JP3924221B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の座席に着座した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の座席に着座した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束するシートベルト装置は、座席の側方で車体に固定されたウエビング巻取装置を備えている。ウエビング巻取装置は、例えば、軸方向が略車両前後方向に沿ったスプール(巻取軸)を備えており、このスプールにウエビングベルトの長手方向基端側が係止されている。スプールはその外周部にウエビングベルトを層状に巻き取ることができ、シートベルト装置を使用しない場合には、スプールの外周部にウエビングベルトを巻き取らせて収容することができるようになっている。
【0003】
また、ウエビング巻取装置には、ウエビングベルトを巻き取る巻取方向へスプールを付勢する渦巻きばね等の付勢部材が設けられており、この付勢部材の付勢力でウエビングベルトを巻き取って収容すると共に、乗員の身体にウエビングベルトを装着した状態では、付勢部材の付勢力でウエビングベルトの弛み等を除去している。
【0004】
一方で、車両急減速状態等に一定量ウエビングベルトをスプールに巻き取らせることで、「スラック」等と称される僅かな緩みを解消すると共に、ウエビングベルトによる乗員の身体の拘束力を増加させ、より一層確実に乗員の身体を保持する機構も考えられている。この種の機構は、車両の急減速状態を加速度センサで検知し、加速度センサからの電気信号に基づいてスプールを強制的に巻取方向に回転させる構成が一般的である。
【0005】
これに対して、前方の他の車両や障害物までの距離を距離センサ等で検出し、前方の車両や障害物までの距離が一定値未満になると、モータを作動させ、モータの回転力でスプールを巻取方向に回転させる構成も考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなモータの駆動力でスプールを回転させる構成は、上記のような車両急減速状態が解消された場合に、スプールを引出方向へ所定量回転させてウエビングベルトを緩め、乗員に与える圧迫感を軽減するためなどに用いることができる。
【0007】
しかしながら、通常の状態でモータの駆動力により急にウエビングベルトを緩めたり、巻き締めたりして圧迫感や開放感を急激に変化させると、乗員はかえって違和感を抱く。このため、通常時においてモータでスプールを回転させる際には比較的穏やかに駆動させることが求められていた。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して、早急且つ確実な回転力の伝達と、穏やかな回転力の伝達の双方が可能なトルクコントロール機構を備えたウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、装着状態で乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトの基端側が係止された巻取軸に、駆動手段の出力軸を間接的に連結し、前記駆動手段の駆動力により生じる前記出力軸の回転力を前記巻取軸に伝えることで、前記ウエビングベルトを巻き取る巻取方向又は当該巻取方向とは反対の引出方向へ前記巻取軸を回転させるウエビング巻取装置であって、前記出力軸を前記巻取軸に機械的に直結し、前記出力軸の回転力を前記巻取軸に伝達して前記巻取軸を回転させると共に、前記直結状態の解除が可能で且つ当該解除状態での前記出力軸の回転に伴い増加する摩擦力が一定の大きさ以上になった場合に前記出力軸と前記巻取軸とを前記摩擦力で連結し、前記出力軸の回転を前記巻取軸に伝達可能なトルクコントロール機構を備える、ことを特徴としている。
【0010】
上記構成のウエビング巻取装置によれば、巻取軸にウエビングベルトの基端側が係止されており、例えば、ウエビングベルトを使用しない場合には、ウエビングベルトがその基端側から巻取軸の周囲に略層状に巻き取られて収納される。
【0011】
この状態で、ウエビングベルトをその先端側へ引っ張ると、巻取軸が引出方向側へ回転しつつ、巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出される。
【0012】
さらに、このようなウエビングベルトの引出状態で巻取軸を巻取方向へ回転させると、ウエビングベルトが基端側から巻取軸に巻き取られ、再びウエビングベルトが収納される。
【0013】
一方、本ウエビング巻取装置では、駆動手段の出力軸と巻取軸との間にトルクコントロール機構が設けられており、トルクコントロール機構が出力軸と巻取軸とを直結した状態では、駆動手段の駆動力より回転した出力軸の回転力が巻取軸に伝えられる。したがって、出力軸の回転方向が巻取軸の巻取方向に対応した方向であれば、出力軸の回転が巻取軸に伝えられて巻取軸にウエビングベルトが巻き取られる。
【0014】
これに対して、トルクコントロール機構が上記の直結状態を解除し、この状態で駆動手段の駆動力が出力軸を回転させると、この出力軸の回転に伴い上昇する摩擦力が生じ、この摩擦力が一定の大きさ以上になると、出力軸と巻取軸とが摩擦力で連結され、出力軸の回転が巻取軸に伝えられる。
【0015】
ここで、上記の摩擦力による連結は、摩擦力が一定の大きさ以上になってから出力軸と巻取軸とを連結するため、上記の直結状態に比べると、出力軸の回転を巻取軸に伝えるまでに時間的なロスが生じ、しかも、摩擦による回転力の伝達のロスも生じる。これにより、直結状態に比べると出力軸の回転が急激に巻取軸に伝えられずに比較的穏やかに伝えられる。
【0016】
したがって、例えば、車両急減速状態等の場合には、直結状態で駆動手段を駆動させて急激に巻取軸を巻取方向へ回転させることでウエビングベルトの僅かな緩み、所謂「スラック」を早急に解消でき、素早く且つより確実に乗員の身体を保持(拘束)できる。
【0017】
また、例えば、通常の場合等においては直結状態を解除して摩擦力による連結に切り替えて駆動手段の駆動力を穏やかに巻取軸に伝えることで、トルクコントロール機構を構成する部材やその他の部材に、急激な回転力伝達による衝撃が伝わることを防止できる。
【0018】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のウエビング巻取装置において、前記出力軸に機械的に連結され、前記出力軸の回転を受けて回転する第1回転体と、前記巻取軸に機械的に連結されて自らの回転を前記巻取軸に直接或いは間接的に伝える第2回転体と、前記第1回転体及び前記第2回転体の何れか一方に設けられると共に、何れか他方に対し前記原動側回転体の回転方向に沿って当接し或いは当接可能とされ、前記何れか他方に当接し、且つ、所定条件下における押圧可能状態で前記第1回転体と共に回転し、前記第2回転体を前記第1回転体の回転方向へ押圧する第1回転伝達部材と、前記第1回転体及び前記第2回転体の何れか一方に対し前記第1回転体の回転方向及びその反対方向に摺接状態で設けると共に、何れか他方に一部が係合し、前記何れか一方に対する前記何れか他方の相対的な回転量の増加に伴い前記何れか一方との摩擦が増加し、当該摩擦により前記従動側回転を前記第1回転体に追従回転させる第2回転伝達部材と、を含めて前記トルクコントロール機構を構成したことを特徴としている。
【0019】
上記構成のウエビング巻取装置では、駆動手段が作動してその駆動力で出力軸が回転すると、トルクコントロール機構を構成する第1回転体が回転する。この状態で、第1回転体及び第2回転体の何れか一方に設けられた第1回転伝達部材が、何れか他方に対して第1回転体の回転方向に当接し、且つ、所定条件下での押圧可能状態となっていれば、第1回転体の回転と共に第1回転伝達部材が回転し、更に、第1回転伝達部材が第2回転体を第1回転体の回転方向へ押圧する。
【0020】
この状態では、第1回転体の回転が即座に第2回転体に伝えられる。このため、この状態では、駆動手段の駆動力を早急に巻取軸に伝えて巻取軸を回転させることができる。
【0021】
これに対し、上記の所定条件下でない場合には、第1回転伝達部材を介した第1回転体から第2回転体への回転伝達が行なわれない。しかしながら、駆動手段の駆動力で第1回転体が回転し、これにより、第1回転体と第2回転体との間に相対的な回転変位が生じると、第1回転体及び第2回転体の何れか他方に一部が係合した第2回転伝達部材が、何れか一方に対する何れか他方の変位方向に回転変位する。
【0022】
ここで、第2回転伝達部材は、第1回転体及び第2回転体の何れか一方に摺接状態で設けられているため、何れか一方に対して上記のように回転変位することで何れか一方との間で摩擦が生じる。この摩擦は、何れか一方に対する第2回転伝達部材の回転変位量の増加に伴い増加するため、摩擦力が一定量以上になると第2回転伝達部材は、一部が係合し、又は、摺接状態で設けられた第2回転体を第1回転体の回転方向へ回転させる。
【0023】
このように、本ウエビング巻取装置では、第1回転伝達部材とは別に第2回転伝達部材によっても第1回転体の回転を第2回転体に伝えることができる。ここで、第1回転体での回転伝達は、第1回転体の回転を受けて第1回転伝達部材が第2回転体を押圧するものであった。これに対し、第2回転伝達部材での回転伝達は、第1回転体及び第2回転体の何れか一方と第2回転伝達部材との間の摩擦力が一定値以上になることで第1回転体から第2回転体に回転が伝えられるものである。
【0024】
このため、第1回転体での回転伝達とは異なり第2回転伝達部材での回転伝達では、第1回転体が回転を開始してから所定時間の遅れがあると共に摩擦による回転伝達のロスがある。これにより、第1回転体から第2回転体へ急激な回転伝達が行なわれず、比較的穏やかに回転が伝えられる。
【0025】
したがって、例えば、車両急減速状態等の場合には、第1回転伝達部材を介して駆動手段の駆動力を巻取軸に伝えて急激に巻取軸を巻取方向へ回転させることでウエビングベルトの僅かな緩み、所謂「スラック」を早急に解消でき、素早く且つより確実に乗員の身体を保持(拘束)できる。
【0026】
また、例えば、通常の場合等においては直結状態を解除して摩擦力による連結に切り替えること駆動手段の駆動力を穏やかに巻取軸に伝えることで、第1回転伝達部材や第2回転体等のやトルクコントロール機構を構成する各部材に急激な回転力伝達による衝撃が伝わることを防止できる。
【0027】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のウエビング巻取装置において、所定方向で且つ所定速度以上の前記第1回転体の回転により生じる遠心力で、前記第1回転伝達部材を揺動可能に設けると共に、当該揺動により前記第1回転伝達部材が前記押圧可能状態になることを特徴としている。
【0028】
上記構成のウエビング巻取装置では、第1回転体が所定方向へ向けて所定速度以上で回転すると、この第1回転体の回転により生じる遠心力で第1回転伝達部材が揺動する。この揺動により第1回転伝達部材が押圧可能状態となり、第1回転伝達部材を介した回転伝達が行なわれる。
【0029】
このように、本ウエビング巻取装置では、第1回転体の回転方向並びに回転速度、すなわち、駆動手段の駆動方向(正転駆動や逆転駆動)と駆動速度を制御するだけで第1回転伝達部材を介した回転伝達と第2回転伝達部材を介した回転伝達とを切り替えることができる。このため、第1回転伝達部材を介した回転伝達と第2回転伝達部材を介した回転伝達との切り替え制御が容易になる。
【0030】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のウエビング巻取装置において、車両の走行状態、前記車両の前方に位置する障害物までの距離、及び、前記ウエビングベルトが前記乗員の身体に装着されたか否かの何れかを検出する検出手段と、前記検出手段からの所定の信号に基づいて前記駆動手段を駆動させると共に前記直結状態にする制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0031】
上記構成のウエビング巻取装置では、車両の走行状態や車両の前方に位置する障害物までの距離、及び、ウエビングベルトが乗員の身体に装着されたか否かの何れかが検出手段により検出される。
【0032】
また、車両の走行状態や車両の前方に位置する障害物までの距離、及び、ウエビングベルトが乗員の身体に装着されたか否かの何れかに応じて検出手段から出力された信号は、制御手段に入力される。ここで、制御手段に入力された信号が所定の信号、すなわち、車両が急減速状態になった場合に対応した信号や、車両の前方に位置する障害物までの距離が所定値以下となった場合の信号、或いは、ウエビングベルトが乗員の身体に装着された場合の信号等であった場合には、制御手段が駆動手段を駆動させる。
【0033】
さらに、この状態では、トルクコントロール機構が直結状態となり出力軸から巻取軸へ時間的ロス等が少ない急激な回転伝達が行なわれる。
【0034】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
(ウエビング巻取装置10の全体構成)
図1には、本実施の形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成を示す正面図が示されている。この図に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、この背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、本ウエビング巻取装置10が車体に取り付けられる構成となっている。背板14の幅方向両端からは一対の脚板16、18が互いに平行に延出されており、これらの脚板16、18間にダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が回転可能に配置されている。
【0035】
スプール20は略円筒形状のスプール本体22と、このスプール本体22の両端部に略円盤形状にそれぞれ形成された一対のフランジ部24、26とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。
【0036】
フランジ部24、26間には、長尺帯状に形成されたウエビングベルト28の基端部が固定されており、スプール20をその軸周り一方へ回転させると、ウエビングベルト28がその基端側からスプール本体22の外周部に層状に巻き取られる。また、ウエビングベルト28をその先端側から引っ張れば、スプール本体22の外周部に巻き取られたウエビングベルト28が引き出され、これに伴い、ウエビングベルト28を巻き取る際の回転方向(以下、この方向を便宜上「巻取方向」と称する)とは反対にスプール20が回転する(以下、ウエビングベルト28を引き出す際のスプール20の回転方向を便宜上「引出方向」と称する)。
【0037】
フランジ部24のフランジ部26とは反対側でスプール20の一端側は、脚板16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板16側のフレーム12の外側には、ケース32が配置されている。ケース32は、スプール20の軸方向に沿って脚板16と対向して配置されて脚板16に固定されている。また、ケース32は全体的に脚板16側へ向けて開口しており、円孔30を貫通したスプール20の一端側はケース32の内側に入り込み、ケース32によって回転自在に軸支されている。
【0038】
さらに、ケース32の内部には渦巻きばね34が配置されている。渦巻きばね34は渦巻き方向外側の端部がケース32に係止されており、渦巻き方向内側の端部がスプール20に係止されている。渦巻きばね34は特別に負荷をかけない中立状態からスプール20を引出方向へ回転させると、巻取方向の付勢力が生じてスプール20を巻取方向へ付勢する。したがって、基本的には、スプール20から引き出すためにウエビングベルト28に付与した引っ張り力を解除すると、渦巻きばね34の付勢力がスプール20を巻取方向へ回転させ、スプール20にウエビングベルト28を巻き取らせる構造になっている。
【0039】
一方、フランジ部26のフランジ部24とは反対側でスプール20の他端側は、脚板18に形成された内歯のラチェット孔36を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。脚板18側のフレーム12の外側には、ロック機構38が配置されている。ロック機構38はケース40を備えている。ケース40はスプール20の軸方向に沿って脚板18と対向して配置されて脚板18に固定されている。
【0040】
ケース40の内側には、ロック機構38を構成する図示しないイナーシャルプレートや外歯ギヤ、加速度センサ等の各部材が収容されており、急激に巻取方向へスプール20が回転することで、ケース40内のイナーシャルプレートがスプール20に対して相対回転したり、加速度センサが車両の急減速状態を検出して強制的にスプール20に対してケース40内のイナーシャルプレートがスプール20に対して相対回転させられる構造となっている。
【0041】
また、上述したラチェット孔36の内側には一対のロックプレート42が設けられている。これらのロックプレート42は、ケース40内に設けられてスプール20と共に一体的に回転するロックベースに支持されており、ロックベースに対してケース40内のイナーシャプレートが引出方向側へ相対回転すると、ロックベースに形成されたガイド部に案内されてラチェット孔36の内周部に接近し、ロックプレート42に形成された外歯がラチェット孔36の内周部に形成された内歯に噛み合う構造となっている。
【0042】
このように、ロックプレート42に形成された外歯がラチェット孔36の内周部に形成された内歯に噛み合うことで、引出方向へのロックベースの回転が規制され、ひいては、スプール20の回転が規制される構成となっている。
【0043】
一方、スプール20の下方で脚板16と脚板18との間には、駆動手段としてのモータ44が配置されている。モータ44は、ドライバ46を介して車両に搭載されたバッテリー48に電気的に接続されており、バッテリー48からの電流がドライバ46を介してモータ44に流れることで、モータ44は出力軸50を正方向又は逆方向へ回転させる構成となっている。ドライバ46は、マイコン等で構成された制御手段としてのECU52に接続されており、更に、ECU52は各々が検出手段である前方監視センサ54及びバックルセンサ55に接続されている。
【0044】
前方監視センサ54は、車両前端部近傍に設けられており、車両前方へ向けて赤外線を発光すると共に、車両の前方で走行若しくは停止している他の車両や障害物(以下、走行若しくは停止している車両も含めて便宜上「障害物」と称する)にて反射した赤外線を受光する。ECU52では、前方監視センサ54が赤外線を発光してから受光するまでに要する時間に基づいて、前方の障害物までの距離を算出する。
【0045】
一方、バックルセンサ55は、乗員がウエビングベルト28を装着する際にウエビングベルト28の長手方向中間部に設けられたタングプレート(図示省略)を保持するために座席を介してウエビング巻取装置10とは反対側に設置されたバックル装置(図示省略)に設けられており、バックル装置内にタングプレートが挿入され、更に、バックル装置内に設けられたラッチ(図示省略)がタングプレートに係合してタングプレートの保持状態になったか否かを検出し、タングプレートの保持状態になった場合には、ECU52に対して所定の電気信号を出力する。
【0046】
ECU52は、前方監視センサ54及びバックルセンサ55から出力された電気信号に基づいてドライバ46を操作し、モータ44を制御している。
【0047】
(トルクコントロール機構400の構成)
一方、図1及び図2に示されるように、本ウエビング巻取装置10はトルクコントロール機構400を構成するコントロールギヤ402を備えている。図3に示されるように、コントロールギヤ402は、第1回転体としてのドライブギヤ404を備えている。ドライブギヤ404は軸方向寸法が比較的短い略円筒状の外筒部406を備えている。図1及び図2に示されるように、外筒部406の外周部には、モータ44の出力軸50に同軸的且つ一体的に設けられたギヤ56よりも歯数が充分に多い外歯が形成されておりギヤ56に噛み合っている。
【0048】
図3及び図4に示されるように、外筒部406の内側には軸方向寸法が外筒部406よりも短い内筒部408が、外筒部406に対して同軸的且つ一体的に形成されている。内筒部408の内周部には内歯が形成されており、内筒部408の半径方向内側に配置された第1連結部材としての複数(本実施の形態では3個)のプラネタリギヤ410が噛み合っている。
【0049】
プラネタリギヤ410の軸方向脚板18側には、第2回転体としてのキャリアプレート412が配置されている。図3乃至図5に示されるように、キャリアプレート412は、上記の外筒部406と同軸的な円盤形状に形成されており、軸方向脚板16側の面から立設された複数のキャリアシャフト414の各々に上記のプラネタリギヤ410が回転自在に軸支されている。
【0050】
また、キャリアプレート412の略中央にはセンターシャフト416がキャリアシャフト414の突出方向と同方向へ突出形成されている。センターシャフト416はキャリアシャフト414よりも突出寸法が長く、その先端側では外周部に複数のラチェット歯420が形成されたラチェットプレート418を回転自在に軸支している。
【0051】
また、図3に示されるように、ラチェットプレート418の軸方向脚板16側の面には、外歯のサンギヤ422はラチェットプレート418に対して同軸的且つ一体的に形成されており、上記のセンターシャフト416はサンギヤ422を貫通し、ラチェットプレート418と共にサンギヤ422を回転自在に軸支している。このサンギヤ422には、上述したプラネタリギヤ410が噛み合っている。
【0052】
一方、キャリアプレート412の軸方向脚板16側の面からは、外歯のギヤ424がキャリアプレート412に対して同軸的且つ一体的に形成されており、図1及び図2に示されるように、ギヤ424の側方(上方)に配置されたギヤ432に噛み合っている。ギヤ432はギヤ424よりも歯数が多く、したがって、ギヤ424の回転がギヤ432に伝えられることで減速される。また、ギヤ432にはギヤ432よりも歯数が充分に少ないギヤ434が同軸的且つ一体的に形成されており、後述するクラッチ220の外歯ギヤ102に噛み合っている。
【0053】
さらに、図5に示されるように、キャリアプレート412の軸方向脚板18側の面には筒部426がキャリアプレート412に対して同軸的且つ一体的に形成されている。筒部426は軸方向寸法が比較的短な円筒形状に形成されており、その内径寸法は上記の各キャリアシャフト414に支持されたプラネタリギヤ410が内側に配置され、しかも、各プラネタリギヤ410に干渉しない程度の大きさとされている。
【0054】
図4及び図5に示されるように、筒部426の外周部には第2連結部材としてのクラッチスプリング428が設けられている。クラッチスプリング428は全体的に略リング状に形成されており、その内径寸法は筒部426の外径寸法に略等しい。また、クラッチスプリング428は、その周方向に沿った一箇所が切断されており、したがって、クラッチスプリング428は完全な環状ではなく、周方向に沿って両端が存在している。
【0055】
図4に示されるように、クラッチスプリング428の周方向両端は、クラッチスプリング428の半径方向外側へ屈曲された後、更に、クラッチスプリング428の軸方向脚板18側へ屈曲されている。軸方向脚板18側へ屈曲されたクラッチスプリング428の両端は、上述した内筒部408の軸方向脚板16側の端面に形成された一対の孔部430にそれぞれ入り込んでいる。
【0056】
孔部430は内径寸法がクラッチスプリング428の断面の外径寸法よりも充分に大きく、クラッチスプリング428の両端は両孔部430の内側に遊嵌している。
【0057】
一方、図2に示されるように、以上の構成のコントロールギヤ402の側方には、コントロールギヤ402と共にトルクコントロール機構400を構成するコントロールソレノイド装置440が配置されている。コントロールソレノイド装置440は略箱形状のソレノイドハウジング442を備えている。
【0058】
ソレノイドハウジング442は、脚板16と脚板18との間に配置されて脚板18に一体的に取り付けられたベースプレート444上に固定されている。図6に示されるように、ソレノイドハウジング442の内部には、ソレノイド446が配置されている。ソレノイド446の内側には、鉄等の磁性を有する金属で形成されたプランジャ448の基端側が収容されており、ソレノイド446が通電されることでソレノイド446の周囲に磁界が形成されると、このときの磁力でソレノイド446はプランジャ448を吸引し、プランジャ448をソレノイドハウジング442の内側へ引き込む構成となっている。
【0059】
また、ソレノイド446はドライバ450を介してバッテリー48及びECU52に電気的に接続されており、ECU52から出力された通電信号がドライバ450に入力されるとドライバ450がソレノイド446に電流を流し、ECU52から出力された通電解除信号がドライバ450に入力されるとドライバ450がソレノイド446に対する通電を停止する。
【0060】
一方、図6に示されるように、プランジャ448の先端側は、ソレノイドハウジング442の外部に突出している。プランジャ448の先端には、プランジャ448よりも細いロッド452が同軸的且つ一体的に設けられており、更に、ロッド452の先端部にはプランジャ448の本体部分よりも外径寸法が大きな円盤状のストッパ454が同軸的且つ一体的に設けられている。
【0061】
また、プランジャ448の先端部とストッパ454の間には、スライダ456の縦壁部458が配置されている。図5及び図7に示されるように、縦壁部458には、上端で開口した切欠部460が形成されている。切欠部460の開口幅はロッド452の外径寸法よりも極僅かに大きい程度とされており、ロッド452が切欠部460の底部に当接した状態で切欠部460を貫通している。さらに、図6に示されるように、縦壁部458とソレノイドハウジング442との間にはリターンスプリング462が配置されている。
【0062】
リターンスプリング462はコイル状の圧縮コイルスプリングで、プランジャ448及びロッド452がリターンスプリング462を貫通している。リターンスプリング462は、その一端がソレノイドハウジング442に当接していると共に、他端が縦壁部458に当接している。リターンスプリング462の付勢力により、縦壁部458はプランジャ448の軸方向に沿ってソレノイドハウジング442から離間する方向に付勢され、ストッパ454に押し付けられている。
【0063】
したがって、縦壁部458は、基本的にストッパ454とリターンスプリング462とにより挟持されていると共に、更に、縦壁部458、ストッパ454、及びロッド452を介してプランジャ448がソレノイドハウジング442から突出する方向へ付勢されている。但し、リターンスプリング462の付勢力は、ソレノイド446が通電された際に生じる磁力がプランジャ448を吸引する際の吸引力よりも小さく、このため、ソレノイド446が通電された場合には、磁力に基づく吸引力がリターンスプリング462の付勢力に抗してプランジャ448をソレノイドハウジング442内に引き込む。
【0064】
一方、図6に示されるように、縦壁部458の下端からはソレノイドハウジング442とは反対側へ向けて平板状のスライダ本体464が延出されている。図7に示されるように、スライダ本体464の上方にはパウル466が設けられている。パウル466の後方(ソレノイドハウジング442側)では、ベースプレート444から支持壁468が立設されている。パウル466及び支持壁468には、上述したコントロールギヤ402の回転軸方向と同方向を軸方向とする支持軸470が貫通しており、支持軸470によって支持軸470周りに回転自在にパウル466が軸支されている。
【0065】
また、図7に示されるように、パウル466には係合爪472が形成されている。係合爪472は、その先端側がラチェットプレート418のラチェット歯420へ向けて屈曲している。通常、係合爪472は、ラチェットプレート418の回転半径方向に沿ってラチェットプレート418の外周部(ラチェット歯420の先端)よりも外側に位置しているが、パウル466が図7の矢印B方向へ向けて所定角度回動すると、係合爪472がラチェットプレート418の回転半径方向内方側へ移動し、ラチェット歯420に当接する。これにより、ラチェットプレート418の図7の矢印B方向、すなわち、巻取方向への回転を規制する。
【0066】
さらに、係合爪472の背面(ソレノイドハウジング442側の面)からは当接壁474が延出されている。この当接壁474とベースプレート444との間には、リターンスプリング476が配置されている。リターンスプリング476はコイル状の圧縮コイルスプリングで、ベースプレート444に対して当接壁474を離間させる方向(すなわち、ベースプレート444の上方)に付勢している。このリターンスプリング476の付勢力によって、通常は、パウル466の係合爪472がラチェットプレート418の外周部よりも外側に位置している。
【0067】
一方、パウル466の回転中心を介して係合爪472とは反対側には、ローラ取付部478が形成されている。ローラ取付部478は概ねベースプレート444側(すなわち、下方)へ向けて開口した略凹形状に形成されている。このローラ取付部478の内側には支持軸480が固定されている。支持軸480はパウル466の長手方向(すなわち、ローラ取付部478から回転中心を介して係合爪472への方向)を軸方向とされており、ローラ取付部478の内側に設けられたローラ482を回転自在に支持している。ローラ482の外周面は上述したスライダ本体464の上面に接しており、スライダ本体464が上述したプランジャ448の軸方向に沿ってスライドすると、スライダ本体464との摩擦により回転する。
【0068】
また、図6及び図7に示されるように、スライダ本体464には、その側部の一部を切り起こすことでカム部484が形成されている。カム部484はローラ482を介してソレノイドハウジング442とは反対側に形成されている。しかしながら、スライダ本体464がソレノイドハウジング442側へスライドすることによりローラ482へ接近し、ローラ482の下側へ潜り込みローラ482を押し上げる構成となっている。
【0069】
(クラッチ220の構成)
一方、上述したギヤ434の上方にはクラッチ220が設けられている。図8及び図9に示されるように、クラッチ220はベースプレート92を備えている。ベースプレート92は円盤状のベース部94の外周部に沿って略リング状の周壁96が形成された軸方向寸法が極めて短い有底円筒状(若しくは浅底の盆状)に形成されている。ベースプレート92の軸方向一端側(図8の矢印C方向側)の開口端には、薄厚円盤状のカバー98が取り付けられており、基本的にベースプレート92の開口端が閉止されている。
【0070】
周壁96の外周部にはその周方向に沿って一定間隔毎に係合凹部100が形成されている。また、周壁96の外側には、ギヤ212よりも充分に歯数が多い略リング形状に形成された外歯ギヤ(外歯歯車)102がベースプレート92に対して同軸的に配置されており、図1及び図2に示されるように、コントロールギヤ402のギヤ434に噛み合っている。
【0071】
図8及び図9に示されるように、外歯ギヤ102の内径寸法は、周壁96の外径寸法よりも充分に大きく、外歯ギヤ102の内周部と周壁96の外周部との間には環状の隙間が形成されており、この環状の隙間にトルクリミッタ222が配置されている。
【0072】
トルクリミッタ222は、ばね性を有する金属等により全体的に略リング状に形成されている。また、トルクリミッタ222はその半径方向に沿って厚さ方向とされており、その厚さ方向に貫通した係合孔224がトルクリミッタ222の所定間隔毎(本実施の形態では、トルクリミッタ222の中心周りに略45度毎)に形成されている。
【0073】
各係合孔224には外歯ギヤ102の内周部に一定間隔毎に形成された係合突起226が入り込んでおり、トルクリミッタ222に対して外歯ギヤ102が回転しようとすると、係合孔224の内周部が係合突起226に干渉してトルクリミッタ222に対する外歯ギヤ102の相対回転を規制する(すなわち、基本的にトルクリミッタ222と外歯ギヤ102とは略一体的に連結されている)。
【0074】
また、トルクリミッタ222にはその周方向に沿って複数の切込み228が一定間隔毎に形成されている。これらの切込み228は、トルクリミッタ222の軸方向略中央(幅方向略中央)に一端が位置しており、その長手方向がトルクリミッタ222の周方向に沿っている。さらに、切込み228は長手方向他端側で略直角に屈曲しており、他端がトルクリミッタ222の軸方向に沿って長手となるように形成された後、トルクリミッタ222の軸方向一端(幅方向一端)で開口している。
【0075】
以上のような切込み228を形成することで、トルクリミッタ222の軸方向中央部よりも一端側には、切込み228の一端の側方にて基端部がトルクリミッタ222の本体部分に接続され、先端側が自由端となったばね片230がトルクリミッタ222の中心周りに複数形成される。
【0076】
ばね片230の先端には、トルクリミッタ222の半径方向中央側へ向けて突出する如く屈曲形成された係合部106が形成されている。各係合部106は、上述した周壁96(ベースプレート92)に形成された複数の係合凹部100に対応しており、周壁96が外歯ギヤ102の内側に略同軸的に位置した状態では、係合部106が複数の係合凹部100の何れかに入り込んでいる。
【0077】
上述したように、係合孔224には係合突起226が入り込んでいるため、ベースプレート92に対して外歯ギヤ102がベースプレート92の軸心周りに相対回転しようとすると、当然、トルクリミッタ222も外歯ギヤ102と共に一体的に回転しようとする。
【0078】
しかしながら、各ばね片230の係合部106が係合凹部100に入り込んでいることで、周壁96の周方向に沿って係合部106が回転しようとすると係合凹部100が係合部106に干渉し、係合部106の回転を規制する。これにより、ベースプレート92に対する外歯ギヤ102の相対回転が規制され、基本的には、外歯ギヤ102とベースプレート92とが一体的に連結される構成となっている。
【0079】
但し、上記のように、トルクリミッタ222がばね性を有する金属等により形成されているため、ばね片230もまた当然ばね性を有している。したがって、ベースプレート92に対する外歯ギヤ102の相対回転で生じる回転力が、ばね片230のばね力(付勢力)に抗して係合部106を係合凹部100から抜け出させるのに充分な大きさであれば、係合凹部100による係合部106への干渉が解除されるため、ベースプレート92に対する外歯ギヤ102の相対回転が可能となる構成である。
【0080】
一方、上述したベースプレート92の内側には、略円筒形状のアダプタ112がベースプレート92に対して略同軸的に配置されている。アダプタ112は全体的に軸方向他端(図8の矢印D方向側)がベース部94(ベースプレート92)の中央に形成された円孔30に回転自在に軸支されていると共に、他端に同軸的に形成された円筒状の筒部114がカバー98に形成された円孔116に回転自在に軸支されている。
【0081】
アダプタ112にはその軸方向に沿って貫通した嵌合孔120が形成されている。嵌合孔120には上述したスプール20の軸方向他端が嵌合しており、アダプタ112とスプール20とが同軸的且つ一体的に連結される。また、アダプタ112の外周部には、歯数が奇数となる複数の外歯122が一定間隔毎に形成されている。
【0082】
また、アダプタ112の半径方向外側では、ベースプレート92のベース部94に一対のボス124が形成されている。各ボス124は、略円筒状に形成されており、ベース部94からその軸方向一方の側へ向けて立設されている。また、これらのボス124は円孔30を介して互いに対向する如く形成されており、各ボス124にはパウル240が設けられている。
【0083】
各パウル240は本体242を備えている。本体242は内径寸法がボス124の外径寸法よりも極僅かに大きなリング状に形成されており、ボス124が本体242を貫通する如く本体242がボス124に嵌め込まれることで、パウル240がボス124周りに回転自在に軸支される。本体242の外周一部には連結片244が形成されている。
【0084】
連結片244は本体242の軸方向に沿った寸法が本体242よりも充分に大きく、ベース部94と対向する側の面は連結片244と本体242とが略面一になるが、ベース部94とは反対側では、連結片244が本体242よりもベースプレート92の軸方向他端側へ突出している。このように、連結片244は本体242の軸方向に沿った寸法が本体242よりも長いため、連結片244は、概ね、その延出方向に沿って長手方向で、本体242の軸方向に沿って幅方向の舌片状となっている。
【0085】
また、各連結片244は、本体242がボス124に軸支された状態で、本体242に対してスプール20の巻取方向(図8及び図9の矢印B方向)側へ延出されるように形成されている。さらに、各連結片244はボス124周りに巻取方向へ所定角度回動することで、先端244Aの角部が上述したアダプタ112の外歯122と外歯122との間でアダプタ112の外周部に当接するように形成されている。
【0086】
また、各連結片244の先端244Aは、上述したアダプタ112の歯の引出方向(図8及び図9の矢印A方向)側の面に対応して傾斜した斜面とされており、先端244Aが外歯122に当接して干渉することで引出方向へのアダプタ112の回転を規制する構造となっている。
【0087】
ここで、上述したように、ボス124は円孔30を介して対向するように形成されているため、基本的に同一形状である両パウル240の各先端244Aの角部がアダプタ112の外周面に接した状態では、アダプタ112の軸心を介して一方のパウル240の先端244Aとは反対側に他方のパウル240の先端244Aが位置することになる。したがって、アダプタ112の外周部に形成された外歯122の総数が偶数で、アダプタ112の軸心を介して何れかの外歯122の反対側にも外歯122が形成されているのであれば、両パウル240の先端244Aが共に外歯122に当接する構造となる。
【0088】
しかしながら、本実施の形態では、上述したように、アダプタ112の外周部に形成された外歯122の総数は奇数となっている。このため、一方のパウル240の先端244Aが外歯122に当接している状態では、他方のパウル240の先端244Aはアダプタ112の周方向に沿って外歯122から離間している(すなわち、他方の連結片244の先端244Aは外歯122に接していない)。
【0089】
一方、各本体242の外周部からは解除片246が延出されている。解除片246は概ね本体242を介して連結片244とは反対側に形成されており、先端側へ向けて漸次ベースプレート92の軸心側へ湾曲している。解除片246を引出方向に回動させることで、連結片244をアダプタ112の外周部から離間する方向へ回動する。また、解除片246は連結片244と同様に本体242の軸方向に沿った寸法が本体242よりも大きく、ベース部94側で本体242と解除片246とが面一で、ベース部94とは反対側へ向けて本体242よりも解除片246が突出している。
【0090】
これに対して、パウル240の本体242よりもボス124の先端側では、パウル250の本体252がボス124周りに回転自在に軸支されている。各パウル250は基本的にパウル240と同じ構成で、本体252の軸方向に沿った寸法が本体252よりも大きな連結片254と解除片256が本体252の外周部から延出された構成であるが、パウル240とは異なりパウル250は、本体252がボス124に支持された状態で本体252よりも引出方向側に連結片254が形成され、巻取方向側に解除片256が形成されている。
【0091】
また、パウル240とは異なりパウル250は、ベース部94とは反対側で本体252と連結片254及び解除片256が面一で、連結片254及び解除片256が本体252よりもベース部94側に突出した構成である。したがって、パウル250は、連結片254がボス124周りに引出方向へ所定角度回動することで、連結片254の先端254Aの角部が外歯122と外歯122との間でアダプタ112の外周部に当接し、更に、先端254Aが外歯122の巻取方向側の面に接することで巻取方向へのアダプタ112の回転を規制する。
【0092】
さらに、クラッチ220は、イナーシャルプレート260を備えている。イナーシャルプレート260はベースプレート92及びアダプタ112の軸方向に沿って厚さ方向とされた略板状のベース部262を備えている。ベース部262には円孔264が形成されている。円孔264の内径寸法は、アダプタ112の軸方向他端側でアダプタ112の外周部に対して同軸的に形成された筒部114の外径寸法よりも極僅かに大きく、円孔264に筒部114が貫通する如く組み付けられることで、ベース部262、ひいては、イナーシャルプレート260がアダプタ112周りに回転自在にアダプタ112に軸支される。
【0093】
また、ベース部262のベース部94側の面には、一対のブロック266が形成されている。これらのブロック266は、円孔264を介して互いに対向する如く形成されており、円孔264の外側で一対のブロック266の一方の間隙に上述したボス124の一方が位置しており、円孔264を介してこの間隙とは反対側での一対のブロック266の間隙に他方のボス124が位置している。
【0094】
一対のブロック266のうちの一方の外周部(円孔264の半径方向に沿った各ブロック266の外側面)には、スプリング収容部268が形成されており圧縮コイルスプリング270が収容されている。
【0095】
圧縮コイルスプリング270は、円孔264の中心周りに湾曲した状態でスプリング収容部268に収容されており、その巻取方向側の端部はスプリング収容部268の壁部268Aに当接、引出方向側の端部はベースプレート92の周壁96の内周部から延出されてスプリング収容部268内に入り込んだ当接壁152に当接している。
【0096】
イナーシャルプレート260は、アダプタ112の筒部114に回転自在に軸支されているため、基本的には、アダプタ112のみならずベースプレート92に対しても相対回転自在である。しかしながら、上記のように、圧縮コイルスプリング270の巻取方向側端部がスプリング収容部268の壁部268Aに当接し、引出方向側端部がベースプレート92の当接壁152に当接していることから、イナーシャルプレート260に対してベースプレート92が巻取方向へ相対回転しようとすると、当接壁152が圧縮コイルスプリング270を介してイナーシャルプレート260を巻取方向に押圧してイナーシャルプレート260をベースプレート92の回転に追従回転させる。
【0097】
このため、圧縮コイルスプリング270の付勢力に抗し得る大きさの回転力がイナーシャルプレート260に作用しない限り、イナーシャルプレート260に対するベースプレート92の巻取方向への相対回転は制限される。
【0098】
一方、一対のブロック266のうちの他方の外周部(円孔264の半径方向に沿った各ブロック266の外側面)には、スプリング収容部272が形成されており圧縮コイルスプリング274が収容されている。スプリング収容部272、圧縮コイルスプリング274、当接壁272Aは、円孔264の中心にスプリング収容部268、圧縮コイルスプリング270、当接壁152とは対称的に設けられている。
【0099】
したがって、ベースプレート92がアダプタ112周りに引出方向に回転すると、圧縮コイルスプリング270がその付勢力でベースプレート92に追従させるようにイナーシャルプレート260を引出方向に回転させる。
【0100】
このように、イナーシャルプレート260に対する圧縮コイルスプリング270と圧縮コイルスプリング274の付勢力は、ベースプレート92及びイナーシャルプレート260の中心周りに反対方向に作用するため、通常、ベースプレート92に対するイナーシャルプレート260の回転位置は、圧縮コイルスプリング270の付勢力と圧縮コイルスプリング274の付勢力とがバランスする位置で保たれる。
【0101】
また、図8及び図9に示されるように、各ブロック266の内周部には押圧部276が形成されている。これらの押圧部276はパウル240の巻取方向側に形成されており、各押圧部276に対応して各パウル240の連結片244の幅方向外端には、斜面278が形成されている。斜面278は巻取方向に対してベースプレート92の半径方向外方へ傾斜しており、先端244Aがアダプタ112の外周部に接していない状態では、ベースプレート92及びイナーシャルプレート260の周方向に沿って押圧部276と対向している。
【0102】
押圧部276は、ベースプレート92がイナーシャルプレート260に対して巻取方向へ所定量相対回転することで斜面278に当接するように形成されており、この当接状態から更にベースプレート92がイナーシャルプレート260に対して巻取方向へ相対回転しようとした際には、斜面278が押圧部276によって引出方向に押圧され、この押圧力によりパウル240がボス124周りに巻取方向に回動する。
【0103】
また、各ブロック266の内周部には押圧部280が形成されている。押圧部280はイナーシャルプレート260の周方向に沿ったブロック266の中央部分を介して押圧部276とは反対側に形成されている。これらの押圧部280はパウル250の引出方向側に形成されており、各押圧部280に対応して各パウル250の連結片254の幅方向外端には、斜面282が形成されている。
【0104】
斜面282は引出方向に対してベースプレート92の半径方向外方へ傾斜しており、先端254Aがアダプタ112の外周部に接していない状態では、ベースプレート92及びイナーシャルプレート260の周方向に沿って押圧部280と対向している。押圧部280は、ベースプレート92がイナーシャルプレート260に対して引出方向へ所定量相対回転することで斜面282に当接するように形成されており、この当接状態から更にベースプレート92がイナーシャルプレート260に対して引出方向へ相対回転しようとした際には、斜面282が押圧部280によって巻取方向に押圧され、この押圧力によりパウル250がボス124周りに引出方向に回動する。
【0105】
さらに、イナーシャルプレート260の周方向に沿った各ブロック266の巻取方向側の端部には、押圧部166が形成されていると共に押圧部166よりもイナーシャルプレート260の軸心側には解除片収容部168が形成されている。押圧部166は、イナーシャルプレート260の周方向に沿ってパウル240の解除片246に対応して形成されている。
【0106】
解除片246は本体242との連結部分(基端部)から先端側へ向けて漸次ベースプレート92の軸心側へ湾曲しており、その幅方向外側面も同様に湾曲している。したがって、イナーシャルプレート260に対してベースプレート92が引出方向に所定量相対回転すると、押圧部166が解除片246の幅方向外側面に当接し、この当接状態で更にイナーシャルプレート260に対してベースプレート92が引出方向に相対回転すると、押圧部166が解除片246の先端部を巻取方向に押圧する。
【0107】
ここで解除片246の先端は、引出方向に対してイナーシャルプレート260の半径方向外方へ傾斜した斜面とされている。このため、解除片246の先端を押圧部166が押圧することで、パウル240をボス124周りに引出方向に回動させて解除片収容部168に案内する。
【0108】
これに対して、イナーシャルプレート260の周方向に沿った各ブロック266の巻取方向側の端部には、押圧部284が形成されていると共に押圧部284よりもイナーシャルプレート260の軸心側には解除片収容部286が形成されている。これらの押圧部284及び解除片収容部286は、ブロック266の周方向中央を境として押圧部166及び解除片収容部168と対称となるように形勢されており、押圧部284が解除片256の幅方向外側面に当接して引出方向に押圧することで、パウル250をボス124周りに巻取方向に回動させて、解除片収容部286に案内する構造となっている。
【0109】
また、イナーシャルプレート260のベース部262とベースプレート92のベース部94との間には、合成樹脂材によってリング状に形成されたスペーサ118が配置されている。スペーサ118は、アダプタ112の筒部114に軸支されており、軸方向一方の端面はイナーシャルプレート260のベース部262に当接し、軸方向他方の端面はアダプタ112の本体部分の筒部114との接続部分における端面に当接している。
【0110】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置10の動作の説明を通して、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0111】
(ウエビング巻取装置10の基本動作)
先ず、本ウエビング巻取装置10の基本動作について説明する。
【0112】
本ウエビング巻取装置10では、スプール20にウエビングベルト28が層状に巻き取られた収納状態で、図示しないタングプレートを引っ張りつつウエビングベルト28を引っ張ると、スプール20を巻取方向に付勢する渦巻きばね34の付勢力に抗してスプール20を引出方向へ回転させながらウエビングベルト28が引き出される。
【0113】
このように、ウエビングベルト28が引き出された状態で、ウエビングベルト28を座席に着座した乗員の身体の前方に掛け回しつつタングプレートを図示しないバックル装置に指しこみ、バックル装置にタングプレートを保持させることで乗員の身体に対するウエビングベルト28の装着状態(以下、単に「装着状態」と称する)となる。
【0114】
また、ウエビングベルト28を装着するためにウエビングベルト28を引き出してスプール20を引出方向へ回転させると、渦巻きばね34が巻き締められてスプール20を巻取方向側へ付勢する渦巻きばね34の付勢力が増加する。したがって、上記装着状態では、渦巻きばね34の付勢力がスプール20を巻取方向へ回転させ、ウエビングベルト28をスプール20に巻き取らせる。
【0115】
(通常装着時における作用、効果)
さらに、バックル装置にタングプレートが指し込まれたことを、バックルセンサ55が検知すると、ECU52からドライバ46へ制御信号が出力される。これにより、ドライバ46はモータ44に電流を流し、モータ44を正転駆動させる。モータ44が正転駆動力により出力軸50を正転すると、この出力軸50の回転はギヤ56を介してコントロールギヤ402のドライブギヤ404に伝えられ、ドライブギヤ404が減速回転する。
【0116】
また、ドライブギヤ404が回転することで内筒部408の内歯が一体回転するため、内筒部408の内歯に噛み合うプラネタリギヤ410にドライブギヤ404の回転力が伝えられる。これにより、プラネタリギヤ410は、キャリアシャフト414周りに自転しつつサンギヤ422を図4の矢印A方向へ回転させようとする。
【0117】
この状態では、パウル466の係合爪472はラチェットプレート418のラチェット歯420に噛み合っておらず、ラチェットプレート418は回転自在であり、サンギヤ422もまた回転自在である。したがって、プラネタリギヤ410からの回転力を受けたサンギヤ422はセンターシャフト416周りに回転すると共に、キャリアシャフト414周りの自転とサンギヤ422からの反力で回転モーメントが生じたプラネタリギヤ410もサンギヤ422周りに図4の矢印A方向へ僅かに公転する。プラネタリギヤ410の僅かな回転は、キャリアシャフト414を介してキャリアプレート412を僅かに回転させる。
【0118】
但し、このキャリアプレート412の回転はドライブギヤ404の回転には及ばず、ドライブギヤ404はキャリアプレート412以上に回転する。これにより、ドライブギヤ404がキャリアプレート412以上に回転すると、一対の孔部430の一方の内周部が、これに入り込んだクラッチスプリング428の周方向端部をドライブギヤ404の回転方向に回転させる。クラッチスプリング428の周方向両端は両孔部430に遊嵌しているため、一方の孔部430の内周部にクラッチスプリング428の一方の周方向端部が押圧されたからといって、即座に他方の孔部430の内周部にクラッチスプリング428の他方の周方向端部が押圧されることはない。
【0119】
上記のように、一方の孔部430の内周部にクラッチスプリング428の一方の周方向端部が押圧されることでクラッチスプリング428が回転すると、クラッチスプリング428の内周部と筒部426の外周部との摩擦がこの回転を妨げるように作用する。このように摩擦力が作用すると、一方の孔部430の内周部に押圧された回転しようとするクラッチスプリング428の一方の周方向端部に対して、クラッチスプリング428の周方向他端側で回転に遅れが生じる。
【0120】
このような周方向一端側に対する他端側の回転遅れにより、クラッチスプリング428は筒部426を巻き締める。これによって、更にクラッチスプリング428と筒部426との摩擦力が増大することで、クラッチスプリング428は筒部426を伴い回転しようとし、実質的にクラッチスプリング428と筒部426、すなわち、キャリアプレート412が摩擦結合される。
【0121】
このようにクラッチスプリング428に摩擦結合されたキャリアプレート412は、ドライブギヤ404と共に回転してギヤ424を回転させ、更に、ギヤ424に噛み合う外歯ギヤ102が巻取方向へ所定値以上の回転速度で回転させる。外歯ギヤ102は、トルクリミッタ222を介してベースプレート92に機械的に連結されているため、外歯ギヤ102が巻取方向に回転することでベースプレート92が巻取方向へ一体的に回転する。
【0122】
ベースプレート92が巻取方向に回転すると、当接壁152が圧縮コイルスプリング270の巻取方向側の端部を押圧し、更に、圧縮コイルスプリング270が付勢力でスプリング収容部268の壁部268Aを押圧することで、イナーシャルプレート260がベースプレート92に追従回転する。
【0123】
しかしながら、基本的にイナーシャルプレート260は自重による慣性でその場に留まろうとする。このため、モータ44の駆動力で急激にベースプレート92が所定値以上の速度で回転すると、圧縮コイルスプリング270の付勢力がイナーシャルプレート260を追従回転させるよりも先に(すなわち、圧縮コイルスプリング270の付勢力に抗して)ベースプレート92がイナーシャルプレート260に対して巻取方向に相対回転してしまう。
【0124】
このようにして、イナーシャルプレート260に対してベースプレート92が巻取方向へ所定量以上相対回転すると、イナーシャルプレート260のブロック266に形成された押圧部276が、パウル240の連結片244に当接する。この状態で更にイナーシャルプレート260に対してベースプレート92が巻取方向へ相対回転しようとすると、押圧部276が連結片244の斜面278を引出方向に押圧する。
【0125】
斜面278に付与された押圧力は、引出方向とイナーシャルプレート260及びベースプレート92の半径方向内方へ作用し、この半径方向内方への作用分がパウル240をボス124周りに巻取方向へ回動させる。パウル240はボス124周りに巻取方向へ回動することで、図10に示されるように、先端244Aの角部をアダプタ112の外周部に当接させ、この状態で巻取方向側で隣接する外歯122に当接するまでベースプレート92と共にベースプレート92の中心周りに巻取方向へ回転する。
【0126】
次いで、この状態で先端244Aが外歯122に当接し、更に、ベースプレート92が巻取方向に回転すると、パウル240の先端244Aが外歯122を巻取方向へ押圧してアダプタ112、ひいてはスプール20を巻取方向に回転させる。このスプール20の回転によりウエビングベルト28がスプール20に巻き取られる。これにより、ウエビングベルト28の過度な緩みが解消されて、乗員が違和感や圧迫感を感じない程度の拘束力で乗員身体が拘束される。
【0127】
また、このように、スラックが解消された状態でモータ44が停止すると、巻取方向へのベースプレート92の回転が停止する。ベースプレート92の回転が停止すると圧縮コイルスプリング270が付勢力でイナーシャルプレート260を巻取方向に押圧し、圧縮コイルスプリング270の付勢力と圧縮コイルスプリング274の付勢力がバランスする位置までイナーシャルプレート260を巻取方向に回動させる。
【0128】
イナーシャルプレート260が回動すると、押圧部166がパウル240の解除片246に当接して、解除片246を巻取方向に押圧する。この押圧力を解除片246が受けることで、パウル240はボス124周りに引出方向へ回動し、図9に示されるように、連結片244の先端244Aがアダプタ112の外周部から離間する。これにより、ベースプレート92とアダプタ112との機械的連結、すなわち、モータ44の出力軸50と圧縮コイルスプリング270との機械的な連結が解除される。
【0129】
ここで、本実施の形態では、上記のように、アダプタ112の外歯122の総数が奇数とされ、一方のパウル240の先端244Aが外歯122に当接している状態では、他方のパウル240の先端244Aはアダプタ112の周方向に沿って外歯122から離間し、アダプタ112の周方向に沿って巻取方向で隣接する外歯122と引出方向で隣接する外歯122との中間部に位置している。すなわち、本実施の形態において、両パウル240の先端244Aがアダプタ112の外周部に当接した状態では、一方の両パウル240の先端244Aから他方の両パウル240の先端244Aまでの間隔が外歯122のピッチの整数倍になっていない。
【0130】
このため、仮に、両パウル240がボス124周りに回動した際に、一方のパウル240の先端244Aが外歯122の歯先に当接しても、他方のパウル240の先端が外歯122の歯先に当接することなく、周方向に隣接する外歯122の間でアダプタ112の外周部に当接する。
【0131】
したがって、一方のパウル240の先端244Aが外歯122の歯先に当接して噛み合うことができなくても、外歯122の略半ピッチ分だけベースプレート92が回動すれば、他方のパウル240の先端244Aが確実に外歯122に噛み合う。このため、確実且つ早急にベースプレート92の回転をアダプタ112に伝えることができ、モータ44の回転力をスプール20に伝えることができる。
【0132】
また、本実施の形態では、上記のようにモータ44の正転駆動力によるドライブギヤ404の回転力は、クラッチスプリング428を介してキャリアプレート412の筒部426に伝えられて、キャリアプレート412が回転する構成である。したがって、クラッチスプリング428が筒部426を締め付けて一体となるまでは、クラッチスプリング428と筒部426との間で回転伝達の僅かな遅れやロスが生じる。このように回転伝達の僅かな遅れやロスが生じることで、キャリアプレート412を比較的穏やかに回転開始させることができ、クラッチ220を介したスプール20への回転伝達も比較的穏やかに行なわれる。
【0133】
これにより、急激な回転伝達を行なった場合に比べて、モータ44が駆動した際に、プラネタリギヤ410やキャリアプレート412等のコントロールギヤ402を構成する各部材、外歯ギヤ102やパウル240等のクラッチ220を構成する各部材に与える衝撃を少なくできる。これにより、コントロールギヤ402やクラッチ220を構成する各部材の長寿命化を図ることができ、コントロールギヤ402やクラッチ220を長期に亘り良好に作動させることができる。
【0134】
一方、上記のように、モータ44の回転力でスプール20を巻取方向に回転させることで、ウエビングベルト28のよる乗員身体に対する拘束力が向上するが、スラックが解消されるまでスプール20にウエビングベルト28が巻き取られた状態では、乗員の身体が障害となり基本的にはそれ以上スプール20にウエビングベルト28を巻き取ることはできなくなる。この状態でスプール20が更に巻取方向に回転してウエビングベルト28を巻き取ろうとすると、必要以上の力でウエビングベルト28が乗員の身体を締め付けることになり好ましくない。
【0135】
また、上記のように、必要以上にスプール20がウエビングベルト28を巻き取ろうとした場合には、乗員の身体がウエビングベルト28の巻き取りの障害となり、スプール20がウエビングベルト28を巻き取るための巻取力に応じた大きさの引張力が、乗員の身体からウエビングベルト28に付与される。この引張力はスプール20がウエビングベルト28を巻き取る方向とは反対に作用するため、引張力がウエビングベルト28に付与されることでスプール20は停止する。
【0136】
ここで、上述したように、係合爪472がラチェット歯420に噛み合わずラチェットプレート418及びサンギヤ422が回転自在の状態では、クラッチスプリング428とキャリアプレート412が摩擦結合によりモータ44の正転駆動力がキャリアプレート412に伝えられ、更に、クラッチ220を介してスプール20に伝えられる。しかしながら、上記のようにスプール20が巻取方向に回転できない状態ではクラッチ220を介して連結されているキャリアプレート412も回転できない。
【0137】
したがって、この状態でクラッチスプリング428が摩擦によりキャリアプレート412を回転させようとすると、クラッチスプリング428に付与された回転力が筒部426との間の摩擦力に打ち勝ち、筒部426に対するクラッチスプリング428の滑りが生じる。このように、筒部426に対してクラッチスプリング428に滑りが生じた状態では、クラッチスプリング428から筒部426、すなわち、キャリアプレート412に回転が伝達されない。すなわち、この状態では、スプール20に対する巻取方向への回転力の伝達が基本的に遮断されるため、ウエビングベルト28による拘束力の上昇を抑制できる。
【0138】
(前方障害物接近時におけるウエビング巻取装置10の動作)
一方、車両の走行状態では、前方監視センサ54が車両の前方の障害物(車両前方で走行若しくは停止している他の車両も含む)までの距離を検出している。さらに、前方監視センサ54からは、障害物までの距離に対応した信号レベルを有する電気信号が出力される。前方監視センサ54から出力された電気信号はECU52に入力され、ECU52では前方監視センサ54からの電気信号に基づいて障害物までの距離が所定値未満であるか否かが判定される。次いで、障害物までの距離が所定値未満であるとECU52で判定されると、ECU52はドライバ46に対して制御信号を出力し、ドライバ46を介してモータ44に電流を流す。
【0139】
これにより、モータ44は所定値以上の速度で正転駆動し、出力軸50を正転させる。出力軸50の回転は、ギヤ56を介してコントロールギヤ402のドライブギヤ404に伝えられ、ドライブギヤ404が減速回転する。また、ドライブギヤ404が回転することで内筒部408の内歯が一体回転するため、内筒部408の内歯に噛み合うプラネタリギヤ410にドライブギヤ404の回転力が伝えられる。これにより、プラネタリギヤ410は、キャリアシャフト414周りに自転しつつサンギヤ422に回転を伝えようとする。
【0140】
一方、この状態では、ECU52からドライバ450に対して通電信号が出力され、これにより、ドライバ450を介してソレノイド446に電流を流す。ソレノイド446に電流が流れることで、ソレノイド446の周囲に磁界が形成され、このときの磁力によってプランジャ448が吸引される。この吸引力によりプランジャ448の基端側がリターンスプリング462の付勢力に抗してソレノイドハウジング442の内側へ引き込まれる。
【0141】
プランジャ448の基端側がソレノイドハウジング442の内側へ引き込まれることでプランジャ448の先端に形成されたロッド452がソレノイドハウジング442側へ移動し、更に、ロッド452に係止されたスライダ456がソレノイドハウジング442側へ移動する。スライダ456がソレノイドハウジング442側へ移動してカム部484がローラ482の下方へと移動すると、ローラ482がカム部484に乗り上げ、リターンスプリング476の付勢力に抗してパウル466を図7の矢印A方向へ回動させる。
【0142】
これにより、パウル466に形成された係合爪472がラチェットプレート418の外周部に接近する。このように、係合爪472がラチェットプレート418の外周部に接近する係合爪472がラチェットプレート418の外周部に形成されたラチェット歯420に噛み合い、図2及び図7の矢印A方向、すなわち、巻取方向へのラチェットプレート418の回転を規制する。
【0143】
ところで、この状態では、上述したように、モータ44の正転駆動力を受けたプラネタリギヤ410がキャリアシャフト414周りに自転しつつサンギヤ422周りに図4の矢印A方向へ公転しながらサンギヤ422に回転力を伝達しようとする。しかしながら、この状態では、パウル466の係合爪472によってラチェットプレート418の回転が規制されているため、当然、サンギヤ422の回転も規制されることになる。
【0144】
したがって、この状態では、プラネタリギヤ410の回転がサンギヤ422に伝えられてもサンギヤ422が回転することはできず、代わりに、プラネタリギヤ410がキャリアシャフト414周りに自転しつつ、サンギヤ422周りに公転する。このように、プラネタリギヤ410がサンギヤ422周りに公転することで、プラネタリギヤ410を軸支するキャリアシャフト414がプラネタリギヤ410に押圧されて回転し、ひいては、キャリアシャフト414が形成されたキャリアプレート412が回転する。
【0145】
キャリアプレート412が回転することで、キャリアプレート412に形成されたギヤ424が回転する。ギヤ424の回転はギヤ432、434を介して外歯ギヤ102に伝えられ、以下、上述した通常装着時と同様にクラッチ220及びスプール20が動作する。これにより、ウエビングベルト28の緩み、所謂「スラック」が解消されて、ウエビングベルト28による乗員身体に対する拘束力が向上し、仮に、その後に乗員が車両急制動(急ブレーキ)の操作を行ない、車両が急減速状態になったとしてもウエビングベルト28が確実に乗員の身体を保持する。
【0146】
ここで、この場合には、上述した通常装着時とは異なり、係合爪472がラチェットプレート418のラチェット歯420に噛み合ってラチェットプレート418の回転を規制することで、プラネタリギヤ410がキャリアプレート412をダイレクトに回転させる。このため、確実且つ早急にモータ44の回転をクラッチ220の外歯ギヤ102に伝えることができ、この意味でもモータ44の回転力を確実にスプール20に伝えることができる。
【0147】
一方、上記のように、ウエビングベルト28による乗員身体に対する拘束力を向上させる場合であっても、拘束力が必要以上に大きいことは好ましくない。
【0148】
但し、この場合には、上記のように、プラネタリギヤ410がキャリアプレート412をダイレクトに回転させているため、クラッチスプリング428に滑りが生じることはない。
【0149】
しかしながら、本実施の形態では、クラッチ220を構成する外歯ギヤ102とベースプレート92との間にトルクリミッタ222を構成するばね片230が介在し、外歯ギヤ102に伝えられたモータ44の回転力は、トルクリミッタ222を介してベースプレート92に伝えられる構造となっている。
【0150】
このため、スプール20が回転できなくなってベースプレート92の回転が規制された状態で、なおもモータ44の正転駆動力によって外歯ギヤ102が回転しようとし、この外歯ギヤ102の回転力がトルクリミッタ222を構成するばね片230のばね力を上回ると、ばね片230の係合部106が係合凹部100から抜け出る。これにより、一時的にベースプレート92と外歯ギヤ102との連結が解除され、隣接する他の係合凹部100に係合部106が入り込むまで外歯ギヤ102だけが巻取方向に回転する。
【0151】
このように、プラネタリギヤ410がキャリアプレート412をダイレクトに回転させる状態であっても、ベースプレート92と外歯ギヤ102との連結が解除されることで、ベースプレート92への外歯ギヤ102の回転力の伝達、すなわち、スプール20へのモータ44の回転力の伝達が遮断されるため、ウエビングベルト28による拘束力の上昇を抑制できる。
【0152】
(障害物接近解消時におけるウエビング巻取装置10の動作)
一方、上記のような障害物に対する車両の接近が解消された場合、すなわち、車両が減速若しくは停止して前方を走行する車両が遠ざかった場合等について説明する。このような状態で、前方監視センサ54から出力された障害物までの距離に対応した電気信号がECU52に入力され、ECU52で障害物までの距離が所定値未満ではないと判定されると、先ず、ECU52では、メモリ等から現状がスラックを解消させた状態であるか否かが確認される。
【0153】
ECU52で障害物までの距離が所定値未満ではないと判定され現状がスラックを解消させた状態であると確認されると、ECU52はドライバ46に対して制御信号を出力し、ドライバ46を介してモータ44に電流を流す。但し、この場合の電流は、スラックを解消する場合に流した電流とは反対方向の電流が流される。これにより、モータ44は所定値以上の速度で逆転駆動し、出力軸50を介してギヤ56を逆転させる。このギヤ56の回転はコントロールギヤ402のドライブギヤ404に伝えられてドライブギヤ404が減速回転し、更に、ドライブギヤ404の内筒部408に形成された内歯に噛み合うプラネタリギヤ410に回転を伝える。
【0154】
一方、この状態では、ECU52がドライバ450に対して通電停止信号を出力し、ドライバ450はソレノイド446への通電を停止する。これにより、ソレノイド446の周囲に形成されていた磁界が解消され、磁力に基づく吸引力が解消される。したがって、この状態では、リターンスプリング462の付勢力によりプランジャ448がソレノイドハウジング442の外側へ引き出され、スライダ456がソレノイドハウジング442とは反対側へ移動し、カム部484がローラ482の下方から離脱する。
【0155】
カム部484がローラ482の下方から離脱することでパウル466はリターンスプリング462の付勢力により回動し、係合爪472がラチェットプレート418の外周部から離間し、ラチェット歯420との噛み合いが解消される。係合爪472とラチェット歯420との噛み合いが解消されることでラチェットプレート418は自由に回転できる状態となる。
【0156】
ところで、この状態では、モータ44の逆転駆動力によってプラネタリギヤ410がキャリアシャフト414周りに逆転(自転)しつつサンギヤ422周りに逆転(公転)しようとする。ここで、上記のように、この状態ではラチェットプレート418は自由に回転できる状態であり、したがって、サンギヤ422も自由に回転できる状態であるため、プラネタリギヤ410からの回転が伝えられたサンギヤ422はセンターシャフト416周りに回転する。このようにサンギヤ422が回転することで、ドライブギヤ404の内筒部408の内歯から受けた回転力がプラネタリギヤ410のサンギヤ422周りの公転に寄与することはない。
【0157】
一方、上記のようにモータ44の逆転駆動力で回転するドライブギヤ404が回転すると、一対の孔部430の他方の内周部が、それに入り込んだクラッチスプリング428の周方向端部をドライブギヤ404の回転方向に回転させる。これにより生じたクラッチスプリング428の内周部と筒部426の外周部との摩擦がクラッチスプリング428の周方向一端側の回転を遅らせてクラッチスプリング428は筒部426を巻き締める。これにより、実質的にクラッチスプリング428と筒部426、すなわち、キャリアプレート412が摩擦結合される。
【0158】
このようにクラッチスプリング428に摩擦結合されたキャリアプレート412は、ドライブギヤ404と共に回転しギヤ424を回転させる。ギヤ424が回転することで外歯ギヤ102が所定値以上の回転速度で引出方向に回転させられ、更に、引出方向への外歯ギヤ102の回転は、トルクリミッタ222を介してベースプレート92に伝えられ、ベースプレート92が所定値以上の速度で引出方向へ回転させられる。
【0159】
ベースプレート92が所定値以上の速度で巻取方向へ回転した場合と同様に、ベースプレート92が所定値以上の速度で引出方向へ回転すると、慣性で留まろうとするイナーシャルプレート260に対してベースプレート92が引出方向へ相対回転する。イナーシャルプレート260に対してベースプレート92が引出方向へ所定量以上相対回転すると、イナーシャルプレート260のブロック266に形成された押圧部280が、パウル250の連結片254に当接する。
【0160】
この状態で更にイナーシャルプレート260に対してベースプレート92が引出方向へ相対回転しようとすると、押圧部280が連結片254の斜面282を巻取方向に押圧する。斜面282に付与された押圧力は、巻取方向とイナーシャルプレート260及びベースプレート92の半径方向内方へ作用し、この半径方向内方への作用分がパウル250をボス124周りに引出方向へ回動させる。
【0161】
パウル250はボス124周りに引出方向へ回動することで、先端254Aの角部をアダプタ112の外周部に当接させ、この状態で引出方向側で隣接する外歯122に当接するまでベースプレート92と共にベースプレート92の中心周りに引出方向へ回転する。
【0162】
次いで、図11に示されるように、この状態で先端254Aが外歯122に当接し、更に、ベースプレート92が引出方向に回転すると、パウル250の先端254Aが外歯122を引出方向へ押圧してアダプタ112、ひいてはスプール20を引出方向に回転させる。このスプール20の回転によりスプール20におけるウエビングベルト28の巻き締めが緩められ、ウエビングベルト28から乗員身体に与えられる圧迫感が軽減される。
【0163】
さらに、この場合には、回転方向が異なるものの、トルクコントロール機構400が通常装着時と同様の作用を奏するため、比較的に穏やかにウエビングベルト28が緩められる。このため、急激にウエビングベルト28を緩める場合とは異なり、ウエビングベルト28を装着している乗員に違和感等を感じさせることがない。
【0164】
一方、この状態でモータ44が停止すると、引出方向へのベースプレート92の回転が停止する。ベースプレート92の回転が停止すると圧縮コイルスプリング274が付勢力でイナーシャルプレート260を引出方向に押圧し、圧縮コイルスプリング274の付勢力と圧縮コイルスプリング270の付勢力がバランスする位置までイナーシャルプレート260を引出方向に回動させる。
【0165】
イナーシャルプレート260が回動すると、押圧部166がパウル250の解除片246に当接して、解除片246を引出方向に押圧する。この押圧力を解除片246が受けることで、パウル250はボス124周りに巻取方向へ回動し、連結片254の先端254Aがアダプタ112の外周部から離間する。これにより、ベースプレート92とアダプタ112との機械的連結、すなわち、モータ44の出力軸50と圧縮コイルスプリング274との機械的な連結が解除される。
【0166】
このように、本ウエビング巻取装置10のクラッチ220は、巻取方向及び引出方向の何れの方向を問わず、外歯ギヤ102の回転をアダプタ112に伝達でき、逆にアダプタ112からの回転は外歯ギヤ102に伝達しない構成である。
【0167】
このため、モータ44の所定値以上の速度で正転駆動及び逆転駆動させるだけでスプール20を巻取方向へも引出方向へも回転させることができる。これにより、上述したように、車両と障害物との間隔が小さくなった場合にウエビングベルト28による拘束力を向上でき、車両と障害物との間隔が大きくなった場合にウエビングベルト28から受ける圧迫感を軽減できる。
【0168】
また、基本的には、巻取方向回転伝達用のパウル240と引出方向回転伝達用のパウル250を設けることで両方向の回転伝達を実現しているため、クラッチ220の構造を簡素で小型にできる。これにより、本ウエビング巻取装置10の小型化及びコストの低減を図ることができる。
【0169】
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態におけるトルクコントロール機構400の変形例である。したがって、ウエビング巻取装置10の基本的な構成及びクラッチ220等の他の部位に関してはその説明を省略する。
【0170】
(トルクコントロール機構510の構成)
図12には、本実施の形態におけるトルクコントロール機構510の構成が分解斜視図により示されている。この図に示されるように、トルクコントロール機構510は、コントロールギヤ402に代わりコントロールギヤ512を備えているがコントロールソレノイド装置440を備えておらず、ドライバ450も備えていない。
【0171】
すなわち、前記第1の実施の形態では、コントロールギヤ402とコントロールソレノイド装置440でトルクコントロール機構400を構成していたが、本実施の形態では、基本的にコントロールギヤ512だけでトルクコントロール機構510を構成している。なお、特に図示はしないが、コントロールギヤ512は、図2におけるコントロールギヤ402と同じ位置に設けられる。
【0172】
コントロールギヤ512は第1回転体としてのドライブギヤ514を備えている。ドライブギヤ514は外筒部406に形成された外歯がギヤ56に噛み合うと言う点でドライブギヤ404と同じである。但し、前記第1の実施の形態においてドライブギヤ404はリング状であったのに対し、ドライブギヤ514は、軸方向脚板18側の端部が底板516により閉止され、全体的に軸方向寸法が短な浅底の筒形状(若しくは、盆形状)に形成されている。
【0173】
また、ドライブギヤ514は内筒部518を備えている。内筒部518は、外筒部406の内側で外筒部406に対し同軸的に形成され、且つ、外筒部406よりも軸方向寸法が短く、軸方向一方の端面に孔部430が形成されていると言う点では前記第1の実施の形態における内筒部408と同じである。しかしながら、内筒部518は内筒部408とは異なり内歯が形成されていない。
【0174】
さらに、ドライブギヤ514の底板516の略中央からは、脚板16側及び脚板18側の双方へ向けて円筒状のボス520(図12では脚板16側のボス520のみを図示)が突出形成されている。両ボス520は互いに同軸的に貫通している。
【0175】
一方、ドライブギヤ514の開口端側には、第2回転体としての略円盤状のギヤベース522がドライブギヤ514に対して同軸的に設けられており、ドライブギヤ514の開口端を閉止している。ギヤベース522は外径寸法が外筒部406の内径寸法よりも僅かに小さく、ドライブギヤ514の開口端側で外筒部406の内側に入り込む。
【0176】
ギヤベース522の脚板16側にはギヤ424がギヤベース522に対して同軸的且つ一体的に形成されている。これに対して、図13に示されるように、ギヤベース522の脚板18側には筒部524がギヤベース522に対して同軸的且つ一体的に形成されている。
【0177】
筒部524は、外径寸法が内筒部518の内径寸法よりも僅かに小さく、ギヤベース522を外筒部406の内側に入り込ませた状態では、筒部524が内筒部518の内側へ同軸的に入り込む。この筒部524にはクラッチスプリング428が筒部524の外周部に摺接した状態で設けられている。クラッチスプリング428は前記第1の実施の形態と同様にその周方向両端が各孔部430に遊嵌している。
【0178】
また、ギヤベース522の脚板18側には、回転軸526がギヤベース522に対して同軸的且つ一体的に形成されている。回転軸526は、上述したボス520に回転自在に軸支されている。これにより、ギヤベース522とドライブギヤ514とが同軸的に相対回転可能となっている。
一方、上述したドライブギヤ514の底板516には一対の支持シャフト528が脚板16側へ向けて立設されている。これらの支持シャフト528は、ボス520を介して互いに対向する如く形成されている。これらの支持シャフト528の各々には、第1回転伝達部材としての慣性係合板530が支持シャフト528周りに揺動自在に軸支されている。これらの慣性係合板530の揺動半径方向外側端部は係合爪532とされており、図14の矢印E方向へ慣性係合板530が所定距離揺動すると、上述した筒部524の内周部に形成されたラチェット歯534に係合爪532が噛み合う構成となっている。
【0179】
また、慣性係合板530にはスプリング取付部536が形成されている。このスプリング取付部536には捩じりコイルスプリング538が取り付けられている。捩じりコイルスプリング538は、一端が後述する調整爪546に係止されていると共に、他端が慣性係合板530に係止され、図7の矢印E方向とは反対方向へ慣性係合板530を付勢している。したがって、慣性係合板530は、捩じりコイルスプリング538の付勢力に抗する程度の回転力が付与されない限り、係合爪532がラチェット歯534に噛み合うまで回転することができない。
【0180】
一方、底板516の脚板18側にはアジャスタプレート540が配置されている。アジャスタプレート540は、略板状の本体542を備えている。本体542には透孔544が形成されている。透孔544は内径寸法がボス520の外径寸法よりも極僅かに大きい程度とされ、ボス520が透孔544を貫通した状態でボス520周りに回転自在に軸支されている。
【0181】
また、本体542の底板516側の面からは調整爪546が突出形成されている。調整爪546は、底板516に形成された孔部548を貫通して底板516のギヤベース522側へ突出している。底板516のギヤベース522側へ突出した調整爪546の先端側には、上述した捩じりコイルスプリング538の一端が係止されており、透孔544の内側でボス520周りに回動することで、捩じりコイルスプリング538の他端に対して一端を変位させ、これにより、捩じりコイルスプリング538の付勢力を増減することができるようになっている。
【0182】
一方、底板516の脚板18側には一対の保持片550が形成されている。これらの保持片550の一方はボス520を介して他方とは反対側に形成されている。各保持片550には、厚さ方向に貫通した雌ねじ孔が形成されており、各々の雌ねじ孔にはアジャストスクリュー552の基端側が螺入している。各アジャストスクリュー552の先端は、アジャスタプレート540の本体542の外周部から延出された干渉板554に当接している。
【0183】
各アジャストスクリュー552は自らの軸心周りに回転することで、自らの軸方向に変位する。アジャストスクリュー552の先端に当接した干渉板554はアジャスタプレート540に形成されており、しかも、アジャスタプレート540には調整爪546を介して捩じりコイルスプリング538の付勢力が作用しているため、干渉板554はアジャストスクリュー552に圧接している。したがって、アジャストスクリュー552を回転させて軸方向に変位させることで、アジャスタプレート540をボス520周りに回動させることができ、これにより、捩じりコイルスプリング538の他端に対して一端を適宜に変位させることができるようになっている。
【0184】
<第2の実施の形態の作用、効果>
以上の構成のコントロールギヤ512(トルクコントロール機構510)は、モータ44の正転駆動力が出力軸50及びギヤ56を介してドライブギヤ514に入力されると、ドライブギヤ514が回転し、このときのドライブギヤ514の回転により生じる遠心力が慣性係合板530に対し、捩じりコイルスプリング538の付勢力とは反対方向に作用する。
【0185】
ここで、モータ44の正転駆動力が所定の大きさに満たない場合には、上記の遠心力が捩じりコイルスプリング538の付勢力に抗することができないため、慣性係合板530の係合爪532がラチェット歯534に噛み合うことがない。
【0186】
この状態では、ドライブギヤ514が回転軸526周りに回転するが、慣性係合板530を介した筒部524への回転力の伝達が行なわれないため、ギヤベース522は停止している。
【0187】
但し、このようにドライブギヤ514が回転することで、一対の孔部430の一方の内周部が、これに入り込んだクラッチスプリング428の周方向端部をドライブギヤ514の回転方向に回転させる。前記第1の実施の形態で説明したように、クラッチスプリング428の周方向一端がドライブギヤ514の回転方向に回転させられることで筒部524の外周部との間で生じた摩擦力により、クラッチスプリング428の周方向一端側に対し他端側で回転遅れが生じ、これにより、クラッチスプリング428が筒部524を締め付ける。
【0188】
これによって、更にクラッチスプリング428と筒部426との摩擦力が増大することで、クラッチスプリング428は筒部426を伴い回転しようとし、実質的にクラッチスプリング428と筒部426、すなわち、ギヤベース522が摩擦結合される。
【0189】
このようにクラッチスプリング428に摩擦結合されたギヤベース522は、ドライブギヤ514と共に回転してギヤ424を回転させ、更に、ギヤ424の回転がギヤ432、434を介して外歯ギヤ102へ伝えられて外歯ギヤ102が巻取方向へ所定値以上の回転速度で回転させる。
【0190】
これに対し、モータ44の正転駆動力が所定の大きさに以上の場合には、上記の遠心力が捩じりコイルスプリング538の付勢力に抗し、慣性係合板530の係合爪532がラチェット歯534に噛み合う。これにより、ドライブギヤ514と共に回転する慣性係合板530の係合爪532がラチェット歯534を押圧して、筒部524、ひいては、ギヤベース522をダイレクトに回転させ、更に、この回転がギヤ424、432、434を介して外歯ギヤ102に伝えられることで外歯ギヤ102が巻取方向へ所定値以上の回転速度で回転させられる。
【0191】
このように、本実施の形態では、モータ44の正転駆動力が所定の大きさ未満である場合には、ドライブギヤ514とギヤベース522とがクラッチスプリング428を介して摩擦結合され、モータ44の回転駆動力が所定の大きさ以上である場合には、慣性係合板530を介するものの基本的にドライブギヤ514の回転がダイレクトにギヤベース522に伝えられる。
【0192】
すなわち、本実施の形態では、モータ44の正転駆動力の大きさでドライブギヤ514からギヤベース522への回転力の伝達の態様が異なるものの、個々の態様は前記第1の実施の形態と同じである。したがって、通常装着時には、捩じりコイルスプリング538の付勢力に抗して慣性係合板530が回転しない程度にモータ44を正転駆動させ、前方障害物までの距離が所定距離未満になった場合には、捩じりコイルスプリング538の付勢力に抗して慣性係合板530が回転する程度にモータ44を正転駆動させる構成とすることで、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0193】
一方、モータ44が逆転駆動した場合にもドライブギヤ514は回転するが、このときのドライブギヤ404の回転により慣性係合板530に作用する遠心力は、その向きが捩じりコイルスプリング538の付勢力と略同方向になる。したがって、モータ44が逆転駆動した場合でのドライブギヤ514からギヤベース522への回転力の伝達は、逆転駆動力の大きさに関係なくクラッチスプリング428を介した摩擦結合になる。したがって、この場合にも、前記第1の実施の形態においてモータ44を逆転駆動させてウエビングベルト28の拘束力を弱める場合と同様の効果を得ることができる。
【0194】
なお、上記の各実施の形態は、トルクコントロール機構400、510とのスプール20との間にクラッチ220を設ける構成であったが、クラッチ220は設けなくてもよいし、また、ギヤ424の正逆双方の回転をスプール20に伝達できる構成であれば、他のクラッチを適用してもよい。
【0195】
さらに、上記の各実施の形態では、駆動手段としてのモータ44の駆動力でスラックを解消する構成であったが、例えば、ガス発生剤を瞬時に燃焼させることで発生したガスの圧力で、スプール20を強制的に巻取方向へ回転させる所謂「プリテンショナ機構」を併用し、車両前方の障害物までの距離が所定値未満になった場合にモータ44の駆動力でスラックを解消し、その後の急制動等を加速度センサで検出し、上記のプリテンショナ機構を作動させ、ウエビングベルトによる拘束力を一段と強力なものにする構成としてもよい。
【0196】
【発明の効果】
以上説明したように、本ウエビング巻取装置では、トルクコントロール機構による駆動手段の出力軸と巻取軸との直結状態では早急且つ確実な回転伝達が可能であり、しかも、トルクコントロール機構が上記の直結状態を解除すれば摩擦力により駆動手段の出力軸と巻取軸とを連結させて穏やかに回転伝達を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の構成の概略を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置での駆動手段からの回転伝達の経路を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態で適用するトルクコントロール機構の分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態で適用するトルクコントロール機構を構成するコントロールギヤの構造を示す正面図である。
【図5】コントロールギヤを構成する第2回転体としてのキャリアプレートの裏面側の構造を示す斜視図である。
【図6】トルクコントロール機構を構成するコントロールソレノイド装置の側面断面図である。
【図7】トルクコントロール機構を構成するコントロールソレノイド装置の正面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置に適用したクラッチの構成を示す分解斜視図である。
【図9】クラッチの構成を示す平面図である。
【図10】巻取方向の回転を伝えている状態を示す図9に対応した平面図である。
【図11】引出方向の回転を伝えている状態を示す図9に対応した平面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態で適用するトルクコントロール機構の分解斜視図である。
【図13】コントロールギヤを構成する第2回転体としてのギヤベースの裏面側の構造を示す斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態で適用するトルクコントロール機構を構成するコントロールギヤの構造を示す正面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態で適用するトルクコントロール機構を構成するコントロールギヤの構造を示す裏面図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置
20 スプール(巻取軸)
28 ウエビングベルト
44 モータ(駆動手段)
50 出力軸
52 ECU(制御手段)
54 前方監視センサ(検出手段)
55 バックルセンサ(検出手段)
400 トルクコントロール機構
404 ドライブギヤ(第1回転体)
410 プラネタリギヤ(第1回転伝達部材)
412 キャリアプレート(第2回転体)
428 クラッチスプリング(第2回転伝達部材)
510 トルクコントロール機構
514 ドライブギヤ(第1回転体)
522 ギヤベース(第2回転体)
530 慣性係合板(第1回転伝達部材)
Claims (4)
- 装着状態で乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトの基端側が係止された巻取軸に、駆動手段の出力軸を間接的に連結し、前記駆動手段の駆動力により生じる前記出力軸の回転力を前記巻取軸に伝えることで、前記ウエビングベルトを巻き取る巻取方向又は当該巻取方向とは反対の引出方向へ前記巻取軸を回転させるウエビング巻取装置であって、
前記出力軸を前記巻取軸に機械的に直結し、前記出力軸の回転力を前記巻取軸に伝達して前記巻取軸を回転させると共に、前記直結状態の解除が可能で且つ当該解除状態での前記出力軸の回転に伴い増加する摩擦力が一定の大きさ以上になった場合に前記出力軸と前記巻取軸とを前記摩擦力で連結し、前記出力軸の回転を前記巻取軸に伝達可能なトルクコントロール機構を備える、
ことを特徴とするウエビング巻取装置。 - 前記出力軸に機械的に連結され、前記出力軸の回転を受けて回転する第1回転体と、
前記巻取軸に機械的に連結されて自らの回転を前記巻取軸に直接或いは間接的に伝える第2回転体と、
前記第1回転体及び前記第2回転体の何れか一方に設けられると共に、何れか他方に対し前記原動側回転体の回転方向に沿って当接し或いは当接可能とされ、前記何れか他方に当接し、且つ、所定条件下における押圧可能状態で前記第1回転体と共に回転し、前記第2回転体を前記第1回転体の回転方向へ押圧する第1回転伝達部材と、
前記第1回転体及び前記第2回転体の何れか一方に対し前記第1回転体の回転方向及びその反対方向に摺接状態で設けると共に、何れか他方に一部が係合し、前記何れか一方に対する前記何れか他方の相対的な回転量の増加に伴い前記何れか一方との摩擦が増加し、当該摩擦により前記従動側回転を前記第1回転体に追従回転させる第2回転伝達部材と、
を含めて前記トルクコントロール機構を構成したことを特徴とする請求項1記載のウエビング巻取装置。 - 所定方向で且つ所定速度以上の前記第1回転体の回転により生じる遠心力で、前記第1回転伝達部材を揺動可能に設けると共に、当該揺動により前記第1回転伝達部材が前記押圧可能状態になることを特徴とする請求項2記載のウエビング巻取装置。
- 車両の走行状態、前記車両の前方に位置する障害物までの距離、及び、前記ウエビングベルトが前記乗員の身体に装着されたか否かの何れかを検出する検出手段と、
前記検出手段からの所定の信号に基づいて前記駆動手段を駆動させると共に前記直結状態にする制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のウエビング巻取装置。
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