JP4003498B2 - 高周波モジュールおよびアンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主としてVHF帯、UHF帯、マイクロ波帯およびミリ波帯で用いられる高周波モジュール、および、これを用いたアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図19は、例えば、Takashi Kitsuregawa, “Advanced Technology in Satellite Communication Antennas: Electrical & Mechanical Design”, ARTECH HOUSE INC., pp.193-195, 1990.に示された左右旋円偏波および2周波数帯共用のアンテナ装置の構成を示す図である。
【0003】
図において、61は主反射鏡あるいは副反射鏡へ第1の周波数帯の左右両旋円偏波を送信し、かつ、主反射鏡あるいは副反射鏡より第2の周波数帯の左右両旋円偏波を受信する一次放射器、62は円偏波発生器、63は偏分波器、64aおよび64bは分波器、P1は一次放射器61から左旋円偏波にて送信される第1の周波数帯の電波の入力端子、P2は一次放射器61より左旋円偏波にて受信される第2の周波数帯の電波の出力端子、P3は一次放射器61から右旋円偏波にて送信される第1の周波数帯の電波の入力端子、P4は一次放射器61より右旋円偏波にて受信される第2の周波数帯の電波の出力端子である。
【0004】
次に動作について説明する。
今、入力端子P1より入力された第1の周波数帯の直線偏波の電波は、分波器64aを通過して、偏分波器63に入力され垂直偏波として出力された後、円偏波発生器62により垂直偏波から左旋円偏波に変換され、一次放射器61を介して反射鏡より空中に放射される。また、反射鏡が受信した第2の周波数帯の左旋円偏波の電波は、一次放射器61を介して円偏波発生器62により左旋円偏波から垂直偏波に変換され、偏分波器63に入力された後、分波器64aに伝送され、出力端子P2より直線偏波として抽出される。
【0005】
一方、入力端子P3より入力された第1の周波数帯の直線偏波の電波は、分波器64bを通過して、偏分波器63に入力され水平偏波として出力された後、円偏波発生器62により水平偏波から右旋円偏波に変換され、一次放射器61を介して反射鏡より空中に放射される。また、反射鏡が受信した第2の周波数帯の右旋円偏波の電波は、一次放射器61を介して円偏波発生器62により右旋円偏波から水平偏波に変換され、偏分波器63に入力された後、分波器64bに伝送され、出力端子P4より直線偏波として抽出される。
【0006】
ここで、入力端子P1およびP3から入力された第1の周波数帯の電波は、分波器64aおよび64bのアイソレーション特性により出力端子P2およびP4へはほとんど漏洩しない。また、偏分波器63により各電波は互いに直交する偏波に変換されるため、両電波間ではほとんど干渉しない。従って、同一の周波数帯を使い、かつ、左右両旋の円偏波の2つの送信波が効率的に一次放射器61から放射されることになる。
【0007】
更に、一次放射器61にて受信された同一の周波数帯を使い、かつ、左右両旋の円偏波の2つの電波は、円偏波発生器62および偏分波器63により互いに干渉することなく直交する2つの直線偏波に変換され、分離される。また、分離された各電波は分波器64aおよび64bのアイソレーション特性により入力端子P1およびP3へはほとんど漏洩しない。従って、同一の周波数帯を使い、かつ、旋回方向の異なる円偏波をもつ2つの受信波が効率的に端子2および端子4から出力されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアンテナ装置では、反射鏡にて受信した電波を効率的に抽出し、出力端子P2およびP4に接続された受信器へ伝送するために、一次放射器61から受信器までの伝送損失を極力小さく抑える必要があった。このため、一次放射器61、円偏波発生器62、偏分波器63、分波器64a、64bおよび受信器を近接して配置しなければならず、これらの回路の配置の自由度が制約されるという問題点があった。
【0009】
また、一般に、アンテナビームの機械駆動走査のために一次放射器61、円偏波発生器62および偏分波器63は反射鏡とともに回転する。この場合、上述の伝送損失低減の必要性から、分波器64a、64bおよび受信器も反射鏡とともに回転するところに配置しなければならず、このため、アンテナ装置の機械駆動部分が大形化および重量化し、その回転機構および回転支持機構が大形化および重量化するという問題点があった。
【0010】
この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、アンテナ装置の小形化および軽量化を可能とし、かつ、構成回路の配置の自由度を高める高周波モジュール及び、小型及び軽量化のアンテナ装置を得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の低域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる帯域通過フィルタと、上記第1の低域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第2の低域通過フィルタと、上記第2の低域通過フィルタと上記帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたことを特徴とする高周波モジュール。
【0012】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の低域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1の低域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第2の低域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続された第1のベンドと、この第1のベンドに接続された第2のベンドと、この第2のベンドに接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第2の低域通過フィルタと上記第2の帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたものである。
【0013】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う増幅器と、この増幅器に接続された第2の変換器と、この第2の変換器に接続された第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第3の帯域通過フィルタと、上記第3の帯域通過フィルタと上記第2の帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたものである。
【0014】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続された第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第3の帯域通過フィルタと、上記第2の帯域通過フィルタに接続された第1のベンドと、この第1のベンドに接続された第2のベンドと、この第2のベンドに接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第4の帯域通過フィルタと、上記第3の帯域通過フィルタと上記第4の帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたものである。
【0015】
また、上記導波管形低域通過フィルタとして、片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタを設けたものである。
【0016】
また、上記導波管形帯域通過フィルタとして、誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタを設けたものである。
【0017】
また、上記T分岐回路は、分岐点に整合用のステップを設けたものである。
【0018】
また、上記主導波管と、上記T分岐回路と、上記低域通過フィルタあるいは上記導波管形帯域通過フィルタと、上記帯域通過フィルタあるいは上記管軸が一部湾曲した帯域通過フィルタおよび上記ベンドと、上記変換器の導波管部分とを掘削加工された2体の金属ブロックを組み合わせることにより構成したものである。
【0019】
また、上記増幅器の上に1枚の金属板を設け、この金属板と上記増幅器の外壁幅広面に挟まれた隙間に、上記金属板および上記増幅器の外壁幅広面を導波管内壁とする片側容量性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタを設けたものである。
【0020】
また、上記増幅器の上に1枚の金属板を設け、この金属板と上記増幅器の外壁幅広面に挟まれた隙間に、上記金属板および上記増幅器の外壁幅広面を導波管内壁とする片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタを設けたものである。
【0021】
この発明に係るアンテナ装置は、一次放射器と、この一次放射器に接続された偏分波器と、この偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第1の高周波モジュールと、この第1の高周波モジュールに接続された第1の分波器と、上記偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第2の高周波モジュールと、この第2の高周波モジュールに接続された第2の分波器とを備えたものである。
【0022】
この発明に係るアンテナ装置は、一次放射器と、この一次放射器に接続された円偏波発生器と、この円偏波発生器に接続された偏分波器と、この偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第1の高周波モジュールと、この第1の高周波モジュールに接続された第1の分波器と、上記偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第2の高周波モジュールと、この第2の高周波モジュールに接続された第2の分波器とを備えたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における高周波モジュールの構成を示す上面図、図2(a)は図1におけるA方向から見た側面図、(b)は図1におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図1におけるC方向から見た内側面図である。各図において、1は後述する入出力端子P5から高周波の電波が入出力する方形主導波管(第1の主導波管)、2は後述する入出力端子P6から電波高周波が入出力する方形主導波管(第2の主導波管)、3は方形導波管のE面がT字形状であり分岐部(分岐点)に整合用ステップが設けられたステップ付き方形導波管のE面T分岐回路(第1のT分岐回路)、4は方形導波管のE面がT字形状であり分岐部(分岐点)に整合用ステップが設けられたステップ付き方形導波管のE面T分岐回路(第2のT分岐回路)、5は方形導波管のH面のうち後述する低域通過フィルタ6に対向する面にコルゲートが形成された片側コルゲート方形導波管形の低域通過フィルタ(第1の低域通過フィルタ)、6は方形導波管のH面のうち低域通過フィルタ5に対向する面にコルゲートが形成された片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタ(第2の低域通過フィルタ)、7は方形導波管のE面の内面にアイリスが形成された誘導性アイリス結合方形導波管形の帯域通過フィルタ、8は高周波の電波の伝送線路を方形導波管からMIC(Microwave Intergrated Circuit、マイクロ波集積回路)に、あるいはMICから方形導波管に変換する方形導波管−MIC変換器(第1の変換器)、9は高周波の伝送線路を方形導波管からMICに、あるいはMICから方形導波管に変換する方形導波管−MIC変換器(第2の変換器)、10はMICにより構成された低雑音増幅器(増幅器)、P5は方形主導波管1の一端に設けられた入出力端子、P6は方形主導波管2の一端に設けられた入出力端子である。尚、上述の整合用ステップは、導波管内のE面に階段状のステップを設けた整合用方形導波管片側E面ステップである。
【0024】
尚、E面T分岐回路3の第1ポートに入出力端子P5が設けられ、この第1ポートに対向する第2ポートに帯域通過フィルタ7が設けられ、第1ポートと第2ポートの間の分岐部(分岐点)から分岐された第3ポートに低域通過フィルタ5が設けられている。すなわち、入出力端P5と帯域通過フィルタ7は直線上に配置されることとなる。
【0025】
同様に、E面T分岐回路4の第1ポートに入出力端子P6が設けられ、この第1ポートに対向する第2ポートに帯域通過フィルタ7が設けられ、第1ポートと第2ポートの間の分岐部(分岐点)から分岐された第3ポートに低域通過フィルタ6が設けられている。すなわち、入出力端P6と帯域通過フィルタ7は直線上に配置されることとなる。
【0026】
尚、低域通過フィルタ5及び6は、第1の周波数帯の電波は透過し、かつ、第1の周波数帯よりも高い周波数帯である第2の周波数帯の電波を反射するように設計されている。また、帯域通過フィルタ7は第2の周波数帯の電波は透過し、かつ、第1の周波数帯の電波を反射するように設計されている。
【0027】
更に、E面T分岐回路3は第1の周波数帯の電波が主導波管1側から入射したときの反射波と第2の周波数帯の電波が帯域通過フィルタ7側から入射したときの反射波が各々小さくなるように設計された整合用ステップが分岐部(分岐点)に設けられている。また、E面T分岐回路4は第1の周波数帯の電波が低域通過フィルタ6側から入射したときの反射波と第2の周波数帯の電波が主導波管1側から入射したときの反射波が各々小さくなるように設計された整合用ステップが分岐部(分岐点)に設けられている。
【0028】
次に動作について説明する。
まず、第1の周波数帯の電波の基本モード(方形導波管TE01モード)が入出力端子P5から入力されると、この電波は主導波管1、E面T分岐回路3および低域通過フィルタ5を伝播して、変換器8より低雑音増幅器10に入る。そして、低雑音増幅器10内にて増幅された後変換器9より出て、低域通過フィルタ6、E面T分岐回路4および主導波管2を伝播して、入出力端子P6から方形導波管の基本モードとして出力される。一方、第1の周波数帯の電波の基本モードはE面T分岐回路3から帯域通過フィルタ7に入射しても帯域通過フィルタ7によって反射するため、E面T分岐回路3、帯域通過フィルタ7、E面T分岐回路4の経路は伝播しない。
【0029】
次に、第1の周波数帯よりも高い周波数帯の第2の周波数帯の電波の基本モード(方形導波管TE01モード)が入出力端子P6から入力されたとすると、この電波は主導波管2、E面T分岐回路4、帯域通過フィルタ7、E面T分岐回路2および主導波管1を伝播して、入出力端子P5から方形導波管の基本モードとして出力される。一方、第2の周波数帯の電波の基本モードはE面T分岐回路4から低域通過フィルタ6に入射しても低域通過フィルタ6によって反射するため、E面T分岐回路4、低域通過フィルタ6、変換器9、低雑音増幅器10、変換器8、低域通過フィルタ5及びE面T分岐回路3の経路は伝播しない。
【0030】
このため、入出力端子P5から入力された第1の周波数帯の電波は、入出力端子P5への反射およびE面T分岐回路4側への直接漏洩を抑えつつ、低雑音増幅器10へ効率的に入力される。更に、低雑音増幅器10により増幅された第1の周波数帯の電波は、E面T分岐回路3側へ回帰することなく効率的に入出力端子P6から出力される。また、入出力端子P6から入力された第2の周波数帯の電波は、入出力端子P6への反射および低雑音増幅器10側への漏洩を抑えつつ、効率的に入出力端子P5から出力される。
【0031】
このように、この実施の形態1によれば、方形導波管E面T分岐回路3に低域通過フィルタ5と帯域通過フィルタ7を接続し、低域通過フィルタ5に方形導波管−MIC変換器8を接続し、方形導波管−MIC変換器8に低雑音増幅器10を接続し、低雑音増幅器10に方形導波管−MIC変換器9を接続し、方形導波管−MIC変換器9に低域通過フィルタ6を接続し、低域通過フィルタ6と帯域通過フィルタ7を方形導波管E面T分岐回路4に接続しているため、入出力端子P5から入力した第1の周波数帯の電波を発振させることなく効率的に増幅して通過させ、同時に、入出力端子P6から入力した第2の周波数帯の電波をほとんど損失することなく通過させることができるという効果が得られる。
【0032】
また、帯域通過フィルタ7の共振器段数を適宜少なくすれば入出力端子P5から入出力端子P6の距離が短くなり、小形化および軽量化が可能で、かつ、高性能な高周波モジュールを得ることができるという効果が得られる。
【0033】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2による高周波モジュールの構成を示す上面図、図4(a)は図3におけるA方向から見た側面図、(b)は図3におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図3におけるC方向から見た内側面図である。
【0034】
上述した実施の形態1では、方形導波管のE面T分岐回路3、4に帯域通過フィルタ7を接続したものを示したが、図3に示すように、帯域通過フィルタ7に代えて、E面T分岐回路3に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲した誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタ11(第1の帯域通過フィルタ)と、帯域通過フィルタ11に接続された方形導波管E面ベンド13(第1のベンド)と、方形導波管E面ベンド13に接続された方形導波管E面ベンド14(第2のベンド)と、方形導波管E面ベンド14に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲した誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタ12(第2の帯域通過フィルタ)とを設けている。尚、動作については、実施の形態1と同様あるので説明を省略する。
【0035】
このように、本実施の形態における高周波モジュールは上述の構成をしているので、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、帯域通過フィルタ11、12を構成する共振器段数を図3中上方向、すなわち、低雑音増幅器10が設置されている方向に増加すれば、入出力端子P5から入出力端子P6までの距離を変えることなく、第1の周波数帯の電波がE面T分岐回路3からE面T分岐回路4に直接漏れ込む量を大きく抑圧することができるという効果が得られる。
【0036】
更に、帯域通過フィルタ11、12とE面ベンド13、14の距離を適宜決めることにより、入出力端子P5から入出力端子P6までの距離を変えることなく、第2の周波数帯においてより優れた反射特性を得ることができるという効果が得られる。また、設計の自由度が増加するという効果がある。
【0037】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3による高周波モジュールの構成を示す上面図、図6(a)は図5におけるA方向から見た側面図、(b)は図5におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図5におけるC方向から見た側面図である。上述した実施の形態1では、方形導波管E面T分岐回路3、4に低域通過フィルタ5、6を接続したものを示したが、図5に示すように、低域通過フィルタ5、6に代えて、誘導性アイリス結合方形導波管形の帯域通過フィルタ15、16(第1の帯域通過フィルタ、第3の帯域通過フィルタ)を設けている。尚、帯域通過フィルタ7が第2の帯域通過フィルタに相当する。
【0038】
ここで、実施の形態3で使用した誘導性アイリス結合方形導波管形の帯域通過フィルタ15、16の構造は、実施の形態1で使用した誘導性アイリス結合方形導波管形の帯域通過フィルタ7と同様である。
尚、動作については実施の形態1と同様であるので省略する。
【0039】
このように、本実施の形態における高周波モジュールは上述の構成をしているので、実施の形態1と同様な効果が得られ、更に、第1の周波数帯と第2の周波数帯の間隔が狭い場合でも、第2の周波数帯の電波が低雑音増幅器10側に漏れ込む量を大きく抑圧することができるという効果が得られる。
【0040】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4による高周波モジュールの構成を示す上面図、図8(a)は図7におけるA方向から見た側面図、(b)は図7におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図7におけるC方向から見た側面図である。上述の実施の形態1では、方形導波管のE面T分岐回路3、4に低域通過フィルタ5、6および帯域通過フィルタ7を接続したものを示したが、図7に示すように、低域通過フィルタ5、6に代えて、誘導性アイリス結合方形導波管形の帯域通過フィルタ15、16(第1の帯域通過フィルタ、第3の帯域通過フィルタ)を設け、更に、帯域通過フィルタ7に代えて、E面T分岐回路3に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲した誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタ11(第2の帯域通過フィルタ)と、帯域通過フィルタ11に接続された方形導波管E面ベンド13と、方形導波管E面ベンド13に接続された方形導波管のE面ベンド14と、方形導波管のE面ベンド14に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲した誘導性アイリス結合方形導波管形の帯域通過フィルタ12(第4の帯域通過フィルタ)とを設けている。
【0041】
このように、本実施の形態における高周波モジュールは上述の構成をしているので、実施の形態1と同様な効果が得られ、更に、第1の周波数帯と第2の周波数帯の間隔が狭い場合でも、第2の周波数帯の電波が低雑音増幅器10側に漏れ込む量を大きく抑圧することができるという効果が得られる。
【0042】
また、帯域通過フィルタ11、12を構成する共振器段数を図7中上方向、すなわち、低雑音増幅器10が設置されている方向に増加すれば、入出力端子P5から入出力端子P6までの距離を変えることなく、第1の周波数帯の電波がE面T分岐回路3からE面T分岐回路4に直接漏れ込む量を大きく抑圧することができるという効果が得られる。
【0043】
更に、帯域通過フィルタ11、12とE面ベンド13、14の距離を適宜決めることにより、入出力端子P5から入出力端子P6までの距離を変えることなく、第2の周波数帯においてより優れた反射特性を得ることができるという効果が得られる。
【0044】
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5による上述の発明の実施の形態2の高周波モジュールの組立構成を示す上面図、図10(a)は図9におけるA方向から見た側面図、(b)は図9におけるB方向から見た側面図、(c)は図9におけるC方向から見た側面図である。各図において、17は、主導波管1、2とT分岐回路3、4と低域通過フィルタ5、6と導波管−MIC変換器8、9の導波管部分と帯域通過フィルタ11、12と導波管ベンド13、14とをE面対称分割したものの上部を1つの金属ブロックを掘削加工することにより一体構造にて実現した2分割導波管金属ブロック、18は、主導波管1、2とT分岐回路3、4と低域通過フィルタ5、6と導波管−MIC変換器8、9の導波管部分と帯域通過フィルタ11、12と導波管ベンド13、14とをE面対称分割したものの下部を1つの金属ブロックを掘削加工することにより一体構造にて実現した2分割導波管金属ブロック、19は低雑音増幅器10を金属ブロック17、18内に配置し、かつ、支持するための金属板である。
尚、動作については、実施の形態2と同様あるので説明を省略する。
【0045】
このように、この実施の形態5によれば、主導波管1、2とT分岐回路3、4と低域通過フィルタ5、6と導波管−MIC変換器8、9の導波管部分と帯域通過フィルタ11、12と導波管ベンド13、14とを一体形成した金属ブロック17、18を組合せることにより構成しているので、実施の形態2の効果に加え、更に、通常導波管回路間を接続するために必要となるフランジ等の接続支持機構が大幅に削減され、より小形かつ軽量かつ高性能な高周波モジュールを得ることができるという効果が得られる。
【0046】
実施の形態6.
図11は、この発明の実施の形態6による高周波モジュールの構成を示す上面図、図12(a)は図11におけるA方向から見た側面図、(b)は図11におけるB方向から見た側面図、(c)は図11におけるC方向から見た側面図である。上述の実施の形態5では、低雑音増幅器10の幅の広い面が金属ブロック17、18の組合せ面に接地されているものを示したが、本実施の形態では、図11に示すように、低雑音増幅器10の幅の狭い面が金属ブロック17、18の組合せ面に設置されている。
尚、動作については、実施の形態2と同様あるので説明を省略する。
【0047】
このように、本実施の形態における高周波モジュールは上述の構成をしているので、実施の形態5と同様に、通常導波管回路間を接続するために必要となるフランジ等の接続支持機構が大幅に削減され、より小形かつ軽量かつ高性能な高周波モジュールを得ることができるという効果が得られる。
【0048】
実施の形態7.
図13は、この発明の実施の形態7による高周波モジュールの構成を示す断面図、図14(a)は図13におけるA方向から見た側面図、(b)は図13におけるB方向から見た側面図、(c)は図13におけるC方向から見た側面図である。上述の実施の形態5では、低雑音増幅器10の上に支持用の金属板19を設けたが、通常、低雑音増幅器10の外壁幅広面と金属板19の接地面の間には組立上避け得ない隙間が出来ることがある。この場合、この隙間を擬似的な導波管モードが伝送するため導波管−MIC変換器8、9間に不要結合が励起され、その結果、特性劣化が引き起こされる。
【0049】
本実施の形態では、図13に示すように、意図的に低雑音増幅器10の外壁幅広面と金属板20の接地面の間に隙間を設け、かつ、上述の金属板および上述の低雑音増幅器の外壁幅広面を導波管幅広面とする片側容量性アイリス結合方形導波管形の帯域通過フィルタ21を設けている。
尚、動作については、実施の形態2と同様あるので説明を省略する。
【0050】
このように、本実施の形態における高周波モジュールは上述の構成をしているので、実施の形態5の効果に加え、更に、上述した不要結合が抑圧され、特性劣化を回避することができるという効果が得られる。
【0051】
実施の形態8.
図15は、この発明の実施の形態8による高周波モジュールの構成を示す上面図、図16(a)は図15におけるA方向から見た側面図、(b)は図15におけるB方向から見た側面図、(c)は図15におけるC方向から見た側面図である。上述の実施の形態7では、低雑音増幅器10の外壁幅広面と金属板20の接地面の間に隙間を設け、そこに導波管形帯域通過フィルタ23を設けたものを示したが、図8に示すように、低雑音増幅器10の外壁幅広面と金属板22の接地面の間に隙間を設け、そこに片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタ23を設置している。
尚、動作については、実施の形態2と同様あるので説明を省略する。
【0052】
このように、本実施の形態における高周波モジュールは上述の構成をしているので、実施の形態7と同様の効果が得られる。
【0053】
実施の形態9.
図17は、この発明の実施の形態9によるアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図において、24は主反射鏡あるいは副反射鏡へ第1の周波数帯の垂直水平両直線偏波を送信し、かつ、主反射鏡あるいは副反射鏡より第2の周波数帯の垂直水平両直線偏波を受信する一次放射器、25は偏分波器、26aは偏分波器25に接続された上述の実施の形態5における高周波モジュール、26bは偏分波器25に接続された上述の実施の形態5における高周波モジュール、27aは高周波モジュール26a、後述する分波器、P1は一次放射器24から垂直偏波にて送信される第1の周波数帯の電波の入力端子、P2は一次放射器24より垂直偏波にて受信される第2の周波数帯の電波の出力端子、P3は一次放射器24から水平偏波にて送信される第1の周波数帯の電波の入力端子、P4は一次放射器24より水平偏波にて受信される第2の周波数帯の電波の出力端子である。
【0054】
次に動作について説明する。
まず、入力端子P1より入力された第1の周波数帯の直線偏波の電波は、分波器27aおよび高周波モジュール26aを通過して、偏分波器25に入力され垂直偏波として出力された後、一次放射器24を介して反射鏡より空中に放射される。
また、反射鏡が受信した第2の周波数帯の垂直偏波の電波は、一次放射器24を介して偏分波器25に入力された後、高周波モジュール26aにより増幅されて分波器27aに伝送され、出力端子P2より直線偏波として抽出される。
【0055】
次に、入力端子P3より入力された第1の周波数帯の直線偏波の電波は、分波器27bおよび高周波モジュール26bを通過して、偏分波器25に入力され水平偏波として出力された後、一次放射器24を介して反射鏡より空中に放射される。
また、反射鏡が受信した第2の周波数帯の水平偏波の電波は、一次放射器24を介して偏分波器25に入力された後、高周波モジュール26bにより増幅されて分波器27bに伝送され、出力端子P4より直線偏波として抽出される。
【0056】
ここで、入力端子P1および入力端子P3から入力された第1の周波数帯の電波は、分波器27aおよび27bのアイソレーション特性により出力端子P2および出力端子P4へはほとんど漏洩しない。また、偏分波器25により各電波は互いに直交する偏波に変換されるため、両電波間ではほとんど干渉しない。従って、同一の周波数帯を使い、かつ、垂直水平両偏波の2つの送信波が効率的に一次放射器24から放射されることになる。
【0057】
また、一次放射器24にて受信された同一の周波数帯を使い、かつ、垂直水平両偏波の2つの電波は、偏分波器25により互いに干渉することなく分離される。また、分離された各電波は分波器27aおよび27bのアイソレーション特性により入力端子P1および入力端子P3へはほとんど漏洩しない。従って、同一の周波数帯を使い、かつ、偏波面が異なる2つの受信波が効率的に出力端子2および出力端子4から出力されることになる。
【0058】
このように、この実施の形態9によれば、反射鏡にて受信した電波を出力端子P2および出力端子P4に接続された受信器へ伝送する間に高周波モジュール26aおよび26bにて1度増幅するため、偏分波器25、分波器27a、27bおよび受信器を近接して配置する必要がなく、これらの回路の配置の自由度を高めることができるという効果が得られる。また、アンテナビームを機械駆動操作する場合、反射鏡とともに回転するところに分波器27a、27bおよび受信器を配置する必要がなく、このため、その回転機構および回転支持機構の小形化および軽量化が可能で、かつ、高性能なアンテナ装置を得ることができるという効果が得られる。
【0059】
実施の形態10.
図18は、この発明の実施の形態10によるアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図において、24は主反射鏡あるいは副反射鏡へ第1の周波数帯の左右両旋円偏波を送信し、かつ、主反射鏡あるいは副反射鏡より第2の周波数帯の左右両旋円偏波を受信する一次放射器、25は後述する円偏波発生器28に接続された偏分波器、26aは偏分波器25に接続された上述の実施の形態5における高周波モジュール、26bは偏分波器25に接続された上述の実施の形態5における高周波モジュール、27aは高周波モジュール26aに接続された分波器、27bは高周波モジュール26bに接続された分波器、28は一次放射器24と偏分波器25との間に設けられた円偏波発生器、P1は分波器27aに接続され、一次放射器24から左旋円偏波にて送信される第1の周波数帯の電波の入力端子、P2は分波器27aに接続され、一次放射器24より左旋円偏波にて受信される第2の周波数帯の電波の出力端子、P3は分波器27bに接続され、一次放射器24から右旋円偏波にて送信される第1の周波数帯の電波の入力端子、P4は分波器27bに接続され、一次放射器24より右旋円偏波にて受信される第2の周波数帯の電波の入力端子である。
【0060】
次に動作について説明する。
まず、入力端子P1より入力された第1の周波数帯の直線偏波の電波は、分波器27aおよび高周波モジュール26aを通過して、偏分波器25に入力され垂直偏波として出力された後、円偏波発生器28により垂直偏波から左旋円偏波に変換され、一次放射器24を介して反射鏡より空中に放射される。
また、反射鏡が受信した第2の周波数帯の左旋円偏波の電波は、一次放射器24を介して円偏波発生器28により左旋円偏波から垂直偏波に変換され、偏分波器25に入力された後、高周波モジュール26aにより増幅されて分波器27aに伝送され、出力端子P2より直線偏波として抽出される。
【0061】
次に、入力端子P3より入力された第1の周波数帯の直線偏波の電波は、分波器27bおよび高周波モジュール26bを通過して、偏分波器25に入力され水平偏波として出力された後、円偏波発生器28により水平偏波から右旋円偏波に変換され、一次放射器24を介して反射鏡より空中に放射される。
また、反射鏡が受信した第2の周波数帯の右旋円偏波の電波は、一次放射器24を介して円偏波発生器28により右旋円偏波から水平偏波に変換され、偏分波器25に入力された後、高周波モジュール26bにより増幅されて分波器27bに伝送され、出力端子P4より直線偏波として抽出される。
【0062】
ここで、入力端子P1および入力端子P3から入力された第1の周波数帯の電波は、分波器27aおよび27bのアイソレーション特性により出力端子P2および出力端子P4へはほとんど漏洩しない。また、偏分波器25により各電波は互いに直交する偏波に変換されるため、両電波間ではほとんど干渉しない。従って、同一の周波数帯を使い、かつ、左右両旋の円偏波の2つの送信波が効率的に一次放射器24から放射されることになる。
【0063】
また、一次放射器24にて受信された同一の周波数帯を使い、かつ、左右両旋の円偏波の2つの電波は、円偏波発生器28および偏分波器25により互いに干渉することなく直交する2つの直線偏波に変換され、分離される。また、分離された各電波は分波器27aおよび27bのアイソレーション特性により出力端子P1および出力端子P3へはほとんど漏洩しない。従って、同一の周波数帯を使い、かつ、旋回方向の異なる円偏波をもつ2つの送信波が効率的に出力端子2および端子4から出力されることになる。
【0064】
このように、この実施の形態10によれば、反射鏡にて受信した電波を出力端子P2および出力端子P4に接続された受信器へ伝送する間に高周波モジュール26aおよび26bにて1度増幅するため、偏分波器25、分波器27a、27bおよび受信器を近接して配置する必要がなく、これらの回路の配置の自由度を高めることができるという効果が得られる。また、アンテナビームを機械駆動操作する場合、反射鏡とともに回転するところに分波器27a、27bおよび受信器を配置する必要がなく、このため、その回転機構および回転支持機構の小形化および軽量化が可能で、かつ、高性能なアンテナ装置を得ることができるという効果が得られる。
【0065】
【発明の効果】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の低域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる帯域通過フィルタと、上記第1の低域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第2の低域通過フィルタと、上記第2の低域通過フィルタと上記帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたものなので、第1の周波数帯の電波を発振させることなく効率的に増幅して通過させるとともに、第1の周波数帯の電波と対向して入力される第2の周波数帯の電波の損失を少なく通過させることができるという効果が得られる。
【0066】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の低域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1の低域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第2の低域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続された第1のベンドと、この第1のベンドに接続された第2のベンドと、この第2のベンドに接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第2の低域通過フィルタと上記第2の帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたものなので、第1の周波数帯の電波を発振させることなく効率的に増幅して通過させるとともに、第1の周波数帯の電波と対向して入力される第2の周波数帯の電波の損失を少なく通過させることができるという効果が得られる。
【0067】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う増幅器と、この増幅器に接続された第2の変換器と、この第2の変換器に接続された第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第3の帯域通過フィルタと、上記第3の帯域通過フィルタと上記第2の帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたものなので、第1の周波数帯の電波を発振させることなく効率的に増幅して通過させるとともに、第1の周波数帯の電波と対向して入力される第2の周波数帯の電波の損失を少なく通過させることができるという効果が得られる。
【0068】
この発明に係る高周波モジュールは、第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のT分岐回路と、この第1のT分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1のT分岐回路に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続された第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第3の帯域通過フィルタと、上記第2の帯域通過フィルタに接続された第1のベンドと、この第1のベンドに接続された第2のベンドと、この第2のベンドに接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第4の帯域通過フィルタと、上記第3の帯域通過フィルタと上記第4の帯域通過フィルタとに接続された第2のT分岐回路と、この第2のT分岐回路に接続された第2の主導波管とを備えたものなので、第1の周波数帯の電波を発振させることなく効率的に増幅して通過させるとともに、第1の周波数帯の電波と対向して入力される第2の周波数帯の電波の損失を少なく通過させることができるという効果が得られる。
【0069】
また、上記導波管形低域通過フィルタとして、片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタを設けたものなので、第1の周波数帯の電波を発振させることなく効率的に増幅して通過させるとともに、第1の周波数帯の電波と対向して入力される第2の周波数帯の電波の損失を少なく通過させることができるという効果が得られる。
【0070】
また、上記導波管形帯域通過フィルタとして、誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタを設けたものなので第1の周波数帯の電波を発振させることなく効率的に増幅して通過させるとともに、第1の周波数帯の電波と対向して入力される第2の周波数帯の電波の損失を少なく通過させることができるという効果が得られる。
【0071】
また、上記T分岐回路は、分岐点に整合用のステップを設けたものなので、第1の周波数帯の電波と第2の周波数帯の電波を効率的に入出力を行うことができる。
【0072】
また、上記主導波管と、上記T分岐回路と、上記低域通過フィルタあるいは上記導波管形帯域通過フィルタと、上記帯域通過フィルタあるいは上記管軸が一部湾曲した帯域通過フィルタおよび上記ベンドと、上記変換器の導波管部分とを掘削加工された2体の金属ブロックを組み合わせることにより構成したものなので、各部の接続支持機構が削減することができる。
【0073】
また、上記増幅器の上に1枚の金属板を設け、この金属板と上記増幅器の外壁幅広面に挟まれた隙間に、上記金属板および上記増幅器の外壁幅広面を導波管内壁とする片側容量性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタを設けたものなので、不要結合が抑圧することができる。
【0074】
また、上記増幅器の上に1枚の金属板を設け、この金属板と上記増幅器の外壁幅広面に挟まれた隙間に、上記金属板および上記増幅器の外壁幅広面を導波管内壁とする片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタを設けたものなので、不要結合が抑圧することができる。
【0075】
この発明に係るアンテナ装置は、一次放射器と、この一次放射器に接続された偏分波器と、この偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第1の高周波モジュールと、この第1の高周波モジュールに接続された第1の分波器と、上記偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第2の高周波モジュールと、この第2の高周波モジュールに接続された第2の分波器とを備えたものなので、小型及び軽量化を図ることができる。
【0076】
この発明に係るアンテナ装置は、一次放射器と、この一次放射器に接続された円偏波発生器と、この円偏波発生器に接続された偏分波器と、この偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第1の高周波モジュールと、この第1の高周波モジュールに接続された第1の分波器と、上記偏分波器に接続された請求項1乃至10のいずれかに記載の第2の高周波モジュールと、この第2の高周波モジュールに接続された第2の分波器とを備えたものなので、小型及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における高周波モジュールの構成を示す上面図である。
【図2】 (a)は図1におけるA方向から見た側面図、(b)は図1におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図1におけるC方向から見た内側面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による高周波モジュールの構成を示す上面図である。
【図4】 (a)は図3におけるA方向から見た側面図、(b)は図3におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図3におけるC方向から見た内側面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による高周波モジュールの構成を示す上面図である。
【図6】 (a)は図5におけるA方向から見た側面図、(b)は図5におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図5におけるC方向から見た側面図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による高周波モジュールの構成を示す上面図である。
【図8】 (a)は図7におけるA方向から見た側面図、(b)は図7におけるB方向から見た低雑音増幅器の側面図、(c)は図7におけるC方向から見た側面図である。
【図9】 この発明の実施の形態5による上述の発明の実施の形態2の高周波モジュールの組立構成を示す上面図である。
【図10】 (a)は図8におけるA方向から見た側面図、(b)は図8におけるB方向から見た側面図、(c)は図8におけるC方向から見た側面図である。
【図11】 この発明の実施の形態6による高周波モジュールの構成を示す上面図である。
【図12】 (a)は図11におけるA方向から見た側面図、(b)は図11におけるB方向から見た側面図、(c)は図11におけるC方向から見た側面図である。
【図13】 この発明の実施の形態7による高周波モジュールの構成を示す断面図である。
【図14】 (a)は図13におけるA方向から見た側面図、(b)は図13におけるB方向から見た側面図、(c)は図13におけるC方向から見た側面図である。
【図15】 この発明の実施の形態8による高周波モジュールの構成を示す上面図である。
【図16】 (a)は図15におけるA方向から見た側面図、(b)は図15におけるB方向から見た側面図、(c)は図15におけるC方向から見た側面図である。
【図17】 この発明の実施の形態9によるアンテナ装置の構成を示すブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態10によるアンテナ装置の構成を示すブロック図である。
【図19】 従来のアンテナ装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、2 方形主導波管、3、4 方形導波管E面T分岐回路、5、6 片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタ、7 誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタ、8、9 方形導波管−MIC変換器、10 低雑音増幅器、11、12 誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタ、13、14 方形導波管E面ベンド、15、16 誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタ、17、18 金属ブロック、19 金属板、20 金属板、21 片側容量性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタ、22 金属板、23 片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタ、24 一次放射器、25 偏分波器、26a、26b 高周波モジュール、27a、27b 分波器、28 円偏波発生器、61 一次放射器、62 円偏波発生器、63 偏分波器、64a、64b 分波器。
Claims (11)
- 第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のE面T分岐回路と、この第1のE面T分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の低域通過フィルタと、上記第1のE面T分岐回路に接続され第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる帯域通過フィルタと、上記第1の低域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第2の低域通過フィルタと、上記第2の低域通過フィルタと上記帯域通過フィルタとに接続された第2のE面T分岐回路と、この第2のE面T分岐回路に接続された第2の主導波管とを備え、上記主導波管と、上記E面T分岐回路と、上記低域通過フィルタと、上記帯域通過フィルタと、上記変換器の導波管部分とを掘削加工されたE面対称な2体の金属ブロックを組み合わせることにより構成したことを特徴とする高周波モジュール。
- 第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のE面T分岐回路と、この第1のE面T分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の低域通過フィルタと、上記第1のE面T分岐回路に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1の低域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第2の低域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続された第1のE面ベンドと、この第1のE面ベンドに接続された第2のE面ベンドと、この第2のE面ベンドに接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第2の低域通過フィルタと上記第2の帯域通過フィルタとに接続された第2のE面T分岐回路と、この第2のE面T分岐回路に接続された第2の主導波管とを備え、上記主導波管と、上記E面T分岐回路と、上記低域通過フィルタと、上記帯域通過フィルタと、上記E面ベンドと、上記変換器の導波管部分とを掘削加工されたE面対称な2体の金属ブロックを組み合わせることにより構成したことを特徴とする高周波モジュール。
- 第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のE面T分岐回路と、この第1のE面T分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1のE面T分岐回路に接続され第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う増幅器と、この増幅器に接続された第2の変換器と、この第2の変換器に接続された第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第3の帯域通過フィルタと、上記第3の帯域通過フィルタと上記第2の帯域通過フィルタとに接続された第2のE面T分岐回路と、この第2のE面T分岐回路に接続された第2の主導波管とを備え、上記主導波管と、上記E面T分岐回路と、上記帯域通過フィルタと、上記変換器の導波管部分とを掘削加工されたE面対称な2体の金属ブロックを組み合わせることにより構成したことを特徴とする高周波モジュール。
- 第1の主導波管と、この第1の主導波管に接続された第1のE面T分岐回路と、この第1のE面T分岐回路に接続され第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第1の帯域通過フィルタと、上記第1のE面T分岐回路に接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第2の帯域通過フィルタと、上記第1の帯域通過フィルタに接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第1の変換器と、この第1の変換器に接続され、かつ、マイクロ波集積回路により構成された増幅器と、この増幅器に接続され、導波管とマイクロ波集積回路との間で伝送線路の変換を行う第2の変換器と、この第2の変換器に接続された第1の周波数帯を透過させるとともに第2の周波数帯を反射させる第3の帯域通過フィルタと、上記第2の帯域通過フィルタに接続された第1のE面ベンドと、この第1のE面ベンドに接続された第2のE面ベンドと、この第2のE面ベンドに接続され、かつ、管軸が部分的に湾曲し第2の周波数帯を透過させるとともに第1の周波数帯を反射させる第4の帯域通過フィルタと、上記第3の帯域通過フィルタと上記第4の帯域通過フィルタとに接続された第2のE面T分岐回路と、この第2のE面T分岐回路に接続された第2の主導波管とを備え、上記主導波管と、上記E面T分岐回路と、上記低域通過フィルタと、上記帯域通過フィルタと、上記E面ベンドと、上記変換器の導波管部分とを掘削加工されたE面対称な2体の金属ブロックを組み合わせることにより構成したことを特徴とする高周波モジュール。
- 上記導波管形低域通過フィルタとして、片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の高周波モジュール。
- 上記導波管形帯域通過フィルタとして、誘導性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高周波モジュール。
- 上記E面T分岐回路は、分岐点に整合用のステップを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高周波モジュール。
- 上記増幅器の上に1枚の金属板を設け、この金属板と上記増幅器の外壁幅広面に挟まれた隙間に、上記金属板および上記増幅器の外壁幅広面を導波管内壁とする片側容量性アイリス結合方形導波管形帯域通過フィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の高周波モジュール。
- 上記増幅器の上に1枚の金属板を設け、この金属板と上記増幅器の外壁幅広面に挟まれた隙間に、上記金属板および上記増幅器の外壁幅広面を導波管内壁とする片側コルゲート方形導波管形低域通過フィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の高周波モジュール。
- 一次放射器と、この一次放射器に接続された偏分波器と、この偏分波器に接続された請求項1乃至9のいずれかに記載の第1の高周波モジュールと、この第1の高周波モジュールに接続された第1の分波器と、上記偏分波器に接続された請求項1乃至9のいずれかに記載の第2の高周波モジュールと、この第2の高周波モジュールに接続された第2の分波器とを備えたことを特徴とするアンテナ装置。
- 一次放射器と、この一次放射器に接続された円偏波発生器と、この円偏波発生器に接続された偏分波器と、この偏分波器に接続された請求項1乃至9のいずれかに記載の第1の高周波モジュールと、この第1の高周波モジュールに接続された第1の分波器と、上記偏分波器に接続された請求項1乃至9のいずれかに記載の第2の高周波モジュールと、この第2の高周波モジュールに接続された第2の分波器とを備えたことを特徴とするアンテナ装置。
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