JP4020579B2 - 電池ブロック、組電池及び組電池の固定構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池を複数個並べて配置する電池ブロックや、電池ブロックを複数ブロック並べて配置する組電池、さらに組電池を電源として駆動する機器の本体筐体への組電池の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータや携帯電話等の各種電気機器の電源として二次電池が用いられているが、このような機器の小型軽量化に伴って、電源として使用される二次電池の薄型化や軽量化が求められている。
【0003】
そこで、近年では、薄型で軽量なポリマー電池が用いられるようになってきている。このポリマー電池は、図1に示すように、外装体として樹脂や金属等をラミネートしたシート状材料を用いており、従来のリチウムイオン電池等のように金属製の外装缶を用いないため、薄型で軽量化を図ることができる。
【0004】
また、このポリマー電池の外装体は、内部に電極体や電解質等の発電要素を包み込んだシート状材料を折り曲げ、突き合わされた縁部を溶着することによって封止する構造になっている。このように一枚のシートを折り曲げて封止する構造のため、電池の電極を取り出した正極端子片と負極端子片とが薄い金属板で形成され、各々正極端子片と負極端子片とは、ポリマー電池本体の一面から同じ方向に突出するように形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなポリマー電池を複数個接続してブロック化し、機器の電源として使用する場合、ポリマー電池を積み重ねて配置するよりも、同一平面上に並べて配置することが望ましい。同一平面上に並べて配置すると、ブロック全体の厚みは個々のポリマー電池の厚みと同一となって、薄型のポリマー電池の特徴を生かすことができるからである。
【0006】
しかしながら、ポリマー電池は、前述の通り、各々の正極端子片と負極端子片とがポリマー電池本体の一面から同じ方向に突出するように形成されているため、複数個接続してブロック化する際、各ポリマー電池間や、ポリマー電池の充放電を制御する保護回路を実装したプリント基板との接続用リード板の配線が困難になる問題がある。特に、正極端子片と負極端子片とが同一面から同じ方向に近接して突出しているために、例えば、複数個の電池を並列接続する場合に、正極と負極とが接触してしまう問題があったり、また、各電池を同一平面で行と列方向にマトリックス状に配置する場合に、プリント基板との接続の際に配線の取り廻しが困難になる問題がある。
【0007】
従って、この発明は、例えばポリマー電池のような、正極端子片と負極端子片とが電池本体の一面から同じ方向に突出するよう形成された電池を複数個設ける場合に、コンパクトにしながら、接続用リード板の取り廻しが容易でショート等の心配もない組電池を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するために、電池ブロックとして、正極端子片と負極端子片とを各々同一方向に突出させた複数個の電池と、各電池の正極端子片同士を連結する接続用リード板と、負極端子片同士を連結する接続用リード板とを備え、前記複数個の電池が前記端子片の突出方向と直交する方向に並べて配置されることによって、各電池の端子片が互いに平行に配置されて、各接続用リード板が、前記端子片の突出方向と直交する方向に一直線状に配置される。
【0009】
また、各接続用リード板が、各々異なる絶縁シートに被覆され、各絶縁シートが各接続用リード板を露出する導体露出部を形成しており、露出した接続用リード板と各端子片とが電気接続され、各絶縁シートが重ねて配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、突出長さが異なる正極端子片と負極端子片とを各々同一方向に突出させた複数個の電池と、各電池の正極端子片同士を連結する接続用リード板と、負極端子片同士を連結する接続用リード板とを備え、前記複数個の電池が前記端子片の突出方向と直交する方向に並べて配置されることによって、各電池の端子片が互いに平行に配置されて、各接続用リード板が、前記端子片の突出方向と直交する方向に一直線状に配置される。
【0011】
また、各接続用リード板が、絶縁シートに一体に被覆され、絶縁シートが各接続用リード板を露出する導体露出部を形成しており、露出した接続用リード板と各端子片とが電気接続され、突出長さの長い方の端子片が、絶縁シートを介して短い方の端子片と接続された接続リード板を横切って配置されていることを特徴とする。
【0012】
一方、本発明の組電池として、請求項1または2記載の電池ブロックを複数ブロック並べて、各電池ブロックと隣接してプリント基板を配置し、各電池ブロックの接続用リード板の先端を絶縁シートから露出して、接続用リード板の各先端と前記プリント基板とが連結されていることを特徴とする。
【0013】
そして、前記組電池を電源として駆動する機器の本体筐体に対して、両面テープを用いて組電池を固定したことを特徴とする。
【0014】
また、前記組電池を電源として駆動する機器の本体筐体に位置決め突起を形成して前記組電池を本体筐体に固定したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づき説明する。本発明は、ポリマー電池1を複数個連結して電池ブロック2とし、さらに、電池ブロック2を複数ブロック連結して組電池3としている。
【0016】
ポリマー電池1は、前述の通り、外装体として樹脂や金属等をラミネートしたシート状材料を用いており、従来のリチウムイオン電池等のように金属製の外装缶を用いないため、薄型で軽量化を図ることができる。また、このポリマー電池1の外装体は、内部に電極体や電解質等の発電要素を包み込んだシート状材料を折り曲げ、突き合わされた縁部を溶着することによって封止する構造になっている。このように一枚のシートを折り曲げて封止する構造のため、電池の電極を取り出した正極端子片11と負極端子片12とが薄い金属板で形成され、各々正極端子片11と負極端子片12とは、ポリマー電池1本体の一面から同じ方向に突出するように形成されている。
【0017】
また、図1では、正極端子片11は負極端子片12よりも長く形成されている。このように正極端子片11と負極端子片12との長さを異ならせることによって、正極と負極とを識別して容易に認識することができる。また、正極端子片11はアルミニウム、負極端子片12はニッケルの板状に形成されており、素材の光沢や強度等の違いによっても識別することができる。尚、正極端子片と負極端子片との長さは同じ長さにしてもよく、その場合は、各端子片を同時に裁断することができるので、製造工程を少なくすることができる。
【0018】
次に、図2及び図3は前記ポリマー電池1を複数個連結した電池ブロックを示している。図2に示す電池ブロック2は、薄い略直方体状に形成されたポリマー電池1を側面の短手方向で、前記正極端子片11及び負極端子片12の突出方向と直交する方向に4個並べている。このため、電池ブロック2全体の厚みは個々のポリマー電池1の厚みと同じで非常に薄く形成されている。
【0019】
電池ブロック2は、4個のポリマー電池1を並列に接続している。このため、細い接続用リード板21を2枚用いて、個々のポリマー電池1の正極端子片11同士、及び負極端子片12同士を互いに電気接続している。そして、2枚の接続用リード板21は一直線状に形成されて、各端子片11、12と直交する方向に互いに平行に並べられている。従って、各電池1をコンパクトで容易に接続でき、接続用リード板21によって、簡単に電池1の出力を取り出すことができる。
【0020】
絶縁シート22は、接続用リード板21を被覆されている。絶縁シート22は上下2枚の間に接続用リード板21を挟んで熱溶着等によりラミネートして一体化されている。図2に示す絶縁シート22は、平行に並べた2枚の接続用リード板21を一体的に被覆しており、一方、図3に示す絶縁シート22は、各接続用リード21を別々にして各々被覆している。図3のように別々に被覆することで、各接続用リード板21を上下に重ねて配置することができるから、その分だけさらに小型化することができる。
【0021】
絶縁シート22は、接続用リード板21と各端子片11、12とが接続される領域において、接続用リード板21が露出する導体露出部23を形成し、露出した接続用リード板21と各端子片11、12とがスポット溶接されることで電気接続される。
【0022】
このように、絶縁シート22は接続用リード板21を被覆して、端子片同士や、2枚の接続用リード板21間のショート等を防止することができる。また、接続用リード板21の先端は絶縁シート22から露出して、電池ブロック2としての出力を取り出すことができるようになっている。
【0023】
次に、図4は前記電池ブロック2を複数ブロック組み合わせて組電池3とし、使用される機器の本体筐体4に装着された状態を示している。また、図5は組電池のブロック回路図を示している。図4に示す組電池3は、電池ブロック2を3ブロック並べて配置し、且つポリマー電池1の充放電を制御する保護回路を実装したプリント基板31を有している。各電池ブロック2は電池1の長手方向に3列並べられて、ちょうど12個の電池が4行3列のマトリックス状に配置されるようになっている。そして、プリント基板31は細長い略長方形に形成されて、3列の各電池ブロック2と隣接して配置されている。
【0024】
また、電池ブロック2に設けられた前記接続用リード板21の先端はプリント基板31の導電パターンに接続されることによって各電池ブロック2が直列に接続され、その結果、各ポリマー電池1は4個の並列接続のブロックを3ブロック直列接続される。尚、各ブロックを並列に接続して、12個の電池1を全て並列に接続することもできる。このように、組電池3は各電池ブロック2を並行に並べて隣接したプリント基板31にコンパクトに接続することができ、リード板の取り廻しを極めて簡単に行うことができる。
【0025】
このようにして組み立てられた組電池3は、使用される機器の本体筐体4に装着される。図4における機器はパーソナルコンピュータで、その本体筐体4の内壁に直接組電池3が両面テープで貼り付けられる。また、本体筐体4には組電池3の位置決め用突起41が形成されており、組電池3を定位置に位置決めすることができる。このように組電池3は薄型のポリマー電池1を同一平面に並べたものであるから、全体として薄型で、また、組電池3を機器の大型化を招かないようになっている。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、複数個の電池を組み合わせて電池ブロックを構成する場合に、各電池をコンパクトにまとめて、電池間を容易に電気接続することができると共に、電池ブロック全体の出力についても簡単に取り出すことができる。また、各電池の端子片同士を接続する接続用リード板を絶縁シートで被覆しているので、接続用リード板や端子片間でのショートを防止することができる。さらに、複数の電池ブロックと各電池ブロックと隣接配置されるプリント基板とを備えて組電池を構成し、各電池ブロックの接続用リード板を隣接するプリント基板に接続しているから、簡単に電池とプリント基板とを接続することができて、リード板等の配線の取り廻しが容易に行える。また、この組電池を使用される機器の本体筐体に装着する際にも、便利で手軽に位置決め固定することができ、且つ、同一平面上にマトリックス状に各電池が配置されているので、組電池全体としても薄型に形成することができ、例えばポリマー電池のような薄型の電池を用いた場合、薄型電池の特徴をそのまま生かすことができて、装着する機器の大型化を招いてしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマー電池の外観斜視図
【図2】電池ブロックの外観斜視図
【図3】電池ブロックの外観斜視図
【図4】組電池を機器本体に装着した状態の外観斜視図
【図5】組電池のブロック回路図
【符号の説明】
1 ポリマー電池
11 正極端子片
12 負極端子片
2 電池ブロック
21 接続用リード板
22 絶縁シート
23 導体露出部
3 組電池
31 プリント基板
4 本体筐体
41 位置決め用突起
Claims (5)
- 正極端子片と負極端子片とを各々同一方向に突出させた複数個の電池と、各電池の正極端子片同士を連結する接続用リード板と、負極端子片同士を連結する接続用リード板とを備え、前記複数個の電池が前記端子片の突出方向と直交する方向に並べて配置されることによって、各電池の端子片が互いに平行に配置されて、各接続用リード板が、前記端子片の突出方向と直交する方向に一直線状に配置されると共に、各々異なる絶縁シートに被覆され、各絶縁シートが各接続用リード板を露出する導体露出部を形成しており、露出した接続用リード板と各端子片とが電気接続され、各絶縁シートが重ねて配置されたことを特徴とする電池ブロック。
- 突出長さが異なる正極端子片と負極端子片とを各々同一方向に突出させた複数個の電池と、各電池の正極端子片同士を連結する接続用リード板と、負極端子片同士を連結する接続用リード板とを備え、前記複数個の電池が前記端子片の突出方向と直交する方向に並べて配置されることによって、各電池の端子片が互いに平行に配置されて、各接続用リード板が、前記端子片の突出方向と直交する方向に一直線状に配置されると共に、絶縁シートに一体に被覆され、絶縁シートが各接続用リード板を露出する導体露出部を形成しており、露出した接続用リード板と各端子片とが電気接続され、突出長さの長い方の端子片が、絶縁シートを介して短い方の端子片と接続された接続リード板を横切って配置されていることを特徴とする電池ブロック。
- 請求項1または2記載の電池ブロックを複数ブロック並べて、各電池ブロックと隣接してプリント基板を配置し、各電池ブロックの接続用リード板の先端を絶縁シートから露出して、接続用リード板の各先端と前記プリント基板とが連結されていることを特徴とする組電池。
- 前記組電池を電源として駆動する機器の本体筐体に対して、両面テープを用いて組電池を固定したことを特徴とする請求項3記載の組電池の固定構造。
- 前記組電池を電源として駆動する機器の本体筐体に位置決め突起を形成して前記組電池を本体筐体に固定したことを特徴とする請求項3記載の組電池の固定構造。
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