JP4064517B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波画像の３次元表示機能を備えた超音波診断装置に関し、特に、３次元表示された超音波画像の視線方向を容易に認識できる超音波診断装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、超音波探触子を移動させながら複数の２次元超音波断層像を収集することで、空間的に連続する２次元超音波断層像の集まりである３次元データを得る一方、該３次元データに基づき、所定の視線方向に対応する投影面の画像を生成し、この投影面の画像を表示する超音波画像の３次元表示機能を備えた超音波診断装置が知られている。
【０００３】
また、従来から、超音波画像と共に、人体を表現したボディマークを表示装置に表示し、このボディマーク上に超音波探触子の位置及び走査方向を示すプローブマークを表示することが行われている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記プローブマークによって超音波探触子の位置及び走査方向は即座に認識できるものの、超音波画像を３次元表示させた場合に、そのときの超音波画像がどの視線方向から診断部位をみたときの画像であるかを認識することができず、３次元表示させた超音波画像に基づく診断効率，診断精度を低下させてしまう可能性があった。
【０００５】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、超音波画像を３次元表示させたときに、視線方向を容易に認識できるようにして、診断効率，診断精度を向上させることを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による超音波診断装置は、超音波探触子から被検体内の診断部位に対して超音波を送受信して断層面を扇状に走査し、該走査によって得られた複数の２次元超音波断層像に基づいて３次元画像を生成し、この３次元の超音波画像を表示装置に表示する機能を備える超音波診断装置において、前記表示装置に３次元の超音波画像を表示する際に、被検体を示すボディマークを表示し、このボディマーク上に超音波探触子の位置及び走査方向並びに移動方向を示すプローブマークを表示すると共に、このプローブマークの基端部に表示される四角のマーク及びこの四角のマークに対して交差する直線のマーク並びにこの直線のマークの基端側に表示され視線方向を表す目のマークとから構成され、上記プローブマークの基端部に対する直線のマークの交差方向が３次元表示される超音波画像の視線方向を示す視線マークを表示するようにしたものである。
また、前記視線マークの表示は、３次元表示される超音波画像の視線方向を示す複数の視線マークを全て表示し、これらの視線マークの中からいずれか１つを選択することで、その選択された視線マークが示す視線方向の３次元画像が当該視線マークと共に表示されるようにしてもよい。
さらに、前記視線マークの表示は、該視線マークの方向を任意の角度に変更可能とし、任意の角度に変更された視線マークが示す視線方向の３次元画像を生成させるようにしてもよい。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図１は実施の形態における超音波診断装置の構成を示すブロック図であり、この超音波診断装置は、ライン状に複数の振動子が配列された超音波探触子から被検体内の診断部位に対して超音波を送受信して断層面を扇状に走査し、該走査によって得られた超音波断層像を表示装置に表示させるものである。
【０００８】
詳細には、送受信部１により超音波探触子２を駆動し、該超音波探触子２から被検体内の診断部位に向けて超音波を送受信して断層面を走査し、該走査によって得られた反射エコー信号について信号処理部３で整相，検波，圧縮などの各種処理を施した後、Ａ／Ｄ変換器４でデジタル信号に変換し、該Ａ／Ｄ変換で得られたエコー信号データ（輝度値）を画像メモリ５の所定アドレスに書き込む。前記画像メモリ５には、送受信方向を変えて得られたエコー信号データが、各々所定アドレスへ順次書き込まれ、画像データが形成される。形成された画像データは、超音波の走査とは別個の同期信号に対応して走査変換されて読み出され直交座標系−極座標系変換及び空間補間演算が施された後、Ｄ／Ａ変換器６でアナログ信号に変換される。そして、前記Ｄ／Ａ変換器６で得られたアナログ信号は、表示装置（ＣＲＴ）７に出力され、該表示装置７において超音波断層像の表示が行われる。
【０００９】
また、３次元画像生成部８が設けられており、該３次元画像生成部８では、前記画像メモリ５に蓄えられた空間的に連続する複数の２次元超音波断層像と、指定された視線方向とに基づいて、３次元画像を生成し、これを画像メモリ５に一旦蓄える。上記のようにして画像メモリ５に蓄えられた３次元画像は、通常の２次元断層像と同様にして走査変換されてＤ／Ａ変換器６を介して表示装置７に表示される。
【００１０】
また、画像メモリ５に蓄えられた３次元画像とボディマークとプローブマークと視線マークとが、画像合成器９によって合成されるようになっている。
【００１１】
ボディマーク表示系は、オペレータが操作する操作器（図示しない）によって所望のボディマークを選択すべくボディマーク用メモリ10ｂのアドレスを出力するボディマークセレクタ10ａと、ボディマークセレクタ10ａのアドレス出力と対応するボディマークのパターンデータを出力するボディマーク用メモリ10ｂと、ボディマークのパターンデータの画像合成器９上の位置（表示装置７における表示位置に相当）を設定するボディマーク位置設定部10ｃから構成される。
【００１２】
プローブマーク表示系は、オペレータが操作する操作器によって所望のプローブマークを選択すべくプローブマーク用メモリ11ｂのアドレスを出力するプローブマークセレクタ11ａと、プローブマークセレクタ11ａのアドレス出力と対応するプローブマークのパターンデータを出力するプローブマーク用メモリ11ｂと、プローブマークのパターンデータの画像合成器９上の位置（表示装置７における表示位置に相当）を設定するプローブマーク位置設定部11ｃから構成される。
【００１３】
視線マーク表示系は、オペレータが操作する操作器によって所望の視線マークを選択すべく視線マーク用メモリ12ｂのアドレスを出力する視線マークセレクタ12ａと、視線マークセレクタ12ａのアドレス出力と対応する視線マークのパターンデータを出力する視線マーク用メモリ12ｂと、視線マークのパターンデータの画像合成器９上の位置（表示装置７における表示位置に相当）を設定する視線マーク位置設定部12ｃから構成される。
【００１４】
次に、前記３次元画像の生成について詳細に説明する。
図２は、３次元画像を得るための超音波探触子２の走査の様子を示すものであり、超音波探触子２を、移動方向11へ移動させながら走査させることで、被検体10内の３次元空間16において、前記移動方向11と直交する断層面での２次元超音波断層像12を空間的に連続して収集する。上記走査により、図３に示すように、前記移動方向11に沿って収集された複数の２次元超音波断層像12の集まりである３次元データ13が得られ、この３次元データ13は、前記画像メモリ５に蓄えられる。尚、図２，３において、被検体10内の構造を、簡易的に大小の円筒物で示してある。
【００１５】
前記３次元データ13に基づく前記３次元画像生成部８における３次元画像の生成は、例えば図４に示すような積算法によって行われる。複数の視線方向からの画像をそれぞれ表示させることを前提にすると、図４に示すように、診断対象の３次元空間に固定されたＸ，Ｙ，Ｚ軸のうちのＺ軸を回転軸とし、該Ｚ軸の回りのＸ軸からの角度θで視線方向ｗを指定する。尚、図４は、前記角度θを180 °とした場合を示してある。
【００１６】
そして、視線方向ｗからＺ軸に向かう直線上に視点ｖを置き、この視点ｖを通り視線方向ｗに直交する投影面21を定める。次いで、前記投影面21上の画素ｐから視線方向ｗに平行に３次元データ13を探索し、３次元データ13内で前記探索方向に位置する複数の超音波断層像毎の輝度値、即ち、図４に示す積算範囲18の輝度値を加算し、該加算結果を、投影面21上の画素ｐにおける画素値として画像メモリ５に格納する。かかる処理を投影面21の全画素について行うことで、視線方向ｗに対する１つの積算像（３次元画像）が生成される。
【００１７】
これら一連の処理を、例えば図５に示すように、投影面21とは視線方向ｗが異なる投影面22，23についても同様に行うことで、図６に示すように、３次元データをそれぞれ異なる視線方向ｗから見た３つの投影面21〜23毎に３次元画像30が得られる。
【００１８】
これらの３次元画像30は、自動切り換え制御により一定周期で順次表示装置７に表示されたり、或いは、読影者の選択に応じて表示装置７に表示され、診断に供される。尚、視線方向ｗや投影面の数を上記のものに限定するものでないことは明らかである。
【００１９】
ところで、超音波断層像の表示において、人体（被検体）を表現したボディマークを断層像と共に表示装置７に表示し、このボディマーク上に超音波探触子２の位置及び走査方向を示すプローブマークを表示することが一般的に行われているが、本実施の形態では、前記３次元画像30を表示するときに、図７（Ｂ）に示すように、矢印状のプローブマーク42と共に、そのときに表示されている３次元画像30の視線方向ｗを示す視線マーク43をボディマーク41上に表示させるようにしてある。
【００２０】
前記図７（Ｂ）の表示は、図７（Ａ）に示すように、被検体10に対して超音波探触子２を移動方向11に移動させて、空間的に連続した２次元超音波断層像からなる３次元データ13を得たときに、視線方向ｗに基づく投影面22の３次元画像30が表示されていることを示すものである。
【００２１】
前記矢印状のプローブマーク42は、矢印の方向が超音波探触子２の走査方向を示し、ボディマーク41上の矢印の位置によって超音波探触子２の位置を示すものである。また、前記視線マーク43は、矢印状のプローブマーク42の基端部に表示される四角のマーク43ａと、この四角のマーク43ａに対する交差方向が視線方向ｗを示す直線のマーク43ｂと、この直線のマーク43ｂの基端側に表示され、前記直線のマーク43ｂが３次元画像の視線方向ｗを表すことを示す目のマーク43ｃとから構成される。尚、図７（Ｂ）に示す例では、図で左上に向けて視線方向ｗが指定されている場合を示す。
【００２２】
３次元画像30と共に表示されるボディマーク41上に、プローブマーク42及び視線マーク43が表示されれば、前記視線方向ｗを瞬時に認識できるから、３次元画像30による診断を効率良くかつ高精度に行えることになる。
【００２３】
尚、上記では、視線方向ｗを示すマーク43を、図７（Ｂ）に示すように、四角と直線と目のマーク43a,43b,43c で構成したが、例えば視線方向ｗを矢印のみ又は目のマークのみで示したり、投影面の表示で間接的に視線方向ｗを表すようにしても良く、視線方向ｗを認識できるマークであれば上記以外の形状，構成のマークを用いることができる。
【００２４】
また、３次元画像を生成した複数の視線方向ｗを示す複数の視線マーク43を全て表示させ、これらの視線マーク43の中からいずれか１つを選択することで、その選択された視線方向ｗの３次元画像30が対応する視線マーク43と共に表示される構成とすることもでき、更に、視線方向ｗを示すマーク43を任意の角度に変更できるようにして、係る任意の角度を視線方向ｗとする３次元画像30を生成させる構成とすることもできる。
【００２５】
また、超音波探触子２の走査方向と共に、超音波探触子２の移動方向11を示す表示を、前記プローブマーク42上に表示しても良い。例えば、図１に示す画像メモリ５に蓄えられた３次元データ 13 を読み出して、図３に示すように、超音波探触子２の移動方向 11 に沿って収集された複数の２次元超音波断層像 12 の集まりである３次元データ 13 におけるその複数の２次元超音波断層像 12 の並び方向によって超音波探触子２の移動方向 11 を得て、この超音波探触子２の移動方向 11 をプローブマーク 42 上に表示すればよい。更に、振動子をライン上に配列した超音波探触子２の代わりに、振動子を２次元に配置してなる超音波探触子２を用いて、３次元データを得る構成であっても良い。
【００２６】
また、上記実施形態では、プローブマークと共に、視線方向を示すマークを表示する構成で説明したが、それぞれのマークを同時に表示することが好適であるが、それぞれのマークを切り換えて表示する例、明滅させて表示する例、また、同時表示，切り換え表示，明滅表示の組み合わせ等で実施する形態も本発明に含まれる。
【００２７】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項１に係る発明によれば、表示装置に３次元の超音波画像を表示する際に、被検体を示すボディマーク上に表示されるプローブマークによって、超音波探触子の位置及び走査方向並びに移動方向を示し、このプローブマークの基端部に対して表示される視線マークにおける直線のマークの交差方向によって、３次元表示される超音波画像の視線方向を示すことができる。これにより、３次元の超音波画像が表示装置に表示されるときに、その３次元画像の視線方向を瞬時に認識でき、以て、３次元画像に基づく診断効率，診断精度を向上させることができるという効果がある。
また、請求項２に係る発明によれば、３次元表示される超音波画像の視線方向を示す複数の視線マークを全て表示し、これらの視線マークの中からいずれか１つを選択することで、その選択された視線マークが示す視線方向の３次元画像が当該視線マークと共に表示される。
さらに、請求項３に係る発明によれば、表示される視線マークの方向を任意の角度に変更可能とし、任意の角度に変更された視線マークが示す視線方向の３次元画像を生成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる超音波診断装置の実施の形態におけるシステム構成を示すブロック図である。
【図２】３次元画像を生成するときの超音波探触子の走査の様子を示す図である。
【図３】超音波探触子の走査により得られた３次元データの様子を示す図である。
【図４】３次元画像における視線方向，輝度値の積算範囲，投影面を示す図である。
【図５】３次元データに対する複数の投影面の設定状態を示す図である。
【図６】３つの投影面についてそれぞれ得られた３次元画像の例を示す図である。
【図７】（Ａ）は実際の人体における超音波探触子の移動方向，投影面，視線方向を示す図、（Ｂ）は前記（Ａ）の設定で得られた３次元画像を表示するときの視線方向を示すマークの例を示す図である。
【符号の説明】
１…送受信部
２…超音波探触子
３…信号処理部
４…Ａ／Ｄ変換器
５…画像メモリ
６…Ｄ／Ａ変換器
７…表示装置
８…３次元画像生成部
９…画像合成器
10…被検体
11…移動方向
12…超音波断層像
13…３次元データ
21〜23…投影面
30…３次元画像
41…ボディマーク
42…プローブマーク
43…視線マーク
ｗ…視線方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波画像の３次元表示機能を備えた超音波診断装置に関し、特に、３次元表示された超音波画像の視線方向を容易に認識できる超音波診断装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、超音波探触子を移動させながら複数の２次元超音波断層像を収集することで、空間的に連続する２次元超音波断層像の集まりである３次元データを得る一方、該３次元データに基づき、所定の視線方向に対応する投影面の画像を生成し、この投影面の画像を表示する超音波画像の３次元表示機能を備えた超音波診断装置が知られている。
【０００３】
また、従来から、超音波画像と共に、人体を表現したボディマークを表示装置に表示し、このボディマーク上に超音波探触子の位置及び走査方向を示すプローブマークを表示することが行われている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記プローブマークによって超音波探触子の位置及び走査方向は即座に認識できるものの、超音波画像を３次元表示させた場合に、そのときの超音波画像がどの視線方向から診断部位をみたときの画像であるかを認識することができず、３次元表示させた超音波画像に基づく診断効率，診断精度を低下させてしまう可能性があった。
【０００５】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、超音波画像を３次元表示させたときに、視線方向を容易に認識できるようにして、診断効率，診断精度を向上させることを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による超音波診断装置は、超音波探触子から被検体内の診断部位に対して超音波を送受信して断層面を扇状に走査し、該走査によって得られた複数の２次元超音波断層像に基づいて３次元画像を生成し、この３次元の超音波画像を表示装置に表示する機能を備える超音波診断装置において、前記表示装置に３次元の超音波画像を表示する際に、被検体を示すボディマークを表示し、このボディマーク上に超音波探触子の位置及び走査方向並びに移動方向を示すプローブマークを表示すると共に、このプローブマークの基端部に表示される四角のマーク及びこの四角のマークに対して交差する直線のマーク並びにこの直線のマークの基端側に表示され視線方向を表す目のマークとから構成され、上記プローブマークの基端部に対する直線のマークの交差方向が３次元表示される超音波画像の視線方向を示す視線マークを表示するようにしたものである。
また、前記視線マークの表示は、３次元表示される超音波画像の視線方向を示す複数の視線マークを全て表示し、これらの視線マークの中からいずれか１つを選択することで、その選択された視線マークが示す視線方向の３次元画像が当該視線マークと共に表示されるようにしてもよい。
さらに、前記視線マークの表示は、該視線マークの方向を任意の角度に変更可能とし、任意の角度に変更された視線マークが示す視線方向の３次元画像を生成させるようにしてもよい。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図１は実施の形態における超音波診断装置の構成を示すブロック図であり、この超音波診断装置は、ライン状に複数の振動子が配列された超音波探触子から被検体内の診断部位に対して超音波を送受信して断層面を扇状に走査し、該走査によって得られた超音波断層像を表示装置に表示させるものである。
【０００８】
詳細には、送受信部１により超音波探触子２を駆動し、該超音波探触子２から被検体内の診断部位に向けて超音波を送受信して断層面を走査し、該走査によって得られた反射エコー信号について信号処理部３で整相，検波，圧縮などの各種処理を施した後、Ａ／Ｄ変換器４でデジタル信号に変換し、該Ａ／Ｄ変換で得られたエコー信号データ（輝度値）を画像メモリ５の所定アドレスに書き込む。前記画像メモリ５には、送受信方向を変えて得られたエコー信号データが、各々所定アドレスへ順次書き込まれ、画像データが形成される。形成された画像データは、超音波の走査とは別個の同期信号に対応して走査変換されて読み出され直交座標系−極座標系変換及び空間補間演算が施された後、Ｄ／Ａ変換器６でアナログ信号に変換される。そして、前記Ｄ／Ａ変換器６で得られたアナログ信号は、表示装置（ＣＲＴ）７に出力され、該表示装置７において超音波断層像の表示が行われる。
【０００９】
また、３次元画像生成部８が設けられており、該３次元画像生成部８では、前記画像メモリ５に蓄えられた空間的に連続する複数の２次元超音波断層像と、指定された視線方向とに基づいて、３次元画像を生成し、これを画像メモリ５に一旦蓄える。上記のようにして画像メモリ５に蓄えられた３次元画像は、通常の２次元断層像と同様にして走査変換されてＤ／Ａ変換器６を介して表示装置７に表示される。
【００１０】
また、画像メモリ５に蓄えられた３次元画像とボディマークとプローブマークと視線マークとが、画像合成器９によって合成されるようになっている。
【００１１】
ボディマーク表示系は、オペレータが操作する操作器（図示しない）によって所望のボディマークを選択すべくボディマーク用メモリ10ｂのアドレスを出力するボディマークセレクタ10ａと、ボディマークセレクタ10ａのアドレス出力と対応するボディマークのパターンデータを出力するボディマーク用メモリ10ｂと、ボディマークのパターンデータの画像合成器９上の位置（表示装置７における表示位置に相当）を設定するボディマーク位置設定部10ｃから構成される。
【００１２】
プローブマーク表示系は、オペレータが操作する操作器によって所望のプローブマークを選択すべくプローブマーク用メモリ11ｂのアドレスを出力するプローブマークセレクタ11ａと、プローブマークセレクタ11ａのアドレス出力と対応するプローブマークのパターンデータを出力するプローブマーク用メモリ11ｂと、プローブマークのパターンデータの画像合成器９上の位置（表示装置７における表示位置に相当）を設定するプローブマーク位置設定部11ｃから構成される。
【００１３】
視線マーク表示系は、オペレータが操作する操作器によって所望の視線マークを選択すべく視線マーク用メモリ12ｂのアドレスを出力する視線マークセレクタ12ａと、視線マークセレクタ12ａのアドレス出力と対応する視線マークのパターンデータを出力する視線マーク用メモリ12ｂと、視線マークのパターンデータの画像合成器９上の位置（表示装置７における表示位置に相当）を設定する視線マーク位置設定部12ｃから構成される。
【００１４】
次に、前記３次元画像の生成について詳細に説明する。
図２は、３次元画像を得るための超音波探触子２の走査の様子を示すものであり、超音波探触子２を、移動方向11へ移動させながら走査させることで、被検体10内の３次元空間16において、前記移動方向11と直交する断層面での２次元超音波断層像12を空間的に連続して収集する。上記走査により、図３に示すように、前記移動方向11に沿って収集された複数の２次元超音波断層像12の集まりである３次元データ13が得られ、この３次元データ13は、前記画像メモリ５に蓄えられる。尚、図２，３において、被検体10内の構造を、簡易的に大小の円筒物で示してある。
【００１５】
前記３次元データ13に基づく前記３次元画像生成部８における３次元画像の生成は、例えば図４に示すような積算法によって行われる。複数の視線方向からの画像をそれぞれ表示させることを前提にすると、図４に示すように、診断対象の３次元空間に固定されたＸ，Ｙ，Ｚ軸のうちのＺ軸を回転軸とし、該Ｚ軸の回りのＸ軸からの角度θで視線方向ｗを指定する。尚、図４は、前記角度θを180 °とした場合を示してある。
【００１６】
そして、視線方向ｗからＺ軸に向かう直線上に視点ｖを置き、この視点ｖを通り視線方向ｗに直交する投影面21を定める。次いで、前記投影面21上の画素ｐから視線方向ｗに平行に３次元データ13を探索し、３次元データ13内で前記探索方向に位置する複数の超音波断層像毎の輝度値、即ち、図４に示す積算範囲18の輝度値を加算し、該加算結果を、投影面21上の画素ｐにおける画素値として画像メモリ５に格納する。かかる処理を投影面21の全画素について行うことで、視線方向ｗに対する１つの積算像（３次元画像）が生成される。
【００１７】
これら一連の処理を、例えば図５に示すように、投影面21とは視線方向ｗが異なる投影面22，23についても同様に行うことで、図６に示すように、３次元データをそれぞれ異なる視線方向ｗから見た３つの投影面21〜23毎に３次元画像30が得られる。
【００１８】
これらの３次元画像30は、自動切り換え制御により一定周期で順次表示装置７に表示されたり、或いは、読影者の選択に応じて表示装置７に表示され、診断に供される。尚、視線方向ｗや投影面の数を上記のものに限定するものでないことは明らかである。
【００１９】
ところで、超音波断層像の表示において、人体（被検体）を表現したボディマークを断層像と共に表示装置７に表示し、このボディマーク上に超音波探触子２の位置及び走査方向を示すプローブマークを表示することが一般的に行われているが、本実施の形態では、前記３次元画像30を表示するときに、図７（Ｂ）に示すように、矢印状のプローブマーク42と共に、そのときに表示されている３次元画像30の視線方向ｗを示す視線マーク43をボディマーク41上に表示させるようにしてある。
【００２０】
前記図７（Ｂ）の表示は、図７（Ａ）に示すように、被検体10に対して超音波探触子２を移動方向11に移動させて、空間的に連続した２次元超音波断層像からなる３次元データ13を得たときに、視線方向ｗに基づく投影面22の３次元画像30が表示されていることを示すものである。
【００２１】
前記矢印状のプローブマーク42は、矢印の方向が超音波探触子２の走査方向を示し、ボディマーク41上の矢印の位置によって超音波探触子２の位置を示すものである。また、前記視線マーク43は、矢印状のプローブマーク42の基端部に表示される四角のマーク43ａと、この四角のマーク43ａに対する交差方向が視線方向ｗを示す直線のマーク43ｂと、この直線のマーク43ｂの基端側に表示され、前記直線のマーク43ｂが３次元画像の視線方向ｗを表すことを示す目のマーク43ｃとから構成される。尚、図７（Ｂ）に示す例では、図で左上に向けて視線方向ｗが指定されている場合を示す。
【００２２】
３次元画像30と共に表示されるボディマーク41上に、プローブマーク42及び視線マーク43が表示されれば、前記視線方向ｗを瞬時に認識できるから、３次元画像30による診断を効率良くかつ高精度に行えることになる。
【００２３】
尚、上記では、視線方向ｗを示すマーク43を、図７（Ｂ）に示すように、四角と直線と目のマーク43a,43b,43c で構成したが、例えば視線方向ｗを矢印のみ又は目のマークのみで示したり、投影面の表示で間接的に視線方向ｗを表すようにしても良く、視線方向ｗを認識できるマークであれば上記以外の形状，構成のマークを用いることができる。
【００２４】
また、３次元画像を生成した複数の視線方向ｗを示す複数の視線マーク43を全て表示させ、これらの視線マーク43の中からいずれか１つを選択することで、その選択された視線方向ｗの３次元画像30が対応する視線マーク43と共に表示される構成とすることもでき、更に、視線方向ｗを示すマーク43を任意の角度に変更できるようにして、係る任意の角度を視線方向ｗとする３次元画像30を生成させる構成とすることもできる。
【００２５】
また、超音波探触子２の走査方向と共に、超音波探触子２の移動方向11を示す表示を、前記プローブマーク42上に表示しても良い。例えば、図１に示す画像メモリ５に蓄えられた３次元データ 13 を読み出して、図３に示すように、超音波探触子２の移動方向 11 に沿って収集された複数の２次元超音波断層像 12 の集まりである３次元データ 13 におけるその複数の２次元超音波断層像 12 の並び方向によって超音波探触子２の移動方向 11 を得て、この超音波探触子２の移動方向 11 をプローブマーク 42 上に表示すればよい。更に、振動子をライン上に配列した超音波探触子２の代わりに、振動子を２次元に配置してなる超音波探触子２を用いて、３次元データを得る構成であっても良い。
【００２６】
また、上記実施形態では、プローブマークと共に、視線方向を示すマークを表示する構成で説明したが、それぞれのマークを同時に表示することが好適であるが、それぞれのマークを切り換えて表示する例、明滅させて表示する例、また、同時表示，切り換え表示，明滅表示の組み合わせ等で実施する形態も本発明に含まれる。
【００２７】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項１に係る発明によれば、表示装置に３次元の超音波画像を表示する際に、被検体を示すボディマーク上に表示されるプローブマークによって、超音波探触子の位置及び走査方向並びに移動方向を示し、このプローブマークの基端部に対して表示される視線マークにおける直線のマークの交差方向によって、３次元表示される超音波画像の視線方向を示すことができる。これにより、３次元の超音波画像が表示装置に表示されるときに、その３次元画像の視線方向を瞬時に認識でき、以て、３次元画像に基づく診断効率，診断精度を向上させることができるという効果がある。
また、請求項２に係る発明によれば、３次元表示される超音波画像の視線方向を示す複数の視線マークを全て表示し、これらの視線マークの中からいずれか１つを選択することで、その選択された視線マークが示す視線方向の３次元画像が当該視線マークと共に表示される。
さらに、請求項３に係る発明によれば、表示される視線マークの方向を任意の角度に変更可能とし、任意の角度に変更された視線マークが示す視線方向の３次元画像を生成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる超音波診断装置の実施の形態におけるシステム構成を示すブロック図である。
【図２】３次元画像を生成するときの超音波探触子の走査の様子を示す図である。
【図３】超音波探触子の走査により得られた３次元データの様子を示す図である。
【図４】３次元画像における視線方向，輝度値の積算範囲，投影面を示す図である。
【図５】３次元データに対する複数の投影面の設定状態を示す図である。
【図６】３つの投影面についてそれぞれ得られた３次元画像の例を示す図である。
【図７】（Ａ）は実際の人体における超音波探触子の移動方向，投影面，視線方向を示す図、（Ｂ）は前記（Ａ）の設定で得られた３次元画像を表示するときの視線方向を示すマークの例を示す図である。
【符号の説明】
１…送受信部
２…超音波探触子
３…信号処理部
４…Ａ／Ｄ変換器
５…画像メモリ
６…Ｄ／Ａ変換器
７…表示装置
８…３次元画像生成部
９…画像合成器
10…被検体
11…移動方向
12…超音波断層像
13…３次元データ
21〜23…投影面
30…３次元画像
41…ボディマーク
42…プローブマーク
43…視線マーク
ｗ…視線方向
Claims (3)
- 超音波探触子から被検体内の診断部位に対して超音波を送受信して断層面を扇状に走査し、該走査によって得られた複数の２次元超音波断層像に基づいて３次元画像を生成し、この３次元の超音波画像を表示装置に表示する機能を備える超音波診断装置において、
前記表示装置に３次元の超音波画像を表示する際に、被検体を示すボディマークを表示し、このボディマーク上に超音波探触子の位置及び走査方向並びに移動方向を示すプローブマークを表示すると共に、このプローブマークの基端部に表示される四角のマーク及びこの四角のマークに対して交差する直線のマーク並びにこの直線のマークの基端側に表示され視線方向を表す目のマークとから構成され、上記プローブマークの基端部に対する直線のマークの交差方向が３次元表示される超音波画像の視線方向を示す視線マークを表示するようにしたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記視線マークの表示は、３次元表示される超音波画像の視線方向を示す複数の視線マークを全て表示し、これらの視線マークの中からいずれか１つを選択することで、その選択された視線マークが示す視線方向の３次元画像が当該視線マークと共に表示されるようにしたことを特徴とする請求項１記載の超音波診断装置。
- 前記視線マークの表示は、該視線マークの方向を任意の角度に変更可能とし、任意の角度に変更された視線マークが示す視線方向の３次元画像を生成させるようにしたことを特徴とする請求項１記載の超音波診断装置。
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