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JP4071546B2 - 半導体装置の回路設計支援装置およびレイアウト変更方法 - Google Patents

半導体装置の回路設計支援装置およびレイアウト変更方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の回路設計に使用されるコンピュータによる設計支援装置(CAD)に係り、特に回路配置および配線配置を行うレイアウトツールおよびレイアウト変更方法に関するもので、例えばロジックLSIの設計に使用される。
【0002】
【従来の技術】
図6は、CADを用いた半導体装置の回路設計に際してレイアウトツールを用いた設計手順の流れの一例を示す。
【0003】
回路接続情報を含むnetリストに基づいてレイアウトツールにより回路配置および配線配置を行った後、回路接続情報を抽出し、回路特性の物理検証を行うためにシミュレーションを行う。このシミュレーションの結果、OKであれば、前記回路配置および配線配置後の設計データをデータベースとして格納しておく。そして、回路変更の必要が生じた場合には、その変更情報を含む変更netリストに基づいて前記データベースの内容を修正する。
【0004】
しかし、従来例のレイアウトツールは、回路配置および配線配置後に回路変更が加わる場合に、たとえ回路変更箇所が極く小さい範囲でも、回路変更後の回路パターンの物理検証をレイアウト全体で行わなければならず、物理検証に必要以上に多くの時間を必要とする。また、回路変更後の回路接続情報の抽出もレイアウト全体で行わなければならず、時間効率が悪い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のレイアウトツールは、回路配置および配線配置後に回路変更が加わる場合に、回路パターンの物理検証に必要以上に多くの時間を必要とし、回路変更後の回路接続情報の抽出も時間効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、回路配置および配線配置後に回路変更が加わる場合に、回路変更する領域を限定することができ、変更可能領域内のみで回路変更を行うことができ、回路パターンの物理検証の時間を短縮し、回路変更後の回路接続情報の抽出時間も短縮し得る半導体装置の回路設計支援装置およびレイアウト変更方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置の回路設計支援装置は、表示画面上の座標指定およびデータ入出力機能を含むフレームワーク用のソフトウェアおよび半導体装置の回路・配線配置エンジン用のソフトウェアを含むレイアウトツールを組み込んだコンピュータと、前記コンピュータにより生成された回路配置および配線配置の画像情報を表示する表示装置とを具備し、前記レイアウトツールは、表示画面上の座標指定により回路変更可能領域を限定できる機能と、回路変更に際して、前記回路変更可能領域外のセル、素子、配線に対する寄生容量、寄生抵抗、配線の相互インダクタンスに関して影響が及ばない程度の領域を自動的に再設定し、前記再設定された回路変更可能定領域内のみで、回路を変更するための情報に基づいて自動的に回路変更を行う機能と、回路変更後に、前記再設定された回路変更可能領域内のみデザインルールチェックを自動的に行う機能とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の半導体装置のレイアウト変更方法は、半導体装置の回路設計支援装置を用いて半導体装置の回路配置および配線配置を行った後、回路を変更するための情報に基づいて回路変更を行う際に、オペレータによる領域指定により前記回路設計支援装置による回路変更可能領域を限定し、回路変更に際して、前記回路変更可能領域外のセル、素子、配線に対する寄生容量、寄生抵抗、配線の相互インダクタンスに関して影響が及ばない程度の領域を自動的に再設定し、前記再設定された回路変更可能領域内のみで、回路を変更するための前記情報に基づいて前記回路設計支援装置により自動的に回路変更を行い、回路変更後に、再設定された前記回路変更可能領域内のみデザインルールチェックを前記回路設計支援装置により自動的に行うことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置用のCADの一例を概略的に示している。
【0011】
このCADは、基本的な構成として、エンジニアリング用のワークステーション11などのコンピュータと、それにより生成された回路配置および配線配置の画像情報が表示されるモニター用の表示装置12を備えている。上記ワークステーション11には、表示装置12の表示画面上の表示、編集(座標指定、領域指定を含む)、データ入出力などの制御機能を有するフレームワーク用のソフトウェア、半導体装置の配線エンジン・配置エンジン用のソフトウェアなどのレイアウトツール10が組み込まれている。
【0012】
そして、本実施形態では、前記レイアウトツール10のソフトウェアに、ワークステーション11のオペレータ(通常、設計者)による表示画面上の座標指定により回路変更可能領域を限定できる機能、つまり、変更可能領域内のみで回路変更を行うが領域外での回路変更を一切行わない機能を付加したことを特徴とするものである。
【0013】
上記CADを用いた半導体装置の回路設計に際しては、図6を参照して前述したような処理の流れにしたがって実行する。
【0014】
図2は、図1のCADに組み込まれたレイアウトツールを用いて回路配置および配線配置を行った後(回路変更前)のレイアウト図形の一例を簡略化して示している。なお、以下では、回路変更によりセルを削除する場合の実施例である。
【0015】
図2中、1-1 〜1-10、2-1 〜2-3 、3-1 〜3-3 、4-1 は配線、5-1 〜5-5 はセル(回路セル)である。前記配線群のうち、3-1 〜3-3 はそれぞれ縦方向に配置されたメタル層Aにより形成された配線、1-1 〜1-10はそれぞれ横方向に配置されたメタル層Bにより形成された配線、2-1 〜2-3 はそれぞれ縦方向に配置されたメタル層Cにより形成された配線であり、4-1 は横方向に配置されたメタル層Dにより形成された配線である。
【0016】
VIAaはメタル層Aとメタル層Bとを接続するビアコンタクト部、VIAbはメタル層Bとメタル層Cとを接続するビアコンタクト部、VIAcはメタル層Cとメタル層Dとを接続するビアコンタクト部である。
【0017】
ここで、前記セル群のうちの5-5 は回路変更により削除の対象となるものであり、前記配線群のうちの1-1,1-9,2-1,2-3 はレイアウトツールによる自動的な変更を禁止するものであり、配線1-1,1-2 間および1-8,1-9 間はデザインルールチェック(以下、DRC と記す)で違反とならない最小の間隔であるものと仮定する。また、各配線間および各セル間の寄生容量、各配線の寄生抵抗、各配線のインダクタンスの情報は、レイアウトツールのライブラリ内に予め準備されているものとする。
【0018】
次に、回路変更を行う必要が生じた場合には、レイアウトツールを用いて次のような処理により回路変更を行う。
【0019】
(1)まず、設計者による表示画面上の座標指定により、例えば図3に示すように、回路変更可能領域を限定する。以下、このように限定した領域を限定変更可能領域Aと称する。
【0020】
(2)レイアウトツールは、ライブラリ内の情報を参照し、限定変更可能領域A内のセル、素子、配線に変更があった場合に、限定変更可能領域外(回路変更不可能領域)のセル、素子、配線に対する寄生容量、寄生抵抗、配線の相互インダクタンスに関して影響が及ぶかどうかを自動的に判定する。
【0021】
この場合、影響が及ぶかどうかの判定基準は、配線間距離が寄生容量値の許容変化範囲内であるか否か、限定変更可能領域Aの境界近傍に存在する配線の太さ、厚さなどに依存する寄生抵抗値の許容変化範囲内であるか否か、配線電流の方向や周波数などに依存する配線の相互インダクタンスが許容変化範囲内であるか否かなどである。
【0022】
図3の場合、上記寄生容量については、限定変更可能領域Aの境界付近では配線1-1,1-2 間の寄生容量Caおよび配線1-8,1-9 間の寄生容量Cbに影響が及び、その他の領域では配線1-8,4-1 間、配線1-8,2-2 間、配線1-9,4-1 間、配線1-9,2-2 間、配線3-3,4-1 間の寄生容量に影響が及ぶ。
【0023】
(3)レイアウトツールは、前記判定により、限定変更可能領域A外のセル、素子、配線に対する寄生容量、寄生抵抗、インダクタンスに関して影響が及ばないと判定した場合には、回路変更前の状態のレイアウトデータを記憶した後、自動的に回路変更を行う。この回路変更の後、限定変更可能領域A内のDRC を自動的に実行する。
【0024】
(4)レイアウトツールは、前記判定により、限定変更可能領域A外のセル、素子、配線に対する寄生容量、寄生抵抗、インダクタンスに関して影響が及ぶと判定された場合には、例えば図4に示すように、限定変更可能領域A内にそれらのセル、素子、配線に対する寄生抵抗、容量に対して影響が及ばない程度の回路変更可能領域をライブラリ内の情報を元に自動的に再設定する。以下、このように再設定した領域を再設定変更可能領域Bと称する。
【0025】
これにより、レイアウトツールは、回路変更前の状態のレイアウトデータを記憶した後、例えば図5に示すように、再設定変更可能領域B内で自動的に回路変更を行う。図5は、図2と比べて、セル5-5 が削除され、配線1-6 と1-7 がメタル層Aの配線3-4 により接続されるように変更されている。このような回路変更の後、再設定変更可能領域B内のDRC を自動的に実行する。
【0026】
(5)レイアウトツールは、前記したような限定変更可能領域A内のDRC 、あるいは再設定変更可能領域B内のDRC を実行した結果、DRC 違反となるセル、素子、配線があった場合には、DRC 違反がなくなるまで、上記(3)、(4)の処理を繰り返す。DRC 違反とならない最適な回路変更が可能にならない場合には、エラーメッセージを出力し、レイアウトデータを前記したように記憶している回路変更前の状態に戻す。
【0027】
(6)この後、最終的に確定した限定変更可能領域A内あるいは再設定変更可能領域B内を通過する配線の寄生容量、寄生抵抗およびインダクタンスの情報を自動的に抽出する。
【0028】
上記実施形態のレイアウトツールによれば、回路変更を限定変更可能領域A内あるいは再設定変更可能領域B内で行うことを保証するので、回路変更前に回路パターンの物理的な検証が行なわれている場合には、変更後は限定変更可能領域A内のみ、あるいは再設定変更可能領域Bのみの物理検証でよく、検証時間を短縮することが可能になる。
【0029】
また、回路変更後に回路情報(例えば寄生容量)を抽出する場合においても、回路変更時に限定した領域に素子、配線パターンが含まれる接続情報を再抽出するのみでよいので、データの受け渡し、回路動作検証作業を短縮することが可能になる。
【0030】
なお、上記実施例では、回路変更の例としてセルを削除する場合を説明したが、その他の回路変更、例えばセルの挿入(セルの削除後に行う場合は置換)、セルの移動、配線経路の変更などを行う場合にも本発明を適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
上述したように本発明の半導体装置の回路設計支援装置によれば、回路配置および配線配置後に回路変更が加わる場合に、回路変更する領域を限定することができ、変更可能領域内のみで回路変更を行うことができ、回路パターンの物理検証の時間を短縮し、回路変更後の回路接続情報の抽出時間も短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置用のCADを概略的に示す図。
【図2】図1のCADに組み込まれたレイアウトツールを用いて回路配置および配線配置を行った後(回路変更前)のレイアウト図形の一例を簡略化して示す図。
【図3】図2に示した回路配置および配線配置を行った後に回路変更を行う必要が生じた場合にレイアウトツールを用いて回路変更可能領域の限定を行った後のレイアウト図形の一例を簡略化して示す図。
【図4】図3に示した回路変更可能領域の限定後に回路変更可能領域の再設定を行った後のレイアウト図形の一例を簡略化して示す図。
【図5】図4に示した回路変更可能領域の再設定後に回路変更を行った後のレイアウト図形の一例を簡略化して示す図。
【図6】CADを用いた半導体装置の回路設計に際してレイアウトツールを用いた設計手順の流れの一例を示す図。
【符号の説明】
1-1 〜1-10、2-1 〜2-3 、3-1 〜3-3 、4-1 …配線、
5-1 〜5-5 …回路セル、
A…限定変更可能領域、
B…再設定変更可能領域。

Claims (3)

  1. 表示画面上の座標指定およびデータ入出力機能を含むフレームワーク用のソフトウェアおよび半導体装置の回路・配線配置エンジン用のソフトウェアを含むレイアウトツールを組み込んだコンピュータと、
    前記コンピュータにより生成された回路配置および配線配置の画像情報を表示する表示装置とを具備し、
    前記レイアウトツールは、表示画面上の座標指定により回路変更可能領域を限定できる機能と、
    回路変更に際して、前記回路変更可能領域外のセル、素子、配線に対する寄生容量、寄生抵抗、配線の相互インダクタンスに関して影響が及ばない程度の領域を自動的に再設定し、前記再設定された回路変更可能定領域内のみで、回路を変更するための情報に基づいて自動的に回路変更を行う機能と、
    回路変更後に、前記再設定された回路変更可能領域内のみデザインルールチェックを自動的に行う機能とを有することを特徴とする半導体装置の回路設計支援装置。
  2. 前記レイアウトツールは、前記回路変更後に、前記再設定された回路変更可能領域内を通過する配線の寄生容量、抵抗、インダクタンスの自動抽出を行う機能を有することを特徴とする請求項記載の半導体装置の回路設計支援装置。
  3. 半導体装置の回路設計支援装置を用いて半導体装置の回路配置および配線配置を行った後、回路を変更するための情報に基づいて回路変更を行う際に、オペレータによる領域指定により前記回路設計支援装置による回路変更可能領域を限定し、回路変更に際して、前記回路変更可能領域外のセル、素子、配線に対する寄生容量、寄生抵抗、配線の相互インダクタンスに関して影響が及ばない程度の領域を自動的に再設定し、前記再設定された回路変更可能領域内のみで、回路を変更するための前記情報に基づいて前記回路設計支援装置により自動的に回路変更を行い、回路変更後に、再設定された前記回路変更可能領域内のみデザインルールチェックを前記回路設計支援装置により自動的に行うことを特徴とする半導体装置のレイアウト変更方法。
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