JP4014142B2 - 光分解性シランカップリング剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光分解性シランカップリング剤に係り、詳しくは、光分解性保護基で官能基を保護したシラン化合物を含有する光分解性シランカップリング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、官能基としてアミノ基を有するシラン化合物は、シリカゲルやシリコンウェハ等の無機材料の表面にアミノ基を導入する化合物として広く用いられている。導入されたアミノ基の高い反応性を利用して、例えば、DNAやたんぱく質等の生体物質を固定して複合材料を形成し、これを用いた細胞の吸着等の生化学的現象の調査や、新しいタイプのバイオセンサーとしての応用研究がなされている。従来より知られているアミノ基を有するシラン化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−〔ビス(β−ヒドロキシエチル)〕−アミノプロピルトリエトキシシラン、(2―アミノエチル)アミノプロピルトリアルコシキシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトシキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトシキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトシキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトシキシシラン等を挙げることができる。
【0003】
また、生体物質を基材上の特定の位置に固定する方法の一つとして、例えば、光化学反応を利用するものがあり、従来よりこれに用いるアミノ基を有するシラン化合物として、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン等が知られている。これらアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン等を用いた生体物質の固定方法においては、あらかじめ導入したアミノ基に光感受性の構造を有する分子を反応させなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、すでにカルボキシ基をo−ニトロベンジルエステルで保護した下記一般式〔20〕で表されるシラン化合物の合成に成功し、これを用いて、光照射によるシリカゲル表面へのカルボキシ基の導入(Chem.Lett.2000,228-229)に成功し、さらにシリコンウェハ上へのカルボキシ基の導入とそのパターンニングに成功した。
【0005】
【化15】
【0006】
ところで、アミノ基を有するシラン化合物は上述のように有用であり、カルボキシ基の代わりにアミノ基を保護基で保護したシラン化合物が望まれるが、例えば沸点が高いために上記一般式〔20〕で表されるシラン化合物のように減圧蒸留による単離は困難であり、シリル基の部分がシリカゲルと反応するためシリカゲルカラムによる分離も困難であった。
【0007】
しかしながら、昨年メトキシシリル基を含むある種のシラン化合物が、溶出溶媒にテトラメトキシシランを添加したシリカゲルカラムにより単離可能であることが報告された(Y.Barness,O.Gershevitz,M.Serkar,andC.N.Sukenik, Langmuir, 16, 247-251、 2000)。本発明者は、上記報告に着目し、溶出溶媒にテトラメトキシシランを添加したシリカゲルカラムを用いると、新規なシラン化合物の合成が可能になると考えた。本発明の課題は、アミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有するシラン化合物を含有する新規な光分解性シランカップリング剤、アミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有する新規なシラン化合物、並びにアミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有するシラン化合物を含有する新規な光分解性シランカップリング剤によって処理された基材及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有するシラン化合物の有用性、及び従来のシランカップリング剤(シラン化合物)の問題点を鋭意検討し、保護基によってアミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基が保護されたシラン化合物の有用性に着目してその合成を試みた結果、例えば、テトラメトキシシラン添加のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる分離精製法を用いることによって、従来合成が困難であった光分解性の化合物(例えば、2−ニトロベンジル誘導体)で保護したアミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有するシラン化合物の合成に成功し、かかる光分解性の化合物で保護したアミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有するシラン化合物が、生体物質の固定等に有用なシランカップリング剤となることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、一般式〔4〕又は一般式〔6〕で表されるシラン化合物を含有することを特徴とする光分解性シランカップリング剤(請求項1)に関する。
【0022】
また本発明は、請求項1に記載の光分解性シランカップリング剤を基材にコーティングし、該シランカップリング剤中のシラン化合物を基材にカップリングすることを特徴とする表面修飾カップリング基材の製造方法(請求項2)や、基材が、前処理が施された基材であることを特徴とする請求項2に記載の表面修飾カップリング基材の製造方法(請求項3)や、請求項1に記載の光分解性シランカップリング剤を基材にコーティングし、シランカップリング剤中のシラン化合物を前記基材にカップリングして表面修飾カップリング基材を調製し、前記表面修飾カップリング基材の表面の全部又は一部に光を照射し、光照射部分の光分解性保護基を離脱してスルホ基又はチオール基を露出させ、基材表面にスルホ基又はチオール基を形成させることを特徴とする官能基露出カップリング基材の製造方法(請求項4)や、基材が、前処理が施された基材であることを特徴とする請求項4に記載の官能基露出カップリング基材の製造方法(請求項5)や、光が、紫外線であることを特徴とする請求項4又は5に記載の官能基露出カップリング基材の製造方法(請求項6)や、請求項1に記載の光分解性シランカップリング剤を基材にコーティングし、シランカップリング剤中のシラン化合物を前記基材にカップリングして表面修飾カップリング基材を調製し、前記表面修飾カップリング基材の表面の全部又は一部に光を照射し、光照射部分の光分解性保護基を離脱してスルホ基又はチオール基を露出させ、基材表面に形成されたスルホ基又はチオール基に化学修飾を施すことを特徴とする化学修飾カップリング基材の製造方法(請求項7)や、基材が、前処理が施された基材であることを特徴とする請求項7に記載の化学修飾カップリング基材の製造方法(請求項8)や、光が、紫外線であることを特徴とする請求項7又は8に記載の化学修飾カップリング基材の製造方法(請求項9)や、化学修飾が、核酸、糖、タンパク質等の生体物質を用いて行われることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の化学修飾カップリング基材の製造方法(請求項10)に関する。
【0023】
さらに本発明は、一般式〔4〕又は一般式〔6〕で表されることを特徴とするシラン化合物(請求項11)に関する。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の光分解性シランカップリング剤としては、光分解性保護基で、アミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基(以下、これらの基をまとめて官能基と称す場合がある。)を保護したシラン化合物を含有するものであれば特に制限されるものではないが、上記シラン化合物としては、下記一般式〔1〕〜〔6〕及び一般式〔9〕〜〔11〕で表される化合物であることが好ましい。
【0041】
【化30】
【0042】
一般式〔1〕中、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Xで表されるアルコキシ基としては、炭素数は特に制限されるものではないが、炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポシキ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等を挙げることができ、これらの中でもメトキシ基、エトキシ基が特に好ましく、また、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等を挙げることができるが、Xはハロゲン原子であるよりもアルコキシ基であることが好ましい。
【0043】
一般式〔1〕中、R1はアルキル基を表す。R1で表されるアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよく、また不飽和結合を有していてもよく、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基や、ホルミル基、アセチル基等のアシル基などの置換基を有していてもよい。上記アルキル基としては、炭素数は特に制限されるものではないが、炭素数1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基や、ビニル基、アリル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘプチニル基等のアルケニル基や、プロパルギル基等のアルキニル基等を具体的に挙げることができ、これらの中でも特にメチル基を好適なものとして挙げることができる。
【0044】
一般式〔1〕中、mは1〜3の整数を表し(カップリング剤に含有する場合)、無機材料等の表面への導入が容易となる点からその数が大きいほど好ましい。また、一般式〔1〕中、nは整数を表し、出発原料の入手の容易さの点から、1〜20の整数であることが好ましく、2〜15の整数であることがより好ましい。
【0045】
一般式〔1〕中、Yは光分解性保護基を表す。光分解性保護基は、光照射により離脱する任意の基をいい、例えば、2−ニトロベンジル誘導体骨格を有する基、ジメトキシベンゾイン基、2−ニトロピペロニルオキシカルボニル(NPOC)基、2−ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)基、α−メチル−2−ニトロピペロニルオキシカルボニル(MeNPOC)基、α−メチル−2−ニトロベラトリルオキシカルボニル(MeNVOC)基、2,6−ジニトロベンジルオキシカルボニル(DNBOC)基、α−メチル−2,6−ジニトロベンジルオキシカルボニル(MeDNBOC)基、1−(2−ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(NPEOC)基、1−メチル−1−(2−ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(MeNPEOC)基、9−アントラセニルメチルオキシカルボニル(ANMOC)基、1−ピレニルメチルオキシカルボニル(PYMOC)基、3′−メトキシベンゾイニルオキシカルボニル(MBOC)基、3′,5′−ジメトキシベンゾイルオキシカルボニル(DMBOC)基、7−ニトロインドリニルオキシカルボニル(NIOC)基、5,7−ジニトロインドリニルオキシカルボニル(DNIOC)基、2−アントラキノニルメチルオキシカルボニル(AQMOC)基、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、5−ブロモ−7−ニトロインドリニルオシキカルボニル(BNIOC)基等を挙げることができるが、下記一般式〔2〕で表されるシラン化合物におけるように、2−ニトロベンジル誘導体骨格を有する基が特に好ましい。
【0046】
【化31】
【0047】
上記一般式〔1〕で表されるシラン化合物の中でも、上記一般式〔2〕で表されるシラン化合物が好ましく、かかる一般式〔2〕中、R2は水素原子又はアルキル基を表し、R2で表されるアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよく、また不飽和結合を有していてもよく、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基や、ホルミル基、アセチル基等のアシル基などの置換基を有していてもよい。上記アルキル基としては、炭素数が制限されるものではないが、炭素数1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基や、ビニル基、アリル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘプチニル基等のアルケニル基や、プロパルギル基等のアルキニル基等を具体的に挙げることができ、これらの中でも特にメチル基を好適なものとして挙げることができる。
【0048】
一般式〔2〕中、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子又はアルコキシ基を表す。すなわち、R3及びR4は同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよいが、同一の基であることが好ましく、カップリングを行う場合に長波長の光で保護基を除去することが可能であることから、アルコキシ基であることが好ましい。R3及びR4で表されるアルコキシ基としては、炭素数は特に制限されるものではないが、炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポシキ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられるが、これらの中でもメトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
【0049】
【化32】
【0050】
一般式〔3〕中、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Yは光分解性保護基を表し、R1はアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表し(カップリング剤に含有する場合)、nは整数を表す。
一般式〔3〕におけるX、Y、R1については、一般式〔1〕におけるX、Y、R1と同様である。一般式〔3〕におけるm、nについても、一般式〔1〕におけるm、nと同様である。
【0051】
【化33】
【0052】
上記一般式〔3〕で表されるシラン化合物の中でも、上記一般式〔4〕で表されるシラン化合物が好ましく、かかる一般式〔4〕中、R2は水素原子又はアルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子又はアルコキシ基を表す。一般式〔4〕におけるR2、R3、R4については、一般式〔2〕におけるR2、R3、R4と同様である。
【0053】
【化34】
【0054】
一般式〔5〕中、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Yは光分解性保護基を表し、R1はアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表し(カップリング剤に含有する場合)、nは整数を表す。
一般式〔5〕におけるX、Y、R1については、一般式〔1〕におけるX、Y、R1と同様である。一般式〔5〕におけるm、nについても、一般式〔1〕におけるm、nと同様である。
【0055】
【化35】
【0056】
上記一般式〔5〕で表されるシラン化合物の中でも、上記一般式〔6〕で表されるシラン化合物が好ましく、かかる一般式〔6〕中、R2は水素原子又はアルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子又はアルコキシ基を表す。一般式〔6〕におけるR2、R3、R4については、一般式〔2〕におけるR2、R3、R4と同様である。
【0057】
【化36】
【0058】
一般式〔9〕中、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Yは光分解性保護基を表し、WはY又は水素原子を表し、R1はアルキル基を表す。mは1〜3の整数を表し(カップリング剤に含有する場合)、nは整数を表し、lは0又は1を表す。
一般式〔9〕におけるX、Y、R1については、一般式〔1〕におけるX、Y、R1と同様である。一般式〔9〕におけるm、nについても、一般式〔1〕におけるm、nと同様である。
【0059】
【化37】
【0060】
上記一般式〔9〕で表されるシラン化合物の中でも、上記一般式〔10〕又は一般式〔11〕で表されるシラン化合物が好ましく、かかる一般式〔10〕及び〔11〕中、R2は水素原子又はアルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子又はアルコキシ基を表す。一般式〔10〕及び〔11〕におけるR2、R3、R4については、一般式〔2〕におけるR2、R3、R4と同様である。
【0061】
本発明のシラン化合物としては、光分解性保護基で、アミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基が保護されたシラン化合物であれば特に制限されるものではなく、上記一般式〔1〕〜〔6〕及び一般式〔9〕〜〔11〕で表されるシラン化合物(mが0の場合も含む)が好ましい。特に一般式〔2〕、一般式〔4〕、一般式〔6〕、一般式〔10〕及び一般式〔11〕で表されるシラン化合物が好ましく、これらの中でもmが1〜3の整数である化合物が好ましく、具体的には1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例1)、1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例2)、1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(メチルジエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例3)、1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例4)、1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(11−トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例5)、2−ニトロベンジル−4−(トリメトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例6)、2−ニトロベンジル−4−(トリエトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例7)、2−ニトロベンジル−3−(トリメトキシシリル)プロピルスルフィド(具体例8)等を挙げることができる。なお、本発明のシラン化合物は、シランカップリング剤としての用途のみならず、例えば、高分子化合物に混合して結合剤として使用することができる。
【0062】
【化38】
【0063】
本発明のシランカップリング剤は、上記のように1分子中に有機ポリマーに対して親和性、反応性を有する有機官能基と、無機、金属系材料に対して親和性、反応性を有する加水分解性シリル基を有するシラン化合物を溶媒に混合し、有機ポリマーと無機又は金属材料の接する界面における接着改良適正を示す接着改良剤とすることができる。本発明の光分解性シランカップリング剤の溶媒としては、ベンゼン、ヘキサン、酢酸エチル、エチルアセテート、メタノール、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン等が挙げられ、この中でもベンゼンが好ましく、脱水処理したものを用いることが特に好ましい。
【0064】
本発明の光分解性シランカップリング剤は、光分解性の保護基でアミノ基を保護したものであり、使い勝手がよく、例えば、光分解性保護基で保護されたアミノ基を基材表面に形成し、基材表面に紫外線を照射し、保護基をはずしてアミノ基を露出させ、DNAプローブを結合させたDNAチップを製造することが可能となる。
【0065】
上記シラン化合物の製造においては、溶出溶媒にテトラメトキシシランを添加したシリカゲルカラムにより単離する方法を好適に例示することができる。上記溶出溶媒としては、ヘキサン、エチルアセテート、メタノール、クロロホルム、ジクロロメタン等を用いることができ、ヘキサン、エチルアセテートが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記テトラメトキシシランの添加量としては、前記溶出溶媒に対して0.1〜3.0vol%であることが好ましく、0.2〜2.0vol%であることがより好ましく、0.3〜1.5vol%であることがさらに好ましい。テトラメトキシシランを上記範囲で添加することにより、シラン化合物を効率よく分離することができる。
【0066】
以下、上記光分解性カップリング剤を用いた、シリカゲル、シリコンウェハ、ガラス等の無機材料からなる基材の化学修飾の処理方法の一例を図面を参照して説明する。なお、前記基材としては、無機材料のほかに表面にヒドロキシ基を有する有機材料であってもよい。また、基材の形状は特に制限されるものではなく、シート状、ハニカム状、ファイバー状、ビーズ状、発泡状やそれらが集積したもの等であってもよい。図1は本発明の光分解性カップリング剤を用いた化学修飾処理過程の説明図であり、図2は前処理の説明図であり、図3は表面処理の説明図であり、図4は光照射による保護基離脱の説明図であり、図5は化学修飾の説明図である。
図1に示すように、処理は、必要に応じて基材の前処理が行われ、続いて表面修飾、光照射、化学修飾が順に行われる。以下、各工程について説明する。
【0067】
図2に示すように、前処理は、酸性溶液を基材表面にコーティングすることにより行う。酸性溶液としては、硫酸、塩酸、硝酸、過酸化水素等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよいが、硫酸及び過酸化水素の併用が好ましく、シリコンウェハの前処理には特に硫酸及び過酸化水素の併用が適している。また、コーティングの手段としては、基材表面をコーティングできるものであれば特に制限はなく、例えば、塗布、スプレー、ディッピング等が挙げられる。この前処理により基材表面に親水性基(シラノール基)を形成することができる。
【0068】
図3に示すように、表面修飾処理は、上記光分解性シランカップリング剤を基材にコーティングし、シランカップリング剤中のシラン化合物を基材にカップリングして、シラン化合物によって表面修飾された表面修飾カップリング基材を調製する。コーティングの手段としては、前処理同様、塗布、スプレー、ディッピング等が挙げられ、この中でもディッピングが好ましく、適宜、室温処理のみならず還流処理を施すことが好ましい。
【0069】
図4に示すように、光照射処理は、表面修飾カップリング基材の表面の全部又は一部に光を照射し、光照射部分の光分解性保護基を離脱して官能基を露出させ、基材表面に官能基を形成させて官能基露出カップリング基材を調製する。即ち、特定の箇所のみを光照射することによりその部分のみに官能基を形成することができる。照射光としては、光分解性保護基を離脱して官能基を露出することができれば特に制限されないが、紫外線(1〜400nm)であることが好ましく、シラン化合物の有する光分解性保護基の光分解能によって、適宜、長波長(例えば、320nm以上)の光を使用することができる。
【0070】
図5に示すように、化学修飾処理は、修飾したい有機物質を含む溶液を官能基露出カップリング基材にコーティングし、官能基露出カップリング基材の官能基と有機材料とを反応させて化学修飾カップリング基材を製造する。化学修飾に用いられる有機物質としては、その製造物の用途等により適宜決定することができるが、例えば、核酸、糖、タンパク質等の生体物質を用いることができる。コーティング手段は、表面修飾の場合と同様である。
【0071】
本発明の光分解性保護基でアミノ基が保護された化合物は、複合材料の改質剤として有用であるだけでなく、自己集積単分子膜(Self assembled monolayer;SAM)やメゾポーラスシリカ、マイクロアレイ等の表面に従来導入が困難であった官能基を導入する試薬として広く利用することができる。また、300nm以上の光照射により官能基導入のパターンニングが可能であることから、新たなフォトレジスト材料、コンビナトリアルケミストリーの基盤技術としての利用が可能である。さらに、クロマトグラフィー担体への利用が可能である。
【0072】
本発明の一般式〔7〕で表される光分解性化合物について説明する。かかる一般式〔7〕で表される光分解性化合物は、上記一般式〔1〕で表されるシラン化合物の製造において使用することができ、非常に効率よく一般式〔1〕で表される化合物を製造することができる。
【0073】
【化39】
【0074】
一般式〔7〕中、Yは光分解性保護基を表す。一般式〔7〕におけるYは一般式〔1〕におけるYと同様である。
一般式〔7〕で表される光分解性化合物は、下記一般式〔8〕で表される光分解性化合物であることが好ましい。一般式〔8〕で表される光分解性化合物は、上記一般式〔2〕で表されるシラン化合物の製造において使用することができ、非常に効率よく一般式〔2〕で表される化合物を製造することができる。
【0075】
【化40】
【0076】
一般式〔8〕中、R2は水素原子又はアルキル基を表し、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子又はアルコキシ基を表す。一般式〔8〕におけるR2、R3、R4は一般式〔2〕におけるR2、R3、R4と同様である。
【0077】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、水とはイオン交換蒸留水を指す。
【0078】
[参考例1]
<1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(1))の合成>
窒素置換した50mLナスフラスコに1−(2−ニトロフェニル)エタノール1.50g(8.97mmol)、N−N′−ジスクシンイミジルカーボネート2.31g(9.02mmol)、トリエチルアミン2.02mL(27.0mmol)を入れ、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)20mL中で室温で5時間攪拌した。反応後、DMFを留去し、粗生成物(黒色粘体)6.59gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=2:1(v/v))で精製し、黄白色固体の目的物(1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート)2.00g(6.49mmol,72.4%)を得た。
【0079】
【化41】
【0080】
上記合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=1.80(d,J=6.4Hz,3H,methyl),2.80(s,4H,methylene),6.40(q,J=6.4Hz,1H,methine),7.51(m,1H,aromatic),7.75(m,2H,aromatic),8.03(d,J=8.4Hz,1H,aromatic)
IR(KBr)
1789cm-1(C=O)(ester),1745cm-1(C=O)(succinyl),1530cm-1and1359cm-1(NO2)
Rf:0.18
【0081】
次に、窒素置換した100mLナスフラスコに上記合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート1.00g(3.24mmol)、3−(トリエトキシシリル)プロピルアミン0.72g(3.25mmol)を入れ、dry THF(テトラヒドロフラン)50mL中で室温で3時間攪拌した。反応後、溶媒を留去し、粗生成物2.30gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート:テトラメトキシシラン=200:100:3(v/v))で精製し、黄色粘体の目的物(1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(1))1.19g(2.87mmol,88.6%)を得た。
【0082】
【化42】
【0083】
上記合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(1))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=0.60(t,J=8.0Hz,2H,methylene),1.22(t,J=6.8Hz,9H,methyl),1.61(d,J=6.4Hz,3H,methyl),1.61(m,2H,methylene),3.12(m,2H,methylene),3.81(q,J=6.8Hz,6H,methylene),5.04(br,1H,secondary amine),6.23(q,J=6.8Hz,1H,methine),7.39〜7.42(m,1H,aromatic),7.61〜7.63(m,2H,aromatic),7.92(d,J=8.0Hz,1H,aromatic)
IR(Nacl)
3342cm-1(N−H),1718cm-1(C=O),1528cm-1and1352cm-1(NO2)
Rf:0.56
【0084】
[参考例2]
<1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(2))の合成>
窒素置換した100mLナスフラスコに上記実施例1で合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート1.00g(3.24mmol)、3−(トリメトキシシリル)プロピルアミン0.58g(3.23mmol)を入れ、dry THF50mL中で室温で3時間攪拌した。反応後、溶媒を留去し、黄色粘体の粗生成物1.97gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート:テトラメトキシシラン=200:100:3(v/v))で精製し、黄色粘体の目的物(1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(2))0.67g(1.80mmol,55.7%)を得た。
【0085】
【化43】
【0086】
上記合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(2))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=0.61(t,J=8.2Hz,2H,methylene),1.61(d,J=6.4Hz,3H,methyl),1.61(m,2H,methylene),3.12(m,2H,methylene),3.56(s,9H,methyl),4.95(br,1H,secondary amine),6.23(q,J=6.4Hz,1H,methine),7.40(m,1H,aromatic),7.62(m,2H,aromatic),7.93(d,J=8.4Hz,1H,aromatic)
IR(Nacl)
3343cm-1(N−H),1698cm-1(C=O),1525cm-1and1352cm-1(NO2)
Rf:0.24
【0087】
[参考例3]
<1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(ジメチルエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(3))の合成>
窒素置換した100mLナスフラスコに上記実施例1で合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート2.03g(6.59mmol)を入れ、dry THF50mLに溶解させた。その溶液に3−(ジメチルエトキシシリル)プロピルアミン1.11g(6.88mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応後、TLC(薄層クロマトグラフィー)(ヘキサン:エチルアセテート=2:1)で生成物を確認したところ、まだ原材料が残っていたので、さらに70℃で3時間還流した。その後、再びTLCで確認したところ、原材料が残っていたが目的物と思われるスポットが濃くでていたので、反応を止めて溶媒を留去し、粗生成物(薄い黄色の粘体)3.49gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート:テトラメトキシシラン=200:100:1.5(v/v))で精製し、黄色粘体の目的物(1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(ジメチルエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(3))0.95g(2.68mmol,40.7%)を得た。
【0088】
【化44】
【0089】
上記合成した(1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(ジメチルエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(3))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=0.10(s,6H,methyl),0.55(t,J=8Hz,2H,methylene),1.19(t,J=7.2Hz,3H,methyl),1.50(m,2H,methylene),1.61(d,J=6.8Hz,3H,methyl),3.12(m,2H,methylene),3.65(q,J=7.2Hz,2H,methylene),4.98(s,1H,amine),6.24(q,J=6.4Hz,1H,methane),7.41(m,1H,aromatic),7.61(m,2H,aromatic),7.92(d,J=8.4Hz,1H,aromatic)
IR(Nacl)
3332cm-1(N−H),1722cm-1(C=O),1527cm-1and1351cm-1(NO2)
【0090】
[参考例4]
<1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(4))の合成>
水浴につけた200mLナスフラスコに61%HNO350mL(670mmol)を入れ、温度を15℃前後に保ちながら、3′,4′−ジメトキシアセトフェノン5.00g(27.7mmol)を少しずつ加え、水浴中で3時間攪拌した。反応溶液を氷水100mLに注ぎ、生じた沈殿を濾過した。その沈殿を水で洗浄し、エタノールから再結晶し、黄色粉体の目的物(4,5−ジメトキシ−2−ニトロアセトフェノン)1.15g(5.11mmol,18.3%)を得た。
【0091】
【化45】
【0092】
上記合成した4,5−ジメトキシ−2−ニトロアセトフェノンの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=2.50(s,3H,methyl),3.99(s,6H,methyl),6.76(s,1H,aromatic),7.62(s,1H,aromatic)
IR(KBr)
1701cm-1(C=O),1516cm-1and1328cm-1(NO2)
【0093】
次に、氷浴につけた300mLのナスフラスコに上記合成した4,5−ジメトキシ−2−ニトロアセトフェノンを1.27g(5.64mmol)入れ、メタノール200mLに溶解させた。これに、水酸化ホウ素ナトリウム(テトラヒドロホウ酸ナトリウム塩)0.60g(15.9mmol)を少しずつ加え、そのまま氷浴中で30分攪拌した。その後、室温で1時間攪拌し、溶媒を減圧留去し、水200mL加え30分攪拌した。これをクロロホルム(100mL×5)で抽出し、クロロホルム層に無水硫酸マグネシウムを加え、乾燥、濾過し、クロロホルムを留去し黄色粉体の粗生成物1.44gを得た。これをエタノールから再結晶し、黄色固体の目的物(1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノール)0.91g(4.01mmol,71.1%)を得た。
【0094】
【化46】
【0095】
上記合成した1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノールの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=1.56(d,J=6.0Hz,3H,methyl),2.26(d,1H,hydroxy),3.95〜4.01(s,6H,methyl),5.55〜5.61(m,1H,methine),7.31(s,1H,aromatic),7.58(s,1H,aromatic)
IR(KBr)
3298cm-1(OH),1522cm-1and1323cm-1(NO2)
【0096】
次に、窒素置換した100mLのナスフラスコに上記合成した1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノール0.80g(3.52mmol)、N,N′−ジスクシンイミジルカーボネート0.90g(3.51mmol)、dry DMF50mLを入れ、その溶液にトリエチルアミン0.80mLを加え、窒素雰囲気下、室温で5時間攪拌した。反応後、水50mL、2Nの塩酸16mL加え、エチルアセテート(50mL×3)で抽出した。そのエチルアセテート層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL×1)で洗浄した。エチルアセテート層に無水硫酸マグネシウムを入れ、乾燥、濾過、濃縮して黄色固体の粗生成物1.38gを得た。これをエタノールから再結晶して黄白色固体の目的物(1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート)0.67g(1.82mmol,51.7%)を得た。
【0097】
【化47】
【0098】
上記合成した1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=1.77(d,J=6.0Hz,3H,methyl),2.80(s,4H,methylene),3.95〜4.07(s,6H,methyl),6.51(q,J=6.2Hz,1H,methine),7.08(s,1H,aromatic),7.65(s,1H,aromatic)
IR(KBr)
1783cm-1(C=O),1752cm-1(C=O,succinyl),1524cm-1and1333cm-1(NO2)
【0099】
次に、窒素置換した100mLのナスフラスコに上記合成した1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート0.62g(1.68mmol)を入れ、dry THF30mLに溶解させた。これに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.48g(2.17mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応後、溶媒を留去し粗生成物1.59gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート:テトラメトキシシラン=200:100:1(v/v))で精製し、黄色粘体の目的物(1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチル−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(4))0.74g(1.56mmol,92.9%)を得た。
【0100】
【化48】
【0101】
上記合成した1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチルN−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)カルバマート(具体例(4))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=0.61(t,J=8.0Hz,2H,methylene),1.22(t,J=7.2Hz,9H,methyl),1.58〜1.60(m,3H,methyl),1.58〜1.60(m,2H,methylene),3.15(m,2H,methylene),3.81(q,6H,J=7.2Hz,methylene),3.93〜3.97(s,6H,methyl),5.03(br,1H,amine),6.37(q,J=6.0Hz,1H,methine),7.01(s,1H,aromatic),7.58(s,1H,aromatic)
IR(Nacl)
3392cm-1(N−H),1717cm-1(C=O),1521cm-1and1336cm-1(NO2)
【0102】
[参考例5]
<1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−11−(トリエトキシシリル)ウンデシルカルバマート(具体例(5))の合成>
200mLナスフラスコにフタルイミドカリウム2.07g(11.2mmol),dry DMF100mLを入れ、その溶液に11−ブロモ−1−ウンデセン2.00g(8.58mmol)を加え、150℃で90分還流した。反応後、DMFを減圧留去し、ジクロロメタン30mL加え16時間撹拌した。析出した固体を濾過し、濾液に無水硫酸マグネシウムを入れ乾燥、濾過した。濾液を濃縮し、黄白色固体の粗生成物2.56gを得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=2:1(v/v))で精製し、白色固体の目的物(N−(10−ウンデセニル)−1−フタルイミド)2.12g(7.08mmol、82.5%)を得た。
【0103】
【化49】
【0104】
上記合成したN−(10−ウンデセニル)−1−フタルイミドの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=7.84(2H,m,aromatic)、7.71(2H,m,aromatic)、5.80(1H,m,methane)、4.96(2H,m,methylene)、3.68(2H,t,J=7.6Hz,methylene)、2.02(2H,q,J=6.8Hz,methylene)、1.67(2H,m,methylene)、1.27〜1.33(12H,m,methylene)
IR(KBr)
1696 cm-1 (C=O)
【0105】
次に、200mLナスフラスコに上記合成したN−(10−ウンデセニル)−1−フタルイミド1.60g(5.34mmol)、ヒドラジンモノハイドレート743μL(15.0mmol)、エタノール100mLを入れ、80〜85℃で2時間還流した。反応後、溶媒を留去し、水200mL、塩酸16mLを加え、クロロホルム(200mL×3)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL×1)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物0.96g得た。これをカラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=2:1)で精製し白色固体の目的物(10−ウンデセニル−1−アミン)0.45g(2.66mmol、49.8%)を得た。
【0106】
【化50】
【0107】
上記合成した10−ウンデセニル−1−アミンの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=5.76〜5.86(1H,m,methine)、4.92〜5.01(2H,m,methylene)、2.67(2H,t,J=6.8Hz,methylene)、2.04(2H,q,J=6.8Hz,methylene)、1.28〜1.43(14H,m,methylene)
IR(KBr)
3335 cm-1(−NH2)
【0108】
次に、窒素置換した50mLナスフラスコに実施例1で合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネート0.82g(2.66mmol)、上記合成した10−ウンデセニル−1−アミン0.45g(2.66mmol)、dry THF20mLを入れ、窒素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応後、溶媒を減圧留去して粗生成物1.60gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=2:1(v/v))で精製し、黄色粘体の目的物(1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(10−ウンデセニル)カルバマート)0.95g(2.62mmol、98.5%)得た。
【0109】
【化51】
【0110】
上記合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(10−ウンデセニル)カルバマートの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=7.92(1H,d,J=8.0Hz,aromatic)、7.60〜7.63(2H,m,aromatic)、7.38〜7.42(1H,m,methylene)、6.23(1H,q,J=6.8Hz,methine)、5.76〜5.86(1H,m,methine)、4.91〜5.02(2H,m,methylene)、4.71(1H,br,amine)、3.07〜3.16(2H,m,methylene)、2.03(2H,q,J=6.6Hz,methylene)、1.61(3H,d,J=6.8Hz,methyl)、1.26〜1.45(14H,m,methylene)
IR(NaCl)
3334cm-1(N−H),1703cm-1(C=O),1526and1349cm-1(−NO2)
【0111】
次に、窒素置換した50mLナスフラスコに上記合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−(10−ウンデセニル)カルバマート0.95g(2.62mmol)、トリエトキシシラン0.65g(3.96mmol)、ハイドロゲンヘキサクロロプラチネートヘキサハイドレート(H2PtCl6・6H2O)極少量を入れ、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌し、その後60℃で4時間加熱攪拌した。反応後、過剰のトリエトキシシランを減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート:テトラメトキシシラン=300:100:4(v/v))で精製し黄色粘体の目的物(1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−11−(トリエトキシシリル)−ウンデシルカルバマート(具体例(5)))0.21g(0.40mmol、15.3%)得た。
【0112】
【化52】
【0113】
上記合成した1−(2−ニトロフェニル)エチル−N−11−(トリエトキシシリル)ウンデシルカルバマート(具体例(5))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=7.92(1H,d,J=8.0Hz,aromatic)、7.60〜7.62(2H,m,aromatic)、7.38〜7.43(1H,m,aromatic)、6.23(1H,q,J=6.6Hz,methine)、4.71(1H,br,amine)、3.82(6H,q,J=6.8Hz,methylene)、3.07〜3.16(2H,m,methylene)、1.61(3H,d,J=6.4Hz,methyl)、1.24〜1.45(18H,m,methylene)、1.23(9H,t,J=7.2Hz,methylene)、0.63(2H,t,J=8.2Hz,methylene)
IR(NaCl)
3337cm-1(N−H),1708cm-1(C=O),1528and1350cm-1(−NO2)
【0114】
[実施例1]
<2−ニトロベンジル−4−(トリメトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例(6)の合成>
3口500mLナスフラスコに4−ブロモ−1−ブテン3.56g(24.6mmol)、エタノール250mL、純水90mL、磁気攪拌子を入れた。滴下漏斗には、亜硫酸ナトリウム3.33g(26.4mmol)、純水50mLを入れた。ナスフラスコをオイルバスで加熱攪拌し、溶液を85℃で滴下した。すべての溶液を滴下後、還流を2時間行った。反応溶液を別の300mLナスフラスコに移し、エバポレータで濃縮した。これをエタノール50mLで洗浄し、上澄み液を濾過した(5回)。その後、濾液を濃縮し、乾燥させ白色粉体の目的物(3−ブテンスルホネートナトリウム3.27g(22.2mmol、78%)を得た。
【0115】
【化53】
【0116】
上記合成した3−ブテンスルホネートナトリウムの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(DSS/D2O)90MHz
δ ; 2.5(m,2H) =CH−CH2−CH2
3.0(m,2H) −CH2−CH2−SO2−
5.2(dd,2H) CH2=CH−
5.9(m,1H) CH2=CH−
IR(KBr)
1424 and 1190cm-1(−S(=O)2−)
【0117】
次に、100mLビーカーに3−ブテンスルホネートナトリウム16.6g(105mmol)を入れ、純水50mLに溶かした。これに再生済みの樹脂を少量入れ溶かした。注ぎ込むカラムは液面が最上方の樹脂のわずか上になる状態にしておき、樹脂と共にイオン交換樹脂に注いだ。ビーカーに付着して残っているものを2度純水で洗い、カラムに注いだ。1秒に2滴ぐらいの速度で滴下を開始し、液面が最上方の樹脂のわずかに上になる状態で流出を止めた。次に、純水をカラムに連続的に注ぎ、流出を再開した。カラムからの流出液が中性になるまでの溶出液を採取した。この溶出液を濃縮し、乾燥させ、褐色液体6.76g(49.6mmol)を得た(イオン交換)。
【0118】
【化54】
【0119】
次に、イオン交換した3−ブテンスルホン酸2.77g(20.3mmol)に対して、氷浴下で、攪拌しながら(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンを含むCH2Cl2溶液を滴下した。滴下終了後、室温で終夜攪拌を行った。この反応溶液を濃縮した後、シリカゲルカラム(クロロホルム100%)で粗分けをし、シリカゲルカラム(ヘキサン:エチルアセテート=10:1)で分離・精製し、真空乾燥し、赤褐色粘体の目的物(2−ニトロベンジル−3−ブテンスルホネート)0.980g(3.61mmol、17.8%)を得た。
【0120】
【化55】
【0121】
上記合成した2−ニトロベンジル−3−ブテンスルホネートの同定結果を以下に示す。
1H−NMR(TMS/CDCl3)400MHz
δ= 2.63−2.68(m,2H) =CH−CH2− CH2−SO2
3.27−3.31(m,2H) =CH−CH2−CH2−SO2
5.13−5.20(m,2H) CH2=CH−CH2−
5.67 (S,2H) S−O−CH2−
5.78−5.88(m,1H) CH2=CH−CH2−
7.6−7.8 (m,3H) H−Ar
8.1−8.2 (m,1H) H−Ar
IR(NaCl):
1446and1167cm-1(−S(=O)2−),1528and1347cm-1(NO2)
Rf値:0.06
【0122】
次に、窒素置換した50mLナスフラスコに、2−ニトロベンジル−3−ブテンスルホネート0.652g(2.40mmol)、トリメトキシシラン0.352g(2.88mmol)、H2PtCl6・6H2Oを極少量加えた。窒素雰囲気下で、加熱撹拌(45°C)を2時間行った。TLCで新しく生成物が出来ていることを確認した。続けて14時間同じ温度で加熱撹拌を行ったが変化は確認できなかった。シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:エチルアセテート:テトラエトキシシラン=300:100:6)で精製した。得られた粗生成物のテトラエトキシシランを除くため湯浴上50℃で3時間真空乾燥して、無色透明粘体の目的物(2−ニトロベンジル−4−(トリメトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例(6)))0.044g(0.13mmol、6%)を得た。
【0123】
【化56】
【0124】
上記合成した2−ニトロベンジル−4−(トリメトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例(6))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(TMS/CDCl3)400MHz
δ= 0.8 (m,2h) Si−CH2−CH2
1.6 (m,2h) CH2−CH2−CH2−SO2
1.9 (m,2h) CH2−CH2−CH2−SO2
3.2 (m,2h) CH2−CH2−SO2
3.5−3.6(m,9h) (CH3O)3−Si
5.7 (s,2h) S−O−CH2−
7.6−7.8(m,3h) H−Ar
8.2 (m,1h) H−Ar
Rf値:0.13
【0125】
[実施例2]
<2−ニトロベンジル−4−(トリエトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例(7)の合成>
窒素置換した50mLのナスフラスコに、実施例6と同様にして合成した2−ニトロベンジル−3−ブテンスルホネート0.755g(2.78mmol)、トリエトキシシラン0.906g(3.34mmol)、H2PtCl6・6H2Oを極少量加えた。窒素雰囲気下で、加熱撹拌(55°C)を一時間行った。ここでTLC上に新しく生成物ができていることを確認した。同じくTLCから原料が残っていることが確認できたので、その後100°Cに温度を上げて2時間で反応を終了した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート:テトラエトキシシラン=400:100:10(v/v))で精製を試みたが、完全に分けることが出来なかった。得られた粗生成物のテトラエトキシシランを除くため60°Cで2時間真空乾燥した。無色透明粘体の目的物(2−ニトロベンジル−4−(トリエトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例(7)))0.13g(11%)を得た。
【0126】
【化57】
【0127】
上記合成した2−ニトロベンジル−4−(トリエトキシシリル)ブタンスルホネート(具体例(7))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(TMS/CDCl3)400MHz
δ= 0.64−0.68 (m,2H) Si−CH2−CH2
1.21−1.26 (m,9H) (CH3CH2O)3−Si
1.59−1.61 (m,2H) CH2−CH2−CH2−SO2
1.93−1.95 (m,2H) CH2−CH2−CH2−SO2
3.19−3.23 (m,2H) CH2−CH2−SO2
3.79−3.89 (m,6H) (CH3CH2O)3−Si
5.65−5.66 (m,2H) S−O−CH2−
7.56−7.79 (m,3H) H−Ar
8.17−8.19 (m,1H) H−Ar
【0128】
[実施例3]
<2−ニトロベンジル−3−(トリメトキシシリル)プロピルスルフィド(具体例(8))の合成>
100mL二口ナスフラスコに撹拌子を入れ、十分に窒素置換した。60%NaH0.07g(3.00mmol)を加え、そのフラスコを氷浴につけ、滴下ロートに3−メルカプトロプロピルトリメトキシシラン0.49g(2.50mmol)をdry−THF20mLに溶かした溶液を入れ、20分で滴下した。次に、2−ニトロベンジルブロマイド0.54g(2.50mmol)をdry−THF10mLに溶かし、10分で滴下した。その後、窒素雰囲気下室温で終夜撹拌した。反応溶液を濃縮し、得られた粗生成物にジクロロメタン30mL加え、30分撹拌した。析出する白色個体を濾過して取り除き、濾液を濃縮し粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート:テトラメトキシシラン=3:1:0.04(v/v))で分離・精製し、目的物(2−ニトロベンジル−3−(トリメトキシシリル)プロピルスルフィド(具体例(8)))0.22g(0.66mmol,26%)を得た。
【0129】
【化58】
【0130】
上記合成した2−ニトロベンジル−3−(トリメトキシシリル)プロピルスルフィド(具体例(8))の同定結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3/TMS)
δ=0.71(t,J=8.0Hz,2H,methylene),1.6〜1.7(m,2H,methylene),1.47(t,2H,J=7.0Hz,methylene),1.54(s,9H,methyl),4.05(s,2H,benzyl),7.37〜7.44(m,1H,aromatic),7.46〜7.58(m,2H,aromatic),7.95(d,J=8.0Hz,1H,aromatic)
【0131】
上記合成した本発明の一般式〔1〕で表される化合物(具体例(1)〜(4)及び具体例(6))を用いてシリコンウェハ表面の化学修飾を行った。各処理における評価は、シリコンウェハ表面の接触角を測定して、その表面の親水性を調査することにより行った。なお、接触角の測定は以下の方法で行った。
【0132】
(接触角の測定)
測定に用いた水はイオン交換蒸留水を使用した。また接触角計は協和界面科学株式会社CA−DT・A型を用いた。
測定は協和界面科学株式会社の接触角計の取扱説明書に記載されている「液適法測定操作」に従って行った。一つのサンプルについて10点の測定を行い、その最大値と最小値を切り捨て、残りの平均値を接触角とした。
【0133】
1.前処理
50mLナスフラスコに硫酸14mL、30%過酸化水素6mLを入れ軽く振り混ぜ、硫酸:30%過酸化水素=7:3(v/v)の混合溶液を調製した。シリコンウェハ2枚を非鏡面処理側を合わせて投入し、90〜100℃で1時間加熱した。混合溶液のみを捨て、フラスコ内にシリコンウェハが残っている状態のところに水約30mL入れ、シリコンウェハとナスフラスコの壁面を3回濯ぎ混合溶液を洗い流した。その後、水約50mLを入れ、超音波洗浄を5分間行った。水を捨てシリコンウェハを1枚ずつチタン製ピンセットで取り、窒素気流シリコンウェハ表面の水分をとばした。図2に示すように、この前処理によってシリコンウェハの表面に親水性であるシラノール層を形成した。なお、このときのシリコンウェハ表面の接触角は5°以下であった。
【0134】
2.表面修飾(シラン化合物(具体例(1)〜(4)及び具体例(6)の導入)窒素置換した50mLナスフラスコにドライベンゼン(活性化したMolecular Sieves 3A 1/8(和光純薬 133−08645)で脱水したもの)20mL、シラン化合物(具体例(1)〜(4)及び具体例(6))約0.02gを入れ軽く振り混ぜ、1.2〜2.4mMのシラン化合物のドライベンゼン溶液を調製した。前処理済みシリコンウェハ2枚を非鏡面処理側を合わせて投入し、所定時間室温で静置した。ドライベンゼン溶液のみを捨て、フラスコ内にシリコンウェハが残っている状態のところにメタノールを約30mL入れ、シリコンウェハとナスフラスコの壁面を3回濯いだ。メタノールを捨て、同様にクロロホルムで濯いだ後、クロロホルム約50mLを入れ超音波洗浄を10分間行った。その後、ビーカーに入れたクロロホルム(200〜250mL)にシリコンウェハを入れ、さらに10分間超音波洗浄を行った。シリコンウェハを一枚ずつピンセットでとり、表面のクロロホルムを窒素気流でとばし乾燥させた後、接触角を測定した。また、室温処理に代えて、窒素雰囲気下での還流処理により上記と同様の操作を行った。
具体例(1)〜(4)についての室温処理における接触角の測定結果を表1に示し、還流処理による接触角の測定結果を表2に示す。また、具体例(6)についての室温処理及び還流処理による接触角の測定結果を図6に示す。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
表1及び図6の結果から、トリアルコキシシリル基をもつ4つのシラン化合物(具体例(1)、具体例(2)、具体例(4)及び具体例(6))で表面修飾したウェハは、接触角が大きくなって疎水性が増していることを示し、これらの化合物が室温で定着することが明らかになった。また、表2の結果から、室温では定着しなかった具体例(3)も還流処理によれば定着することが明らかになった。
【0138】
3.光照射(官能基(アミノ基、スルホ基)への変換)
光熱を除くための水フィルター、300nm以下の波長の光を遮断するパイレックス(R)製ガラスフィルター、及び光照射するシリコンウェハをのせる試料台を用意した。その後、超高圧水銀灯を起動させ、光量が安定するまで1時間暖機を行った。照度計で照度を測定しながら照度が以下の条件になる位置を探した。
光照射は1枚ずつ行った。表面修飾したシリコンウェハ(7時間室温処理及び7時間還流処理した具体例(1)〜(3)、並びに1時間還流処理した具体例(6))を通常のステンレス製ピンセットで固定し、ほこり等が付着しないようにその上から石英ビーカーをウェハに被せ、カバーした。所定時間光照射した後、ウェハの表面をメタノールメタノールで10秒ほど洗い流し、続いて同様にクロロホルムクロロホルムで洗い流した。その後、クロロホルム中で10分間超音波洗浄を行い、窒素気流でウェハを乾燥させた後、接触角を測定した。
【0139】
光照射条件
超高圧水銀ランプ USH−500D (ウシオ電機株式会社)
放射照度
(UVD−365PDによる)330〜390nm 100〜130mW/cm2
(直読モードUVD−254Pによる)190〜320nm 50mW/cm2
【0140】
また、具体例(1)を用いて室温で1時間表面修飾を行ったもの及び具体例(4)を用いて室温で1時間表面修飾を行ったものについて、上記と同様の操作を、300nm以下の波長の光を遮断するパイレックス(R)製ガラスフィルターに代えて320nm以下の光を遮断する硫酸銅水溶液フィルターを用いて行った。
【0141】
7時間室温処理で表面修飾を行い300nmを超える波長の光照射を行った後の具体例(1)〜(3)についての接触角を表3に示す。7時間還流処理で表面修飾を行い300nmを超える波長の光照射を行った後の具体例(1)〜(3)についての接触角を表4に示す。1時間還流処理で表面修飾を行い300nmを超える波長の光照射を行った後の具体例(6)についての接触角を図7に示す。硫酸銅フィルタを用いて320nmを超える波長の光照射を行った後の接触角を表5に示す。
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
【0144】
【表5】
【0145】
表3の結果から、具体例(1)及び具体例(2)を用いて室温処理されたウェハについては、大きく接触角が減少し、その表面でカルバミン酸2−ニトロベンジルエステルがアミノ基へ変換されたことが示された。具体例(3)で室温処理されたウェハについては、予想通り接触角の減少はみられず具体例(3)がウェハ表面に導入されていなかったことが明らかになった。表4の結果から、具体例(1)〜(3)で表面修飾したすべてのウェハについて、大きく接触角が減少し、その表面でカルバミン酸2−ニトロベンジルエステルがアミノ基へ変換されたことが示された。図7の結果から、具体例(6)を用いて還流処理されたウェハについては、大きく接触角が減少し、その表面でスルホ基が露出されたことが明らかになった。表5の結果から、具体例(4)で表面修飾したウェハは、長波長光での光分解が可能であることがわかる。
【0146】
4.化学修飾(表面に固定されたアミノ基の反応)
導入したアミノ基を確認するために、光照射後のサンプルにアミノ基特有の反応が起きるような処理を行い接触角の変化を観察した。同様に、表面修飾後であって光照射前のウェハについても同様の処理を行った。
具体的には、窒素置換した50mLナスフラスコにヘプタフルオロ−n−無水酪酸0.15g(0.37mmol)、ジクロロメタン20mL、トリエチルアミン極少量入れ、その中に光照射済みシリコンウェハを2枚投入し窒素雰囲気下で3時間還流した。その後、反応溶液を捨てナスフラスコとシリコンウェハをメタノールで洗浄し(30mL×3回)、同様にクロロホルムで洗浄した。ウェハをクロロホルム200〜250mL中へ入れ、超音波洗浄を2回行った。取り出したウェハを窒素気流で乾燥させ、接触角を測定した。
表6に化学修飾を行った後の接触角を示す。
【0147】
【表6】
【0148】
表6の結果より、光照射によりアミノ基が導入されたと思われる具体例(1)、具体例(2)及び具体例(3)(還流表面修飾)については10°前後の接触角の増加が見られ、アミノ基の導入が確実に行われていることが明らかになった。
【0149】
一方、具体例(6)については、スルホ基特有の可逆的化学変化を行わせることにより、スルホ基の存在を確認した。図8に、化学変化に伴うシリコンウェハ表面の接触角の変化を示す。
図8に示すように、化学変化に伴って接触角が変化し、スルホ基特有の可逆的化学反応が起こっていることから、スルホ基の導入が確実に行われていることが明らかになった。
また、具体例(6)を用いてシリコンウェハ上にパターニングを行った。パターニングマスク及びパターニング後の画像を図9に示す。図9に示すように、OHPフィルムにキャラクタをマスクとして作成し(図9右部)、光照射によりパターニングを行った。パターニング後に水蒸気が付着した状態で撮影した写真(図9左部)によれば、水蒸気の付着により図面上鮮明な画像とはいえないが、肉眼でははっきりとパターニングができていた。本発明のシラン化合物はこのようなパターニングにも応用が可能である。
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、アミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有するシラン化合物を含有する新規な光分解性シランカップリング剤、アミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有する新規なシラン化合物、並びにアミノ基、スルホ基、チオール基又はリン酸基を有するシラン化合物を含有する新規な光分解性シランカップリング剤によって処理された基材及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光分解性カップリング剤を用いた化学修飾処理過程の説明図である。
【図2】前処理の説明図である。
【図3】表面処理の説明図である。
【図4】光照射による保護基離脱の説明図である。
【図5】化学修飾の説明図である。
【図6】本発明のシラン化合物(具体例(6))を含有したシランカップリング剤による表面処理に伴うシリコンウェハ表面の接触角の変化を示す図である。
【図7】本発明のシラン化合物(具体例(6))を含有したシランカップリング剤によって処理されたシリコンウェハの光照射によるシリコンウェハ表面の接触角の変化を示す図である。
【図8】本発明のシラン化合物(具体例(6))を含有したシランカップリング剤により処理されたシリコンウェハにおける、スルホ基を有するシラン化合物の化学変化に伴うシリコンウェハ表面の接触角の変化を示す図である。
【図9】本発明のシラン化合物(具体例(6))を含有したシランカップリング剤によるパターニング後の画像及びパターニングに用いたマスクを示す図である。
Claims (11)
- 請求項1に記載の光分解性シランカップリング剤を基材にコーティングし、該シランカップリング剤中のシラン化合物を基材にカップリングすることを特徴とする表面修飾カップリング基材の製造方法。
- 基材が、前処理が施された基材であることを特徴とする請求項2に記載の表面修飾カップリング基材の製造方法。
- 請求項1に記載の光分解性シランカップリング剤を基材にコーティングし、シランカップリング剤中のシラン化合物を前記基材にカップリングして表面修飾カップリング基材を調製し、前記表面修飾カップリング基材の表面の全部又は一部に光を照射し、光照射部分の光分解性保護基を離脱してスルホ基又はチオール基を露出させ、基材表面にスルホ基又はチオール基を形成させることを特徴とする官能基露出カップリング基材の製造方法。
- 基材が、前処理が施された基材であることを特徴とする請求項4に記載の官能基露出カップリング基材の製造方法。
- 光が、紫外線であることを特徴とする請求項4又は5に記載の官能基露出カップリング基材の製造方法。
- 請求項1に記載の光分解性シランカップリング剤を基材にコーティングし、シランカップリング剤中のシラン化合物を前記基材にカップリングして表面修飾カップリング基材を調製し、前記表面修飾カップリング基材の表面の全部又は一部に光を照射し、光照射部分の光分解性保護基を離脱してスルホ基又はチオール基を露出させ、基材表面に形成されたスルホ基又はチオール基に化学修飾を施すことを特徴とする化学修飾カップリング基材の製造方法。
- 基材が、前処理が施された基材であることを特徴とする請求項7に記載の化学修飾カップリング基材の製造方法。
- 光が、紫外線であることを特徴とする請求項7又は8に記載の化学修飾カップリング基材の製造方法。
- 化学修飾が、核酸、糖、タンパク質等の生体物質を用いて行われることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の化学修飾カップリング基材の製造方法。
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