッチは、実施の形態1によるものに対して固定接点を設けたスイッチケースおよびスイッチケース内に装着する可動接点を変更したものである。
【0054】
すなわち、スイッチケース42は、上面開口の円形凹部42Aを備えた外形が四角形の樹脂製で、円形凹部42Aの内底面42Bに中央固定接点22およびこれから等距離の点対称位置の電気的に独立した二つの周辺固定接点23Aおよび23Bが露出するようにインサート成形固定されており、更に、四角形の外形の対向した一組の外周側部には、中央固定接点22と導通した二つの接続用端子24A,24Bがスイッチケース21の中心に対して対称な位置に一つずつ突出して設けられると共に、同じ一組の外周側部に、二つの周辺固定接点23Aおよび23Bとそれぞれ導通した接続用端子25Aおよび25Bが、スイッチケース21中心に対して対称な位置に一つずつ突出して設けられていることは、前記の実施の形態1の場合と同じであるが、スイッチケース42の円形凹部42Aの内周全体に亘って周辺固定接点23A,23Bよりも高い段部42Cが設けられている。
【0055】
また、弾性金属薄板をプレス加工して形成された可動接点43は、図15(a)の平面図および同(b)の側面断面図に示すように、上方に球面状に湾曲した中央の円板部44と、この外方に一定の間隔を空けて同心状に配され、中心に対して対称位置に一対で設けられて円板部44側が高くなるように傾斜した連結部45で円板部44と繋がれると共に、連結部45と直角な対向した二ヶ所の位置が頂点部46Bとなるように上方にV字状に湾曲した円形のリング部46により構成され、円板部44の外径は、スイッチケース42の円形凹部42Aの内底面42Bの二つの周辺固定接点23Aと23Bの中心間隔とほぼ同一の直径となっていると共に、円形リング部46の外周は円形凹部42Aの内周に係合するように設定されている。
【0056】
そして、このような可動接点43をスイッチケース42の円形凹部42A内に挿入して円形リング部46を円形凹部42A内周の段部42C上に載せることによって、円板部44の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bの上方に所定の間隔を空けて位置するように配設されるものであり、この上方からスイッチケース42の上面開口部を塞ぐように上面開口部よりも大きな外形で弾性を有する絶縁フィルム製のシート31を被せると共に、その上方に開口部13Aを有する金属板製のカバー13を取付け、シート31の端部をスイッチケース42上面に設けた突起部42Dとの間に挟持させることによりプッシュスイッチとして完成することは実施の形態1の場合と同様である。
【0057】
次に、上記のプッシュオンスイッチが使用機器に装着されて、押圧操作される時の動作について説明すると、まず、図14(a)の状態に対して、押圧操作体14によりカバー13の開口部13Aからシート31を介して可動接点43の円板部44を押圧操作すると、図16の断面図に示すように、円板部44は球面状のままで、連結部45の部分が軽い節度を伴って下向き状態に反転して円板部44が下方に下がり、その外周が周辺固定接点23Aおよび23Bに接触し、この二つの周辺固定接点23Aと23Bの間すなわち接続用端子25Aと25Bの間を短絡導通させて、第一スイッチとしてオン状態となる。
【0058】
そして、この状態から更に押圧操作体14により可動接点43の円板部44を押し下げると、今度は、円板部44が節度を伴いながら反転し、第二スイッチとしてオン状態になり、この後、押圧操作体14による押圧力を解除すると、まず第二スイッチがオフ状態の図16の状態に戻ることは実施の形態1の場合と同様であり、続いて連結部45が上方に傾斜した状態に戻ることにより、円板部44の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bから離れて図14(a)の第一スイッチもオフ状態に戻るものである。
【0059】
以上のように本実施の形態によるプッシュオンスイッチは、第1スイッチの動作時および第二スイッチの動作時共に節度を有するプッシュオンスイッチを実現できると共に、スイッチ・オフ状態における可動接点と固定接点の間のギャップが大きくて安定しているので、スイッチが誤動作し難いものである。
【0060】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態によるプッシュオンスイッチも、実施の形態1の項で説明した図1の外観斜視図と同じ外観であり、同図に示すX−X線における断面図を図17(a)に、同Y−Y線における断面図を図17(b)に示す。
【0061】
同図で明らかなように、本実施の形態によるプッシュオンスイッチは、実施の形態1によるものに対して弾性金属薄板をプレス加工して形成された可動接点を変更したものである。
【0062】
この可動接点47の形状は、図18(a)の平面図および同(b)の側面断面図に示すように、上方に球面状に湾曲した中央の円板部48と、この外方に一定の間隔を空けて同心状に配され、中心に対して対称位置に一対で設けられて円板部48側が高くなるように傾斜した連結部49で円板部48と繋がれると共に、連結部49と直角な対向した二ヶ所の位置が頂点部50Bとなるように上方にV字状に湾曲した円形のリング部50により構成され、円形リング部50の二つの連結部49とV字状湾曲の二つの頂点部50Bの中間の位置から四つの突部51A,51B,51C,51Dが下方に突出しているものであり、円板部48の外径は、スイッチケース21の円形凹部21Aの内底面21Bの二つの周辺固定接点23A,23Bの中心間隔とほぼ同一の直径となっていると共に、円形リング部50の外周は円形凹部42Aの内周に係合するように設定されている。
【0063】
そして、このような可動接点47をスイッチケース21の円形凹部21A内に挿入し、円形リング部50の下方に突出した四つの突部51A,51B,51C,51Dをスイッチケース21の円形凹部21Aの内底面21B上に載せることによって、円板部48の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bの上方に所定の間隔を空けて位置するように配設され、この上方からスイッチケース21の上面開口部を塞ぐように上面開口部よりも大きな外形で弾性を有する絶縁フィルム製のシート31を被せると共に、その上方に開口部13Aを有する金属板製のカバー13を取付け、シート31の端部をスイッチケース21上面に設けた突起部21Cとの間に挟持させることによりプッシュスイッチとして完成することは実施の形態1の場合と同様である。
【0064】
次に、上記のプッシュオンスイッチが使用機器に装着されて、押圧操作される時の動作について説明すると、まず、図17(a)の状態に対して、押圧操作体14によりカバー13の開口部13Aからシート31を介して可動接点47の円板部48を押圧操作すると、図19の断面図に示すように、円板部48は球面状のままで、円形リング部50の下面の四つの突部51A,51B,51C,51Dを支点として円形リング部50との連結部49の部分が明確な節度を伴いながら下向き状態に反転して円板部48が下方に下がり、その外周が周辺固定接点23Aおよび23Bに接触し、この二つの周辺固定接点23Aと23Bの間すなわち接続用端子25Aと25Bの間を短絡導通させて、第一スイッチとしてオン状態となる。
【0065】
そして、この状態から更に押圧操作体14により可動接点47の円板部48を押し下げると、今度は、円板部48が節度を伴いながら反転し、第二スイッチとしてオン状態になり、この後、押圧操作体14による押圧力を解除すると、まず第二スイッチがオフ状態の図19の状態に戻ることは実施の形態1の場合と同様であり、続いて連結部49が節度を伴いながら上方に傾斜した状態に戻ることにより、円板部48の外周が二つの周辺固定接点23A,23Bから離れて図17(a)の第一スイッチもオフ状態に戻るものである。
【0066】
以上のように本実施の形態によるプッシュオンスイッチは、第1スイッチの動作時および第二スイッチの動作時共に、明確な節度を有するプッシュオンスイッチを実現できるものである。
【0067】
なお、上記の説明においては、スイッチケース21の形状は、実施の形態1の場合と同様の円形凹部21Aの内周に段部を有しないものとしたが、これを上記の実施の形態3で説明したスイッチケース42のように、円形凹部42Aの内周全体に亘って段部42Cを設けた形状とし、可動接点47をこの段部42C上に載せることによって、スイッチ・オフ状態における可動接点と固定接点の間のギャップを大きく安定したものとできることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、スイッチの組立工程においてスイッチケースの円形凹部内に可動接点を装着する際に、可動接点の向きを決める必要がないので組立作業効率が良く、しかも動作の安定した二段動作のプッシュオンスイッチを提供することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプッシュオンスイッチの外観斜視図
【図2】(a)同図1のX−X線における断面図
(b)同Y−Y線における断面図
【図3】同スイッチケースの上面図
【図4】(a)同可動接点の平面図
(b)同側面断面図
【図5】同スイッチケース内に可動接点を装着した状態の平面図
【図6】同スイッチケース内に可動接点を向きを変えて装着した場合の図1のX−X線における断面図
【図7】同第一スイッチの動作状態を説明する図1のX−X線における断面図
【図8】同第二スイッチの動作状態を説明する図1のX−X線における断面図
【図9】同スイッチケースの接続用端子の位置を変えた場合の上面図
【図10】(a)本発明の第2の実施の形態によるプッシュオンスイッチの図1のX−X線における断面図
(b)同Y−Y線における断面図
【図11】(a)同可動接点の平面図
(b)同側面断面図
【図12】同スイッチケース内に可動接点を装着した状態の平面図
【図13】同第一スイッチの動作状態を説明する図1のX−X線における断面図
【図14】(a)本発明の第3の実施の形態によるプッシュオンスイッチの図1のX−X線における断面図
(b)同Y−Y線における断面図
【図15】(a)同可動接点の平面図
(b)同側面断面図
【図16】同第一スイッチの動作状態を説明する図1のX−X線における断面図
【図17】(a)本発明の第4の実施の形態によるプッシュオンスイッチの図1のX−X線における断面図
(b)同Y−Y線における断面図
【図18】(a)同可動接点の平面図
(b)同側面断面図
【図19】同第一スイッチの動作状態を説明する図1のX−X線における断面図
【図20】従来のプッシュオンスイッチの外観斜視図
【図21】(a)同図20のX−X線における断面図
(b)同Y−Y線における断面図
【図22】同スイッチケースの上面図
【図23】(a)同可動接点の平面図
(b)同側面図
【図24】同スイッチケース内に可動接点を装着した状態の平面図
【図25】(a)同第一スイッチの動作状態を説明する図23のX−X線における断面図
(b)同Y−Y線における断面図
【図26】(a)同第二スイッチの動作状態を説明する図23のX−X線における断面図
(b)同Y−Y線における断面図
【符号の説明】
13 カバー
13A 開口部
14 押圧操作体
21,32,42 スイッチケース
21A,42A 円形凹部
21B,42B 内底面
21C,42D 突起部
22,33 中央固定接点
23A,23B,35A,35B 周辺固定接点
24A,24B,25A,25B,34A,34B,36A,36B 接続用端子
26,37,43,47 可動接点
27,38,44,48 円板部
27A 中心部
28,39,46,50 円形リング部
29,40A,40B,40C…,45,49 連結部
30 直線
31 シート
41A,41B,41C…,51A,51B,51C,51D 突部
42C 段部
46B,50B 頂点部
Claims (2)
- 上面開口の円形凹部の内底面に、中央固定接点およびこれから等距離の点対称位置に電気的に独立して配された二つの周辺固定接点を備え、各固定接点と導通した接続用端子を外周側部に有する絶縁樹脂製のスイッチケースと、上記二つの周辺固定接点の中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部およびその外方に一定の間隔を空けて可撓性を有する細巾の連結部で同心円状に繋がれた円形リング部からなり、円板部の外周が上記周辺固定接点の上方に所定の間隔を空けて位置するように、円形リング部の外周がスイッチケースの円形凹部の内周に係合した弾性金属薄板製の可動接点と、スイッチケースの円形凹部の上面開口部を覆う弾性を有する絶縁フィルム製のシートからなるプッシュオンスイッチであって、上記可動接点が、その円板部の外周と円形リング部がほぼ同一面となるように、中心に対して等分位置に配された三つ以上の細巾の上記連結部で繋がれると共に、上記円形リング部の上記連結部を設けた位置の略中央位置から上記連結部と同数の突部が下方に突出して設けられているものとされ、上記スイッチケースの円形凹部の内底面上に上記突部が載せられて上記可動接点が配されたことを特徴とするプッシュオンスイッチ。
- 上面開口の円形凹部の内底面に、中央固定接点およびこれから等距離の点対称位置に電気的に独立して配された二つの周辺固定接点を備え、各固定接点と導通した接続用端子を外周側部に有する絶縁樹脂製のスイッチケースと、上記二つの周辺固定接点の中心間隔とほぼ同一の直径で上方に球面状に湾曲した円板部およびその外方に一定の間隔を空けて可撓性を有する細巾の連結部で同心円状に繋がれた円形リング部からなり、円板部の外周が上記周辺固定接点の上方に所定の間隔を空けて位置するように、円形リング部の外周がスイッチケースの円形凹部の内周に係合した弾性金属薄板製の可動接点と、スイッチケースの円形凹部の上面開口部を覆う弾性を有する絶縁フィルム製のシートからなるプッシュオンスイッチであって、上記可動接点が、その円板部と円形リング部が、中心に対して対称位置に配され上記円板部側が少し高くなるように傾斜した二つの上記連結部で繋がれ、上記円形リング部が上記連結部と直角な二ヶ所の位置が頂点部となるように上方にV字状に湾曲し、上記二つの連結部と上記V字状湾曲の二つの頂点部の中間の位置から下方に突出した四つの突部が設けられたものとされ、上記スイッチケースの円形凹部の内底面上に上記突部が載せられて上記可動接点が配されたことを特徴とするプッシュオンスイッチ。
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