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JP4062821B2 - 電磁負荷の駆動装置 - Google Patents

電磁負荷の駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用エンジンの電磁駆動式のインジェクタに設けられるソレノイドなどの電磁負荷について、応答を早めて駆動するめの電磁負荷の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電磁負荷の応答を早めるために、昇圧回路により昇圧され蓄積されたエネルギーを放出する電磁負荷の駆動装置や、電磁負荷の通電遮断時の逆起電力エネルギー(フライバックエネルギー)を回収して利用する電磁負荷の駆動装置が公知である(例えば特公平7−78374号公報、特許第2598595号公報)。
【0003】
この種の電磁負荷の駆動装置としては、電磁駆動式のインジェクタを駆動する装置が知られており、従来技術におけるインジェクタ駆動回路を図15に示す。図15において、インダクタ301、スイッチ302、ダイオード303及びコンデンサ304により昇圧回路が構成されており、スイッチ302のオン/オフに伴いコンデンサ304にはバッテリ電圧+Bよりも高い電圧が充電される。コンデンサ304にはスイッチ305を介してインジェクタ内のソレノイド306の一端が接続され、ソレノイド306の他端はスイッチ307及び抵抗308を介して接地されている。ソレノイド306には、定電流駆動用のスイッチ309が接続されている。スイッチ307のオン時にソレノイド306が通電されると、インジェクタの図示しない弁体が開弁位置に移動する。ソレノイド306のローサイドにはエネルギー回収用のダイオード310が接続されている。駆動用IC311は、各スイッチ302,305,307,309をオン又はオフに制御する。
【0004】
上記インジェクタ駆動回路の動作を図16のタイムチャートに従い説明する。図16には、インジェクタによるメイン噴射と、それに先立って実施されるパイロット噴射とが実施される様子を示す。
【0005】
パイロット噴射に際し、駆動用IC311からの噴射信号に従いスイッチ307がオンすると、それと同時にスイッチ305が一定時間だけオンし、コンデンサ304の充電電圧がソレノイド306に対して放出される。これにより、インジェクタの開弁当初に大電流が流れ、インジェクタの開弁応答性が向上する。コンデンサ304の放電後には、スイッチ302がオン/オフされてコンデンサ304が充電される。その後、抵抗308により検出されるインジェクタ電流に応じてスイッチ309がオン/オフされ、ソレノイド306が定電流駆動される。また、パイロット噴射終了時には、ソレノイド306に発生する逆起電力エネルギーがダイオード310を介してコンデンサ304に回収される。
【0006】
一方、メイン噴射時には同様に、その当初にスイッチ305がオンしてコンデンサ304の充電電圧がソレノイド306に対して放出され、その後、ソレノイド306が定電流駆動される。コンデンサ304の放電後には、スイッチ302がオン/オフされてコンデンサ304が充電される。また、メイン噴射終了時には、ソレノイド306に発生する逆起電力エネルギーがダイオード310を介してコンデンサ304に回収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図15及び図16で説明した従来技術の場合、以下に示す問題が生じる。すなわち、図16のパイロット噴射時とメイン噴射時とを比べると、各噴射に要する噴射時間が異なる等の理由から、噴射終了時におけるコンデンサ304の充電電圧に差異が生じ(Va<Vb)、その差異により通電遮断時におけるコンデンサ304への逆起電力エネルギーの回収時間が変化する。そのため、インジェクタ駆動電流の減衰量が変化し、インジェクタの閉弁時間(通電遮断時からインジェクタが閉じるまでの応答遅れ時間)にも差異が発生する。従って、エンジン運転状態に対応するインジェクタの開弁時間(燃料噴射時間)に誤差が生じ、エンジンへの燃料噴射量が変動して排ガスの浄化性が悪化する等の問題を招く。
【0008】
上記の通り、電磁負荷の通電遮断時におけるエネルギー回収を利用してコンデンサ等にエネルギーを蓄積する場合には、回収先のエネルギー蓄積状態が異なると、エネルギー回収時間が変化し、電磁負荷が動作状態から非動作状態へ移行する迄の応答遅れ時間が変化する。それ故、電磁負荷が安定動作しないという問題が生ずる。
【0009】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、通電遮断時に電磁負荷が動作状態から非動作状態へ移行する時間のばらつきを解消し、ひいては電磁負荷を安定して駆動させることができる電磁負荷の駆動装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、負荷駆動用のスイッチング手段のオン/オフに伴い電磁負荷が通電又は通電遮断の状態となる。エネルギー供給手段は、電磁負荷の通電に際し、エネルギー供給用のスイッチング手段をオンし、エネルギー蓄積手段の蓄積エネルギーを電磁負荷に供給する。また、電磁負荷の通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーは、回収手段にて回収されると共にエネルギー蓄積手段に蓄積される。エネルギー量検出手段は、エネルギー蓄積手段に蓄えられているエネルギー量を検出し、タイミング調整手段は、電磁負荷への通電を遮断する前の前記検出したエネルギー量に応じて電磁負荷の通電遮断タイミングを調整する。
【0011】
上記の通り通電遮断のタイミングを調整することで、電磁負荷の通電遮断に際し、エネルギー蓄積手段のエネルギー量に応じてエネルギー回収に要する時間がばらついても、それに関係なく、通電遮断後に電磁負荷が実際に非動作状態になるタイミングはばらつくことがない。その結果、電磁負荷を安定して駆動させることができる。
【0012】
この場合、請求項2に記載したように、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど電磁負荷の通電遮断タイミングが遅くなるよう調整するとよい。つまり、エネルギー蓄積手段のエネルギー量が少ない時は、通電遮断後のエネルギー回収が比較的長引くため、通電遮断タイミングを早くし、エネルギー蓄積手段のエネルギー量が多い時は、通電遮断後のエネルギー回収が比較的早いため、通電遮断タイミングを遅くする。これにより、エネルギー蓄積手段のエネルギー量に関係なく、通電遮断後、所望のタイミングで電磁負荷を非動作状態に移行させることができる。
【0013】
ここで、電磁負荷を通電遮断する前のエネルギー蓄積手段のエネルギー量が変わると、通電遮断から非動作状態になるまでの電磁負荷の応答遅れ時間が変わるため、その応答遅れ時間の変化に拘わらず電磁負荷を本来必要な動作時間通りに制御するには、前記タイミング調整手段を請求項3〜8のように構成するとよい。以下、図14を参照しながら請求項3〜8の発明を説明する。なお、図14(a)は請求項3,4に対応する動作波形を、図14(b)は請求項5,6に対応する動作波形を、図14(c)は請求項7,8に対応する動作波形を示し、通電指令信号のオン/オフにより電磁負荷が動作/非動作(オン/オフ)の状態に切り替えられるとする。
【0014】
つまり、請求項3に記載の発明によれば、前記タイミング調整手段は、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量に応じて通電遮断時の電磁負荷の応答遅れ時間(図14のt101)を求めると共に、本来必要な電磁負荷の動作時間(図14のt102)から前記求めた応答遅れ時間(t101)を減算して電磁負荷の通電遮断タイミング、すなわち図14中、通電指令信号がオフに立ち下がるタイミングを決定する。この場合、通電指令信号がオフとなる電磁負荷の通電遮断から応答遅れ時間(t101)が経過したタイミングで、実際に電磁負荷が非動作状態となり、この非動作となるタイミングがばらつきなく調整されるので、電磁負荷の安定した駆動が実現できる。
【0015】
上記請求項3の発明では、請求項4に記載したように、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど、前記通電遮断時の電磁負荷の応答遅れ時間(図14のt101)を短くするとよい。
【0016】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記タイミング調整手段は、エネルギー蓄積手段のエネルギー量がゼロの時の電磁負荷の応答遅れ時間を当該応答遅れ時間の基準値(図14のt103)として、応答遅れ時間を前記エネルギー量に応じて基準値から減じさせるための補正値(図14のt104)を求め、その補正値に応じて電磁負荷の通電遮断タイミングを調整する。この場合、通電指令信号がオフとなる電磁負荷の通電遮断から応答遅れ時間((t103−t104)の時間)が経過したタイミングで、実際に電磁負荷が非動作状態となり、この非動作となるタイミングがばらつきなく調整されるので、電磁負荷の安定した駆動が実現できる。
【0017】
上記請求項5の発明では、請求項6に記載したように、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど、前記応答遅れ時間の補正値(図14のt104)を大きくするとよい。
【0018】
また、請求項7に記載の発明によれば、前記タイミング調整手段は、電磁負荷の通電指令信号として、本来必要な電磁負荷の動作時間(図14のt105)よりも応答遅れの基準時間(図14のt106)だけ短い信号を取り込み且つ、該信号による通電遮断のタイミングから、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量に応じた時間(図14のt107)だけ電磁負荷の通電を継続させる。この場合、時間t107の経過後の通電遮断から、更に応答遅れ時間((t106−t107)の時間)が経過したタイミングで、実際に電磁負荷が非動作状態となり、この非動作となるタイミングがばらつきなく調整されるので、電磁負荷の安定した駆動が実現できる。
【0019】
上記請求項7の発明では、請求項8に記載したように、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど、通電指令信号による通電終了から通電を継続する時間(図14のt107)を長くするとよい。
【0020】
因みに、上記図14(a)〜(c)では、通電遮断タイミングの調整方法は各々異なるが、本来必要な電磁負荷の動作時間が同じであれば、何れも負荷通電が遮断されるタイミング、並びに電磁負荷が非動作(オフ)になるタイミングが一致する。
【0021】
請求項9に記載の発明では、前記エネルギー蓄積手段による電磁負荷へのエネルギー供給後、次のエネルギー回収までの期間で当該エネルギー蓄積手段へのエネルギー蓄積を禁止し、その禁止期間にて前記エネルギー量検出手段によるエネルギー量の検出を行う。本構成により、エネルギー蓄積手段のエネルギー供給後、そのエネルギー状態が保持されて、その状態でエネルギー量が正しく検出される。
【0022】
請求項10に記載の発明では、前記エネルギー量検出手段は、エネルギー蓄積手段からのエネルギーの供給、並びにエネルギー蓄積手段へのエネルギーの回収が行われていない時点でのエネルギー量を基準に、電磁負荷の通電遮断までのエネルギー供給量とエネルギー回収量とから、通電遮断直前のエネルギー蓄積手段の蓄積エネルギー量を推定する。また、前記タイミング調整手段は、前記推定したエネルギー量に応じて電磁負荷の通電遮断タイミングを調整する。
【0023】
この場合、1回の電磁負荷の通電時におけるエネルギー供給量とエネルギー回収量とは既知であるため、蓄積エネルギー量の推定が可能となる。従って、電磁負荷の駆動毎にエネルギー蓄積手段のエネルギー量を検出する必要はなく、エネルギー量の検出時間が不足してもエネルギー量が正しく把握できる。それ故に、電磁負荷が適正に駆動できる。
【0024】
上記請求項10の発明は、請求項11に記載したように、前記エネルギー量検出手段は、電磁負荷の通電遮断までのエネルギー蓄積手段のエネルギー供給量と、同エネルギー蓄積手段のエネルギー回収量と、昇圧手段によるエネルギー蓄積量とから、通電遮断直前のエネルギー蓄積手段の蓄積エネルギー量を推定するように構成してもよい。
【0025】
また、請求項12に記載したように、前記エネルギー量の推定に係わるエネルギー供給及び回収が行われる期間では、前記昇圧手段によるエネルギー蓄積手段へのエネルギー蓄積を禁止するとよい。この場合、仮に電源電圧の変動等により昇圧手段によるエネルギーの蓄積量が影響を受けても、エネルギー量が誤って推定されることはなく、その推定値の信頼度が増し、電磁負荷が適正に駆動できるようになる。
【0026】
請求項13に記載の発明では、前記エネルギー蓄積手段は、電源エネルギーよりも高いレベルでエネルギーを蓄積するので、電磁負荷の動作時にはこの高いレベルのエネルギーが電磁負荷に供給され、電磁負荷の応答性が向上する。この場合、請求項14に記載したように、エネルギー蓄積手段には電源電圧を昇圧したエネルギーが蓄積されるとよい。
【0027】
本発明は、請求項15に記載したように、前記エネルギー供給手段によるエネルギー蓄積手段のエネルギー供給後、電磁負荷に対して電源電圧を供給して通電状態を継続することで、前記エネルギー供給後における電磁負荷の動作状態を持続させることができる。
【0028】
また、請求項16に記載したように、電磁負荷を、エンジンに燃料を供給するための燃料噴射用電磁弁のソレノイドとして構成することで、エンジンへの燃料噴射に際し、燃料噴射用電磁弁を好適に制御し、所望の燃料噴射動作を実現することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、車載用4気筒ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムとして具体化されるものであり、同燃料噴射システムにおいてコモンレール内で蓄圧された高圧燃料は、インジェクタの駆動に伴いディーゼルエンジンの各気筒に対して噴射供給される。また本実施の形態では、1回の燃焼行程に際して複数回の燃料噴射動作を行わせる多段噴射と、同時に2つのインジェクタを駆動させて各々燃料噴射を行わせる多重噴射とを実施する。
【0030】
図1は、本実施の形態におけるインジェクタ駆動装置を示す電気回路図である。図1の装置は、エンジンの各気筒に対して燃料噴射を行う燃料噴射用電磁弁としてのインジェクタ101,102,103,104と、これらインジェクタ101〜104を駆動する駆動回路(EDU:Electric Driver Unit)100と、この駆動回路100に接続されるECU(電子制御装置)200とを備える。ECU200は、CPU、各種メモリ等からなる周知のマイクロコンピュータを備え、エンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジン水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジン運転情報に基づき気筒毎に噴射信号を生成して駆動回路100に出力する。
【0031】
インジェクタ101〜104は常閉式の電磁弁にて構成され、電磁負荷としてのソレノイド101a,102a,103a,104aを個々に備える。この場合、各ソレノイド101a〜104aが通電されると、図示しない弁体がリターンスプリングの付勢力に抗して開弁位置に移動し、燃料噴射が行われる。また、各ソレノイド101a〜104aの通電が遮断されると、弁体が元の閉弁位置に戻り、燃料噴射が停止される。
【0032】
本実施の形態では、全4気筒のインジェクタ101〜104を2気筒ずつに分け、インジェクタ101と103を同じ噴射グループとして駆動回路100の共通端子COM1に接続し、インジェクタ102と104を同じ噴射グループとして駆動回路100の共通端子COM2に接続している。なお、同時に駆動されることがないインジェクタで各々の噴射グループを構成することとし、そのグループ分けはどの気筒間で多重噴射を実施させるか等のエンジンの設計仕様によって決定されればよい。また、4気筒以外の、例えば6気筒エンジンの場合には、各気筒のインジェクタを3気筒ずつの噴射グループに分ければよい。
【0033】
インダクタL11は一端がバッテリ電源ライン(+B)に接続され、他端がトランジスタT00に接続されている。トランジスタT00のゲート端子には自励式の発振回路110が接続され、この発振回路110の出力に応じてトランジスタT00がオン/オフする。トランジスタT00とGNDとの間には電流検出抵抗R00が接続されている。
【0034】
インダクタL11とトランジスタT00との間には、トランジスタT13と逆流防止用のダイオードD13とを介してコンデンサC10の一端が接続されると共に、トランジスタT23と逆流防止用のダイオードD23とを介してコンデンサC20の一端が接続されている。これらコンデンサC10,C20の他端はトランジスタT00と電流検出抵抗R00との接続点に接続されている。
【0035】
なお、コンデンサC10は、COM1側の噴射グループであるインジェクタ101,103専用のエネルギー蓄積コンデンサであり、コンデンサC20は、COM2側の噴射グループであるインジェクタ102,104専用のエネルギー蓄積コンデンサである。
【0036】
上記インダクタL11、トランジスタT00、電流検出抵抗R00、発振回路110、トランジスタT13,T23、ダイオードD13,D23及びコンデンサC10,C20によりDC−DCコンバータ回路が構成され、このうち、インダクタL11、トランジスタT00、電流検出抵抗R00及び発振回路110からなる回路部分が本発明の昇圧手段に相当する。
【0037】
トランジスタT13,T23は駆動用IC120により駆動が制御され、トランジスタT13,T23がオンした状態でトランジスタT00がオン/オフされると、ダイオードD13,D23を通じてコンデンサC10,C20が充電される。これにより、各コンデンサC10,C20がバッテリ電圧+Bよりも高い電圧に充電される。かかる場合、電流検出抵抗R00により充電電流がモニタされつつ、駆動用IC120からの指示に従い発振回路110によりトランジスタT00がオン/オフされることで、コンデンサC10,C20が効率の良い周期で充電される。コンデンサC10,C20の充電電圧は、例えば100Vである。
【0038】
駆動用IC120には、#1〜#4の入力端子が接続され、駆動用IC120はこの各端子を通じてECU200から第1気筒(#1)〜第4気筒(#4)の各噴射信号を取り込む。
【0039】
トランジスタT12,T22は、#1〜#4の噴射信号がオフ(論理ローレベル)からオン(論理ハイレベル)に反転するタイミングで一時的にオンとなり、コンデンサC10,C20の蓄積エネルギーをインジェクタ101〜104に供給するためのトランジスタである。より詳しくは、トランジスタT12はコンデンサC10と共通端子COM1との間に設けられ、駆動用IC120によりトランジスタT12がオンされると、コンデンサC10の蓄積エネルギーがCOM1側のインジェクタ101,103に供給される。また、トランジスタT22はコンデンサC20と共通端子COM2との間に設けられ、駆動用IC120によりトランジスタT22がオンされると、コンデンサC20の蓄積エネルギーがCOM2側のインジェクタ102,104に供給される。こうしたコンデンサC10,C20のエネルギー供給により、インジェクタの駆動電流として大電流が流れ、それに伴いインジェクタの開弁応答性が向上する。
【0040】
各インジェクタ101〜104のローサイドには、駆動回路100の端子INJ1,INJ2,INJ3,INJ4を介してトランジスタT10,T20,T30,T40が接続されており、駆動用IC120から#1〜#4の噴射信号が各々供給されると、その論理ハイレベルの噴射信号により当該トランジスタT10〜T40がオンとなる。トランジスタT10,T30とトランジスタT20,T40とは、各々同一の噴射グループを構成するものであり、それら各トランジスタはグループ毎に電流検出抵抗R10,R20を介して接地されている。電流検出抵抗R10,R20によりインジェクタ101〜104に流れる駆動電流が検出され、その検出結果が駆動用IC120に取り込まれる。
【0041】
COM1,COM2端子はそれぞれ、ダイオードD11,D21とトランジスタT11,T21とを介してバッテリ電源ライン(+B)に接続されている。かかる場合、駆動用IC120は、インジェクタ101〜104に流れる駆動電流に応じてトランジスタT11,T21をオン/オフ制御する。これにより、+Bからインジェクタ101〜104に定電流が供給される。ダイオードD12,D22は定電流制御のための帰還ダイオードであり、トランジスタT11,T21のオフ時にインジェクタ101〜104に流れる電流はダイオードD12,D22を介して還流される。
【0042】
実際の動作に際しては、駆動指令である噴射信号の立ち上がりと同時に先ずトランジスタT12又はT22がオンされ、インジェクタ101〜104の駆動電流としてコンデンサC10,C20のエネルギー供給により大電流が流れた後、引き続き、トランジスタT11又はT21を通じて定電流が流れ、噴射信号の立ち下がりに伴い同駆動電流が遮断される。なお、ダイオードD11,D21は、コンデンサC10,C20のエネルギー供給に際し、高電位となるCOM1,COM2端子から+B側への回り込みを防止するためのダイオードである。
【0043】
また、各インジェクタ101〜104のうち、一方の噴射グループを構成するインジェクタ101,103は、ダイオードD10,D30を介してコンデンサC10に接続されており、通電遮断に伴い当該インジェクタ101,103に発生する逆起電力エネルギーはダイオードD10,D30を介してコンデンサC10に回収される。また、他方の噴射グループを構成するインジェクタ102,104は、ダイオードD20,D40を介してコンデンサC20に接続されており、通電遮断に伴い当該インジェクタ102,104に発生する逆起電力エネルギーはダイオードD20,D40を介してコンデンサC20に回収される。
【0044】
コンデンサC10の電圧は、抵抗R15,R16とコンデンサC15により分圧及びフィルタ処理が施された後、A/Dコンバータ(ADC)140に取り込まれる。また、コンデンサC20の電圧は、抵抗R25,R26とコンデンサC25により分圧及びフィルタ処理が施された後、A/Dコンバータ(ADC)140に取り込まれる。A/Dコンバータ140では、コンデンサC10,C20の充電電圧をA/D変換し、その変換結果をECU200に出力する。
【0045】
なお本実施の形態では、コンデンサC10,C20が本発明のエネルギー蓄積手段に、トランジスタT10〜T40が負荷駆動用のスイッチング手段に、トランジスタT12,T22がエネルギー供給用のスイッチング手段に、ダイオードD10〜D40が回収手段に相当する。また、駆動用IC120がエネルギー供給手段に相当する。更に、A/Dコンバータ140及びECU200がエネルギー量検出手段に相当し、ECU200がタイミング調整手段に相当する。
【0046】
次に、本実施の形態における作用を図2のタイムチャートを用いて説明する。図2では多段噴射と多重噴射との動作例を示しており、多段噴射としては、メイン噴射に先立つプレ噴射とパイロット噴射、並びにメイン噴射後のアフター噴射が実施される。ここで、プレ噴射は主に筒内活性化のために実施され、パイロット噴射は主にNOxや燃焼音の低減のために実施される。アフター噴射は主に煤の再燃焼のために実施される。また、多重噴射を実現するためのポスト噴射は、主に触媒活性化のために実施される。つまり、これら各噴射は、排気エミッションの向上を目的として、エンジン運転状態等に応じて適宜実施される。
【0047】
図2中、「#1」は第1気筒の噴射信号を、「#2」は第2気筒の噴射信号を示し、第1気筒(#1)の多段噴射について、期間t1ではプレ噴射が、期間t2ではパイロット噴射が、期間t3ではメイン噴射が、期間t4ではアフター噴射が、それぞれ実施される。また、期間t5では、第1気筒のメイン噴射に重複して第2気筒(#2)に対しポスト噴射が実施される。4気筒エンジンの場合、例えば#1の噴射信号として、180°CA内にプレ、パイロット、メイン及びアフターの各噴射(多段噴射)の信号が出力され、その噴射信号に重複して#2の噴射信号として、ポスト噴射(多重噴射)の信号が出力される。
【0048】
さて、図2のプレ噴射前において、コンデンサC10,C20は満充電の状態にあり、期間t1で#1の噴射信号がオンに立ち上げられると、トランジスタT10がオンすると共に、それと同時にトランジスタT12がオンし、インジェクタ101によるプレ噴射が開始される。トランジスタT12は、プレ噴射の開始当初の一定時間t11だけオンし、コンデンサC10の蓄積エネルギーがソレノイド101aに供給される。これにより、ソレノイド101aに大電流が流れ、インジェクタ101の開弁応答が早まる。
【0049】
コンデンサC10のエネルギー供給後は、それに引き続いてトランジスタT11がオン/オフ制御され、ダイオードD11を介してソレノイド101aに定電流が供給される。すなわち、電流検出抵抗R10により検出した駆動電流(INJ1電流)に応じて駆動用IC120がトランジスタT11をオン/オフし、その駆動電流を所定値に保持する。これにより、インジェクタ101は開弁状態で保持される。
【0050】
その後、#1の噴射信号がオフされると、トランジスタT10がオフし、ソレノイド101aの通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーがダイオードD10を通じてコンデンサC10に回収される。このとき、噴射開始時にエネルギー供給を行ったのと同じコンデンサC10でエネルギーが回収される。通電遮断後、インジェクタの駆動電流(INJ1電流)がリターンスプリングの付勢力に打ち負ける所定レベルまで減衰すると、インジェクタ101が閉弁し、同インジェクタ101によるプレ噴射が終了される。
【0051】
また、プレ噴射の開始から終了後、更にソレノイド101aの逆起電力エネルギー回収に必要な時間t12が経過するまでの期間では、トランジスタT13がオフされ、DC−DCコンバータ回路によるコンデンサC10の充電が禁止される。そして、逆起電力エネルギーの回収が完了すると、トランジスタT13がオン、トランジスタT00がオン/オフしてDC−DCコンバータ回路によるコンデンサC10の充電が開始される。
【0052】
なおここで、駆動用IC120からの信号に従い発振回路110が制御され、その発振回路110からの信号にてトランジスタT00が動作する。すなわち、トランジスタT00は、トランジスタT13又はT23の何れかがオンされている時にのみオン/オフする。
【0053】
それ以降、期間t2のパイロット噴射、期間t3のメイン噴射、期間t4のアフター噴射においても同様の動作が行われる。すなわち、#1の噴射信号がオンとなる各噴射の開始当初においてコンデンサC10の蓄積エネルギーがソレノイド101aに供給され、それに引き続いて、ソレノイド101aが定電流駆動される。その後、#1の噴射信号がオフされてINJ1電流が減衰すると、インジェクタ101による各噴射が終了される。コンデンサC10では、ソレノイド101aへのエネルギー供給後、通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーが回収され、更にその後、DC−DCコンバータ回路により充電される。
【0054】
次に、多重噴射について説明する。図2では、#1の噴射信号(t3のメイン噴射)に#2の噴射信号(t5のポスト噴射)が重複しており、インジェクタ101,102が同時に駆動される。このとき、インジェクタ101,102は別々の噴射グループに属するため、それらは互いに無関係で制御され、仮に噴射時期が重複しても互いの影響を受けることなく燃料噴射が実施される。
【0055】
詳しくは、期間t5で#2の噴射信号がオンに立ち上げられると、トランジスタT20がオンすると共に、それと同時にトランジスタT22が一定時間t11だけオンし、コンデンサC20の蓄積エネルギーがソレノイド102aに供給される。これにより、ポスト噴射の開始当初において、ソレノイド102aに大電流が流れ、インジェクタ102の開弁応答が早まる。コンデンサC20によるエネルギー供給後は、それに引き続き、電流検出抵抗R20により検出した駆動電流(INJ2電流)に応じてトランジスタT21がオン/オフ制御され、ダイオードD21を介してソレノイド102aに定電流が供給される。これにより、インジェクタ102は開弁状態で保持される。
【0056】
その後、#2の噴射信号がオフされると、トランジスタT20がオフし、ソレノイド102aの通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーがダイオードD20を通じてコンデンサC20に回収される。このとき、噴射開始時にエネルギー供給を行ったのと同じコンデンサC20でエネルギーが回収される。通電遮断後、インジェクタの駆動電流(INJ2電流)が減衰すると、インジェクタ102が閉弁し、同インジェクタ102によるプレ噴射が終了される。
【0057】
この場合にも既述の通り、ポスト噴射の開始から終了後、更にソレノイド102aの逆起電力エネルギーの回収が完了するまでの期間では、トランジスタT23がオフされ、DC−DCコンバータ回路によるコンデンサC20の充電が禁止される。そして、逆起電力エネルギーの回収が完了すると、トランジスタT23がオン、トランジスタT00がオン/オフしてDC−DCコンバータ回路によるコンデンサC20の充電が開始される。
【0058】
以上、一連の燃料噴射動作を説明したが、既述の通り、ソレノイド101a〜104aの通電遮断時に、逆起電力エネルギーの回収先となるコンデンサC10,C20の充電電圧が相違すると、エネルギー回収時間が変わり、インジェクタ101〜104の閉弁タイミングがばらついてしまう。すなわち、上記#1〜#4の噴射信号に従い各インジェクタ101〜104が開弁及び閉弁動作するが、実際には、噴射信号がオフされてもソレノイド101a〜104aに残留するエネルギーにより直ぐには閉弁せず、幾分の閉弁遅れ時間tdを経て閉弁する。この場合、逆起電力エネルギーの回収先となるコンデンサC10,C20の充電電圧に応じて閉弁遅れ時間tdが変化し、傾向として当該充電電圧が小さいほど閉弁遅れ時間tdが長くなる。そこで本実施の形態では、インジェクタ101〜104の閉弁タイミングのばらつきを解消すべく、ECU200から出力される噴射信号を以下の如く補正する。
【0059】
図5には、コンデンサC10,C20の充電電圧と閉弁遅れ時間td〔μs〕との関係を示す。ここで、コンデンサ充電電圧がゼロの時の閉弁遅れ時間を「t22」、コンデンサ充電電圧に応じて変化する閉弁遅れ時間の補正時間を「α」とすると、閉弁遅れ時間tdはコンデンサ充電電圧が高いほど次第に短くなり、例えばコンデンサ充電電圧がVxであれば、td=t22−αとなる。
【0060】
従って、図3のタイムチャートにおいて、その時々の所望の燃料噴射量を得るために本来必要なインジェクタの開弁時間を「t21」とした場合、上記#1〜#4の噴射信号によるインジェクタの開弁時間は、t21よりも閉弁遅れ時間td(=t22−α)だけ短い時間であればよいことになる。そこで、コンデンサ充電電圧に応じて閉弁遅れ時間tdを可変に設定し、インジェクタの開弁時間t21から閉弁遅れ時間tdを減算してインジェクタの通電遮断タイミングを決定する。
【0061】
噴射信号のオン時刻(通電開始時刻)をT1、同信号のオフ時刻(通電終わり時刻)をT3とする場合、n番目のNE信号(回転数パルス信号)を基準に時刻T1がセットされ、同じくn番目のNE信号を基準とする後述のNE割込み処理により時刻T3がセットされる。時刻T1は、インジェクタの弁体が開弁位置に移動する時刻であり、時刻T3は、インジェクタの通電が遮断される時刻である。そして、時刻T3での通電遮断後、閉弁遅れ時間tdが経過する時刻T5で、インジェクタが実際に閉弁する。因みに、図3には噴射信号のオン時刻T1とインジェクタ開弁時刻とを一致させているが、厳密には極僅かにインジェクタ開弁時刻が遅れる。
【0062】
また換言すれば、本実施の形態においては、コンデンサ充電電圧がゼロの時の閉弁遅れ時間を示す「t22」が当該閉弁遅れ時間tdの基準値であり、この基準値(時間t22)からその時々のコンデンサ充電電圧に応じた補正時間αを減算し、「t22−α」に応じてインジェクタの通電遮断タイミングを調整している。
【0063】
図4は、ECU200によるNE割り込み処理を示すフローチャートであり、本処理によれば、#1の噴射信号についてそのオフ時刻T3が設定される。なお、図4の処理は、コンデンサC10のエネルギー供給後、コンデンサC10の充電電圧が安定するタイミングで割り込み発生が設定される。
【0064】
詳しくは、先ずステップS11では、コンデンサC10の充電電圧をA/Dコンバータ140によりA/D変換し、そのA/D値を取り込む。このとき、燃料噴射の最中にはコンデンサC10への充電が禁止されているので、コンデンサ充電電圧は変化のない状態でA/D変換される。図2中にはそのA/D変換タイミングを示す。
【0065】
続くステップS12では、例えば図5の関係を用い、前記A/D変換したコンデンサC10の充電電圧に基づいて補正時間αを求める。このとき、閉弁遅れ時間tdは「t22−α」となり、噴射信号のオフ時刻T3を、
時刻T3=時刻T1+(t21−(t22−α))
として求める。噴射信号はそのオン時間が「t21−(t22−α)」の信号となる。
【0066】
更に、ステップS13では、アウトプットコンペアレジスタ(OCR)に時刻T3をセットし、本処理を終了する。図4の処理後、アウトプットコンペアレジスタのセット時間が経過すると、噴射信号がオフに立ち下げられてトランジスタT10がオフとなり、更にその後、閉弁遅れ時間td(=t22−α)が経過すると、インジェクタ101が閉弁する。なお図示及び説明は省略するが、#1の噴射信号以外についても別途同様の処理が実施される。
【0067】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(イ)ソレノイド101a〜104aの通電遮断前におけるコンデンサC10,C20の充電電圧(エネルギー量)に応じてインジェクタ101〜104の閉弁遅れ時間td(電磁負荷の応答遅れ時間)を求め、その閉弁遅れ時間tdにより噴射信号のオフ時刻(通電遮断タイミング)を調整するようにしたので、コンデンサC10,C20の充電電圧に応じて通電遮断時のエネルギー回収に要する時間がばらついても、それに関係なく、通電遮断後のインジェクタ101〜104の閉弁タイミング、すなわち噴射切れのタイミングはばらつくことがない。その結果、インジェクタ101〜104を安定して駆動させてエンジンに供給される燃料噴射量を望み通りに制御し、ひいては排ガスの浄化性能や車両の乗り心地を改善することができる。
【0068】
(ロ)通電遮断前のコンデンサC10,C20の充電電圧が高いほど、インジェクタ101〜104の閉弁遅れ時間tdを短くして通電遮断タイミングを遅らせるので、実用上好ましいインジェクタ駆動装置が提供できる。
【0069】
(ハ)コンデンサC10,C20のエネルギー供給後、次のエネルギー回収が終わるまでの期間で当該コンデンサC10,C20への充電を禁止し、その禁止期間にてコンデンサC10,C20の充電電圧を検出するので、その充電電圧が正しく検出される。
【0070】
次に、本発明における第2,第3の実施の形態を説明する。但し、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。
【0071】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、ECU200によるソフト処理によりインジェクタの閉弁遅れ時間を補正し、その補正によりインジェクタの閉弁タイミングのばらつきを解消したが、本実施の形態では、ハード構成によりインジェクタの閉弁遅れ時間を補正することとする。
【0072】
図6は、本実施の形態におけるインジェクタ駆動装置を示す電気回路図である。図6は前記図1に置き換わるものであり、その相違点として、駆動用IC120内の構成が大きく異なる。本実施の形態では、駆動用IC120が本発明のタイミング調整手段に相当する。
【0073】
駆動用IC120には、補正回路121,122,123,124が設けられ、これら補正回路121〜124には#1〜#4の噴射信号が各々入力される。また、補正回路121,123にはコンデンサC10の充電電圧が入力され、補正回路122,124にはコンデンサC20の充電電圧が入力される。各補正回路121〜124の構成は何れも同様であるため、以下には#1の噴射信号を取り込む補正回路121についてその内部構成と作用を説明する。
【0074】
補正回路121において、コンデンサC10の充電電圧は抵抗R51及びR52で分圧された後、オペアンプOP51でインピーダンス変換され、更にオフセット回路61に入力される。オフセット回路61は、前記入力されるコンデンサC10の充電電圧に対して必要なオフセット電圧Vrefを付与する。このとき、オフセット回路61の出力は、「コンデンサC10の充電電圧+Vref」となる。
【0075】
オフセット回路61には、pチャネルトランジスタT51を介してコンデンサC51が接続されており、同トランジスタT51のオン時に、オフセット回路61の電圧がコンデンサC51に充電される。また、コンデンサC51には、nチャネルトランジスタT52を介して定電流回路I51が接続されると共に、比較器CMP51の+入力端子が接続されている。比較器CMP51は、コンデンサC51の充電電圧と基準電圧Vrefとを比較し、コンデンサC51の充電電圧が基準電圧Vrefを越える時に論理ハイレベルの信号を出力する。トランジスタT51,T52のゲート端子にはインバータG51を介して#1の噴射信号が印加される。
【0076】
一方、OR回路G52は、#1の噴射信号と比較器CMP51の出力とを入力してOR処理し、入力信号の何れかが論理ハイレベルの時にハイレベル信号を出力してトランジスタT10をオンさせる。
【0077】
次に、上記補正回路121の作用を図7のタイムチャートを参照しながら説明する。時刻T31では、#1の噴射信号が論理ハイレベルに立ち上げられてOR回路G52の出力が論理ハイレベル(オン)となり、それと同時にトランジスタT12がオンして、コンデンサC10の充電電圧がインジェクタ101のソレノイド101aに供給される。これにより、インジェクタ101が開弁位置にリフトし、燃料噴射が始まる。また、この時刻T31では、トランジスタT51がオン、トランジスタT52がオフする。
【0078】
補正回路121にはコンデンサC10の充電電圧が取り込まれ、時刻T31以降、コンデンサC51が、コンデンサC10の充電電圧にオフセットVrefを加えた電圧値に充電される。つまり、#1の噴射信号がオンの間、コンデンサC10の充電電圧がトランジスタT51を経由してコンデンサC51でモニタされる。例えば、コンデンサC10の放電に伴い、その充電電圧が「V1」まで低下する場合、コンデンサC51は「V1+Vref」に充電される。
【0079】
その後、時刻T32で#1の噴射信号がオフすると、トランジスタT51がオフ、トランジスタT52がオンし、コンデンサC51が定電流回路I51に接続される。このとき、コンデンサC51の充電電圧が基準電圧Vref以上であり、比較器CMP51の出力が論理ハイレベルであるため、#1の噴射信号がオフされてもOR回路G52の出力が論理ハイレベル(オン)のまま保持される。つまり、トランジスタT10がオンのまま保持され、ソレノイド101aの通電が継続される。
【0080】
時刻T32以後、コンデンサC51の電荷がトランジスタT52及び定電流回路I51を経由して放出され、コンデンサC51の充電電圧が一定の傾斜で下降する。
【0081】
そして、時刻T33で、コンデンサC51の充電電圧が基準電圧Vref以下になると、比較器CMP51の出力が論理ローレベルに反転し、OR回路G52が論理ローレベルになる。これにより、トランジスタT10がオフしてソレノイド101aの通電が遮断され、ソレノイド101aに発生する逆起電力エネルギーがダイオードD10を介してコンデンサC10に回収される。そして、インジェクタ電流(INJ1電流)が所定の閉弁レベルIth(リターンスプリングに打ち負けるレベル)にまで低下する時刻T34で、インジェクタ101が閉弁する。
【0082】
ここで、その時々の所望の燃料噴射量を得るために本来必要なインジェクタの開弁時間を「t21」とする場合、ECU200は、予め所定時間t22だけの閉弁遅れ時間tdを考慮して開弁時間t21を設定している。つまり、#1の噴射信号は「t21−t22」の時間だけ論理ハイレベル(オン)となり、同噴射信号のオフ後、t22経過後にインジェクタが閉弁するようになっている。かかる場合、「t22」は、コンデンサ充電電圧を「0」とした時の閉弁遅れ時間tdであり、t22相当の閉弁遅れ時間とは、噴射信号のオフ後、実際に通電遮断される迄の時間と、その通電遮断後、ソレノイドの残留エネルギーが所定の閉弁レベルまで低下してインジェクタが閉弁する迄の時間との和である。
【0083】
図7の事例では、#1の噴射信号のオフ後、コンデンサC51の充電電圧が基準電圧Vrefに降下する迄の時間α1が経過するタイミングで、ソレノイド101aの通電が遮断される(G52出力がオフ)。また、ソレノイド101aの通電遮断後、INJ1電流がIthレベルまで低下する迄の時間t23が経過するタイミングで、インジェクタ101が閉弁する。
【0084】
時刻T35以降は、2段目の燃料噴射が実施される。その際、コンデンサC10の充電電圧が「V2」まで低下するものとすれば(V2<V1)、コンデンサC51は「V2+Vref」に充電される。#1の噴射信号がオフされた後(時刻T36後)、コンデンサC51の充電電圧は一定の傾斜で下降する。時刻T36〜T37の期間では、#1の噴射信号のオフ後、コンデンサC51の充電電圧が基準電圧Vrefに降下する時間α2が経過する迄は、ソレノイド101aの通電が継続される。
【0085】
その後、時刻T37では、コンデンサC51の充電電圧が基準電圧Vref以下になり、OR回路G52が論理ローレベルに反転してトランジスタT10がオフし、ソレノイド101aの通電が遮断される。通電遮断に伴い、ソレノイド101aに発生する逆起電力エネルギーがダイオードD10を介してコンデンサC10に回収される。そして、INJ1電流が所定の閉弁レベルIthにまで低下する時刻T38で、インジェクタ101が閉弁する。時間t24は、ソレノイド101aへの通電遮断後、インジェクタ101が閉弁する迄の時間である。
【0086】
上記時刻T31〜T34での1段目の燃料噴射と、時刻T35〜T38での2段目の燃料噴射とを比べると、通電遮断時におけるエネルギー回収先であるコンデンサC10の電圧レベルが相違し、これにより、逆起電力エネルギーの回収時間(図の時間t23,t24に相当)が自ずと変わる。実際には、1段目の燃料噴射時の方がコンデンサC10の充電電圧が高いため、エネルギー回収時間が短く、インジェクタ101の閉弁が早い。それ故、噴射信号のオフ後に通電遮断する迄の時間、すなわち噴射信号のオフ後、ソレノイド通電を継続するための時間α1,α2を、コンデンサC10の充電電圧に応じて可変にし、α1>α2とする。
【0087】
こうしたコンデンサC10の充電電圧に応じた各時間は、図8の関係を満たす。図8によれば、コンデンサC10,C20の充電電圧が高いほど、噴射信号のオフ後の通電継続を長引かせ(α1>α2とし)、実質上の閉弁遅れ時間tdを短くするような関係が与えられる。なお、図示及び詳細な説明は省略するが、#1の噴射信号以外についても別途同様の処理が実施される。
【0088】
以上第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、コンデンサC10,C20の充電電圧に応じて通電遮断時のエネルギー回収に要する時間がばらついても、それに関係なく、通電遮断後のインジェクタ101〜104の閉弁タイミングはばらつくことがない。その結果、インジェクタ101〜104を安定して駆動させてエンジンに供給される燃料噴射量を望み通りに制御し、ひいては排ガスの浄化性能や車両の乗り心地を改善することができる。
【0089】
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、コンデンサC10,C20の充電電圧をA/Dコンバータ140を介してECU200に取り込み、そのA/D値を使って噴射信号を補正したが、本実施の形態ではこの手法を変更し、各噴射毎にコンデンサC10,C20の充電電圧(エネルギー量)を推定し、この推定値に応じて噴射信号を補正することとする。本実施の形態では、前記図1の回路構成を流用することとし、ECU200がエネルギー量検出手段及びタイミング調整手段に相当する。
【0090】
本実施の形態におけるインジェクタ駆動装置の動作を、図9〜図12により説明する。なお、以下の説明では便宜上、第1気筒(#1)の燃料噴射について説明するが、他の気筒についても同様に動作する。図9はNE信号と#1の噴射信号とを示すタイムチャート、図10はNE割り込み処理を示すフローチャート、図11はプレ噴射時刻の設定処理を示すフローチャート、図12はパイロット噴射時刻の設定処理を示すフローチャートである。
【0091】
図9において、#1の噴射信号は、その立ち上がり及び立ち下がり出力がアウトプットコンペアレジスタにて設定され、その設定時刻に至ると駆動用IC120に出力される。つまり、プレ、パイロット、メイン、アフターの各々の噴射開始時刻及び噴射終了時刻は後述するNE割り込みに応じて設定され、その設定時刻にて噴射信号が出力される。図中、時刻T41〜T42ではプレ噴射が、時刻T43〜T44ではパイロット噴射が、時刻T45〜T46ではメイン噴射が、時刻T47〜T48ではアフター噴射が、それぞれ実施される。但し、それら各時刻T41〜T48は、ソレノイド101a〜104aの通電開始時刻及び通電終了時刻を示す。
【0092】
図10のNE割り込み処理はECU200により実行され、同割り込み処理では、要求噴射開始タイミングから何番目のNEでどの噴射信号を設定するかを算出し(ステップS21)、今回が該当するNE信号であれば、各噴射の噴射信号時刻の設定処理を実行する(ステップS22)。
【0093】
図11のプレ噴射時刻の設定処理について説明する。先ずその時々のエンジン運転状態に応じた本来必要なプレ噴射時間を基に、プレ噴射開始角度とNEナンバーによる余り角度とを時間に換算し、噴射開始時刻T41を算出する(ステップS31)。
【0094】
次に、コンデンサC10の充電電圧に応じた補正時間βを算出する(ステップS32)。詳しくは、プレ噴射の前にはDC−DCコンバータ回路の昇圧動作によりコンデンサC10が満充電されているため、満充電相当のエネルギーからプレ噴射による1回のエネルギー供給分を差し引いてコンデンサC10のエネルギー量を推定し、そのエネルギー量の電圧換算値を、プレ噴射終了時におけるコンデンサC10の充電電圧とする。そして、例えば図13の関係を用い、コンデンサC10の充電電圧から補正時間βを算出する。閉弁遅れ時間tdは「t22−β」となる。
【0095】
ステップS33では、プレ噴射時間から閉弁遅れ時間td(=t22−β)を減算し、その値に噴射開始時刻T41を加えることで噴射終了時刻T42を算出する。最後に、ステップS34では、OCR(アウトプットコンペアレジスタ)に時刻T41,T42を設定する。
【0096】
一方、図12のパイロット噴射時刻の設定処理では、先ずその時々のエンジン運転状態に応じた本来必要なパイロット噴射時間を基に、パイロット噴射開始角度とNEナンバーによる余り角度とを時間に換算し、噴射開始時刻T43を算出する(ステップS41)。
【0097】
次に、コンデンサC10の充電電圧に応じた補正時間βを算出する(ステップS42)。詳しくは、コンデンサC10の満充電相当のエネルギーからプレ噴射及びパイロット噴射による2回のエネルギー供給分を差し引き、その値にプレ噴射終了時のエネルギー回収分と、プレ噴射終了時からパイロット噴射開始までのDC−DCコンバータ回路によるエネルギー蓄積分とを加えてコンデンサC10のエネルギー量を推定し、そのエネルギー量の電圧換算値を、パイロット噴射終了時におけるコンデンサC10の充電電圧とする。そして、例えば図13の関係を用い、コンデンサC10の充電電圧から補正時間βを算出する。
【0098】
その後、ステップS43では、パイロット噴射時間から閉弁遅れ時間td(=t22−β)を減算し、その値に噴射開始時刻T43を加えることで噴射終了時刻T44を算出する。最後にステップS44では、OCR(アウトプットコンペアレジスタ)に時刻T43,T44を設定する。
【0099】
図示は省略するが、メイン噴射及びアフター噴射の設定処理においても同様の処理が行われる。その相違点としては、メイン噴射では、コンデンサC10の満充電相当のエネルギーからプレ噴射、パイロット噴射及びメイン噴射による3回のエネルギー供給分を差し引き、その値にプレ噴射及びパイロット噴射終了時の2回のエネルギー回収分と、その後のDC−DCコンバータ回路による2回のエネルギー蓄積分とを加えてコンデンサC10のエネルギー量を推定し、そのエネルギー量の電圧換算値を、メイン噴射終了時におけるコンデンサC10の充電電圧とする。
【0100】
また、アフター噴射では、コンデンサC10の満充電相当のエネルギーからプレ噴射、パイロット噴射、メイン噴射及びアフター噴射による4回のエネルギー供給分を差し引き、その値にプレ噴射、パイロット噴射及びアフター噴射終了時の3回のエネルギー回収分と、その後のDC−DCコンバータ回路による3回のエネルギー蓄積分とを加えてコンデンサC10のエネルギー量を推定し、そのエネルギー量の電圧換算値を、アフター噴射終了時におけるコンデンサC10の充電電圧とする。そして、例えば図13の関係を用い、各噴射の終了前におけるコンデンサC10の充電電圧から補正時間βを算出する。
【0101】
なお因みに、コンデンサC10の満充電相当のエネルギー量、各噴射開始時のエネルギー供給量、各噴射終了時のエネルギー回収量及び、各噴射間のDC−DCコンバータ回路によるエネルギー蓄積量は何れも既知のデータとしてECU200に設定されている。
【0102】
ここで、DC−DCコンバータ回路の昇圧動作によるエネルギーの蓄積量は電源電圧の変動等により影響を受けやすいので、エネルギー量の推定に係わるエネルギー供給及び回収が行われる期間では、DC−DCコンバータ回路によるコンデンサC10,C20へのエネルギー蓄積を禁止されるよう構成してもよい。すなわち、連続する多段噴射に際しては、例えばプレ噴射の開始からアフター噴射の終了時までDC−DCコンバータ回路によるエネルギー蓄積を禁止する。この場合、DC−DCコンバータ回路によるエネルギー蓄積分を加算せずに、エネルギー量を推定すればよい(例えば、図12のステップS42)。この構成によれば、エネルギー量が誤って推定されることはなく、その推定値の信頼度が向上する。
【0103】
また、他の方法として、プレ噴射やパイロット噴射のように噴射時間が比較的短く、A/D変換の実施が困難な場合等は、時間的に余裕のあるプレ噴射前に行ったA/D値からの推定エネルギー量で噴射信号の補正を実施し、これに対し、その後、噴射時間が比較的長いメイン噴射では、そのメイン噴射中のA/D値からの推定エネルギー量で噴射信号の補正を実施してもよい。更にその後のアフター噴射では、メイン噴射での推定エネルギー量を用いて噴射信号の補正を実施してもよい。
【0104】
以上第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、コンデンサC10,C20の充電電圧に応じて通電遮断時のエネルギー回収に要する時間がばらついても、それに関係なく、通電遮断後のインジェクタ101〜104の閉弁タイミングはばらつくことがない。その結果、インジェクタ101〜104を安定して駆動させてエンジンに供給される燃料噴射量を望み通りに制御し、ひいては排ガスの浄化性能や車両の乗り心地を改善することができる。また特に本実施の形態では、コンデンサC10,C20のエネルギー量(充電電圧)を噴射毎にA/D変換して検出する必要はなく、噴射間隔が接近して検出時間が不足してもエネルギー量が正しく把握できる。それ故に、インジェクタ101〜104が適正に駆動できる。
【0105】
なお本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
連続する多段噴射に際し、コンデンサC10,C20の1回当たりのエネルギー供給量を制限し、常に要求レベルを満たす十分なエネルギーをソレノイドに供給できるように構成する。より具体的には、例えばエネルギー供給時におけるインジェクタの駆動電流をモニタする。そして、その駆動電流が所定値に達した時に、コンデンサC10,C20の1回分のエネルギー供給を停止させ、残りのエネルギーは次段の燃料噴射の蓄えとする。なおコンデンサC10,C20には、複数回分のエネルギーを備蓄させておく。この場合、連続する多段噴射時にも供給エネルギーが不足することはなく、各噴射が良好に実施できる。
【0106】
上記図1又は図6の構成において、DC−DCコンバータ回路の昇圧動作によりコンデンサC10,C20にエネルギーを蓄積させるための構成を省略しても良い。かかる場合、例えば第3の実施の形態のように、コンデンサC10,C20のエネルギー量をECU200により推定する場合には、コンデンサC10の満充電相当のエネルギー量と、各噴射開始時のエネルギー供給量と、各噴射終了時のエネルギー回収量とからコンデンサC10,C20のエネルギー量を推定すればよい。
【0107】
上記各実施の形態では、コンデンサC10,C20からのエネルギー供給後、トランジスタT11,T21をオン/オフ制御してソレノイド101a〜104aを定電流駆動したが、この構成を変更する。つまり、コンデンサC10,C20からのエネルギー供給後は、バッテリ電圧によりソレノイド101a〜104aを直接駆動するようにしてもよい。
【0108】
上記各実施の形態では、ディーゼルエンジンの全4気筒を2つの噴射グループに分け、多重噴射を行う構成としたが、多重噴射を実施しないインジェクタ駆動装置への適用も可能である。この場合、ソレノイドへの通電開始当初にエネルギー供給を行うためのコンデンサを1個にしてもよい。また、コスト等の制約がなければ、コンデンサを気筒数分設けてもよい。
【0109】
上記各実施の形態では、本発明をディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムに具体化したが、他の装置への適用も可能である。例えば、分配型燃料噴射ポンプを用いて構成され、同ポンプにて高圧化された燃料がエンジンに噴射供給されるディーゼルエンジンの燃料噴射システムや、高圧燃料がエンジンの各気筒に直接噴射される直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射システムに具体化する。何れにしても、エネルギー供給用に設けられたコンデンサの蓄積エネルギーが、電磁スピル弁やインジェクタといった燃料噴射用電磁弁のソレノイドに供給され、それら各電磁弁がその通電開始当初に高速に駆動される。また、ソレノイドの通電遮断前におけるコンデンサのエネルギー量に応じてソレノイドの通電遮断タイミングが調整される。これにより、通電遮断後の前記各電磁弁の噴射切れのタイミングはばらつくことがなく、電磁弁を安定して駆動させてエンジンに供給される燃料噴射量を望み通りに制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるインジェクタ駆動装置の概要を示す電気回路図。
【図2】インジェクタ駆動装置の動作説明のためのタイムチャート。
【図3】噴射信号のオン及びオフ時刻を示すタイムチャート。
【図4】ECUによるNE割り込み処理を示すフローチャート。
【図5】コンデンサ充電電圧と閉弁遅れ時間との関係を示す図。
【図6】第2の実施の形態においてインジェクタ駆動装置の電気回路図。
【図7】インジェクタ駆動装置の動作説明のためのタイムチャート。
【図8】コンデンサ充電電圧と閉弁遅れ時間との関係を示す図。
【図9】噴射信号のオン及びオフ時刻を示すタイムチャート。
【図10】ECUによるNE割り込み処理を示すフローチャート。
【図11】プレ噴射時刻の設定処理を示すフローチャート。
【図12】パイロット噴射時刻の設定処理を示すフローチャート。
【図13】コンデンサ充電電圧と閉弁遅れ時間との関係を示す図。
【図14】発明の説明に用いるタイムチャート。
【図15】従来技術におけるインジェクタ駆動回路の電気回路図。
【図16】動作説明のためのタイムチャート。
【符号の説明】
100…駆動回路、101〜104…燃料噴射用電磁弁としてのインジェクタ、101a〜104a…電磁負荷としてのソレノイド、110…発振回路、120…エネルギー供給手段及びタイミング調整手段としての駆動用IC、140…エネルギー量検出手段としてのA/Dコンバータ、200…エネルギー量検出手段及びタイミング調整手段としてのECU、C10,C20…エネルギー蓄積手段としてのコンデンサ、D10〜D40…回収手段としてのダイオード、T10〜T40…負荷駆動用のスイッチング手段としてのトランジスタ、T12,T22…エネルギー供給用のスイッチング手段としてのトランジスタ、L11…インダクタ、T00…トランジスタ、R00…電流検出抵抗。

Claims (16)

  1. 電磁負荷と、電磁負荷に接続された負荷駆動用のスイッチング手段とを備え、該スイッチング手段をオン/オフして電磁負荷への通電を制御する電磁負荷の駆動装置において、
    電磁負荷に供給するためのエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段と、
    前記エネルギー蓄積手段と電磁負荷との間に設けられるエネルギー供給用のスイッチング手段と、
    電磁負荷の通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーを前記エネルギー蓄積手段に回収させるための回収手段と、
    前記負荷駆動用のスイッチング手段による電磁負荷の通電に際し、前記エネルギー供給用のスイッチング手段をオンしてエネルギー蓄積手段にて蓄積されたエネルギーを電磁負荷に供給するエネルギー供給手段と、
    前記エネルギー蓄積手段に蓄えられているエネルギー量を検出するエネルギー量検出手段と、
    電磁負荷への通電を遮断する前の前記検出したエネルギー量に応じて電磁負荷の通電遮断タイミングを調整するタイミング調整手段と、
    を備えることを特徴とする電磁負荷の駆動装置。
  2. 前記タイミング調整手段は、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど電磁負荷の通電遮断タイミングが遅くなるよう調整する請求項1に記載の電磁負荷の駆動装置。
  3. 前記タイミング調整手段は、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量に応じて通電遮断時の電磁負荷の応答遅れ時間を求めると共に、本来必要な電磁負荷の動作時間から前記求めた応答遅れ時間を減算して電磁負荷の通電遮断タイミングを決定する請求項1に記載の電磁負荷の駆動装置。
  4. 請求項3に記載の電磁負荷の駆動装置において、
    電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど、前記通電遮断時の電磁負荷の応答遅れ時間を短くする電磁負荷の駆動装置。
  5. 前記タイミング調整手段は、エネルギー蓄積手段のエネルギー量がゼロの時の電磁負荷の応答遅れ時間を当該応答遅れ時間の基準値として、応答遅れ時間を前記エネルギー量に応じて基準値から減じさせるための補正値を求め、その補正値に応じて電磁負荷の通電遮断タイミングを調整する請求項1に記載の電磁負荷の駆動装置。
  6. 請求項5に記載の電磁負荷の駆動装置において、
    電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど、前記応答遅れ時間の補正値を大きくする電磁負荷の駆動装置。
  7. 前記タイミング調整手段は、電磁負荷の通電指令信号として、本来必要な電磁負荷の動作時間よりも応答遅れの基準時間だけ短い信号を取り込み且つ、該信号による通電遮断のタイミングから、電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量に応じた時間だけ電磁負荷の通電を継続させる請求項1に記載の電磁負荷の駆動装置。
  8. 請求項7に記載の電磁負荷の駆動装置において、
    電磁負荷を通電遮断する前におけるエネルギー蓄積手段のエネルギー量が多いほど、通電指令信号による通電終了から通電を継続する時間を長くする電磁負荷の駆動装置。
  9. 前記エネルギー蓄積手段による電磁負荷へのエネルギー供給後、次のエネルギー回収までの期間で当該エネルギー蓄積手段へのエネルギー蓄積を禁止し、その禁止期間にて前記エネルギー量検出手段によるエネルギー量の検出を行う請求項1〜8の何れかに記載の電磁負荷の駆動装置。
  10. 前記エネルギー量検出手段は、エネルギー蓄積手段からのエネルギーの供給、並びにエネルギー蓄積手段へのエネルギーの回収が行われていない時点でのエネルギー量を基準に、電磁負荷の通電遮断までのエネルギー供給量とエネルギー回収量とから、通電遮断直前のエネルギー蓄積手段の蓄積エネルギー量を推定し、
    前記タイミング調整手段は、前記推定したエネルギー量に応じて電磁負荷の通電遮断タイミングを調整する請求項1〜8の何れかに記載の電磁負荷の駆動装置。
  11. 請求項10に記載の電磁負荷の駆動装置において、
    前記エネルギー蓄積手段からのエネルギー供給後、電源電圧を昇圧したエネルギーをエネルギー蓄積手段に蓄積するための昇圧手段を備え、
    前記エネルギー量検出手段は、電磁負荷の通電遮断までのエネルギー蓄積手段のエネルギー供給量と、同エネルギー蓄積手段のエネルギー回収量と、前記昇圧手段によるエネルギー蓄積量とから、通電遮断直前のエネルギー蓄積手段の蓄積エネルギー量を推定する電磁負荷の駆動装置。
  12. 請求項11に記載の電磁負荷の駆動装置において、
    前記エネルギー量の推定に係わるエネルギー供給及び回収が行われる期間では、前記昇圧手段によるエネルギー蓄積手段へのエネルギー蓄積を禁止する電磁負荷の駆動装置。
  13. 前記エネルギー蓄積手段は、電源エネルギーよりも高いレベルでエネルギーを蓄積するものである請求項1〜8の何れかに記載の電磁負荷の駆動装置。
  14. 前記エネルギー蓄積手段には電源電圧を昇圧したエネルギーが蓄積される請求項13に記載の電磁負荷の駆動装置。
  15. 前記エネルギー供給手段によるエネルギー蓄積手段のエネルギー供給後、電磁負荷に対して電源電圧を供給して通電状態を継続する請求項1〜14の何れかに記載の電磁負荷の駆動装置。
  16. 電磁負荷は、エンジンに燃料を供給するための燃料噴射用電磁弁のソレノイドである請求項1〜15の何れかに記載の電磁負荷の駆動装置。
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