JP4008994B2 - 高温塑性加工用潤滑剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼材や非鉄金属材料の高温塑性加工に際し、工具表面への鋼材の焼付や、工具表面の摩耗、肌荒れ等を防止し、作業環境を汚染しない高温塑性加工用潤滑剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、鋼材や非鉄金属材料の熱間圧延、熱間鍛造、熱間ダイス加工、熱間プレス加工などの高温塑性加工では、工具の保護の為、高温塑性加工用潤滑剤が使用され、効果をおさめている。このような潤滑剤としては、高温で潤滑効果のある黒鉛、水ガラス、窒化ホウ素、雲母、二硫化モリブデン、酸化鉄、炭酸カルシウム、フッ素化黒鉛等の固体潤滑剤;硫化油脂、硫化オレフィン、ジンクジアルキルジチオフォスフェート、リン酸エステル等の極圧潤滑剤;鉱油、油脂、油脂重合体、合成エステル等の油性向上剤;メタクリレートコポリマーやブチレンブタジエン共重合体等の付着性向上剤兼流動点降下剤等を、単独で、又は2種類以上組み合わせて、場合によってはさらにジターシャリブチルクレゾールやアルファナフチルアミン等の酸化防止剤を加えて、一般に用いられている。
【0003】
前記鋼材や非鉄金属材料の高温塑性加工は、高温、例えば、700〜1200℃の範囲の温度で行われる。この様な温度では、上記の極圧添加剤や、油性向上剤では、酸化や熱分解が起こり、潤滑面で十分な効果が発揮されない。この為、高温塑性加工では低温での塑性加工に比べ、潤滑面に対し多量の給油が行われるが、十分な効果を得ることは難しい。一方、黒鉛や酸化鉄などの固体潤滑剤は、700℃以上の高温においても、分解しにくく十分な効果を持つことから、高温塑性加工用潤滑剤に広く用いられている。
【0004】
しかし、固体潤滑剤には以下のような問題がある。まず、固形物粒子によって構成される為、これを潤滑剤として用いる場合、基油中に分散しなければならない。ところが、固体潤滑剤は基油に比べ、密度が大きい事から、長時間保管した場合には基油から分離沈降してしまう。従って、固体潤滑剤を配合した潤滑剤は長期保存ができず、定期的に攪拌して分離した固体潤滑剤を液中に再分散させる事が必要となる。しかし、固体潤滑剤の中には、粒子の二次凝集等が生じ再分散が難しい物がある。この場合、潤滑剤の性能低下や、再分散しきれない固体潤滑剤が、ストレーナーや給油弁等に詰まり現象を起こす。従って、この問題を解決する為に、基油中での固体潤滑剤の分散を向上する働きを有する分散剤の添加や固体潤滑剤粒子表面を安定化処理し、基油中での分散性を向上させること等が行われる。しかし、いずれの処方も、高価かつ製造に当たり煩雑な工程が必要となる。
また、黒鉛や酸化鉄、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤は黒色であり、これらを配合した潤滑剤を使用すると、給油部位や作業環境を著しく汚染する。最近は、白色系の固体潤滑剤も存在するが、潤滑性が良好なフッ素化黒鉛や窒化ホウ素は著しく高価である。白色で安価な固体潤滑剤としては、炭酸カルシウムや雲母などがあるが、潤滑性が不十分である。
以上の理由から、高温塑性加工用潤滑剤としては、黒色で周囲を汚染するという問題はあるものの、安価で潤滑性の良好な黒鉛、酸化鉄、二硫化モリブテン等が用いられているのが現状である。
【0005】
また、特開昭48−79211号公報には、リノール酸又はリノレイン酸の2分子又は3分子重合体を主成分とし、残部がリノール酸又はリノレイン酸の単量体からなる熱間圧延用潤滑剤が、特公昭49−37087号公報には、遊離脂肪酸を含む、牛脂−ラード混合物を基材とする熱間圧延用潤滑剤が、それぞれ開示されているが、十分に満足すべき潤滑性能を有していない。さらに、特開平8−41486号公報には、カルボン酸又はカルボン酸塩を含有する金属塑性加工用潤滑剤が開示されているが、オクチル酸金属塩のような脂肪酸金属塩の潤滑性能は十分でないことが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、工具表面への鋼材の焼付や、工具表面の摩耗、肌荒れ等を防止し、作業環境を汚染しない高温塑性加工用潤滑剤を提供することであり、さらに詳細には、700℃から1200℃の領域で行われる、炭素鋼やステンレス鋼等の鋼材又は、非鉄金属材料の熱間圧延、熱間鍛造、熱間ダイス加工、熱間プレス加工等の高温塑性加工において、工具と材料の一方又は双方にエアースプレーや、ウオーターインジェクション方式によって給油された場合、潤滑性不足を原因とする工具の肌あれや摩耗を起こさず、かつ、給油部位や作業環境を汚染しない高温塑性加工用潤滑剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、基油と、分岐脂肪酸及びその塩から成る群から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする高温塑性加工用潤滑剤により達成される。
本発明の潤滑剤は、分岐脂肪酸及びその塩から成る群から選ばれる少なくとも1種を含有することで、十分に目的とする効果を発揮するが、高塩基性アルカリ土類金属サリシレートを更に含有させることによって、より優れた潤滑効果を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の潤滑剤には分岐脂肪酸として、合成分岐脂肪酸及び天然分岐脂肪酸のいずれも使用することができる。このような分岐脂肪酸の具体例としては、プロピレン、α−オレフィン等の石油系原料より合成される合成分岐脂肪酸、天然の脂肪酸より合成される天然分岐脂肪酸が挙げられる。分岐脂肪酸の炭素数は、好ましくは6〜60、より好ましくは9〜40である。
本発明に使用する分岐脂肪酸の具体例としては、分岐ノナン酸(CEKANOIC C-9ACID. エクソン化学社製)、分岐ラウリン酸(イソカーブC12.コンデア社製)、分岐トリデカン酸(CEKANOIC C-13ACID.エクソン化学社製)、分岐パルミチン酸(イソカーブ C16. コンデア社製) 、分岐トリアコンタン酸、分岐テトラコンタン酸、分岐ペンタコンタン酸等の合成脂肪酸;分岐オレイン酸、分岐ステアリン酸(エマーゾル 871.873エメリー社製)、分岐ベヘン酸等の天然分岐脂肪酸が挙げられる。
【0009】
次にこれらの分岐脂肪酸の製造法の例を示すが、本発明は、これに制限されるものではない。
天然分岐脂肪酸である分岐オレイン酸を例にとって説明する。一般的に、分岐オレイン酸は、大豆油、綿実油、魚油等の天然油脂を水素添加処理して硬化油を得る際に、副産物として得られる。具体的には、原料油脂に、0.2〜0.5%のニッケル触媒を加えた後、水素を通じながら、180℃、2〜3気圧で2〜3時間加熱すると、硬化油及び分岐オレイン酸が得られる。これを減圧蒸留すると、分岐オレイン酸が残渣として得られる。
また、合成分岐脂肪酸である分岐ステアリン酸を例にとって説明する。ノニルアルデヒドを、水酸化ナトリウムの存在下でアルドール縮合すると分岐ステアリルアルコールが得られる。これを水酸化カリウムとともにアルカリ溶解すると、末端の水酸基が酸化され、分岐ステアリン酸が得られる。
【0010】
本発明に使用される分岐脂肪酸の塩の具体例としては、アミン塩、または金属塩等が挙げられる。分岐脂肪酸アミン塩の代表例としては、ラウリルアミンやオレイルアミン等の脂肪族アミン;シクロペンチルアミンやシクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルキルアルカノールアミン;アニリンやナフチルアミン等の芳香族アミン等の分岐脂肪酸アミン塩が挙げられる。分岐脂肪酸金属塩の代表例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;その他亜鉛、鉛等の金属塩が挙げられる。分岐脂肪酸の塩は、分岐脂肪酸に対し、当量の上記アミンや、上記金属を反応することによって、容易に製造することができる。
【0011】
これらの合成分岐脂肪酸、天然分岐脂肪酸、その塩は、いずれも基油に任意の量を、透明に溶解することができる。本発明に使用される分岐脂肪酸及び/又はその塩の含有量は、潤滑剤中0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1〜90重量%である。含有量が0.1重量%に満たない場合、十分な潤滑性が発揮できなくなる。
【0012】
本発明の潤滑剤に使用される高塩基性アルカリ土類金属サリシレートの具体例としては、高塩基性カルシウムサリシレート、高塩基性マグネシウムサリシレート、高塩基性バリウムサリシレートが挙げられる。いずれを用いても同様の効果を得ることができる。従って、以下この明細書においては高塩基性カルシウムサリシレートについて説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明に使用される高塩基性カルシウムサリシレートは公知物質である。例えば、市販品としては、オスカ化学社のOSCA431,OSCA453,OSCA435、OSCA438、シェル化学社のSAP005Caサリシレートなどが挙げられる。これらの高塩基性カルシウムサリシレートは、いずれも透明な液状の物質であり、基油に分岐脂肪酸及び/または分岐脂肪酸塩を加えた潤滑剤に対し、任意の量を透明に溶解させることが可能である。
【0013】
本発明の潤滑剤において、高塩基性カルシウムサリシレートを使用する場合、その含有量は任意であるが、1重量%以上、好ましくは3重量%以上含有していることが好ましい。含有量が1重量%に満たない場合、添加による効果が十分に発現しない。また上限は特に制限されないが、通常は50重量%以下である。
【0014】
本発明に使用する高塩基性カルシウムサリシレートは、塩基価に換算して40以上、好ましくは100以上、さらに好ましくは150以上のCaCO3 を含有していることが望ましい。塩基価とは、試料1グラム中に含まれる全塩基成分を中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。この塩基価は、JIS2501において全塩基価として規定されている。従って、高塩基性カルシウムサリシレートは、塩基成分であるCaCO3 を多く含有する程、塩基価が高くなる。高塩基性カルシウムサリシレートの塩基価が40未満の場合は、十分な潤滑性向上効果が期待できない。
【0015】
本発明に使用される基油の例としては、鉱油(スピンドル油、マシン油、シリンダー油等)、合成エステル(脂肪酸オクチルエステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等)、油脂(なたね油、牛脂、豚脂等)、重合油脂(大豆重合油、なたね重合油、ヒマシ重合油等)、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの基油は、いずれもロールと潤滑剤の間に潤滑膜を形成し、摩擦係数を下げ、工具の肌荒れや、焼付を抑制する働きがある。この摩擦係数低下効果を十分に発揮させるには、基油を本発明の潤滑剤中に10重量%以上含有させることが望ましい。潤滑剤中の基油の含有量が10重量%に満たない場合、十分な潤滑性が発現しないことがある。基油の含有量の上限は、99.9重量%である。
【0016】
本発明の潤滑剤に、さらに種々の潤滑油添加剤を加えることによって、潤滑剤としての性能をさらに向上させることができる。このような添加剤の具体例としては、極圧剤(ジンクジアルキルジチオフォスフェート、モリブデンカーバメート、オクチル酸コバルト等の亜鉛、モリブデン、コバルト等を含有する油溶性有機金属化合物、硫化油脂、硫化合成脂肪酸エステル等の硫化脂肪酸エステル化合物や、ジヘキシルポリサルファイド、ジノニルポリサルファイド、ジドデシルポリサルファイド等のジアルキルポリサルファイド化合物等の脂肪族及びアリール脂肪族や脂環式のオレフィン系炭化水素硫化化合物、高塩基性カルシウムスルホネート、高塩基性カルシウムフェネート、高塩基性カルシウムカルボキシレート等の高塩基性アルカリ土類金属サリシレート以外の高塩基性金属塩化合物、正リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル等のリン化合物)、付着向上剤兼流動点降下剤(ポリイソブチレン、ポリメタクリレートポリマー等)、酸化防止剤(アルファナフチルアミン、ジターシャリブチルフェノール等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタンやモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシアルキレンアルキルソルビタン化合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルや、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル化合物、中性ナトリウムスルホネートや中性カルシウムスルホネート等の中性金属塩スルホネート化合物)が挙げられる。これらの添加剤の使用量は特に制限されないが、通常、潤滑剤中、0.1〜85重量%である。
【0017】
本発明の潤滑剤は、公知の方法により製造できる。例えば、撹拌機を有するステンレス製加熱釜に、基油、分岐脂肪酸又は分岐脂肪酸塩、高塩基性カルシウムサリシレート、潤滑油添加剤を所定量投入し、50〜80℃で1〜2時間攪拌することにより容易に製造できる。製造後の潤滑剤は、透明な液体であることが好ましい。本発明の潤滑剤は、ギヤー方式や、プランジャー方式の潤滑剤ポンプを使用して、工具と材料の一方又は双方に、エアースプレーや、ウオーターインジェクション方式によって給油し、鋼材の高温塑性加工時における、工具の摩耗や肌荒れを、抑制する。
【0018】
【発明の効果】
本発明の潤滑剤は、黒色固体潤滑剤を含有しない透明液状潤滑剤であり、700℃から1200℃の領域で行われる高温塑性加工において、従来の10倍以上の材料を加工しても、工具の摩耗や、肌あれの抑制に効果があり、給油設備や作業環境を汚染することもない。
【0019】
【実施例】
本発明を、鋼材の熱間圧延を例として以下実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
撹拌機を有するステンレス製加熱釜に、表1〜3に示す基油、分岐脂肪酸、分岐脂肪酸塩、高塩基性カルシウムサリシレート、潤滑油添加剤を、表1〜3に示す重量比率で投入し、50〜80℃で1〜2時間攪拌し、外観が透明の潤滑剤を製造した。また、表4に示すように同様にして、分岐脂肪酸の代わりに直鎖脂肪酸を使用した比較例の潤滑剤も製造した。次に、この潤滑剤を、2重式熱間圧延機のロール表面に液状潤滑油用給油ポンプを用いたウオーターインジェクション方式による潤滑剤給油設備を用いて、下記の熱間圧延条件及び潤滑剤給油量で、給油した。尚、潤滑剤が粘ちょう状で、液状潤滑油用給油ポンプでは給油できない比較例(市販品を使用した比較例9及び比較例10)については、直接ロール表面に潤滑剤を手塗りして潤滑性を評価した。又、ロール表面に潤滑剤を手塗りした比較例9及び10、潤滑剤を使用しない比較例11の場合は、ウオーターインジェクション方式の給油設備より、希釈水のみ噴射した。結果を合わせて表1〜表4に示す。
【0020】
【0021】
潤滑剤の評価
潤滑剤の外観:○は透明、×は不透明
汚染:使用時の設備周囲や作業環境の汚染の有無
潤滑性の評価:熱間圧延試験終了後、ロールの摩耗及び肌あれ状態を観察し、以下の5段階で評価した。
AA:ロールの摩耗及び肌あれが、全く認められない
A:ほとんど認められない
B:やや認められる
C:認められる
D:顕著に認められる
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
注:
(1) 基油A(精製鉱油ISO VG46)
(2) トリメチロールプロパントリオレート
(3) ナタネ油
(4) 分岐ノナン酸(商品名CEKANOIC C-9 ACID)
(5) 分岐ラウリン酸(商品名イソカーブ12)
(6) 分岐ステアリン酸(商品名エマーゾル871)
(7) 分岐ペンタアコンタン酸
(8) 分岐ラウリン酸カルシウム塩
(9) 分岐ラウリン酸ジシクロヘキシルアミン塩
(10)高塩基カルシウムサリシレート塩基価60、(商品名OSCA431)
(11)高塩基カルシウムサリシレート塩基価230 、粒径分布0.05〜0.5 μm 、(商品名OSCA435)
(12)高塩基カルシウムサリシレート塩基価320 、粒径分布0.05〜0.5 μm 、(商品名OSCA438)
(13)オレイン酸
(14)リノール酸
(15)オレイン酸ジシクロヘキシルアミン塩
(16)オクチル酸亜鉛
(17)ジンクジアルキルジチオフォスフェート
(18)ポリイソブチレン
(19)ジノニルポリサルファイド
(20)ジドデシルポリサルファイド
(21)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(22)ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム中性塩
(23)高塩基性カルシウムスルホネート塩基価400
【0027】
比較例10は市販高温塑性加工用潤滑剤Aである。
比較例11は市販高温塑性加工用潤滑剤Bである。
【0028】
比較例10及び11はいずれも、外観は×、汚染は有、潤滑性は700℃及び1200℃においていずれもCであった。
表1〜表3から明らかなように、所定量の基油と、分岐脂肪酸又はその塩とを含有する本発明の高温塑性加工用潤滑剤は、外観が透明であり、周囲を汚染することがなく、潤滑性も優れている。これに対して、表4に示すように、分岐脂肪酸を含まない比較例1、分岐脂肪酸の含有量が少ない比較例2、3及び5、基油の含有量が少ない比較例4、分岐脂肪酸の代わりに直鎖脂肪酸を含む比較例6〜9では、外観は透明であり、周囲を汚染することもないが、潤滑性が著しく低いことがわかる。
Claims (5)
- 熱間圧延用潤滑剤であって、基油と、熱間圧延用潤滑剤の全重量に対して0.1〜90重量%の分岐脂肪酸及びその塩から成る群から選ばれる少なくとも1種と、熱間圧延用潤滑剤の全重量に対して1〜65重量%の高塩基性アルカリ土類金属サリシレートとを含有することを特徴とする熱間圧延用潤滑剤。
- 分岐脂肪酸の炭素数が6〜60であることを特徴とする請求項1記載の熱間圧延用潤滑剤。
- 分岐脂肪酸の炭素数が9〜40であることを特徴とする請求項1記載の熱間圧延用潤滑剤。
- 高塩基性アルカリ土類金属サリシレートの塩基価が40以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の熱間圧延用潤滑剤。
- 高塩基性アルカリ土類金属サリシレートが、高塩基性カルシウムサリシレートである請求項1〜4のいずれか1項記載の熱間圧延用潤滑剤。
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