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JP3934806B2 - ウエブ材の加工装置 - Google Patents

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JP3934806B2
JP3934806B2 JP34032498A JP34032498A JP3934806B2 JP 3934806 B2 JP3934806 B2 JP 3934806B2 JP 34032498 A JP34032498 A JP 34032498A JP 34032498 A JP34032498 A JP 34032498A JP 3934806 B2 JP3934806 B2 JP 3934806B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば紙やフイルム等のウエブ材に所定形状の孔を打ち抜くウエブ材の加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウエブ材に所定形状の孔を打ち抜くウエブ材の加工装置としては、例えばウエブ材を打抜き刃で所定の形状に打ち抜いて製品として次工程に移送し、前記打抜き刃に保持された打抜き屑を揺動手段を通じて打抜き屑離脱具を移動させて離脱させる例がある(例えば特公昭58−20760号公報参照)。
【0003】
この従来例では、ナイフシリンダに打抜き屑離脱具を組み込む必要があるため、ナイフシリンダの構造が複雑であり、また、打抜き刃の交換時に打抜き屑離脱具と打抜き刃との位置合わせをする必要があるため、段取りに時間がかかるという欠点がある。
【0004】
なお、従来例に係るウエブ材の加工装置としては、上述のほか、ウエブ材を一対のロール間に通して、該ウエブ材を打ち抜きすると共に、ピストンを内側位置に移動させてホール内に真空圧を生じさせることにより、打抜き屑材を前記ホール内に保持し、その後、前記ピストンを前記ホールから機械的に排出すると共に、1つのロールの外周面に対して半径方向外方に向けて負圧による吸引力を及ぼすことによって前記打抜き屑材を除去する例(例えば特公平4−64840号公報参照)や、ナイフシリンダの通路から押出し具の圧力室に圧力流体を供給し、押出し具によって打抜き刃の内側に残る打抜き屑をナイフシリンダの法線方向に押し出す例(例えば特公平8−15717号公報参照)が提案されている。
【0005】
また、従来のウエブ材の加工装置としては、図13に示すように、外周に打抜き刃300が設けられたナイフシリンダ302とアンビルシリンダ304とを互いに逆方向に回転させて両シリンダ302及び304間に送り込まれるウエブ材306を所定の形状に打ち抜き、打抜き屑308をナイフシリンダ302内に設けた吸引口310から吸い上げて回収する例も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示す従来例に係る加工装置においては、図14に示すように、ナイフシリンダ302の吸引口310に打抜き屑308が詰まり回収不良を起こすおそれがあり、打ち抜く箇所の配列ピッチ(打抜きピッチ)が狭くなると回収不良となる頻度が増える可能性があった。
【0007】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、打抜き屑を確実に回収することができ、ウエブ材の加工処理をスムーズに行わせることができるウエブ材の加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、連続走行するウエブ材にロータリダイカッタによって所定形状の孔を打ち抜くウエブ材の加工装置において、前記ロータリダイカッタの下流側に、該ロータリダイカッタと同期して回転し、かつ、ピンを内蔵した押込み用ドラムと、打抜き屑を吸引回収するための吸引ドラムを配置して構成し、連続走行する前記ウエブ材の打抜き孔にある前記打抜き屑を前記押込み用ドラムのピンにより前記吸引ドラムの吸引口に押し込むことによって、前記打抜き屑を前記吸引ドラムに回収することを特徴とする。
【0009】
これにより、まず、連続走行するウエブ材は、ロータリダイカッタによって所定形状の孔が打ち抜かれる。このとき生じた打抜き屑は打抜き孔に残った状態となる。即ち、ウエブ材は、打抜き孔に打抜き屑を残した状態で後段の押込み用ドラムと吸引ドラム間に送り込まれる。
【0010】
そして、前記ウエブ材の打抜き孔に残っている前記打抜き屑は、押込み用ドラムのピンによって吸引ドラムの吸引口側に押し込まれ、吸引ドラムに吸引回収される。
【0011】
このように、本発明に係るウエブ材の加工装置においては、打抜き孔に残存する打抜き屑が押込み用ドラムのピンによって強制的に吸引ドラムに押し込まれるため、確実に打抜き屑を吸引ドラムを通じて回収することができ、ウエブ材の加工処理をスムーズに行わせることができる。
【0012】
前記押込み用ドラムとしては、ドラム本体と、前記ドラム本体の回転に伴って前記ピンを前記ドラム本体に設けられた挿通孔を通じて進退自在に移動させるピン移動機構とを有して構成することができる。
【0013】
これにより、ドラム本体の回転に伴って、ピン移動機構は、前記ピンを前記挿通孔を通じて進退自在に移動させ、打抜き孔に残存する打抜き屑を吸引ドラムの吸引口に向かって押し込む。この場合、打抜き孔に残存する打抜き屑を強制的に吸引ドラムに押し込むという機構を簡単に構成することができる。前記ピン移動機構としては、カム機構やクランク機構を採用することができる。
【0014】
また、前記構成において、前記吸引ドラムに前記吸引ドラムの前記吸引口に押し込められた打抜き屑を吸引回収するための吸引装置を連結するようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るウエブ材の加工装置の実施の形態例(以下、単に実施の形態に係る加工装置と記す)を図1〜図12を参照しながら説明する。
【0016】
本実施の形態に係る加工装置10は、図1に示すように、長尺のウエブ材20が巻回されてなるロール16から該ウエブ材20を送り出す送出し軸12と、前記ウエブ材20に対してハーフカット処理を施すハーフカット装置30と、前記ウエブ材20に対してタイミング用マークを打抜き加工する打抜き装置32と、前記打抜き加工によって形成された打抜き孔内に残存する打抜き屑を除去する打抜き屑除去装置34とを有する。
【0017】
前記ウエブ材20は、図2に示すように、厚みが約90〜100μmの基材としてのフイルム14上に約20μmの粘着剤(糊)24が塗布され、該粘着剤24上に厚みが約160〜170μmの感熱紙26が貼り合わされて構成されるものである。
【0018】
また、この加工装置10は、前記打抜き屑除去装置34の下流側に、回転刃36によって前記ウエブ材20を幅方向に沿って2分割するためのスリッタ装置38と、該スリッタ装置38にて2分割された2つの長尺のウエブ材20a及び20bをそれぞれ巻き取るための第1及び第2の巻取り軸40及び42と、前記スリッタ装置38にて2分割された2つの長尺のウエブ材20a及び20bを所定長さに切断してシート材44(図3B参照)とするシートカッタ装置46と、得られたシート材44を次工程に排出するコンベア装置48とを有する。
【0019】
即ち、この加工装置10は、図3Aに示すように、細幅のウエブ材20a(20b)を巻き取ってロールの形で次工程に投入する第1の経路と、図3Bに示すように、細幅のウエブ材20a(20b)を所定長さのシート材に切断して次工程に投入する第2の経路を任意に選択できるようになっている。
【0020】
前記各装置のうち、ハーフカット装置30は、図1に示すように、ウエブ材20の感熱紙26(図2参照)と対向する第1のロータリダイカッタ50と、ウエブ材20のフイルム14に対向する第1のドラム52とを有して構成され、第1のロータリダイカッタ50の外周には、ウエブ材20に対して例えば4×4=16個の升目が2組形成されるように、感熱紙26に切込みを入れる格子状の刃54が設けられている。
【0021】
打抜き装置32は、図4及び図5に示すように、ウエブ材20の感熱紙26と対向する第2のロータリダイカッタ60と、ウエブ材20のフイルム14に対向する第2のドラム62とを有して構成され、第2のロータリダイカッタ60の外周には、ウエブ材20に対して所定形状のタイミング用マーク64(図3A及び図3B参照)を打抜き加工するための例えば四角形状の打抜き刃66が設けられている。図5の例では、第2のロータリダイカッタ60の円周に4つの打抜き刃66を等間隔に設けている。
【0022】
打抜き屑除去装置34は、図4及び図5に示すように、ウエブ材20の感熱紙26と対向し、打抜き加工されたタイミング用マーク64の打抜き屑68を後述する吸引ドラム72に向かって押し込むピン74が内蔵された押込み用ドラム70と、ウエブ材20のフイルム14に対向し、前記ピン74によって押し込まれた打抜き屑68を吸引するための吸引ドラム72とを有して構成されている。
【0023】
押込み用ドラム70は、図4に示すように、ドラム本体80と、該ドラム本体80の回転に伴ってピン74をドラム本体80に設けられた挿通孔82を通じて進退自在に移動させるピン移動機構84とを有して構成されている。挿通孔82は、前記第2のロータリダイカッタ60に設けられた打抜き刃66の個数と同じ数だけ等間隔に設けられている。ピン移動機構84の詳細については後述する。
【0024】
吸引ドラム72は、内部に軸方向に延在する中空部90を有し、該中空部90は、導管92(図4参照)を通じて吸引装置(図示せず)に連結されている。この吸引ドラム72には、その外周面から中空部90にかけて貫通する4つの吸引口94が等間隔に設けられている。
【0025】
また、図4に示すように、前記打抜き装置32における第2のロータリダイカッタ60及び第2のドラム62、並びに打抜き屑除去装置34における押込み用ドラム70及び吸引ドラム72は、モータ(図示せず)の駆動力を伝達する歯車列100によって回転するようになっている。
【0026】
具体的には、モータの駆動軸102の先端に固定された第1の歯車104に、第2のドラム62の中心軸106に固定された第2の歯車108が噛合され、該第2の歯車108に、第2のロータリダイカッタ60の中心軸110に固定された第3の歯車112が噛合されている。
【0027】
また、第2の歯車108には、打抜き装置32と打抜き屑除去装置34における各ドラムの回転方向を互いに同じにするための第4の歯車114が噛合され、この第4の歯車114には、吸引ドラム72の中心軸116に固定された第5の歯車118が噛合され、更に、この第5の歯車118に、押込み用ドラム70の中心軸120に固定された第6の歯車122が噛合されている。
【0028】
これにより、モータの駆動軸102が例えば反時計方向に回転すると、第2のロータリダイカッタ60と押込み用ドラム70がそれぞれ反時計方向に回転し、第2のドラム62と吸引ドラム72がそれぞれ時計方向に回転することになる。
【0029】
ピン移動機構84は、図6に示すように、ドラム本体80の両側に設けられたカム機構130を有して構成されている。各カム機構130は、押込み用ドラム70の中心軸120に対して例えばベアリング132によって回転自在に支持された円板状の基部134と、該基部134のドラム本体80側に一体に形成されたカム136とを有して構成されている。基部134は、例えば支持板138等によって装置の基台(図示せず)に固定されている。
【0030】
更に、このピン移動機構84は、両側のカム機構130における各カム136間を橋渡すように例えば4本の支持棒140が等間隔に設置され、それぞれ挿通孔82に対応する箇所に該挿通孔82を挿通するピン74が設けられている。各ピン74には圧縮コイルばね142が挿通され、ピン74を常時ドラム本体80の内方に向けて付勢するようにしている。支持棒140の各端部には、それぞれのカム136の周面を転動するローラ144が設けられている。
【0031】
ドラム本体80の側面には、長軸がピン74のストロークに対応した長さに設定された長孔146が形成されている。
【0032】
前記カム136は、上部の曲率半径が大きく、下部の曲率半径が小さく設定され、更に、中心軸120の中心からカム136の上部までの距離よりも前記中心からカム136の下部までの距離が長く設定されている。
【0033】
従って、ドラム本体80が回転して支持棒140がカム136の下部に到達した際に、カム136の下部が圧縮コイルばね142の付勢に抗して支持棒140を下方に押圧し、これによって該支持棒140に設けられているピン74がドラム本体80の挿通孔を通して下方に突出することになる。支持棒140がカム136の下部に到達しない間は、圧縮コイルばね142の付勢によってピン74はドラム本体80の内部に引き込まれた状態とされる。
【0034】
第2のロータリダイカッタ60、押込み用ドラム70及び吸引ドラム72の回転タイミングは、第2のロータリダイカッタ60の1つの打抜き刃66が下方に位置したとき、押込み用ドラム70の1つのピン74が下方に位置し、更に、吸引ドラム72の1つの吸引口94が上方に位置する状態となるように、前記第2のロータリダイカッタ60と同期して回転するように構成されている。
【0035】
これにより、第2のロータリダイカッタ60における1つの打抜き刃66によってウエブ材20にタイミング用マーク64を打ち抜く時点で、押込み用ドラム70の挿通孔82からピン74が突出して前回あるいは前々回に打抜き加工されたウエブ材20の打抜き孔(タイミング用マーク)64に残存する打抜き屑68が押し出され、その押し出された打抜き屑68が吸引口94を介して図示しない吸引装置に回収されることになる。
【0036】
ここで、本実施の形態に係る加工装置10の処理動作について説明する。まず、ロール16から長尺のウエブ材20が送り出され、搬送ローラ150やテンションローラ152を経て後段のハーフカット装置30に搬送され、該ハーフカット装置30においてハーフカット処理(感熱紙26の部分に切込みを入れる処理)が行われる。1回のハーフカット処理でウエブ材20に16個の枠がマトリクス状に配列された格子枠160(図3A及び図3B参照)が2組形成される。このハーフカット処理は、ウエブ材20の搬送に合わせて連続的に行われ、等間隔に2組の格子枠160が順次形成されることになる。
【0037】
前記ハーフカット処理を終えたウエブ材20は、後段の打抜き装置32に搬送され、該打抜き装置32において、タイミング用マーク(打抜き孔)64が打抜き加工される。この打抜き加工においては、1組の格子枠160に対して1個のマークが形成される。このとき、打抜き孔64にはマークの形に沿った打抜き屑68が残存し、ウエブ材20の搬送と共に後段に送られることになる。
【0038】
タイミング用マーク64が打抜き加工されたウエブ材20は、更に後段の打抜き屑除去装置34に搬送され、該打抜き屑除去装置34において、打抜き孔64に残存する打抜き屑68が吸引回収される。
【0039】
つまり、押込み用ドラム70のドラム本体80が回転して支持棒140がカム136の下部に到達した際に、カム136の下部が圧縮コイルばね142の付勢に抗して支持棒140を下方に押圧し、これによって該支持棒140に設けられているピン74がドラム本体80の挿通孔82を通して下方に突出することから、第2のロータリダイカッタ60で打抜き加工されたウエブ材20の打抜き孔64に残存する打抜き屑68が押し出され、その押し出された打抜き屑68が吸引口94を介して吸引装置(図示せず)に回収されることになる。
【0040】
タイミング用マーク64が穿設されたウエブ材20は、後段のスリッタ装置38において、回転刃36によって裁断されて、例えば2本の細幅のウエブ材20a及び20bとされる。
【0041】
裁断後のウエブ材20a及び20bは、2つの経路(巻取りのための第1の経路とシート材とするための第2の経路)のうち、1つの経路に選択的に搬送される。
【0042】
第1の経路が選択された場合、一方のウエブ材20aは、サクションローラ162と搬送ローラ164を経て第1の巻取り軸40側に搬送され、該第1の巻取り軸40によって巻き取られ、他方のウエブ材20bは、サクションローラ162と搬送ローラ164及び166を経て第2の巻取り軸42側に搬送され、該第2の巻取り軸42によって巻き取られることになる。
【0043】
第2の経路が選択された場合、ウエブ材20a及び20bは、サクションローラ162と搬送ローラ164及び168並びにローラ対169を経てシートカッタ装置46に搬送され、該シートカッタ装置46において所定長のシート材44(図3B参照)に切断される。その後、各シート材44は、後段のコンベア装置48を介して次工程に排出される。
【0044】
このように、本実施の形態に係る加工装置10においては、打抜き孔64に残存する打抜き屑68が押込み用ドラム70のピン74によって強制的に吸引ドラム72に押し込まれるため、確実に打抜き屑68を吸引ドラム72を通じて回収することができ、ウエブ材20の加工処理をスムーズに行わせることができる。
【0045】
次に、前記ピン移動機構84のいくつかの変形例について図7〜図12を参照しながら説明する。
【0046】
第1の変形例に係るピン移動機構84aは、図7に示すように、ドラム本体80の両側に設けられたカム機構170を有して構成されている。各カム機構170は、押込み用ドラム70の中心軸120に対して例えばベアリング172によって回転自在に支持された円板状の基部174と、該基部174のドラム本体80側に形成されたカム溝176とを有して構成されている。基部174は、例えば支持板178等によって装置の基台(図示せず)に固定されている。
【0047】
更に、この第1の変形例に係るピン移動機構84aは、両側のカム機構170における各カム溝176間を橋渡すように例えば2本の支持棒180が等間隔に設置され、それぞれ挿通孔82に対応する箇所に該挿通孔82を挿通するピン74が設けられている。
【0048】
ドラム本体80の側面には、長軸がピン74のストロークに対応した長さに設定された長孔182が形成されている。
【0049】
前記カム溝176は、図8に示すように、上部の曲率半径が大きく、下部の曲率半径が小さく設定され、更に、中心軸120の中心からカム溝176の上部中央までの距離よりも前記中心からカム溝176の下部中央までの距離が長く設定されている。
【0050】
従って、ドラム本体80が回転して支持棒180がカム溝176の下部中央に到達した際に、カム溝176の下部内壁が支持棒180を下方に押圧し、これによって該支持棒180に設けられているピン74がドラム本体80の挿通孔82を通して下方に突出することになる。支持棒180がカム溝176の下部に到達しない間は、ピン74はドラム本体80の内部に引き込まれた状態とされる。
【0051】
この場合も、第2のロータリダイカッタ60、押込み用ドラム70及び吸引ドラム72の回転タイミングは、第2のロータリダイカッタ60の1つの打抜き刃66が下方に位置したとき、押込み用ドラム70の1つのピン74が下方に位置し、更に、吸引ドラム72の1つの吸引口94が上方に位置する状態となる。
【0052】
即ち、第2のロータリダイカッタ60における1つの打抜き刃66によってウエブ材20にタイミング用マーク64を打ち抜く時点で、図9に示すように、押込み用ドラム70の挿通孔82からピン74が突出して前回あるいは前々回に打抜き加工されたウエブ材20の打抜き孔64に残存する打抜き屑68が押し出され、その押し出された打抜き屑68が吸引口94を介して吸引装置(図示せず)に回収されることになる。
【0053】
次に、第2の変形例に係るピン移動機構84bについて図10A〜図10Cを参照しながら説明する。
【0054】
この第2の変形例に係るピン移動機構84bは、図10Aに示すように、前記第1の変形例に係るピン移動機構84aとほぼ同じ構成を有するが、カム溝176の下部が下方に向かって蛇行している点で異なる。
【0055】
従って、図10Aに示すように、ドラム本体80が回転して支持棒180がカム溝176の下部近傍に到達した段階で、支持棒180がカム溝176の蛇行部分に進入し始め、これによってピン74が下方に突出し始めると共に、ウエブ材20の打抜き孔64に残存する打抜き屑68をピン74で押圧し始めることになる。
【0056】
次いで、図10Bに示すように、ドラム本体80が更に回転して、支持棒180がカム溝176の下部に到達した段階で、支持棒180がカム溝176の蛇行部分に位置し、これによってピン74が下方に完全に突出し、ウエブ材20の打抜き孔64に残存する打抜き屑68をピン74で押し出すことになる。この時点で、打抜き屑68は、打抜き孔64から外れ、吸引ドラム72の吸引口94を介して吸引回収されることになる。
【0057】
次いで、図10Cに示すように、ドラム本体80が更に回転すると、支持棒180がカム溝176の蛇行部分から抜け出て、これによってピン74が上方に移動して元の状態に復帰し、ドラム本体80内に収まることになる。
【0058】
この一連の動作が繰り返されることによって、ウエブ材20に形成された打抜き孔64に残存する打抜き屑68がピン74によって順次押し出されて吸引回収されることになる。
【0059】
次に、第3の変形例に係るピン移動機構84cについて図11及び図12を参照しながら説明する。
【0060】
この第3の変形例に係るピン移動機構84cは、図11に示すように、ドラム本体80の内部に設けられたクランク機構190を有して構成されている。
【0061】
クランク機構190は、図12にも示すように、中心軸120の軸線に対して偏心した位置に設けられた支軸210と、該支軸210に対して回転自在に取り付けられたリンク部材212と、該リンク部材212の先端に回転自在に取り付けられた前記ピン74とを有して構成されている。
【0062】
そして、ドラム本体80が1回転することにより、クランク機構190が1往復し、その間にピン74が1回だけ挿通孔82から下方に向かって突出することになる。このピン74の突出タイミングは、第2のロータリダイカッタ60の打抜き刃66が下方に位置したとき、ピン74が下方に突出するようになされている。
【0063】
これにより、第2のロータリダイカッタ60における1つの打抜き刃66によってウエブ材20にタイミング用マーク64を打ち抜く時点で、ドラム本体80が回転して挿通孔82が下方に位置すると同時にクランク機構190がピン74を下方に移動させ、これによってピン74がドラム本体80の挿通孔82を通して下方に突出して、前回あるいは前々回に打抜き加工されたウエブ材20の打抜き孔64に残存する打抜き屑68が押し出され、その押し出された打抜き屑68が吸引口94を介して吸引装置(図示せず)に回収されることになる。挿通孔82が下方に位置しない間(ウエブ材20に設けられた打抜き孔64に対向しない間)は、ピン74はクランク機構190によってドラム本体80の内部に引き込まれた状態とされる。
【0064】
上述したピン移動機構84(第1〜第3の変形例に係るピン移動機構84a〜84cを含む)によれば、打抜き孔64に残存する打抜き屑68を強制的に吸引ドラム72に押し込むという機構を簡単に構成することができる。
【0065】
なお、この発明に係るウエブ材の加工装置は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るウエブ材の加工装置によれば、打抜き屑を確実に回収することができ、ウエブ材の加工処理をスムーズに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る加工装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】ウエブ材の構成を示す断面図である。
【図3】図3Aは第1の経路にて作製されるロールを示す説明図であり、図3Bは第2の経路で作製されるシート材を示す説明図である。
【図4】打抜き装置と打抜き屑除去装置を示す斜視図である。
【図5】打抜き装置と打抜き屑除去装置において、打抜き装置における打抜き刃の部分と打抜き屑除去装置におけるピンの部分で切断して示す断面図である。
【図6】本実施の形態に係るピン移動機構の構成を示す縦断面図である。
【図7】第1の変形例に係るピン移動機構の構成を示す縦断面図である。
【図8】第1の変形例に係るピン移動機構を有する打抜き屑除去装置と打抜き装置において、打抜き装置における打抜き刃の部分と打抜き屑除去装置におけるピンの部分で切断して示す断面図である。
【図9】第1の変形例に係るピン移動機構による駆動によって打抜き屑を押し出した状態を示す説明図である。
【図10】図10Aは第2の変形例に係るピン移動機構において支持棒がカム溝の下部近傍に到達した段階を示す説明図であり、図10Bは第2の変形例に係るピン移動機構による駆動によって打抜き屑を押し出した状態を示す説明図であり、図10Cは支持棒がカム溝の蛇行部分から抜け出た段階を示す説明図である。
【図11】第3の変形例に係るピン移動機構の構成を示す縦断面図である。
【図12】第3の変形例に係るピン移動機構を有する打抜き屑除去装置と打抜き装置において、打抜き装置における打抜き刃の部分と打抜き屑除去装置におけるピンの部分で切断して示す断面図である。
【図13】従来例に係るウエブ材の加工装置を示す構成図である。
【図14】従来例に係るウエブ材の加工装置の吸引口に打抜き屑が詰まった状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10…加工装置 20、20a、20b…ウエブ材
32…打抜き装置 34…打抜き屑除去装置
60…第2のロータリダイカッタ 62…第2のドラム
64…タイミング用マーク 66…打抜き刃
68…打抜き屑 70…押込み用ドラム
72…吸引ドラム 74…ピン
80…ドラム本体 82…挿通孔
84、84a〜84c…ピン移動機構
94…吸引口 130…カム機構
136…カム 140…支持棒
142…圧縮コイルばね 170…カム機構
180…支持棒 190…クランク機構
210…支軸 212…リンク部材

Claims (5)

  1. 連続走行するウエブ材にロータリダイカッタによって所定形状の孔を打ち抜くウエブ材の加工装置において、
    前記ロータリダイカッタの下流側に、該ロータリダイカッタと同期して回転し、かつ、ピンを内蔵した押込み用ドラムと、打抜き屑を吸引回収するための吸引ドラムが配置されて構成され、
    連続走行する前記ウエブ材の打抜き孔にある前記打抜き屑を前記押込み用ドラムのピンにより前記吸引ドラムの吸引口に押し込むことによって、前記打抜き屑を前記吸引ドラムに回収することを特徴とするウエブ材の加工装置。
  2. 請求項1記載のウエブ材の加工装置において、
    前記押込み用ドラムは、
    ドラム本体と、
    前記ドラム本体の回転に伴って前記ピンを前記ドラム本体に設けられた挿通孔を通じて進退自在に移動させるピン移動機構とを有することを特徴とするウエブ材の加工装置。
  3. 請求項2記載のウエブ材の加工装置において、
    前記ピン移動機構がカム機構であることを特徴とするウエブ材の加工装置。
  4. 請求項2記載のウエブ材の加工装置において、
    前記ピン移動機構がクランク機構であることを特徴とするウエブ材の加工装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のウエブ材の加工装置において、
    前記吸引ドラムに前記吸引ドラムの前記吸引口に押し込められた打抜き屑を吸引回収するための吸引装置が連結されていることを特徴とするウエブ材の加工装置。
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